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  • 特開-健康検査建屋及び健康検査セット 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051411
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】健康検査建屋及び健康検査セット
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/12 20060101AFI20220324BHJP
   E04H 3/08 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
E04H1/12 A
E04H3/08 Z
E04H3/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157868
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】515359271
【氏名又は名称】株式会社森川組
(74)【代理人】
【識別番号】110002022
【氏名又は名称】特許業務法人コスモ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】原 浩之
(57)【要約】
【課題】通気性のよい健康検査建屋及び健康検査セットを提供すること。
【解決手段】健康検査建屋1は、6面体状であり、内側に屋内部を有する本体部10と、本体部10の正面に設けられる第1開閉部20と、本体部10の背面に設けられる第2開閉部30と、を備え、屋内部は、健康検査装置を有し、第1開閉部20及び第2開閉部30は、それぞれ開閉自在である。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
6面体状であり、内側に屋内部を有する本体部と、
前記本体部の正面に設けられる第1開閉部と、
前記本体部の背面に設けられる第2開閉部と、
を備え、
前記屋内部は、健康検査装置を有し、
前記第1開閉部及び前記第2開閉部は、それぞれ開閉自在であることを特徴とする健康検査建屋。
【請求項2】
前記第1開閉部及び前記第2開閉部は、上下開閉式シャッターを有することを特徴とする請求項1に記載の健康検査建屋。
【請求項3】
前記本体部は、給気口を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の健康検査建屋。
【請求項4】
前記本体部は、吊り金具を有することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の健康検査建屋。
【請求項5】
前記屋内部は、インターホンを有することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の健康検査建屋。
【請求項6】
請求項1乃至請求項5の何れかに記載の健康検査建屋と、
コーンにより形成される入退出ルートと、
を備え、
前記入退出ルートは、前記健康検査建屋に入室する入室ルート及び前記健康検査建屋から退室する退室ルートにより構成され、
前記退室ルートは、第1退室ルート及び第2退室ルートの二手に分かれていることを特徴とする健康検査セット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、健康検査建屋及び健康検査セットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から健康検査が可能な健康検査建屋が提案されている。例えば、特許文献1は、トイレルームの内部に血圧測定設備を備え、便座に座ったまま被検者は血圧測定を行うことが可能である。そして、血圧測定により、被検者の健康状態をチェックするものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平7-3497号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の健康検査建屋は、感染症に関する健康検査を行う場合、出入口が一つであるため、通気性が悪く、換気が十分でないことがあった。
【0005】
本発明は、以上の点に鑑み、通気性のよい健康検査建屋及び健康検査セットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の健康検査建屋は、6面体状であり、内側に屋内部を有する本体部と、前記本体部の正面に設けられる第1開閉部と、前記本体部の背面に設けられる第2開閉部と、を備え、前記屋内部は、健康検査装置を有し、前記第1開閉部及び前記第2開閉部は、それぞれ開閉自在であることを特徴とする。
【0007】
本発明の健康検査セットは、上述の健康検査建屋と、コーンにより形成される入退出ルートと、を備え、前記入退出ルートは、前記健康検査建屋に入室する入室ルート及び前記健康検査建屋から退室する退室ルートにより構成され、前記退室ルートは、第1退室ルート及び第2退室ルートの二手に分かれていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、通気性のよい健康検査建屋及び健康検査セットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る健康検査建屋を示す斜視図である。
図2】本発明の実施形態に係る健康検査建屋を示し、図1のII―II断面図である。
図3】本発明の実施形態に係る健康検査建屋を示し、図2のIII―III断面図である。
図4】本発明の実施形態に係る健康検査セットを示した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の実施形態について説明する。図1に示すように、健康検査建屋1は、本体部10、第1開閉部20及び第2開閉部30を備え、建屋状に形成される。健康検査建屋1は、第1開閉部20及び第2開閉部30を開閉することで、ヘルスチェックゲートとして機能する。以下に、健康検査建屋1が備える本体部10、第1開閉部20及び第2開閉部30について説明する。なお、以下の説明において、重力方向側を下側とし、その逆側を上側とする。そして、図1における第1開閉部20側を前又は正面とし、図1における第2開閉部30側を後ろ又は背面とし、正面から背面を見た場合の左側を左、右側を右とする。
【0011】
本体部10は、6面体状に形成され、上面部10a、正面部10b、左側面部10c、右側面部10d、背面部10e及び底面部10fからなる計6つの各面部を有する。本体部10の各面部は、矩形の板状に形成される。また、本体部10は、その内側に、屋内部11を有する。換言すれば、屋内部11は、本体部10の各面部の内側に位置する。従って、本体部10の各面部は、一方面が本体部10の外側と接し、他方面が屋内部11と接する。
【0012】
本体部10の上面部10aは、本体部10の上部に位置する。上面部10aは、その一方面が本体部10の外側の屋根となり、その他方面が屋内部11の天井となる。
【0013】
本体部10の正面部10bは、本体部10の前面(正面)に位置する。正面部10bには、第1開閉部20が設けられる。第1開閉部20は、シャッター21及び収納箱22を有する。シャッター21は、上下方向に動作することで開閉自在となる上下開閉式シャッターであり、全開時においては、その全てが収納箱22に収納される。また、シャッター21は、その一方面が本体部10の外側と接し、その他方面が屋内部11と接する。従って、第1開閉部20は、シャッター21を開けることにより、屋内部11及び本体部10の外側を連通させることができる。なお、シャッター21は、上下開閉式シャッターであればよく、本実施形態では、比較的スラットが軽い軽量シャッターとすることができる。
【0014】
本体部10の左側面部10cは、本体部10の左部に位置する。左側面部10cは、その一方面が本体部10の外側の壁部となり、その他方面が屋内部11の壁部となる。また、左側面部10cは、上面部10a側の前後方向両端側に、吊り金具12がそれぞれ設けられる。吊り金具12は、クレーンなどの重機により健康検査建屋1を吊り上げて移動させる際に用いられる。そして、左側面部10cは、底面部10f側の前後方向両端側に、固定金具13がそれぞれ設けられる。固定金具13は、健康検査建屋1を設置する際にアンカーボルトを通し、設置面に固定することで用いられる。
【0015】
本体部10の右側面部10dは、本体部10の右部に位置する。右側面部10dは、その一方面が本体部10の外側の壁部となり、その他方面が屋内部11の壁部となる。また、右側面部10dは、上面部10a側の前後方向両端側に、吊り金具12がそれぞれ設けられる。そして、右側面部10dは、底面部10f側の前後方向両端側に、固定金具13がそれぞれ設けられる。さらに、右側面部10dは、給気口14が設けられる。給気口14は、右側面部10dの上側かつ正面部10b側に設けられる。給気口14は、本体部10の外側及び屋内部11を連通しており、ファンにより空気を屋内部11へ供給することができる。従って、健康検査建屋1は、給気口14によっても換気がなされ、その通気性を上げている。
【0016】
本体部10の背面部10eは、本体部10の後面(背面)に位置する。背面部10eには、第2開閉部30が設けられる。第2開閉部30は、シャッター31及び収納箱32を有する。シャッター31は、シャッター21及び収納箱22同様、上下方向に動作することで開閉自在となる上下開閉式シャッターであり、全開時においては、その全てが収納箱32に収納される。また、シャッター31は、その一方面が本体部10の外側と接し、その他方面が屋内部11と接する。従って、第2開閉部30は、シャッター31を開けることにより、本体部10の外側及び屋内部11を連通させることができる。なお、シャッター31は、上下開閉式シャッターであればよく、本実施形態では、比較的スラットが軽い軽量シャッターとすることができる。
【0017】
本体部10の底面部10fは、本体部10の下部に位置する。底面部10fは、その一方面が本体部10の外側(設置面側)の底部となり、その他方面が屋内部11の床部となる。
【0018】
屋内部11は、本体部10の各面部(上面部10a、正面部10b、左側面部10c、右側面部10d、背面部10e及び底面部10f)の内側に位置し、6面体状の空間として形成される。そして、屋内部11は、図2及び図3に示すように、左側面部10c側に、洗面設備40、健康検査設備50、インターホン60及び照明装置70を有する。
【0019】
洗面設備40は、最も正面部10b側に位置する。洗面設備40は、右側面部10dから見ると、長方形状であり、上部から順に照明部41、鏡面部42、出水部43及び受け部44を有する。照明部41は、洗面設備40の最上部に位置し、主として洗面設備40周辺を照らすものであり、LEDや白熱電球等による照明である。鏡面部42は、照明部41の下側に位置し、洗面設備40の使用者の姿を映すことができる鏡として形成される。出水部43は、鏡面部42の下側に位置する。そして、出水部43は、出水部43より上側に位置する給水タンク43Aとホースや配管で繋ぐことにより、水を出すことが可能な蛇口として形成される。なお、給水タンク43Aの底部は、出水部43より上側に位置している。受け部44は、出水部43より下側に位置し、出水部43から出た水を受け、受け部44の底部に設けられる排水口44Aから排出することができる。なお、排水口44Aは、排水管44Bにより、出水部43から出た水を屋内部11より外部に排出することができる。
【0020】
健康検査設備50は、洗面設備40と隣接して設けられる。健康検査設備50は、架台部51、健康検査装置52及び消毒装置53を有する。架台部51は、前述の洗面設備40の受け部44と略同じ高さに机面となる天板51Aが設けられるカウンターテーブルである。健康検査装置52は、体温計である。本実施形態における体温計は、非接触型の体温計であるが接触型の体温計であってもよい。消毒装置53は、消毒液が入ったボトルタイプの消毒薬である。なお、消毒装置53は、ペーパータイプの消毒薬であってもよい。
【0021】
インターホン60は、背面部10e側やや正面部10b側寄り、かつ健康検査設備50の架台部51より上側に設けられる。インターホン60は、ボタンスイッチを押すことにより、健康検査建屋1の外部と通信し通話可能なものである。
【0022】
照明装置70は、スイッチ部71及び照明部72を有し、屋内部11全体を照らすことができる。スイッチ部71は、インターホン60より背面部10e側、かつインターホン60より下側で健康検査設備50の架台部51より上側に設けられる。照明部72は、上面部10aの天板(上面部10aの屋内部11側)の略中央に設けられる。照明部72は、LEDや白熱電球等による照明である。
【0023】
次に、健康検査建屋1の使用態様の一例を示す。まず、健康検査建屋1の使用者(以下、使用者)は、第1開閉部20のシャッター21及び第2開閉部30のシャッター31を開き、第1開閉部20及び第2開閉部30を開口状態とする。これにより、使用者は、健康検査建屋1の内部(本体部10の屋内部11)の換気を促し通気性を大幅に向上させることができる。さらに、第1開閉部20のシャッター21及び第2開閉部30のシャッター31は、上下開閉式シャッターであるため、健康検査建屋1の周りに雪や土砂が積もっていたとしても、容易に開くことができる。
【0024】
次に、使用者は、健康検査を受検させたい被検者(以下、被検者)を一人ずつ第1開閉部20側より健康検査建屋1の屋内部11に入れさせる。次に、使用者は、被検者に非接触型の体温計である健康検査装置52により、被検者の体温を測定し、健康検査を行うことができる。またこのとき、使用者は、洗面設備40の鏡面部42により、被検者に自身の顔色をチェックさせることもできるし、洗面設備40の出水部43により、被検者にうがい及び手洗いをさせることができる。さらに、使用者は、被検者に手洗いをさせた後に、消毒装置53を用いて消毒させることもできる。
【0025】
次に、使用者は、被検者の体温を測定した結果から、被検者の健康状態を判定する。次に、使用者は、健康検査を終えた被検者を第2開閉部30より退出させる。次に、使用者は、全ての被検者を検査し終わったら、消毒装置53により屋内部11を消毒することができる。そして、使用者は、第1開閉部20のシャッター21及び第2開閉部30のシャッター31を閉じ、第1開閉部20及び第2開閉部30を閉口状態とする。以上のように、健康検査建屋1は利用することができる。
【0026】
上述の使用態様において、使用者は、自ら被検者を検査した。しかしながら、使用者は、第1開閉部20及び第2開閉部30の開閉及び検査終了後の消毒のみを行い、健康検査建屋1での入退出及び健康検査を被検者に行わせてもよい。その際、被検者は、健康検査により自身の健康状態に異常を発見した場合、インターホン60により、他人との接触無しに自身の異常を知らせることができる。また、健康検査建屋1は、本体部10の左側面部10c及び右側面部10dに、それぞれ2つずつ、合計4つの吊り金具12を有するため、クレーンなどで吊り上げにより移動させることができる。従って、健康検査建屋1は、建屋として完成した後であっても、風向きに第1開閉部20及び第2開閉部30を合わせて設置又は移動させることも可能であり、その通気性の向上を図ることができる。
【0027】
また、使用者は、図4に示すように、健康検査建屋1をコーン80と共に用いた健康検査セット100を形成することができる。健康検査セット100は、上述の健康検査建屋1及びコーン80により形成される入退出ルート90を備える。
【0028】
入退出ルート90は、交通の規制などに用いるコーン80を並べることにより形成され(その際、コーン80同士をコーンロックやコーンバーなどの連結用具で連結させてもよい)、健康検査建屋1への入室ルート91及び健康検査建屋1からの退室ルート92により構成される。ここで、入室ルート91は、健康検査建屋1の第1開閉部20側から屋内部11に入るルートであり、退室ルート92は、健康検査建屋1の屋内部11から第2開閉部30側より出るルートである。
【0029】
使用者は、健康検査建屋1の屋外において、健康検査建屋1で被検者が健康検査を行っている間、他の被検者を入室ルート91で並ばせておくこともできるし、退室ルート92を移動する被検者がいれば、被検者の健康検査が終わり、健康検査建屋1が空いたことを知ることができる。従って、健康検査セット100は、入室ルート91及び退室ルート92からなる入退出ルート90を形成することで、健康検査建屋1への入退出をより円滑に行うことができる。また、退室ルート92は、第1退室ルート92A及び第2退室ルート92Bの二手に分かれて形成される。これにより、使用者は、健康検査建屋1内での健康検査の結果が問題の無かった被検者を第1退室ルート92Aへ誘導し、健康検査建屋1内での健康検査の結果が問題のあった被検者を第2退室ルート92Bへ誘導すること(健康検査の結果が問題の無かった被検者及び問題のあった被検者を別ルートに誘導し、互いの接触を防ぐこと)が可能である。さらに、健康検査建屋1は、上述のように吊り金具12により移動させることができるため、使用者は、任意の場所に健康検査セット100を設置又は移動させることができる。
【0030】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態やその変形例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。例えば、健康検査建屋1は、感染症対策のための健康検査を行う建屋に限定されず、ウォータサーバーや送風機等を備えることで熱中症対策としてもよいし、食料品、医療品及び日用品等を備蓄することで衛生拠点とすることもできる。また、健康検査建屋1は、例えば、本体部10の上面部10aの外側面に、太陽光発電パネルを設置することで、太陽光発電による電力を健康検査建屋1の給気口14(ファン)、洗面設備40(照明部41)、インターホン60及び照明装置70に給電することが可能となる。また、健康検査建屋1は、健康検査装置52を体温計とすることに限定されず、血圧計や呼気アルコール測定器などとすることで、多様な検査を実施することができる。
【符号の説明】
【0031】
1 健康検査建屋 10 本体部
10a 上面部 10b 正面部
10c 左側面部 10d 右側面部
10e 背面部 10f 底面部
11 屋内部 12 吊り金具
13 固定金具 14 給気口
20 第1開閉部 21 シャッター
22 収納箱 30 第2開閉部
31 シャッター 32 収納箱
40 洗面設備 41 照明部
42 鏡面部 43 出水部
43A 給水タンク 44 受け部
44A 排水口 44B 排水管
50 健康検査設備 51 架台部
51A 天板 52 健康検査装置
53 消毒装置 60 インターホン
70 照明装置 71 スイッチ部
72 照明部 80 コーン
90 入退出ルート 91 入室ルート
92 退室ルート 92A 第1退室ルート
92B 第2退室ルート 100 健康検査セット
図1
図2
図3
図4