(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051523
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】ベアリングケージおよびベアリング
(51)【国際特許分類】
F16C 33/41 20060101AFI20220324BHJP
F16C 19/06 20060101ALI20220324BHJP
F16C 33/66 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
F16C33/41
F16C19/06
F16C33/66 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021143131
(22)【出願日】2021-09-02
(31)【優先権主張番号】102020000021943
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(71)【出願人】
【識別番号】508282993
【氏名又は名称】アクティエボラゲット・エスコーエッフ
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ホンユアン・アン
(72)【発明者】
【氏名】リッカルド・レスティーヴォ
【テーマコード(参考)】
3J701
【Fターム(参考)】
3J701AA02
3J701AA32
3J701AA42
3J701AA52
3J701AA62
3J701BA25
3J701BA44
3J701BA49
3J701CA13
3J701FA32
3J701XB03
3J701XB12
3J701XB14
3J701XB18
3J701XB19
(57)【要約】
【課題】本開示はベアリングケージおよびベアリングを提供している。
【解決手段】ベアリングケージは、前側およびその反対側の後側を備えた、環状の基幹部と、ベアリングケージの軸方向の前方向に、基幹部の前側から延びた複数のカンチレバー部であって、環状の基幹部の周に沿って配置されて、ベアリングの転動要素を収容するための複数のポケットを形成した、複数のカンチレバー部と、を備え、基幹部は、複数のカンチレバー部の径方向厚さよりも大きい径方向厚さを有し、複数のカンチレバー部の各々は、2つの突起部、および2つの突起部の間の接続部、を備え、ベアリングケージは、カンチレバー部の径方向外側に形成された複数の凹部であって、各凹部は、対応した2つの突起部から窪んだ接続部により形成されており、凹部は、ベアリングケージの軸方向前側に開いた、凹部、およびベアリングケージの径方向内側に形成された複数の溝、を含んでいる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボールベアリングのためのベアリングケージ(100、200、300)であって、
前側(114)およびその反対側の後側(116)を備えた、全体的に環状の基幹部(110、210、310)と、
前記ベアリングケージの軸方向の前方向に、前記基幹部(110、210、310)の前側(114)から延びた複数のカンチレバー部(130、230、330)であって、該カンチレバー部(130、230、330)は、環状の前記基幹部(110、210、310)の周に沿って配置されて、前記ベアリングの転動要素(190)を収容するための複数のポケット(134)を形成した、複数のカンチレバー部(130、230、330)と、
を備え、
前記基幹部(110、210、310)は、複数の前記カンチレバー部(130、230、330)の径方向厚さよりも大きい径方向厚さを有し、
複数の前記カンチレバー部(130、230、330)の各々は、2つの突起部(132a、132b、232a、232b、332a、332b)、および該2つの突起部(132a、132b、232a、232b、332a、332b)の間の接続部(142、242、342)、を備え、
前記ベアリングケージ(100、200、300)は、以下の
前記カンチレバー部(130、230、330)の径方向外側に形成された複数の凹部であって、各凹部は、対応した2つの突起部(132a、132b、232a、232b、332a、332b)から窪んだ接続部により形成されており、前記凹部は、前記ベアリングケージ(100)の軸方向前側に開いた、凹部、および
前記ベアリングケージ(100)の径方向内側(102)に形成された複数の溝(112)、
のうちの少なくとも1つをさらに含んでいる、ベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項2】
前記基幹部(110、210、310)は、複数の前記カンチレバー部(130、230、330)の外径よりも大きい外径を有する、請求項1に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項3】
2つの前記突起部(132a、132b、232a、232b、332a、332b)は、前記接続部(142、242、342)の径方向厚さよりも大きい径方向厚さを有し、前記突起部(132a、132b、232a、232b、332a、332b)は、前記軸方向の前方向において前記接続部(142、242、342)を越えて延びている、請求項1または2に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項4】
前記接続部(142、242、342)は、前記基幹部(110、210、310)に隣接し且つ前記ベアリングケージの軸に対して傾斜して延びた第1のセグメント(142a)と、前記基幹部から離れて且つ前記ベアリングケージの軸に略平行な第2のセグメント(142b)と、を備えている、請求項1から3のいずれか一項に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項5】
前記突起部(132a、132b)の各々は、前記ポケット(134)を形成した接触面(133a、133b)と、該接触面(133a、133b)から離れるように向いた湾曲面(135a、135b)と、を備え、前記凹部(144)は、前記接続部(142)の径方向外側面および前記湾曲面(135a、135b)により形成されている、請求項1から4のいずれか一項に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項6】
複数の前記溝(112)の各々は、周方向において2つの隣接したポケット(134)の間に配置されている、請求項1から5のいずれか一項に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項7】
複数の前記溝(112)の各々は、複数の前記カンチレバー部(130、230、330)と一対一の関係で配置されており、複数の前記溝(112)の各々は、周方向において2つの隣接したポケット(134)の間の中央に配置されている、請求項6に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項8】
前記溝(112)の各々は、環状の前記基幹部(110、210、310)の後側(116)へと延び、環状の前記基幹部(110、210、310)の後側(116)の一部を形成しており、前記溝(112)の各々は、環状の前記基幹部(110、210、310)の後側(116)に隣接した第1のセグメント(112a)と、環状の前記基幹部(110、210、310)の後側(116)から離れるように傾斜した第2のセグメント(112b)と、を備え、前記第1のセグメント(112a)は一定の径方向深さを有し、傾斜した前記第2のセグメント(112b)は、環状の前記基幹部(110、210、310)の後側(116)から離れる方向に深さが減少している、請求項6または7に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項9】
前記溝の各々は、前記基幹部(110)の後側(116)の底辺および前記基幹部(110)の後側(116)から離れた上辺を備えた、全体的に台形のまたは長方形の形状を有し、
ここで、
PI*dc/(Z*4)≦L2≦PI*dc/(Z*2)
L1≦L2
であり、ここでL1は前記台形または長方形の形状の前記上辺の長さであり、L2は前記台形または長方形の形状の前記底辺の長さであり、dcは前記ベアリングケージの内径であり、Zは前記ボールベアリング内の転動要素の数である、請求項1から8のいずれか一項に記載のベアリングケージ(100、200、300)。
【請求項10】
前記突起部により形成されたポケットの反対側の突起部(232a、232b)の面に形成された面取り部(238a、238b)を備えている、請求項1から9のいずれか一項に記載のベアリングケージ(200)。
【請求項11】
前記ベアリングケージ(300)のカンチレバー部(330)は、前記接続部(342)の径方向外側面に形成された軸方向突起(336)をさらに備えている、請求項1から10のいずれか一項に記載のベアリングケージ(300)。
【請求項12】
ボールベアリング(10)であって、
内側リング(170)と、
外側リング(160)と、
前記内側リング(170)と前記外側リング(160)との間に配置された複数の転動要素(190)と、
請求項1から11のいずれか一項に記載のベアリングケージ(100、200、300)であって、該ベアリングケージは、前記内側リング(170)と前記外側リング(160)との間に配置されており、複数の前記転動要素(190)の各々は、複数の前記ポケット(134)のうちの1つに受け入れられている、ベアリングケージ(100、200、300)と、
を備えているボールベアリング(10)。
【請求項13】
前記内側リングは、該内側リング(170)の外径面(173)内に、複数の前記転動要素を受け入れるための軌道、および少なくとも1つの周溝(172a、172b)を備え、少なくとも1つの前記周溝(172a、172b)のうちの1つは、前記ボールベアリングの軸方向において前記溝(112)と少なくとも部分的に重なっている、請求項12に記載のボールベアリング(10)。
【請求項14】
前記内側リング(170)は、該内側リング(170)の外径面(173)内に2つの周溝(172a、172b)を備え、前記軌道(174)は、2つの前記周溝(172a、172b)の間に配置されている、請求項13に記載のボールベアリング(10)。
【請求項15】
前記溝(112)の一部は前記軌道(174)の上に延びて、且つL3の軸方向寸法を有し、前記溝(112)の底部は、距離L4だけ前記外径面(173)から離間されており、
ここで、
L3>0
L4/Dw>0.08、好適にL4/Dw>0.12、最も好適にL4/Dw>0.16
であり、Dwは前記転動要素の直径である、請求項13または14に記載のボールベアリング(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、全体的にボールベアリングのためのケージおよびそのようなケージを備えたボールベアリングに関する。本開示は、一方向スナップインベアリングケージおよびそのようなベアリングケージを備えた深溝ボールベアリング、特に高速回転に適したベアリングケージおよびベアリングにも関する。
【背景技術】
【0002】
ボールベアリング、特に深溝ボールベアリングは、その低回転摩擦および高回転速度性能より、広く使用されている。一方向スナップインケージは、低コストおよび容易な搭載の利点を有し、これによりボールベアリング、特に深溝ボールベアリングと共に通常は使用されている。
【0003】
標準的な一方向スナップインケージは、全体的に環状の基幹部と、この基幹部の一側から軸方向に延びた複数のカンチレバー部と、を備えている。カンチレバー部は、環状の基幹部の周に沿って互いに離間されており、ベアリングの転動要素を収容するための複数のポケットを形成している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
先行技術による一方向スナップインケージは、以下の欠点を有する。回転速度が増大すると、カンチレバー部は径方向外向きに撓屈し、その結果、遠心力が増大して、所謂日傘効果に帰結する。日傘効果は、ポケットと転動要素との間の合致関係を悪化させ、ケージと転動要素との間の摩擦を増大させ、ベアリングの性能低下および/または故障に帰結する。
【0005】
適切な潤滑が、高性能なベアリングに極めて重要であり、過剰なまたは不十分なグリースはベアリングの性能を悪化させる。
【0006】
日傘効果を減少させ、ベアリングの潤滑を改良することが、常に必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様によれば、ボールベアリングのためのベアリングケージが提供され、ベアリングケージは、前側およびその反対側の後側を備えた、全体的に環状の基幹部と、ベアリングケージの軸方向の前方向に、基幹部の前側から延びた複数のカンチレバー部であって、このカンチレバー部は、環状の基幹部の周に沿って配置されて、ベアリングの転動要素を収容するための複数のポケットを形成した、複数のカンチレバー部と、を備え、基幹部は、複数のカンチレバー部の径方向厚さよりも大きい径方向厚さを有し、複数のカンチレバー部の各々は、2つの突起部、および2つの突起部の間の接続部、を備え、ベアリングケージは、以下の、カンチレバー部の径方向外側に形成された複数の凹部であって、各凹部は、対応した2つの突起部から窪んだ接続部により形成されており、凹部は、ベアリングケージの軸方向前側に開いた、凹部、およびベアリングケージの径方向内側に形成された複数の溝、のうちの少なくとも1つをさらに含んでいる。
【0008】
本開示のいくつかの実施形態においては、基幹部は、複数の前記カンチレバー部の外径よりも大きい外径を有する。
【0009】
本開示のいくつかの実施形態においては、2つの突起部は、接続部の径方向厚さよりも大きい径方向厚さを有し、突起部は、軸方向の前方向において接続部を越えて延びている。
【0010】
本開示のいくつかの実施形態においては、接続部は、基幹部に隣接し且つベアリングケージの軸に対して傾斜して延びた第1のセグメントと、基幹部から離れて且つベアリングケージの軸に略平行な第2のセグメントと、を備えている。
【0011】
本開示のいくつかの実施形態においては、突起部の各々は、ポケットを形成した接触面と、接触面から離れるように向いた湾曲面と、を備え、凹部は、接続部の径方向外側面および湾曲面により形成されている。
【0012】
本開示のいくつかの実施形態においては、複数の溝の各々は、周方向において2つの隣接したポケットの間に配置されている。
【0013】
本開示のいくつかの実施形態においては、複数の溝の各々は、複数のカンチレバー部と一対一の関係で配置されており、複数の溝の各々は、周方向において2つの隣接したポケットの間の中央に配置されている。
【0014】
本開示のいくつかの実施形態においては、溝の各々は、環状の基幹部の後側へと延び、環状の基幹部の後側の一部を形成しており、溝の各々は、環状の基幹部の後側に隣接した第1のセグメントと、環状の基幹部の後側から離れるように傾斜した第2のセグメントと、を備え、第1のセグメントは一定の径方向深さを有し、傾斜した第2のセグメントは、環状の基幹部の後側から離れる方向に深さが減少している。
【0015】
本開示のいくつかの実施形態においては、溝の各々は、基幹部の後側の底辺および基幹部の後側から離れた上辺を備えた、全体的に台形のまたは長方形の形状を有し、
ここで、
PI*dc/(Z*4)≦L2≦PI*dc/(Z*2)
L1≦L2
であり、ここでL1は台形の形状の上辺の長さであり、L2は台形の形状の底辺の長さであり、dcはベアリングケージの内径であり、Zはベアリング内の転動要素の数である。
【0016】
本開示のいくつかの実施形態においては、突起部により形成されたポケットの反対側の突起部の面に形成された面取り部を備えている。
【0017】
本開示のいくつかの実施形態においては、ベアリングケージのカンチレバー部は、接続部の径方向外側面に形成された軸方向突起をさらに備えている。
【0018】
本開示の別の態様によれば、ボールベアリングが提供されており、ボールベアリングは、内側リングと、外側リングと、内側リングと外側リングとの間に配置された複数の転動要素と、前述の主張のいずれか1つに記載のベアリングケージであって、ベアリングケージは、内側リングと外側リングとの間に配置されており、複数の転動要素の各々は、複数のポケットのうちの1つに受け入れられているベアリングケージと、を備えている。
【0019】
本開示のいくつかの実施形態においては、内側リングは、内側リングの外径面内に、複数の転動要素を受け入れるための軌道、および少なくとも1つの周溝を備え、少なくとも1つの周溝のうちの1つは、ボールベアリングの軸方向において溝と少なくとも部分的に重なっている。
【0020】
本開示のいくつかの実施形態においては、内側リングは、内側リングの外径面内に2つの周溝を備え、軌道は、2つの周溝の間に配置されている。
【0021】
本開示のいくつかの実施形態においては、溝の一部は軌道の上に延びて、且つL3の軸方向寸法を有し、溝の底部は、距離L4だけ外径面から離間されており、
ここで、
L3>0
L4/Dw>0.08、好適にL4/Dw>0.12、最も好適にL4/Dw>0.16
であり、Dwは転動要素の直径である。
【0022】
本開示の他のシステム、方法、特徴、および利点は、以下の図および詳細な説明を検討することにより、当業者に明らかになるか、または明らかになるであろう。そのようなすべての追加のシステム、方法、特徴、および利点は、本記載に含まれ、本開示の範囲内にあり、以下の特許請求の範囲によって保護されることが意図されている。
【0023】
開示は、以下の図面および説明を参照することにより、よりよく理解することができる。図中の構成要素は必ずしも原寸に比例しておらず、代わりに本開示の原理を説明することに重点が置かれている。さらに、図では、参照番号のように、異なる視点を通じて対応する部分を示している。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1A】本開示のいくつかの実施形態によるベアリングケージを示した斜視図である。
【
図1B】異なった視点からの、
図1Aのベアリングケージを示した斜視図である。
【
図1C】異なった視点からの、
図1Aのベアリングケージを示した斜視図である。
【
図2】
図1Aのベアリングケージを示した後面図である。
【
図3】
図2の線A-Aにおける断面を示した図である。
【
図4】
図2の線B-Bにおける断面を示した図である。
【
図5】
図2の線C-Cにおける断面を示した図である。
【
図6】ベアリングケージを備えたボールベアリングの断面を示した図である。
【
図7】
図6の円で囲まれた部分を示した拡大図である。
【
図8】本開示の別の実施形態によるベアリングケージを示した斜視図である。
【
図9A】本開示のさらに別の実施形態によるベアリングケージを示した斜視図である。
【
図9B】本開示のさらに別の実施形態によるベアリングケージを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
これ以降、本発明の好適な実施形態が、添付図を参照してより詳細に記載されるだろう。本開示の以下の記載において、ここに統合された既知の機能および構成の詳細な記載は、それが本開示の主題をかなり不明確にし得る場合、省略されるだろう。
【0026】
ここで使用されているように、「a」、「an」、および「the」の単数形は、文脈で明確に示されていない限り、複数形も含むことを意図している。ここで使用されている「comprises」、「comprising」、「includes」、および/または「including」との用語は、記載された特徴、整数、ステップ、操作、要素、および/または部品を特定しているが、1つ以上の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、部品、および/もしくはそれらのグループの存在または追加を排除しない。ここで使用されているように、「および/または」との用語ならびに「/」のシンボルは、任意のまたはすべての、関連して列挙されたアイテムの1つ以上の組み合わせを含んでいることを意味する。加えて、第1の、第2の等は、ここでは多様な要素、部品、ステップ、または計算を記載するために使用され得、これらの要素、部品、ステップ、または計算は、これらの用語に限定されるべきではなく、むしろこれらの用語は、1つの要素、部品、ステップ、または計算を区別するためだけに使用される。例えば、第1の部品は第2の部品と称されることが可能であり、同様に第1の計算は第2の計算と称されることが可能であり、同様に第1のステップは第2のステップと称されることが可能であり、すべては本開示の範囲から逸脱しない。
【0027】
ここで使用されているように、「軸」、「中心軸」、「回転軸」、との用語は、自身の周りにベアリングが回転する軸を引用し、「半径」、「径方向に」、「半径方向」、およびそれらに等価の用語は、中心または軸からベアリングケージもしくはベアリングの周への方向を引用し、「軸の」、「軸に」、「軸方向」、およびそれらに等価の用語は、ベアリングまたはケージの軸に沿った、すなわち径方向またはベアリングもしくはベアリングケージの周に直交した方向を引用し、「前方」、「前方に」、「前方向」との用語は、ベアリングケージのカンチレバー部が指した軸方向、またはカンチレバー部が基幹部から延びた軸方向を引用している。
【0028】
現在の請求項内での使用を明確にし、これにより公に知らせるために、「少なくとも1つの<A>、<B>、・・・、および<N>」または「少なくとも1つの<A>、<B>、・・・、<N>、もしくはそれらの組み合わせ」との表現は、出願人により最も広い意味において定義され、出願人により明確に主張されない限り、これ以前またはこれ以降の他の暗黙の定義に取って代わる。それらの表現は、A、B、・・・、およびNを含んだグループから選択された1つ以上の要素を意味しており、すなわち、A、B、・・・、またはNのうちの1つ以上の任意の組み合わせであり、任意の1つの要素を単独で、または他の要素の1つ以上と組み合わせて含み、これらはまた、組み合わせて、列挙されていない追加の要素を含み得る。
【0029】
図1Aから
図1Cは、本開示のいくつかの実施形態による、ベアリングケージ100を示した斜視図である。
図2は、
図1Aのベアリングケージ100を示した後面図、
図3は、
図2の線A-Aに沿った断面図、
図4は、
図2の線B-Bに沿った断面図である。
図5は、
図2の線C-Cに沿った断面図である。
【0030】
図示されたように、ベアリングケージ100は、前側114、前側114の反対側の後側116を備えた全体的に環状の基幹部110、およびこの基幹部の前側114からベアリングケージ100の軸方向の前方向に延びた複数のカンチレバー部130、を備えている。
図1Aから
図1Cに示されたように、複数のカンチレバー部130は、好適に環状の基幹部110の周に沿って互いに等間隔に離間されている。
【0031】
図1Aから
図1Cおよび
図5に示されたように、各カンチレバー部130は2つの突起部132a、132b、および2つの突起部132a、132bの間において2つの突起部132a、132bを一体に接続した接続部142、備えている。各突起部132a、132bは、接触面133a、133b、および接触面133a、133bから離れるように向いた湾曲面135a、135b、を備えている。カンチレバー部130の突起部132a、132bの各接触面133a、133bは、隣接したカンチレバー部130の突起部132a、132bの接触面133a、133bと向き合っている。互いに向き合った2つの接触面133a、133bは、それらの間にポケット134を形成している。各ポケット134は、ベアリングの転動ボールを受け入れるように機能し、ポケット134を形成した接触面は、ポケット内に受け入れられた転動ボールと接触する。各接続部142は、2つの突起部から径方向に窪んでおり、(すなわち、接続部142の径方向外側面は、2つの突起部132a、132bの径方向外側面よりも、ベアリングケージの軸から短い径方向距離を有する。)カンチレバー部130の径方向外側に凹部144を形成している。凹部144は、接続部142の径方向外側面と、カンチレバー部130の湾曲面135a、135bと、により形成されており、軸方向の前方向にまたは軸方向の前側から開いており、それは
図1Aおよび
図4に最もよく見られている。
【0032】
凹部144は、過剰なグリースがベアリング内にある場合、グリースを貯蔵するための追加の空間を提供し、軌道内のグリースが不十分な場合に、グリースを軌道に再補給することが可能である。ベアリングの回転の際、グリースは、内側軌道または外側軌道等のベアリングの他の部分から凹部144内へと流れ得、ベアリング内により多くのグリースがある場合に、グリースは凹部144内へと流れる可能性が高くなり得る。凹部144内へと流れたグリースのいくらかは、一時的に凹部144内に留められ得る。凹部144内外へのグリースの流れの動力学的平衡が存在し、動力学的平衡に到達した場合、より多くのグリースがベアリング内にあればあるほど、より多くのグリースが凹部144内にある。したがって、凹部144は、過剰なグリースがベアリング内にある場合、グリースを貯蔵し、ベアリングの軌道内のグリースが不十分な場合、グリースをベアリングの軌道に再補給することが可能である。凹部144は、過剰なグリースに関連した技術的問題を減少または排除することが可能である。例えば、凹部144は、ベアリングの加速および減速の際に生じた熱を減少させることが可能であり、この熱は、グリースと、ボールおよびベアリング等の転動部品と、の間の強力なせん断に帰結する。すなわち、凹部144は、グリースの攪拌により生じる熱を減少または排除する。
【0033】
図1Aから
図1C、
図3、
図4に明確に示されたように、基幹部110は径方向厚さT1を有し、それはカンチレバー部130の径方向厚さよりも大きい。基幹部110の径方向内側面およびカンチレバー部130の径方向内側面は、ベアリングケージの軸から同じ径方向距離を有し、これによりそれらは共通の径方向内側面102を共有している。基幹部110の径方向外側面は、カンチレバー部130のものよりも大きい、ベアリングケージの軸からの径方向距離を有する。
【0034】
カンチレバー部130内の2つの突起部132a、132bは径方向厚さT2を有し、これは接続部142の径方向厚さT3よりもかなり大きい。加えて、突起部132a、132bは、より大きい軸方向寸法を有し、これにより、突起部は軸方向において接続部142を越えて延びており、これは
図1Aから
図1C、
図4、
図5に示されている。
【0035】
ベアリングケージの軸からカンチレバー部130の径方向外側面へのより小さい径方向距離、すなわちカンチレバー部130のより小さい外径、および凹部144の存在による減少された材料は、カンチレバー部130に作用する遠心力の減少に帰結する。したがって、ベアリングケージは、径方向外向きの撓屈を減少させる技術的利点を有し、すなわち、それは所謂日傘効果が減少または抑圧され得る。湾曲面135a、135bの存在は、カンチレバー部130の材料をさらに減少させ、これにより所謂日傘効果をさらに減少または抑圧させることが可能である。
【0036】
本開示のいくつかの実施形態においては、環状の基幹部110は増大した径方向厚さT1を有し、これはベアリングケージの構造的強度を増大させている。加えて、本開示に記載されたように、カンチレバー部の構造は、カンチレバー部130に作用する遠心力を減少させることに帰結している。したがって、ケージの変形すなわち所謂日傘効果は、増大した径方向厚さT1およびカンチレバー部130の構造により、顕著に減少または抑圧されることが可能である。
【0037】
図1Aから
図1C、
図2から
図5に示されたように、ベアリングケージ100には、ベアリングケージ100の径方向内側102に形成された複数の溝112が設けられている。本開示のいくつかの実施形態においては、複数の溝112は、複数のカンチレバー部130と一対一の関係で設けられている。すなわち、複数のカンチレバー部130の各々に対応した1つの溝112がある。本開示のいくつかの実施形態においては、複数の溝112の各々は、周方向において2つの隣接したポケットの間の中央に配置されている。いくつかの実施形態においては、この複数の溝の各々は、周方向において2つの隣接したポケットの間に設けられている。
【0038】
図1Aから
図1C、
図2から
図5に示されたように、溝112は環状の基幹部110の後側116へと延び、これにより溝112は、環状の基幹部の後側116の一部を形成している。すなわち、溝112は、環状の基幹部の後側116から開いている。各溝112は、環状の基幹部110の後側116に隣接した第1のセグメント112a、および環状の基幹部110の後側116から離れるように傾斜した第2のセグメント112b、を備えている。
図4に示されたように、第1のセグメント112aは平坦な底部を備え、一方で第2のセグメント112bは傾斜した底部を備えている。
【0039】
図1Aから
図1C、
図2から
図5に示されたように、各溝112は周方向において隣接した2つのポケット134の間の中央に配置(これにより隣接した2つの転動要素190の間の中央に配置)されており、溝112の周方向寸法は、隣接した2つの転動要素190の間の周方向空間の大部分にわたっている。溝112は隣接した2つのポケット134(転動要素190)の間に配置されており、隣接した2つのポケット134(転動要素190)の間の大部分にわたっているので、例えば、グリースは2つの転動要素190の間を流れるグリースの流れのための、追加の通路または通路の拡大を提供しており2つの転動要素の間のグリースの流れを容易にしており、これによりベアリングの回転の際に、内側リングとベアリングケージとの間の空間内のグリースの円滑な流れを改良している。さらに、溝112は過剰なグリースに関連した技術的問題を減少または排除することが可能である。例えば、溝112は、ベアリングの加速および減速の際に生じる熱を減少することが可能であり、この熱は、グリースと、ボールおよびケージ等の転動部品と、の間の強力なせん断に帰結する。すなわち、溝112は、グリースの攪拌により生じる熱を減少させることが可能である。本開示のいくつかの実施形態においては、グリース充填量または総量は注意深く選択または調節され、および/または特別なグリースが潤滑の改良のために使用され、これによりグリースの攪拌により生じる熱を減少させている。
【0040】
ベアリングの回転の際、グリースは内側軌道から溝112へと流れ得、ベアリングの内側軌道内に過剰なグリースがある場合、グリースは溝内へと流れる可能性が高くなり得る。溝112内へと流れたグリースのいくらかは、一時的に溝内に留められ得、グリースのいくらかは内側軌道へと戻るように流れ得る。溝112内外へと流れるグリースの動力学的平衡が存在し、動力学的平衡に到達した場合、より多くのグリースが内側軌道内にあればあるほど、より多くのグリースが溝112内にあるだろう。すなわち、過剰なグリースが内側軌道内にある場合、溝112はグリースを貯蔵するための追加の空間を提供することが可能である。他方では、軌道内のグリースが不十分な場合、溝はグリースを軌道へと再補給することが可能である。
【0041】
本開示のいくつかの実施形態においては、環状の基幹部110は、増大された径方向厚さT1を有する。本開示のいくつかの実施形態においては、環状の基幹部110と内側リング170との間の間隙は、増大された径方向厚さT1のために減少され得る。環状の基幹部110と内側リング170との間の間隙は減少されるが、内側軌道内のグリースは、隣接した2つの転動要素190の間の溝112の存在により、それでも円滑に流れることが可能である。すなわち、基幹部110の構造的強度は、(増大された径方向厚さT1により)ベアリングの潤滑を悪化させることなく改善されることが可能である。
【0042】
先行技術によるベアリングケージにおいては、質量分散および構造的強度は、ベアリングケージの周に沿って不均一である。カンチレバー部を備えたベアリングケージのセグメントは、ポケットを備えたベアリングケージのセグメントよりも、通常はより多くの材料を含み、より高い構造的強度を有する。先行技術によるベアリングケージと比較した場合、本開示のベアリングケージは、溝112および/または凹部142の存在により、カンチレバー部を備えたベアリングケージのセグメントにおいてより少ない材料を有する。したがって、本開示のベアリングケージは、ベアリングケージの周に沿ってより均一な質量および強度分布を有する。
【0043】
前述のとおり、ベアリングケージ100は全体的な構造的強度が増大されており、これにより高速回転下におけるベアリングケージの構造による日傘効果を減少している。先行技術においては、ベアリングケージが、日傘効果を抑圧または減少させるために構造的強度を増大させた場合、突起部は、ケージの装着の際に亀裂を生じる傾向があり、これにより先行技術によるベアリングケージは、過度に強力な構造的強度を有することが不可能であり、これにより突起部の亀裂が生じる危険性を減少させている。
【0044】
本開示の発明者は、溝112の存在がケージの装着の際にクラックが亀裂を生じる危険性を減少させることが可能であることを見出した。特に、
図5に示されたように、溝112と接触面133a、133bとの間の最小距離Sは、ケージに亀裂が生じる危険性に影響し得る極めて重要な要因であり、最適な距離Sは、ケージの装着の際にケージに亀裂が生じる危険性を大幅に減少させることが可能である。すなわち、本開示のベアリングケージは、日傘効果の抑圧または減少のための増大された構造的強度を有することが可能であり、一方でケージ装着の際にクラックに亀裂が生じる危険性は、低下されたままである。
【0045】
さらに、溝112に関連した寸法、すなわち
図5に示されたL1、L2、
図7に示されたL3、L4は、溝112に関連した前述の最適なまたは最良の技術的効果を提供するために、注意深く選択または最適化されることが可能である。
図5に示されたように、溝112は、径方向から見た場合、全体的に台形の形状である。全体的に台形の形状は、基幹部110の後側116の底辺、および基幹部110の後側116から離れた上辺、を備えている。台形の形状の上辺の長さL1および台形の形状の底辺の長さL2は、溝112に関連した技術的効果に影響を与え得る重要な要因である。
図7に示されたように、溝112の第1のセグメント112aの底部は、内側リング170の外径面173から距離L4だけ離間されている。溝112の一部は、内側リング170の外径面173内において軌道174の上に延びており、軸方向寸法L3、すなわち軌道174の側と溝112の第2のセグメント112bの端部との間の軸方向距離を有する。距離L4および寸法L3も、溝の技術的効果に影響し得る重要な要因である。
【0046】
本開示のいくつかの実施形態においては、L1、L2は以下のように定義されている。
PI*dc/(Z*4)≦L2≦PI*dc/(Z*2)
L1≦L2
ここで、dcはケージボアの直径であり、Zはベアリング内の転動要素(転動ボール)の数である。
【0047】
本開示のいくつかの実施形態においては、L3、L4は以下のように定義されている。
L3>0
L4/Dw>0.08
ここで、Dwは転動要素(転動ボール)の直径である。
【0048】
本開示のいくつかのさらなる実施形態においては、L4/Dw>0.12である。本開示のいくつかのまたさらなる実施形態においては、L4/Dw>0.16である。
【0049】
図6は、ベアリングケージ100を備えたボールベアリング10の断面を示した図である。
図7は、
図6の円で囲まれた部分を示した拡大図である。ボールベアリング10は、内側リング170、外側リング160、内側リング170と外側リング160との間に配置された複数の転動要素190、およびベアリングケージ100を備え、ベアリングケージは内側リングと外側リングとの間に配置されており、複数の転動要素の各々は、ケージの複数のポケットのうちの1つに受け入れられており、ボールベアリングは、内側リング170と外側リング160との間に形成された環状空間をシールするように構成されたシール部材180を備えている。ボールベアリングは軸xを備え、ボールベアリングは、運転の場合にこの軸の周りに回転する。
図6に示された軸xは、ベアリングケージ100の軸でもある。
図7に最も良好に示されたように、内側リング170は、外径面173および外径面173に形成された軌道174を備え、外側リング160は、内径面163および内径面163に形成された軌道164を備えている。内側リング170は、内側リング170の外径面173に形成された2つの周溝172a、172bをさらに備えている。2つの周溝172a、172bの各々は、軌道174の一方の側に設けられている。周溝172a、172bは、前述の溝112および凹部144と同様に、過剰なグリースを貯蔵し、ベアリングの軌道内のグリースが不十分な場合、ベアリングの軌道にグリースを再供給することが可能である。
図7に明確に示されたように、溝112は周溝172aよりもはるかに大きい軸方向スパンを有し、周溝172a、172bは、軸方向において溝112の軸方向スパン内に配置されている。いくつかの実施形態においては、溝112は軸方向において周溝172aと少なくとも部分的に重なっている。そのような構成を用いて、周溝172a内に貯蔵されたグリースは、溝112を通じて軌道174へと容易に戻ることが可能である。
【0050】
本開示のいくつかの実施形態においては、ベアリングケージは一方向スナップインベアリングケージであり、ボールベアリングは、深溝ボールベアリングである。
【0051】
図1Aから
図1C、
図2から
図5に示された実施形態においては、溝112は、複数のカンチレバー部130と一対一の関係で設けられている。しかしながら、本開示はそれに限定されるものではなく、本開示のいくつかの実施形態においては、本開示のベアリングケージは、溝112を全く含んでいなくてもよい。
【0052】
図6および
図7に示された実施形態においては、本開示のベアリングは、内側リング170の外径面173に2つの周溝172a、172bを備えている。しかしながら、本開示はそれに限定されるものではなく、いくつかの実施形態においては、本開示のベアリングは、1つのみの周溝または2つよりも多くの周溝を備え得る。いくつかの実施形態においては、本開示のベアリングは、全く周溝を含んでいなくてもよい。
【0053】
図示された実施形態においては、溝112および凹部142の両方が2つのセグメントの構成を有する。しかしながら、本開示はそれに限定されるものではなく、いくつかの実施形態においては、溝112および/または凹部142は、円滑な湾曲面等の任意の他の適切な構成を含み得る。
【0054】
図示された実施形態においては、複数のカンチレバー部は環状の基幹部の周に沿って、好適に互いに等間隔に離間されている。しかしながら、本開示はそれに限定されるものではなく、任意の他の適切な構成を含み得る。いくつかの実施形態においては、複数のカンチレバー部は、環状の基幹部の周に沿って互いに離間されている。いくつかの実施形態においては、複数のカンチレバー部は、環状の基幹部の周に沿って配置されている。
【0055】
図8は、本開示の別の実施形態によるベアリングケージ200を示した斜視図である。ベアリングケージ200は、全体的に環状の基幹部210と、複数のカンチレバー部230と、を備えている。各カンチレバー部230は、2つの突起部232a、232b、および2つの突起部232a、232bの間において2つの突起部232a、232bを一体に接続した接続部242、を備えている。ベアリングケージ200は、突起部232a、232bに形成された面取り部238a、238bを除いて、
図1Aから
図1Cに示されたベアリングケージ100と類似している。面取り部238a、238bは、突起部により形成されたポケットの反対側の、突起部232a、232bの面に形成されている。ベアリングケージ200は、カンチレバー部230の重量を減少し、これにより所謂日傘効果がベアリングケージ200においてさらに減少または抑圧されることが可能である技術的利点を有する。
【0056】
図9Aおよび
図9Bは、本開示のさらに別の実施形態によるベアリングケージ300を示した斜視図である。ベアリングケージ300は、全体的に環状の基幹部310と、複数のカンチレバー部330と、を備えている。各カンチレバー330は、2つの突起部332a、332b、および2つの突起部332a、332bの間において2つの突起部332a、332bを一体に接続した接続部342、を備えている。ベアリングケージ300は、接続部342の径方向外側面に形成された軸方向突起336を除いて、
図1Aから
図1Cに示されたベアリングケージ100と類似している。ベアリングケージ300は、軸方向突起336の存在により、カンチレバー部330の構造的強度が改善される技術的利点を有する。
【0057】
システムおよび方法が、本発明の詳細を理解するための補助として、一般的な用語において記載された。いくつかの事例において、周知の構造、材料、および/または操作は、本発明の態様をあいまいにすることを回避するために、具体的に示されていないかまたは詳細に記載されていない。他の事例において、本発明の完全な理解を提供するために、具体的な詳細が与えられている。関連技術の当業者は、本発明が、例えば、その精神または本質的な特性から逸脱することなく、特定のシステムまたは装置または状況または材料または構成要素に適応するために、他の特定の形態で具体化され得ることを認識するだろう。したがって、本明細書の開示および説明は、本発明の範囲を例示することを意図しているが、限定することを意図していない。したがって、添付の特許請求の範囲およびそれらの同等物に照らしている場合を除いて、開示は制限されるべきではない。
【符号の説明】
【0058】
10 ・・・ボールベアリング
100、200、300 ・・・ベアリングケージ
102 ・・・径方向内側面
110、210、310 ・・・基幹部
112 ・・・溝
112a ・・・第1のセグメント
112b ・・・第2のセグメント
114 ・・・前側
116 ・・・後側
130、230、330 ・・・カンチレバー部
132a、132b、232a、232b ・・・突起部
133a、133b ・・・接触面
134 ・・・ポケット
135a、135b ・・・湾曲面
142、242 ・・・接続部
144 ・・・凹部
160 ・・・外側リング
163 ・・・内径面
164 ・・・軌道
170 ・・・内側リング
172a、172b ・・・周溝
173 ・・・外径面
174 ・・・軌道
180 ・・・シール部材
190 ・・・転動要素
238a、238b ・・・面取り部
336 ・・・軸方向突起
【外国語明細書】