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  • 特開-除菌消臭マスクケース 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051605
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】除菌消臭マスクケース
(51)【国際特許分類】
   A45C 11/00 20060101AFI20220325BHJP
   A41D 13/11 20060101ALI20220325BHJP
   B65D 85/18 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A45C11/00 U
A41D13/11 Z
B65D85/18 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158003
(22)【出願日】2020-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】591089349
【氏名又は名称】山下 三男
(74)【代理人】
【識別番号】100177921
【弁理士】
【氏名又は名称】坂岡 範穗
(72)【発明者】
【氏名】山下 三男
【テーマコード(参考)】
3B045
3E068
【Fターム(参考)】
3B045BA00
3B045CE05
3B045CE06
3B045DA00
3B045EA02
3B045KA01
3B045KB02
3B045LA10
3B045LB04
3E068AA40
3E068AB02
3E068BB02
3E068CC04
3E068CE02
3E068CE03
3E068CE08
3E068DD17
3E068DE18
3E068EE13
3E068EE40
(57)【要約】
【課題】ケース本体部を硬質部材で構成しつつ、十分な除菌消臭作用を発揮する除菌消臭マスクケースを提供する。
【解決手段】硬質部材で構成されるケース底部11、及び前記ケース底部11に蝶番18,19で連結された硬質部材で構成されるケース蓋部15を備えるケース本体部10と、前記ケース底部11の内側底面13に貼設されてその上にマスク40が載置される、銅板、又は銅を含有するシートで構成される底敷物20と、前記底敷物20のうち前記蝶番側18,19に接合されてマスク40の上に被せられる、銅板、又は銅を含有するシートで構成される中敷物21,22と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
硬質部材で構成されるケース底部、及び前記ケース底部に蝶番で連結された硬質部材で構成されるケース蓋部を備えるケース本体部と、
前記ケース底部の内側底面に貼設されてその上にマスクが載置される、銅板、又は銅を含有するシートで構成される底敷物と、
前記底敷物のうち前記蝶番側に接合されてマスクの上に被せられる、銅板、又は銅を含有するシートで構成される中敷物と、
を備えることを特徴とする除菌消臭マスクケース。
【請求項2】
前記中敷物が複数枚積層され、前記中敷物同士の間にもマスクを挟むことができる請求項1に記載の除菌消臭マスクケース。
【請求項3】
前記ケース蓋部の内側上面に前記中敷物を押えるための突起が設けられている請求項1又は2に記載の除菌消臭マスクケース。
【請求項4】
前記突起が鏡である請求項3に記載の除菌消臭マスクケース。
【請求項5】
前記突起が鏡を設置するための枠である請求項3に記載の除菌消臭マスクケース。
【請求項6】
前記突起が線状又は点状である請求項3に記載の除菌消臭マスクケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除菌消臭作用を有する材料を用い、マスクを清潔に保つことができる除菌消臭マスクケースに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、使用途中のマスクを携帯できるケースを提供することを目的として、特開2015-226738号公報に、使用途中のマスクを収納するスペースを設けたプラスチック製のマスクケースが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-226738号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に開示されているマスクケースでは、仮にプラスチック製のケースに除菌加工等を施しても、ケースとマスクとの間に隙間ができてしまい、ケースとマスクとが接触する面積が小さく、除菌性能を十分に発揮させることができなかった。一方、ケース自体を軟質プラスチックのシートにすることも考えられるが、係る場合、高級感を出すことが難しく外観上好ましくなかった。
【0005】
本発明は、上記の点に鑑みなされたもので、ケース本体部を硬質部材で構成しつつ、十分な除菌消臭作用を発揮する除菌消臭マスクケースを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の除菌消臭マスクケースは、
硬質部材で構成されるケース底部、及び前記ケース底部に蝶番で連結された硬質部材で構成されるケース蓋部を備えるケース本体部と、
前記ケース底部の内側底面に貼設されてその上にマスクが載置される、銅板、又は銅を含有するシートで構成される底敷物と、
前記底敷物のうち前記蝶番側に接合されてマスクの上に被せられる、銅板、又は銅を含有するシートで構成される中敷物と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
本発明の除菌消臭マスクケースによれば、ケース本体部が硬質部材から構成されているものの、ケース本体部の中にマスクを挟むための底敷物と中敷物とが設けられている。また、底敷物と中敷物とが銅板、又は銅を含有するシートで構成されるため、これらの底敷物及び中敷物が除菌消臭(以下、単に「除菌」と称することがある。)作用を有している。これらにより、マスクと、底敷物及び中敷物とを十分に接触させることができ、マスクに対して優れた除菌消臭作用を発揮させることができる。
【0008】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例は、
前記中敷物が複数枚積層され、前記中敷物同士の間にもマスクを挟むことができる。
【0009】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例によれば、除菌作用を発揮させた状態で、マスクを複数枚収納することができる。
【0010】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例は、
前記ケース蓋部の内側上面に前記中敷物を押えるための突起が設けられている。
【0011】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例によれば、突起でマスクと、底敷物及び中敷物とを密着させることができ、除菌作用をより効果的に発揮させることができる。
【0012】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例は、
前記突起が鏡である。
【0013】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例によれば、除菌作用をより発揮させることができることに加えて、使用者が自分の顔を鏡に映すことができる。
【0014】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例は、
前記突起が鏡を設置するための枠である。
【0015】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例によれば、ケース本体部を共通化させつつ、鏡の有無で突起の種類を変えることができる。
【0016】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例は、
前記突起が線状又は点状である。
【0017】
本発明の除菌消臭マスクケースの好ましい例によれば、突起が点状又は線状であるため、ケース蓋部を閉めたときに、突起を中敷物に食い込ませることができる。これにより、収納するマスクの枚数を増やしてもケース蓋部を閉じることができる。
【発明の効果】
【0018】
上述したように、本発明の除菌消臭マスクケースによれば、ケース本体部を硬質部材で構成しながら、十分な除菌性能を発揮させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る除菌消臭マスクケースを説明する図である。
図2】突起に鏡を設置するための枠を用いた除菌消臭マスクケースを説明する図である。
図3】突起が線状であるケース蓋部を説明する図である。
図4】突起が点状であるケース蓋部を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る除菌消臭マスクケース1の実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態の除菌消臭マスクケース1は、ケース本体部10と、底敷物20と、中敷物21,22と、突起30と、を備える。
【0021】
ケース本体部10は、硬質部材で構成され、ケース底部11とケース蓋部15とを備える。ケース底部11は、高さの低い略直方体でありその上面に開口部12が設けられている。この硬質部材として例えば、硬質プラスチック、金属、木、竹等を採用することができる。また、ケース底部11の側面には蝶番18が設けられており、該側面と反対側の側面には被係止部14が設けられる。そして、ケース底部11の中にはマスク40,41が収納される。
【0022】
ケース蓋部15は、上記開口部12を塞ぐものであり、ケース底部11の蝶番18に対応する蝶番19でケース底部11に開閉可能に連結されている。また、ケース蓋部15のうち蝶番19と反対側には上記被係止部14に係止される係止部17が設けられ、ケース底部11とケース蓋部15とが自然には開かないように構成される。
【0023】
底敷物20は、ケース底部11の内側底面13に貼設されてその上にマスク40が載置されるもので、銅板、又は銅を含有するシートで構成されている。この銅によって、マスク40に対する除菌作用を発揮させることができるのである。ここで、銅板には厚さが0.1~2mm程度のものは勿論のこと、銅箔と呼ばれる非常に薄く容易に曲げることができるものも含めて採用することができる。また、銅を含有するシートには、銅粉、銅線、又は銅箔の細かなものを含有させた樹脂製シート、紙、布等を用いることができる。また、含有には樹脂等の素材に銅を練り込むことや、紙、布等の素材に銅を織り込むような場合は勿論のこと、樹脂製シート、紙、布の少なくとも一部に銅を貼設する場合も含まれる。
【0024】
中敷物21,22は、底敷物20のうち蝶番18,19側に接合されてマスク40,41の上に被せられるもので、銅板、又は銅を含有するシートで構成される。ここで、蝶番18,19側に接合されるとは、底敷物20に直接接合される場合のみならず、ケース底部11の内側底面13や、蝶番18が設けられたケース底部11の側面の内面に接合される場合も含めることを意図する。また、銅板、及び銅を含有するシートの説明は、上記の底敷物20と同じであるため省略する。
【0025】
また、中敷物21,22は、適宜必要な枚数を積層させることができる。本実施形態では、中敷物21,22を2枚設けている。係る場合、底敷物20と下側の中敷物21との間だけでなく、下側の中敷物21とと上側の中敷物22との間にもマスク41を挟んで収納することができ、マスク40,41を複数枚収納することができる。なお、本実施形態では底敷物20と中敷物21,22に、軟質プラスチックに銅粉を練り込んだ折曲げ可能なシートを採用している。
【0026】
突起30は、ケース蓋部15の内側上面16に、中敷物21,22を押えるために設けられているものである。本実施形態では、この突起30として鏡30を採用している。また、図2に示す除菌消臭マスクケース2のように、上記の実施形態から鏡30を取除いて、鏡を設置するための枠を突起31として用いることができる。また、図3に示すように線状の突起32を1以上設けることもできる。係る場合、線状の突起32は曲線でもよく、例えば文字、図形、又は動物や風景等の絵でもよい。さらに、図4に示すように点状の突起33を1以上設けることもできる。係る場合、点状の突起33は多角形や星形模様等の幾何学模様でもよい。なお、図2ないし図4では、図1に係る実施形態と同じ構成の箇所には同じ符号を付して、その説明を省略する。
【0027】
なお、突起32,33が図3及び図4に示す線状又は点状である場合、突起32,33の中敷物21,22に接触する面積は、ケース蓋部15の内側上面16の面積のうち0.5~20%が好ましい。これは、中敷物21,22が銅箔や軟質プラスチックシート、紙、布等の折曲げ可能な材料で構成されている場合、突起32,33の占める面積がケース蓋部15の内側上面16に対して少ない方が、ケース蓋部15を閉めたときに突起32,33が中敷物21,22に食い込みやすくなる。そして、突起32,33が中敷物21,22に食い込みやすくなると、突起32,33を高くしてマスク40,41と除菌作用を有する底敷物20及び中敷物21,22との接触を強くさせることができる、又は中敷物21,22の枚数を増やしてマスク40,41の収納枚数を増やすことがことができるためである。もっとも、突起32,33の占める面積があまりにも少なくなり過ぎると、ケース蓋部15を閉めたときに突起32,33が中敷物21,22に刺さって、中敷物21,22を破損させる恐れがある。
【0028】
次に、図1を参照して、本実施形態の除菌消臭マスクケース1の使用方法を説明する。先ずは、ケース蓋部15の係止部17を操作して、ケース蓋部15をケース底部11に対して開ける。次に、マスク40を1枚、底敷物20と中敷物21との間に挟んで収納する。さらに、必要に応じて、マスク41をもう1枚、中敷物21と中敷物22との間に挟んで収納する。次に、ケース蓋部15を閉めて係止部17と被係止部14とを係止させる。すると、ケース本体部10の内部で、突起30である鏡が中敷物21,22を押える。これにより、除菌作用を有する底敷物20と中敷物21,22とが、マスク40,41に広い面積で接触し、優れた除菌性能を発揮することができる。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態の除菌消臭マスクケース1,2によれば、底敷物20と中敷物21、及び中敷物21,22同士の間にマスク40,41を挟んでいる。このため、ケース本体部10が硬質部材で構成されていても、除菌作用を有する底敷物20と中敷物21,22とがマスクに広い面積で接触し、優れた除菌性能を発揮することができる。また、ケース蓋部15に設けられた突起30,31によって、中敷物21,22を押えることができる。これにより、底敷物20及び中敷物21,22と、マスクとの接触をより強くさせることができる。
【0030】
さらに、中敷物21,22に折曲げ可能な銅箔又はシートを採用している場合、かつ突起32,33が線状又は点状の場合、ケース蓋部15を閉めたときに突起32,33が中敷物21,22に食い込み、シートと突起32,33がケース本体部10の内部においてバネのような役割を果たす。これにより、マスク40,41の収納枚数が少ないときにも中敷物21,22を押えることができるとともに、マスク40,41の収納枚数が多いときにはケース蓋部15を無理なく閉めることができるようになる。
【0031】
なお、上述の除菌消臭マスクケースは、本発明の例示であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、その構成を適宜変更することができる。
【符号の説明】
【0032】
1,2・・除菌消臭マスクケース、
10・・ケース本体部、11・・ケース底部、12・・開口部、13・・内側底面、14・・被係止部、15・・ケース蓋部、16・・内側上面、17・・係止部、18,19・・蝶番、
20・・底敷物、21,22・・中敷物、
30(鏡),31,32,33・・突起、
40,41・・マスク、
図1
図2
図3
図4