(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051285
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220324BHJP
A62B 18/02 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 D
A62B18/02 C
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157682
(22)【出願日】2020-09-18
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-07-07
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和2年6月10日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=60 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年6月18日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=50 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年7月3日、9日、15日、16日、20日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=40 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年7月27日、31日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=30 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年8月17日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=20 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年9月1日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp/blog.html?start=10 (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年7月6日にウェブサイトのアドレス:https://www.kk-mikasa.co.jp (株式会社三笠のウェブサイト)で公開、令和2年7月2日に鈴木 一郎、山下 康裕、伊藤 鉄男に発送したことにより公開、令和2年7月3日にウェブサイトのアドレス:https://item.rakuten.co.jp/mikasa/350210/(楽天市場のウェブサイト)で公開
(71)【出願人】
【識別番号】510022266
【氏名又は名称】株式会社三笠
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】田垣内 健
(72)【発明者】
【氏名】山本 合一
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC32
2E185CC36
2E185CC73
(57)【要約】
【課題】通気性とフィット感が良好なニット生地のマスクを提供することである。
【解決手段】本発明の一態様にかかるマスク1は、ニット生地を用いたマスクであって、鼻部、口部、及び下顎部を覆うマスク本体部10と、マスク本体部10の左右両側に配置され、各々の耳部に掛けられる耳掛け部11a、11bと、を備える。耳掛け部11a、11bは、伸縮性のある糸を用いて編まれており、マスク本体部10は、耳掛け部11a、11bに用いた糸よりも伸縮性の小さい糸を用いて編まれている。マスク本体部10の鼻部に対応する位置の第1縁部31、及びマスク本体部10の下顎部に対応する位置の第2縁部32の各々は、第1縁部31および第2縁部32におけるコース数を部分的に減らして縮むように編まれている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニット生地を用いたマスクであって、
鼻部、口部、及び下顎部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部の左右両側に配置され、各々の耳部に掛けられる耳掛け部と、を備え、
前記耳掛け部は、伸縮性のある糸を用いて編まれており、
前記マスク本体部は、前記耳掛け部に用いた糸よりも伸縮性の小さい糸を用いて編まれており、
前記マスク本体部の前記鼻部に対応する位置の第1縁部、及び前記マスク本体部の前記下顎部に対応する位置の第2縁部の各々は、前記第1縁部および前記第2縁部におけるコース数を部分的に減らして編まれている、
マスク。
【請求項2】
前記第1縁部および前記第2縁部においてコース数を減らしている部分が30%以上70%以下である、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記第1縁部および前記第2縁部においてコース数を減らしている部分が45%以上55%以下である、請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記マスク本体部は、外側に位置する第1のニット生地と内側に位置する第2のニット生地とを備える2層構造を有し、
前記第2のニット生地の孔部の密度が前記第1のニット生地の孔部の密度よりも高い、
請求項1~3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
前記マスク本体部を平面視した際、前記第1のニット生地の孔部の位置と前記第2のニット生地の孔部の位置とが互いにずれるように配置されている、請求項4に記載のマスク。
【請求項6】
前記マスク本体部は、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を用いて編まれており、
前記耳掛け部は、伸縮性のあるポリウレタン芯に、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を被覆したFTY(Filament Twisted Yarn)を用いて編まれている、
請求項1~5のいずれか一項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニット生地を用いたマスクに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ウイルス感染を予防するために衛生マスクが広く使用されている。特許文献1には、複数の不織布を積層して形成された使い捨てマスクに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているような複数の不織布を積層して形成されたマスクは、ウイルスを通しにくいため、ウイルス感染を予防する点で優れている。しかしながら、不織布を用いて形成されたマスクは通気性が悪いため、例えば運動をする際に着用すると呼吸が苦しくなるという問題がある。
【0005】
本願発明者らは、このような問題を解決するために、ニット生地を用いてマスクを作製した。この際、マスク全体を伸縮性のある糸(FTY(Filament Twisted Yarn))を用いて作製した。しかしながら、伸縮性のある糸を用いた場合は、伸縮性のある糸が縮んだ際にマスクに形成した孔部が部分的に塞がれてしまい、十分な通気性を得ることができず、着用時にマスクが口に吸いついて苦しくなるという新たな問題が発生した。
【0006】
このため本願発明者らは、鼻部、口部、及び下顎部を覆うマスク本体部を伸縮性の小さい糸(伸縮性のない糸でもよい)を用いて形成し、耳掛け部を伸縮性のある糸を用いて形成した。マスク本体部に伸縮性の小さい糸を用いた場合は、マスクに形成した孔部が塞がれてしまうことを抑制できるので通気性を向上させることができ、着用時にマスクが口に吸いついて苦しくなることを抑制できる。しかしながら、マスク本体部に伸縮性の小さい糸を用いた場合は、マスク本体部の上下部分(鼻部および下顎部)においてマスク本体部が顔にフィットしにくいという問題がある。
【0007】
上記課題に鑑み本発明の目的は、通気性とフィット感が良好なニット生地のマスクを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様にかかるマスクは、ニット生地を用いたマスクであって、鼻部、口部、及び下顎部を覆うマスク本体部と、前記マスク本体部の左右両側に配置され、各々の耳部に掛けられる耳掛け部と、を備え、前記耳掛け部は、伸縮性のある糸を用いて編まれており、前記マスク本体部は、前記耳掛け部に用いた糸よりも伸縮性の小さい糸を用いて編まれており、前記マスク本体部の前記鼻部に対応する位置の第1縁部、及び前記マスク本体部の前記下顎部に対応する位置の第2縁部の各々は、前記第1縁部および前記第2縁部におけるコース数を部分的に減らして編まれている。
【0009】
上述のマスクにおいて、前記第1縁部および前記第2縁部においてコース数を減らしている部分が30%以上70%以下であってもよい。
【0010】
上述のマスクにおいて、前記第1縁部および前記第2縁部においてコース数を減らしている部分が45%以上55%以下であってもよい。
【0011】
上述のマスクにおいて、前記マスク本体部は、外側に位置する第1のニット生地と内側に位置する第2のニット生地とを備える2層構造を有していてもよく、前記第2のニット生地の孔部の密度が前記第1のニット生地の孔部の密度よりも高くてもよい。
【0012】
上述のマスクにおいて、前記マスク本体部を平面視した際、前記第1のニット生地の孔部の位置と前記第2のニット生地の孔部の位置とが互いにずれるように配置されていてもよい。
【0013】
上述のマスクにおいて、前記マスク本体部は、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を用いて編まれていてもよく、前記耳掛け部は、伸縮性のあるポリウレタン芯に、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を被覆したFTY(Filament Twisted Yarn)を用いて編まれていてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明により、通気性とフィット感が良好なニット生地のマスクを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】実施の形態にかかるマスクを説明するための斜視図である。
【
図2】実施の形態にかかるマスクを説明するための側面図である。
【
図3】実施の形態にかかるマスクを説明するための正面図である。
【
図4】マスク本体部を構成するニット生地(内側)の一例を示す平面図である。
【
図5】マスク本体部を構成するニット生地(外側)の一例を示す平面図である。
【
図6】マスク本体部の製造方法を説明するための模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1~
図3はそれぞれ、実施の形態にかかるマスクを説明するための斜視図、側面図、及び正面図である。
【0017】
図1~
図3に示すように、本実施の形態にかかるマスク1は、マスク本体部10と耳掛け部11a、11bとを備える。耳掛け部11a、11bは、マスク本体部10の左右両側にそれぞれ設けられている。耳掛け部11a、11bには各々、孔部12a、12bが設けられており、耳掛け部11a、11bの孔部12a、12bに人の左耳および右耳をそれぞれ通すことで、人がマスク1を着用することができる。
【0018】
マスク本体部10は、人がマスク1を着用した際に鼻部21、口部23、及び下顎部22(
図2参照)を覆うように構成されている。本実施の形態にかかるマスク1は、マスク本体部10および耳掛け部11a、11bがニット生地で構成されている。ここでニット生地とは、糸を編むことで作製された生地の総称である。ニット生地の編み方は特に限定されることはないが、本実施の形態にかかるマスク1で用いられるニット生地は、例えばメッシュ編み、天竺編み等が好ましい。なお、
図1~
図3ではマスク本体部10をハッチング(ドット)で示している。
【0019】
本実施の形態にかかるマスク1において、耳掛け部11a、11bは、伸縮性のある糸を用いて編まれている。伸縮性のある糸は、例えば、伸縮性のあるポリウレタン芯にナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸が被覆されたFTY(Filament Twisted Yarn)である。また、マスク本体部10は、耳掛け部11a、11bに用いた糸よりも伸縮性の小さい糸を用いて編まれている。具体的には、マスク本体部10は、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を用いて編まれている。例えば、マスク本体部10は、伸縮性のないナイロンの糸を用いて編まれている。
【0020】
本実施の形態においてマスク本体部10は、外側に位置するニット生地と内側に位置するニット生地とを備える2層構造を有する。このとき、内側のニット生地の孔部の密度が外側のニット生地の孔部の密度よりも高くなるように構成している。換言すると、内側のニット生地の密度が外側のニット生地の密度よりも低くなるように構成している。
【0021】
例えば、内側のニット生地の孔部の数が外側のニット生地の孔部の数よりも多くなるようにしてもよい。また、内側のニット生地の各々の孔部の大きさが外側のニット生地の各々の孔部の大きさよりも大きくなるようにしてもよい。また、内側のニット生地の孔部の数が外側のニット生地の孔部の数よりも多くなるように、かつ、内側のニット生地の各々の孔部の大きさが外側のニット生地の各々の孔部の大きさよりも大きくなるようにしてもよい。
【0022】
図4は、マスク本体部10を構成するニット生地(内側)の一例を示す平面図である。
図5は、マスク本体部10を構成するニット生地(外側)の一例を示す平面図である。
図4、
図5に示す例では、内側のニット生地18a(
図4)の孔部41、42の密度が、外側のニット生地18b(
図5)の孔部51、52の密度よりも高くなるように構成している。具体的には、内側のニット生地18a(
図4)の孔部41、42の数が、外側のニット生地18b(
図5)の孔部51、52の数よりも多くなるようにしている。
【0023】
図4に示す例では、内側のニット生地18aの孔部41、42を1コースおきに形成している。また、
図4に示す例では、内側のニット生地18aの孔部41と孔部42とが縦方向において互い違いになるように形成している。
【0024】
また、
図5に示す例では、外側のニット生地18bの孔部51、52を3コースおきに形成している。また、
図5に示す例では、外側のニット生地18bの孔部51と孔部52とが縦方向において互い違いになるように形成している。
【0025】
このように本実施の形態では、内側のニット生地18aの孔部41、42の密度が外側のニット生地18bの孔部51、52の密度よりも高くなるように構成している。このような構成とすることで、マスク本体部10の内側のニット生地18aと人の肌とが接触する面積を少なくすることができるので、人がマスク1を装着した際の装着感を向上させることができる。つまり、ニット生地18aと人の肌とが接触する面積を少なくすることができるので、ニット生地18aが人の肌に吸着することを抑制することができ、装着した際に清涼感を与えることができる。
【0026】
このとき、本実施の形態では、マスク本体部10を平面視した際、外側のニット生地18bの孔部51、52の位置と、内側のニット生地18aの孔部41、42の位置とが互いにずれるように配置してもよい。なお、この場合は、外側のニット生地18bの孔部51、52の位置と内側のニット生地18aの孔部41、42の位置の全てが互いにずれる必要はなく、本実施の形態では、少なくとも一部において、外側のニット生地18bの孔部51、52の位置と内側のニット生地18aの孔部41、42の位置とが互いにずれていればよい。
【0027】
例えば、
図4、
図5に示す例では、内側のニット生地18a(
図4)と外側のニット生地18b(
図5)とを上下方向及び左右方向の少なくとも一方においてずらすことで、内側のニット生地18aの孔部41、42の位置と外側のニット生地18bの孔部51、52の位置とをずらすことができる。
【0028】
このような構成とした場合は、外側から内側に孔部が貫通する箇所を少なくすることができるので、マスク1を装着した人の飛沫が外部に飛散することを抑制することができる。また、マスク1を装着した人が外部から飛沫を吸い込むことを抑制することができる。
【0029】
また本実施の形態にかかるマスク1では、
図3に示すように、マスク本体部10の鼻部21に対応する位置の第1縁部31、及びマスク本体部10の下顎部22に対応する位置の第2縁部32の各々は、第1縁部31および第2縁部32におけるコース数を部分的に減らして編まれている(コース数を部分的に減らしている箇所を
図3において太線で示している)。例えば、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分が30%以上70%以下、好ましくは45%以上55%以下となるようにしてもよい。
【0030】
具体的には、
図3に示すように本実施の形態にかかるマスク1を編む際は、マスク1のコース方向(上下方向)に沿って編み機を往復運動させる。これによりマスク1の横方向の一端から他端に向かってマスク1を編むことができる。具体的には、伸縮性のある糸を用いて耳掛け部11aを編んだ後、伸縮性の小さい糸を用いてマスク本体部10を編み、その後、再び伸縮性のある糸を用いて耳掛け部11bを編むことで、マスク1を形成する。
【0031】
このとき本実施の形態では、マスク本体部10を編む際に、第1縁部31および第2縁部32におけるコース数を部分的に減らしている。
【0032】
具体的には、
図6の模式図に示すように、マスク1のコース方向60に沿って編み機を往復運動させてマスク本体部10を編む際に、第1縁部31においてコース数を部分的に減らしている。すなわち、第1縁部31において符号62、64、66で示す箇所のコース数を減らしており、
図6に示す例では1ターンおきにコース数を減らしている。
【0033】
同様に、
図6の模式図に示すように、マスク1のコース方向60に沿って編み機を往復運動させてマスク本体部10を編む際に、第2縁部32においてコース数を部分的に減らしている。すなわち、第2縁部32において符号61、63、65で示す箇所のコース数を減らしており、
図6に示す例では1ターンおきにコース数を減らしている。
【0034】
なお、
図6に示す例では、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分が50%(つまり、1ターンおきにコース数を減らしている)の場合を示したが、本実施の形態では、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分は、30%以上70%以下、好ましくは45%以上55%以下となるようにしてもよい。更に、第1縁部31においてコース数を減らしている部分の割合と、第2縁部32においてコース数を減らしている部分の割合を異なるようにしてもよい。
【0035】
図7に示すように、ニット生地70の端部71のコース数を減らした場合は、ニット生地70の端部71を縮ませることができる。
図7に示す例では、通常のコース数の箇所70aとコース数を減らした箇所70bとを1ターンおきに形成しており、これによりニット生地70の端部71の半分においてコース数を減らしている。よって、ニット生地70の端部71を縮ませることができる。本実施の形態にかかるマスク1は、このような手法を用いることで、鼻部21(
図2参照)に対応する位置の第1縁部31、及びマスク本体部10の下顎部22に対応する位置の第2縁部32を縮むように編むことができる。
【0036】
なお、第1縁部31および第2縁部32における収縮の度合いは、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分の割合を変えることで調整することができる。例えば、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分の割合が高いほど、第1縁部31および第2縁部32における収縮の度合いを高めることができる。逆に、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分の割合が低いほど、第1縁部31および第2縁部32における収縮の度合いを低くすることができる。本実施の形態にかかるマスク1では、第1縁部31および第2縁部32においてコース数を減らしている部分の割合を変えることで、マスク本体部10のフィット感を調整することができる。
【0037】
以上で説明したように、本実施の形態ではマスク本体部10の鼻部21に対応する位置の第1縁部31、及びマスク本体部10の下顎部22に対応する位置の第2縁部32におけるコース数を部分的に減らしている。よって、伸縮性の小さい糸を用いてマスク本体部を形成した場合であっても、鼻部21に対応する位置の第1縁部31、及びマスク本体部10の下顎部22に対応する位置の第2縁部32を縮むように編むことができるので、鼻部21や下顎部22においてマスク本体部10が顔にフィットするようにすることができる。
【0038】
以上、本発明を上記実施形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 マスク
10 マスク本体部
11a、11b 耳掛け部
12a、12b 孔部
18a 内側のニット生地
18b 外側のニット生地
21 鼻部
22 下顎部
23 口部
31 第1縁部
32 第2縁部
41、42 孔部
51、52 孔部
【手続補正書】
【提出日】2021-03-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニット生地を用いたマスクであって、
鼻部、口部、及び下顎部を覆うマスク本体部と、
前記マスク本体部の左右両側に配置され、各々の耳部に掛けられる耳掛け部と、を備え、
前記耳掛け部は、伸縮性のある糸を用いて編まれており、
前記マスク本体部は、前記耳掛け部に用いた糸よりも伸縮性の小さい糸を用いて編まれており、
前記マスク本体部の前記鼻部側において左右方向に伸びる第1端部、及び前記マスク本体部の前記下顎部側において左右方向に伸びる第2端部の各々は、前記第1端部および前記第2端部の各々においてコース数が減らされている部分とコース数が減らされていない部分とが互いに隣接するように編まれている、
マスク。
【請求項2】
前記第1端部および前記第2端部においてコース数を減らしている部分が30%以上70%以下である、請求項1に記載のマスク。
【請求項3】
前記第1端部および前記第2端部においてコース数を減らしている部分が45%以上55%以下である、請求項1に記載のマスク。
【請求項4】
前記マスク本体部は、外側に位置する第1のニット生地と内側に位置する第2のニット生地とを備える2層構造を有し、
前記第2のニット生地の孔部の密度が前記第1のニット生地の孔部の密度よりも高い、
請求項1~3のいずれか一項に記載のマスク。
【請求項5】
前記マスク本体部を平面視した際、前記第1のニット生地の孔部の位置と前記第2のニット生地の孔部の位置とが互いにずれるように配置されている、請求項4に記載のマスク。
【請求項6】
前記マスク本体部は、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を用いて編まれており、
前記耳掛け部は、伸縮性のあるポリウレタン芯に、ナイロンおよびポリエステルの少なくとも一方を含む糸を被覆したFTY(Filament Twisted Yarn)を用いて編まれている、
請求項1~5のいずれか一項に記載のマスク。