IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 有限会社モリヤの特許一覧

<>
  • 特開-陳列棚 図1
  • 特開-陳列棚 図2
  • 特開-陳列棚 図3
  • 特開-陳列棚 図4
  • 特開-陳列棚 図5
  • 特開-陳列棚 図6
  • 特開-陳列棚 図7
  • 特開-陳列棚 図8
  • 特開-陳列棚 図9
  • 特開-陳列棚 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051599
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】陳列棚
(51)【国際特許分類】
   A47G 33/02 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
A47G33/02 H
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020157995
(22)【出願日】2020-09-20
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-06-16
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)令和2年3月6日ベルボニー会館インター通り(高知県高知市杉井流21-17)に販売(2)令和年2年3月11日ベルボニー会館北条(愛媛県松山市北条辻1214-1)に販売
(71)【出願人】
【識別番号】519097630
【氏名又は名称】株式会社モリヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100184262
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 義則
(72)【発明者】
【氏名】守屋 建宏
(57)【要約】      (修正有)
【書類名】要約書
【課題】式の主催者に応じた陳列を容易にする陳列棚を提供する。
【解決手段】陳列棚10が主ユニット20と第1の引出しユニットと第2の引出しユニットとを備える。主ユニット棚部21が、第1の領域21aと、第1の領域21aと前後方向に仕切り部26で離隔されている第2の領域21bとを有し、第1の領域21aに第1の陳列物1を載せておき、第2の領域21bに第2の陳列物2を載せておく。回転手段5を用いて第1の引出しユニット30が前方を向いて配置されて第1の引出しユニットが一方の開口部から引き出されて第1の陳列物1が利用に供される。回転手段5を用いて第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて第2の引出しユニットが他方の開口部から引き出されて第2の陳列物2が利用に供される。
【選択図】図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主ユニット棚部と、前記主ユニット棚部を左右で支持する主ユニット側部の対とを備え、前記主ユニット棚部及び前記主ユニット側部の対が収容領域を画成して、前記収容領域の前後にそれぞれ一方の開口部と他方の開口部の何れかを有する主ユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記一方の開口部から引き出される第1の引出しユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記他方の開口部から引き出される第2の引出しユニットと、
前記主ユニット側部の対、前記第1の引出しユニット及び前記第2の引出しユニットの各底部にそれぞれ取り付けられた旋回自在な回転手段と、
を備えており、
前記主ユニット棚部が、第1の陳列物を載置し得る第1の領域と、前記第1の領域と前後方向に離隔されて第2の陳列物を載置し得る第2の領域とを有しており、
前記第1の領域と前記第2の領域とを区分けする仕切り部をさらに備え、
前記第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第1の引出しユニットが前記一方の開口部から引き出されて前記第1の陳列物が利用に供され、
前記第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第2の引出しユニットが前記他方の開口部から引き出されて前記第2の陳列物が利用に供される、陳列棚。
【請求項2】
前記仕切り部は、前記第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第1の陳列物が前方を向いたとき前記第2の陳列物が前方から見えないように、かつ前記第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第2の陳列物が前方を向いたとき前記第1の陳列物が前方から見えないように、構成される、請求項1に記載の陳列棚。
【請求項3】
第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、
前記第1の装飾部が前記第1の装飾物に対応しており、
前記第2の装飾部が前記第2の装飾物に対応し、前記第1の装飾部とは異なる、請求項1又は2に記載の陳列棚。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、陳列棚に関する。
【背景技術】
【0002】
陳列棚には、高さを異にして複数の棚を配置し、棚が上から下になるに従い前方向に配置されるタイプがあり、未使用の際に広いスペースを要求しないもの(例えば、特許文献1)が考えられている。このような陳列棚は、式場で冠婚葬祭を催す際にも使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-174786号公報(図19
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
冠婚葬祭では、主催者のしきたりにより各種の仏式などの様式があるため、式場では、一台又はワンセットの陳列棚を用いて、様式に合うように陳列物を逐一交換して配置している。最上段にある社などの陳列物は重量があるにも拘わらず、作業者は、最上段まで複数の棚を階段として行き来し様式毎の陳列物を交換する。そのため、式場では、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を載置することにかなりの労力を要する。
【0005】
そこで、本発明では、式の主催者に応じた陳列を容易にする陳列棚を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明における陳列棚は、
主ユニット棚部と、前記主ユニット棚部を左右で支持する主ユニット側部の対とを備え、前記主ユニット棚部及び前記主ユニット側部の対が収容領域を画成して、前記収容領域の前後にそれぞれ一方の開口部と他方の開口部の何れかを有する主ユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記一方の開口部から引き出される第1の引出しユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記他方の開口部から引き出される第2の引出しユニットと、
前記主ユニット側部の対、前記第1の引出しユニット及び前記第2の引出しユニットの各底部にそれぞれ取り付けられた旋回自在な回転手段と、
を備えており、
前記主ユニット棚部が、第1の陳列物を載置し得る第1の領域と、前記第1の領域と前後方向に離隔されて第2の陳列物を載置し得る第2の領域とを有しており、
前記第1の領域と前記第2の領域とを区分けする仕切り部をさらに備え、
前記第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第1の引出しユニットが前記一方の開口部から引き出されて前記第1の陳列物が利用に供され、
前記第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第2の引出しユニットが前記他方の開口部から引き出されて前記第2の陳列物が利用に供される。
【0007】
特に、本発明の陳列棚は、
主ユニット棚部と、前記主ユニット棚部を左右で支持する主ユニット側部の対とを備え、前記主ユニット棚部及び前記主ユニット側部の対が収容領域を画成して、前記収容領域の前後にそれぞれ一方の開口部と他方の開口部の何れかを有する主ユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記一方の開口部から引き出される第1の引出しユニットと、
前記収容領域に少なくとも一部が収容され、前記他方の開口部から引き出される第2の引出しユニットと、
前記主ユニット側部の対、前記第1の引出しユニット及び前記第2の引出しユニットの各底部にそれぞれ取り付けられた旋回自在な回転手段と、
を備えており、
前記主ユニット棚部が、第1の陳列物を載置し得る第1の領域と、前記第1の領域と前後方向に離隔されて第2の陳列物を載置し得る第2の領域とを有しており、
前記第1の領域と前記第2の領域とを区分けする仕切り部をさらに備え、
前記第1の領域に前記第1の陳列物を載せておき、前記第2の領域に前記第2の陳列物を載せておき、
前記第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第1の引出しユニットが前記一方の開口部から引き出されかつ前記第2の引出しユニットの少なくとも一部が前記収容領域に収容されて前記第1の陳列物が利用に供されて前記第2の陳列物が利用に供されず、
前記第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第2の引出しユニットが前記他方の開口部から引き出されかつ前記第1の引出しユニットの少なくとも一部が前記収容領域に収容されて前記第2の陳列物が利用に供され前記第1の陳列物が利用に供されない。
【0008】
本発明の陳列棚において、好ましくは、前記仕切り部は、前記第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第1の陳列物が前方を向いたとき前記第2の陳列物が前方から見えないように、かつ前記第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて前記第2の陳列物が前方を向いたとき前記第1の陳列物が前方から見えないように、構成される。
【0009】
本発明の陳列棚は、好ましくは、第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、前記第1の装飾部が前記第1の装飾物に対応しており、前記第2の装飾部が前記第2の装飾物に対応し、前記第1の装飾部とは異なる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、第1の引出しユニット及び第2の引出しユニットがそれぞれ主ユニットの収容領域に部分的に収容されており、かつ主ユニット棚部において前後方向に離隔されている第1の領域、第2の領域に第1の陳列物、第2の陳列物がそれぞれ載置し得、第1の陳列物が前方を向くように第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて第1の引出しユニットが一方の開口部から引き出されかつ第2の引出しユニットの少なくとも一部が収容領域に収容されて第1の陳列物が利用に供され、第2の陳列物が前方を向くように第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて第2の引出しユニットが他方の開口部から引き出されかつ第1の引出しユニットの少なくとも一部が収容領域に収容されて第2の陳列物が利用に供される。よって、式の主催者に応じた陳列を容易にすることができ、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を出来るだけ容易にスタンバイすることができる。
【0011】
主ユニット側部の対、第1の引出しユニット及び第2の引出しユニットの各底部には、旋回自在な回転手段が設けられていることにより、第1の陳列物が前方を向くように第1の引出しユニットが前方を向いて配置することも、第2の陳列物が前方を向くように第2の引出しユニットが前方を向いて配置することも容易となる。
【0012】
仕切り部は、第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて第1の陳列物が前方を向いたとき第2の陳列物が前方から見えないように、かつ第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて第2の陳列物が前方を向いたとき第1の陳列物が前方から見えないように、構成されていることにより、第1の陳列物と第2の陳列物の左右上下の大きさに依存することなく、第1の領域に置かれている第1の陳列物が利用に供される際、第2の陳列物が第2の領域に置いたままにすることができ、第2の領域に置かれている第2の陳列物が利用に供される際、第1の陳列物が第1の領域に置いたままにすることができる。
【0013】
第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、第1の装飾部が第1の装飾物に対応しており、第2の装飾部が第2の装飾物に対応し、第1の装飾部とは異なることにより、前飾りユニットが、主ユニット及び第1の引出しユニットの前に配置されている状態では一方の装飾となる第1の装飾部を前側に向け、主ユニット及び第2の引出しユニットの前に配置されている状態に移行するには、前飾りユニットの前後の装飾を逆にするように例えば回転させればよく、式の主催者に応じた陳列を容易にすることができ、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を出来るだけ容易にスタンバイすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施形態に係る陳列棚について保管状態を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す陳列棚について保管状態を示す背面図である。
図3図3は、図1に示す陳列棚において使用状態を示す斜視図である。
図4図4は、図1に示す陳列棚において使用状態を示す平面図である。
図5図5は、図4のA-A線に沿う断面図である。
図6図6は、主ユニット及び第1の引出しユニット又は第2の引出しユニットの前に配置される前飾りユニットを模式的に示す斜視図である。
図7図7は、図6に示す前飾りユニットの平面図である。
図8図8は、図6に示す前飾りユニットの異なる方向から見た斜視図である。
図9図9は、図1に示す陳列棚と図6に示す前飾りユニットを用いた第1の使用形態を模式的に示す図である。
図10図10は、図1に示す陳列棚と図6に示す前飾りユニットを用いた第2の使用形態を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。本発明の本質的な事項を変更しない範囲で当業者において発明構成要素の一部を置き換えたり一部を取り除いたりして修正や変更をすることもでき、権利範囲は特許請求の範囲に記載した発明の範囲及びその均等物にも及ぶものである。
【0016】
本発明の実施形態に係る陳列棚について、図1図2に未使用の保管状態の斜視図、背面図を示し、図3図4に使用状態の斜視図、平面図を示し、図5には図4のA-A線に沿う断面図を示す。未使用状態、使用状態においては最上段の棚には陳列物を模式的に示しており、それ以外の段に置かれる陳列物は図示を省略している。また、図において、前後方向を示すX軸、右方向を示すY軸、高さ方向を示すZ軸により、各図の相互関係を示している。
【0017】
本発明の実施形態に係る陳列棚10は、基本的な構成として、以下詳細に説明するような、主ユニット20と第1の引出しユニット30と第2の引出しユニット40を備える。
【0018】
主ユニット20は、左右方向及び奥行き方向に延びる主ユニット棚部21と、主ユニット棚部21を左右で支持する主ユニット側部22(22a,22b)の対とを備える。主ユニット棚部21と主ユニット側部22の対が収容領域23を画成しており、主ユニット20は、収容領域23の前後にそれぞれ開口部24(24a,24b)の対を有する。すなわち、一方の開口部24aは、主ユニット棚部21の前後方向の一端部となる壁部25aであって主ユニット側部22aと主ユニット側部22bとの間に架け渡された壁部25aの下端が一方の開口部24aの上端となるように構成されている。他方の開口部24bは、主ユニット棚部21の前後方向の他端部となる壁部25bであって主ユニット側部22aと主ユニット側部22bとの間に架け渡された壁部25bの下端が他方の開口部24aの上端となるように構成されている。ここで、「主ユニット側部22(22a,22b)の対」が「主ユニット棚部21を左右で支持する」とは、主ユニット棚部21の左右端で主ユニット側部22とそれぞれ接続されているという意味だけでなく、主ユニット棚部21の左右端から左右中央寄りで主ユニット側部22とそれぞれ接続されていることをも含む意図で解釈されなければならない。
【0019】
主ユニット20において、さらに、主ユニット棚部21が、第1の領域21aと、第1の領域21aと前後方向に離隔されている第2の領域21bとを有するように区分けされて構成されており、第1の領域21aには第1の陳列物1が載置され、第2の領域21bに第2の陳列物2が載置され得る。第1の領域2aと第2の領域2bとは何れも主ユニット棚部21において左右方向に延びており、第1の領域2aと第2の領域2bとは主ユニット棚部21において奥行き方向で離隔されている。ここで、「離隔されている」とは、近接する場合のみならず、後述する仕切り部を挟んで設けられている場合を含む。第1の陳列物1には冠婚葬祭で使用される神式のモニュメントとして社殿、本殿の類が含まれ、第2の陳列物2には冠婚葬祭で使用される仏式のモニュメントが含まれる。第1の陳列物1と第2の陳列物2とは、様式の異なるモニュメントのみならず、同一の様式であっても形状や装飾が異なるモニュメントであってもよい。モニュメント自体は、通常分解不能な状態で例えば40kg乃至60kg程度の重量物である。
【0020】
第1の引出しユニット30は、左右方向及び上下方向に延びる壁部31と、壁部31を左右で支持する引出しユニット側部32(32a,32b)の対とを備える。「引出しユニット側部32(32a,32b)の対」が「壁部31を左右で支持する」とは、壁部31の左右端から左右中央寄りで引出しユニット側部32(32a,32b)とそれぞれ接続されていることのみならず、壁部31の左右端で引出しユニット側部32(32a,32b)の対とそれぞれ接続されている意味をも含む。前者の意味においては、壁部31が主ユニット棚部21の左右幅と同様な寸法(使用の際、違和感な段差が生じないという意味である。)を有しているという好ましい形態の場合であり、後者の意味においては、壁部31が主ユニット棚部21の左右幅よりも短い寸法を有している場合に相当する。
【0021】
第1の引出しユニット30は、壁部31及び引出しユニット側部32(32a,32b)を一組備えている形態のみならず、図示するように、壁部31及び引出しユニット側部32(32a,32b)を複数組、例えば3乃至5組備えている形態であってもよい。
【0022】
第1の引出しユニット30は、組をなす壁部31及び引出しユニット側部32(32a,32b)のほか、第1の引出しユニット30の少なくとも一部が押し込まれて主ユニット20の収容領域23に収容されることを阻害しないように、引出しユニット側部32(32a,32b)の間に左右方向に架け渡された一又は複数の補強材33を組毎に有することが好ましい。このような補強部33としては、引出しユニット側部32(32a,32b)の上端部で壁部25aに近接して設けられた左右前後方向に延びる第1の補強部33a、引出しユニット側部32(32a,32b)の下端部で壁部25aと前後方向逆側に設けられた左右上下方向に延びる第2の補強部33bが挙げられる。
【0023】
第1の引出しユニット30において、主ユニット20の収容領域23から引き出された状態で、引出しユニット棚部34が、引出しユニット側部32(32a,32b)の上端部に架け渡されるように配置される。引出しユニット棚部34は、第1の引出しユニット30が主ユニット20の収容領域23から引き出されておらず収容されている状態では、取り外されている。
【0024】
第2の引出しユニット40は、左右方向及び上下方向に延びる壁部41と、壁部41を左右で支持する引出しユニット側部42(42a,42b)の対とを備える。「引出しユニット側部42(42a,42b)の対」が「壁部41を左右で支持する」とは、壁部41の左右端から左右中央寄りで引出しユニット側部42(42a,42b)とそれぞれ接続されていることのみならず、壁部41の左右端で引出しユニット側部42(42a,42b)の対とそれぞれ接続されている意味をも含む。前者の意味においては、壁部41が主ユニット棚部21の左右幅と同様な寸法(使用の際、違和感な段差が生じないという意味である。)を有しているという好ましい形態の場合であり、後者の意味においては、壁部41が主ユニット棚部21の左右幅よりも短い寸法を有している場合に相当する。
【0025】
第2の引出しユニット40は、壁部41及び引出しユニット側部42(42a,42b)を一組備えている形態のみならず、図示するように、壁部41及び引出しユニット側部42(42a,42b)を複数組、例えば3乃至5組備えている形態であってもよい。
【0026】
ここで、第1の引出しユニット30における壁部31及び引出しユニット側部32(32a,32b)の組数は、第2の引出しユニット40における壁部41及び引出しユニット側部42(42a,42b)の組数と同数でも、異なってもよい。
【0027】
第2の引出しユニット40は、組をなす壁部41及び引出しユニット側部42(42a,42b)のほか、第2の引出しユニット40の少なくとも一部が押し込まれて主ユニット20の収容領域23に収容されることを阻害しないように、引出しユニット側部42(42a,42b)の間に左右方向に架け渡された一又は複数の補強材43を組毎に有することが好ましい。このような補強部43としては、引出しユニット側部42(42a,42b)の上端部で壁部25bに近接して設けられた左右前後方向に延びる第1の補強部43a、引出しユニット側部42(42a,42b)の下端部で壁部25bと前後方向逆側に設けられた左右上下方向に延びる第2の補強部43bが挙げられる。
【0028】
第2の引出しユニット40において、主ユニット20の収容領域23から引き出された状態で、引出しユニット棚部44が、引出しユニット側部42(42a,42b)の上端部に架け渡されるように配置される。引出しユニット棚部44は、第2の引出しユニット40が主ユニット20の収容領域23から引き出されておらず収容されている状態では、取り外されている。引出しユニット棚部44は、引出しユニット棚部34と兼用される。引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部44に関して、何れか一方が使用されている際は、他方が使用されないからである。
【0029】
本発明の第1の実施形態において、さらに好ましい形態では、陳列棚10において、前飾りユニット50を備える。前飾りユニット50は、前後方向で異なる装飾が施されている。前飾りユニット50は、図6乃至図9に示すように、第1の陳列物1に対応した第1の装飾部51と、第1の装飾部51と前後方向に離隔して配置され第2の陳列物2に対応した第2の装飾部52とを少くなくとも備えていればよく、第1の装飾部51と第2の装飾部52とが一体となっている装飾部(図示せず)でもよい。また、前飾りユニット50は、図6及び図7に示すような、上下方向及び左右方向に延びて第1の装飾部51と第2の装飾部52との間に配置され後ろ側を目隠しするための壁部53を備えている。より具体的には、前飾りユニット50は、左右方向及び前後方向に延びる上面部54と、左右方向及び前後方向に延びており上面部54と対向する下面部55と、上面部54と下面部55との左右両端に取り付けられる側面部56,56の対とを備えており、側面部56,56の対の間で上端を上面部54に下端を下面部55にそれぞれ近接する又は接続する壁部53が設けられている。壁部53を挟んで前後方向に第1の装飾部51と第2の装飾部52が設けられる。第1の装飾部51と第2の装飾部52は模式的に示したものであり、必ずしも図示するような形状、寸法の装飾を意味するわけではない。
【0030】
本発明の実施形態ではこのような構成を備えていることにより、次のように使用することができる。図1に示されている状態の陳列棚10を所定の位置に配置して、第1の引出しユニット30の壁部31及び引出しユニット側部32を組毎に引き出して、下の組から上の組みになるに従い奥行き方向に高くなるように配置し、必要により壁部31及び引出しユニット側部32上に引出しユニット棚部34が組毎に配置される。この状態が図3乃至図5に示されている。そして、第1の引出しユニット30における引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上にそれぞれ、第1の陳列物1に対応する各種の調度品(図示せず)を配置する。これにより、主催者の式に応じた陳列が完了する。この状態を示したのが図9である。このとき、第1の陳列物1が陳列に供され、第2の陳列物2が陳列に供されない。仕切り部26が、第2の陳列物2を前方から見えないようにするためである。
【0031】
この状態から第2の陳列物2を利用した別の主催者による式に応じた陳列をする場合を説明する。先ず、第1の引出しユニット30における引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上から、それぞれ、第1の陳列物1に対応する各種の調度品を取り払い、引出しユニット棚部34を取り払う。次に、第1の引出しユニット30の壁部31及び引出しユニット側部32を組毎に収容領域23に収容する。この際、主ユニット棚部21上には第1の陳列物1が配置されたままである。引き続き、陳列棚10について、第1の引出しユニット20及び第2の引出しユニット30が主ユニット20の収容領域23に収容されたまま、前後が逆になるように全体を左右に回転させる。これにより、陳列棚10において第2の引出しユニット40が前面を向いていることになる。そして、第2の引出しユニット40の壁部41及び引出しユニット側部42を組毎に引き出して、下の組から上の組になるに従い奥行き方向に高くなるように配置し、必要により壁部41及び引出しユニット側部42に引出しユニット棚部44が組毎に配置される。そして、第2の引出しユニット40における各引出しユニット棚部44、引出しユニット棚部44が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上にそれぞれ、第2の陳列物2に対応する各種の調度品(図示せず)を配置する。これにより、前述の別の主催者の式に応じた陳列が完了する。この状態を示したのが図10である。このとき、第2の陳列物2が陳列に供され、第1の陳列物1が陳列に供されない。仕切り部26が、第1の陳列物1を前方から見えないようにするためである。
【0032】
このように、主ユニット棚部21における第1の領域21aに第1の陳列物1を載せておき、かつ、第2の領域21bに第2の陳列物2を載せておく。その上で、第1の陳列物1を利用しようとするときは、第1の陳列物1が前方を向くように第1の引出しユニット30が前方を向いて配置されて、第1の引出しユニット30が一方の開口部24aから引き出されかつ第2の引出しユニット40の大部分が収容領域23に収容されて、第1の陳列物1が利用に供される。また、第2の陳列物2が前方を向くように第2の引出しユニット40が前方を向いて配置されて、第2の引出しユニット40が他方の開口部24bから引き出されかつ第1の引出しユニット30の大部分が収容領域23に収容されて、第2の陳列物2が利用に供される。
【0033】
よって、陳列棚10の最上段である主ユニット棚部21上に第1の陳列物1、第2の陳列物2を、主催者毎に置き換える必要がない。主ユニット棚部21は、通常、大人の平均身長よりも高く、例えば180cm前後以上であり、かつ第1の陳列物1、第2の陳列物2は、一体当たり左右幅50cm乃至100cm、40kg前後と重量物となるため、置き換えがないことによる効果が絶大である。従来のような階段状態の陳列棚に登って陳列棚の最上段にある陳列物、特に、重量があり左右、上下寸法の長い陳列物を持ちながら階段状の陳列棚を下り、かつ、陳列棚の最下段に仮置きした陳列物、特に重量があり左右、上下寸法の長い陳列物を持ちながら階段状の陳列棚を登り、陳列棚の最上段に陳列物を配置する必要がない。
【0034】
好ましい形態では、陳列棚10において、前飾りユニット50を備えるため、第1の引出しユニット30における各引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部33a上に第1の陳列物1に対応する各種の調度品をそれぞれ配置した状態において、さらに、前飾りユニット50の第1の装飾部51が前を向くように、例えば前飾りユニット50が第1の引出しユニット30の前方に配置される。この状態から第2の陳列物2を利用した別の主催者による式に応じた陳列をする場合には、先ず、前飾りユニット50を第1の引出しユニット50の前から外して、前述したように、第1の引出しユニット30における引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部33a上から、それぞれ、第1の陳列物1に対応する各種の調度品を取り払い、引出しユニット棚部34を取り払う。そして、第2の引出しユニット30における引出しユニット棚部44、引出しユニット棚部44が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上に第2の陳列物2に対応する各種の調度品をそれぞれ配置した後に、前飾りユニット50の第2の装飾部52が前を向くように、前飾りユニット50が第2の引出しユニット40の前方に配置される。
【0035】
前飾りユニット50は、前述のような形態に限定されるわけではなく、第1の装飾部51と第2の装飾部52と設置面に垂直方向、鉛直方向に回転することにより、利用状態の向きが変るような形態であってもよい。これらのような前飾りユニット50により、前飾りユニット50の前後を逆にするように回転させたり、第1の装飾部51と第2の装飾部52との前後を逆にするように回転させたりすれば、式の主催者に応じた陳列を容易にすることができ、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を出来るだけ容易にスタンバイすることができる。よって、前飾りユニット50は、第1の装飾部51と第2の装飾部52とを前後逆向きに有しており、第1の装飾部51が第1の装飾物1に対応しており、第2の装飾部52が第2の装飾物2に対応し、第1の装飾部1とは異なっていればよい。
【0036】
好ましい形態においては、主ユニット棚部21における第1の領域21aと第2の領域21bとを区分けする仕切り部26を備える。図1などに示すように、主ユニット棚部21の前後略中間位置に左右方向及び上下方向に延びる仕切り部26が設けられる。仕切り部26は、主ユニット棚部21に下から固定されている形態であっても、前後の第1の陳列物1及び第2の陳列物2の少なくとも一方に固定されている形態であってもよい。仕切り部26は、第1の陳列物1及び第2の陳列物2の何れか高い方の上下寸法、第1の陳列物1及び第2の陳列物2の何れか左右方向に長い左右寸法を有する。このような構成によれば、第1の陳列物1の左右、上下の寸法が第2の陳列物2の左右、上下の寸法にほぼ同一である必要はなく、デザインのバリエーションが増す。また、仕切り部26は、左右長が主ユニット棚部21の左右長と略同一に設定されており、第1の陳列物1及び第2の陳列物2の高さを超えるように寸法設定されてもよい。これにより、第1の陳列物1、第2の陳列物2の寸法・形状毎に、仕切り部26を取り換える必要がない。
【0037】
仕切り部26は、第1の陳列物1、第2の陳列物2の何れか一方又は双方に組み込まれてもよい。
【0038】
このような仕切り部は、列棚10や第1の陳列物1、第2の陳列物2に固定される必要はなく、図示を省略するが、会場の天井に固定されたレールにより吊り下げられるカーテン、垂れ幕などであってもよい。また、会場の壁や柱などの構造物、内装物へ、仕切りの左右両端で固定されるような仕切りであってもよい。第1の陳列物1を利用する際には、仕切り部が目隠しとなり、第2の陳列物2を利用する際には仕切り部が目隠しとなるからである。
【0039】
本発明の実施形態において、仕切り部は、第1の引出しユニット30が前方を向いて配置されて第1の陳列物1が前方を向いたとき第2の陳列物2が前方から見えないように、かつ第2の引出しユニット40が前方を向いて配置されて第2の陳列物2が前方を向いたとき第1の陳列物1が前方から見えないように、構成される。これにより、主ユニット棚部21上の第1の領域21aに第1の陳列物1を載置しかつ第2の領域21bに第2の陳列物2を載置したままとすることができる。もちろん、第1の領域21a、第2の領域21b上の陳列物の置き換えをしないことを意味するわけではない。主催者毎に、置き換えをする必要がないという意図で解釈さえなければならない。
【0040】
好ましい形態においては、主ユニット側部22(22a,22b)と、第1の引出しユニット30及び第2の引出しユニット40の各底部、具体的には引出しユニット側部32(32a,32b),42(42a,42b)には、図2図5に示すに、旋回自在な回転手段5がそれぞれ設けられている。回転手段5としては、軸まわりに旋回可能なキャスターが挙げられる。これにより、陳列棚10を配置する場所に回転台を設ける必要がない。このような回転手段としてのキャスターは、前飾りユニット50の底部にも設けることが好ましい。
【0041】
ここで、第1の引出しユニット30及び第2の引出しユニット40についてさらに詳細に説明する。
【0042】
第1の引出しユニット30は、
一方の引出しユニット側部32aと、
一方の引出しユニット側部32aに対して左右方向に一定の間隔をあけて設けられた他方の引出しユニット側部32bと、
一方の引出しユニット側部32aの上端部と他方の引出しユニット側部32bの上端部に架け渡されて設けられ、上下方向及び左右方向に延びる壁部31と、
を組として複数備えている。
【0043】
壁部31、一方の引出しユニット側部32a、他方の引出しユニット側部32b、は、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25aの下端よりも低い上端を有する。
【0044】
壁部31、一方の引出しユニット側部32a、他方の引出しユニット側部32bを一組とする隣り合う組同士では、次のような関係を有している。
1)一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bとの左右方向の間隔は、一方の主ユニット側部22a、他方の主ユニット側部22bに近い方が長い。
2)一方の主ユニット側部22aから遠い一方の引出しユニット側部32aは、一方の主ユニット側部22aに近い一方の引出しユニット側部32aと比べて、低い上端を有する。
3)他方の主ユニット側部22bから遠い他方の引出しユニット側部32bは、他方の主ユニット側部22bに近い他方の引出しユニット側部32bと比べて、低い上端を有する。
4)主ユニット20の(前後の)壁部25aから遠い壁部31は、主ユニット20の(前後の)壁部25aに近い壁部31の下端と比べて、低い上端を有する。
【0045】
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25aと複数組におけるそれぞれの(前後の)壁部31とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、複数組におけるそれぞれの一方の引出しユニット側部32a及び他方の引出しユニット側部32bの少なくとも一つのペアが、主ユニット20における収容領域22から開口部24aを介して少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部34がこのペアに係る一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部34とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。さらに好ましくは、主ユニット用棚部21、主ユニット側部22(22a,22b)は一枚の板材、特に、一枚の平板部材で構成される。
【0046】
第2の引出しユニット40は、
一方の引出しユニット側部42aと、
一方の引出しユニット側部42aに対して左右方向に一定の間隔をあけて設けられた他方の引出しユニット側部42bと、
一方の引出しユニット側部42aの上端部と他方の引出しユニット側部42bの上端部に架け渡されて設けられ、上下方向及び左右方向に延びる壁部41と、
を組として複数備えている。
【0047】
壁部41、一方の引出しユニット側部42a、他方の引出しユニット側部42b、は、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25bの下端よりも低い上端を有する。
【0048】
壁部41、一方の引出しユニット側部42a、他方の引出しユニット側部42bを一組とする隣り合う組同士では、次のような関係を有している。
1)一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bとの左右方向の間隔は、一方の主ユニット側部22a、他方の主ユニット側部22bに近い方が長い。
2)一方の主ユニット側部22aから遠い一方の引出しユニット側部42aは、一方の主ユニット側部22aに近い一方の引出しユニット側部42aと比べて、低い上端を有する。
3)他方の主ユニット側部22bから遠い他方の引出しユニット側部42bは、他方の主ユニット側部22bに近い他方の引出しユニット側部42bと比べて、低い上端を有する。
4)主ユニット20の(前後の)壁部25aから遠い壁部31は、主ユニット20の(前後の)壁部25aに近い壁部31の下端と比べて、低い上端を有する。
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25bと複数組におけるそれぞれの壁部31とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、複数組におけるそれぞれの一方の引出しユニット側部42a及び他方の引出しユニット側部42bの少なくとも一つのペアが、主ユニット20における収容領域22から開口部24bを介して少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部44がこのペアに係る一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部44とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。
【0049】
なお、第1の引出しユニット30,第2の引出しユニット40は、何れも、壁部31,41、一方の引出しユニット側部32a,42a、他方の引出しユニット側部32b,42bは、一組の場合であってもよい。
【0050】
この場合、第1の引出しユニット30は、一方の引出しユニット側部32aと、一方の引出しユニット側部32aに対して左右方向に一定の間隔をあけて設けられた他方の引出しユニット側部32bと、一方の引出しユニット側部32aの上端部と他方の引出しユニット側部32bの上端部に架け渡されて設けられ、上下方向及び左右方向に延びる壁部31と、を組として一組備えている。壁部31、一方の引出しユニット側部32a、他方の引出しユニット側部32bは、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25aの下端よりも低い上端を有する。
【0051】
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25aと(前後の)壁部31とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、一方の引出しユニット側部32a及び他方の引出しユニット側部32bが、主ユニット20における収容領域22から少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部34が一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部34とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。
【0052】
第2の引出しユニット40は、一方の引出しユニット側部42aと、一方の引出しユニット側部42aに対して左右方向に一定の間隔をあけて設けられた他方の引出しユニット側部42bと、一方の引出しユニット側部42aの上端部と他方の引出しユニット側部42bの上端部に架け渡されて設けられ、上下方向及び左右方向に延びる壁部41と、を組として一組備えている。壁部41、一方の引出しユニット側部42a、他方の引出しユニット側部42bは、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25bの下端よりも低い上端を有する。
【0053】
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25bと(前後の)壁部41とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、一方の引出しユニット側部42a及び他方の引出しユニット側部42bが、主ユニット20における収容領域22から少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部44が一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部44とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。
【0054】
本発明の実施形態では、陳列棚10が一台の場合で説明しているが、複数の陳列棚10を横に並べて陳列システムとして構成してもよい。また、陳列棚10は第1の陳列物1、第2の陳列物2のほか各種の調度品を載せることにより、祭壇が構成される。
【0055】
なお、本発明の実施形態において、第1の引出しユニット30が収容領域23に収容されているとは、主ユニット20の(前後の)壁部25aと(前後の)壁部31とが平面視で重なり得る状態を意味し、第2の引出しユニット40が収容領域23に収容されているとは、主ユニット20の(前後の)壁部25aと(前後の)壁部41とが平面視で重なり得る状態を意味しており、第1の引出しユニットの壁部31,第2の引出しユニットの壁部41が収容領域23に完全に収まり切れていない状況を含むものとする。
【符号の説明】
【0056】
1:第1の陳列物
2:第2の陳列物
5:回転手段
10:陳列棚
20:主ユニット
21:主ユニット棚部
21a:第1の領域
21b:第2の領域
22(22a,22b):主ユニット側部
23:収容領域
24(24a,24b):開口部
25a,25b:壁部
26:仕切り部
30:第1の引出しユニット
31:壁部
32(32a,32b):引出しユニット側部
33:補強材
33a:第1の補強部
33b:第2の補強部
34:引出しユニット棚部
40:第2の引出しユニット
41:壁部
42(42a,42b):引出しユニット側部
43:補強材
43a:第1の補強部
43b:第2の補強部
44:引出しユニット棚部
50:前飾りユニット
51:第1の装飾部
52:第2の装飾部
53:壁部
54:上面部
55:下面部
56:側面部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-04-04
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】請求項3
【補正方法】変更
【補正の内容】
【請求項3】
第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、
前記第1の装飾部が前記第1の陳列物に対応しており、
前記第2の装飾部が前記第2の陳列物に対応し、前記第1の装飾部とは異なる、請求項1又は2に記載の陳列棚。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の陳列棚は、好ましくは、第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、前記第1の装飾部が前記第1の陳列物に対応しており、前記第2の装飾部が前記第2の陳列物に対応し、前記第1の装飾部とは異なる。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
仕切り部は、第1の引出しユニットが前方を向いて配置されて第1の陳列物が前方を向いたとき第2の陳列物が前方から見えないように、かつ第2の引出しユニットが前方を向いて配置されて第2の陳列物が前方を向いたとき第1の陳列物が前方から見えないように、構成されていることにより、第1の陳列物と第2の陳列物の左右上下の大きさに依存することなく、第1の領域に置かれている第1の陳列物が利用に供される際、第2の陳列物第2の領域に置いたままにすることができ、第2の領域に置かれている第2の陳列物が利用に供される際、第1の陳列物第1の領域に置いたままにすることができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0013】
第1の装飾部と第2の装飾部とを前後逆向きに有する前飾りユニットを、さらに備え、第1の装飾部が第1の陳列物に対応しており、第2の装飾部が第2の陳列物に対応し、第1の装飾部とは異なることにより、前飾りユニットが、主ユニット及び第1の引出しユニットの前に配置されている状態では一方の装飾となる第1の装飾部を前側に向け、主ユニット及び第2の引出しユニットの前に配置されている状態に移行するには、前飾りユニットの前後の装飾を逆にするように例えば回転させればよく、式の主催者に応じた陳列を容易にすることができ、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を出来るだけ容易にスタンバイすることができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0018】
主ユニット20は、左右方向及び奥行き方向に延びる主ユニット棚部21と、主ユニット棚部21を左右で支持する主ユニット側部22(22a,22b)の対とを備える。主ユニット棚部21と主ユニット側部22の対が収容領域23を画成しており、主ユニット20は、収容領域23の前後にそれぞれ開口部24(24aの対を有する。すなわち、一方の開口部24aは、主ユニット棚部21の前後方向の一端部となる壁部25aであって主ユニット側部22aと主ユニット側部22bとの間に架け渡された壁部25aの下端が一方の開口部24aの上端となるように構成されている。他方の開口部は、主ユニット棚部21の前後方向の他端部となる壁部25bであって主ユニット側部22aと主ユニット側部22bとの間に架け渡された壁部25bの下端が他方の開口部24aの上端となるように構成されている。ここで、「主ユニット側部22(22a,22b)の対」が「主ユニット棚部21を左右で支持する」とは、主ユニット棚部21の左右端で主ユニット側部22とそれぞれ接続されているという意味だけでなく、主ユニット棚部21の左右端から左右中央寄りで主ユニット側部22とそれぞれ接続されていることをも含む意図で解釈されなければならない。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0031
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0031】
この状態から第2の陳列物2を利用した別の主催者による式に応じた陳列をする場合を説明する。先ず、第1の引出しユニット30における引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上から、それぞれ、第1の陳列物1に対応する各種の調度品を取り払い、引出しユニット棚部34を取り払う。次に、第1の引出しユニット30の壁部31及び引出しユニット側部32を組毎に収容領域23に収容する。この際、主ユニット棚部21上には第1の陳列物1が配置されたままである。引き続き、陳列棚10について、第1の引出しユニット30及び第2の引出しユニット40が主ユニット20の収容領域23に収容されたまま、前後が逆になるように全体を左右に回転させる。これにより、陳列棚10において第2の引出しユニット40が前面を向いていることになる。そして、第2の引出しユニット40の壁部41及び引出しユニット側部42を組毎に引き出して、下の組から上の組になるに従い奥行き方向に高くなるように配置し、必要により壁部41及び引出しユニット側部42に引出しユニット棚部44が組毎に配置される。そして、第2の引出しユニット40における各引出しユニット棚部44、引出しユニット棚部44が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上にそれぞれ、第2の陳列物2に対応する各種の調度品(図示せず)を配置する。これにより、前述の別の主催者の式に応じた陳列が完了する。この状態を示したのが図10である。このとき、第2の陳列物2が陳列に供され、第1の陳列物1が陳列に供されない。仕切り部26が、第1の陳列物1を前方から見えないようにするためである。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0032
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0032】
このように、主ユニット棚部21における第1の領域21aに第1の陳列物1を載せておき、かつ、第2の領域21bに第2の陳列物2を載せておく。その上で、第1の陳列物1を利用しようとするときは、第1の陳列物1が前方を向くように第1の引出しユニット30が前方を向いて配置されて、第1の引出しユニット30が一方の開口部24aから引き出されかつ第2の引出しユニット40の大部分が収容領域23に収容されて、第1の陳列物1が利用に供される。また、第2の陳列物2が前方を向くように第2の引出しユニット40が前方を向いて配置されて、第2の引出しユニット40が他方の開口部から引き出されかつ第1の引出しユニット30の大部分が収容領域23に収容されて、第2の陳列物2が利用に供される。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0034】
好ましい形態では、陳列棚10において、前飾りユニット50を備えるため、第1の引出しユニット30における各引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部33a上に第1の陳列物1に対応する各種の調度品をそれぞれ配置した状態において、さらに、前飾りユニット50の第1の装飾部51が前を向くように、例えば前飾りユニット50が第1の引出しユニット30の前方に配置される。この状態から第2の陳列物2を利用した別の主催者による式に応じた陳列をする場合には、先ず、前飾りユニット50を第1の引出しユニット0の前から外して、前述したように、第1の引出しユニット30における引出しユニット棚部34、引出しユニット棚部34が配置されない場合には平板状の第1の補強部33a上から、それぞれ、第1の陳列物1に対応する各種の調度品を取り払い、引出しユニット棚部34を取り払う。そして、第2の引出しユニット30における引出しユニット棚部44、引出しユニット棚部44が配置されない場合には平板状の第1の補強部43a上に第2の陳列物2に対応する各種の調度品をそれぞれ配置した後に、前飾りユニット50の第2の装飾部52が前を向くように、前飾りユニット50が第2の引出しユニット40の前方に配置される。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0035
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0035】
前飾りユニット50は、前述のような形態に限定されるわけではなく、第1の装飾部51と第2の装飾部52と設置面に垂直方向、鉛直方向に回転することにより、利用状態の向きが変るような形態であってもよい。これらのような前飾りユニット50により、前飾りユニット50の前後を逆にするように回転させたり、第1の装飾部51と第2の装飾部52との前後を逆にするように回転させたりすれば、式の主催者に応じた陳列を容易にすることができ、日々の主催者毎に、陳列棚に陳列物を出来るだけ容易にスタンバイすることができる。よって、前飾りユニット50は、第1の装飾部51と第2の装飾部52とを前後逆向きに有しており、第1の装飾部51が第1の陳列物1に対応しており、第2の装飾部52が第2の陳列物2に対応し、第1の装飾部51とは異なっていればよい。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
このような仕切り部は、陳列棚10や第1の陳列物1、第2の陳列物2に固定される必要はなく、図示を省略するが、会場の天井に固定されたレールにより吊り下げられるカーテン、垂れ幕などであってもよい。また、会場の壁や柱などの構造物、内装物へ、仕切りの左右両端で固定されるような仕切りであってもよい。第1の陳列物1を利用する際には、仕切り部が目隠しとなり、第2の陳列物2を利用する際には仕切り部が目隠しとなるからである。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0043】
壁部31、一方の引出しユニット側部32a、他方の引出しユニット側部32b、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25aの下端よりも低い上端を有する。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0045
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0045】
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25aと複数組におけるそれぞれの(前後の)壁部31とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、複数組におけるそれぞれの一方の引出しユニット側部32a及び他方の引出しユニット側部32bの少なくとも一つのペアが、主ユニット20における収容領域23から開口部24aを介して少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部34がこのペアに係る一方の引出しユニット側部32aと他方の引出しユニット側部32bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部34とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。さらに好ましくは、主ユニット棚部21、主ユニット側部22(22a,22b)は一枚の板材、特に、一枚の平板部材で構成される。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0047
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0047】
壁部41、一方の引出しユニット側部42a、他方の引出しユニット側部42b、何れも、主ユニット20の前後何れかの壁部25bの下端よりも低い上端を有する。
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0048
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0048】
壁部41、一方の引出しユニット側部42a、他方の引出しユニット側部42bを一組とする隣り合う組同士では、次のような関係を有している。
1)一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bとの左右方向の間隔は、一方の主ユニット側部22a、他方の主ユニット側部22bに近い方が長い。
2)一方の主ユニット側部22aから遠い一方の引出しユニット側部42aは、一方の主ユニット側部22aに近い一方の引出しユニット側部42aと比べて、低い上端を有する。
3)他方の主ユニット側部22bから遠い他方の引出しユニット側部42bは、他方の主ユニット側部22bに近い他方の引出しユニット側部42bと比べて、低い上端を有する。
4)主ユニット20の(前後の)壁部25aから遠い壁部31は、主ユニット20の(前後の)壁部25aに近い壁部31の下端と比べて、低い上端を有する。
よって、主ユニット20の(前後の)壁部25bと複数組におけるそれぞれの壁部31とが平面視で重なり得る状態において、主ユニット20における収容領域23に、一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bの少なくとも一部(実際には大部分ではあるが)が収容することができる。そして、複数組におけるそれぞれの一方の引出しユニット側部42a及び他方の引出しユニット側部42bの少なくとも一つのペアが、主ユニット20における収容領域22から開口部を介して少なくとも部分的に引き出され、引出しユニット棚部44がこのペアに係る一方の引出しユニット側部42aと他方の引出しユニット側部42bとに架け渡されて載置され、主ユニット棚部21と引出しユニット棚部44とが高さ方向及び奥行き方向に異なる位置に配置される。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0056
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0056】
1:第1の陳列物
2:第2の陳列物
5:回転手段
10:陳列棚
20:主ユニット
21:主ユニット棚部
21a:第1の領域
21b:第2の領域
22(22a,22b):主ユニット側部
23:収容領域
24(24a:開口部
25a,25b:壁部
26:仕切り部
30:第1の引出しユニット
31:壁部
32(32a,32b):引出しユニット側部
33:補強材
33a:第1の補強部
33b:第2の補強部
34:引出しユニット棚部
40:第2の引出しユニット
41:壁部
42(42a,42b):引出しユニット側部
43:補強材
43a:第1の補強部
43b:第2の補強部
44:引出しユニット棚部
50:前飾りユニット
51:第1の装飾部
52:第2の装飾部
53:壁部
54:上面部
55:下面部
56:側面部