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特開2022-51511心房細動施術用カテーテルおよびこれを利用した心房細動施術方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051511
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】心房細動施術用カテーテルおよびこれを利用した心房細動施術方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20220324BHJP
【FI】
A61B18/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021129889
(22)【出願日】2021-08-06
(31)【優先権主張番号】10-2020-0120930
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】516235978
【氏名又は名称】タウ ピーエヌユー メディカル カンパニー, リミテッド
【住所又は居所原語表記】#6109,Engineering Bldg.#6,2,Busandaehak-ro 63beon-gil Geumjeong-gu Busan 46241 Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】キム, ジュン ホン
(72)【発明者】
【氏名】パク, キョン ピーター
(72)【発明者】
【氏名】チョ, ミン ス
(72)【発明者】
【氏名】ウォン, ヨン‐ヒュン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK13
4C160KK36
4C160KK38
4C160KK64
4C160MM38
(57)【要約】      (修正有)
【課題】心臓の心房細動を施術するための心房細動施術用カテーテルを提供する。
【解決手段】遠位部に1個以上の焼灼用電極が形成され、やわらかい軟質材質のカテーテル胴体をなす胴体部、および前記胴体部と連結され、終端に行くほど細くなるテーパー状のチップ、を含むものの、ガイドワイヤーを挿入するガイドワイヤールーメンが前記チップと前記胴体部と連結されて形成される。本発明の好ましい心臓の心房細動を施術するための心房細動施術方法は、ガイドワイヤーを上大静脈または下大静脈から冠状静脈洞を通じてマーシャル静脈に挿入する段階、前記ガイドワイヤーの案内により遠位部に焼灼用電極が形成されたRF焼灼用カテーテルをマーシャル静脈内に位置させる段階、および前記RF焼灼用カテーテルをRFジェネレータに連結した後、マーシャル静脈の周囲にRF ablationを実施する段階、を含む。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
心臓の心房細動を施術するための心房細動施術用カテーテルであって、
遠位部に1個以上の焼灼用電極が形成され、やわらかい軟質材質のカテーテル胴体をなす胴体部;および
前記胴体部と連結され、終端に行くほど細くなるテーパー状のチップ;を含むものの、
ガイドワイヤーを挿入するガイドワイヤールーメンが前記チップと前記胴体部と連結されて形成されることを特徴とする、心房細動施術用カテーテル。
【請求項2】
前記ガイドワイヤールーメンは前記チップの終端からカテーテルの中間部分の側面に形成されたサイドホールまで形成されることを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項3】
前記ガイドワイヤールーメンは前記チップの終端からカテーテルの近位部まで連結されることを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項4】
前記テーパー状のチップは、カテーテルが血管に沿って挿入時に血管に損傷を与えないように、チップの終端の縁がラウンド形状を有した非外傷性のチップ(atraumatic tip)構造を有することを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項5】
前記焼灼用電極は、柔軟性の向上のためにコイル状にカテーテルに巻かれたコイル型焼灼用電極であることを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項6】
前記焼灼用電極に連結された電極線はカテーテルに放射状に巻かれ、人体に無害な材質で被覆されたシルバーワイヤーであることを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項7】
前記電極の温度を測定するために、近位部から遠位部まで2本の熱電対ワイヤーが互いに巻かれた状態でカテーテルに放射状に巻かれていることを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項8】
前記熱電対ワイヤーの1本は人体に無害なニッケル-クロム(Nickel-Chromium)ワイヤーであり、他の1本は人体に無害なニッケル-アルメル(Nickel-Alumel)ワイヤーであることを特徴とする、請求項5に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項9】
前記胴体部の表面には、前記焼灼用電極と離隔し、心臓の電気信号をセンシングするためのセンシング用電極が1つ以上形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項10】
前記センシング用電極に連結された電極線(sensing electrode wire)はカテーテルに放射状に巻かれ、人体に無害な材質で被覆されたシルバーワイヤーであることを特徴とする、請求項9に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項11】
前記センシング用電極は前記焼灼用電極より狭い幅を有することを特徴にする、請求項9に記載の心房細動施術用カテーテル。
【請求項12】
心臓の心房細動を施術するための心房細動施術方法であって、
ガイドワイヤーを上大静脈または下大静脈から冠状静脈洞を通じてマーシャル静脈に挿入する段階;
前記ガイドワイヤーの案内により遠位部に焼灼用電極が形成されたRF焼灼用カテーテルをマーシャル静脈内に位置させる段階;
前記RF焼灼用カテーテルをRFジェネレータに連結した後、マーシャル静脈の周囲にRF ablationを実施する段階;を含むことを特徴とする、心房細動施術方法。
【請求項13】
前記RF ablationは
RF ablationを実施する前に左心房内に接地カテーテルを位置させた後、
前記RF焼灼用カテーテルと前記接地カテーテルの間で焼灼がなされるbipolar ablationであることを特徴とする、請求項12に記載の心房細動施術方法。
【請求項14】
前記RF ablationの前または後に、心房細動カテーテルに形成されたセンシング用電極を利用したりまたは別途のEPカテーテルを利用したり、または接地カテーテルを利用して、マーシャル静脈の異常な電気信号を感知する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項12に記載の心房細動施術方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は心房細動施術用カテーテルおよびこれを利用した心房細動施術方法に関し、さらに詳細には心臓の刺激伝導系で引き起こされた心房細動を施術するために、RFA(Radio Frequency Ablation)を利用してマーシャル静脈付近で発生する異常な電気信号をなくすことによって心房細動を消失させる、心房細動施術用カテーテルおよびこれを利用した心房細動施術方法に関する。
【背景技術】
【0002】
心臓は2個の心房と2個の心室で構成されている。血液は心房と心室の規則性ある収縮と拡張によって、心房から心室に、心室から肺や全身に順次移動するのが正常である。「心房細動」とは、心房が規則的に拍動せず、心房の各種部位が無秩序に拍動しながら分当たり400~600回の非常にはやい波形を形成し、これに伴い、不規則な脈拍を形成する不整脈(不規則な脈拍)疾患の一種である。
【0003】
心房細動(atrial fibrillation、A-fib)は心臓の刺激伝導系の問題から引き起こされる。心房細動があると、殆どの心臓の電気信号がSAノード(SA node)ではなく他の位置から始まる。これは右心房と左心房を、非常にはやく不規則なリズムで拍動するようにする。このような不規則な拍動を「細動(fibrillation)」という。ある人には細動が一定であり、他の人には変化する(A-fib is caused by a problem with the heart’s electrical system.With A-fib,most electrical signals start from places other than the SA node.This makes theright atrium and left atrium beat very fast and with an irregular rhythm.This irregular beating is called fibrillation.For some people、A-fib isconstant.For others、it comes and goes)。
【0004】
図1はヒトの心臓の構造を説明するための心臓の断面図であり、図2は心房細動施術に利用されるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図である。
【0005】
図1および図2を参照すると、RFA(RF ablation、RF焼灼)は心臓を正常なリズムに戻す一つの方法である。SAノード(SA node)ではないところから来る電気信号を中止させる。RFA(RF ablation、RF焼灼)において、薄いワイヤーは腕や足の静脈を通じて心臓に連結される。一つのワイヤーは心臓の電気システムで問題がある領域を探すのに使われる。その後、他のワイヤーを通じて熱が伝達される。熱は問題がある領域の少量の組織を破壊し、異常な心臓拍動を止まらせる。すべての問題領域の問題が解決されると、ワイヤーは除去される(RFA is one way to put the back into normal rhythm.It stops the electrical signals that come from places other than the SA node.In RFA、thin wire are threaded into the heart through a vein in the arm or leg. One wire is used to find the problem areas in the heart’s electrical system.Then heat is sent through another wire.The heat destroys a small amount of tissue in the problem areas and stops abnormal heart beats.Once all the problem areas are fixed、the wires are taken out)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】(特許文献0001)大韓民国公開特許公報第10-2020-0060188号(2020.05.29.公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、心臓の心房細動を施術するために使われる簡単な構造でありながら効果的な心房細動施術用RF焼灼カテーテルおよびこれを利用する効率的な心房細動施術方法を提供することである。
【0008】
本発明の目的は以上で言及した目的に制限されず、言及されていないさらに他の目的は以下の記載から本発明の技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、本発明に係る心臓の心房細動を施術するための心房細動施術用カテーテルは、遠位部に1個以上の焼灼用電極が形成され、やわらかい軟質材質のカテーテル胴体をなす胴体部;および前記胴体部と連結され、終端に行くほど細くなるテーパー状のチップ;を含むものの、ガイドワイヤーを挿入するガイドワイヤールーメンが前記チップと前記胴体部と連結されて形成される。
【0010】
好ましい実施形態によると、前記ガイドワイヤールーメンは前記チップの終端からカテーテルの中間部に形成されたサイドホールまで形成されるか、または前記チップの終端からカテーテルの近位部まで形成される。
【0011】
好ましい実施形態によると、前記テーパー状のチップはカテーテルが血管に沿って挿入時に血管に損傷を与えないようにチップの終端の縁がラウンド形状を有した非外傷性のチップ(atraumatic tip)構造を有する。
【0012】
好ましい実施形態によると、前記焼灼用電極は柔軟性の向上のためにコイル状にカテーテルに巻かれたコイル型焼灼用電極である。
【0013】
好ましい実施形態によると、前記焼灼用電極に連結された電極線はカテーテルに放射状に巻かれ、人体に無害な材質で被覆されたシルバーワイヤーである。
【0014】
好ましい実施形態によると、前記電極の温度を測定するために、近位部から遠位部まで2本の熱電対ワイヤーが互いに巻かれた状態でカテーテルに放射状に巻かれている。より好ましくは、前記熱電対ワイヤーの1本は人体に無害なニッケル-クロム(Nickel-Chromium)ワイヤーであり、他の1本は人体に無害なニッケル-アルメル(Nickel-Alumel)ワイヤーである。
【0015】
好ましい実施形態によると、前記胴体部の表面には前記焼灼用電極と離隔し、心臓の電気信号をセンシングするためのセンシング用電極が1つ以上形成される。
【0016】
好ましい実施形態によると、前記センシング用電極に連結された電極線(sensing electrode wire)はカテーテルに放射状に巻かれ、人体に無害な材質で被覆されたシルバーワイヤーである。
【0017】
好ましい実施形態によると、前記センシング用電極は前記焼灼用電極より狭い幅を有する。
【0018】
本発明の好ましい心臓の心房細動を施術するための心房細動施術方法は、ガイドワイヤーを上大静脈または下大静脈から冠状静脈洞を通じてマーシャル静脈に挿入する段階;前記ガイドワイヤーの案内により遠位部に焼灼用電極が形成されたRF焼灼用カテーテルをマーシャル静脈内に位置させる段階;および前記RF焼灼用カテーテルをRFジェネレータに連結した後マーシャル静脈の周囲にRF ablationを実施する段階;を含む。
【0019】
一実施形態によると、前記RF ablationはRF ablationを実施する前に左心房内に接地カテーテルを位置させた後、前記RF焼灼用カテーテルと前記接地カテーテルの間で焼灼がなされるbipolar ablationである。
【0020】
好ましい実施形態によると、前記RF ablation前または後に、心房細動カテーテルに形成されたセンシング用電極を利用したりまたは別途のEPカテーテルを利用したり、または接地カテーテルを利用してマーシャル静脈の異常な電気信号を感知する段階を追加的に含む。
【発明の効果】
【0021】
以上で詳述した通り、本発明の心房細動施術用RF焼灼カテーテル(RF ablation catheter)はその構造が簡単であり、終端がテーパー状とされ、丸い形状を有するため血管に沿って挿入され易く、内部にガイドワイヤールーメンが形成されるためガイドワイヤーに沿って挿入され易い。
【0022】
また、本発明の心房細動施術方法は、マーシャル静脈を通じて挿入された後に焼灼がなされるためablation領域が拡張されて心房細動を効果的に施術することができるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】ヒトの心臓の構造を説明するための心臓の断面図である。
図2】従来のRFA(Radio Frequency Ablation)を利用した心房細動施術方法を説明するための説明図である。
図3】本発明の好ましい実施形態に係る心房細動施術用カテーテルの断面概略図である。
図4】本発明に係る心房細動施術用カテーテルの多様な実施形態を示す。
図5】本発明に係る心房細動施術用カテーテルの多様な実施形態を示す。
図6】本発明に係る心房細動施術用カテーテルの多様な実施形態を示す。
図7】本発明の好ましい一実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図である。
図8】本発明の好ましい一実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図である。
図9図7および図8に係る心房細動施術方法のフローチャートである。
図10】本発明の好ましい他の実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図である。
図11】本発明の好ましい他の実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図である。
図12図10および図11に係る心房細動施術方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は添付される図面とともに詳細に後述されている実施形態を参照すると明確になるであろう。しかし、本発明は以下で開示される実施形態に限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され得、ただし本実施形態は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇によって定義されるのみである。
【0025】
以下、添付された図面を参照して本発明の実施のための具体的な内容を詳細に説明する。図面にかかわらず、同一部材の番号は同一の構成要素を指し示し、「および/または」は言及されたアイテムのそれぞれおよび一つ以上のすべての組み合わせを含む。
【0026】
本明細書で使われた用語は実施形態を説明するためのものであり、本発明を制限しようとするものではない。本明細書で、単数型は文面で特に言及しない限り複数型も含む。明細書で使われる「含む(comprises)」および/または「含む(comprising)」は言及された構成要素の他に一つ以上の他の構成要素の存在または追加を排除しない。
【0027】
他の定義がない限り、本明細書で使われるすべての用語(技術および科学的用語を含む)は本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に共通して理解され得る意味で使われるであろう。また、一般的に使われる辞書に定義されている用語は明白に特に定義されていない限り理想的にまたは過度に解釈されない。
【0028】
本発明の心房細動施術方法は、冠状静脈洞CSと連結されたマーシャル静脈(Vein of Marshall、VOM)に本発明の焼灼用カテーテル(RFA catheter)を挿入して焼灼(ablation)を実施することによって、マーシャル静脈付近で発生する異常な電気信号をなくすことによって心房細動を消失させる間接的な方法である。ここで、「マーシャル静脈(Vein of Marshall、VOM)」は左心房後壁の冠状静脈洞(CS、coronary sinus)から大心静脈(great cardiac vein)に行く前に左心房LA方向に伸びあがる斜めな静脈(oblique vein of the left atrium)を意味する(図7図8参照)。
【0029】
すなわち、本発明の心房細動施術方法は、上大静脈または下大静脈を通じて冠状静脈洞に挿入した後、冠状静脈洞と連結されたマーシャル静脈に焼灼カテーテルを挿入した後、焼灼カテーテルの近位部で電極線をRF焼灼ジェネレータ(RF ablation generator)に連結した後、電極線にRF電源を印加して、焼灼カテーテルの遠位部に位置するRF ablation電極(RF ablation electrode)でRF ablationが起きるようにして、マーシャル静脈付近で発生する異常な電気信号をなくすことによって心房細動を消失させる間接的な方法である。
【0030】
以下、添付された図面を参照して本発明の好ましい実施形態を詳細に説明することにする。
【0031】
図3は、本発明の好ましい実施形態に係る心房細動施術用カテーテルの断面概略図である。
【0032】
図3を参照すると、本発明の心房細動施術用カテーテルは、ガイドワイヤー(guidewire、10)に沿って血管(CSおよびvein of marshall)内に入るRF ablation catheterであり、遠位部の終端に行くほど狭くなるテーパー状のチップ(tapered tip、22)が形成され、胴体部24の表面にはRF ablationのための焼灼用電極(RF ablation electrode、28)が形成される。
【0033】
本発明の心房細動施術用カテーテルの太さ(厚さ)は約4~6Fr(約1.32~2mm)が好ましいが、より好ましくは、約5Frの直径である。カテーテルの焼灼用電極が位置する部分が心臓のVOM(Vein of Marshall)に挿入されなければならないが、通常的にヒトのVOMのルーメン直径が平均1.3mm程度であるため、カテーテルの太さは好ましくは約4~6Fr(約1.32~2mm)、より好ましくは約5Frの直径を有する。
【0034】
本発明の心房細動施術用カテーテルは終端に行くほど大きさが小さくなるチップ22が形成される。テーパー状のチップ22の長さは略5~20mm(好ましくは約10mm)であり、尖部は略1.2~1.4Frの太さを有する。尖部の反対側は胴体部と同一の厚さ(好ましくは4~6Fr)を有する。
【0035】
本発明のカテーテルは冠状静脈洞CSとマーシャル静脈VOMの血管に沿って挿入されるため、血管に損傷を与えない非外傷性のチップ(atraumatic tip)構造を有する。すなわち、挿入される血管に損傷を与えないように、図3に図示された通り、チップの終端の縁はラウンド形状(round shape)を有する。
【0036】
本発明の心房細動施術用カテーテルはガイドワイヤーに沿ってマーシャル静脈内に入るため、カテーテルの内部にはガイドワイヤーが挿入されるガイドワイヤールーメン26が形成されている。
【0037】
図3ではガイドワイヤー10がカテーテルの遠位部の終端であるチップ(tip、22)でカテーテルの中間部分から側面のサイドホールに抜け出る「Monorail typeRF ablation catheter」を図示しているが、必ずしもこれに限定されるものではない。ガイドワイヤーがチップ(tip)部分である終端(遠位部の終端)から近位部の終端まで連結される「over the wire type RF ablation catheter」も可能であろう。
【0038】
好ましくは、「over the wire type RF ablation catheter」より「Monorail type RF ablation catheter」がより好ましい。これは施術者が本発明のカテーテルを利用して施術する場合により便利に施術できるためである。「Monorail type RF ablation catheter」の場合、ガイドワイヤー10がカテーテルの中間部分から側面に抜け出るため施術者はガイドワイヤーをカテーテルから容易に取り出すことができ、カテーテルを扱いやすいためより便利に施術を施行することができる。
【0039】
焼灼用電極(RF ablation electrode、28)はカテーテルの内部または表面に形成される電極線(図3では図示されず、図4および図5に図示される)を通じてRF ablation用電源が供給される。
【0040】
図4図6は、本発明に係る心房細動施術用カテーテルの多様な実施形態を図示する。
【0041】
図4の(a)は1個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)が形成された場合を、図4の(b)および(c)は1個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)と1個のセンシング用電極(sensing electrode、29)が形成された場合を、図4の(d)は1個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)と、その左右にセンシング用電極(sensing electrode、29)がそれぞれ形成された、2個のセンシング用電極が形成された場合を図示する。
【0042】
図5の(a)は1個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)と、その左右にセンシング用電極(sensing electrode、29)がそれぞれ2個ずつ形成された、合計4個のセンシング用電極が形成された場合を、図5の(b)は2個の焼灼用電極(RF ablationelectrode、28)と、その間に1個のセンシング用電極(sensing electrode、29)が形成された場合を、図5の(c)は2個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)と、3個のセンシング用電極(sensing electrode、29)が互いに交互に形成された場合を、図5の(d)は2個の焼灼用電極(RF ablation electrode、28)と、その左右にセンシング用電極(sensingelectrode、29)が2個、1個、2個、合計5個のセンシング用電極が形成された場合を図示する。
【0043】
図6図4の場合と同一であるが、図4および図5では焼灼用電極28がコイル状に巻かれて形成されたコイル型焼灼用電極の場合を図示するが、図6ではリング状の焼灼用電極の場合を図示する。
【0044】
まず、図4を参照すると、焼灼用電極(RF ablation electrode、28)がコイル状に巻かれたコイル型焼灼用電極を図示する。
【0045】
焼灼用電極(RF ablation electrode、28)はコイル状(図4および図5)もリング状(図6)も可能であるが、図4および図5のようにコイル状が好ましい。
【0046】
図4および図5に図示された通り、焼灼用電極がコイル形状を有する理由は、柔軟性(flexibility)を最大化するために、すなわち、カテーテルがガイドワイヤーに沿って屈曲した血管をよりよく伝って行くようにするためである。カテーテルの焼灼用電極が最終的に位置する部分は心臓のVOM内に位置する。このために、カテーテルは屈曲した血管CS、VOMに沿って挿入されるが、カテーテルが柔軟な(flexible)特性を有するためより容易にマーシャル静脈に挿入され得る。
【0047】
焼灼用電極の幅は多様であり得るが約5~20mmが好ましい。図示された通り、焼灼用電極は1個以上が設置される。すなわち、一つのカテーテルで幅が互いに異なる1個以上の焼灼用電極が使われ得る。電極の個数が少ない場合にはより幅が大きい電極が使われ、電極の個数が多い場合には電極の幅が小さくなり得る。
【0048】
多数個の電極が形成されても、電極の間隔を過度に広くすると焼灼(ablation)の範囲が切れてしまう恐れがあるため、焼灼用電極間の間隔は2mm以内に形成されることが好ましい。
【0049】
多数個の焼灼用電極が使われた場合にも極性は一つであって同一である。同時に同一の+、-、位相と大きさが同一のmonopolarが使われ得る。一つの幅が広い電極を、より幅が小さい多数個の同一極性の電極で形成しても同一の焼灼(ablation)効果を得ることができる。
【0050】
RF焼灼(ablation)を実施するためのRFエネルギーは、軟質プラスチック材質のカテーテルの表面に螺旋状に巻かれた電極線(electrode wire)を通じて焼灼用電極(electrode、28)に供給される。本発明で、カテーテルの表面に螺旋状に電極線を形成することによってカテーテルの直進性を向上させ、pushabilityを向上させることができる。
【0051】
電極線(electrode wire)はRF energyを供給するワイヤーであり、好ましくは被覆されたシルバーワイヤー(silver wire)が使われる。シルバーワイヤー(silver wire)は人体に無害なプラスチック材質で絶縁(被覆)されている。電極線(electrode wire)がカテーテルの表面を包み込む構造であるため、カテーテルが大静脈、冠状静脈洞、マーシャル静脈内に挿入時に電極線の被覆がむける場合に組織と接することになるので、人体に有害な銅などの材質を使うことはできない。したがって、好ましくは人体に無害なシルバーワイヤー(silver wire)を電極線として使う。
【0052】
カテーテルの表面には、電極線であるシルバーワイヤー(silver wire)の他に熱電対ワイヤー(themocouple wire)が電極線と離隔して放射状に巻かれて(spiral wrapped)いる。熱電対ワイヤーも人体に無害なプラスチック材質で被覆されている。カテーテル遠位部の温度を測定するための熱電対ワイヤーが連結される。
【0053】
熱電対ワイヤー(themocouple wire)は電極周囲の温度を測定するためのものである。すなわち、熱電対ワイヤーは熱電温度計として使われるワイヤーである。熱電対ワイヤー(thermocouple wire)は被覆された2個の線が互いに巻かれた形態であり、カテーテルの表面に電極線(silver wire)と離隔して放射状に巻かれている。熱電対ワイヤーは全体的に被覆されているが、その終端は被覆がむけて連結されて熱電温度計として使われる。熱電温度計はカテーテルの内部、焼灼用電極の中間くらいに形成され得る。
【0054】
現在多様な熱電対ワイヤーが使われているが、本発明では好ましくは人体に挿入されるカテーテルの表面に巻かれた形態であるので、熱電対ワイヤーは被覆がむけても人体に無害なニッケル-クロム(Nickel-Chromium)/ニッケル-アルメル(Nickel-Alumel)が使われる。すなわち、前記熱電対ワイヤーの1本は人体に無害なニッケル-クロム(Nickel-Chromium)ワイヤーであり、他の1本は人体に無害なニッケル-アルメル(Nickel-Alumel)ワイヤーが好ましい。
【0055】
本発明の熱電対ワイヤーもカテーテルの表面に螺旋状に巻かれているため、カテーテルの直進性を向上させ、pushabilityを向上させることができるという長所を得ることができる。
【0056】
一方、焼灼用電極と離隔して1個以上のセンシング用電極(sensing electrode、29)がカテーテルの表面に形成される。
【0057】
センシング用電極はRF ablation治療後に治療効果を直ちに確認できるように、心臓のVOM周囲の電気的信号をセンシングするためのセンサに該当する。センシング用電極は熱電対ワイヤーまたは電極用ワイヤーとは別途のsensing electrode wireによって外部と連結される。センシング用電極の個数に対応する数のsensing electrode wireが連結される。
【0058】
センシング用電極は心臓の電気的信号をセンシングするための目的であるため、焼灼のための焼灼用電極に比べてその幅が小さい。焼灼用電極の幅は約5~20mmが好ましいのに比べ、センシング用電極は1~5mmが好ましい。
【0059】
センシング用電極線もカテーテルの表面に螺旋状に巻かれているが、これもまたカテーテルの直進性を向上させ、pushabilityを向上させ得るようにするためである。
【0060】
センシング用電極線(sensing electrode wire)も前述した通り、同一の理由で好ましくは人体に無害なプラスチック材質で絶縁(被覆)されたsilver wireが使われる。
【0061】
図4図6では焼灼用電極線(electrode wire)、センシング用電極線(sensing wire)、および熱電対ワイヤー(thermocouple wire)がすべてカテーテルの表面に見えるように図示されたが、被覆用材質によってカテーテル全体が包み込まれて外部表面から見えないように形成されてもよいことは言うまでもない。
【0062】
図6は、リング状の焼灼用電極が使われた場合を図示する。
【0063】
リングタイプの焼灼用電極を使う場合は、図4および図5で図示されたコイル型焼灼用電極に比べて柔軟性(flexibility)が落ちることもある。リングタイプの電極を使う場合、リングの幅に反比例して柔軟性に影響を受ける。すなわち、電極の幅が長いほど柔軟性(flexibility)は落ちる。したがって、リングの長さを広幅で一つ使うよりは、小幅のリング(約2mmの幅)を多数個並列に位置させて使うことができる。もちろん、このときの多数個の電極は同一の極性のモノポーラ(monopolar)である。
【0064】
図4および図6では多様な実施形態を図示したが、必ずしもこれに限定されるものではなく、焼灼用電極とセンシング用電極の個数および位置はユーザーが必要に応じていくらでも変更可能であることは言うまでもない。
【0065】
図4図6ではカテーテルの内部にcooling tubeがない場合を図示したが、必要に応じて焼灼時に発生する問題点を解決するために、外部からクーラントを挿入するためのcooling tubeがカテーテルの内部に形成されてもよい。
【0066】
次に、本発明の心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術を実施する方法について説明することにする。
【0067】
図7図8は本発明の好ましい一実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図であり、図9は本発明の好ましい実施形態に係る心房細動施術方法のフローチャートである。
【0068】
まず、ガイドワイヤーを冠状静脈洞に連結されたマーシャル静脈に挿入する(S10)。
【0069】
本発明ではマーシャル静脈に接近するために、右心房(right atrium)に入口(opening)を有している冠状静脈洞(coronary sinus)を利用する。冠状静脈洞(coronary sinus)への接近は頸静脈(neck vein)あるいは大腿静脈(femoral vein)を利用し、上大静脈(superior vena cava)または下大静脈(inferor vena cava)を通じてガイドカテーテル(guiding catheter)を利用して接近する。
【0070】
ガイドカテーテルは風船が終端に形成されたガイドカテーテルおよび/またはデュアルルーメンマイクロカテーテルを利用する。ガイドカテーテルはガイドワイヤーを望む位置に案内するためのカテーテルである。
【0071】
冠状静脈洞(coronary sinus)に接近すると冠状静脈洞(coronary sinus)の遠位部(distal part)までガイドカテーテル(guiding catheter)を位置させ、ガイドカテーテル(guiding catheter)を通じて圧力が加えられた静脈造影(pressurized venogram)を実施する。圧力が加えられた静脈造影(pressurized venogram)のためには終端に風船が形成されたガイドカテーテル(balloon tippedguiding catheter)が理想的である。
【0072】
圧力が加えられた静脈造影(pressurized venogram)を通じて冠状静脈(septal vein)を造影してマーシャル静脈(vein of marshall、VOM)の位置および大きさを確認した後、冠状静脈(septal vein)と連結された最終ターゲットであるVOMの中に約0.014”のPTCAガイドワイヤー(PTCA guidewire)を挿入する。
【0073】
PTCAガイドワイヤー(PTCA guidewire)は、超音波(echocardiogram)等のリアルタイム映像装備を活用してワイヤーがターゲット部位を探して行くのかを知らせるイメージ(imaging guidance)がさらに精密な施術を可能とする。PTCAガイドワイヤー(PTCA guidewire)の方向性をより精密に誘導するために、デュアルルーメンマイクロカテーテル(dual lumen microcatheter)を利用してターゲット部位にワイヤーを精密に誘導してもよい。
【0074】
換言すると、ガイドワイヤー(guide wire)をマーシャル静脈VOMに位置させるために、(1)終端に風船が形成されたガイドカテーテルを利用した圧力が加えられた静脈造影(pressurized venogram with balloon guiding cathether)および/または(2)デュアルルーメンマイクロカテーテル(dual lumen microcathehter)等が使われ得る。
【0075】
中隔静脈(septal vein)をさらによく見えるようにするために、圧力が加えられた静脈造影(pressurized venogram)を利用する。このために、終端に風船が形成されたガイドカテーテル(balloon tipped guiding catheter)が補助手段として使われ得る。
【0076】
また、心室中隔内でガイドワイヤー(guidewire)を望む方向に位置させるために、デュアルルーメンマイクロカテーテル(dual lumen microcatheter)等が補助手段として使われ得る。デュアルルーメンマイクロカテーテル(dual lumen microcatheter)はガイドワイヤーを挿入するために2個のルーメンが形成されたカテーテルである。デュアルルーメンマイクロカテーテルの一番目のルーメンを通じて心室中隔静脈(septal vein)に一番目のガイドワイヤーを位置させた後、デュアルルーメンマイクロカテーテルの2番目のルーメンを通じて2番目のガイドワイヤーを挿入させる。2番目のガイドワイヤーは一番目のガイドワイヤーとは異なる方向に移動させることができる。このように、デュアルルーメンマイクロカテーテルはガイドワイヤーを目標地点を探して行く時に非常に有用な施術補助カテーテルである。
【0077】
このように、風船カテーテルおよびデュアルルーメンカテーテルがガイドカテーテル(guiding catheter)であり、ガイドワイヤーをマーシャル静脈に案内する役割をする。
【0078】
ガイドワイヤーは上大静脈または下大静脈を通じて右心房RAに進入した後、右心房から冠状静脈洞CS内に進入する。その後、冠状静脈洞から大心静脈(great cardiac vein)に行く前に、左心房LA方向に伸びあがるマーシャル静脈(oblique vein of the left atrium、vein of marshall)内に進入して位置することになる。
【0079】
このように、ガイドワイヤーはガイドカテーテルの案内にしたがって冠状静脈洞CSに連結されたマーシャル静脈に位置する。
【0080】
次に、ガイドワイヤー(guidewire)の案内により心房細動施術用RF焼灼カテーテル(RF ablation catheter)をマーシャル静脈に位置させる(S20)。
【0081】
本発明の心房細動施術用RF焼灼カテーテルに形成されたガイドワイヤールーメンにガイドワイヤーを挿入した後、カテーテルを押し入れてRF焼灼カテーテルの焼灼用電極がマーシャル静脈内に位置するようにする。
【0082】
本発明の心房細動施術用RF焼灼カテーテルは前記において詳述したため、ここでは省略する。
【0083】
次に、RF ablationカテーテルをマーシャル静脈に位置させた後、RF ablationを実施する(S30)。
【0084】
近位部でRF energyを発生させるRFジェネレータにRF ablation catheterを連結した後、RF ablationを実施する。
【0085】
図7図9のように、接地カテーテルを使わずにRF ablation catheterのみを使う場合(すなわち、monopolar ablation)には、焼灼用電極(RF ablaion electrode)の周囲にタワー形に焼灼領域が形成される。
【0086】
焼灼が完了した後には、マーシャル静脈VoMで発生する異常な電気信号(異常シグナル)を確認する(S40)。
【0087】
RF ablationが完了した後には、本発明の心房細動カテーテルに形成されたセンシング用電極を利用したりまたは別途のEPカテーテルを利用したり、または接地カテーテルを利用して、マーシャル静脈で発生する異常な電気信号を確認する。
【0088】
マーシャル静脈で発生する異常な電気信号の消失の有無が不完全な場合には、再びRF ablationを実施することができるであろう。
【0089】
RF焼灼術を施行して十分に目標とする治療効果が得られた後には、すべての装置を除去することによって心房細動施術用RF焼灼術を完了することになる。
【0090】
一方、図10図11は本発明の好ましい他の実施形態に係る心房細動施術用カテーテルを利用して心房細動施術方法であるRFA(Radio Frequency Ablation)を説明する概略図であり、図12はこれに伴う心房細動施術方法のフローチャートである。
【0091】
図7図8図9に図示された施術方法はRF焼灼カテーテルのみを使うモノポーラRF焼灼(monopolar RF ablation)を実施する方法であるのに反して、図10図11図12に図示された施術方法は接地カテーテル(ground catheter)を使うバイポーラRF焼灼(bipolar RF ablation)を実施する方法である。
【0092】
ガイドワイヤーを冠状静脈洞に連結されたマーシャル静脈に挿入する段階(S10)、およびガイドワイヤー(guidewire)の案内により心房細動施術用RF焼灼カテーテル(RF ablation catheter)をマーシャル静脈に位置させる段階(S20)は、図7図8図9と関連して前述した通りである。
【0093】
図10図11図12に図示された通り、バイポーラRF焼灼(bipolar RF ablation)のために、接地カテーテル(ground catheter)を左心房の内壁に位置させる(S25)。
【0094】
接地カテーテル30は上大静脈または下大静脈を通じて右心房に進入させた後(主に下大静脈を利用)、右心房と左心房の間の心房中隔(atrialseptum)筋肉を通過して左心房LAに進入する。その後、左心房内壁で心臓の電気信号が不規則に流れる位置を確認した後にその位置に接地カテーテルを位置させる。接地カテーテルは主に肺静脈(pulmonary vein、PV)の入口に位置することになる。
【0095】
次に、RF ablationを実施する(S30)。
【0096】
RF energyを発生させるRFジェネレータにRF ablation catheterを連結した後、RF ablationを実施する。
【0097】
図10図12のように、接地カテーテル30を使う場合には接地カテーテルとRF ablationカテーテルの間で焼灼がなされることになる。すなわち、接地カテーテルを使うbipolarの場合には、接地カテーテルとRF焼灼カテーテル間にRFエネルギーの交換が発生して接地カテーテルとRF焼灼カテーテル間の領域で焼灼(ablation)が発生することになる。
【0098】
一方、RF ablation catheterがマーシャル静脈に位置し、接地カテーテルは左心房に位置する場合を図示して説明したが、その位置が互いに反対の場合も可能である。すなわち、左心房の内外部に位置する2個のカテーテルのうちいずれか一つがRF焼灼用カテーテル(ablation catheter)であり、残りの一つは接地カテーテル(ground catheter)として作用し、このようなカテーテルの役割は施術者の便宜により決定され得る。
【0099】
残りは、図7図9のmonopolarの場合と同一であるため省略することにする。
【0100】
以上、添付された図面を参照して本発明の実施形態を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更することなく他の具体的な形態で実施できることが理解できるであろう。したがって、以上で記述した実施形態はすべての面において例示的なものであり、限定的ではないものと理解されるべきである。
【符号の説明】
【0101】
10:ガイドワイヤー(guide wire)
20:カテーテル(catheter)
22:チップ(tip)
24:胴体部(body)
26:ガイドワイヤールーメン(guidewire lumen)
28:焼灼用電極(RF ablation electrode)
29:センシング用電極(sensing electrode)
30:接地カテーテル(ground catheter)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【外国語明細書】