(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051606
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】バランスアップトレーニング用マット
(51)【国際特許分類】
A47C 27/00 20060101AFI20220325BHJP
A63B 6/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A47C27/00 L
A47C27/00 C
A63B6/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158005
(22)【出願日】2020-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】320009794
【氏名又は名称】小園 恵美
(74)【代理人】
【識別番号】100209668
【弁理士】
【氏名又は名称】樋田 成人
(72)【発明者】
【氏名】小園 恵美
【テーマコード(参考)】
3B096
【Fターム(参考)】
3B096AA02
3B096AC05
(57)【要約】
【課題】人が座ったり仰向け又は横向き又はうつ伏せに寝たりする際、床上に簡易的に敷いて使用する例えばトレーニングマットにおいて、椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者が、尾骨、尾てい骨、仙骨、腰骨などに痛みを感じず、長時間その体勢を保つことができ、加えて身体の姿勢を長時間保ち、身体全体をバランスよく一定体型に保つことができるトレーニングマットを開発し提供すること。
【解決手段】クッション性を有する材質からなるシート上のマットであり、前記マットの中央部近傍に台形状の凹み溝を有し、前記凹み溝には人が前記マット上に仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることに特徴を有するバランスアップトレーニング用マット。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クッション性を有する材質からなるシート上のマットであり、
前記マットの中央部近傍に台形状の凹み溝を有し、
前記凹み溝には人が前記マット上に仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることに特徴を有するバランスアップトレーニング用マット。
【請求項2】
前記マットが、表面から中央部近傍を十字とする縦スリット及び横スリットの切れ込み線を有し、
且つ前記マットには、前記切れ込み線がない下面層若しくは上面層を部分的に有することにより、前記マットが連結されたまま前記切れ込み線を利用して折り畳むことができること
に特徴を有する請求項1に記載のバランスアップトレーニング用マット。
【請求項3】
前記台形状の凹み溝の、台形下底の長さが6cmから11cmであって好ましくは7cm、
前記台形状の台形上底の長さが4cmから8cmであって好ましくは5cm、
前記台形状の高さが11cmから29cmであって好ましくは20cm、
前記台形状の凹み溝の深さが0.7cmから2cmであって好ましくは1.3cmであり、人が仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨若しくは腰骨部が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることことに特徴を有する請求項1乃至2の何れか1項に記載のバランスアップトレーニング用マット。
【請求項4】
前記マットの中央部近傍に台形状の凹み溝を、略同じサイズの楕円形状凹み溝若しくは三角形状の凹み溝若しくは四角形状の凹み溝若しくは二等辺三角形状の凹み溝に変更し、人が仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることに特徴を有する請求項1乃至3の何れか1項に記載のバランスアップトレーニング用マット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主にヨガや筋肉トレーニングの際、床に敷くトレーニング用マットに係り、特に寝た際、尾てい骨や尾骨や仙骨を凹みに落とし込み支え、身体のバランスを保つことに用いることができるシート状のマットに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、人はヨガや筋肉トレーニングの際、板床の上で直接座ったり仰向けや横向きに寝たりはせず、若干クッション性を有するマット(トレーニング用マット)を敷いてその上で行うことが多い。トレーニングマットは厚さや大きさは様々なものがあることは言うまでもない。
【0003】
このトレーニングマットを主として本発明は説明をするが、同じような用途には、介護用や子ども用、就寝用、治療用など種々のマットがあり、本発明においては用途をトレーニング用と限定するものではなく、これらの考え得る用途のマット一般を権利範囲として考えている。しかし本説明においては便宜的に「トレーニング用マット」と統一して表現するものとする。
【0004】
上記トレーニングマットは、このように様々な用途に用いられるが、基本的には人が座ったり、仰向け又は横向きまたはうつ伏せに寝たりする際、床板の硬さによる痛みを避けるため床上に簡易的に敷いて使用するものである。しかし、この使用の際、例えば椎間板版ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者は、トレーニングマットを敷いた上においても、やはり尾骨、尾てい骨、仙骨などに痛みを感じ、長時間その体型を保つことが難しい場合も多い。
【0005】
加えて、上記のような痛みを感じる場合は、身体の姿勢を仰向けや横向きに長時間保つことが難しいばかりか、例えば身体の治療やヨガの稽古のような場合は、身体全体をバランスよく一定体型に保つことは容易ではない。このような問題又は課題に対して、これまでも様々なマットに関する技術検討が下記のように成されてきた。
【0006】
たとえば、特許文献1では、ユーザを支持する支持部及び前記ユーザを支持する前記支持部上に形成される、シート層を含むクッションであって、前記シート層の硬度は、前記支持部の硬度より低く、前記支持部の幅は、前記ユーザの2坐骨結節間の距離より広く、前記シート層の幅は、前記ユーザの臀部の幅より広いクッションに関する技術思想が開示されている。
【0007】
しかし、特許文献1の技術思想は、クッションを利用する人の患部が当たる部分の中央層に周りのクッション材より硬い支持層を設ける技術であり、患部を上手くクッションに落とし込み、且つ支える機能はない。つまり、身体のバランスを保つために身体を支えるためのクッションとしては機能しない。
【0008】
また特許文献2では、第1の樹脂層上に第2の樹脂層を積層した構造を備えるクッション材であって、前記第1の樹脂層は有底又は無底の少なくとも1つの穴部を備え、前記第2の樹脂層は少なくとも前記穴部に対向する領域において前記第2の樹脂層の厚み方向に貫通し所定の交差部で互いに交差する少なくとも3つの線状貫通切り込み溝から各々が構成される少なくとも1つの切り込みパターンを備え、前記切り込みパターンの隣接する前記線状貫通切り込み溝間の領域からなる片持ち梁状の突片及び前記突片の根元と連続する突片領域周辺部が弾性変形可能に構成されており、前記突片及び又は前記突片領域周辺部は前記切り込みパターンに対し鉛直方向の荷重が作用した際に前記穴部の開口縁部及び又は前記穴部の内壁の少なくとも一部を覆うように前記穴部に向けて弾性変形するように構成されていることを特徴とするクッション材に関する技術思想が開示されている。
【0009】
しかしこの技術思想においては、クッション材の中間層に切れ込み線を入れて、その部分が沈み込みやすくされているだけであり、クッション能力を調節するだけの技術にすぎない。また身体の一定部分を抱え込み支える機能はなく、その点についての言及も成されていない。つまり上記の問題に対しての根本的な解決策を提示したことにはなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2018-11956号公報
【特許文献2】特開2020-31981号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記のように、これまでのクッションやトレーニングマットに関する技術もしくは技術的思想では、従来からの問題や課題に対して十分な解決策となるものはない。椎間板ヘルニアなど腰骨部に疾患を有する者や腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の人は、仰向けで寝ている際、尾てい骨が床に当たり、痛くて寝ていられない。つまり、寝ている際、尾てい骨が上手く沈み込み且つ腰部分を柔らかに支えてくれるようなマットが望まれていた。
【0012】
例えば、ヨガの稽古においては、ヨガをするときや床に寝たとき、又は筋肉等のトレーニングにおいては、腹筋トレーニングをしたときに、尾骨や仙骨が出ている人は、その部分に痛みがあり運動をしにくいという問題があった。ヨガや筋肉トレーニングをする際に、上手に身体のバランスがとれなかったり、体重がかかる部分に痛みが出たりという不快感を取り除き、うまくバランスをとってヨガやトレーニングが継続実行しやすくなるマットの発明が望まれていた。
【0013】
基本的には人が座ったり仰向け又は横向きまたはうつ伏せに寝たりする際、床板の硬さによる痛みを避けるため床上に簡易的に敷いて使用する例えばトレーニングマットにおいて、使用の際、例えば椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者は、トレーニングマットを敷いた上においても、やはり尾骨、尾てい骨、仙骨、左右の腰骨部などに痛みを感じ、長時間その体勢を保つことが難しい場合も多い。
【0014】
加えて、上記のような痛みを感じる場合は、身体の姿勢を仰向けや横向きに長時間保つことが難しいばかりか、例えば身体の治療やヨガの稽古のような場合は、身体全体をバランスよく一定体型に保つことは容易ではない。
【0015】
本発明はこうした従来技術上の問題点を解決することを企図したものであり、このような、課題に対して、基本的に人が座ったり仰向け又は横向き又はうつ伏せに寝たりする際、床上に簡易的に敷いて使用する例えばトレーニングマットにおいて、例えば椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者が、尾骨、尾てい骨、仙骨、腰骨などに痛みを感じず、長時間その体勢を保つことができ、加えて、身体の姿勢を長時間保ち、身体全体をバランスよく一定体型に保つことができるトレーニングマットを開発し提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
かかる課題を解決するため、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、クッション性を有する材質からなるシート上のマットであり、前記マットの中央部近傍に台形状の凹み溝を有し、前記凹み溝には人が前記マット上に仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることに特徴を有する。
【0017】
つまり本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、筋肉トレーニングや、ヨガ・介護・育児・体操・就寝・床ずれ防止に利用できるクッション性のあるシート状のマットであり、人がその上に仰向け又は横向き・うつ伏せに寝たり座ったりすることができるシート状の一定の面積及び厚さを有するマットである。その大きさや厚さを限定するものではないが、人が利用する形態を考慮すれば最も好ましい大きさは自ずと推測できる範囲である。
【0018】
より具体的に説明すると、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、一般的に市販されているヨガマット(海外ブランドや国内のもの含めて)では幅60cm、61cmのものが一般的で、少し大きいもので66cmというサイズが見受けられ、アブマット(登録商標)で調べると30cm×36cmと少し小さめなものも対応できる。
【0019】
また材質を限定するものではないが、クッション性を有するマットであるから、材質は、発泡PP(ポリプロピレン)、PVC(塩化ビニル樹脂)、TPE(サーモプラスチックエラストマー)、TPR(熱可塑性エラストナー)、EVA(エチレンビニルアセテート)、発泡ポリエチレン、NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)、AIREX(エアレックスマット登録商標)、EVA樹脂(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)、ウレタン、TPU(熱可塑性ポリウレタン)、超高密度EVA、PU(ポリウレタン樹脂塗布天然皮革)スポンジ、合成皮革、発泡ウレタン、ポリエステル、綿、などが使用可能である。
【0020】
本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、ヨガマットとして使用される素材である例えば発泡ウレタン材などは、弾力があり衝撃吸収力もある。加えて汗をかいても水洗いが可能である。中央部の凹み溝部に尾骨や仙骨が収まり支えられるので痛みが生じない。身体のバランス一定に保つように柔らかく上記骨部を包み込み支えることができる。
【0021】
そして、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットの中央部近傍には、略台形状の凹み溝を有し、利用する者が仰向けに寝た際、その凹み溝に尾骨・尾てい骨又は仙骨をあてがい、柔らかく落とし込むことによって、上記の骨部等の痛みなどを大きく軽減させることができる。座った際も横向きに寝た際も同様である。
【0022】
例えば、横向きに寝る際は、骨盤の左右何れかの腰骨部を台形状の凹み部に落とし込み外周で支えることにより身体全体をバランスよく安定に静止させることができる。マットの中央部分の台形状の凹み溝は、この凹みに仙骨を収めることで仙骨の痛みがなくなる。例えば、ヨガの船のポーズや腹筋のクランチのような体勢になった場合、仙骨に負荷がかかりゴリゴリと床と擦れて上手くバランスが取れなかったり痛みで腹筋に集中できなかったりという事態を防ぐことができる。
【0023】
仙骨の数は人によって3〜6個と個人差があり、この仙骨部分が出ている者はこういった体勢の時にこの骨が邪魔になる。イメージ例としてはビー玉を1つ腰と床の間に入れているような感じとなる。
【0024】
更に、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、前記マットが、表面から中央部近傍を十字とする縦スリット及び横スリットの切れ込み線を有し、且つ前記マットには、前記切れ込み線がない下面層若しくは上面層を部分的に有することにより、前記マットが連結されたまま前記切れ込み線を利用して折り畳むことができる態様をとることもできる。
【0025】
つまり、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、略シート状全体を中央部近傍を十字クロスする切れ込みを有することによって、二方向に任意に折りたたむことができる(
図2参照)。この切れ込みスリットを有する部分は、例えば本発明に係るバランスアップトレーニング用マットの上層部であるマット本体層であり、マットの下面層を形成する例えばラミネート材質部分は切れ込みスリットを有さず連結されている部分があるため、この下面層がつながった状態でシート全体がバラけることがなくきれいに一定サイズで折りたたむことができる。もちろん表面層にも下面層にもラミネート層があってもよいし、また、ラミネート層なしでも連結していてバラけることがない素材であればラミネート層なしでもよいことは言うまでもない。本発明に係るバランスアップトレーニング用マットの例えば四つ折りに連結されたまま折り畳む形態は、切れ込みスリットの深さや長さ及び位置等種々の態様により任意に構成し活用することができる。
【0026】
本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、例えば、半分に折り畳んで、ヨガ座禅のポーズの際にお尻の下に敷いたり、プランクポーズや三日月のポーズの際に肘や膝の下に敷くことにより、クッション性が増し肘・膝の痛みや負荷を軽減することができる。
【0027】
つまり、本マットは上記凹み溝を中心とする線で折り畳み分割できる構造であるため、折りたたむことによって凹み溝が邪魔にならないマットとしても機能することができる。4つに折り畳んで、ヨガブロックのように使用することもできる。そして繰り返すが、小さく折り畳み、コンパクトになるので、持ち運び等取り扱いも便利なトレーニングマットとして機能する。
【0028】
例えば、筋肉トレーニングでの腹筋トレーニング用としては2つ折りで利用することもできる。折り畳まないマットを使うか、折り畳んで使うかは任意に利用者が用途に応じて選択できる。トレーニング用だけではなく素材を変えれば寝たきりの方の床ずれ防止マットとしても活用できる。
【0029】
次に、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットのサイズに言及するが、前記台形状の凹み溝の、台形下底の長さは、約6cmから約11cmであって好ましくは約7cm、前記台形状の台形上底の長さは、約4cmから約8cmであって好ましくは約5cm、前記台形状の高さは、約11cmから約29cmであって好ましくは約20cm、前記台形状の凹み溝の深さは、約0.7cmから約2cmであって好ましくは約1.3cmであり、人が仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨若しくは左右の腰骨部が落とし込まれて身体全体をバランスよく支える特徴をも有することができる。
【0030】
上記台形状の凹み溝部の寸法は、身長が153cmで中肉中背である発明者が、好適であると判断した寸法である。上記寸法は、人がマット上に仰向けに寝た際、尾てい骨又は尾骨又は仙骨が凹み溝部にフィットして沈み込み、身体が安定したバランスをとることができる最適な寸法である。身長の大きな人や大柄な人だと小さく感じる場合がある等、少し幅をもたせたサイズ感が必要であることは言うまでもない。
【0031】
本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、前記マットの中央部近傍に台形状の凹み溝を、略同じサイズの楕円形状凹み溝若しくは三角形状の凹み溝若しくは四角形状の凹み溝若しくは二等辺三角形状の凹み溝に変更し、人が仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支える態様をとることもできる。
【0032】
本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、その凹み溝部の形状を、台形に限定せず、四角形状又は三角形状又は楕円形状とした場合も権利範囲として主張する。本発明に係るバランスアップトレーニング用マットの凹み溝部の寸法は、三角形状の場合は、辺の長さが約3cmから約29cmであって好ましくは約7cm、楕円形状の場合は、長径の長さが約13cmから約29cmであって好ましくは約20cm、短径の長さが約3cmから約10cmであって好ましくは約6cmが推奨できる。同様に、二等辺三角形状であってもよい。
【0033】
上記のように、本発明に係るバランスアップトレーニング用マットは、いずれの形態もとることが可能であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本技術思想の一部であることを主張する。
【発明の効果】
【0034】
本発明によれば、人が座ったり仰向け又は横向き又はうつ伏せに寝たりする際、床上に簡易的に敷いて使用する例えばトレーニングマットにおいて、椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者が、尾骨、尾てい骨、仙骨、腰骨などに痛みを感じず、長時間その体勢を保つことができ、加えて、身体の姿勢を長時間保ち、身体全体をバランスよく一定体型に保つことができるトレーニングマットを開発し提供することができる。
【0035】
しかも本発明は、通常に使用されるトレーニングマットを若干改造するだけで対応が可能であるため、製造においても製作作業性を格段に向上させつつ、安価で経済効率も格段に向上させることの可能なトレーニングマットが実現される。したがって、既に述べた課題及び問題を余儀なくされていた現状に対して、根本的な解決策が与えられることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの全体イメージを示した斜視概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの折り畳みイメージを示した概念図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの凹み溝の寸法のイメージを示した概念図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの楕円形状の凹み溝のイメージを示した概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。なお、以下では本発明の目的を達成するための説明に必要な範囲を模式的に示し、本発明の該当部分の説明に必要な範囲を主に説明することとし、説明を省略する箇所については公知技術によるものとする。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの全体イメージを示した斜視概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1は、略四角形状のシートマットであって、略中央部に台形状の凹み溝部10を有する。シートマットの厚さは限定しないが、例えば上部のマット本体層11と下面層12とから構成されおり、下面層12は薄いラミネートシートであってもよい。図では省略しているが、表面にラミネートシート層があってもよい。
【0039】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1は、筋肉トレーニングや、ヨガ・介護・育児・体操・就寝・床ずれ防止に利用できるクッション性のあるシート状のマットであり、人がその上に仰向け又は横向き・うつ伏せに寝たり座ったりすることができる。
【0040】
略中央部の台形状の凹み溝部10は、マット本体層11を略台形状にくり抜いた態様である。この台形状の凹み溝部10は、人が仰向け又は横向き・うつ伏せに寝たり座ったりする際、例えば椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者が、尾骨、尾てい骨、仙骨、腰骨などを落とし込み、支える態様をとることにより、痛みを感じず、長時間その体型を保つことができ、加えて、身体の姿勢を長時間保ち、身体全体をバランスよく一定体型に保つことができる。
【0041】
略中央部の台形状の凹み溝部10は、マット本体層11の厚さの略中間部までの深さで、くり抜いた態様であって、その切断斜面の傾斜は任意であってよい。つまり切断面の傾斜は、凹み溝部の底面17に向かって直角状の傾斜であってもよいし、またプラス傾斜であってもよいし、マイナス傾斜であってもよい。
【0042】
本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1の材質や大きさについては既に記載したが、それらは、好ましい態様であって特に本発明を狭く限定するものではない。但し、請求項3においては寸法を主張する。
【0043】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1には略中央部においてクロスする縦スリット14及び横スリット15の切れ込みを有している。この切れ込みスリットの深さは、マット本体層11までであって、薄い層である下面層12にはスリット切断がなくつながったシート状になっている部分がある。よって、この縦スリット14及び横スリット15の切れ込みを利用して本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1は折り畳むことができる。例えば、表面層からスリットがあれば下面層は切れ込みなしで貫通していない。下面層からスリットがあれば表面層は切れ込みなしで貫通していない。これは、表面層に縦スリット、下面層に横スリット、若しくは逆の組み合わせでもよいし、縦と横どちらかのスリット半分は貫通していることにより、四つ折りに折り畳むことができる。これは、任意に適用することができるもので、本発明においては、縦か又は横か、及び貫通の有無を位置又は寸法として限定するものではない。
図1、2、3、4に描かれた縦横スリット線及びその深さは一例を形式的に示したものにすぎず、表面層にラミネート層を有する場合も含めて、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット全体をバラバラにさせず四つ折りに畳むことができる縦横スリットを構成させることは種々の折り畳み方式が可能であることは言うまでもない。
【0044】
繰り返しとなるが、薄い層である下面層12と同等のラミネート層がマット本体層11の上面にラミネートされていてもよいが、その場合は上面のラミネート層は、縦スリット14及び横スリット15の切れ込みを上記のように考慮すればよいことになる。
【0045】
図2は、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの折り畳みイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マット1は、説明用に
図1及び
図2に図示したA面とB面を横スリット15で2つに折りたたみ、同様にC面とD面を縦スリット14で折り畳むことができる。小さく折り畳み、コンパクトになるので、持ち運び等取り扱いも便利なトレーニングマットとして機能する。
【0046】
図3は、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの凹み溝の寸法のイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの台形状の凹み溝の、台形下底21の長さは、約6cmから約11cmであって好ましくは約7cm、台形状の台形上底22の長さは、約4cmから約8cmであって好ましくは約5cm、前記台形状の高さは、約11cmから約29cmであって好ましくは約20cmである。
【0047】
台形状の凹み溝の深さは、約0.7cmから約2cmであって好ましくは約1.3cmであり、人が仰向けに寝た際、尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨が落とし込まれて身体全体をバランスよく支えることができる。クッション性よく柔らかく尾てい骨若しくは尾骨若しくは仙骨若しくは腰骨等を包み込み柔らかく身体全体を固定させることができる。
【0048】
図4は、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの楕円形状の凹み溝のイメージを示した概念図である。同図に示すように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの台形状の凹み溝部10は、台形状にこだわらず略楕円形状の凹み溝部16であってもよい。その寸法深さは、楕円形長径の長さが約13cmから約29cmであって好ましくは約20cm、短径の長さが約3cmから約10cmであって好ましくは約6cmが推奨できる。
【0049】
同様に、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットの凹み溝部の形状は、四角形状又は三角形状又は二等辺三角形状であってもよい。上述の説明と同じ構造であって本形態の説明に特に必要となるものでない要素については図示及び説明を省略する。
【0050】
なお、上記のように、本発明の一実施形態に係るバランスアップトレーニング用マットは、いずれの形態もとることが可能であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することが可能である。これらはすべて、本発明の技術思想の範囲内のものである。
【産業上の利用可能性】
【0051】
上述したように、本願に係る発明によれば、基本的に人が座ったり仰向け又は横向き又はうつ伏せに寝たりする際、床上に簡易的に敷いて使用する例えばトレーニングマットにおいて、例えば椎間板ヘルニアのような腰骨部に疾患を有する者や、腰骨又は尾骨・仙骨が若干突出している痩せた体型の者が、尾骨、尾てい骨、仙骨、腰骨などに痛みを感じず、長時間その体型を保つことができ、加えて、身体の姿勢を長時間保ち、身体全体をバランスよく一定体型に保つことができるトレーニングマットを提供することができる。
【0052】
また、本発明は、通常に使用されるトレーニングマットを若干改造するだけで対応が可能であるため、製造においても製作作業性を格段に向上させつつ、安価で経済効率も格段に向上させることの可能なトレーニングマットが実現される。
【0053】
したがって、本発明は、ヨガやトレーニングに限定されることなく、介護・治療・育児等あらゆる用途に対しても利用・適用可能である。よって、本願は、各種産業に対して大きな有益性をもたらすものである。
【符号の説明】
【0054】
1 バランスアップトレーニング用マット
10 台形状の凹み溝
11 マット本体層
12 下面層
13 マット表面
14 縦スリット
15 横スリット
16 楕円形状の凹み溝(部)
17 凹み溝(部)の底面
21 台形の寸法(下底)
22 台形の寸法(上底)
23 台形の寸法(高さ)