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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051290
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/11582 20170101AFI20220324BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
H01L27/11582
H01L29/78 371
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157697
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高島 章
(72)【発明者】
【氏名】井野 恒洋
(72)【発明者】
【氏名】中崎 靖
(72)【発明者】
【氏名】守山 佳彦
【テーマコード(参考)】
5F083
5F101
【Fターム(参考)】
5F083EP18
5F083EP23
5F083EP76
5F083GA05
5F083GA10
5F083JA02
5F083JA03
5F083JA04
5F083JA05
5F083JA19
5F083JA60
5F083KA01
5F083LA16
5F083LA21
5F083PR21
5F101BA45
5F101BB05
5F101BD16
5F101BD30
5F101BH02
(57)【要約】
【課題】 動作電圧を下げることが可能な半導体記憶装置を提供する。
【解決手段】 実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に配列された導電層11を含む第1の積層構造10と、第1の積層構造の中に設けられ、第1の方向に延伸する柱状構造20と、を備え、柱状構造は、第1の方向に延伸する半導体層21と、第1の積層構造と半導体層との間に設けられた第1の電荷蓄積層22と、半導体層と第1の電荷蓄積層との間に設けられた第1の絶縁層23と、積層構造と第1の電荷蓄積層との間に設けられた第2の絶縁層24とを含み、第1の電荷蓄積層は、c軸が第2の絶縁層から第1の絶縁層に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に配列された導電層を含む第1の積層構造と、
前記第1の積層構造の中に設けられ、前記第1の方向に延伸する柱状構造と、
を備えた半導体記憶装置であって、
前記柱状構造は、
前記第1の方向に延伸する半導体層と、
前記第1の積層構造と前記半導体層との間に設けられた第1の電荷蓄積層と、
前記半導体層と前記第1の電荷蓄積層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記積層構造と前記第1の電荷蓄積層との間に設けられた第2の絶縁層と、
を含み、
前記第1の電荷蓄積層は、c軸が前記第2の絶縁層から前記第1の絶縁層に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む
半導体記憶装置。
【請求項2】
前記第1の絶縁層は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンを含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項3】
前記第2の絶縁層は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンを含む
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項4】
前記第1の電荷蓄積層の熱膨張係数は、前記第2の絶縁層の熱膨張係数よりも小さい
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項5】
前記第2の絶縁層は、前記第1の電荷蓄積層に圧縮応力を与える
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項6】
前記柱状構造は、前記第1の方向に延伸する第3の絶縁層をさらに含み、
前記半導体層は、前記第1の絶縁層と前記第3の絶縁層との間に設けられている
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項7】
前記柱状構造は、前記積層構造に囲まれている
請求項1に記載の半導体記憶装置。
【請求項8】
前記第2の絶縁層は、前記第1の電荷蓄積層を囲み、
前記第1の電荷蓄積層は、前記第1の絶縁層を囲み、
前記第1の絶縁層は、前記半導体層を囲む
請求項7に記載の半導体記憶装置。
【請求項9】
第1の方向に配列された導電層を含む第1の積層構造と、
第1の方向に配列された導電層を含む第2の積層構造と、
前記第1の積層構造と前記第2の積層構造との間に設けられ、前記第1の方向に延伸する柱状構造と、
を備えた半導体記憶装置であって、
前記柱状構造は、
前記第1の方向に延伸する半導体部と、
前記第1の積層構造と前記半導体層との間に設けられた第1の電荷蓄積部と、
前記半導体部と前記第1の電荷蓄積部との間に設けられた第1の絶縁部と、
前記第1の積層構造と前記第1の電荷蓄積部との間に設けられた第2の絶縁部と、
前記第2の積層構造と前記半導体部との間に設けられた第2の電荷蓄積部と、
前記半導体部と前記第2の電荷蓄積部との間に設けられた第3の絶縁部と、
前記第2の積層構造と前記第2の電荷蓄積部との間に設けられた第4の絶縁部と、
を含み、
前記第1の電荷蓄積部は、c軸が前記第2の絶縁部から前記第1の絶縁部に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含み、
前記第2の電荷蓄積部は、c軸が前記第4の絶縁部から前記第3の絶縁部に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む
半導体記憶装置。
【請求項10】
導電層と、
半導体層と、
前記導電層と前記半導体層との間に設けられた電荷蓄積層と、
前記半導体層と前記電荷蓄積層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記導電層と前記電荷蓄積層との間に設けられた第2の絶縁層と、
を含み、
前記電荷蓄積部は、c軸が前記第2の絶縁層から前記第1の絶縁層に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む
半導体記憶装置。
【請求項11】
基板表面と交差する第1の方向に配列された導電層を含む積層構造と、
前記第1の方向に延伸する半導体層と、
前記積層構造と前記半導体層との間に設けられた電荷蓄積層と、
前記半導体層と前記電荷蓄積層との間に設けられた第1の絶縁層と、
前記積層構造と前記電荷蓄積層との間に設けられた第2の絶縁層と、
を含み、
前記電荷蓄積部は、c軸が前記第2の絶縁層から前記第1の絶縁層に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む
半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体基板上に直列接続された複数のメモリセルが積層されたNAND型の不揮発性半導体記憶装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開第2019/0319043号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
動作電圧を下げることが可能な半導体記憶装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態に係る半導体記憶装置は、第1の方向に配列された導電層を含む第1の積層構造と、前記第1の積層構造の中に設けられ、前記第1の方向に延伸する柱状構造と、を備えた半導体記憶装置であって、前記柱状構造は、前記第1の方向に延伸する半導体層と、前記第1の積層構造と前記半導体層との間に設けられた第1の電荷蓄積層と、前記半導体層と前記第1の電荷蓄積層との間に設けられた第1の絶縁層と、前記積層構造と前記第1の電荷蓄積層との間に設けられた第2の絶縁層と、を含み、前記第1の電荷蓄積層は、c軸が前記第2の絶縁層から前記第1の絶縁層に向かう方向に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図2】第1の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図3】第1の実施形態に係る半導体記憶装置において、電荷蓄積層に用いる窒化アルミニウム層の配向方向について示した図である。
図4】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
図5】第2の実施形態に係る半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
図1及び図2は、第1の実施形態に係るNAND型の不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。図1はZ方向に対して垂直な断面図であり、図2はZ方向に対して平行な断面図である。図1のA-A線に沿った断面が図2に対応する。なお、図1及び図2に示したX方向、Y方向及びZ方向は互いに垂直な方向である。
【0009】
図1及び図2に示した半導体記憶装置は、積層構造10と、積層構造10に隣接して設けられた複数の柱状構造20とを含んでいる。積層構造10及び柱状構造20は、半導体基板(図示せず)上に集積化されている。半導体基板の主面に対して垂直な方向がZ方向に対応する。
【0010】
積層構造10は、導電層11及び絶縁層12がZ方向(第1の方向)に交互に積層された構造を有している。導電層11は、タングステン(W)等の金属材料で形成され、ワード線として機能する。絶縁層12は、シリコン酸化物等で形成され、隣り合った導電層11間を絶縁するものである。
【0011】
柱状構造20は、Z方向に垂直なXY平面に対して平行に配列されており、各柱状構造20はZ方向に延伸している。各柱状構造20は円柱状の形状を有しており、各柱状構造20の側面は積層構造10に囲まれている。
【0012】
各柱状構造20は、半導体層21、電荷蓄積層22、トンネル絶縁層(第1の絶縁層)23、ブロック絶縁層(第2の絶縁層)24及びコア絶縁層(第3の絶縁層)25を含んでいる。電荷蓄積層22は積層構造10と半導体層21との間に設けられ、トンネル絶縁層23は半導体層21と電荷蓄積層22との間に設けられ、ブロック絶縁層24は積層構造10と電荷蓄積層22との間に設けられており、半導体層21はトンネル絶縁層23とコア絶縁層25との間に設けられている。別の観点から見ると、ブロック絶縁層24は電荷蓄積層22を囲み、電荷蓄積層22はトンネル絶縁層23を囲み、トンネル絶縁層23は半導体層21を囲み、半導体層21はコア絶縁層25を囲んでいる。
【0013】
半導体層21は、Z方向に延伸する円筒状の形状を有しており、不揮発性メモリセルのチャネル形成領域として機能する。半導体層21は、シリコン層で形成されている。
【0014】
電荷蓄積層22は、Z方向に延伸する円筒状の形状を有し、メモリセルのチャージトラップ層として機能する。電荷蓄積層22は、c軸がブロック絶縁層24からトンネル絶縁層23に向かう方向(図3の矢印で示した方向)に配向したウルツァイト(wurtzite)結晶構造を有する窒化アルミニウム(AlN)層で形成されている。別の観点から見ると、電荷蓄積層22を構成する窒化アルミニウム層は、円柱状の柱状構造20の中心軸C0に向かう方向にc軸が配向したウルツァイト結晶構造を有している。さらに別の観点から見ると、電荷蓄積層22を構成する窒化アルミニウム層は、電荷蓄積層22とトンネル絶縁層23との界面及び電荷蓄積層22とブロック絶縁層24との界面に垂直な方向にc軸が配向したウルツァイト結晶構造を有している。
【0015】
トンネル絶縁層23は、Z方向に延伸する円筒状の形状を有しており、窒化シリコン層或いは酸窒化シリコン層で形成されている。
【0016】
ブロック絶縁層24は、Z方向に延伸する円筒状の形状を有しており、酸化シリコン層或いは酸窒化シリコン層で形成されている。
【0017】
コア絶縁層25は、柱状構造20の中心軸C0を含み、Z方向に延伸する円柱状の形状を有している。コア絶縁層25は、酸化シリコン等で形成されている。
【0018】
上述した半導体記憶装置では、導電層11と柱状構造20の導電層11で囲まれた部分とによって1つのメモリセルが構成される。したがって、上述した半導体記憶装置は、複数のメモリセルがZ方向に直列接続されたNANDストリングを有するNAND型の不揮発性メモリとして機能する。
【0019】
以上のように、本実施形態では、電荷蓄積層22が、c軸がブロック絶縁層24からトンネル絶縁層23に向かう方向に配向したウルツァイト結晶構造を有する窒化アルミニウム(AlN)層で形成されている。これにより、以下に述べるように、メモリセルの動作電圧を下げることが可能となる。
【0020】
通常、バルクの窒化アルミニウムの比誘電率は8~9程度である。これに対して、c軸配向したウルツァイト結晶構造を有する窒化アルミニウムの比誘電率は10.1程度であり、バルクの窒化アルミニウムに比べて比誘電率が高い。
【0021】
本実施形態では、電荷蓄積層22を構成する窒化アルミニウム(AlN)層が、c軸がブロック絶縁層24からトンネル絶縁層23に向かう方向に配向したウルツァイト結晶構造を有している。そのため、ブロック絶縁層24とトンネル絶縁層23との間に設けられた電荷蓄積層22のキャパシタンスを増加させることができる。これにより、ゲート電極として機能する導電層11と半導体層21との間の印加電圧を下げることができ、メモリセルの動作電圧を下げることが可能となる。
【0022】
また、窒化アルミニウム(AlN)の熱膨張係数は、酸化シリコンの熱膨張係数よりも小さい。そのため、ブロック絶縁層24に酸化シリコンを用いた場合には、電荷蓄積層22の熱膨張係数の方がブロック絶縁層24の熱膨張係数よりも小さくなる。すなわち、ブロック絶縁層24の方が電荷蓄積層22よりも収縮率が高くなる。したがって、ブロック絶縁層24が収縮することによって、ブロック絶縁層24から電荷蓄積層22に圧縮応力が加わる。すなわち、ブロック絶縁層24からトンネル絶縁層23に向かう方向に圧縮応力が加わる。そのため、電荷蓄積層22の誘電率をより高めることが可能であり、メモリセルの動作電圧をより下げることが可能となる。
【0023】
ブロック絶縁層24に酸窒化シリコンを用いた場合にも、ブロック絶縁層24の熱膨張係数が電荷蓄積層22の熱膨張係数よりも高くなるように酸素と窒素との比率を調整することで、上述した効果と同様の効果を得ることが可能である。
【0024】
なお、上述したような結晶構造を有する電荷蓄積層22は、以下のようにして形成することが可能である。柱状構造20を形成するためのメモリホールを積層構造10に形成した後、ALD(atomic layer deposition)を用いて、通常の成膜レートよりも低い成膜レートで窒化アルミニウム層を形成する。このような方法により、上述したようなc軸配向を有するウルツァイト結晶構造の窒化アルミニウム層を、メモリホール内に形成することが可能である。
【0025】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。なお、基本的な事項は上述した第1の実施形態と同様であり、第1の実施形態で説明した事項の説明は省略する。
【0026】
図4及び図5は、本実施形態に係るNAND型の不揮発性半導体記憶装置の構成を模式的に示した断面図である。図4はZ方向に対して垂直な断面図であり、図5はZ方向に対して平行な断面図である。図4のA-A線に沿った断面が図5に対応する。
【0027】
本実施形態では、互いに離間した複数の積層構造10が設けられており、隣り合った積層構造(第1及び第2の積層構造)10間には柱状構造20及び絶縁構造30が設けられている。具体的には、複数の柱状構造20及び複数の絶縁構造30が、Y方向で交互に設けられている。
【0028】
各積層構造10の基本的な構成は、第1の実施形態と同様であり、導電層11及び絶縁層12がZ方向に交互に積層された構造を有している。
【0029】
各柱状構造20は、第1の柱状部分20a及び第2の柱状部分20bを含んでいる。第1の柱状部分20a及び第2の柱状部分20bはY方向に延伸する中心線(中心面)C1に対して互いに対称であり、第1の柱状部分20a及び第2の柱状部分20bの基本的な構成は同じである。
【0030】
第1の柱状部分20aは、半導体層21の第1の部分21a、電荷蓄積層(第1の電荷蓄積層)22a、トンネル絶縁層(第1の絶縁層)23の第1の部分23a、ブロック絶縁層(第2の絶縁層)24a及びコア絶縁層(第3の絶縁層)25の第1の部分25aを含んでいる。
【0031】
具体的には、電荷蓄積層22aは、第1の柱状部分20a側の積層構造10と半導体層21の第1の部分21aとの間に設けられている。トンネル絶縁層23の第1の部分23aは、半導体層21の第1の部分21aと電荷蓄積層22aとの間に設けられている。ブロック絶縁層24aは、第1の柱状部分20a側の積層構造10と電荷蓄積層22aとの間に設けられている。また、半導体層21の第1の部分21aは、トンネル絶縁層23の第1の部分23aとコア絶縁層25の第1の部分25aとの間に設けられている。
【0032】
第2の柱状部分20bは、半導体層21の第2の部分21b、電荷蓄積層(第2の電荷蓄積層)22b、トンネル絶縁層(第1の絶縁層)23の第2の部分23b、ブロック絶縁層(第4の絶縁層)24b及びコア絶縁層(第3の絶縁層)25の第2の部分25bを含んでいる。
【0033】
具体的には、電荷蓄積層22bは、第2の柱状部分20b側の積層構造10と半導体層21の第2の部分21bとの間に設けられている。トンネル絶縁層23の第2の部分23bは、半導体層21の第2の部分21bと電荷蓄積層22bとの間に設けられている。ブロック絶縁層24bは、第2の柱状部分20b側の積層構造10と電荷蓄積層22bとの間に設けられている。また、半導体層21の第2の部分21bは、トンネル絶縁層23の第2の部分23bとコア絶縁層25の第2の部分25bとの間に設けられている。
【0034】
絶縁構造30は、第1の柱状部分20aと第2の柱状部分20bとの間、及び隣り合った積層構造10の間に設けられており、酸化シリコン層等によって形成されている。
【0035】
本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、電荷蓄積層22aは、c軸がブロック絶縁層24aからトンネル絶縁層23の第1の部分23aに向かう方向に配向したウルツァイト結晶構造を有する窒化アルミニウム(AlN)層で形成されている。同様に、電荷蓄積層22bは、c軸がブロック絶縁層24bからトンネル絶縁層23の第2の部分23bに向かう方向に配向したウルツァイト結晶構造を有する窒化アルミニウム(AlN)層で形成されている。
【0036】
別の観点から見ると、電荷蓄積層22aを構成する窒化アルミニウム層は、電荷蓄積層22aとトンネル絶縁層23の第1の部分23aとの界面及び電荷蓄積層22aとブロック絶縁層24aとの界面に垂直な方向にc軸が配向したウルツァイト結晶構造を有している。同様に、電荷蓄積層22bを構成する窒化アルミニウム層は、電荷蓄積層22bとトンネル絶縁層23の第2の部分23bとの界面及び電荷蓄積層22bとブロック絶縁層24bとの界面に垂直な方向にc軸が配向したウルツァイト結晶構造を有している。
【0037】
半導体層21、トンネル絶縁層23、ブロック絶縁層24a及び24b並びにコア絶縁層25の材料は、第1の実施形態と同様である。
【0038】
本実施形態では、導電層11と第1の柱状部分20aの導電層11に隣接する部分とによって1つのメモリセルが構成され、導電層11と第2の柱状部分20bの導電層11に隣接する部分とによって他の1つのメモリセルが構成される。したがって、本実施形態の半導体記憶装置では、1つの柱状構造20に対して2つのNANDストリングが含まれている。
【0039】
以上のように、本実施形態でも、第1の実施形態と同様に、電荷蓄積層22a及び22bの誘電率を高めることができ、メモリセルの動作電圧を下げることが可能となる。
【0040】
なお、上述した第1及び第2の実施形態では、トンネル絶縁層に窒化シリコン層或いは酸窒化シリコン層を用いたが、トンネル絶縁層に酸化シリコン層を用いてもよい。
【0041】
また、上述した第1及び第2の実施形態では、ブロック絶縁層に酸化シリコン層或いは酸窒化シリコン層を用いたが、ブロック絶縁層に窒化シリコン層を用いてもよい。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10…積層構造 11…導電層 12…絶縁層
20…柱状構造 20a…第1の柱状部分 20b…第2の柱状部分
21…半導体層
22、22a…電荷蓄積層(第1の電荷蓄積層)
22b…電荷蓄積層(第2の電荷蓄積層)
23…トンネル絶縁層(第1の絶縁層)
24、24a…ブロック絶縁層(第2の絶縁層)
24b…ブロック絶縁層(第4の絶縁層)
25…コア絶縁層(第3の絶縁層)
30…絶縁構造
図1
図2
図3
図4
図5