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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051613
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】弾性波デバイス
(51)【国際特許分類】
   H03H 9/25 20060101AFI20220325BHJP
   H03H 9/64 20060101ALI20220325BHJP
   H03H 9/72 20060101ALI20220325BHJP
   H03H 9/17 20060101ALI20220325BHJP
   H03H 9/54 20060101ALI20220325BHJP
   H03H 9/70 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
H03H9/25 A
H03H9/64 Z
H03H9/72
H03H9/17 F
H03H9/54 Z
H03H9/70
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158013
(22)【出願日】2020-09-21
(71)【出願人】
【識別番号】518453730
【氏名又は名称】三安ジャパンテクノロジー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100171077
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 健
(72)【発明者】
【氏名】桑原英司
(72)【発明者】
【氏名】笹岡康平
【テーマコード(参考)】
5J097
5J108
【Fターム(参考)】
5J097AA01
5J097AA10
5J097AA17
5J097BB02
5J097BB14
5J097BB15
5J097BB17
5J097DD28
5J097FF05
5J097HA04
5J097JJ04
5J097JJ09
5J097KK04
5J097KK10
5J108AA07
5J108BB08
5J108CC11
5J108DD01
5J108EE03
5J108EE04
5J108GG03
5J108JJ01
5J108JJ04
5J108KK04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】バンド間のアイソレーションを確保し損失の少ない弾性波デバイスを提供する。
【解決手段】基板2と、基板2の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタ3と、基板2の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタ5と、基板2の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタ7と、基板2の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタ9と、基板2の第2主面上に設けられたアンテナ端子11と、を備える弾性波デバイス1であって、第1送信フィルタは、第2送信フィルタよりもアンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、第1受信フィルタは、第2受信フィルタよりもアンテナ端子に近接した位置に配置されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
前記基板の第2主面上に設けられたアンテナ端子と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置されている弾性波デバイス。
【請求項2】
前記基板の第2主面上に第2アンテナ端子を備える、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線とを有し、前記第1配線と前記第2配線は、立体的に交差していない、請求項2に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記基板の第2主面上に、前記第1送信フィルタの入力端子、前記第1受信フィルタの出力端子、前記第2送信フィルタの入力端子、前記第2受信フィルタの出力端子およびグランド端子を備える、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記基板の第2主面上であって、前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子との間に金属パターンを備える、請求項2に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記第1送信フィルタは、前記第2送信フィルタと隣接して配置されており、前記第1受信フィルタは、前記第2受信フィルタと隣接して配置されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性表面波フィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項8】
前記弾性表面フィルタは、圧電基板を有し、前記圧電基板は、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる支持基板と接合されている請求項7に記載の弾性波デバイス。
【請求項9】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性薄膜共振器を用いたフィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、弾性波デバイスに関し、例えば複数の弾性波フィルタから構成されるデュアルデュプレクサに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体通信端末に代表されるスマートフォンなどでは、複数の周波数帯における通信に対応することが要請される。このため、複数の弾性波フィルタを用いた、複数のデュプレクサやクワトロプレクサなどの弾性波デバイスが用いられている。
【0003】
また、弾性波デバイスでは、送信フィルタと受信フィルタの干渉を考慮して、損失が低いことが求められることがある。特許文献1に記載のように、複数のフィルタの干渉等を考慮して、4つのフィルタを適切に配置することなどが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-54354
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする主たる課題について説明する。
【0006】
基板上に4つの弾性波フィルタを実装してデュアルデュプレクサの機能を有する弾性波デバイスを形成する場合、送信フィルタと受信フィルタの間の干渉により損失が発生する。また、バンド間のアイソレーションが不十分であることによる損失が発生する。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、送信フィルタと受信フィルタの間の干渉を抑制しつつ、バンド間のアイソレーションを確保し、損失の少ない弾性波デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するために、本発明にあっては、
基板と、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
前記基板の第1主面上に設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
前記基板の第2主面上に設けられたアンテナ端子と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置されていることを特徴とする、弾性波デバイスとした。
【0009】
前記基板の第2主面上に第2アンテナ端子を備えることが、本発明の一形態とされる。
【0010】
前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線とを有し、前記第1配線と前記第2配線は、立体的に交差していないことが、本発明の一形態とされる。
【0011】
前記基板の第2主面上に、前記第1送信フィルタの入力端子、前記第1受信フィルタの出力端子、前記第2送信フィルタの入力端子、前記第2受信フィルタの出力端子およびグランド端子を備えることが、本発明の一形態とされる。
【0012】
前記基板の第2主面上であって、前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子との間に金属パターンを備えることが、本発明の一形態とされる。
【0013】
前記第1送信フィルタは、前記第2送信フィルタと隣接して配置されており、前記第1受信フィルタは、前記第2受信フィルタと隣接して配置されていることが、本発明の一形態とされる。
【0014】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性表面波フィルタであることが、本発明の一形態とされる。
【0015】
前記弾性表面フィルタは、圧電基板を有し、前記圧電基板は、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる支持基板と接合されていることが、本発明の一形態とされる。
【0016】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性薄膜共振器を用いたフィルタであることが、本発明の一形態とされる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、送信フィルタと受信フィルタの間の干渉を抑制しつつ、バンド間のアイソレーションを確保し、損失の少ない弾性波デバイスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、本実施例にかかる弾性波デバイス1の平面図である。
図2図2は、本実施例にかかる弾性波デバイス1の断面図である。
図3図3は、基板2の第1の主面を示す図であり、かつ、第1金属層51を示す図である。
図4図4は、基板2の第1の主面側から第2金属層52を透視して、第2金属層52を示す図である。
図5図5は、基板2の第1の主面側から第3金属層53を透視して、第3金属層53を示す図である。
図6図6は、基板2の第1の主面側から第4金属層54を透視して、第4金属層54を示す図である。
図7図7は、基板2の第1の主面側から第5金属層55を透視して、第5金属層55を示す図である。
図8図8は、基板2の第1の主面側から第6金属層56を透視して、第6金属層56を示す図である。
図9図9は、各フィルタ3~9の一部または全部に用いることができる、SAWフィルタの構成例を示す図である
図10図10は、弾性波素子72が弾性表面波共振器である例を示す平面図である
図11図11は、弾性波素子72が圧電薄膜共振器の例を示す断面図である。
図12図12は、本発明の実施形態にかかる効果を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な実施の形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
【0020】
(実施例)
図1は、本実施例にかかる弾性波デバイス1の平面図である。
【0021】
図1に示すように、本実施例にかかる弾性波デバイス1は、基板2と、基板2上に実装された、第1送信フィルタ3、第1受信フィルタ5、第2送信フィルタ7および第2受信フィルタ9、ならびに、アンテナ端子11および第2アンテナ端子13を備える。
【0022】
基板2は、 互いに背向する第1主面および第2主面を有する。基板2は、例えば、樹脂からなる多層基板、または、複数の誘電体層からなる低温同時焼成セラミックス(Low Temperature Co-fired Ceramics:LTCC)多層基板等が用いられる。
【0023】
基板2の第1主面上に、第1送信フィルタ3、第1受信フィルタ5、第2送信フィルタ7、および、第2受信フィルタ9が実装されている。
【0024】
第1送信フィルタ3、第1受信フィルタ5、第2送信フィルタ7、および、第2受信フィルタ9は、互いに通過帯域が異なり、重なっていない。第1送信フィルタ3および第1受信フィルタ5は、第1バンドの送信帯域と受信帯域の信号をそれぞれ通過させるフィルタである。
【0025】
第1バンドは、例えば、LTE(Long Term Evolution)バンド(E-UTRA(Evolved Universal Terrestrial Radio Access) Operating Band)のバンドである。第1バンドは、例えば、LTEバンド3である。
【0026】
第2送信フィルタ7および第2受信フィルタ9は、第2バンドの送信帯域と受信帯域の信号をそれぞれ通過させるフィルタである。
【0027】
第2バンドは、例えば、LTEバンド1である。
【0028】
第1送信フィルタ3は、第1送信フィルタの入力端子19に入力した高周波信号のうち第1バンドの送信帯域の信号をアンテナ端子11に出力し、その他の信号を抑圧する。
【0029】
第2送信フィルタ7は、第2送信フィルタの入力端子23に入力した高周波信号のうち第2バンドの送信帯域の信号を第2アンテナ端子13に出力し、その他の信号を抑圧する。
【0030】
基板2の第2主面上に、アンテナ端子11および第2アンテナ端子13が形成されている。
【0031】
第1受信フィルタ5は、アンテナ端子11に入力した高周波信号のうち第1バンドの受信帯域の信号を第1受信フィルタの出力端子21に出力し、その他の信号を抑圧する。
【0032】
第2受信フィルタ9は、第2アンテナ端子13に入力した高周波信号のうち第2バンドの受信帯域の信号を第2受信フィルタの出力端子25に出力し、その他の信号を抑圧する。
【0033】
図1に示すように、第1送信フィルタ3は、第2送信フィルタ7よりもアンテナ端子11に近接した位置に配置されている。また、第1受信フィルタは、第2受信フィルタ9よりもアンテナ端子11に近接した位置に配置されている。
【0034】
第1バンドと第2バンドのアンテナ端子は、共用アンテナとしても良いが、本実施例では、第1バンド用のアンテナ端子としてアンテナ端子11を用いて、また、第2バンド用のアンテナ端子として第2アンテナ端子13を用いている。
【0035】
図2は、本実施例にかかる弾性波デバイス1の断面図である。
【0036】
図2に示すように、基板2上に第2送信フィルタ7および第2受信フィルタ9がバンプ31を介してフリップチップ実装されている。
【0037】
基板2は、多層配線基板であり、第1金属層51、第2金属層52、第3金属層53、第4金属層54、第5金属層55および第6金属層56を有する。
【0038】
金属層51~56は、複数の絶縁層60と交互に積層されている。金属層51~56は、各絶縁層60a~60eに形成されたビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0039】
フィルタ3~9は、バンプ31を介して、フリップチップボンディングにより、空隙を形成するように基板2に対向して実装されている。
【0040】
バンプ31は、例えば、金バンプである。バンプ31の高さは、例えば、20μmから50μmである。
【0041】
フィルタ3~9を覆うように、封止部35が形成されている。封止部35は、例えば、合成樹脂等の絶縁体により形成してもよく、金属を用いてもよい。合成樹脂は、例えば、エポキシ樹脂、ポリイミドなどを用いることができるが、これらに限るものではない。好ましくは、エポキシ樹脂を用い、低温硬化プロセスを用いて封止部35を形成する。
【0042】
図3は、基板2の第1の主面を示す図であり、かつ、第1金属層51を示す図である。第1金属層51は、フィルタ3~9が実装される層である。
【0043】
図3に示すように、第1金属層51は、絶縁層60a上に形成されている。絶縁層60aには、複数のビア33が形成されており、第1金属層51と電気的に接続されている。
【0044】
図3に示すように、第1金属層51は、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1151と、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1351と、第1送信フィルタ3の入力端子19に電気的に接続される金属パターン1951と、第1受信フィルタ5の出力端子21に電気的に接続される金属パターン2151と、第2送信フィルタ7の入力端子23に接続される金属パターン2351と、第2受信フィルタ9の出力端子25に接続される金属パターン2551と、各フィルタ3~9のグランド電位が電気的に接続される金属パターンGND51を有する。
【0045】
図3に示すように、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1151は、第1送信フィルタ3の出力部分が電気的に接続される金属パターン1151Outと、第1受信フィルタ5の入力部分が電気的に接続される金属パターン1151Inにより形成されている。
【0046】
本実施例のように、第1金属層51の金属パターン1151を送受信でセパレートすることで、送受信間の干渉を抑制することができる。
【0047】
図3に示すように、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1351は、第2送信フィルタ7の出力部分が電気的に接続される金属パターン1351Outと、第2受信フィルタ9の入力部分が電気的に接続される金属パターン1351Inにより形成されている。
【0048】
本実施例のように、第1金属層51の金属パターン1351を送受信でセパレートすることで、送受信間の干渉を抑制することができる。
【0049】
図4は、基板2の第1の主面側から第2金属層52を透視して、第2金属層52を示す図である。第2金属層52は、第1金属層51と、絶縁層60aに形成された複数のビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0050】
図4に示すように、第2金属層52は、絶縁層60b上に形成されている。
【0051】
図4に示すように、第2金属層52は、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1152と、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1352と、第1送信フィルタ3の入力端子19に電気的に接続される金属パターン1952と、第1受信フィルタ5の出力端子21に電気的に接続される金属パターン2152と、第2送信フィルタ7の入力端子23に接続される金属パターン2352と、第2受信フィルタ9の出力端子25に接続される金属パターン2552と、各フィルタ3~9のグランド電位が電気的に接続される金属パターンGND52を有する。
【0052】
図5は、基板2の第1の主面側から第3金属層53を透視して、第3金属層53を示す図である。第3金属層53は、第2金属層52と、絶縁層60bに形成された複数のビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0053】
図5に示すように、第3金属層53は、絶縁層60c上に形成されている。
【0054】
図5に示すように、第3金属層53は、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1153と、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1353と、第1送信フィルタ3の入力端子19に電気的に接続される金属パターン1953と、第1受信フィルタ5の出力端子21に電気的に接続される金属パターン2153と、第2送信フィルタ7の入力端子23に接続される金属パターン2353と、第2受信フィルタ9の出力端子25に接続される金属パターン2553と、各フィルタ3~9のグランド電位が電気的に接続される金属パターンGND53を有する。
【0055】
図6は、基板2の第1の主面側から第4金属層54を透視して、第4金属層54を示す図である。第4金属層54は、第3金属層53と、絶縁層60cに形成された複数のビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0056】
図6に示すように、第4金属層54は、絶縁層60d上に形成されている。
【0057】
図6に示すように、第4金属層54は、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1154と、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1354と、第1送信フィルタ3の入力端子19に電気的に接続される金属パターン1954と、第1受信フィルタ5の出力端子21に電気的に接続される金属パターン2154と、第2送信フィルタ7の入力端子23に接続される金属パターン2354と、第2受信フィルタ9の出力端子25に接続される金属パターン2554と、各フィルタ3~9のグランド電位が電気的に接続される金属パターンGND54を有する。
【0058】
図7は、基板2の第1の主面側から第5金属層55を透視して、第5金属層55を示す図である。第5金属層55は、第4金属層54と、絶縁層60dに形成された複数のビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0059】
図7に示すように、第5金属層55は、絶縁層60e上に形成されている。
【0060】
図7に示すように、第5金属層55は、アンテナ端子11に電気的に接続される金属パターン1155と、第2アンテナ端子13に電気的に接続される金属パターン1355と、第1送信フィルタ3の入力端子19に電気的に接続される金属パターン1955と、第1受信フィルタ5の出力端子21に電気的に接続される金属パターン2155と、第2送信フィルタ7の入力端子23に接続される金属パターン2355と、第2受信フィルタ9の出力端子25に接続される金属パターン2555と、各フィルタ3~9のグランド電位が電気的に接続される金属パターンGND55を有する。
【0061】
図8は、基板2の第1の主面側から第6金属層56を透視して、第6金属層56を示す図である。第6金属層56は、第5金属層55と、絶縁層60eに形成された複数のビア33を介して、部分的に電気的に接続されている。
【0062】
図8に示すように、第6金属層56は、アンテナ端子11と、第2アンテナ端子13と、第1送信フィルタ3の入力端子19と、第1受信フィルタ5の出力端子21と、第2送信フィルタ7の入力端子23と、第2受信フィルタ9の出力端子25と、グランド端子27を有する。
【0063】
さらに、図8に示すように、第6金属層56は、金属パターン29を有してもよい。これにより、アンテナ端子11と第2アンテナ端子13の間のアイソレーションをさらに良くすることができる。
【0064】
ここで、図3に示す第1金属層51の第1送信フィルタ3の出力部分が電気的に接続される金属パターン1151Outと第1受信フィルタ5の入力部分が電気的に接続される金属パターン1151Inからなる金属パターン1151と、図4に示す第2金属層52の金属パターン1152と、図5に示す第3金属層53の金属パターン1153と、図6に示す第3金属層53の金属パターン1153と、図7に示す第4金属層54の金属パターン1154と、図8に示す第5金属層55のアンテナ端子11からなる配線を第1配線とする。
【0065】
また、図3に示す第1金属層51の第2送信フィルタ7の出力部分が電気的に接続される金属パターン1351Outと第2受信フィルタ9の入力部分が電気的に接続される金属パターン1351Inからなる金属パターン1351と、図4に示す第2金属層52の金属パターン1352と、図5に示す第3金属層53の金属パターン1353と、図6に示す第3金属層53の金属パターン1353と、図7に示す第4金属層54の金属パターン1354と、図8に示す第5金属層55の第2アンテナ端子13からなる配線を第2配線とする。
【0066】
図3図8にかかる以上の説明から、第1配線と第2配線は、立体的に交差していない。第1配線と第2配線が立体的に交差していないことにより、配線間に、絶縁層を介して寄生容量が発生することを回避することができるため、第1バンドと第2バンドのアイソレーションが向上する。
【0067】
次に、各フィルタ3~9の構成例について説明する。
【0068】
図9は、各フィルタ3~9の一部または全部に用いることができる、SAWフィルタの構成例を示す図である。
【0069】
図9に示すように、圧電基板70上に、弾性波素子72および配線パターン74が形成されている。
【0070】
圧電基板70は、例えば、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムまたは水晶などの圧電単結晶、あるいは圧電セラミックスを用いることができる。また、圧電基板70は、支持基板に接合されていてもよい。支持基板は、例えば、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる基板とすることができる。
【0071】
図10は、弾性波素子72が弾性表面波共振器である例を示す平面図である。
【0072】
図10に示すように、圧電基板70上に、弾性表面波を励振するIDT(Interdigital Transducer)72aと反射器72bが形成されている。IDT72aは、互いに対向する一対の櫛形電極72cを有する。櫛形電極72cは、複数の電極指72dと複数の電極指72dを接続するバスバー72eを有する。反射器72bは、IDT72aの両側に設けられている。
【0073】
IDT72aおよび反射器72bは、例えば、アルミニウムと銅の合金からなる。IDT72aおよび反射器72bは、その厚みが、例えば、150nmから400nmの薄膜である。IDT72aおよび反射器72bは、他の金属、例えば、チタン、パラジウム、銀などの適宜の金属もしくはこれらの合金を含んでもよく、これらの合金により形成されてもよい。また、IDT72aおよび反射器72bは、複数の金属層を積層してなる積層金属膜により形成されてもよい。
【0074】
弾性波素子72は、所望のバンドパスフィルタとしての特性が得られるよう、適宜、DMS設計やラダー設計を採用することができる。
【0075】
配線パターン74は、入力パッドIn、出力パッドOutおよびグランドパッドGNDを構成する配線を含んでいる。また、配線パターン74は、弾性波素子72と電気的に接続されている。
【0076】
配線パターン74上に、絶縁体76が形成されている。絶縁体76は、例えば、ポリイミドを用いることができる。絶縁体76は、例えば、1000nmの膜厚で形成する。
【0077】
絶縁体76上に、第2配線パターン78が形成されている。第2配線パターン78は、絶縁体76を介して配線パターン74と立体的に交差するように形成されている。
【0078】
弾性波素子72、配線パターン74および第2配線パターン78は、銀、アルミニウム、銅、チタン、パラジウムなどの適宜の金属もしくは合金からなる。また、これらの金属パターンは、複数の金属層を積層してなる積層金属膜により形成されてもよい。弾性波素子72、配線パターン74および第2配線パターン78は、その厚みが、例えば、150nmから400nmとすることができる。
【0079】
図11は、弾性波素子72が圧電薄膜共振器の例を示す断面図である。
【0080】
図11に示すように、チップ基板80上に圧電膜82が設けられている。圧電膜82を挟むように下部電極84および上部電極86が設けられている。下部電極84とチップ基板80との間に空隙88が形成されている。下部電極84および上部電極86は、圧電膜82内に、厚み縦振動モードの弾性波を励振する。
【0081】
チップ基板80は、例えば、シリコン等の半導体基板、または、サファイア、アルミナ、スピネルもしくはガラス等の絶縁基板を用いることができる。圧電膜82は、例えば、窒化アルミニウムを用いることができる。下部電極84および上部電極86は、例えば、ルテニウム等の金属を用いることができる。
【0082】
図12は、本発明の実施形態にかかる効果を説明するための図である。
【0083】
図12に示すように、実線で示す波形が、本発明の実施形態にかかる減衰特性である。破線で示す波形が、比較例にかかる減衰特性である。
【0084】
ここで、比較例として、第1送信フィルタは第2送信フィルタよりもアンテナ端子に近接した位置に配置されるが、第1受信フィルタを第2受信フィルタよりもアンテナ端子から遠い位置に配置した弾性波デバイスであって、アンテナ端子、第1送信フィルタおよび第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、第2アンテナ端子、第2送信フィルタおよび第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線が、立体的に交差している弾性波デバイスを用いた。
【0085】
図12に示すように、比較例に比べて、本発明の実施形態にかかる減衰特性が大幅に向上していることが明らかである。
【0086】
以上説明した本発明の構成によれば、送信フィルタと受信フィルタの間の干渉を抑制しつつ、バンド間のアイソレーションを確保し、損失の少ない弾性波デバイスを提供することができる。
【0087】
なお、当然のことながら、本発明は以上に説明した実施態様に限定されるものではなく、本発明の目的を達成し得るすべての実施態様を含むものである。
【0088】
また、少なくとも一つの実施形態のいくつかの側面を上述したが、様々な改変、修正および改善が当業者にとって容易に想起されることを理解されたい。かかる改変、修正および改善は、本開示の一部となることが意図され、かつ、本発明の範囲内にあることが意図される。理解するべきことだが、ここで述べられた方法および装置の実施形態は、上記説明に記載され又は添付図面に例示された構成要素の構造および配列の詳細への適用に限られない。方法および装置は、他の実施形態で実装し、様々な態様で実施又は実行することができる。特定の実装例は、例示のみを目的としてここに与えられ、限定されることを意図しない。また、ここで使用される表現および用語は、説明目的であって、限定としてみなすべきではない。ここでの「含む」、「備える」、「有する」、「包含する」およびこれらの変形の使用は、以降に列挙される項目およびその均等物並びに付加項目の包括を意味する。「又は(若しくは)」の言及は、「又は(若しくは)」を使用して記載される任意の用語が、当該記載の用語の一つの、一つを超える、およびすべてのものを示すように解釈され得る。前後左右、頂底上下、および横縦への言及はいずれも、記載の便宜を意図しており、本発明の構成要素がいずれか一つの位置的又は空間的配向に限られるものではない。したがって、上記説明および図面は例示にすぎない。
【符号の説明】
【0089】
1 弾性波デバイス
2 基板
3 第1送信フィルタ
5 第1受信フィルタ
7 第2送信フィルタ
9 第2受信フィルタ
11 アンテナ端子11
13 第2アンテナ端子
19 第1送信フィルタの入力端子
21 第1受信フィルタの出力端子
23 第2送信フィルタの入力端子
25 第2受信フィルタの出力端子
27 グランド端子
29 金属パターン
31 バンプ
33 ビア
51~56 第1金属層~第6金属層



図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【手続補正書】
【提出日】2021-08-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
前記基板の第2主面上に設けられ、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対応したアンテナ端子と、
前記基板の第2主面上に設けられ、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに対応した第2アンテナ端子と、
前記基板の第1主面から第2主面にかけて形成され、前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、
前記基板の第1主面から第2主面にかけて形成され、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記第2アンテナ端子に近接した位置に配置され
前記第1配線と前記第2配線は、立体的に交差していない弾性波デバイス。
【請求項2】
前記基板の第2主面上に、前記第1送信フィルタの入力端子、前記第1受信フィルタの出力端子、前記第2送信フィルタの入力端子、前記第2受信フィルタの出力端子およびグランド端子を備える、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記基板の第2主面上であって、前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子との間に金属パターンを備える、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記第1送信フィルタは、前記第2送信フィルタと隣接して配置されており、前記第1受信フィルタは、前記第2受信フィルタと隣接して配置されている、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性表面波フィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項6】
前記弾性表面波フィルタは、圧電基板を有し、前記圧電基板は、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる支持基板と接合されている請求項5に記載の弾性波デバイス。
【請求項7】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性薄膜共振器を用いたフィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0004】
【特許文献1】特開2019-54354号公報
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記課題を達成するために、本発明にあっては、
基板と、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
前記基板の第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
前記基板の第2主面上に設けられ、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対応したアンテナ端子と、
前記基板の第2主面上に設けられ、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに対応した第2アンテナ端子と、
前記基板の第1主面から第2主面にかけて形成され、前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、
前記基板の第1主面から第2主面にかけて形成され、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記第2アンテナ端子に近接した位置に配置され
前記第1配線と前記第2配線は、立体的に交差していないことを特徴とする、弾性波デバイスとした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0015】
前記弾性表面波フィルタは、圧電基板を有し、前記圧電基板は、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる支持基板と接合されていることが、本発明の一形態とされる。
【手続補正書】
【提出日】2022-01-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1主面と第2主面とを有した略直方体状の基板と、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
記第2主面上に設けられ、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対応したアンテナ端子と、
記第2主面上に設けられ、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに対応した第2アンテナ端子と、
記第1主面から前記第2主面にかけて前記基板の内部に形成され、前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、
記第1主面から前記第2主面にかけて前記基板の内部に形成され、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第2主面上に、前記第1送信フィルタの入力端子、前記第1受信フィルタの出力端子、前記第2送信フィルタの入力端子、前記第2受信フィルタの出力端子を備え、
前記第1主面上のレイアウトにおいて、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタとの並び方向は、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタの並び方向と同じであり、
前記第1送信フィルタは、前記第2送信フィルタと隣接して配置されており、前記第1受信フィルタは、前記第2受信フィルタと隣接して配置されており、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記第2アンテナ端子に近接した位置に配置され、
前記第1配線と前記第2配線は、前記基板の主面から透視した際に重ならず、立体的に交差しておらず、
前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子は、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対して前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記アンテナ端子は、前記第1送信フィルタに対して前記第1受信フィルタの側に配置され、
前記第2アンテナ端子は、前記第1送信フィルタに対して前記第1受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1送信フィルタの入力端子と前記第2送信フィルタの入力端子は、前記第1送信フィルタと前記第2送信フィルタに対して前記第1受信フィルタと前記第2受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1送信フィルタの入力端子は、前記第2送信フィルタの入力端子よりも前記第1送信フィルタに近接した位置に配置され、
前記第1受信フィルタの出力端子と前記第2受信フィルタの出力端子は、前記第1受信フィルタと前記第2受信フィルタに対して前記第1送信フィルタと前記第2送信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1受信フィルタの出力端子は、前記第2受信フィルタの出力端子よりも前記第1受信フィルタから離れた位置に配置され、
前記第2配線は、前記第2受信フィルタと前記第2受信フィルタの出力端子を電気的に接続する第2受信用配線と、前記第2受信フィルタを介して電気的に接続され、前記基板の主面から透視した際に前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに近接して前記第2送信フィルタの出力部分と前記第2受信フィルタの入力部分を電気的に接続する接続部と前記第2アンテナ端子との間において直線状に形成され、前記第2送信フィルタからの送信信号を前記第2アンテナ端子に流し、前記第2アンテナ端子からの受信信号を前記第2受信フィルタに流し、
前記第1配線は、前記基板の主面から透視した際に前記基板の中央に向かってから前記第2受信用配線を回り込んで前記第2受信用配線と立体的に交差せずに前記第1受信フィルタと前記第1受信フィルタの出力端子を電気的に接続して前記第1受信フィルタからの受信信号を前記第1受信フィルタの出力端子に流す第1受信用配線と、前記第1受信フィルタを介して電気的に接続された弾性波デバイス。
【請求項2】
前記基板の第2主面上であって、前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子との間に金属パターンを備える、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項3】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性表面波フィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【請求項4】
前記弾性表面波フィルタは、圧電基板を有し、前記圧電基板は、高抵抗シリコン、ガリウム砒素、サファイア、スピネル、多結晶アルミナ又はガラスからなる支持基板と接合されている請求項3に記載の弾性波デバイス。
【請求項5】
前記第1送信フィルタ、前記第2送信フィルタ、前記第1受信フィルタ又は前記第2受信フィルタの少なくとも一つが、弾性薄膜共振器を用いたフィルタである、請求項1に記載の弾性波デバイス。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
前記課題を達成するために、本発明にあっては、
第1主面と第2主面とを有した略直方体状の基板と、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの送信帯域を通過帯域とする第1送信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第1バンドの受信帯域を通過帯域とする第1受信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの送信帯域を通過帯域とする第2送信フィルタと、
記第1主面上にフリップチップボンディングにより設けられ、周波数分割複信方式の第2バンドの受信帯域を通過帯域とする第2受信フィルタと、
記第2主面上に設けられ、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対応したアンテナ端子と、
記第2主面上に設けられ、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに対応した第2アンテナ端子と、
記第1主面から前記第2主面にかけて前記基板の内部に形成され、前記アンテナ端子、前記第1送信フィルタおよび前記第1受信フィルタを電気的に接続する第1配線と、
記第1主面から前記第2主面にかけて前記基板の内部に形成され、前記第2アンテナ端子、前記第2送信フィルタおよび前記第2受信フィルタを電気的に接続する第2配線と、
を備える弾性波デバイスであって、
前記第2主面上に、前記第1送信フィルタの入力端子、前記第1受信フィルタの出力端子、前記第2送信フィルタの入力端子、前記第2受信フィルタの出力端子を備え、
前記第1主面上のレイアウトにおいて、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタとの並び方向は、前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタの並び方向と同じであり、
前記第1送信フィルタは、前記第2送信フィルタと隣接して配置されており、前記第1受信フィルタは、前記第2受信フィルタと隣接して配置されており、
前記第1送信フィルタは前記第2送信フィルタよりも前記アンテナ端子に近接した位置に配置され、かつ、前記第1受信フィルタは前記第2受信フィルタよりも前記第2アンテナ端子に近接した位置に配置され、
前記第1配線と前記第2配線は、前記基板の主面から透視した際に重ならず、立体的に交差しておらず、
前記アンテナ端子と前記第2アンテナ端子は、前記第1送信フィルタと前記第1受信フィルタに対して前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記アンテナ端子は、前記第1送信フィルタに対して前記第1受信フィルタの側に配置され、
前記第2アンテナ端子は、前記第1送信フィルタに対して前記第1受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1送信フィルタの入力端子と前記第2送信フィルタの入力端子は、前記第1送信フィルタと前記第2送信フィルタに対して前記第1受信フィルタと前記第2受信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1送信フィルタの入力端子は、前記第2送信フィルタの入力端子よりも前記第1送信フィルタに近接した位置に配置され、
前記第1受信フィルタの出力端子と前記第2受信フィルタの出力端子は、前記第1受信フィルタと前記第2受信フィルタに対して前記第1送信フィルタと前記第2送信フィルタの側とは反対側に配置され、
前記第1受信フィルタの出力端子は、前記第2受信フィルタの出力端子よりも前記第1受信フィルタから離れた位置に配置され、
前記第2配線は、前記第2受信フィルタと前記第2受信フィルタの出力端子を電気的に接続する第2受信用配線と、前記第2受信フィルタを介して電気的に接続され、前記基板の主面から透視した際に前記第2送信フィルタと前記第2受信フィルタに近接して前記第2送信フィルタの出力部分と前記第2受信フィルタの入力部分を電気的に接続する接続部と前記第2アンテナ端子との間において直線状に形成され、前記第2送信フィルタからの送信信号を前記第2アンテナ端子に流し、前記第2アンテナ端子からの受信信号を前記第2受信フィルタに流し、
前記第1配線は、前記基板の主面から透視した際に前記基板の中央に向かってから前記第2受信用配線を回り込んで前記第2受信用配線と立体的に交差せずに前記第1受信フィルタと前記第1受信フィルタの出力端子を電気的に接続して前記第1受信フィルタからの受信信号を前記第1受信フィルタの出力端子に流す第1受信用配線と、前記第1受信フィルタを介して電気的に接続された弾性波デバイスとした。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】削除
【補正の内容】