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  • 特開-感圧入力装置 図1
  • 特開-感圧入力装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051431
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】感圧入力装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220324BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
G06F3/041 600
G06F3/041 480
G06F3/01 560
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157911
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】391021684
【氏名又は名称】菱洋エレクトロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】権藤 雅彦
(72)【発明者】
【氏名】岩瀬 賢典
(72)【発明者】
【氏名】平原 誠
【テーマコード(参考)】
5E555
【Fターム(参考)】
5E555AA08
5E555BA04
5E555BB04
5E555BC01
5E555CA12
5E555CA15
5E555CB12
5E555CB59
5E555DA24
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置において、カバーと感圧センサー間の摩擦を低減することが可能な感圧入力装置を提供すること。
【解決手段】ユーザがタッチ操作を行う操作面を有するカバーと、前記カバーの前記操作面と反対側に配置される感圧センサーと、前記感圧センサーが検出する押圧力に応じて、前記カバーに対し衝撃を与えるアクチュエータとを含む感圧入力装置であって、前記カバーと前記感圧センサーとの間に、少なくとも一つの球体が回動自在に配置されており、前記少なくとも一つの球体を挟んで、前記カバーと前記感圧センサーが離間し、ユーザがタッチ操作するとき、前記カバーに対する押圧力が、前記少なくとも一つの球体を介して前記感圧センサーに伝達されることを特徴とする感圧入力装置。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがタッチ操作を行う操作面を有するカバーと、
前記カバーの前記操作面と反対側に配置される感圧センサーと、
前記感圧センサーが検出する押圧力に応じて、前記カバーに対し衝撃を与えるアクチュエータと
を含む感圧入力装置であって、
前記カバーと前記感圧センサーとの間に、少なくとも一つの球体が回動自在に配置されており、前記少なくとも一つの球体を挟んで、前記カバーと前記感圧センサーが離間し、
ユーザがタッチ操作するとき、前記カバーに対する押圧力が、前記少なくとも一つの球体を介して前記感圧センサーに伝達される
ことを特徴とする感圧入力装置。
【請求項2】
前記感圧センサーには、前記少なくとも一つの球体の一部を受け入れる凹部が形成されており、前記カバー及び前記感圧センサーの前記凹部との間に、前記少なくとも一つの球体が挟まれ、これにより、前記球体の位置が固定される、請求項1に記載の感圧入力装置。
【請求項3】
前記カバーがガラス製である、請求項1又は2に記載の感圧入力装置。
【請求項4】
前記少なくとも一つの球体が非導電性である、請求項1~3の何れか一項に記載の感圧入力装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感圧入力装置に関する。特に、衝撃などの触覚効果をもたらすアクチュエータを搭載した感圧入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、タッチパネルなどの感圧入力装置は直感的な操作が可能になるという利点により、使用者が機器を操作する際のインターフェースとして幅広い分野に採用されている。また、従来、物理的なボタンやキーボードが用いられていた機器にも、タッチパネルへ置き換える動きが広がっている。
【0003】
感圧入力装置を搭載した電子機器は、人体に触覚フィードバック(ハプティク・フィードバック)を付与するアクチュエータ(ハプティク・アクチュエータ)を搭載することがある。ユーザの身体の部位(例えば、手指)若しくはユーザが操作する物体が電子機器の入力部に触れたとき、あるいはシステムが特定のイベントを生成したとき、ハプティク・アクチュエータは、電子機器の筐体やタッチスクリーンなどの構成部品に運動を発生させる。ユーザは、電子機器に接触した身体の部位で振動を知覚したり、音として知覚したりすることで、直感的かつ容易に電子機器を操作し、又は情報を受け取ることができる。
【0004】
ハプティク・アクチュエータは、一般的に駆動源に電力を使用しており、運動の性質から衝撃駆動型と振動駆動型に大別することができる。衝撃駆動型は代表例として、形状記憶合金を利用するSIA(Shape memory alloy Impact Actuator)やピエゾ素子を利用した圧電アクチュエータを挙げることできる。衝撃駆動型アクチュエータは、衝撃的な動きが可能な動作部品を含み、電子機器のタッチスクリーンや筐体に対し、動作部品が打撃し、又は連動させることで一過性の衝撃を与える。振動駆動型アクチュエータは代表例として偏心モータを利用するERM(Eccentric Rotating Mass)型アクチュエータ、磁界中のコイルに交流電流を流して可動子を振動させるリニア共振型アクチュエータ(LRA:Linear Resonant Actuator)などを挙げることができる。振動駆動型は振動体に必要な時間だけ一定の振幅の振動を与える。
【0005】
アクチュエータを作動させるトリガーとして、典型的にはタッチ入力による押圧力がある。例えば、特許文献1(特開2013-235614号公報)には、複数の検出位置が設定され、任意の検出位置と対応する位置への押圧に応じて電気的状態が変化する、シート状に構成された検出部と、押圧された検出位置の電気的状態の変化に基づき、検出位置毎の押圧力を判定する制御部と、判定された押圧力に応じて振動を発生させる振動部とを備え、振動部は、押圧に対応して多段階的に異なる振動パターンの振動を発生させる入力装置が開示されている。このような入力装置により、指の押圧力などユーザの入力動作に応じて触覚を変化させ、押圧力に応じた多段階の入力を実現することができる。
【0006】
押圧力を検出するための装置として、感圧センサーは一般的に知られている。感圧センサーは、直接外部に露出するように配置すると、ユーザの手指などとの接触により汚物が付着し、故障の危険があることや、意匠性の向上が難しいなどの観点から、カバーを設けることが通常である。例えば、特許文献1に開示される発明においては、シート状に構成された検出部には、筐体の外面を外観上何も無いように見せる表面シートが設けられている。
【0007】
そのようなカバーと感圧センサーの両方を設けたタッチパネル装置においては、カバーと感圧センサーが接触するように配置するのが一般的である。例えば、特許文献2(特開2020-077223号公報)には、使用者がタッチ操作を行う操作面を有するカバーガラスと、前記カバーガラスの前記操作面と反対側に設けられたタッチセンサー部と、を少なくとも備えるタッチパネル装置であって、前記カバーガラスは、タッチパネルの操作領域に対応する位置において、前記操作面と反対側の主面に凹部が形成されており、前記タッチセンサー部は、前記凹部に対応する位置に電極層が形成されていることを特徴とするタッチパネル装置が開示されており、カバーガラスとタッチセンサー部は、互い接触するように配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013-235614号公報
【特許文献2】特開2020-077223号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の場合、アクチュエータによる衝撃や、振動などの触覚効果は、通常はユーザがタッチする表面、すなわちカバーに付与される(図1)。この場合、カバーの瞬時的な運動により、カバーと感圧センサーとの間に摩擦が発生する。この摩擦によりカバー又は感圧センサーに摩耗が発生するので好ましくない。特に、カバーがガラスなどの透明部材である場合、摩耗による微細な擦り傷が意匠性を損ない、外観上も好ましくない。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑み完成されたものであり、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置において、カバーと感圧センサー間の摩擦を低減することが可能な感圧入力装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは鋭意検討の結果、カバーと感圧センサーとの間に回動可能な球体を配置し、当該球体を挟んでカバーと感圧センサーを離間させることにより、上記課題を解決することができることを見出した。本発明は、上記知見に基づき完成されたものである。
【0012】
本発明は、以下のように特定される。
(1)
ユーザがタッチ操作を行う操作面を有するカバーと、
前記カバーの前記操作面と反対側に配置される感圧センサーと、
前記感圧センサーが検出する押圧力に応じて、前記カバーに対し衝撃を与えるアクチュエータと
を含む感圧入力装置であって、
前記カバーと前記感圧センサーとの間に、少なくとも一つの球体が回動自在に配置されており、前記少なくとも一つの球体を挟んで、前記カバーと前記感圧センサーが離間し、
ユーザがタッチ操作するとき、前記カバーに対する押圧力が、前記少なくとも一つの球体を介して前記感圧センサーに伝達される
ことを特徴とする感圧入力装置。
(2)
前記感圧センサーには、前記少なくとも一つの球体の一部を受け入れる凹部が形成されており、前記カバー及び前記感圧センサーの前記凹部との間に、前記少なくとも一つの球体が挟まれ、これにより、前記球体の位置が固定される、(1)に記載の感圧入力装置。
(3)
前記カバーがガラス製である、(1)又は(2)に記載の感圧入力装置。
(4)
前記少なくとも一つの球体が非導電性である、(1)~(3)の何れか一項に記載の感圧入力装置。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置において、カバーと感圧センサー間の摩擦を低減することが可能な感圧入力装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】カバーと感圧センサーが従来の圧力伝達部品を介して接触した状態にある、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の構造概略図である。
図2】本発明の一実施形態における、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の構造概略図である。
図3】本発明の一実施形態における、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の球体を固定する構造の斜視図である。
図4】本発明の一実施形態における、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の球体の配置を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に本発明の実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0016】
図2は、本発明の一実施形態における、触覚フィードバックを付与するアクチュエータを搭載した感圧入力装置の構造概略図である。感圧入力装置10は、カバー12、感圧センサー14、衝撃触覚効果を発生するように構成されたアクチュエータ16、及び球体18を備えている。感圧入力装置10は、さらに画面表示部や、感圧センサー14及びアクチュエータ16の動作を制御する制御部などを備えることができる。
【0017】
(1.カバー)
カバー12は、ユーザがタッチ操作を行う操作面を有する。本実施形態において、操作面は、カバー12の全面にわたって存在するが、他の実施形態においては、操作はカバー12の一部のみに存在してもよい。操作面は、一般的には非操作領域によって囲まれており(図示せず)、ユーザの身体の一部(例えば、手指)や、ユーザが操作するスタイラスペンなどの物体が操作部に触れたとき、カバー12は、押圧力を受ける。
【0018】
カバー12は、感圧センサー14上に配置されており、ユーザがカバー12の操作面をタッチすることにより、感圧入力装置10を操作することが可能である。カバー12の材質は特に限定されないが、一定程度の剛性を有することが好ましく、例えばガラス又はプラスチックであり得る。カバー12の厚みは特に限定されないが、典型的には0.1~2.0mm程度であり得る。
【0019】
(2.感圧センサー)
感圧センサー14は、カバー12の操作面と反対側に配置される。感圧センサー14は、ユーザの指などの物体による押圧を検出するものであり、薄いシート形状又は板形状である。感圧センサー14としては、例えば、加圧抵抗変化方式のセンサーを適用することができる。具体的には、厚さ約0.1mmで可撓性を有するニッタ株式会社製のFlexiForce(登録商標)を適用することができる。このセンサーの押圧検出部は、紫外線硬化型のカーボンインク層の両面に導電配線となる銀層を形成し、さらにその上に銀層を保護するPET(polyethylene terephthalate)層を形成した構成を有している。カーボンインク層の中には導電性の微粒子が混じっており、指の押圧などにより、PET層に外部から圧力が加えられると、上下の銀層間の距離が近づき、銀層間の抵抗値が小さくなる。例えば、無負荷の状態で10MΩと極めて大きい抵抗値であったものが、450gの力を加えることで、20kΩ位まで抵抗値を減少させることができる。加圧抵抗変化方式センサーは、この導電配線の抵抗値の変化を利用するものである。よって、加圧抵抗変化方式センサーは、押圧力に応じて電気的状態が変化する。銀層間に電圧を印加しておくことで、電圧値の変化によって押圧検出部への押圧力を検出することができる。
【0020】
(3.アクチュエータ)
アクチュエータ16は、駆動信号によって駆動し、少なくとも操作面を含むカバー12に任意の衝撃などの触覚効果を与えるものである。図2の実施形態においては、アクチュエータ16の種類は特に指定されていないが、本発明の一実施形態におけるアクチュエータ16はコイル、動作部品(例えば金属芯材)及びバネから作られている。コイルは金属の回りに巻きつけられ、(ここで、コイルと金属の部品の両者は「ソレノイド」と称してよい)かつ、コイルが磁界を生成するとき(例えば、電流がコイル端子間を流れる時)金属は移動する。当該金属の移動は電子機器に衝撃をもたらし得る。バネは次いで、電流がコイルから除去されるとき移動金属又は他の芯材を静止位置に戻すように用いてよい。
【0021】
あるいは、別の実施形態における衝撃駆動型アクチュエータは、通電加熱で収縮するワイヤー状形状記憶合金と、このワイヤー状形状記憶合金に接触し当該ワイヤー状形状記憶合金で生じた熱を逃がす絶縁性熱伝導体(動作部品)と、を備えるように構成される。駆動回路により、当該ワイヤー状形状記憶合金に対して瞬間的に通電を行い、ワイヤー状形状記憶合金を瞬間的に収縮させると、それに接触する絶縁性熱伝導体が瞬間的に押圧されて変位する。当該絶縁性熱伝導体の変位は電子機器に衝撃をもたらし得る。そして、絶縁性熱伝導体による熱伝導作用によってワイヤー状形状記憶合金で生じた熱が急速に放熱され、その結果、ワイヤー状形状記憶合金は直ぐに元の長さ状態(伸長状態)に戻る。こうして、ワイヤー状形状記憶合金において、相対的に短い時間間隔での瞬間的な収縮を行うことが可能となる。このようなアクチュエータの詳細は再表2012/023605号に開示されている。
【0022】
あるいは、別の実施形態における衝撃駆動型アクチュエータは、通電加熱で収縮するワイヤー状形状記憶合金と、このワイヤー状形状記憶合金に接触し当該ワイヤー状形状記憶合金で生じた熱を逃がす絶縁性熱伝導体の固定子(固定部品)及び移動子(動作部品)と、を備えるように構成される。駆動回路により、当該ワイヤー状形状記憶合金に対して瞬間的に通電を行い、ワイヤー状形状記憶合金を瞬間的に収縮させると、それに接触する絶縁性熱伝導体の移動子が瞬間的に押圧されて変位する。当該絶縁性熱伝導体の移動子の変位は電子機器に衝撃をもたらし得る。そして、絶縁性熱伝導体による熱伝導作用によってワイヤー状形状記憶合金で生じた熱が急速に放熱され、その結果、ワイヤー状形状記憶合金は直ぐに元の長さ状態(伸長状態)に戻る。こうして、ワイヤー状形状記憶合金において、相対的に短い時間間隔での瞬間的な収縮を行うことが可能となる。
【0023】
固定子の位置を変更させないように、感圧入力装置の筐体などの部品に、例えば両面テープや接着剤などで固定し、移動子に感圧入力装置10のカバー12を密着させ、衝撃駆動型のアクチュエータ16を挟み込み、それらを元に戻すスプリング20などの弾性を持った部品で動作する部品を抑え込むことでカバー12に衝撃をもたらすことが可能となる。固定子と移動子の形状は、上記機能を実現できれば特に限定されず、円盤状、波状、柱状など、適宜選択することができる。
【0024】
カバー12へのユーザの手指などの物体の押圧によるスイッチ操作によって、後述のように、球体18を介して押圧力が感圧センサー14に伝達され、感圧センサー14の電気的状態が変化する。感圧センサー14は、例えばセンサー用ドライバと電気的に接続されており、センサー用ドライバは、この電気的状態の変化を検出する。なお、感圧センサー14の電気的状態は、押圧力に応じて変化する。センサー用ドライバは、検出した電気的状態の変化を、CPUなどのプロセッサを含む制御部が読み取れるデジタル信号に変換し、検出信号として、制御部に供給する。この入力装置では、感圧センサー14への押圧により生成される検出信号が感圧入力装置内において操作信号として使用される。
【0025】
制御部は、センサー用ドライバから供給される検出信号を受け取り、受け取った検出信号から押圧力を判定し、判定した押圧力に応じた操作信号を出力する。すなわち、制御部は、判定した押圧力が所定値以上である場合に、スイッチ操作の入力を受け付ける。制御部は、駆動信号を生成するように構成された増幅器、又はより一般的には駆動回路を含み得る。一実施形態では、コントローラは、1つ又は複数のプロセッサ又はプロセッサコア、プログラマブルロジックアレイ(PLA)又はプログラマブルロジック回路(PLC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロコントローラ、又は任意の他の制御回路を含み得る。コントローラがプロセッサを含む場合、プロセッサは、携帯電話又は他のエンドユーザデバイス上の汎用プロセッサなどの汎用プロセッサであってもよく、あるいは、触覚効果の生成専用のプロセッサであってもよい。一実施形態では、コントローラは、検出器からのデータに基づいて、駆動回路を介して、アクチュエータ16を制御するように構成され得る。
【0026】
スイッチ操作の入力を受け付けると、制御部はアクチュエータ16の駆動回路に制御信号を送信する。
【0027】
駆動回路は、アクチュエータ16に駆動電圧を印加して、アクチュエータ16を駆動することが可能なものである。典型的には、駆動回路には、DC/DCコンバータ、電池などの電源、充電抵抗、放電用コンデンサ、FETなどのスイッチ素子、センサーなどの検出器、マイコンなどの演算器、駆動パルスのコントローラなどが含まれる。
【0028】
駆動回路は、アクチュエータ16を駆動するパルス電圧を発生し、これによりアクチュエータ16が動作し、触覚効果をカバー12に与える。触覚効果は、1種だけでもよく、例えば押圧力の強さに応じて数種類を併用してもよい。すなわち、感圧センサー14に対する押圧力の「有無」に応じて、カバー12に対し衝撃を与えるよう、アクチュエータ16を構成してもよく、感圧センサー14に対する押圧力の「強さ」に応じて、カバー12に対し様々な衝撃を与えるよう、アクチュエータ16を構成してもよい。
【0029】
(4.球体)
カバー12と感圧センサー14との間に、少なくとも一つの球体18が回動自在に配置されている。回動自在とは、例えばカバー12がアクチュエータ16からの衝撃を受けて移動する場合、カバー12と球体18との間の摩擦力により球体18が回転可能であることを意味する。球体18の回転方向は特に制限されないが、例えばアクチュエータ16がカバー12に対し一方向の衝撃のみを与える場合、球体18を当該方向のみにおいて回転可能になるように構成してもよい。その場合、球体18はなお「回動自在」なものとして扱う。
【0030】
カバー12と感圧センサー14は、球体18を挟んで離間する。したがって、カバー12と感圧センサー14は、互いに接触せず、摩擦が生じない。これにより、カバー12がアクチュエータ16からの衝撃を受けて瞬間的に移動しても、感圧センサー14との摩擦により摩耗が発生しない。また、球体18は回動自在に配置されているので、アクチュエータ16の作動により、カバー12又は感圧センサー14が瞬間的に移動しても、球体18の回転により、カバー12と球体18との間、及び感圧センサー14と球体18との間の摩耗を最小限に抑えることができる。ただし、アクチュエータ16によってもたらされる衝撃触覚効果は瞬時に発生するものであり、その瞬間において、カバー12と球体18との間、及び感圧センサー14と球体18との間の摩擦が静止摩擦であるか、動摩擦であるかを特定することが困難であるため、球体18が「回動可能」であることは、動摩擦の存在を否定することを意図しないことを留意されたい。
【0031】
球体18は、カバー12と感圧センサー14との間に挟まれて配置されるため、ユーザがタッチ操作するとき、カバー12に対する押圧力が、球体18を介して感圧センサー14に伝達される。これにより感圧センサー14が前述の機能を実現することができる。また、シート状のカバー12と、シート状の感圧センサー14を直接接触させて配置する場合と比較して、感圧センサー14が押圧力を受ける面積は、球体18との接触部分の面積のみになるため、押圧力を集中させることができ、感圧センサー14の感度が向上するという効果が得られる。
【0032】
球体18の大きさは、特に限定されないが、例えば0.2mm~2.0mmとすることができ、0.4~1.8mmとすることができ、0.5~1.5mmとすることができ、0.7~1.2mmとすることができる。
【0033】
球体18の位置を固定するために、感圧センサー14には、球体18の一部を受け入れる凹部141を設けることが好ましい。当該凹部141の形状は、典型的には球状の一部、又は円柱状であり、感圧センサー14を平面視した場合、円の形を呈する。当該円の直径は、典型的には球体18の直径の0.5倍以下であり、好ましくは球体18の直径の0.45倍以下であり、より好ましくは球体18の直径の0.4倍以下であり、より好ましくは球体18の直径の0.35倍以下であり、より好ましくは球体18の直径の0.3倍以下である。感圧センサー14は薄型シート状であるため、凹部141は、感圧センサー14を貫通する場合がある。感圧センサー14と球体18との間の摩擦を低減し、耐久性を向上させるため、凹部141には、球体18の移動を制限するためのワッシャー22などを設けることができる(図3)。
【0034】
球体18の材質は制限されないが、典型的には、導電性を有する金属により形成されていてもよく、非導電性である材料で形成されてもよい。例えば、球体18は、プラスチック製、セラミック製、又は硬質ゴム製であることが好ましい。
【0035】
球体18の個数及び配置位置は、カバー12の安定性、押圧レスポンスの良さなどの観点から適宜設定することができ、例えば、カバー12が円形である場合、円周付近及び/又は円心に、カバー12が矩形である場合、矩形の四隅及び/又は中心に、球体18を1つ以上配置することが可能である(図4)。
【0036】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本明細書において開示される各実施形態の各具体的な特徴は互いに独立するものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜組み合わせることができることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4