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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051608
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】紫外線カットフィルター
(51)【国際特許分類】
   A61L 9/20 20060101AFI20220325BHJP
   G02B 5/20 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A61L9/20
G02B5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158007
(22)【出願日】2020-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】513276547
【氏名又は名称】木原 倫文
(74)【代理人】
【識別番号】100108545
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 元廣
(72)【発明者】
【氏名】木原 倫文
【テーマコード(参考)】
2H148
4C180
【Fターム(参考)】
2H148AA07
2H148AA11
2H148AA18
2H148AA21
4C180AA07
4C180DD03
4C180HH05
4C180HH11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】空気中の細菌やウイルスを、紫外線(UV-C)を照射して殺し、清浄化された空気を器外に排出する空気清浄器に設置されて、器内に外の空気を吸入したり、器外に清浄化された空気を排出できるように、空気を通過させることができ、かつ、有害な紫外線を遮断して、これが器外に漏洩するのを防止することができる、コンパクトで、構造が簡単で、安価な、紫外線カットフィルターを提供する。
【解決手段】対向する両側端開口部にメッシュ4がそれぞれ取り付けられたフィルターボックスの内部に、ソーダガラス玉、セラミックス玉、金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成された複数個の玉が複数層、積層して充填されており、これが、空気吸入通路や空気排出通路に設置されて、これらの通路を通り、空気は通過するが、有害な紫外線は透過しないようにされている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
器内に外の空気を吸入し、前記器内にて、吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを、紫外線(UV-C)を照射して殺し、清浄化された空気を器外に排出する空気清浄器に設置される紫外線カットフィルターであって、
多角箱状もしくは円形筒状のフィルターボックスの対向する両側端開口部に、メッシュがそれぞれ取り付けられ、
前記フィルターボックスの内部に、球状もしくは多面体状の複数個の玉が、複数層、積層して充填され、
前記複数個の玉は、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉、セラミックスで作られたセラミックス玉及び金属で作られた金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成されており、
前記器内に外の空気を吸入する通路や、前記器外に清浄化された空気を排出する通路に設置されて、前記通路を通り、有害な紫外線(UV-C)が前記器外に漏洩するのを防止しながら、空気は通過することができるようにされている
ことを特徴とする紫外線カットフィルター。
【請求項2】
多角箱状もしくは円形筒状のフィルターボックスの対向する両側端開口部に、メッシュがそれぞれ取り付けられ、
前記フィルターボックスの内部に、球状もしくは多面体状の複数個の玉が、複数層、積層して充填され、
前記複数個の玉は、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉、セラミックスで作られたセラミックス玉及び金属で作られた金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成されており、
有害な紫外線(UV-C)が透過するのを防止しながら、空気は、通過することができるようにされている
ことを特徴とする紫外線カットフィルター。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願の発明は、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線(UV-C)を照射して、器内に吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを殺す空気清浄器に設けられ、空気清浄器の外部への紫外線(UV-C)の漏洩を防ぎながら、空気は通過できるようにした、紫外線カットフィルターに関する。
【背景技術】
【0002】
空気中には、風邪やインフルエンザ等の病気の発生の原因となる有害な菌やウイルスが浮遊している。
人は、呼吸とともにこれらの菌やウイルスを吸い込み、発病することがある。特に、室内や車の中等の密閉空間で、保菌者とともに居ると、発病の危険性は高まる。
室内の空気中の菌やウイルスを殺す方法の一つとして、室内の空気を、空気清浄器内に吸入し、器内に取り込んだ空気に、殺菌効果の高い、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線を含むUV-Cに区分される紫外線(以下、紫外線(UV-C)と記す。)を照射して、菌やウイルスを殺して、清浄化された空気を器外に排出することにより、室内の空気を清浄化する方法がある。
しかしながら、この方法では、紫外線(UV-C)が器外に漏洩して、皮膚に当たったり、漏洩した紫外線を直視したりすると、皮膚の炎症を起こしたり、目を悪くしたりする危険性がある。
【0003】
特開2016-32620号公報(特許文献1)には、紫外線(UV-C)の器外への漏洩を防止して、前記のような危険性を除去した空気清浄器が記載されている。
この空気清浄器においては、内部に紫外線ランプを備えた箱の中に、箱の一方端から空気を吸い込み、箱の中で、紫外線(UV-C)を照射して、空気中に含まれた菌やウイルスを殺して、箱の他方端から清浄化された空気を排出するようにしている。
そして、その紫外線(UV-C)の器外への漏洩を防止するために、空気清浄器の空気吸入口(吸気口)の後流側や空気排出口(排気口、吹き出し口)の上流側に、複数枚の遮光板(衝立板)を間隔を開けて設けていて、これにより、紫外線(UV-C)を遮断し、これが器外に漏洩するのを防止しながら、遮光板と遮光板との間の空間を空気が通過できるようになっている。
【0004】
しかしながら、この文献記載の空気清浄器においては、遮光板は、紫外線の漏洩を防止しつつ空気を通す通路を確保するために、複数枚必要となり、それらの遮光版と遮光板との間に間隔を開け、しかも、遮光板の切欠き部(空気を通す部分)が互い違いになるようにして配列しなければならず、遮光板の列は、最低でも2列、用心して3列は並べなければならないので、そのためのスペースが必要となり、装置が大型化する。
また、遮光板の表面で紫外線(UV-C)が反射するのを防ぐための塗装等の手段も必要であり、その分コストがかかる。
【0005】
また、紫外線を遮断もしくは人体への照射を回避する方法として、従来より、各種の紫外線カットフィルターが提案されている。
例えば、特開2013-253361号公報(特許文献2)に記載されているような、ガラス板の表面に、蒸着法により紫外線カットコートを蒸着させたり、特開2008-34350号公報(特許文献3)に記載されているような、ガラスの表面に、インジウムがドープされた酸化亜鉛微粒子からなる紫外線カット材料を塗布して、紫外線カット皮膜を形成するといった方法が、代表的な紫外線カットフィルターの製造方法であるが、このようにして製造された紫外線カットフィルターは、製造コストが高いばかりではなく、それ自体が空気を通すことができないという点で、本願の発明とは全く異なり、これを空気清浄器に設置するのには適さないものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016-32620号公報
【特許文献2】特開2013-253361号公報
【特許文献3】特開2008-34350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本願の発明は、従来の空気清浄器や紫外線カットフィルターが有する前記のような問題を解決して、空気清浄器に設置することができて、その器内に外の空気を吸入したり、器外に排出できるように、空気を通過させることができ、かつ、有害な紫外線(UV-C)を遮断して、これが器外に漏洩するのを防止することができる、コンパクトで、構造が簡単で、安価な、紫外線カットフィルターを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記のような課題は、本願の特許請求の範囲の各請求項に記載された次のような発明により解決される。
すなわち、その請求項1に記載された発明は、器内に外の空気を吸入し、前記器内にて、吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを、紫外線(UV-C)を照射して殺し、清浄化された空気を器外に排出する空気清浄器に設置される紫外線カットフィルターであって、多角箱状もしくは円形筒状のフィルターボックスの対向する両側端開口部に、メッシュがそれぞれ取り付けられ、前記フィルターボックスの内部に、球状もしくは多面体状の複数個の玉が、複数層、積層して充填され、前記複数個の玉は、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉、セラミックスで作られたセラミックス玉及び金属で作られた金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成されており、前記器内に外の空気を吸入する通路や、前記器外に清浄化された空気を排出する通路に設置されて、前記通路を通り、有害な紫外線(UV-C)が前記器外に漏洩するのを防止しながら、空気は通過することができるようにされていることを特徴とする紫外線カットフィルターである。
【0009】
また、その請求項2に記載された発明は、多角箱状もしくは円形筒状のフィルターボックスの対向する両側端開口部に、メッシュがそれぞれ取り付けられ、前記フィルターボックスの内部に、球状もしくは多面体状の複数個の玉が、複数層、積層して充填され、前記複数個の玉は、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉、セラミックスで作られたセラミックス玉及び金属で作られた金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成されており、有害な紫外線(UV-C)が透過するのを防止しながら、空気は、通過することができるようにされていることを特徴とする紫外線カットフィルターである。
【発明の効果】
【0010】
本願の発明は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
本願の発明の紫外線カットフィルターは、対向する両側端開口部にメッシュがそれぞれ取り付けられた多角箱状もしくは円形筒状のフィルターボックスの内部に、球状もしくは多面体状の複数個の玉が、複数層、積層して充填されており、しかも、これら複数個の玉は、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉、セラミックスで作られたセラミックス玉及び金属で作られた金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせて構成されている構造であり、これが、空気清浄器内に外の空気を吸入する通路や、空気清浄器外に清浄化された空気を排出する通路に設置されているので、空気清浄器内に吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを殺すために照射される、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線が含まれる紫外線(UV-C)は、紫外線カットフィルターのフィルターボックスの内部に充填されたこれら複数個の玉によって吸収され、反射され、さらに吸収されることによって、遮断され、紫外線カットフィルターを透過することができない。これにより、有害な紫外線(UV-C)が、紫外線カットフィルターを通って器外に漏洩するのを防止することができる。
他方、空気は、前記複数個の玉の、玉と玉との隙間を通って紫外線カットフィルターを通過することができるので、紫外線カットフィルターを通して、外の空気を器内に吸入したり、紫外線(UV-C)により殺菌されて清浄化された空気を器外に排出したりすることができる。
【0011】
加えて、この紫外線カットフィルターは、前記のような簡単な構造であるので、コンパクトで、安価に製造することができる。
さらに、複数個の玉が、複数層、積層して充填されているので、紫外線カットフィルターは、その構造がさらに簡単になり、紫外線の遮断効果も向上する。
【0012】
また、この紫外線カットフィルターは、前記のとおり、有害な紫外線(UV-C)が器外に漏洩するのを防止しながら、空気は、これを通過して器外に排出したり、器内に吸入したりすることができるので、これが、空気清浄器内に外の空気を吸入する通路や、空気清浄器外に清浄化された空気を排出する通路に設置されると、従来、同じ目的で用いられていた遮光板(衝立板)等の手段が不要になり、その分、空気清浄器がコンパクトになり、構造が簡単になり、安価に製造することができ、空気抵抗が小さくなる分、ファンも小型化が可能であるので、騒音も小さくすることができる。
【0013】
また、一般に、窓ガラスは、ソーダガラスでできているが、例えば、厚さ4ミリメートルの窓ガラスでは、紫外線(UV-C)の透過率はゼロであり、紫外線(UV-C)は、ソーダガラスに吸収されて、これを透過することができない。
よって、前記複数個の玉が、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉から構成される場合には、紫外線(UV-C)は、これら複数個のソーダガラス玉により良く吸収されるので、さらに効果的に紫外線(UV-C)を遮断して、紫外線(UV-C)が、紫外線カットフィルターを透過するのをさらに効果的に防止することができる。
なお、ソーダガラス玉は、可視光線は透過させるため、紫外線ランプが点灯していると、紫外線と一緒に照射されている青白い可視光線が紫外線カットフィルターを通して見えるので、紫外線ランプの点灯やランプ切れを確認することもできる。
【0014】
また、前記複数個の玉は、セラミックスもしくは金属で作られたセラミックス玉もしくは金属玉から構成されても良く、この場合には、材料自体が、紫外線(UV-C)を遮断して、紫外線(UV-C)が、紫外線カットフィルターを透過するのを防止する上に、振動や衝撃が加わるような環境においても、これを使用することができる。
【0015】
さらに、紫外線カットフィルターのフィルターボックスの内部に複数層、積層して充填される前記複数個の玉は、これらソーダガラス玉、セラミックス玉及び金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせ、混ぜ合わせて構成されても良く、このようにされる場合には、それぞれの種類の玉の特性を生かして、性能と耐久性に優れた紫外線カットフィルターを製作することができる。
その組み合わせ方としては、同じ層には同じ種類の玉を用いるようにして、複数の層を積層するようにしても良いし、異なる層でも、同じ種類の玉を適当数ずつ分散させて用いるようにしても良く、種々の組み合わせ方があり得る。
【0016】
また、この紫外線カットフィルターは、前記のとおり、有害な紫外線(UV-C)は遮断するが、空気は通過させるという作用を有するので、この特徴を生かして、同様の作用が求められる各種の用途に応用が可能である。例えば、紫外線ランプを設置する箱の排熱口にも設置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本願の発明の実施例の紫外線カットフィルターの斜視図である。
図2】同紫外線カットフィルターの縦断面図である。
図3】同紫外線カットフィルターの下ケースの斜視図である。
図4】同紫外線カットフィルターの下ケースに複数個のガラス玉が充填された状態の斜視図である。
図5】同紫外線カットフィルターの上ケースの斜視図である。
図6】同複数個のガラス玉の積層構造を示す図であって、ガラス玉とガラス玉との間を空気が通るところを示す図である。
図7】同紫外線カットフィルターが設置された空気清浄器の斜視図である。
図8】同空気清浄器の構成部品であるダクト箱の斜視図である。
図9】同空気清浄器の構成部品である紫外線ランプ箱から天板部を外した状態の斜視図である。
図10】同空気清浄器の天板部と正面側の正面板部とを外した状態の斜視図である。
図11】同空気清浄器の図7で示すA-A断面から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施例1)
次に、本願の発明の紫外線カットフィルターの一実施例(実施例1)を、図面を参照して、詳細に説明する。
本実施例1の紫外線カットフィルターは、主に空気清浄器に設置して用いられる。
この空気清浄器は、器内に外の空気を吸入し、器内にて、吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを、紫外線(UV-C)を照射して殺し、このようにして清浄化された空気を器外に排出するようになっている。
以下においては、先ず、紫外線カットフィルターについて説明し、次いで、これを設置した空気清浄器について説明する。
【0019】
(紫外線カットフィルター、その基本構造)
図1は、本実施例1の紫外線カットフィルターの斜視図であり、図2は、その縦断面図である。
図1及び図2に示されるように、この紫外線カットフィルター1は、四角皿状の下ケース3(詳細には、図3参照)の上から、同じく四角皿状の上ケース2(詳細には、図5参照)を缶の蓋のように嵌め込んで形成された、全体として、やや扁平な四角箱体のボックスのような形状をしており、その内部に、複数個のガラス玉6が充填されて構成されている。
上ケース2及び下ケース3の形状は、四角皿状に限られず、多角皿状であれば良く、また、円形皿状とされても良い。したがって、ボックス(フィルターボックス)の形状も、四角箱状に限られず、多角箱状であれば良く、また、円形筒状とされても良い。
【0020】
(上ケース、下ケース)
次に、上ケース2と下ケース3について、さらに詳しく説明する。
上ケース2及び下ケース3は、図5及び図3に示されるように、比較的底が浅く、それらの底壁は、大きく打ち抜かれて、そこに大きな開口部が形成されており、それらの開口部に、金属製のメッシュ4が、それぞれ堅く張られて取り付けられている。上ケース2の底は、上ケース2が下ケース3の蓋となれば良いので、下ケース3の底よりもかなり浅い。
したがって、紫外線カットフィルター1のフィルターボックスが、上ケース2と下ケース3とを前記のようにして組み立てて完成されたとき、上ケース2のメッシュ4と下ケース3のメッシュ4とは、フィルターボックスの対向する両側端(図2において、右側端及び左側端)の開口部に、それぞれ取り付けられている。
【0021】
メッシュ4は、ここでは、これらの図に示されるように、パンチングメタル状のものとされているが、これに限られず、多数本の金属線が、同様の形状に編まれたり、直角に交差するように組まれたり、したものとされても良い。
いずれの場合においても、メッシュ4の網の目にガラス玉6が落ち込んで、これにより、後述する空気の流れ(図6参照)が妨げられるようなことにならないように、網の目の大きさと密度(単位面積当たりの個数)が適切に選定されなければならない。
【0022】
上ケース2には、また、紫外線カットフィルター1を空気清浄器9(図7参照)に取り付けるための取付け足5が備えられている。この取付け足5は、図1に示されるように、上ケース2の底壁に前記のようにして打ち抜き形成された開口部を囲み、該底壁の残部をなす矩形の枠状体(以下、「開口部を囲む矩形の枠状体」という。下ケース3について同様。)2aの、図1において下方2個所の角部に、それぞれ取り付けられている。
紫外線カットフィルター1を空気清浄器9に取り付ける態様については、後述する。
【0023】
(フィルターボックス内部への玉の充填、積層構造)
紫外線カットフィルター1のフィルターボックスの内部には、図2に示されるように、球状の複数個のガラス玉6が、左右方向に複数層(図2においては3層)、積層して充填されている。
この場合、これら複数個のガラス玉6の層は、隣接する層間で、位相が重ならないように、位相を異にして、充填されている。そして、フィルターボックスの対向する両側端の開口部にそれぞれ取り付けられたメッシュ4により、両側から支えられるようにして保持されている。
また、これら複数個のガラス玉6は、ソーダガラスで作られたものとされている。
なお、ガラス玉6の形状は、球状のものに限られず、多面体状のものとされても良い。
【0024】
図4は、下ケース3に、複数個のガラス玉6が充填されている状態を示す斜視図であり、図2の上ケース2が外された状態で、紫外線カットフィルター1のフィルターボックスを斜め上から見ている。
図4図3には示されていないが、下ケース3の内側面には、必要に応じて、これらのガラス玉6が動かないようにするために、ガラス玉保持具が備えられる。ここで、下ケース3の内側面とは、その周囲4枚の周壁の内側面や、その開口部(メッシュ4が取り付けられる個所)を囲む矩形の枠状体3a(図3参照)の内側面などである。
【0025】
(紫外線カットフィルターの作用)
図6は、複数個のガラス玉6の積層構造の中で、ガラス玉6とガラス玉6との間を空気が通過して行くところを示した図である。
図6の下側から流れて来た空気7は、充填された複数個のガラス玉6のうち、互いに隣接するガラス玉6とガラス玉6との間の空間を通って、図の上方に通過して行く。
これに対して、直進する紫外線(UV-C)8は、充填された複数個、複数層のガラス玉6のガラスに吸収され、また、該ガラス玉6の表面で反射された一部の紫外線(UV-C)8は、隣接するガラス玉6のガラスに吸収されることにより、遮断されて、図の上方に照射されない(透過しない)。
特にガラス玉6は、ソーダガラスで作られており、紫外線(UV-C)8の吸収性能に優れているので、紫外線(UV-C)8を効果的に遮断することができる。
【0026】
(空気清浄器、その基本構造)
図7は、本実施例1の紫外線カットフィルター1が設置された空気清浄器9の斜視図であり、図10は、その天板部と正面側の板部とが外された状態での、同様の図である。
図7及び図10に示されるように、空気清浄器9は、全体として、細長い四角箱体の形状をなしていて、その構造は、あらまし、紫外線ランプ箱13(詳細には、図9参照)をダクト箱14(詳細には、図8参照)の上に乗せるようにして重ね、紫外線ランプ箱13をダクト箱14に取り付けることにより構成されている。
【0027】
ここで、紫外線ランプ箱13は、その対向する両側端(図7図9図10において、左下側端と右上側端)が、器外の空気7を器内に取り入れるための通気口とされており、それらの通気口に、前記した、紫外線カットフィルター1が、それぞれ嵌め込まれて取り付けられている。
よって、紫外線カットフィルター1は、ここでは、空気吸入口(吸気口)としての機能を兼ねている。
【0028】
紫外線カットフィルター1を通って器内に吸入された空気7は、そこで、紫外線(UV-C)8の照射を受けて、その中を浮遊する細菌やウイルスが殺され、清浄化された空気7が、紫外線ランプ箱13とダクト箱14との間に形成される内部空間を通って、空気清浄器9の上部後側に開口する吹出し口12から器外に排出される。
他方、照射された紫外線(UV-C)8は、前記のとおり、紫外線カットフィルター1を透過することができず、有害な紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を通って器外に漏洩するのが防止される。
なお、照射された紫外線(UV-C)8が、紫外線ランプ箱13とダクト箱14との間に形成される内部空間を通って吹出し口12から器外に漏洩することは、その流通経路が、長くて曲折があるので、ほとんどない。
【0029】
(紫外線ランプ箱)
次に、紫外線ランプ箱13について、さらに詳しく説明する。
図9は、紫外線ランプ箱13の天板部(天板壁)が外された状態での、該紫外線ランプ箱13の斜視図である。
紫外線ランプ箱13は、図7図9及び図10に示されるように、断面矩形の細長い箱体の形状をなしていて、その内部には、紫外線ランプ10が、その底壁上に、紫外線ランプ箱13の細長い方向に沿って設置されている。
また、底壁の下部には、ファン11が一体に取り付けられており、このファン11に通じる空気7の流通口20が、底壁の略中央部に設けられている(図10参照)。
【0030】
紫外線ランプ箱13の対向する両側端の通気口に、紫外線カットフィルター1が、それぞれ嵌め込まれて取り付けられることについては、既に述べた。
この場合に、紫外線カットフィルター1を空気清浄器9に取り付けるために、該紫外線カットフィルター1の上ケース2に備えられた、前記した取付け足5も、紫外線ランプ箱13の底壁に固着されて、これにより、紫外線カットフィルター1の紫外線ランプ箱13への取付け、牽いては、紫外線カットフィルター1の空気清浄器9への取付けが、一層堅固にされている(図10参照)。
【0031】
(ダクト箱)
次に、ダクト箱14について、さらに詳しく説明する。
図8は、ダクト箱14の斜視図である。
図8に示されるように、ダクト箱14は、異形の箱体の形状をなしており、天板壁を有さず、後壁(背壁)17のみが、正常な箱体である場合の形状と寸法を有している。
そして、前壁(正面壁)18は、幅の狭い、細長い帯板のみからなり、また、2つの側壁19の各々は、同じ幅の、やや細長い横帯板部分19aと、後部にあって、これと直交し、さらに幅の狭い、スペーサ15の厚さ(深さ)と同じ幅の、やや細長い縦帯板部分19bとからのみ、なるものとされている。この縦帯板部分19bは、後壁(背壁)17の高さまで伸びている。
そこで、両側壁19を横から見ると、これらは、L字型板の形状をなしている。これより、ダクト箱14の全体を斜視すれば、ダクト箱14は、あらまし、比較的浅い底部と、さらに浅い奥行き部分とを有する、L字型の異形箱体の形状をなしている。
【0032】
ダクト箱14の底部には、スペーサ15に近くして、前壁(正面壁)18の帯板の幅と同じ幅(高さ)の仕切り板16が立設されている。
スペーサ15は、矩形状の平板の図8において左右両側縁が直角に短く折曲されてなるもので、その折曲部をダクト箱14の後壁(背壁)17の内側面に向けて、そこに取り付けられている。その役割については、後述する。
【0033】
(空気清浄器の組立)
紫外線ランプ箱13は、このようなダクト箱14の前壁18の帯板と、2つの側壁19の各横帯板部分19aとの上に乗せられ、また、2つの側壁19の各縦帯板部分19bの横に接するようにして置かれて、ダクト箱14の上に重ねられ、そこに取り付け固定される。そして、このようにして、空気清浄器9が組み立てられ、完成される。
このようにして、空気清浄器9が組み立てられ、完成された時、同時に、紫外線ランプ箱13とダクト箱14との間には、清浄化された空気7が通る隙間空間と、その出口である吹出し口12とが形成されている。スペーサ15は、このような隙間空間を形成するのに役立っている。
【0034】
紫外線ランプ箱13の縦、横、高さの寸法は、紫外線ランプ箱13がダクト箱14の上に前記のようにして重ねられたとき、紫外線ランプ箱13が、ダクト箱14の前記L字型の異形箱体の形状のL字に窪んだ部分の空間に丁度納まる寸法とされているので、空気清浄器9は、全体として、細長い四角箱体の形状をなしている。
紫外線ランプ箱13の底壁の下部に一体に取り付けられたファン11は、ダクト箱14の浅い底部の、仕切り板16で仕切られた一側の空間(スペーサ15が配された側の空間)に収容されている(図10参照)。なお、他側の空間には、制御盤が収容されている。
【0035】
(空気清浄器の作用)
次に、空気清浄器9の作用について説明する。
器外(室内)の空気7は、先ず、ファン11により吸引されて、紫外線ランプ箱13の対向する両側端の通気口にそれぞれ取り付けられた紫外線カットフィルター1を通り、器内の紫外線ランプ箱13の中に入り、そこで、紫外線ランプ10より照射される紫外線(UV-C)8を受けて、その中を浮遊する細菌やウイルスが殺されて、清浄化される。
清浄化された空気7は、次いで、ファン11によりさらに吸引されて、紫外線ランプ箱13の底壁に設けられた空気流通口20を通り、ダクト箱14の底部の、ファン11を取り巻く周囲の空間に排出される。
【0036】
このようにして、ダクト箱14の底部の空間に排出された、清浄化された空気7は、次いで、ダクト箱14の後壁(背壁)17と紫外線ランプ箱13との間に形成された隙間空間を通って、その出口となる、空気清浄器9の上部後側に開口する吹出し口12から器外に排出される。
吹出し口12は、ここでは、清浄化された空気7の排出口(排気口)となっている。
【0037】
他方、照射された紫外線(UV-C)8は、直進するかあるいは空気清浄器9の内壁面により反射されて、紫外線カットフィルター1に到達すると、そのフィルターボックスの内部に充填された複数個、複数層のガラス玉6のガラスに吸収され、また、該ガラス玉6の表面で反射された一部の紫外線(UV-C)8は、隣接するガラス玉6のガラスに吸収されることにより、遮断されて、紫外線カットフィルター1を透過することができない。これにより、有害な紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を通って器外に漏洩するのが防止される。
なお、照射された紫外線(UV-C)8が、空気流通口20、ダクト箱14の底部空間、前記隙間空間を通って吹出し口12に至る、長くて曲折のある空気7の流通経路を通って器外に漏洩することは、ほとんどない。
【0038】
図11は、図7で示される空気清浄機9のA-A断面から見た斜視図であり、この図によれば、ファン11より上流側及び後流側における空気7の流れ、スペーサ15の設置、隙間空間の形成、吹出し口12の形成等の態様が、一層分かり易く示されている。
【0039】
(実施例1の効果)
本実施例1の紫外線カットフィルター1及びこれが設置された空気清浄器9は、前記のように構成されているので、次のような効果を奏することができる。
本実施例1の紫外線カットフィルター1は、対向する両側端開口部にメッシュ4がそれぞれ取り付けられた、四角箱状のフィルターボックスの内部に、球状の複数個のガラス玉6が、複数層、積層して充填された構造であり、これが、空気清浄器9内に器外の空気7を吸入して取り入れる通路(具体的には、紫外線ランプ箱13の対向する両側端に設けられた通気口)に設置されているので、空気清浄器9内に吸い込んだ空気中の細菌やウイルスを殺すために照射される、波長が253ナノメートル近辺の殺菌線と呼ばれる紫外線が含まれる紫外線(UV-C)8は、フィルターボックスの内部に充填された複数個のガラス玉9によって吸収され、反射され、さらに吸収されることによって、遮断され、紫外線カットフィルター1を透過することができない。これにより、有害な紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を通って器外に漏洩するのを防止することができる。
なお、この有害な紫外線(UV-C)8が、紫外線ランプ箱13とダクト箱14との間に形成される内部空間(この内部空間は、清浄化された空気7が器外に排出される際の流通経路となる。)を通って吹出し口12から器外に排出されることは、その流通経路が、長くて曲折があるので、ほとんどない。
他方、空気7は、複数個のガラス玉6の、玉と玉との隙間を通って紫外線カットフィルター1を通過することができるので、紫外線カットフィルター1を通して、器外の空気7を器内に吸入することができる。
【0040】
また、この紫外線カットフィルター1は、前記のような簡単な構造であるので、コンパクトで、安価に製造することができる。
さらに、この紫外線カットフィルター1は、そのフィルターボックスの内部に、複数個のガラス玉6が、複数層、隣接する層と層との間で位相が重ならないように、位相を異にして、積層して充填されているので、紫外線(UV-C)8の遮断効果が向上する。
【0041】
また、一般に、窓ガラスは、ソーダガラスでできているが、例えば、厚さ4ミリメートルの窓ガラスでは、紫外線(UV-C)の透過率はゼロであり、紫外線(UV-C)は、ソーダガラスに吸収されて、これを透過することができない。
よって、ソーダガラスで作られた前記複数個のガラス玉6では、紫外線(UV-C)8は、これら複数個のガラス玉6により良く吸収されるので、さらに効果的に紫外線(UV-C)8を遮断して、紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を透過するのをさらに効果的に防止することができる。
なお、ソーダガラス玉6は、可視光線は透過させるため、紫外線ランプ10が点灯していると、紫外線と一緒に照射されている青白い可視光線が、紫外線カットフィルター1を通して見えるので、紫外線ランプ10の点灯やランプ切れを確認することができる。
【0042】
また、本実施例1の紫外線カットフィルター1において、メッシュ4は、フィルターボックスの対向する両側端の開口部に、それぞれ堅く張られて取り付けられており、フィルターボックスの内部に充填された複数個のガラス玉6の複数層の層は、これらのメッシュ4により、両側から支えられるようにして保持されているので、それらの層が崩れることがなく、紫外線カットフィルター1による、空気は通過させるが、有害な紫外線(UV-C)8は遮断するという作用を、安定して継続させることができる。
また、フィルターボックスを構成する下ケース3の内側面には、複数個のガラス玉6が動かないようにするために、ガラス玉保持具が備えられているので、この面からも、前記のような効果が高められる。
【0043】
また、ダクト箱14の後壁(背壁)17の内側面に取り付けられたスペーサ15は、紫外線ランプ箱13をダクト箱14の上に重ねてそこに取り付け固定して、空気清浄器9を組み立てるに際して、その組立の補助具として機能すると同時に、これら両箱の間に、清浄化された空気7が通る隙間空間と吹出し口12とを形成することにも役立っており、これにより、空気清浄器9の構造が簡単になるとともに、その組立がきわめて容易になる。
【0044】
さらに、この紫外線カットフィルター1は、前記のとおり、有害な紫外線(UV-C)8が器外に漏洩するのを防止しながら、空気7は、これを通過して器内に吸入することができ、これが、空気清浄器9内に外の空気7を吸入する通路に設置されているので、従来、ここに同じ目的で用いられていた遮光板(衝立板)等の手段が不要になり、その分、空気清浄器9がコンパクトになり、構造がさらに簡単になり、安価に製造することができ、空気抵抗が小さくなる分、ファン11も小型化が可能であるので、騒音も小さくすることができる。
紫外線カットフィルター1が、空気清浄器9外に清浄化された空気7を排出する通路に設置される場合にも、従来、ここに同じ目的で用いられていた遮光板(衝立板)等の手段が不要になり、同様の効果を奏することができる。
【0045】
本願の発明の紫外線カットフィルターは、以上の実施例に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において、種々の変形、応用が可能である。以下に、そのいくつかを例示する。
(実施例2)
実施例1においては、紫外線カットフィルター1は、空気清浄器9の空気吸入口側に設置されたが、これに代えて、空気清浄器9の空気排出口側に設置したり、空気吸入口側と空気排出口側の両方に設置したりすることもできる。
紫外線カットフィルター1を空気清浄器9の空気排出口側に設置するのには、例えば、実施例1の図10において、ファン11を上下逆にし、その空気吸込口が空気流通口20に臨むようにし、これを紫外線ランプ箱13の底壁の上面に取り付けるようにして、することができる。この場合には、吹出し口12が空気吸入口となり、紫外線カットフィルター1が空気排出口としての機能を兼ねることになる。
【0046】
また、紫外線カットフィルター1を空気清浄器9の空気吸入口側と空気排出口側の両方に設置するのには、紫外線カットフィルター1の設置個所の一つとして、紫外線ランプ箱13の底壁に設けられた空気流通口20を好適に使用することができる。
この空気流通口20は、実施例1のように、紫外線カットフィルター1が、空気清浄器9の空気吸入口側に設置される場合には、空気排出口側に位置することとなる。よって、ここに、紫外線カットフィルター1を設置することができる。しかも、このようにされる場合には、紫外線カットフィルター1は、紫外線ランプ10の至近の位置にあり、紫外線(UV-C)8が漏洩し易い個所にあるので、それを遮断するのに効果的である。
このように、紫外線カットフィルター1が、空気清浄器9の空気吸入口側と空気排出口側の両方に設置されると、有害な紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を通って器外に漏洩するのをさらに完全に防止することができる。
【0047】
(実施例3)
また、実施例1においては、紫外線カットフィルター1のフィルターボックスの内部に充填される玉6として、ソーダガラスで作られたソーダガラス玉が用いられたが、これに代えて、セラミックスで作られたセラミックス玉や金属で作られた金属玉が用いられても良い。
この場合には、材料自体が、紫外線(UV-C)8を遮断して、紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を透過するのを防止することができる上に、振動や衝撃が加わるような環境においても、これを使用することができる。
【0048】
また、これらソーダガラス玉、セラミックス玉、金属玉の各玉6の表面は、すりガラス状の細かい凹凸を持つようにされても良く、このようにされる場合には、その表面で紫外線(UV-C)8を散乱させて、表面での反射を軽減するので、さらに効果的に紫外線(UV-C)8を吸収して、遮断し、紫外線(UV-C)8が、紫外線カットフィルター1を透過するのをさらに効果的に防止することができる。
【0049】
(実施例4)
さらに、紫外線カットフィルター1のフィルターボックスの内部に複数層、積層して充填される複数個の玉6としては、これらソーダガラス玉、セラミックス玉及び金属玉の3種類の玉の中から選ばれる2種類の玉もしくは3種類の玉を組み合わせ、混ぜ合わせて構成されるようにしても良く、このようにされる場合には、それぞれの種類の玉の特性を生かして、性能と耐久性に優れた紫外線カットフィルター1を製作することができる。
その組み合わせ方としては、同じ層には同じ種類の玉を用いるようにして、複数の層を積層するようにしても良いし、異なる層でも、同じ種類の玉を適当数ずつ分散させて用いるようにしても良く、種々の組み合わせ方があり得る。
【0050】
(応用例)
応用例としては、例えば、本実施例の紫外線カットフィルター1の、紫外線(UV-C)8は遮断するが、空気7は通過させるという特徴を生かし、紫外線ランプを設置する箱の排熱口に、これを応用することができる。
詳説すれば、紫外線(UV-C)8は、人体に有害なため、紫外線ランプ10は、通常、紫外線(UV-C)8を遮蔽する箱の中に設置されるが、紫外線ランプ10もランプの一種であるので、点灯すると発熱するため、箱が密閉状態であると、箱の中の温度は上昇する。そのため、箱の上下に通気口を設けて、箱の中の空気を換気して、排熱する必要があるが、この場合に、この通気口(排熱口)にも、本実施例の紫外線カットフィルター1を効果的に使用することができる。
【符号の説明】
【0051】
1…紫外線カットフィルター、2…上ケース、2a…矩形の枠状体、3…下ケース、3a…矩形の枠状体、4…メッシュ、5…取付け足、6…ガラス玉、7…空気、8…紫外線(UV-C)、9…空気清浄器、10…紫外線ランプ、11…ファン、12…吹出し口、13…紫外線ランプ箱、14…ダクト箱、15…スペーサ、16…仕切り板、17…後壁(背壁)、18…前壁(正面壁)、19…側壁、19a…横帯板部分、19b…縦帯板部分、20…空気流通口。


























図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11