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特開2022-51389取引証明システム、取引証明装置、および、取引証明方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051389
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】取引証明システム、取引証明装置、および、取引証明方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20220324BHJP
   G06Q 30/06 20120101ALI20220324BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157837
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】515043277
【氏名又は名称】株式会社ログノート
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(72)【発明者】
【氏名】高津 祐一
(72)【発明者】
【氏名】中村 悌
(72)【発明者】
【氏名】林 大輔
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC22
(57)【要約】
【課題】取引の内容を証明する領収証を電子データとして発行し、領収証を電子データとして発行したか否かを管理できるようにする。
【解決手段】取引証明システム1は、取引の内容を示す取引データを生成して管理する取引データ管理部2、取引証明システム1の利用者が用いる利用者端末3、取引の内容を証明する領収証を電子データとして発行する取引証明部4、および、広告を示す広告データを生成する広告サーバ5が、有線通信回線および無線通信回線によりデータを伝送する通信ネットワーク100を介して接続された構成をとる。なお、取引管理サーバ24と取引証明サーバ44とは、通信ネットワーク100を介さずに直接、接続されてよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取引の内容を登録する登録装置と、取引データベースと、取引証明装置と、証明データベースと、取引を指定して前記取引の内容の証明を前記取引証明装置に要求する第1の端末装置と、前記第1の端末装置の証明の要求に応じて前記取引証明装置が送信した証明データを受信して表示する第2の端末装置と、を備える取引証明システムであって、
前記取引データベースは、取引の内容を前記登録装置から受け取り、受け取った取引の内容と、取引の識別子とを含む取引データを記憶し、
前記第1の端末装置は、取引を指定して、指定した取引の内容の証明を、前記取引証明装置に要求し、
前記取引証明装置は、
前記第1の端末装置からの証明の要求に応じて、指定された取引の取引データを前記取引データベースから読み出し、読み出した取引データに含まれる取引の内容を証明する証明データを前記第2の端末装置に送信し、
取引の識別子とその取引の証明データを前記第2の端末装置に送信したか否かを示す情報とを含む管理データを前記証明データベースに記憶する、
取引証明システム。
【請求項2】
前記第1の端末装置は、前記取引データを指定する指定データを含み、該取引データの送信を要求する送信要求を前記取引データベースに送信し、
前記取引データベースは、前記第1の端末装置から送られてきた送信要求を受信し、受信した送信要求に含まれている指定データが指定する取引データを要求元の第1の端末装置に送信し、
前記第1の端末装置は、前記取引データベースが、送信要求に応じて送信した取引データを受信して表示する、
請求項1に記載の取引証明システム。
【請求項3】
前記第1の端末装置は、それぞれ、利用者の属性を示す属性データを前記取引データベースに送信し、
前記取引データベースは、前記第1の端末装置から受信した属性データと当該属性データに対応する広告データとを、前記取引データに対応付けて記憶し、
受信した送信要求に応じて、当該第1の端末装置と関係した前記取引の前記取引データと、当該取引データに対応付けられた前記広告データとを対応付けて、当該第1の端末装置に送信し、
前記第1の端末装置は、前記第1の端末装置の識別子を含む前記取引データの表示の要求に応じて、前記取引データベースから前記取引データに対応付けられて送信された広告を示す広告データを受信してさらに表示する、
請求項2に記載の取引証明システム。
【請求項4】
サマリデータ生成装置をさらに備え、
前記第1の端末装置それぞれには、一意に識別子が設定され、
前記取引データベースは、前記取引それぞれに関係した前記第1の端末装置の識別子を、さらに前記取引データに対応付けて記憶し、
前記第1の端末装置は、
当該第1の端末装置の識別子を含む前記取引データの表示の要求を前記サマリデータ生成装置に送信し、
送信した表示の要求に応じて前記サマリデータ生成装置から送信され、当該第1の端末装置に関係した前記取引の前記取引データのサマリを示すサマリデータを受信して表示し、
前記サマリデータ生成装置は、前記第1の端末装置の識別子を含む前記取引データの表示の要求に応じて、当該第1の端末装置に関係する前記サマリデータを生成し、当該第1の端末装置に送信する、
請求項1、2または3に記載の取引証明システム。
【請求項5】
前記第1の端末装置は、
表示した前記サマリデータに対する前記取引の選択の操作を受け入れ、
受け入れた選択の操作により選択された前記取引を指定して前記取引の内容の証明の要求を前記取引証明装置に送信する、
請求項4に記載の取引証明システム。
【請求項6】
前記サマリデータそれぞれには一意に識別子が付され、
前記管理データに含まれる前記識別子は、前記サマリデータの識別子であって、
前記第1の端末装置は、選択された前記サマリデータの識別子を含む内容の証明の要求を送信して、内容の証明の対象となる前記取引を前記取引証明装置に指定する、
請求項5に記載の取引証明システム。
【請求項7】
前記サマリデータそれぞれに付される一意に識別子は、前記取引データまたは前記サマリデータそれぞれの少なくとも一部のハッシュ値である、
請求項6に記載の取引証明システム。
【請求項8】
前記第1の端末装置は、
前記第2の端末装置のアドレスの入力をさらに受け入れ、
受け入れた前記第2の端末装置のアドレスをさらに含む前記取引の内容の証明を前記取引証明装置に要求し、
前記取引証明装置は、前記取引の内容の証明が含む前記アドレスが示す前記第2の端末装置に、指定された前記取引の内容を証明する証明データを送信する、
請求項1~7のいずれか1項に記載の取引証明システム。
【請求項9】
前記証明データベースは、前記取引データそれぞれに対応する前記取引データのアドレスをさらに記憶し、
前記第2の端末装置は、前記取引データのアドレスを含む当該取引データの確認の要求を、前記取引証明装置に送信し、
前記取引証明装置は、前記第2の端末装置からの前記取引データの確認の要求に含まれる前記取引データのアドレスに対応する前記取引データを、当該第2の端末装置に送信する、
請求項1~8のいずれか1項に記載の取引証明システム。
【請求項10】
前記第1の端末装置は、証明の要求に応じて前記取引証明装置が送信した証明データを、前記第2の端末装置の代わりに受信して表示する、
請求項1~9のいずれか1項に記載の取引証明システム。
【請求項11】
前記取引の内容の証明の要求は、前記証明データへのアクセスの制限を示すアクセス制限データを含み、
前記取引証明装置は、前記第1の端末装置からの証明の要求に含まれる前記アクセス制限データによる制限の範囲内において、前記第2の端末装置に、前記証明データへのアクセスを許可する、
請求項1~10のいずれか1項に記載の取引証明システム。
【請求項12】
前記アクセス制限データは、前記第2の端末装置が前記取引データにアクセスできるか否か、前記取引データの表示の回数、前記取引データの表示の期間、および、前記取引データの印刷が可能か否かのうちの1つ以上を示す、
請求項11に記載の取引証明システム。
【請求項13】
取引を行う複数の取引者それぞれにおいて用いられ、前記取引の内容を登録する登録装置と、取引データベースと、取引証明装置と、証明データベースと、前記取引を指定して前記取引の内容の証明を前記取引証明装置に要求する第1の端末装置と、前記第1の端末装置の証明の要求に応じて前記取引証明装置が送信した証明データを受信して表示する第2の端末装置と、を備える取引証明システムの前記取引証明装置であって、前記取引データベースは、前記取引の内容を前記登録装置から受け取り、受け取った前記取引それぞれの内容と、前記取引それぞれを指定する識別子とを対応付けて示す取引データを記憶し、
前記第1の端末装置からの証明の要求に応じて、指定された前記取引の取引データを前記取引データベースから読み出して証明し、指定された前記取引の内容を証明する証明データを前記第2の端末装置に送信し、
取引の識別子とその取引の証明データを前記第2の端末装置に送信したか否かを示す情報を含む管理データを前記証明データベースに記憶する、
を備える取引証明装置。
【請求項14】
取引を行う複数の取引者それぞれにおいて用いられ、前記取引の内容を登録する登録装置と、取引データベースと、取引証明装置と、証明データベースと、前記取引を指定して前記取引の内容の証明を前記取引証明装置に要求する第1の端末装置と、前記第1の端末装置の証明の要求に応じて前記取引証明装置が送信した証明データを受信して表示する第2の端末装置と、を備える取引証明システムにおける取引証明方法であって、
前記取引データベースにより、前記取引の内容を前記登録装置から受け取り、受け取った前記取引それぞれの内容と、前記取引それぞれを指定する識別子とを対応付けて示す取引データを記憶し、
前記取引証明装置により、
前記第1の端末装置からの証明の要求に応じて、指定された前記取引の取引データを前記取引データベースから読み出して証明し、指定された前記取引の内容を証明する証明データを前記第2の端末装置に送信し、
前記取引の識別子と前記証明データを前記第2の端末装置に送信したか否かを示す情報を含む管理データを前記証明データベースに記憶する、
取引証明方法。
【請求項15】
取引の内容を登録装置から受け取り、受け取った前記取引それぞれの内容と、前記取引それぞれを指定する識別子とを対応付けて示す取引データを記憶し、
証明の要求に応じて、指定された前記取引の取引データを前記取引データベースから読み出して証明し、指定された前記取引の内容を証明する証明データを送信し、
取引の識別子と証明データを送信したか否かを示す情報とを含む管理データを証明データを記憶する、
取引証明方法。
【請求項16】
コンピュータに、
第1の端末装置からの証明の要求に応じて、指定された取引の内容を示す取引データを取引データベースから読み出して証明し、指定された取引の内容を証明する証明データを第2の端末装置に送信する処理、
証明データを第2の端末装置に送信したか否かを示す情報と取引の識別子とを含む管理データを証明データベースに記憶する処理、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取引証明システム、取引証明装置、および、取引証明方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1は、取引の内容を証明するデータを処理して領収証を発行し、領収証を発行したか否かを示すステータスと関連付けて管理する装置を開示する。しかしながら、特許文献1に開示の装置は、取引の内容を証明するデータを領収証として印刷して発行するためには適するが、領収証を電子データとして発行し、さらに、領収証を電子データとして発行したか否かを管理するためには適していない。また、印刷された領収証には収入印紙の貼付が必要となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-139022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上述した課題を解決するためになされたものであり、取引内容の証明を電子データとして発行し、電子データとして発行したか否かを管理できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明にかかる取引証明システムは、取引の内容を登録する登録装置と、取引データベースと、取引証明装置と、証明データベースと、取引を指定して前記取引の内容の証明を前記取引証明装置に要求する第1の端末装置と、前記第1の端末装置の証明の要求に応じて前記取引証明装置が送信した証明データを受信して表示する第2の端末装置と、を備える。前記取引データベースは、取引の内容を前記登録装置から受け取り、受け取った取引の内容と、取引の識別子とを含む取引データを記憶し、前記第1の端末装置は、取引を指定して、指定した取引の内容の証明を、前記取引証明装置に要求し、前記取引証明装置は、前記第1の端末装置からの証明の要求に応じて、指定された取引の取引データを前記取引データベースから読み出し、読み出した取引データに含まれる取引の内容を証明する証明データを前記第2の端末装置に送信し、取引の識別子とその取引の証明データを前記第2の端末装置に送信したか否かを示す情報とを含む管理データを前記証明データベースに記憶する。
【発明の効果】
【0006】
上記構成の取引証明システムにおいて、取引の内容を証明する取引データが証明書或いは領収証に相当する。これを電子データとして発行し、領収証が発行されたか否かを管理できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明にかかる取引証明システムの構成を示す図である。
図2】利用者端末が取引管理サーバに送信するサマリデータ要求を示す図である。
図3図2に示したサマリデータ要求に応じて取引管理サーバが送信するサマリデータの表示画面を例示する図である。
図4図1に示した利用者端末が取引証明部の取引証明サーバに送信する証明データ発行要求を示す図である。
図5図1に示した利用者端末が生成した証明データの表示画面を例示する図である。
図6図1に示した登録装置から取引管理サーバに送信される取引データの内容を例示する図である。
図7図1に示した登録装置から取引管理サーバに送信された取引データの表示画面を例示する図である。
図8図1に示した取引管理サーバの構成を示す図である。
図9図8に示した取引データ処理装置が生成し、取引DBが記憶する記憶用データを示す図である。
図10図1に示した取引証明サーバの構成を示す図である。
図11図10に示した管理データ生成装置が生成する管理データを示す図である。
図12】取引証明システムの動作を示す第1のシーケンス図である。
図13】取引証明システムの動作を示す第2のシーケンス図である。
図14】取引証明システムの動作を示す第3のシーケンス図である。
図15】取引証明システムの動作を示す第4のシーケンス図である。
図16図1に示した取引証明システムにおいて登録装置の代わりに用いられる第1の登録システムの構成を示す図である。
図17図1に示した取引証明システムにおいて登録装置の代わりに用いられる第2の登録システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[取引証明システム1]
以下、本発明の実施の形態にかかる取引証明システム1を、図面を参照して説明する。以下の実施の形態において、同一の構成部分には同一の符号を付す。
【0009】
まず、取引証明システム1の全体構成を説明する。図1は、本実施の形態にかかる取引証明システム1の構成を示す図である。図1に示すように、取引証明システム1は、取引の内容を示す取引データを生成して管理する取引データ管理部2、取引証明システム1の利用者が用いる利用者端末3、取引の内容を証明する領収証を電子データとして発行する取引証明部4、および、広告を示す広告データを生成する広告サーバ5が、有線通信回線および無線通信回線によりデータを伝送する通信ネットワーク100を介して接続された構成をとる。なお、取引管理サーバ24と取引証明サーバ44とは、通信ネットワーク100を介さずに直接、接続されてよい。
【0010】
取引証明システム1は、これらの構成要素により、取引の対象およびその対価などを示す取引データを取引ごとに生成し、取引データに広告を含め、取引データを処理して領収証の形式の証明データを発行する。
【0011】
なお、取引証明システム1は、2つ以上の利用者端末3および2つ以上の閲覧者端末40を備えてよい。取引管理サーバ24、取引証明サーバ44および広告サーバ5のうちの2つ以上は一体に構成されてよい。
【0012】
取引データ管理部2は、物品の販売および役務の提供など金銭の授受を伴う取引者#1~#mそれぞれに備えられた登録装置20-1~20-m、および、取引の内容を示す取引データを管理する取引管理サーバ24を備える。なお、mは2以上の整数であり、登録装置20-1~20-mのいずれかを特定せずに示すときには、添え字を省略して、単に「登録装置20」と記載する。また、同様に、他の構成要素に付した符号の添え字を適宜、省略することがある。
【0013】
取引証明部4は、証明データを閲覧する閲覧者が用いる閲覧者端末40、および、証明データを発行する取引証明サーバ44を備える。
【0014】
次に、取引証明システム1の構成要素それぞれを説明する。利用者端末3は、専用の情報処理装置として、あるいは、パーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどの汎用の情報処理装置とアプリケーションプログラムとの組み合わせにより実現される。
【0015】
図2は、利用者端末3が取引管理サーバ24に送信するサマリデータ要求を示す図である。図3は、図2に示したサマリデータ要求に応じて取引管理サーバ24が送信するサマリデータの表示画面を例示する図である。
【0016】
利用者端末3は、取引管理サーバ24に、利用者端末3の認証に用いられる認証データを送信し、取引管理サーバ24との間で認証処理を行い、取引管理サーバ24にアクセスする。また、利用者端末3は、図2に示すサマリデータの送信を要求するサマリデータ要求を送信し、この要求に応じて取引管理サーバ24が送信したサマリデータを受信して、図3に示すように利用者に表示する。
【0017】
さらに、利用者端末3は、表示したサマリデータに対する利用者の操作に応じて、領収証の形式の証明データの発行を要求する証明データ発行要求を生成し、取引証明部4の取引証明サーバ44に対して送信する。
【0018】
図2に示すように、サマリデータ要求は、送信先アドレスと、送信元アドレスと、サマリ要求と、指定データとを含む。サマリデータ要求において、送信先アドレスは、送信先の取引管理サーバ24のアドレスを示す。
【0019】
送信元アドレスは、利用者端末3のアドレスを示す。サマリ要求は、サマリデータの送信を取引管理サーバ24に要求する。指定データは、いずれの取引のサマリデータを要求するかを指定する。指定データとしては、例えば、取引データの一部または全部、または、取引管理サーバ24から入力されたサマリデータの一部または全部を、ハッシュ関数により変換して得られるハッシュ値が用いられる。指定データの生成に用いられるハッシュ関数は、例えば、SHA-2(Secure Hash Algorithm-2)であり、より具体的にはSHA-255である。
【0020】
なお、図2に括弧書きで示すように、サマリデータ要求は、取引データを要求する旨の取引データ要求、または、証明データの確認を要求する旨の確認データ要求に置換することにより、取引データ要求または確認データ要求として用いられうる。
【0021】
図3に示すように、サマリデータは、指定データにより指定された取引の内容の一部を要約して(サマライズ(summarize)して)示す。なお、図3は、消費税率が10%であって、サマリデータに含まれる複数のエントリそれぞれには、取引の日付と、取引者(○×デパート)と、取引の場所(東京店,大阪店,京都店)と、取引者の取引相手が支払った金銭の総額((M+Q)×1.1,V×1.1,W×1.1)と、取引相手ID(お客様番号)とが対応付けられて含まれる。なお、サマリデータの内容は、取引の内容の一覧であってもよい。
【0022】
なお、サマリデータの表示画面の複数のエントリそれぞれには、そのエントリに対応する領収書の発行を取引証明サーバ44に要求するGUI(Graphcal User Interface)用のボタンとして使われ、そのエントリに対応する領収証の形式の証明データが既に発行されたときにはその旨を示す入力部分(領収証未発行/領収証発行済)が付される。また、サマリデータの表示画面には、取引証明サーバ44に発行させた証明データの送信先のアドレスをしている入力部分(閲覧者指定)が設けられる。
【0023】
図4は、図1に示した利用者端末3が取引証明部4の取引証明サーバ44に送信する証明データ発行要求を示す図である。証明データ発行要求は、図3に示した入力部分「領収証未発行」に対する操作に応じて利用者端末3から取引管理サーバ24に送信される。図4に示すように、証明データ発行要求は、送信先アドレスと、送信元アドレスと、発行要求データと、利用者データと、表示先アドレスと、アクセス制限データと、指定データとを含む。
【0024】
証明データ発行要求において、送信先アドレスは、送信先の取引証明サーバ44のアドレスを示す。送信元アドレスは、利用者端末3のアドレスを示す。発行要求データは、領収証の形式の証明データの発行を取引証明サーバ44に要求する。
【0025】
なお、図3に示した複数のエントリのいずれかの入力部分「領収証未発行」に対する操作が行われ、証明データ発行要求が取引証明サーバ44に送信され、このエントリに対応する領収証の形式の証明データが発行された後は、この入力部分に「領収証発行済」との旨が表示される。なお、入力部分への表示内容の「領収証未発行」および「領収証発行済」は例示であって、適宜、他の文字列あるいは記号が用いられてもよい。
【0026】
利用者データは、利用者端末3を用いる取引者#1~#mの取引相手または利用者端末3に付された利用者端末識別子を一意に示す。表示先アドレスは、図3に示したサマリデータの入力部分「閲覧者指定」により指定され、証明データを領収証の形式で表示させる表示先の利用者端末3または取引証明部4のアドレスを示す。
【0027】
アクセス制限データは、表示先の利用者端末3または取引証明部4が証明データにアクセスできるか否か、許可する証明データの表示の回数、表示の期間および印刷を許可するか否かなどのうちの1つ以上の証明データへのアクセスの制限の内容を示す。指定データは、いずれの取引の内容を証明させるかを指定する。
【0028】
図5は、図1に示した利用者端末3が生成した証明データの表示画面を例示する図である。利用者端末3は、図4に示した証明データ発行要求を取引証明サーバ44に送信して、証明データを生成させ、利用者端末3または閲覧者端末40に送信させる。なお、取引証明システム1が複数の利用者端末3を備えるとき、利用者端末3は、証明データを、証明データ発行要求を送信した利用者端末3自体に送信させても、他の利用者端末3に送信させてもよい。
【0029】
表示先アドレスが、利用者端末3自体のアドレスを示す場合には、証明データは取引証明サーバ44から利用者端末3に送信される。利用者端末3は、取引証明サーバ44が送信した証明データを受信して、図5に示すように領収証の形式で、図4に示したアクセス制限データが示すアクセス制限の範囲内で、利用者への表示などを行う。
【0030】
なお、図5に示すように、証明データの表示画面には、証明データの内容を確認するために利用者端末3の利用者または閲覧者端末40を用いる閲覧者が利用するURL(Uniform Resouce Locator)などの形式の確認用アドレスを示すリンクおよびQRコード(登録商標)などを示すデータが含まれる。なお、この確認用アドレスは、図2に示したサマリデータ要求に含まれる指定データと同じハッシュ値に対応付けられる。
【0031】
図1に示した閲覧者端末40は、利用者端末3と同様に、専用の情報処理装置として、あるいは、パーソナルコンピュータまたはスマートフォンなどの汎用の情報処理装置とアプリケーションプログラムとの組み合わせにより実現される。閲覧者端末40は、利用者端末3からの図4に示した証明データ発行要求に応じて取引証明サーバ44が生成し、取引証明サーバ44に送信した証明データを、図5に示したように利用者に表示する。
【0032】
取引データ管理部2の登録装置20は、通信ネットワーク100を介して取引管理サーバ24とデータ通信が可能なキャッシュレジスタ装置およびPOS(Point Of Sale)端末装置などである。登録装置20は、取引者#1~#mが取引相手と取引を行うたびに、登録装置20に対する取引者の操作に応じて取引データを生成し、取引管理サーバ24に対して送信する。
【0033】
なお、説明の具体化および明確化のために、図面においては、取引者#1~#mがデパートなどの小売業者であり、その取引相手が個人である場合が例示される。図6は、図1に示した登録装置20から取引管理サーバ24に送信される取引データの内容を例示する図である。図7は、図1に示した登録装置20から取引管理サーバ24に送信された取引データの表示画面を例示する図である。
【0034】
なお、登録装置20から取引管理サーバ24に送信される取引データの構成は、取引者#1~#mそれぞれが任意に決めてよく、取引者#1~#m全てに対して統一されなくてよい。ただし、取引管理サーバ24に記憶される段階において、取引データの構成は統一される。
【0035】
また、図7に示したように表示される取引データは、電子レシートとも呼ばれる。また、利用者端末3に送信されたサマリデータおよび取引データ、および、利用者端末3または閲覧者端末40に送信された証明データのうちの1つ以上には、適宜、電子透かしなどの電子証明証が入れられてよい。
【0036】
図6図7に示すように、取引データには、取引識別子(取引ID)、取引相手データ、取引者データ、場所データ、日付・時刻データ、税抜総額データ、支払総額データおよびフォームデータと、番号データ#1~#nそれぞれに対応付けられた商品データ#1~#n、名称データ#1~#n、数量データ#1~#n、単価データ#1~#n、税額データ#1~#nおよび総額データ#1~#nとが、対応付けられて含まれる。
【0037】
なお、ここで、nは1以上の整数である。また、取引データのうち、取引相手データ以外の部分を内容データとも記す。
【0038】
取引データにおいて、取引IDは、取引者#1~#mにより行われる取引それぞれを一意に識別する。取引相手データは、例えば、取引者の取引相手の個人が、ポイントカードを利用して物品を購買したときに得られる。取引相手データは、取引それぞれにおける取引相手を一意に識別する取引相手ID、取引相手の名前(名称)、名前(名称)、生年月日、性別および取引相手が使用する利用者端末3を一意に示す利用者端末IDなど、取引相手の属性を示す。
【0039】
取引IDは、取引者#1~#mにより行われる取引それぞれを一意に識別する。取引者データは、取引を行った取引者#1~#mのいずれかの名称を示す。具体例を挙げると、取引者データは、「スーパーマーケットA」、「ドラッグストアB」、「デパートC」、「ディスカウントショップD」、「コンビニエンスストアE」および「持ち株会社F」などの名称である。なお、名前である必要はなく、取引者を識別できればよく、コード情報等でもよい。取引者データの内容は、取引証明システム1の仕様により任意に設定可能であり、取引者の名称の他に、取引者が多数のブランドを有するときのブランド名などをさらに含んでもよい。
【0040】
場所データは、取引を行った取引者#1~#mのいずれかが複数の場所で取引を行いうるときに取引が行われた場所を示す。具体例を挙げると、場所データは、「スーパーマーケットA」、「ドラッグストアB」、「デパートC」、「ディスカウントショップD」および「コンビニエンスストアE」の店舗の名称および所在地などを示し、あるいは、「持ち株会社F」の傘下の企業名およびその所在地などを示す。
【0041】
日付・時刻データは、取引が行われた日時および時刻を示す。税抜総額データは、取引により取引者#1~#mのいずれかが取引相手から受けた税抜きの金銭の総額を示す。税金総額データは、取引により取引者#1~#mのいずれかが取引相手から受けた税金の総額を示す。
【0042】
支払総額データは、取引により取引者#1~#mのいずれかが取引相手から受けた税金込みの金銭の総額を示す。フォームデータは、図6に示した取引データを、図7に示したように表示するときの形式(フォーム)を示す。
【0043】
番号データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務に付された通し番号を示す。商品データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務それぞれの名称などを示す。数量データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務それぞれの数量(個数)を示す。
【0044】
単価データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務それぞれの単価を示す。税額データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務それぞれに対して取引相手が支払った税額を示す。総額データ#1~#nは、取引の対象となったn種類の物品および役務それぞれに対して取引相手が支払った金銭の総額を示す。
【0045】
広告データは、図1に示した広告サーバ5により、取引相手データが示す取引相手の属性に応じて生成される。広告データは、図7に示したように、いわゆるレシートの形式で取引データを表示したときに、例えば、レシートにおいてフォームデータにより指定された位置に表示される広告の内容を示す。
【0046】
図8は、図1に示した取引管理サーバ24の構成を示す図である。図8に示すように、取引管理サーバ24は、通信ネットワーク100を介して他の構成要素との間のデータ通信を行う通信装置240、取引データ処理装置242、取引データベース(取引DB)244、認証装置246、データ生成装置248および取引者データ処理装置250を備える。
【0047】
取引管理サーバ24は、登録装置20に対してウェブサーバとしての機能を提供する。取引管理サーバ24は、これらの構成要素により、図1図6に示したように、登録装置20から入力された取引データを管理して記憶する。取引管理サーバ24に記憶され、管理される取引データは、取引証明サーバ44の処理のために用いられる。
【0048】
また、取引管理サーバ24は、図2に示した利用者端末3からのサマリデータ要求を受信し、受信したサマリデータ要求の内容に応じて、図3に示したサマリデータの表示画面の内容を示すサマリデータを生成し、サマリデータ要求を出した利用者端末3に送信する。また、取引管理サーバ24は、図3に示した利用者端末3からの取引データ要求を受信し、取引要求により指定された取引データを、利用者端末3に送信する。
【0049】
取引管理サーバ24において、通信装置240は、通信ネットワーク100を介して、図1に示した登録装置20および利用者端末3との間でデータ通信を行う。通信装置240は、登録装置20から図6に示した取引データを受信し、取引データ処理装置242に対して出力する。
【0050】
また、通信装置240は、利用者端末3から取引データ要求および図2に示したサマリデータ要求を受信し、データ生成装置248に対して出力する。また、通信装置240は、利用者端末3から認証データを受信し、認証装置246に対して出力する。
【0051】
また、通信装置240は、取引データ要求の受信に応じて生成された取引データを、取引データ処理装置242から受けて、利用者端末3に対して送信する。また、通信装置240は、図2に示したサマリデータ要求の受信に応じて生成され、図3に示したように表示されるサマリデータを、取引データ処理装置242から受けて、利用者端末3に対して送信する。
【0052】
図9は、図8に示した取引データ処理装置242が生成し、取引DB244が記憶する記憶用データを示す図である。なお、図9に示した取引者データおよび内容データは、図6に示した取引データと同じである。
【0053】
取引データ処理装置242は、図9に示すように、通信装置240から入力されたpヶの取引データそれぞれに、取引データIDと、広告サーバ5から入力された広告データとを対応付けてpのエントリを生成し、記憶用データに含めて取引DB244に記憶する。なお、pは2以上の整数である。
【0054】
認証装置246は、通信装置240から入力された認証データを用いて、この認証データを送信した利用者端末3およびその利用者の認証を行い、認証の結果を他の構成要素に通知する。なお、認証装置246による認証は、利用者IDとパスワードを用いた方法によっても、さらに二段認証を行う方法によってもよい。
【0055】
データ生成装置248は、認証装置246により認証された利用者端末3から入力されたサマリデータ要求に応じて、図2に示したサマリデータ要求の指定データにより指定される記憶データの1つ以上のエントリを読み出す。データ生成装置248は、読み出した1つ以上のエントリに含まれる取引データの一部を用いてサマリデータを生成し、通信装置240および通信ネットワーク100を介して、サマリデータ要求を送信した利用者端末3および取引証明部4に対して送信する。
【0056】
また、データ生成装置248は、認証装置246により認証された利用者端末3から入力された取引データ要求に応じて、取引データに含まれている指定データにより指定される記憶データのエントリを読み出す。データ生成装置248は、読み出したエントリに含まれる取引データおよび広告データを用いて、図7に示したように表示される取引データを生成し、通信装置240および通信ネットワーク100を介して、取引データ要求を送信した利用者端末3に対して送信する。
【0057】
取引者データ処理装置250は、登録装置20から通信ネットワーク100および通信装置240を介して入力された取引データに含まれる取引者データを処理し、取引相手の属性を示す属性データを生成し、広告サーバ5に対して送信する。なお、取引者データ処理装置250は、例えば、広告サーバ5から属性データの指定を受け、指定された属性データを生成したときにのみ属性データを広告サーバ5に対して送信してよい。
【0058】
図10は、図1に示した取引証明サーバ44の構成を示す図である。図10に示すように、取引証明サーバ44は、通信装置240、認証装置246、管理データ生成装置440、証明データ生成装置442、証明DB444および確認装置446を備える。
【0059】
取引証明サーバ44は、利用者端末3および閲覧者端末40に対してウェブサーバとしての機能を提供する。これらの構成要素により、取引証明サーバ44は、利用者端末3または閲覧者端末40との間で認証のための処理を行う。
【0060】
図4に示した証明データ発行要求の利用者端末3からの受信に応じて、取引証明サーバ44は、図6に示した取引データを取引管理サーバ24から読み出し、アクセス制限データを付して、図5に示した取引それぞれの内容を証明する証明データを生成する。また、取引証明サーバ44は、取引それぞれの証明データが生成し、利用者端末3または閲覧者端末40に対して発行されたか否かなどを示す管理データを生成して記憶する。なお、証明データの発行は、より具体的には、証明データが利用者端末3または閲覧者端末40に対して送信されたことを意味する。
【0061】
さらに、取引証明サーバ44は、記憶した管理データに基づいて、証明データの発行およびその管理を行う。なお、取引証明サーバ44においては、図6に示した取引データの記憶は必要とされない。
【0062】
取引証明サーバ44において、通信装置240は、利用者端末3から図4に示した証明データ発行要求を受信して、管理データ生成装置440および証明データ生成装置442に対して出力する。また、通信装置240は、利用者端末3から、図2を参照して説明した確認データ要求を受信し、確認装置446に対して出力する。また、通信装置240は、確認装置446から図6に示した取引データを受け、通信ネットワーク100を介して利用者端末3にサマリデータとして送信する。
【0063】
また、通信装置240は、証明データ生成装置442が生成した証明データを受け、通信ネットワーク100を介して利用者端末3に送信する。また、通信装置240は、取引管理サーバ24においてと同様に、利用者端末3から認証データを受信し、認証装置246に対して出力する。
【0064】
図11は、図10に示した管理データ生成装置440が生成する管理データを示す図である。管理データ生成装置440は、認証装置246が認証した利用者端末3からの認証データ発行要求を処理して、図11に示す管理データを生成し、証明DB444に記憶する。
【0065】
図11に示すように、管理データに含まれるpのエントリそれぞれは、図9に示した取引データIDと、図4に示した証明データ発行要求に含まれる指定データに対応するハッシュ値と、未発行/発行済データ、確認用データと、アクセス制限データと、閲覧者・回数データと、発行時刻データとを含む。
【0066】
なお、図5を参照して説明したように、確認用アドレスとしてハッシュ値が用いられうる。従って、この場合には、確認用アドレスの値をハッシュ値と同じにすることにより、確認用データが省略されうる。
【0067】
管理データにおいて、未発行/発行済データは、利用者端末3からの要求により証明データが発行済みであるか否かを示す。確認用データは、利用者端末3または閲覧者端末40の利用者が証明データの内容確認を行うために用いる取引データを参照するために用いられるURLなどの形式のアドレスである。アクセス制限データは、図4に示した証明データ発行要求に含まれるアクセス制限データと同じである。
【0068】
閲覧者・回数データは、証明データの発行を受けて表示した利用者端末3または閲覧者端末40およびその使用者(閲覧者)と、証明データの発行回数とを示す。発行回数データは、取引証明部4が証明データを発行した回数を示す。
【0069】
証明データ生成装置442は、認証装置246により認証された利用者端末3からの証明データ発行要求を受けると、証明DB444から、図4に示した指定データに対応するハッシュ値を含む管理データのエントリを読み出す。証明データ生成装置442は、読み出した管理データのエントリのアクセス制限データが、証明データの送信先の利用者端末3または閲覧者端末40に、証明データへのアクセスが許可されるか否かを判断する。
【0070】
利用者端末3または閲覧者端末40に証明データへのアクセスが許可され、未発行/発行済データが未発行を示す値であるとき、証明データ生成装置442は、読み出したエントリに含まれる取引データIDを含む取引データを、図8に示した取引証明サーバ44の管理データ生成装置440から読み出す。
【0071】
また、証明データ生成装置442は、アクセス制限データが付され、図5に示したように表示される証明データを生成する。証明データ生成装置442は、通信装置240および通信ネットワーク100を介して、図4に示した証明データ発行要求の表示先アドレスが示す利用者端末3または閲覧者端末40に送信して発行する。
【0072】
なお、証明データ生成装置442は、図9に示した記憶用データに含まれるエントリそれぞれの取引データを証明する証明データを、未発行/発行済データが未発行を示す値のときに1回だけ、証明データ発行要求の表示先アドレスが示す利用者端末3または閲覧者端末40に対してのみに生成する。
【0073】
ただし、証明データ発行要求の表示先アドレスが示す利用者端末3または閲覧者端末40への証明データの送信は、アクセス制限データが許す範囲で、複数回、行われることがある。このとき、証明データ生成装置442は、証明データを送信するたびに、その旨を管理データ生成装置440に通知する。
【0074】
なお、管理データ生成装置440は、この通知を最初に受けたとき、図11に示した未発行/発行済データを、未発行を示す値から発行済みを示す値に変更し、証明データが発行された日時および時刻を発行時刻データに書き込む。また、管理データ生成装置440は、閲覧者・回数データに、証明データの送信先の利用者端末3または閲覧者端末40を示すアドレス、および、証明データの送信回数を書き込む。
【0075】
確認装置446は、認証装置246により認証された利用者端末3からの確認用アドレスを含む確認データ要求を受けると、証明DB444からこの確認用アドレスとして用いられたハッシュ値を含むエントリを読み出す。
【0076】
確認装置446は、読み出したエントリに含まれる取引データIDに対応する取引データを取引管理サーバ24の取引DB244から読み出す。確認データ要求を出した利用者端末3に、サマリデータとして通信装置240および通信ネットワーク100を介して送信させる。なお、この取引データを受信した利用者端末3は、受信した取引データを表示して利用者に示す。
【0077】
以下、取引証明システム1の動作を説明する。図12は、取引証明システム1の動作を示す第1のシーケンス図である。図1図12に示すように、ステップS100-1~S100-pにおいて、登録装置20-1~20-mは、取引者#1~#mとこれらの取引相手との間で行われたpの取引それぞれの取引データ#1~#pを取引管理サーバ24に送信する。なお、取引データ#1~#pそれぞれに含まれるデータは、図6を参照して説明した通りである。
【0078】
ステップS102-1~S102-pにおいて、取引管理サーバ24は、登録装置20から受信した取引データ#1~#pを処理する。取引管理サーバ24は、この処理の結果として得られた管理データの一部、取引データID#1~#pと、ハッシュ値#1~#pと、確認用アドレス#1~#pを、取引証明サーバ44に対して出力する。なお、管理データは図11を参照して説明した通りであり、管理データに含まれるこれら以外のデータは取引証明サーバ44に対して別途、利用者などにより適宜に設定されうる。
【0079】
図13は、取引証明システム1の動作を示す第2のシーケンス図である。図1図13に示すように、ステップS200において、利用者端末3は、その利用者の操作に応じて、取引管理サーバ24に対して認証データを送信する。ステップS202において、取引管理サーバ24は、利用者端末3またはその利用者を認証したときには、その旨を示すデータを利用者端末3に送信する。
【0080】
ステップS204において、認証された利用者端末3は、図2に示したサマリデータ要求を取引管理サーバ24に対して送信する。ステップS206において、取引管理サーバ24は、図3を参照して説明したように表示されるサマリデータを利用者端末3に対して送信する。
【0081】
ステップS206において、利用者端末3は、利用者によるサマリデータの表示画面に対する選択操作に応じて、サマリデータに含まれる取引データのいずれかを選択する。利用者端末3は、指定データを、選択された取引データを示す値として、図2を参照して説明した取引データ要求を取引管理サーバ24に送信する。
【0082】
ステップS208において、取引管理サーバ24は、利用者端末3から取引データ要求を受信する。ステップS210において、取引管理サーバ24は、受信した取引データ要求に含まれる指定データが示す取引データを、利用者端末3に対して送信する。利用者端末3は、取引管理サーバ24からの取引データを表示して、図7を参照して説明したように、その利用者に示す。
【0083】
図14は、取引証明システム1の動作を示す第3のシーケンス図である。図1図14に示すように、ステップS400において、広告サーバ5は、取引管理サーバ24に属性データを生成する条件を設定する。ステップS402において、取引管理サーバ24は、設定された条件に適合する属性データを生成すると、生成した属性データを広告サーバ5に送信する。
【0084】
ステップS404において、広告サーバ5は、取引相手の属性を示す属性データに基づいて広告データを生成し、広告サーバ5に対して送信する。取引管理サーバ24は、取引データIDと、取引データと、広告データとを対応付けて、図9を参照して説明した記憶用データを生成し、記憶する。なお、S400~S404の処理が行われないときには、記憶データの広告データは広告が存在しないことを示す値とされる。
【0085】
図15は、取引証明システム1の動作を示す第4のシーケンス図である。図1図15に示すように、ステップS200,S202において、利用者端末3と取引証明サーバ44との間で認証処理が行われる。
【0086】
ステップS500において、認証された利用者端末3は、図3を参照して説明したサマリデータの表示画面に対する利用者の操作に応じて、図4を参照して説明した証明データ発行要求の指定データを、閲覧者端末40を示す値とし、取引証明サーバ44に対して送信する。
【0087】
ステップS200,S202において、閲覧者端末40と取引証明サーバ44は、閲覧者の操作に応じて認証のための処理を行う。
【0088】
ステップS502において、認証された取引証明サーバ44は、図5を参照して説明した内容の証明データを、閲覧者端末40に送信する。閲覧者端末40は、証明データを表示して閲覧者に示す。なお、閲覧者は、証明データに付されたアクセス制限データが許可するときには、閲覧者端末40を操作して、受信した証明データを印刷することもできる。
【0089】
ステップS504において、閲覧者端末40は、取引証明サーバ44に、図2を参照して説明した確認データ要求を送信する。
【0090】
ステップS506において、取引証明サーバ44は、確認データ要求に含まれる指定データが示す取引データを、取引管理サーバ24から読み出す。
【0091】
ステップS508において、取引証明サーバ44は、取引管理サーバ24から読み出した取引データを閲覧者端末40に送信する。閲覧者端末40は、取引証明サーバ44から取引データを、確認のために閲覧者に示す。
【0092】
なお、図15に示した第4のシーケンス図において、閲覧者端末40と取引証明サーバ44との間で送受信される情報を、利用者端末3と取引証明サーバ44との間で送受信される情報に変更することにより、取引証明サーバ44から利用者端末3に証明データを送信する処理を理解することは、当業者にとって容易であろう。
【0093】
なお、上記の実施の形態において、取引証明システム1は、請求項における取引証明システムの一例、登録装置20は、請求項における登録装置の一例、取引DB244は、請求項における取引データベースの一例、取引証明サーバ44は、請求項における取引証明装置の一例、証明DB444は、請求項における証明データベースの一例、利用者端末3は、請求項における第1の端末装置の一例、閲覧者端末40は、請求項における第2の端末装置の一例、データ生成装置248は請求項におけるサマリデータ生成装置の一例である。
【0094】
[変形例]
以下、図1に示した登録装置20の変形例を説明する。図16は、図1に示した取引証明システム1において登録装置20の代わりに用いられる登録システム6の構成を示す図である。図16に示すように、登録システム6は、取引者#1~#mそれぞれに備えられた取引者システム50-1~50-mおよび取引管理サーバ24を備える。
【0095】
取引者システム50-1~50-mは、取引者#1~#mそれぞれが所有するブランド#1~#rそれぞれに対応して設けられるブランドシステム52-1-1~52-1-r,・・・,52-m-1~52-m-rを備える。ブランドシステム52-1-1~52-1-r,・・・,52-m-1~52-m-rは、登録装置20-1-1-1~20-1-1-q・・・,20-m-r-1~20-m-r-qと、登録サーバ56-1-1~56-1-q,・・,56-m-1~56-m-qを備える。
【0096】
なお、q,rは、取引者システム50およびブランドシステム52ごとに異なりうる1以上の整数である。また、図示の都合上、図16において、登録装置20-1-1-1~20-1-1-q、ブランドシステム52-1-1~52-1-rおよび登録サーバ56-1-1~56-1-r以外は省略されている。
【0097】
登録システム6において、登録装置20は、取引証明システム1における登録装置20と同様なキャッシュレジスタ装置およびPOS端末装置などである。登録装置20は、取引のたびに、登録装置20に対する取引者の操作に応じて取引データを生成し、登録サーバ56に対して送信する。登録サーバ56は、登録装置20から取引データを受診して記憶し、予め決められた時間間隔、あるいは、取引管理サーバ24からの要求に応じて、ファイル連携により記憶した取引データを取引管理サーバ24に対して送信する。
【0098】
図17は、図1に示した取引証明システム1において登録装置20の代わりに用いられる登録システム7の構成を示す図である。図17に示すように、登録システム7は、取引者#1~#mそれぞれに備えられた取引者システム60-1~60-mおよび取引管理サーバ24を備える。
【0099】
取引者システム60-1~60-mは、登録装置20-1-1~20-1-q,・・・,20-m-1~20-m-qと、登録サーバ62-1~62-mを備える。なお、図示の都合上、図17においても、図16においてと同様に、登録システム7の構成要素の一部は省略されている。
【0100】
登録システム7において、登録装置20は、取引のたびに、登録装置20に対する取引者の操作に応じて取引データを生成し、登録サーバ62に対して送信する。登録サーバ62は、登録装置20から取引データを受診して記憶し、予め決められた時間間隔、あるいは、取引管理サーバ24からの要求に応じて、API連携により記憶した取引データを取引管理サーバ24に対して送信する。なお、登録システム6,7の構成要素の一部ずつを組み合わせて、登録システム6の代わりに取引証明システム1において用いることもできる。
【0101】
本発明の実施の形態を説明したが、この実施の形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施の形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施の形態およびその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0102】
1 取引証明システム、2 取引データ管理部、20 登録装置、24 取引管理サーバ、5 広告サーバ、240 通信装置、242 取引データ処理装置、244 取引DB、246 認証装置、248 データ生成装置、3 利用者端末、4 取引証明部、40 閲覧者端末、44 取引証明サーバ、440 管理データ生成装置、442 証明データ生成装置、444 証明DB、446 確認装置、6,7 登録システム、50,60 取引者システム、52 ブランドシステム、56,62 登録サーバ、100 通信ネットワーク。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17