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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051529
(43)【公開日】2022-03-31
(54)【発明の名称】皮膚外用剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/49 20060101AFI20220324BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20220324BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20220324BHJP
【FI】
A61K8/49
A61Q19/00
A61K8/46
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021147613
(22)【出願日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】P 2020157498
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(72)【発明者】
【氏名】菊池 夏実
(72)【発明者】
【氏名】橋本 理恵
(72)【発明者】
【氏名】井関 萌
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA082
4C083AA111
4C083AA112
4C083AA122
4C083AA162
4C083AB032
4C083AB232
4C083AB242
4C083AB432
4C083AC012
4C083AC022
4C083AC072
4C083AC092
4C083AC102
4C083AC112
4C083AC122
4C083AC172
4C083AC252
4C083AC302
4C083AC342
4C083AC392
4C083AC432
4C083AC482
4C083AC492
4C083AC542
4C083AC581
4C083AC582
4C083AC621
4C083AC622
4C083AC662
4C083AC771
4C083AC851
4C083AC852
4C083AD042
4C083AD092
4C083AD152
4C083AD332
4C083AD342
4C083AD351
4C083AD352
4C083AD412
4C083AD432
4C083AD492
4C083AD642
4C083AD662
4C083BB01
4C083CC03
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC12
4C083DD12
4C083DD23
4C083DD33
4C083EE01
(57)【要約】
【課題】トラネキサム酸と含硫化合物の併用によって悪化する不快な硫黄臭をニコチンサンアミドにより抑制する皮膚外用剤の開発
【解決手段】
次の成分(A)、成分(b)及び成分(C);
(A)トラネキサム酸
(B)含硫化合物
(C)ニコチン酸アミド
を含有し、更に皮膚外用剤中における成分(B)中の硫黄含有質量%(b1)は0.0001質量%以上であり、成分(A)と(b1)の含有質量割合(A)/(b1)が10~10000、成分(C)と(b1)の含有質量割合(C)/(b1)が10~10000である皮膚外用剤。
【選択図】なし

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の成分(A)、成分(b)及び成分(C);
(A)トラネキサム酸
(B)含硫化合物
(C)ニコチン酸アミド
を含有し、更に成分(B)の含有質量%に成分(B)中の硫黄分を分子量で換算した硫黄含有率を乗じた場合の皮膚外用剤中の硫黄含有質量%(b1)は0.0001質量%以上であり、成分(A)と(b1)の含有質量割合(A)/(b1)が10~10000、成分(C)と(b1)の含有質量割合(C)/(b1)が10~10000である皮膚外用剤。
【請求項2】
前記成分(A)及び(C)、(b1)の含有質量割合は(A)/(b1)が15~8000、成分(C)と成分(b1)の含有質量割合(C)/(b1)が20~9000である請求項1記載の皮膚外用剤。
【請求項3】
前記成分(A)及び(C)の含有質量割合(C)/(A)が0.01以上である請求項1又は2記載の皮膚外用剤。
【請求項4】
前記成分(B)の含硫化合物はアミノ酸、界面活性剤、海藻類の抽出成分から選ばれる一種又は二種以上である請求項1~3の何れかに記載する皮膚外用剤。
【請求項5】
前記成分(B)の含硫化合物はシステイン、グルタチオン、カラギーナンから選ばれる一種又は二種以上である請求項1~4何れかに記載する皮膚外用剤。
【請求項6】
含硫化合物を含有した皮膚外用剤に、トラネキサム酸を含有する事により発生する硫黄臭の悪化を、ニコチン酸アミドの含有により抑制する、変臭抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は皮膚外用剤、に関する。
【背景技術】
【0002】
トラネキサム酸は、止血作用や抗炎症作用を有することから、医薬品の有効成分として利用されるとともに、荒れ肌改善作用や美白作用を有することから、化粧品や皮膚外用剤にも広く利用されている(例えば特許文献1、2)。また、含硫化合物は保湿、湿潤、皮膚コンディショニング、美白作用等の目的で化粧品や皮膚外用剤に汎用される成分である(例えば特許文献3、4、5、6)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平1-93519号公報
【特許文献2】特開2008-100933号公報
【特許文献3】特開昭62-175415号公報
【特許文献4】特開昭63-8315号公報
【特許文献5】特開平2-145507号公報
【特許文献6】特開平5-222030号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一方、特許文献3、4、5、6で開示される含硫化合物においては不快な硫黄臭を有し、初期~経時での変臭を引き起こす事がある。そのため、配合量によっては顔への使用が難しいなどの問題が生じ、使用範囲、部位も限られる場合のあるものであった。加えて、さらなる肌への有用な効果を高める目的で、含硫化合物とトラネキサム酸との併用を試みたが、硫黄臭が悪化するという問題点があり、トラネキサム酸と含流化合物をどちらも配合した皮膚外用剤の開発は難しいものであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記実状において鋭意検討を重ねた結果、トラネキサム酸と含硫化合物に、ニコチン酸アミドを併用することにより、トラネキサム酸による含硫化合物の硫黄臭の悪化を抑制することを見出し、本発明を完成するに至った。以下、詳細に説明する。
すなわち、本発明は、成分(A)~(C):
(A)トラネキサム酸
(B)含硫化合物
(C)ニコチン酸アミドを含有し、更に皮膚外用剤中における成分(B)中の硫黄含有質量%(b1)は0.0001質量%以上であり、成分(A)と(b1)の含有質量割合(A)/(b1)が10~10000、成分(C)と(b1)の含有質量割合(C)/(b1)が10~10000である皮膚外用剤を提供するものである。
【0006】
さらに前記成分(A)及び(C)、(b1)の含有質量割合は(A)/(b1)が15~8000、前記成分(C)と(b1)の含有質量割合(C)/(b1)が20~9000である皮膚外用剤を提供するものである。
【0007】
さらに前記成分(A)及び(C)の含有質量割合(C)/(A)が0.01以上である皮膚外用剤を提供するものである。
【0008】
さらに前記成分(B)の含硫化合物はアミノ酸、界面活性剤、海藻類の抽出成分から選ばれる一種又は二種以上である皮膚外用剤を提供するものである。
【0009】
さらに前記成分(B)の含硫化合物はシステイン、グルタチオン、カラギーナンから選ばれる一種又は二種以上である皮膚外用剤を提供するものである。
【0010】
さらに含硫化合物を含有した皮膚外用剤に、トラネキサム酸を含有する事により発生する硫黄臭の悪化を、ニコチン酸アミドの含有により抑制する、変臭抑制剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、トラネキサム酸と含硫化合物の併用によって悪化する不快な硫黄臭の抑制効果に優れた皮膚外用剤に関するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書において、「~」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。また以下、単に「質量%」を「%」と略す。
本発明に用いられる成分(A)のトラネキサム酸は、別名トランス-4-アミノメチルシクロヘキサン-1-カルボン酸と呼ばれ、分子内にアミノ基とカルボキシル基を併せ持つ化合物である。本発明に使用されるトラネキサム酸は、そのままの形態で含有されてもよく、又は、塩の形態やトラネキサム酸のカルボキシル基と脂肪酸とのエステル、トラネキサム酸のアミノ基と脂肪酸のアミド等の誘導体であってもよく、具体的には、トラネキサム酸セチルエステル等のエステル誘導体;トラネキサム酸メチルアミド等のアミド誘導体、トラネキサム酸セチル塩酸塩等が例示できる。
【0013】
本発明の成分(A)の皮膚外用剤への含有量としては、成分(A)の目的とする効果・効能を発揮しうる程度に含有すればよく、特に制限はないが、通常0.1~10%、好ましくは0.5~8%、より好ましくは1.0~5%程度含有することができる。
【0014】
本発明に用いられる成分(B)の含硫化合物は、特に限定されないが角質溶解効果、殺菌効果、抗酸化効果、美白効果、養毛効果、ふけ防止効果等を目的に含有されるものであり、通常の皮膚外用剤原料として用いられるものであれば、特に限定されないが、例えば、硫黄、システイン、シスチン、アセチルシステイン、システイン塩酸塩、メチオニン、グルタチオン、α-リポ酸、含硫化合物を含む植物、海草、海藻のエキス等が挙げられる。これらの含硫化合物は必要に応じて一種、又は二種以上を用いることができる。
【0015】
本発明の成分(B)の皮膚外用剤への含有量としては、成分(B)の目的とする効果・効能を発揮しうる程度に含有すればよく、特に制限はないが、成分(B)中の硫黄含有質量%を(b1)で表したときに、通常0.0001~0.3%、好ましくは0.0002~0.25%、より好ましくは0.001~0.2%含有することができる。抽出液を使用する場合は、溶質の量が上記範囲内であれば、その抽出液濃度等は何ら限定されるものではない。
【0016】
前述した(b1)については、詳細には以下の計算式で表される。
<(b1)=(成分(B)の皮膚外用剤中の含有質量%)×(硫黄の分子量:32.1)/(成分(B)の分子量)>
【0017】
また、成分(A)と成分(b1)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(A)による成分(B)の変臭悪化のバランスの観点から、(A)/(b1)の上限としては10000であり、8000以下であることが好ましく、4000以下であるとより好ましく、(A)/(b1)の下限としては10であり、15以上である事が好ましく、20以上であるとより好ましい。
【0018】
本発明における成分(C)のニコチン酸アミドとは、ニコチン酸(ビタミンB3、ナイアシンともよばれる)のアミド化合物であり、ニコチンアミド、ナイアシンアミドともよばれる。ニコチン酸アミドは水溶性ビタミンで、ビタミンB群の一つである公知の物質であり、天然物(米ぬかなど)から抽出されたり、あるいは公知の方法によって合成することができる。具体的には、第15改正日本薬局方2008に収載されているものを用いることが出来る。
【0019】
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されず、(B)を含有する事により発生する硫黄臭の悪化を抑制するという観点から、0.1~10%であることが好ましく、0.5~8.5%であることがより好ましく、1~7%であることが特に好ましい。
【0020】
また、(b1)と成分(C)の含有質量割合は、成分(C)に由来する硫黄臭を抑えることができるという観点から、(C)/(b1)=10~10000であり、20~9000であることが好ましく、40~8000であることがより好ましい。
【0021】
成分(A)と成分(C)の含有質量割合は、特に限定されないが、成分(A)に対する成分(C)の硫黄臭抑制効果の観点から、(C)/(A)=0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましく、0.1以上が特に好ましい。
【0022】
本発明の皮膚外用剤には、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で、上記成分の他に、皮膚外用剤、芳香剤、消臭剤等の製剤に使用される成分、すなわち、水(精製水、温泉水、深層水等)、油剤、界面活性剤、金属セッケン、ゲル化剤、粉体、水溶性高分子、皮膜形成剤、樹脂、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、美白剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、細胞賦活剤、保湿剤、キレート剤、角質溶解剤、酵素、ホルモン類、成分(C)以外のビタミン類等を加えることができる。
【0023】
本発明の皮膚外用剤の製造方法は、特に限定されず、常法により調製される。例えば、上記成分(A)~(C)さらに必要に応じて上記任意成分を加え、これを混合することにより調製する方法が挙げられる。
【0024】
本発明の皮膚外用剤は、液状、ジェル状、クリーム状、固形状、ムース状等の種々の形態で実施することが可能であり、霧状に噴霧可能な容器に収容して霧状に噴霧して用いてもよい。また、本発明品の剤型は、可溶化型、水中油型、油中水型、油性型、水中油中水型、油中水中油型、多層型等特に限定されるものではない。
【0025】
本発明の皮膚外用剤の用途に関しては特に制限はなく、化粧料、皮膚外用剤、芳香剤、消臭剤等種々の用途の組成物として用いることができる。本発明の組成物は、老化防止効果等に優れるという観点から、化粧料又は皮膚外用剤として用いることが好ましい。
【0026】
本発明の皮膚外用剤の例としては、特に限定されず、例えば、乳液、クリーム、化粧水、美容液、パック等のスキンケア化粧料、ファンデーション、頬紅、口紅、アイカラー、マスカラ、アイライナー、マニキュア等のメーキャップ化粧料、養毛料、ヘアトニック、シャンプー、リンス、ヘアワックス等の頭髪用化粧料、洗顔料等の洗浄料、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、液剤、リニメント剤、パップ剤、エアゾール剤等のいずれの形態であってもよい。
【実施例0027】
(本発明品1-1~10-1、比較例11-1~15-1及び参考例1-2~15-2、1-3~15-3、:化粧水)
以下の表1~5に示す組成の化粧水を下記製造方法により調製し、変臭抑制効果について、以下に示す方法により評価・判定し、結果を併せて表1~5に示した。なお上記参考例とは成分(A)、(C)を含有しない成分(B)単独での硫黄臭を評価したもの、成分(A)を含有しない成分(C)による成分(B)の硫黄臭の悪化を確認した例である。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
(製造方法)
A:成分(6)、(7)を均一に溶解する。
B:成分(1)と(2)をAで均一に溶解する。
C:Bに成分(3)~(5)をそれぞれ加え、溶解する。
【0034】
(評価方法)
上記化粧水を専門評価者5人を用いて、製造直後の匂いの官能評価を行い、変臭抑制効果の有効性を以下の(イ)有効性ランクで評価し、以下の(ロ)判定基準により判定した。
【0035】
(イ)有効性ランク
0点:硫黄臭の発生がない
1点:硫黄臭の発生がほとんどない
2点:硫黄臭の発生がわずかにある
3点:硫黄臭の発生がある
4点:硫黄臭の発生が著しくある
【0036】
(ロ)判定基準
(イ)で判定した(参考例X―3)および(本発明品X-1)の有効性ランクの平均値を算出し、(参考例X―3)から(本発明品X-1)の値を引いた変化率を以下の基準で判定した。なお、Xは各本発明品、参考品、比較例の処方番号の先頭の数字を意味する。
○ :変化率が0.5点以上
△ :変化率が0点以上0.5点未満
× :変化率が0点未満 (A成分添加により硫黄臭が悪化した場合)
【0037】
表1~5の結果から明らかなように、本発明品1-1~10-1の化粧水は、成分(A)により成分(B)の変臭が発生した参考例1-3~参考例10-3とそれぞれ比較した時に、いずれも成分(C)の含有による変臭抑制効果に優れたものであった。一方、比較例11-1については、参考例11-2と11-3を比較した際に成分(A)が少なく変臭が発生しなかった。比較例12-1、13-1については、参考例12-2、12-3、及び13-2、13-3とそれぞれ比較した際に成分(A)の量に対して成分(C)の量が少ないため、成分(A)による変臭抑制が充分ではなかった。比較例14-1については、成分(B)が微量のため硫黄臭自体が発生せず、成分(C)による変臭抑制が評価できなかった。比較例15-1については成分(B)が過剰量となり硫黄臭の抑制ができなかった。
【0038】
[処方例1:化粧水]
(製法)
A.下記成分(8)~(13)を混合溶解する。
B.下記成分(1)~(7)と(14)を混合溶解する。
C.前記BにAを加え混合し、化粧水を得た。
(成分) (%)
1.グリセリン 5.0
2.1,3-ブチレングリコール 5.0
3.乳酸 0.05
4.乳酸ナトリウム 0.1
5.トラネキサム酸 5.0
6.ニコチン酸アミド 1.0
7.システイン 0.01
8.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 1.2
9.ポリオキシエチレン(40モル)硬化ヒマシ油 0.5
10.エタノール 8.0
11.合成ビタミンE 0.001
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.香料 0.1
14.精製水 残量

(b1):0.01×32.1/121.2=0.0027
(A)/(b1):5.0/0.0027=1886.30
(C)/(b1):1.0/0.0027=377.26
処方例1の化粧水は変臭がなく経時安定性が良好であった。
【0039】
[処方例2:美容液]
(製法)
A.下記成分(1)~(12)を混合溶解する。
B.下記成分(13)~(18)を混合溶解する。
C.前記AにBを加え混合し、美容液を得た。
(成分) (%)
1.ジプロピレングリコール 5.0
2.1,3-ブチレングリコール 8.0
3.アクリル酸・メタクリル酸アルキル(C10-30)
クロスポリマー 0.2
4.キサンタンガム 0.2
5.精製水 残量
6.水酸化ナトリウム2%水溶液 2.0
7.システイン 0.05
8.ヒアルロン酸ナトリウム 0.01
9.加水分解エラスチン 0.01
10.加水分解コラーゲン 0.1
11.トラネキサム酸 1.0
12.ニコチン酸アミド 5.0
13.ポリオキシエチレン(60モル)硬化ヒマシ油 0.5
14.イソステアリン酸 0.2
15.天然由来ビタミンE 0.01
16.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
17.エタノール 2.0
18.香料 0.02

(b1):0.05×32.1/121.1=0.013
(A)/(b1):1.0/0.013=75.45
(C)/(b1):5.0/0.013=377.26
処方例2の美容液は変臭がなく経時安定性が良好であった。
【0040】
[処方例3:水中油型乳液]
(製法)
A.成分(1)~(6)を70℃で均一に溶解混合する。
B.成分(7)~(15)を80℃で均一に溶解混合する。
C.前記AにBを添加し70℃で乳化する。
D.前記Cに成分(16)~(20)を添加混合した後、40℃まで冷却して水中油型乳液を得た。
(成分) (%)
1.1,3-ブチレングリコール 5.0
2.ジプロピレングリコール 5.0
3.精製水 残量
4.トラネキサム酸 1.0
5.ニコチン酸アミド 5.0
6.水酸化ナトリウム2%水溶液 0.2
7.N-ミリストイル-L-グルタミン酸 0.2
8.ポリオキシエチレン(10モル)硬化ヒマシ油 0.2
9.マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル 1.0
10.トリ(カプリル酸/カプリル酸)グリセリル 0.2
11.天然ビタミンE 1.0
12.N-ステアロイルフィトスフィンゴシン 0.1
13.酢酸トコフェロール 0.01
14.ステアリルアルコール 0.5
15.1,2-ペンタンジオール 0.1
16.カルボキシビニルポリマー 0.15
17.(アクリル酸Na/アクリロイルジメチルタウリンNa)
コポリマー 2.0
18.グルタチオン 0.01
19.エタノール 5.0
20.香料 0.1

(b1):0.01×32.1/307.3=0.0010
(A)/(b1):1.0/0.0010=957.32
(C)/(b1):5.0/0.0010=4786.60
処方例3の水中油型乳液は変臭がなく経時安定性が良好であった。
【0041】
[処方例4:水中油型クリーム]
(製法)
A:成分(1)~(9)を70℃にて加熱溶解する。
B:成分(10)~(17)を70℃にて加熱後、前記Aを添加し乳化する。
C:前記Bを室温まで冷却し、(18)~(20)を添加混合して水中油型クリームを得た。

(成分) (%)
1.合成型ビタミンE 3.0
2.ドコサヘキサエン酸(DHA) 1.0
3.モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン 2.0
4.ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸 0.3
5.ジカプリン酸プロピレングリコール 1.7
6.スクワラン 3.5
7.セトステアリルアルコール 3.0
8.ワセリン 2.0
9.ホホバ油 1.0
10.トラネキサム酸 2.0
11.1,3-ブチレングリコール 2.0
12.グリセリン 10.0
13.カルボキシビニルポリマー 0.3
14.カラギーナン 0.1
15.水酸化ナトリウム 適量
16.精製水 残量
17.ニコチン酸アミド 1.0
18.パラオキシ安息香酸メチル 0.3
19.エタノール 7.0
20.香料 0.2

(b1):0.1×32.1/200.6=0.016
(A)/(b1):2.0/0.016=124.99
(C)/(b1):1.0/0.016=62.50
処方例4の水中油型クリームは変臭が少なく経時安定性が良好であった。
【0042】
[処方例5:水中油型リキッドファンデーション]
(製法)
A:成分(16)~(23)を3本ローラーにて分散処理する。
B:成分(1)~(8)を90℃にて加熱し均一混合する。
C:前記Bに約90℃に加熱した(9)を添加し乳化後、冷却して(10)~(15)を添加した。
D:前記CにAを混合する
E:前記Dを容器に充填して水中油型リキッドファンデーションを得た。
(成分) (%)
1.ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油 0.5
2.テトラオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビット 1.0
3.(ジメチコン/ビニルジメチコン)
クロスポリマー混合物(固形分5%) 10.0
4.メチルトリメチコン 5.0
5.メトキシケイ皮酸オクチル 3.0
6.ビスエチルヘキシルオキシフェノール
メトキシフェニルトリアジン 5.0
7.アクリル-シリコーン系グラフト共重合体溶液 5.0
8.天然ビタミンE 0.00001
9.精製水 残量
10.トラネキサム酸 3.0
11.(アクリル酸ナトリウム/アクリロイルジメチルタウリン
ナトリウム)コポリマー 1.0
12.フェノキシエタノール 0.3
13.1,3-ブチレングリコール 10.0
14.紅藻エキス 0.05
15.ニコチン酸アミド 2.0
16.アクリル酸アルキルポリマーエマルション 3.0
17.トリエタノールアミン 3.5
18.黒酸化鉄 0.2
19.ベンガラ 1.3
20.酸化チタン 8.0
21.黄酸化鉄 0.5
22.セリサイト 5.0
23.赤色202号 0.2

(b1)0.05×32.1/946.7=0.0017
(A)/(b1):3.0/0.0017=1769.53
(C)/(b1):2.0/0.0017=1179.69
処方例5の水中油型リキッドファンデーションは変臭がなく経時安定性が良好であった。
【0043】
[処方例6:含浸マスク]
(製法)
A:成分(1)~(5)を70℃に加熱溶解する。
B:成分(6)~(11)を70℃に加熱溶解後、前記Aに添加し乳化する。
C:前記Bを室温まで冷却し(12)~(15)を加えて混合し、水中油型乳液を得た。
D:前記Cを不織布(材質:セルロース)にしみこませ、含浸マスクを得た。
(成分) (%)
1.ジプロピレングリコール 10.0
2.ポリオキシエチレン(40)硬化ヒマシ油 0.5
3.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
4.スクワラン 0.5
5.天然ビタミンE 0.01
6.ニコチン酸アミド 1.0
7.グリセリン 10.0
8.精製水 残量
9.温泉水 1.0
10.水酸化ナトリウム 適量
11.トラネキサム酸 1.0
12.カルボキシビニルポリマー 0.1
13.キサンタンガム 0.05
14.システイン 0.005
15.香料 0.2

(b1):0.005×32.1/121.2=0.0013
(A)/(b1):1.0/0.0013=755.14
(C)/(b1):1.0/0.0013=755.14
処方例6の含浸マスクは変臭がなく経時安定性が良好であった。
【0044】
[処方例7:水中油型ハンドクリーム]
(製法)
A:成分(1)~(12)、(26)を70℃で混合溶解する。
B:成分(13)~(25)を70℃で混合溶解する。
C:撹拌しながら前記BにAを加えて乳化する。
D:前記Cを室温まで冷却し水中油型ハンドクリームを得た。
(成分) (%)
1.モノステアリン酸ポリエチレングリコール 2.0
2.モノステアリン酸グリセリン 3.0
3.セトステアリルアルコール 2.0
4.ベヘニルアルコール 3.0
5.流動パラフィン 4.0
6.ワセリン 10.0
7.ラウロイルグルタミン酸ジ(オクチルドデシル
/フィトステリル/ベヘニル) 2.0
8.オレイン酸オレイル 1.0
9.コエンザイムQ10 0.2
10.リノール酸 0.04
11.天然ビタミンE 0.01
12.パルミチン酸レチノール 0.3
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
14.濃グリセリン 5.0
15.1,3-ブチレングリコール 10.0
16.リン酸1水素ナトリウム 0.1
17.リン酸2水素ナトリウム 0.1
18.エデト酸2ナトリウム 0.1
19.水酸化ナトリウム 適量
20.精製水 残量
21.コンドロイチン硫酸Na 0.05
22.ローヤルゼリー抽出液 0.1
23.アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.5
24.トラネキサム酸 3.0
25.ニコチン酸アミド 3.0
26.香料 0.2

(b1):0.05×32.1×3/1526.03=0.0032
(A)/(b1):3/0.0032=950.80
(C)/(b1):3/0.0032=950.80
処方例7のハンドクリームは変臭がなく経時安定性が良好であった。