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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051313
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/02 20120101AFI20220324BHJP
【FI】
G06Q30/02 320
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157730
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】518331678
【氏名又は名称】株式会社WAGOON
(74)【代理人】
【識別番号】100116872
【弁理士】
【氏名又は名称】藤田 和子
(72)【発明者】
【氏名】伊橋 成哉
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】店舗等から所定の権利を取得したユーザが、その権利のうち少なくとも一部を他者に自由に譲渡できるようにすること。
【解決手段】料金情報取得部101は、ワゴンの額として予め用意された、3種類の額うち、1の額が選択されたという情報を取得する。選択情報取得部102は、ワゴンWの額の範囲内で選択された商品等Iの購入数量に関する情報を取得する。決済実行部103は、ユーザUの購入希望の商品又は役務の決済を実行する。スタンプカード生成部105は、m種類の商品等Iの夫々の額と、ワゴンWの額とに基づいてスタンプカードCを生成する。枠管理部106は、ユーザU1からユーザU2に対して、枠Fの譲渡がなされると、ユーザU1のスタンプカードCの枠Fの数を減算するとともに、ユーザU2のスタンプカードCの枠Fの数を加算して管理する。
【選択図】図6

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上の商品又は役務を購入する料金の総額として予め用意された複数種類のうち、ユーザにより選択された種類の情報を、第1情報として取得する第1情報取得手段と、
複数の商品又は役務の中から、前記第1情報により特定される総額の範囲内で前記ユーザにより選択された、購入希望のn(nは1以上の整数値)種類の商品又は役務、並びに夫々の購入数量に関する情報を、第2情報として取得する第2情報取得手段と、
前記第2情報に基づいて、前記ユーザの購入希望の前記商品又は前記役務の決済を実行する決済実行手段と、
前記複数の商品又は役務の夫々の額と、前記第1情報により特定される前記総額とに基づいて、前記総額と、当該総額の範囲内で前記ユーザが購入できる前記商品又は前記役務の種類の最大数を示す第1数量とが対応付けられた所定媒体を生成する媒体生成手段と、
前記ユーザから当該ユーザとは異なる他者に対して、前記所定媒体の前記第1数量のうち少なくとも一部を示す第2数量が譲渡されると、当該第1数量から当該第2数量を減算するとともに、前記他者の前記所定媒体の前記第1数量に当該第2数量を加算して管理する媒体管理手段と、
を備える情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの購買意欲を高めるための手法として、サブスクリプション方式によってユーザが定額料金で商品又は役務の利用権を得ることができるようにする手法や、ポイント制によってユーザに所定のポイントを付与する手法等が従来から存在する。
このような技術分野では、例えば店舗毎に設けられたポイント付与のルールに従って付与されたポイントをユーザ毎に管理する手法等が存在する(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-295085号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の利用権やポイントは、様々な理由で行使等されることなく失効してしまうことが多い。このため、利用権やポイントを取得したユーザの中には、利用権やポイントを自ら行使等することなく、例えばギフト等として他者に譲渡したいと考える者も多い。
これに対して、上述の利用権やポイントは、本来的に特典やお礼といった意味合いが強い。このため、利用権やポイントを取得した者が、その利用権やポイントを行使等することが前提とされていた。このため、上述の利用権やポイントを取得した者以外の者がその利用権やポイントを行使等することはご法度(不正使用)として取り扱われていた。
しかしながら、上述の利用権やポイントを与える側(例えば店舗等)からすれば、その利用権やポイントが重複して行使等されない限り、行使等する者が誰であろうと売上面でマイナスの影響を受けることはない。例えば、新規ユーザ登録をすることを条件として、譲り受けた利用権やポイントを行使等できるようにすることもできる。この場合、利用権やポイントの譲渡が、新規顧客の確保に直結することになる。このため、上述の利用権やポイントを与える側は、寧ろプラスの影響を受けることとなる。
【0005】
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、店舗等から所定の権利を取得したユーザが、その権利のうち少なくとも一部を他者に自由に譲渡できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
1以上の商品又は役務を購入する料金の総額として予め用意された複数種類のうち、ユーザにより選択された種類の情報を、第1情報として取得する第1情報取得手段と、
複数の商品又は役務の中から、前記第1情報により特定される総額の範囲内で前記ユーザにより選択された、購入希望のn(nは1以上の整数値)種類の商品又は役務、並びに夫々の購入数量に関する情報を、第2情報として取得する第2情報取得手段と、
前記第2情報に基づいて、前記ユーザの購入希望の前記商品又は前記役務の決済を実行する決済実行手段と、
前記複数の商品又は役務の夫々の額と、前記第1情報により特定される前記総額とに基づいて、前記総額と、当該総額の範囲内で前記ユーザが購入できる前記商品又は前記役務の種類の最大数を示す第1数量とが対応付けられた所定媒体を生成する媒体生成手段と、
前記ユーザから当該ユーザとは異なる他者に対して、前記所定媒体の前記第1数量のうち少なくとも一部を示す第2数量が譲渡されると、当該第1数量から当該第2数量を減算するとともに、前記他者の前記所定媒体の前記第1数量に当該第2数量を加算して管理する媒体管理手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、店舗等から所定の権利を取得したユーザが、その権利のうち少なくとも一部を他者に自由に譲渡できるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要の一例を示す図である。
図2】本サービスで利用されるスタンプカードの一例を示す図である。
図3図2のスタンプカードを利用して商品又は役務を購入する場合の具体例を示す図である。
図4】本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが提供される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図5図4に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図6図5のサーバの機能的構成のうち、購入支援処理及び枠譲渡支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図7】本サービスの応用例として、スタンプカードを一括購入する場合の具体例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。
【0010】
まず、図1を参照して、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される情報処理システム(後述する図4参照)により実現可能となるサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要について説明する。
【0011】
図1は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが適用される、後述する図4の情報処理システムにより実現可能となる本サービスの概要の一例を示す図である。
【0012】
本サービスは、図示せぬサービス提供者によりユーザUに対して提供されるサービスである。ユーザUは、自身のスマートフォン等を操作することで本サービスを利用することができる。
具体的には、ユーザUは、自身のスマートフォン等の情報処理装置2(以下、「ユーザ端末2」と呼ぶ)にインストールされた専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)を起動させて本サービスを利用する。また、ユーザUは、ユーザ端末2のブラウザ機能を用いて専用のウェブサイト(以下、「専用サイト」と呼ぶ)にアクセスすることでも本サービスを利用することができる。
【0013】
本サービスでは、m種類(mは1以上の整数値)の商品又は役務I(以下、「商品等I」と呼ぶ)が、選択可能な態様でユーザ端末2に表示される。ユーザUは、ユーザ端末2に表示されたm種類の商品等Iのうち、所望のn種類(nは1以上の整数値)の商品等Iを選択する操作を行うことで、予め用意された額の範囲内で商品等Iを購入することができる。
ここで、「予め用意された額」とは、q種類(qは1以上の整数値)の額の夫々を示すワゴンWの中から、ユーザUにより選択されたワゴンWにより示される額のことをいう。なお、図1の例では、1000円、3000円、及び5000円からなる3種類の額の夫々を示すワゴンW1乃至W3の夫々が、選択可能な態様でユーザ端末2に表示されている。
【0014】
ここで、図1に示すように、ユーザUによって額が1000円のワゴンW1が選択されたものとする(ステップS1)。
なお、ここでいう「額が1000円」とは、ワゴンW1自体の額を意味するものではなく、ワゴンW1で購入することができる1以上の商品等Iの夫々の額の合計を意味する。つまり、ユーザUは、総額1000円の範囲内で、m種類の商品等Iのうちn種類の商品等Iを自由に選択して購入することができる。本サービスでは、この「n種類」のことを「枠Fの数」と呼ぶ。枠Fの数はワゴンW毎に設定される。例えば図1の例において、ワゴンW1乃至W3の夫々の枠Fの数は、「3」、「6」、「9」の夫々に設定されている。このため、額が1000円のワゴンW1を購入したユーザUは、m種類の商品等Iのうち所望の3種類の商品等Iを自由に選択する(即ち、ワゴンWに入れる)ことができる。なお、図1には、商品等I1、I3、及びI5が選択されてワゴンW1に入れられた例が示されている(ステップS2)。
【0015】
ユーザUは、ワゴンW1に入れた商品等I1、I3、及びI5の購入を決めると、その旨を示す操作(例えば図示せぬ「お支払い」と表記されたボタンを押下する操作)を行うことで決済を実行させる(ステップS3)。決済が完了すると、商品等I1、I3、及びI5の発送手続が別途開始される。
【0016】
図2は、本サービスで利用されるスタンプカードの一例を示す図である。
【0017】
本サービスでは、ユーザUがワゴンWの額を選択して購入すると、そのユーザUに対して、例えば図2の(A)に示すような仮想のスタンプカードCが提供される。即ち、ユーザUは、商品等Iを購入するために、ワゴンWの額に対応する額面Pの額のスタンプカードを購入する。なお、ユーザUがスタンプカードCを購入した場合における決済のタイミングは特に限定されない。前払いであってもよいし、後払いであってもよい。
ユーザUに提供されるスタンプカードCには、ワゴンWの額に対応する額面Pの額が表示されている。また、商品等Iを購入済み(即ち、「消費済」)である旨を示すスタンプを押すための枠として表現された上述の枠Fと、使用期限と、発行日と、IDナンバーとが表示される。なお、図2の(A)の例では、3つの枠F1乃至F3が表示されている。
【0018】
ユーザUは、商品等Iの種類に応じて、スタンプカードCの枠F1乃至F3のうち1つ以上を消費して商品等Iを購入する。枠Fが消費されると、その数に応じたスタンプが枠Fに押される。つまり、スタンプが押された状態の枠Fは、「使用済」の枠Fとして取り扱われる。具体的には例えば、額面Pの額が1000円である場合には、300~400円相当の商品等Iを購入すると、枠Fが1つ消費される。
このように、消費する枠Fの数だけ商品等Iを選択することもできるが、必ずしも消費する枠Fの数と購入する商品等Iの数とが1対1になる必要はなく、例えば1000円相当の商品等Iを購入すると、枠Fを3つ消費されるようにすることもできる。
【0019】
本サービスを利用するユーザUは、商品等Iを購入するために、ワゴンWの額に対応する額面Pの額が表示されたスタンプカードCを購入する。スタンプカードCを購入したユーザUは、いつでも枠Fを消費して商品等Iを購入することができる。ただし、本サービスでは、ユーザUが枠Fを消費して商品等Iを購入することができるようになる時期に制限を設けることができる。
具体的には例えば、ユーザUとサービス提供者(図示せず)との同意に基づいて、スタンプカードCの購入日(決済完了日)と使用開始日との間に所定の期間(例えば2カ月)を設けることができる。
これにより、サービス提供者(図示せず)は、期間の利益を得ることができる。即ち、サービス提供者(図示せず)は、先行してキャッシュを得ることができるので、本サービスの運営や広告等に必要となるキャッシュの確保や、未来に向けた投資等を行うことができる。
【0020】
また、使用開始日に制限が設けられたスタンプカードCを購入するユーザUに対しては、額面Pよりも割安な額で購入できるようにすることもできる。また、スタンプカードCを通常購入した場合の額面Pのまま、枠Fの数だけ増やすこともできる。具体的には例えば、図2の(B)に示すように、当初設定された枠F1乃至F3に、枠F4を追加することもできる。
これにより、商品等Iを直ちに購入する必要性を感じていないが安く購入したいユーザUと、キャッシュの確保を図るサービス提供者(図示せず)との利害を一致させることができる。その結果、両者の間にWin-Winの関係を築くことができる。
【0021】
次に、図3を参照して、図2に示すスタンプカードCを利用して商品等Iを購入するための手法の例について説明する。
図3は、図2のスタンプカードCを利用して商品等Iを購入する場合の具体例を示す図である。
【0022】
図3には、上述の専用アプリ又は専用サイトの画面の一例が示されている。ユーザUは、購入したスタンプカードCを用いて商品等Iを購入する場合、例えば図3に示すような、額面P(ワゴンWの額)に対応する商品等Iが選択可能な態様で表示された画面をユーザ端末2に表示させる。
【0023】
図3に示す画面は、表示領域H1とH2とを含むように構成されている。このうち、表示領域H1には、「プラン」を選択するためのボタンB1乃至B3が表示されている。
「プラン」とは、1種類の商品等Iを購入するために消費される枠Fの数のことをいう。具体的には例えば、1種類の商品等Iを購入するために消費される枠Fの数が、1つであるAプランと、2つであるBプランと、3つであるCプランとが少なくとも存在し得る。この場合、例えばボタンB1が押下されるとCプランが選択される。すると、消費される枠Fの数が1つである商品等Iが選択可能な態様で表示される。また例えば、ボタンB2が押下されるとBプランが選択される。すると、消費される枠Fの数が2つである商品等Iが選択可能な態様で表示される。また例えば、ボタンB3が押下されるとCプランが選択される。すると、消費される枠Fの数が3つである商品等Iが選択可能な態様で表示される。
【0024】
具体的には、選択された「プラン」に対応する1以上の商品等Iの種類の夫々を示すアイコンが、縦横方向に並んだ状態で表示領域H2に表示される。
ここで、ユーザUが、Aプランを選択しようと考えたとする。この場合、ユーザUは、表示領域H1のボタンB1を押下する。すると、表示領域H2には、枠Fを1つ消費することで購入できる1以上の商品等Iの夫々を示すアイコンが表示される。このため、表示領域H2に表示される商品等Iを示すアイコンには価格が付されない。その結果、ユーザUは、個々の商品等Iの価格を気にすることなく買い物を楽しむことができる。
具体的には例えば、図3の例では、商品等I11乃至I16の夫々を示すアイコンが表示領域H2に表示されている。ただし、いずれのアイコンにも価格は表示されていない。
【0025】
表示領域H2に表示された商品等Iは、カテゴリ毎に表示させることもできる。なお、図3の例では、「ALL」と表記されたボタンが押下されているため、すべてのカテゴリの商品等Iが表示されている。これに対して、例えば「スカート」と表記されたボタンが押下されると、そのカテゴリに属する商品等Iが表示領域H2に表示される。
【0026】
また、表示領域H2には、ユーザUにより購入されたスタンプカードCの枠F1乃至F3の状態を示す情報が表示される。図3の例では、枠F1乃至F3の夫々に「FREE」という表記が付されている。これは、枠F1乃至F3のいずれもが未消費であることを示している。この場合、ユーザUは、枠Fを最大3つ消費して1以上の商品等Iを購入することができる。
具体的には例えば、ユーザUが、枠Fを1つ消費して商品等I11を購入することを決めたとする。この場合、ユーザUは、商品等I11を選択する操作を行った後、決済を実行するためのボタンB4を押下する。すると、枠Fが1つ消費されて、決済処理が実行される。
【0027】
また、表示領域H2に表示された商品等Iを示すアイコンには、その商品等Iに関する所定の情報を表示させることができる。例えば、その商品等Iの属性(ブランド、サイズ、個数等)を示す情報や、本サービス上の取り扱い(新規追加、再掲載等)を示すシンボルを付すことができる。図3の例では、商品等I11が新規に追加されたものであることを示す星形のシンボルMが表示されている。
また、表示領域H2には、選択した商品等Iをキープする(一時的に保存する)ためのボタンB5がされている。
【0028】
このように、本サービスを利用するユーザUは、ワゴンWの額に対応する額の額面PのスタンプカードCを購入して、そのスタンプカードCに表示されている1以上の枠Fを消費することで、商品等Iを購入することができる。
さらに、本サービスでは、スタンプカードCに表示されている枠Fを消費して商品等Iを購入することができるほか、未消費の枠Fを他人に譲渡することができる。このとき、枠Fの譲渡先は、本サービスに登録した他のユーザUであってもよいし、本サービスに登録していない者(以下、「非ユーザ」と呼ぶ)であってもよい。枠Fが非ユーザに譲渡された場合には、非ユーザが本サービスにユーザ登録すると、譲渡された枠FをユーザUとして消費して商品等Iを購入できるようになる。
【0029】
具体的には例えば、本サービスを利用するユーザU1とユーザU2との夫々が、図2の(A)に示す額面Pが1000円であり枠Fが3つ設定されたスタンプカードCを有していたとする。ここで、ユーザU1が、ユーザU2に対して、自分のスタンプカードCの枠Fを1つ譲渡したとする。
すると、ユーザU2のスタンプカードCは、枠Fの数が1つ増え、例えば図2の(B)に示す額面Pが1000円であり枠Fが4つ設定されたスタンプカードCに更新される。また、この場合、図示はしないが、ユーザU1のスタンプカードCは、3つの枠Fのうち1つが消費済みとなり、その旨がスタンプカードCに示される。
ここで、図示はしないが、枠Fを1つ譲渡されるタイミングで、ユーザU2のスタンプカードCの枠Fのうち1つが既に消費済みであったとする。その場合、例えば消費済みの枠Fと譲渡された枠Fとが相殺されて、消費済みの枠Fが未消費の枠Fに変更されるようにしてもよい。
【0030】
以上のように、枠Fを複数のユーザU間で譲渡し合える(投げ合える)ようにすることで、例えば消費されることなく有効期限を過ぎてしまうような枠Fを、新規ユーザ発掘のために活用することができる。これにより、サービス提供者(図示せず)は、本サービスのユーザ数を増やすことができる。
【0031】
次に、図4を参照して、上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システム、即ち本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバ1が適用される情報処理システムの構成について説明する。
図4は、本発明の情報処理装置の一実施形態に係るサーバが提供される情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【0032】
図2に示す情報処理システムは、サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-p(pは1以上の整数値)とを含むように構成されている。
サーバ1、及びユーザ端末2-1乃至2-pは、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0033】
サーバ1は、サービス提供者(図示せず)により管理される情報処理装置である。サーバ1は、ユーザ端末2-1乃至2-pの夫々と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0034】
ユーザ端末2-1乃至2-pの夫々は、ユーザU1乃至Upの夫々が操作する情報処理装置である。ユーザ端末2-1乃至2-pは、タブレット、スマートフォン等で構成される。なお、本明細書では、ユーザ端末2-1乃至2-pの夫々を区別する必要がない場合、これらをまとめて「ユーザ端末2」と呼んでいる。
【0035】
図5は、図4に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0036】
サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0037】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0038】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0039】
入力部16は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば図4のユーザ端末2)との間で通信を行う。
【0040】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア40が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア40から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア40は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0041】
なお、図示はしないが、図4のユーザ端末2も、図5に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。したがって、ユーザ端末2のハードウェア構成についての説明は省略する。
【0042】
このような図5のサーバ1を含む図4の情報処理システムを構成する各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サーバ1における購入支援処理、枠譲渡支援処理を含む各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者は、ユーザに対して上述の本サービスを提供することができる。
「購入支援処理」とは、ユーザUによるスタンプカードCの購入から商品等Iの購入までを支援する処理のことをいう。
「枠譲渡支援処理」とは、ユーザUによる枠Fの譲渡を支援する処理のことをいう。
以下、情報処理システムにおいて実行される、購入支援処理及び枠譲渡支援処理を実行するための機能的構成について説明する。
【0043】
図6は、図5のサーバの機能的構成のうち、購入支援処理及び枠譲渡支援処理を実行するための機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0044】
図6に示すように、図5のサーバ1が購入支援処理を実行する場合、CPU11においては、料金情報取得部101と、選択情報取得部102と、決済実行部103と、アプリ・サイト管理部104とが機能する。また、図5のサーバ1が枠譲渡支援処理を実行する場合、スタンプカード生成部105と、枠管理部106とがさらに機能する。
【0045】
また、サーバ1の記憶部18の一領域には、ユーザDB181と、商品等DB182とが設けられている。ユーザDB181には、ユーザU1乃至Upの夫々に関する情報が格納されている。商品等DB182には、スタンプカードCの枠Fを消費して購入可能なm種類の商品等Iに関する情報が格納されている。
【0046】
料金情報取得部101は、1以上の商品等Iを購入する料金の総額を示すワゴンWの額として予め用意された複数種類の額のうち、ユーザUにより選択されたワゴンWの額の情報を、料金情報として取得する。
具体的には例えば、図1の例において、料金情報取得部101は、ワゴンW1乃至W3のうち、ユーザUにより選択されたワゴンW1の額(1000円)の情報を、料金情報として取得する。
【0047】
選択情報取得部102は、m種類の商品等Iの中から、料金情報により特定されるワゴンWの額の範囲内でユーザUにより選択された、購入希望のn種類の商品等I、並びに夫々の購入数量に関する情報を、商品選択情報として取得する。
具体的には例えば、図1の例において、選択情報取得部102は、ワゴンWの額(1000円)の範囲内で選択された、商品等I1(単価100円)を3個、商品等I3(単価700円)を1個購入するという情報を、商品選択情報として取得する。
【0048】
決済実行部103は、選択情報取得部102により取得された商品選択情報に基づいて、ユーザUが購入を希望するn種類の商品等Iについての決済処理を実行する。
具体的には例えば、図1の例において、決済実行部103は、選択情報取得部102により取得された商品選択情報に基づいて、ユーザUが購入を希望する商品等I1及びI3(合計1000円)についての決済処理を実行する。
【0049】
アプリ・サイト管理部104は、ユーザ端末2にインストールされる専用アプリ、及びユーザ端末2のブラウザ機能によりアクセスされる専用サイトを管理する。
具体的には例えば、アプリ・サイト管理部104は、図2に示すスタンプカードC、及び図3に示す専用アプリ又は専用サイトの画面を管理する。
【0050】
スタンプカード生成部105は、m種類の商品等Iの夫々の額と、料金情報取得部101により取得された料金情報により特定されるワゴンWの額とに基づいて、ワゴンWの額(額面Pの額)と、枠Fの数とが対応付けられた媒体であるスタンプカードCを生成する。
【0051】
枠管理部106は、ユーザU1から他者に対して、スタンプカードC1の枠F1乃至F3のうち少なくとも一部が譲渡されると、譲渡された枠Fの数をスタンプカードC1から減算する。またそれとともに、枠管理部106は、枠Fを譲り受けた他者のスタンプカードCの枠Fの数を加算する。
【0052】
ここで、例えばユーザU1から枠Fを譲り受けた他者が、スタンプカードC1と額面Pが同一であるスタンプカードC2を有するユーザU2であったとする。この場合、譲渡された数の枠FがスタンプカードC2に追加される。
具体的には例えば、ユーザU1によるユーザ端末2-1に対する操作として、自身のスタンプカードC1の枠Fを1つユーザU2に譲渡するための操作がなされたとする。この場合、枠管理部106は、ユーザU1のスタンプカードC1の枠Fのうち「未消費」のもの1つを「消費済」に変更する。また、それとともに、枠管理部106は、ユーザU2のスタンプカードC2の「未消費」の枠Fを1つ増やす。このとき、スタンプカードC2に「消費済」の枠Fがあった場合、枠管理部106は、「未消費」の枠Fを1つ増やすのではなく、その枠Fを「消費済」から「未消費」に変更してもよい。
【0053】
また例えば、ユーザU1から枠Fを譲り受けた他者が、スタンプカードC1と額面Pが同一であるスタンプカードCを有しない者であったとする。この場合、スタンプカードC1と額面Pが同一であるスタンプカードCが新規に発行される。そして、新規に発行されたスタンプカードCの枠Fの数は、ユーザU1から譲渡された枠Fの数になる。
【0054】
次に、図7を参照して、本サービスの応用例について説明する。
図7は、本サービスの応用例として、スタンプカードを一括購入する場合の具体例を示す図である。
【0055】
本サービスにおいて、上述のスタンプカードCは何枚でも購入することができる。また、スタンプカードCの購入者は非ユーザであってもよい。このため、例えば法人がスタンプカードCを百枚単位あるいは千枚単位で一括購入して、自社の顧客にプレゼントすることもできるし、福利厚生の一環として自社の従業者に割安で販売することもできる。また例えば、所定の催事の主催者がスタンプカードCを一括購入して、その催事の参加者に配布することもできる。
スタンプカードCが一括購入される場合には、その購入額や購入量に応じて、所定の値引きがなされてもよい。具体的には例えば、額面Pが1000円であるスタンプカードCについて、100枚を一括購入する場合には10%値引きした90000円とし、300枚を一括購入する場合には20%値引きした240000円としてもよい。
これにより、プレゼントや福利厚生等によってスタンプカードCを取得した者が、本サービスに既に登録しているユーザUである場合には、スタンプカードCの枠Fの使用率の向上が期待できる。また、スタンプカードCを取得した者が、非ユーザである場合には、スタンプカードCを利用するために本サービスに登録する者が増えることが期待できる。その結果、商品等Iの売上を向上させることができる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものとみなす。
【0057】
例えば、上述の実施形態では、ユーザUが選択するワゴンWの額は3種類(1000円、2000円、及び3000円)であるが、ワゴンWの額は特に限定されない。また、同様に、ワゴンWの額に対応するスタンプカードCの額面Pの額も特に限定されない。
【0058】
また例えば、上述の実施形態では、スタンプカードCの枠Fの数は1乃至4個であるが、これに限定されない。枠Fの数は5個以上であってもよい。
【0059】
また、図4に示すシステム構成、及び図5に示すサーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0060】
また、図6に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述したサーバ1による処理を全体として実行できる機能が図4の情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは、特に図6の例に限定されない。
【0061】
また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、図6に限定されず、任意でよい。
図6の例において、購入支援処理、及び枠譲渡支援処理は、上述の情報処理システムを構成するサーバ1のCPU11の制御により行われる構成となっているが、これに限定されない。例えばサーバ1側に配置された機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末2側、又は図示せぬ他の情報処理装置が備える構成としてもよい。
【0062】
また、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0063】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0064】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0065】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0066】
以上をまとめると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
1以上の商品又は役務(例えば上述のn種類の商品等I)を購入する料金の総額(例えばワゴンWの額)として予め用意された複数種類(例えば、1000円、2000円、3000円の3種類)のうち、ユーザ(例えば図1のユーザU)により選択された種類の情報(例えばワゴンWの額が1000円であるという情報)を、第1情報として取得する第1情報取得手段(例えば図6の料金情報取得部101)と、
複数の商品又は役務(例えば上述のm種類の商品等I)の中から、前記第1情報により特定される総額の範囲内で前記ユーザにより選択された(例えばワゴンWの額の範囲内で選択された)、購入希望のn種類の商品又は役務、並びに夫々の購入数量に関する情報(例えば図1の商品等I1(単価100円)を3個、商品等I3(単価700円)を1個購入したいという情報)を、第2情報として取得する第2情報取得手段(例えば図6の選択情報取得部102)と、
前記第2情報に基づいて、前記ユーザの購入希望の前記商品又は前記役務の決済を実行する決済実行手段(例えば図6の決済実行部103)と、
前記複数の商品又は役務の夫々の額(例えば上述のm種類の商品等Iの夫々の額)と、前記第1情報により特定される前記総額(例えば上述のワゴンWの額)とに基づいて、前記総額と、当該総額の範囲内で前記ユーザが購入できる前記商品又は前記役務の種類の最大数を示す第1数量(例えば上述の枠Fの数)とが対応付けられた所定媒体(例えば上述のスタンプカードC)を生成する生成手段(例えば図6のスタンプカード生成部105)と、
また、前記ユーザ(例えば上述のユーザU1)から当該ユーザとは異なる他者(例えば上述のユーザU2)に対して、前記所定媒体の前記第1数量のうち少なくとも一部を示す第2数量が譲渡されると、当該第1数量から当該第2数量を減算するとともに、前記他者の前記所定媒体の前記第1数量に当該第2数量を加算して管理する媒体管理手段(例えば図6の枠管理部106)と、
を備える。
【0067】
これにより、1以上の商品又は役務を購入する料金の総額として予め用意された複数種類のうち、ユーザにより選択された種類の情報が第1情報として取得される。また、複数の商品又は役務の中から、第1情報により特定される総額の範囲内でユーザにより選択された、購入希望のn種類の商品又は役務、並びに夫々の購入数量に関する情報が第2情報として取得される。また、第2情報に基づいて、ユーザの購入希望の商品又は役務の決済が実行される。また、1以上の商品又は役務を購入する料金の総額と、その総額の範囲内でユーザが購入できる商品又は役務の種類の最大数を示す第1数量とが対応付けられた所定媒体が生成される。さらに、ユーザから当該ユーザとは異なる他者に対して所定媒体の第1数量から第2数量が譲渡されると、その所定媒体の第1数量から第2数量が減算され、他者の所定媒体の第1数量に第2数量が加算される。具体的には例えば、図2に示すように、枠Fを1つ譲り受けたユーザUのスタンプカードCは、枠Fの数が1つ増えるので、例えば図2の(A)に示す状態が(B)に示す状態に変化する。
【0068】
その結果、ユーザは、予め用意された料金の総額を選択すると、その料金の総額の範囲内で商品又は役務を自由に購入することができる。また、ユーザは、所定媒体を利用することで、商品の単価を考慮することなく、選択した料金の総額の範囲内で商品又は役務を自由に購入することができる。さらに、ユーザは、選択した料金の総額の範囲内で商品又は役務を購入できる権利のうち、少なとも一部を他者に自由に譲渡することができる。このため、例えばサブスクリプション方式により取得された利用権や所定のポイントが所定媒体に対応付けられている場合には、その利用権やポイントを自由に譲渡することも可能となる。
【符号の説明】
【0069】
1・・・サーバ、2・・・ユーザ端末、11・・・CPU、12・・・ROM、13・・・RAM、14・・・バス、15・・・入出力インターフェース、16・・・入力部、17・・・出力部、18・・・記憶部、19・・・通信部、20・・・ドライブ、40・・・リムーバルメディア、101・・・料金情報取得部、102・・・選択情報取得部、103・・・決済実行部、104・・・アプリ・サイト管理部、105・・・スタンプカード生成部、106・・・枠管理部、181・・・ユーザDB、182・・・商品等DB、NW・・・ネットワーク、U・・・ユーザ、W・・・ワゴン、I・・・商品等、C・・・スタンプカード、P・・・額面、F・・・枠、B・・・ボタン、M・・・シンボル
図1
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図4
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図7