(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051206
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21V 23/00 20150101AFI20220324BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20220324BHJP
F21V 15/01 20060101ALI20220324BHJP
H05B 45/375 20200101ALI20220324BHJP
F21Y 103/10 20160101ALN20220324BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20220324BHJP
【FI】
F21V23/00 150
F21V23/00 200
F21V23/00 130
F21V23/00 140
F21S2/00 230
F21V15/01 100
F21V15/01 510
H05B45/375
F21Y103:10
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157553
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】000006013
【氏名又は名称】三菱電機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】390014546
【氏名又は名称】三菱電機照明株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100148057
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 淑己
(72)【発明者】
【氏名】芝原 信一
(72)【発明者】
【氏名】船山 信介
【テーマコード(参考)】
3K014
3K273
【Fターム(参考)】
3K014AA01
3K014DA04
3K014DA08
3K273AA10
3K273BA34
3K273BA35
3K273CA02
3K273CA25
3K273EA06
3K273EA07
3K273EA24
3K273EA25
3K273EA35
3K273EA44
3K273FA14
3K273FA27
3K273GA03
3K273GA06
3K273GA07
3K273GA12
3K273GA14
3K273GA18
3K273HA02
3K273HA12
3K273HA15
3K273HA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】使用者の感電を抑制できる照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置80は、光源と、第1面101と第1面101と反対側の面である第2面102を有し、第1面101に光源が設けられた基板100と、スイッチング素子のオンオフにより光源を点灯させる点灯回路10と、金属から形成され、第2面102と面接触する筐体250と、点灯回路10と筐体250との間に電気的に接続されるコンデンサと、を備える。筐体250は、アース端子を接続するためのアース取付部210と電気的に接続される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源と、
第1面と前記第1面と反対側の面である第2面を有し、前記第1面に前記光源が設けられた基板と、
スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させる点灯回路と、
金属から形成され、前記第2面と面接触する筐体と、
前記点灯回路と前記筐体との間に電気的に接続されるコンデンサと、
を備え、
前記筐体はアース端子と電気的に接続されることを特徴とする照明装置。
【請求項2】
前記筐体は、外部から前記点灯回路に電力を供給する給電部のアース端子と電気的に接続される接地部を有することを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記コンデンサの静電容量は、前記基板と前記筐体との間の静電容量よりも大きいことを特徴とする請求項1または2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記コンデンサは前記基板に設けられることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記コンデンサは、前記基板を前記筐体に固定する固定具を介して前記筐体と電気的に接続されることを特徴とする請求項4に記載の照明装置。
【請求項6】
前記点灯回路は前記基板に設けられることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項7】
前記点灯回路は前記第2面に設けられた部品を有し、
前記筐体には、前記筐体が前記第2面に設けられた状態で前記部品が配置される開口が形成されることを特徴とする請求項6に記載の照明装置。
【請求項8】
前記部品と前記開口を覆うカバーを備えることを特徴とする請求項7に記載の照明装置。
【請求項9】
前記コンデンサは前記光源と前記筐体との間に電気的に接続されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項10】
前記点灯回路は、外部から供給される電力を整流する整流器と、前記整流器の出力に接続され、前記スイッチング素子のオンオフにより前記光源を点灯させるスイッチング回路と、を備え、
前記コンデンサは、前記スイッチング回路の回路グラウンドと前記筐体との間に電気的に接続されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項11】
前記コンデンサは、外部から前記点灯回路に電力を供給する給電部と前記点灯回路とを繋ぐ電源ラインと、前記筐体との間に電気的に接続されることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項12】
外部から前記点灯回路に電力を供給する給電部と前記点灯回路との間に接続される入力フィルタ回路を備え、
前記コンデンサは、前記入力フィルタ回路が有するYコンデンサであることを特徴とする請求項1から8の何れか1項に記載の照明装置。
【請求項13】
前記第1面と垂直な方向から見て、前記基板および前記筐体は長方形であることを特徴とする請求項1から12の何れか1項に記載の照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1にはランプ装置が開示されている。ランプ装置は、金属製の筐体、発光モジュール、接続手段、給電部および点灯回路を備える。発光モジュールは、筐体の一端側に配置される基板、基板に実装された発光素子および発光素子に一端が電気的に接続されて基板に実装されたコンデンサを有する。接続手段は、コンデンサの他端を筐体に電気的に接続する。給電部は、筐体の他端側に配置する。点灯回路は、筐体内に配置する。コンデンによりコモンモードノイズ対策ができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、筐体と発光素子との間にコンデンサが設けられる。ここで、スイッチング電源回路を使用してLEDに電力供給する構成では、一般に高周波成分がLEDに重畳する。このとき、LED基板と筐体間の誘電体による静電結合と、筐体とLEDの間に接続したコンデンサとを介して、筐体に漏洩電流が発生するおそれがある。静電結合とコンデンサによる静電容量が大きいほど漏洩電流は大きくなる。このとき、筐体とLEDの間に接続したコンデンサの静電容量によっては、使用者が筐体と接触すると感電するおそれがある。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされたもので、感電を抑制できる照明装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明装置は、光源と、第1面と該第1面と反対側の面である第2面を有し、該第1面に該光源が設けられた基板と、スイッチング素子のオンオフにより該光源を点灯させる点灯回路と、金属から形成され、該第2面と面接触する筐体と、該点灯回路と該筐体との間に電気的に接続されるコンデンサと、を備え、該筐体はアース端子と電気的に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る照明装置では、筐体はアース端子と電気的に接続される。従って、感電を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施の形態1に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図2】実施の形態1に係る照明装置が分解された状態を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態1に係る筐体に基板が取り付けられた状態を示す底面図である。
【
図4】実施の形態1に係る筐体に基板が取り付けられた状態を示す平面図である。
【
図5】実施の形態2に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図6】実施の形態3に係る照明装置の回路ブロック図である。
【
図7】実施の形態4に係る照明装置の回路ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
各本実施の形態に係る照明装置について図面を参照して説明する。同じ又は対応する構成要素には同じ符号を付し、説明の繰り返しを省略する場合がある。また、以下で接続という場合には、電気的な接続を含むものとする。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る照明装置80の回路ブロック図である。照明装置80は、光源部20と、スイッチング素子Q1のオンオフにより光源部20を点灯させる点灯回路10とを備える。点灯回路10は端子部CN1に接続される。端子部CN1には、外部から供給される商用電源ACが接続される。
【0011】
点灯回路10の出力は光源部20と接続される。光源部20は直列接続された複数の発光素子21を備える。発光素子21は例えばLEDである。光源部20が備える発光素子21は1個以上であれば良い。また、複数の発光素子21は、並列または直並列に接続されても良い。
【0012】
端子部CN1には、入力フィルタ回路11を介して整流器DBが接続される。端子部CN1を介して供給されたAC電圧は、整流器DBで全波整流される。図示しないが、入力フィルタ回路11は、ノーマルモードノイズを抑制するアクロスコンデンサ、ノーマルチョークコイル、コモンモードノイズを抑制するラインフィルタなどを備える。入力フィルタ回路11は、外部から入力されるノイズおよび点灯回路10で発生するノイズを抑制している。
【0013】
整流器DBの出力と並列にコンデンサC1が接続される。整流器DBで全波整流された電圧は、コンデンサC1で平滑される。また、整流器DBの出力には降圧チョッパ回路が接続される。降圧チョッパ回路は、スイッチング素子Q1、コイルL1、ダイオードD1で構成される。スイッチング素子Q1は例えばMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)である。
【0014】
コンデンサC1の正極にスイッチング素子Q1のドレインが接続される。スイッチング素子Q1のソースにコイルL1の一端およびダイオードD1のカソードが接続される。コイルL1の他端には、コンデンサC2の正極が接続される。コンデンサC2と並列に光源部20が接続される。コンデンサC2の負極および光源部20のカソード側には、抵抗R1の一端が接続されている。抵抗R1の他端は、ダイオードD1のアノード、コンデンサC1の負極および整流器DBに接続される。抵抗R1の他端は回路グラウンドでもある。
【0015】
点灯回路10は、降圧チョッパ回路のスイッチング制御のための点灯制御IC12を備える。点灯制御IC12のP1端子は、スイッチング素子Q1のゲートに接続される。点灯制御IC12は、P1端子から信号を出力してスイッチング素子Q1を駆動する。また、点灯制御IC12のP2端子は、抵抗R1の一端に接続される。点灯制御IC12は、抵抗R1に発生する電圧を検出する。
【0016】
降圧チョッパ回路は、コンデンサC1の電圧からスイッチング素子Q1のスイッチング動作により高周波電圧を生成する。高周波電圧はコンデンサC2で平滑される。コンデンサC2で平滑された電圧は光源部20に供給される。これにより、光源部20は点灯することができる。
【0017】
点灯制御IC12は、光源部20に一定の電流を供給するため、降圧チョッパ回路を定電流制御している。スイッチング素子Q1がオンしたとき、コンデンサC1で平滑された電圧からコイルL1を介して、コンデンサC2と光源部20の並列回路に高周波電圧が供給される。コンデンサC2は、コイルL1から得られる高周波電圧を平滑して光源部20に電力供給する。スイッチング素子Q1がオフすると、スイッチング素子Q1がオンしているときに蓄えられたコイルL1のエネルギーが、コンデンサC2および光源部20の並列回路とダイオードD1とを介して放出される。
【0018】
スイッチング素子Q1がスイッチングすると、コンデンサC2および光源部20に流れる電流が抵抗R1に流れる。このため、抵抗R1は、光源部20に流れる平均電流を電圧に変換していることになる。抵抗R1に発生した電圧は、点灯制御IC12のP2端子で検出される。
【0019】
点灯制御IC12は、内部の基準閾値VrefとP2端子の電圧とを比較する。点灯制御IC12は内部で定められた動作周波数で動作する。点灯制御IC12は比較結果によりスイッチング素子Q1のオン時間を決定し、スイッチング素子Q1のスイッチング動作を制御する。点灯制御IC12は、抵抗R1に発生する電圧が基準閾値Vrefよりも小さければオン時間を長くする。また、点灯制御IC12は、抵抗R1に発生する電圧が基準閾値Vrefよりも大きければオン時間を短くする。これにより、抵抗R1に発生する電圧が基準閾値Vrefと一致するように点灯回路10は動作する。従って、光源部20に流れる電流が予め定められた値となるように、定電流制御することができる。
【0020】
また、コンデンサC2と並列に抵抗R2、R3の直列回路が接続される。抵抗R2、R3の接続点は、点灯制御IC12のP3端子に接続される。点灯制御IC12は、P3端子によって降圧チョッパ回路の出力電圧を抵抗R2、R3の抵抗分圧値として検出する。点灯制御IC12は降圧チョッパ回路を定電流制御する。このため、何かしらの事象により光源部20に異常が発生してハイインピーダンス状態になると、点灯制御IC12はオン時間を長くして降圧チョッパ回路の出力電圧を高くする。光源部20の異常は、例えば開放またはハーフデッドである。
【0021】
この状態が継続すると、想定よりも降圧チョッパ回路の出力電圧が高くなり、コンデンサC2に過剰な電圧が発生するおそれがある。これを防ぐために、点灯制御IC12は、降圧チョッパ回路の出力電圧が一定値以上になるとスイッチング動作を停止する過電圧保護機能を有している。
【0022】
また、コンデンサC3、C4は光源部20と筐体250との間に電気的に接続される。コンデンサC3の一端は、光源部20のカソード側に接続される。コンデンサC3の他端はコンデンサC4の一端と接続される。コンデンサC4の他端は、筐体250と電気的に接続される。
【0023】
図2は、実施の形態1に係る照明装置80が分解された状態を示す斜視図である。照明装置80は基板100を備える。基板100は、第1面101と第1面101と反対側の面である第2面102を有する。点灯回路10を構成する電子部品は基板100の第2面102に設けられる。点灯回路10を構成する部品の全てが第2面102に設けられても良い。また、点灯回路10を構成する部品のうち一部が第1面101に設けられ一部が第2面に設けられても良い。
【0024】
照明装置80は金属から形成された筐体250を備える。筐体250は、金属から形成されたフレーム200と、金属から形成された電源カバー202を有する。フレーム200は、基板100の第2面102と面接触する。フレーム200には開口201が形成される。開口201には、フレーム200が基板100の第2面102に設けられた状態で点灯回路10の部品が配置される。つまり、フレーム200に基板100を面接触させるために、開口201で点灯回路10の部品を逃がしている。
【0025】
基板100の第1面101には、光源部20が設けられる。基板100の第1面101を覆うように、拡散カバー300がフレーム200に取り付けられる。拡散カバー300は、透過性を有する樹脂から形成される。拡散カバー300は、光源部20が点灯しているときに発する光を拡散させる。
【0026】
基板100とフレーム200を面接触させることで、基板100を支持および固定できる。また、光源部20が発する熱を金属から成るフレーム200に放熱できる。
【0027】
電源カバー202は、点灯回路10の部品と開口201を覆う。電源カバー202は、開口201から突出した点灯回路10の部品を覆う。フレーム200および電源カバー202には平面視で重なる位置に取り付け穴203が形成される。取り付け穴203にネジ204が挿入されることで、電源カバー202はフレーム200に取り付けられる。
【0028】
また、フレーム200の上面には、アース端子を接続するためのアース取付部210が設けられる。アース取付部210とフレーム200は電気的に接続され、導通している。即ち、アース取付部210にアース端子を接続すると、フレーム200および電源カバー202がアース電位となる。これにより、照明装置80の金属外郭である筐体250を接地することができる。アース取付部210は、アース端子と電気的に接続される接地部である。
【0029】
図1に示されるように、筐体250はアース端子と電気的に接続される。アース端子は、外部から点灯回路10に電力を供給する給電部である商用電源ACの負側端子である。商用電源ACは片側接地されている。筐体250は端子部CN1の低電位側の端子と電気的に接続されるものとしても良い。
【0030】
図3は、実施の形態1に係る筐体250に基板100が取り付けられた状態を示す底面図である。
図4は、実施の形態1に係る筐体250に基板100が取り付けられた状態を示す平面図である。第1面101と垂直な方向から見て、基板100および筐体250は長方形である。
図3に示されるように、基板100の第1面101には、光源部20を構成する発光素子21が実装されている。複数の発光素子21は、それぞれ図示しないパターン配線および図示しない基板100のスルーホールを介して、第2面102に実装される点灯回路10と電気的に接続されている。なお、
図4では電源カバー202で覆われた点灯回路10の部品が破線で示されている。
【0031】
基板100の第1面101には、直列接続されたコンデンサC3、C4が設けられる。コンデンサC4の他端は、ラグ端子220と電気的に接続される。ラグ端子220はネジ221によってフレーム200と電気的に接続され、かつ、機械的に固定される。これにより、コンデンサC4はフレーム200と電気的に接続される。また、基板100はフレーム200と機械的に固定される。このように、コンデンサC3、C4は、基板100を筐体250に固定する固定具を介して、筐体250と電気的に接続される。
【0032】
図1に示されるように、コンデンサC3は光源部20の低電位側に接続されている。コンデンサC4は筐体250に接続されている。また、光源部20が実装されている基板100はフレーム200と面接触している。このため、光源部20とフレーム200との間には、浮遊容量Caが発生する。浮遊容量Caは、例えば基板100と筐体250間の誘電体による静電結合により発生する。
【0033】
点灯回路10のスイッチング動作により点灯回路10近傍の筐体250に発生した高周波のコモンモードノイズは、コンデンサC3、C4によって点灯回路10に戻る。このため、コモンモードノイズを抑制できる。コンデンサC3、C4がない状態でも、浮遊容量Caを介してコモンモードノイズを抑制することができる。しかし、浮遊容量Caには一般に製造上のばらつきが発生する。また、浮遊容量Caは例えば数100pFである。浮遊容量Caが小さいと、ノイズ抑制の効果は小さい。
【0034】
本実施の形態では、コンデンサC3、C4の静電容量の和は、基板100と筐体250との間の静電容量である浮遊容量Caよりも大きい。よって、浮遊容量Caよりも十分に大きい静電容量のコンデンサC3、C4を接続することでノイズを抑制できる。
【0035】
しかしながら、コンデンサC3、C4を接続すると、筐体への漏洩電流の増加が懸念される。光源部20には、コンデンサC2で平滑された電流が流れる。しかし、実際にはコンデンサC2で抑制できなかった高周波成分が重畳される。高周波成分は降圧コンバータ回路の動作周波数であり、例えば数10kHz~数100kHzである。このため、コンデンサC3、C4が接続されたことで、浮遊容量Caのみの場合に比べて大きな静電容量を介して、高周波成分の漏洩電流が筐体250に流れる可能性がある。静電容量が大きいほど漏洩電流は大きくなる。
【0036】
これに対し本実施の形態では、筐体250が接地される。このため、感電を抑制できる。従って、安全な照明装置80を提供することができる。
【0037】
また、コンデンサC3、C4は光源部20が実装された基板100に実装される。このため、照明装置80を小型化できる。
【0038】
さらに本実施の形態では、点灯回路10も光源部20が実装された基板100と同一の基板に実装される。これにより、光源部20が実装される基板と点灯回路10が実装される基板とが別個に構成される場合に比べて、照明装置80を更に小型化できる。
【0039】
なお、コンデンサC3、C4は基板100に設けられれば良い。コンデンサC3、C4は基板100の第2面102に設けられても良い。また、光源部20と筐体250との間に電気的に接続されるコンデンサは1つでも良い。この場合、コンデンサの静電容量は、浮遊容量Caよりも大きいことが望ましい。また、光源部20と筐体250との間に電気的に接続されるコンデンサは3つ以上でも良い。
【0040】
また、点灯回路10は、降圧チョッパ回路に限らず、スイッチング素子のオンオフにより光源部20を点灯させるスイッチング回路を有すれば良い。
【0041】
これらの変形は、以下の実施の形態に係る照明装置について適宜応用することができる。なお、以下の実施の形態に係る照明装置については実施の形態1との共通点が多いので、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
【0042】
実施の形態2.
図5は、実施の形態2に係る照明装置280の回路ブロック図である。本実施の形態では、コンデンサC3、C4の接続位置が実施の形態1と異なっている。コンデンサC3、C4は、点灯回路10と筐体250との間に電気的に接続されれば良い。本実施の形態では、コンデンサC3、C4は、降圧チョッパ回路の回路グラウンドと筐体250との間に電気的に接続される。降圧チョッパ回路の回路グラウンドは、外部から供給される電力を整流する整流器DBの低電位側の出力である。
【0043】
本回路構成でも実施の形態1と同等の効果が期待できる。また、点灯回路10が発生したノイズ成分によっては、光源部20からよりも、回路グラウンドから点灯回路10にノイズを返した方が良い場合もある。このため、コンデンサC3、C4の位置を選択することが望ましい。
【0044】
実施の形態3.
図6は、実施の形態3に係る照明装置380の回路ブロック図である。照明装置380は点灯回路310を備える。点灯回路310は入力フィルタ回路311を備える。入力フィルタ回路311は、給電部である商用電源ACと点灯回路310の整流器DBとの間に接続される。
【0045】
入力フィルタ回路311は、商用電源ACと整流器DBとを繋ぐ電源ライン341、342間に接続されたコンデンサC5、C6の直列回路を有する。コンデンサC5、C6の接続点と筐体250との間にはコンデンサC7が接続される。コンデンサC5、C6、C7はYコンデンサを構成する。
【0046】
本実施の形態では、点灯回路310と筐体250とを接続するコンデンサは、入力フィルタ回路311のコンデンサC5、C6、C7である。コンデンサC5、C6、C7は、給電部である商用電源ACと点灯回路310が有する降圧チョッパ回路とを繋ぐ電源ライン341、342と、筐体250との間に電気的に接続される。
【0047】
本回路構成でも実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、ノイズ成分によっては、入力フィルタ回路311を経由して点灯回路310にノイズを返すことで、効率よくノイズを抑制できる。
【0048】
図6では一対の電源ライン341、342の各々と、筐体250との間にコンデンサが接続される。これに限らず、一対の電源ライン341、342の一方と筐体250との間にコンデンサが接続されても良い。
【0049】
実施の形態4.
図7は、実施の形態4に係る照明装置480の回路ブロック図である。照明装置480は点灯回路410を備える。点灯回路410は、直流電源DCから電力を供給される。直流電源DCとは、太陽光電池、バッテリーなどの直流給電システム全般を示す。
【0050】
外部から点灯回路410に電力を供給する給電部である直流電源DCは、端子部CN1に接続される。端子部CN1を介して供給されたDC電圧は、入力フィルタ回路11、ダイオードD2を介してコンデンサC1で平滑される。ダイオードD2は、直流電源DCと端子部CN1を接続する配線が逆接続されて、点灯回路410が故障することを防止している。
【0051】
直流給電システムも接地を取ることがある。このため、筐体250をアース端子と接続することで、実施の形態1と同様の効果が期待できる。アース端子は給電部である直流電源DCの負側端子である。特に、照明装置では消費エネルギーの低減のため、直流電源DCから光源部を点灯させるときもスイッチング電源を使用することが多い。この場合も、本実施の形態によれば高周波成分の漏洩電流による感電を抑制できる。
【0052】
なお、各実施の形態で説明した技術的特徴は適宜に組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0053】
10 点灯回路、11 入力フィルタ回路、20 光源部、21 発光素子、80 照明装置、100 基板、101 第1面、102 第2面、200 フレーム、201 開口、202 電源カバー、203 穴、204 ネジ、210 アース取付部、220 ラグ端子、221 ネジ、250 筐体、280 照明装置、300 拡散カバー、310 点灯回路、311 入力フィルタ回路、341、342 電源ライン、380 照明装置、410 点灯回路、480 照明装置、AC 商用電源、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7 コンデンサ、Ca 浮遊容量、CN1 端子部、D1、D2 ダイオード、DB 整流器、DC 直流電源、12 点灯制御IC、L1 コイル、Q1 スイッチング素子、R1、R2 抵抗