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▶ 小牧 昭の特許一覧

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  • 特開-鼻マスク 図1
  • 特開-鼻マスク 図2
  • 特開-鼻マスク 図3
  • 特開-鼻マスク 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051476
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】鼻マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A41D13/11 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2020170798
(22)【出願日】2020-09-18
(71)【出願人】
【識別番号】302022005
【氏名又は名称】小牧 昭
(72)【発明者】
【氏名】小牧 昭
(57)【要約】
【課題】 銅から生ずる銅イオンにより鼻孔内の細菌やウイルスを不活性化させることができ、しかも安全性を有する鼻マスクを提供する。
【解決手段】 鼻マスク1は、鼻中隔6を左右両側から挟む略U字状に形成された鼻中隔挟み部7と、左右の鼻孔5の各々に装着される一対の挿入部2、3を有し、挿入部2、3は、銅によって筒状に形成され、各々の内面に鼻中隔挟み部7の両端部を固着している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鼻中隔を左右両側から挟む略U字状に形成された鼻中隔挟み部と、
左右の鼻孔の各々に装着される一対の挿入部を有し、
前記挿入部は、銅によって筒状に形成され、各々の内面に前記鼻中隔挟み部の両端部を固着したことを特徴とする鼻マスク。
【請求項2】
前記挿入部は、銅イオンを生ずる純銅や真鍮等の銅合金によって形成された請求項1に記載の鼻マスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鼻孔内に装着して、銅から生ずる銅イオンにより鼻孔内の細菌やウイルスを不活性化させることができる鼻マスクを提供する。
【背景技術】
【0002】
一般的に使用されるマスクは、不織布や布により、大気中の浮遊物質や杉、ヒノキ、ブタクサ等の花粉が鼻孔に入るのを防ぐようにしている。また、サージカルマスクは、インフルエンザ等の感染症の原因となるウイルスの鼻孔内への進入を防ぐようにしている。しかし、このようなマスクを使用すると、口と鼻の両方を覆ってしまう形になり、息苦しく、装着時のしめつけ感もあり、苦痛である。また、人と話しをする場合も話しづらく、メガネを掛けている人などは、息でメガネが曇る問題もあり、また、人相などの美的感覚を損なうことが問題点として挙げられている。一方、一般的なマスクの問題点を解決することを目的として、実用新案登録第3159887号公報(特許文献1)、及び、特開平9-239047号公報(特許文献2)に示されるような鼻孔内に装着する鼻マスクを使用することがある。
【0003】
これらの特許文献に示される鼻マスクは、鼻孔内に装着して空気中に含まれる花粉や粉塵、ハウスダスト等の浸入を防止し、綺麗な空気を吸入することが目的であり、ウイルスに対しては効果がなかった。このウイルス等を不活性化して症状の低減や予防を目的として、特開2011-78488号公報(特許文献3)に示される鼻マスクが提案されている。この鼻マスクは、通気穴にフィルターとして硬質銅からなる極細繊維を充填することにより、花粉、空気中の浮遊物資手、ウイルス等を捕獲、不活性化して症状の低減や予防するとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3159887号公報
【特許文献2】特開平9-239047号公報
【特許文献3】特開2011-78488号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献3に示される鼻マスクは、医療用のシリコンゴムやプラスチック等で形成された本体の通気穴にフィルターとして硬質銅からなる極細繊維を充填することにより、空気中に含まれる等のウイルスを不活性化するようにしている。しかしながら、フィルターとしての極細繊維が硬質の銅ために折れやすいことから、通気穴に空気を吸入するとき、或いは、排出するときに微粉末になることがある。このため、銅の微粉末が吸引されて肺に侵入し、肺に炎症を発生させる危険性を伴う問題があった。
【0006】
本発明の課題は、上述した問題点に鑑み、銅から生ずる銅イオンにより鼻孔内の細菌やウイルスを不活性化させることができ、しかも安全性を有する鼻マスクを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明による鼻マスクは、鼻中隔を左右両側から挟む略U字状に形成された鼻中隔挟み部と、左右の鼻孔の各々に装着される一対の挿入部を有し、前記挿入部は、銅によって筒状に形成され、各々の内面に前記鼻中隔挟み部の両端部を固着したことを要旨としている。
【0008】
また、前記挿入部は、銅イオンを生ずる純銅や真鍮等の銅合金によって形成することが望ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の鼻マスクによれば、左右の鼻孔の各々に装着される一対の挿入部を銅からなる筒状に形成したことから、特に挿入部の銅から銅イオンが発生し、吸入するときに銅イオンを一緒に吸入することができる。銅イオンは、鼻孔内の粘膜に到達して付着することから、空気と一緒に吸入した細菌やウイルスが、鼻孔内の粘膜に付着した銅イオンによって不活性化させることができ、気管支や肺などへの侵入を未然に防止することができる。また、挿入部が中空に形成されているので、鼻呼吸を容易にすることができる。しかも、挿入部が銅を筒状に形成されているので、微粉末の飛散がないことから、安全性を確保することができる。また、鼻マスクが中空の挿入部と鼻中隔挟み部によって簡易な構成としているので、水やアルコールによる洗浄が容易であり、常に清潔な状態を維持することが可能である。
【0010】
また、挿入部として、銅イオンを生ずる純銅や、銅を75%以上含有する真鍮等の銅合金によって形成することによって、新型コロナウイルスに対する殺菌効果を得ることができ、銅の殺菌効果、不活性化果については、米国立衛生研究所が立証済みである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明による鼻マスクの実施例を示す斜視図である。
図2図1に示す鼻マスクの断面図である。
図3】鼻マスクの鼻孔への装着状態を示す断面図である。
図4】鼻マスクの装着状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明による鼻マスクは、鼻中隔を左右両側から挟む略U字状に形成された鼻中隔挟み部と、左右の鼻孔の各々に装着される一対の挿入部を有し、前記挿入部は、銅によって筒状に形成され、各々の内面に前記鼻中隔挟み部の両端部を固着している。
【0013】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施例について説明する。図1図2は、本発明による鼻マスクの実施例を示している。は、一対の挿入部2、3と、鼻中隔挟み部3により構成されている。挿入部2、3は、円筒状に形成され、内部は中空になっている。この挿入部2、3の材質は、純銅もしくは銅を70%以上含有する真鍮でも良い。さらに、挿入部2、3の外径は、図3に示す鼻4の鼻孔5の内面に軽く接する程度の寸法に設定することが好ましく、大人用としては、例えば10mm程度に設定している。また、高さを10mmに設定している。なお、挿入部2、3は、円筒状が好ましいが、鼻孔5の形状に合わせて、略三角状の筒状に形成しても良い。
【0014】
一対の挿入部2、3は、鼻中隔6を左右両側から挟む略U字状に形成された鼻中隔挟み部7の両端部に、例えば半田付けによって固着されている。この鼻中隔挟み部7の材質は、挿入部2、3と同じ純銅もしくは真鍮を使用することが望ましいが、この他に、弾性を有する他の金属、又は、プラスチック材を使用しても良い。なお、固着手段は、溶接もしくは接着など、人体に無害な接合手段であっても良い。また、鼻中隔挟み部7の端部は、挿入部2、3の内周面に各々固着されている。そして、一対の挿入部2、3の外周面間の間隔は、大人用の場合、例えば10mmに設定されている。この間隔は、男性用、女性用或いは子供用に適合するように適宜に変更される。
【0015】
このように構成された鼻マスク1は、図3図4に示すように、鼻孔5に装着する。すなわち、一対の挿入部2、3を鼻孔5に挿入すると、挿入部2、3の外周面が鼻孔5の内面に軽く接するとともに、略U字状に形成された鼻中隔挟み部7によって、鼻中隔6を左右両側から軽く挟み、鼻孔5内に保持された状態で装着される。
【0016】
鼻孔5内に装着された鼻マスク1の一対の挿入部2、3は、純銅或いは真鍮を素材としていることから、鼻呼吸によって挿入部2、3の特に内周面には、インフルエンザ、新型コロナウイルス等のウイルス、或いは感冒等の細菌が付着する。銅にはウイルスや細菌を不活性化又は殺菌する作用があることから、これらのウイルス等は数時間以内に殺菌または不活性化する。一方、挿入部2、3を通過したウイルスや細菌は、鼻孔5内の粘膜に到達して付着する。挿入部2、3の銅からは、銅イオンが発生するので、発生した銅イオンが鼻孔5内の粘膜に付着する。これにより、鼻孔5内に到達して付着したウイルス等は、銅イオンによって数時間以内に殺菌または不活性化する。この結果、ウイルス等は、気管支や肺などへの侵入を未然に防止することが可能になる。
【0017】
鼻孔5内に装着された鼻マスク1は、銅からなる金属材によって形成されていることから、暫く使用した後に、煮沸消毒、或いはアルコール等の殺菌剤によって消毒することによって付着したウイルスや細菌を除去することが可能となる。しかも、構成が簡素なことから、洗浄や消毒が容易であり、清潔な状態で繰り返し使用することが可能となる。
【0018】
以上、本発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能であることは言うまでもない。例えば、上述した実施例において、鼻マスクの一対の挿入部の材質を純銅もしくは真鍮としたが、例えば銅に亜鉛を含有させ、体内で作り出すことができない必須ミネラルとして必要な亜鉛を鼻孔から摂取させるようにしても良い。また、挿入部は、網状の銅を筒状に形成しても良い。さらに、筒状に形成したプラスチックの表面に銅をメッキして挿入部を形成しても良い。
【符号の説明】
【0019】
1 鼻マスク
2、3 挿入部
5 鼻孔
6 鼻中隔
7 鼻中隔挟み部
図1
図2
図3
図4