(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051631
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】曇防止眼鏡アクセサリ
(51)【国際特許分類】
G02C 11/08 20060101AFI20220325BHJP
A62B 18/08 20060101ALI20220325BHJP
A41D 13/11 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G02C11/08
A62B18/08 D
A41D13/11 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158055
(22)【出願日】2020-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】520362594
【氏名又は名称】青山 博喜
(71)【出願人】
【識別番号】520356504
【氏名又は名称】増永 憲治
(74)【代理人】
【識別番号】100124718
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 建
(74)【代理人】
【識別番号】100136216
【弁理士】
【氏名又は名称】増田 恵美
(72)【発明者】
【氏名】青山 博喜
(72)【発明者】
【氏名】増永 憲治
【テーマコード(参考)】
2E185
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC36
2E185CC44
(57)【要約】 (修正有)
【課題】簡単に眼鏡に装着でき、おしゃれで意匠性が高いため、マスクを非着用の際にも、アクセサリとして眼鏡に装着できる曇防止眼鏡アクセサリを提供する。
【解決手段】左右のレンズフレームを接続するブリッジと、右のレンズフレームに接続されて後方に伸長する左右のテンプルと、左右の箱足により左右のレンズフレームに接続された左右の箱と、左右の箱の表面に取り付けられた左右のノーズパッドとを備え、着用者の口元から鼻を覆うマスクと共に着用された眼鏡において、眼鏡に装着して、着用されたマスクにより覆われる鼻元辺りを、マスクの上から顔面に向かって抑止し、眼鏡に固定するための固定具と、鼻元辺りを顔面に向かって抑止する抑止パッドと、少なくとも固定具と抑止パッドとを夫々接続する細線を備え、鼻の左側及び/又は右側から鼻元辺りに抑止パッドを当接させて、マスクと鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐ曇防止眼鏡アクセサリ。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右のレンズフレームを接続するブリッジと、
左右のレンズフレームに接続されて後方に伸長する左右のテンプルと、
左右の箱足により左右のレンズフレームに接続された左右の箱と、
左右の箱の表面に取り付けられた左右のノーズパッドと、を備え、
着用者の口元から鼻を覆うマスクと共に着用された眼鏡において、
前記眼鏡に装着して、着用されたマスクにより覆われる着用者の鼻元辺りを、該マスクの上から顔面に向かって抑止する眼鏡アクセサリであって、
前記眼鏡に固定するための固定具と、
前記着用者の鼻元辺りを顔面に向かって抑止する抑止パッドと、
少なくとも該固定具と該抑止パッドとを夫々接続する可撓性形状保持細線(以下、単に「細線」ともいう)と、
を備え、
着用者の鼻の左側及び/又は右側からマスクの鼻元辺りに抑止パッドを当接させて、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする曇防止眼鏡アクセサリ。
【請求項2】
前記抑止パッドが左右の端部に夫々取付けられた前記細線が正面視でU字型に形成され、
このU字型の細線の左右の該抑止パッド間に取り付けられた左右の前記固定具を、前記左右の箱足に固定する、左右の抑止パッドと左右の固定具を備える左右対称のU字型の曇防止眼鏡アクセサリであって、
前記左右の固定具が前記左右の箱足に固定された状態において、
前記左右の抑止パッドと前記左右の固定具間で、前記細線が共に顔面方向に湾曲されており、着用者の鼻の左右から前記マスクの鼻元辺りが前記左右の抑止パッドにより抑止されて、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の曇防止眼鏡アクセサリ。
【請求項3】
前記固定具はコの字型把持具であり、前記左右の箱足を把持して固定する、請求項1に記載の曇防止眼鏡アクセサリ。
【請求項4】
前記固定具はフック型係止具であり、前記左右の箱足を挟持し又は前記左右の箱足に係止して固定する、請求項1に記載の曇防止眼鏡アクセサリ。
【請求項5】
前記固定具は、前壁と後壁とが凹部により接続されて、該凹部を前記ブリッジに上方から被せるように固定可能な1又は複数の逆U字型固定具であり、
該前壁から左右の細線が下方に伸長して左右の抑止パッドが接続されており、
該後壁から下方に伸長した吊足により、前方に共にL字型の左右の制御アームを突出させた細線制御部が接続されており、
ブリッジに固定された該逆U字型固定具から下方に伸長した該左右の細線の伸長方向を、該細線制御部が制御する曇防止眼鏡アクセサリであって、
前記左右の細線を、前記左右の制御アームの間隙を通して該左右の制御アームに係止させ、
該左右の細線の伸長方向を顔面方向に湾曲させて、
該左右の細線の先端に接続された前記左右の抑止パッドが、
着用者の鼻の左右から前記マスクの鼻元辺りを抑止して、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする請求項1に記載の曇防止眼鏡アクセサリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、曇防止眼鏡アクセサリに関する。
【背景技術】
【0002】
新型コロナウイルス(COVID19)が大流行する中、人との対面時などに泡沫飛散を防ぐマスクは必帯具となったが、眼鏡を着用する人がマスクも同時に着用すると、マスク鼻元辺りから漏れる呼気により眼鏡が曇るという問題がある。
【0003】
このような問題を解決するため、多くの考案がなされている。例えば、特許文献1に係る発明は、眼鏡のレンズとフレームとの間に振動発生部をレンズの端面に接して設け、この振動発生部を振動させる周期的な電気信号を送信する発振回路部をフレーム内部に設けるので、振動発生部が振動し、その振動が弾性波としてレンズ内部に伝わりレンズ表面を振動させるためレンズ表面が曇るのを防止できる。また、特許文献2、特許文献3等に開示された考案は、レンズに貼付する曇り止めフィルムを提供する。これらは何れも眼鏡レンズ自身に工夫を施す考案であり、マスクを着用するか否かに拘わらず眼鏡レンズ表面が曇るのを防止するものである。
【0004】
一方、特許文献4~特許文献9は、マスクに工夫を施す考案であり、これらの考案に係るマスクを着用することにより眼鏡レンズ表面の曇りを防止するものである。
【0005】
例えば、特許文献4に係る発明は、「フェイスカバーを含み、前記フェイスカバーの中には後方に開口している上向きの呼吸チャンバが設けられ、前記呼吸チャンバの頂端端面には伸縮できる多重スライドドアが設けられ、前記多重スライドドアの下側と前記フェイスカバーの頂端端面の間には圧縮バネが連結され、前記多重スライドドアの上側には鼻覆い部品が設けられ、本発明は構造が簡単であり、調整可能の固定構造により異なった鼻筋の高さと顎の長さとを対応でき、密封性を保証し、同時に、気体ガイドの方式により呼気を濾過し冷却させ、温かい呼気の上昇によりメガネが曇る確率を下げる」、という複雑な構造のメガネレンズ曇り止めマスクを開示している。
【0006】
しかし、多くの考案は、特許文献4~特許文献9のように、マスク本体の裏側の構成を工夫した考案であり(特許文献8)、鼻梁にフィットするスポンジ製ノーズパッドを挿入したり(特許文献5)、逆V字二重構造にして呼気遮断帯を設けたり(特許文献6)、マスク本体裏側の中央上縁部に粘着テープを取り付けたり(特許文献7)することにより、呼気がマスク鼻元辺りに生じる隙間から上方に逃げるのを防止し、眼鏡の曇り止めをするマスクである。また、特許文献9のように、立体構造の立体マスクを提供する考案も見られる。
【0007】
これらの考案に係るマスク(特許文献4~特許文献9)は、マスク自体の構成を工夫するため、新たに設計したマスクを製造しなければならない。これに対して、特許文献10~特許文献14に係る考案は、既存のマスクに外付けする補助具であるため、市販のマスクを使用することができるというメリットがある。
【0008】
特許文献10に係る発明は、「メガネの鼻あてに固定することにより、メガネの鼻あてを下方向に延長することができ、メガネをしている人のマスク上部にできた隙間を、鼻あての下方に延長した部分でマスクの上から押さえ込み、鼻の両脇にできる隙間から漏れる息がメガネにかからないようにすることで、メガネが曇らなくできる、メガネ用鼻あて延長具」である。
【0009】
また、特許文献11に係る眼鏡曇り防止器具は、「眼鏡の中央部に係止する係止部と、マスクが浮き上がることを規制する規制部と、前記係止部と前記規制部を連結する連結部を持つことを手段」とし、「前記眼鏡と一体化された重量を、テンプルの耳側端部を支点として前記規制部に作用させ、前記規制部を前記マスクの上辺に沿うように頬に押し付けることで、マスクの上方からの息の排出を防ぎ、前記眼鏡の曇りを防止すること」を特徴とする。
【0010】
また、特許献12は、「風邪、花粉対策として呼吸器系の保護、又は、鼻や口内の保温・保湿などを目的として日常的に使われる家庭用衛生マスク」を提供しており、「フィルタ機能を有するマスク本体の上縁部を、外面器具と、排気弁箱と排気管から成る排気装置を有する内面器具で挟み、マスク本体上縁部の隙間を、外面器具に取り付けられた耳掛け紐を耳に装着することで圧迫して塞ぐこと」を特徴とする。
【0011】
また、特許文献13に係る発明は、「眼鏡のパット箱(クリングス)と鼻パット接続部分のすき間に挿入する事で、取り付け、取り外しが簡単に行える」、マスク上部のすき間押さえ付けプレートであり、マスクの機能を変更することなく、マスク上部の鼻とのすき間を押さえる事により、ウイルス、細菌等の病原菌や花粉がマスク上部のすき間からマスク内に入って来ることを防ぐと共に、マスク内からの湿った息をブロックして、眼鏡の曇りを軽減する機能を提供している。
【0012】
また、特許文献14は、マスクから漏れる息が眼鏡に掛るのを遮断する為に、金具2枚を曲げ、間にゴムを入れ接肌面にウレタンを張り気密を保持させた、息を遮断できる器具を提供している。
【0013】
これらの考案は、既存のマスクに外付けする補助具であり、夫々、鼻元辺りに生じるマスクの隙間から漏れる呼気が眼鏡にかからないようにすることで、メガネの曇りを抑止する効果を奏するが、機能的な仕掛けが大掛かりで美的外観に欠け、現実には使用しずらいという課題がある。
【特許文献1】特開平6-138421号公報
【特許文献2】実開平5-11127号公報
【特許文献3】実開平4-120927号公報
【特許文献4】特許第6572508号公報
【特許文献5】実3226963号公報
【特許文献6】特開2016-73591
【特許文献7】特開2018-178339
【特許文献8】特開2017-61763
【特許文献9】特許第3207842号
【特許文献10】特開2019-12247号公報
【特許文献11】特許第5876531号
【特許文献12】特開2012-228490
【特許文献13】特開2011-115233
【特許文献14】特開2007-283045
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
そこで、本発明は、シンプルで簡単に眼鏡に着脱できるものの、おしゃれで意匠性が高いため、マスクを非着用の際にも、アクセサリとして眼鏡に装着できる曇防止眼鏡アクセサリを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリは、左右のレンズフレームを接続するブリッジと、左右のレンズフレームに接続されて後方に伸長する左右のテンプルと、左右の箱足により左右のレンズフレームに接続された左右の箱と、左右の箱の表面に取り付けられた左右のノーズパッドと、を備え、着用者の口元から鼻を覆うマスクと共に着用された眼鏡において、
前記眼鏡に装着して、着用されたマスクにより覆われる着用者の鼻元辺りを、該マスクの上から顔面に向かって抑止する眼鏡アクセサリであって、
前記眼鏡に固定するための固定具と、前記着用者の鼻元辺りを顔面に向かって抑止する抑止パッドと、少なくとも該固定具と該抑止パッドとを夫々接続する可撓性形状保持細線(以下、単に「細線」ともいう)と、を備え、着用者の鼻の左側及び/又は右側からマスクの鼻元辺りに抑止パッドを当接させて、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする。
【0016】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリは、前記抑止パッドが左右の端部に夫々取付けられた前記細線が正面視でU字型に形成され、このU字型の細線の左右の該抑止パッド間に取り付けられた左右の前記固定具を、前記左右の箱足に固定する、左右の抑止パッドと左右の固定具を備える左右対称のU字型の曇防止眼鏡アクセサリであって、
前記左右の固定具が前記左右の箱足に固定された状態において、前記左右の抑止パッドと前記左右の固定具間で、前記細線が共に顔面方向に湾曲されており、着用者の鼻の左右から前記マスクの鼻元辺りが前記左右の抑止パッドにより抑止されて、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする。
【0017】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリにおいて、前記固定具はコの字型把持具であり、前記左右の箱足を把持して固定し得る。
【0018】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリにおいて、前記固定具はフック型係止具であり、前記左右の箱足を挟持し又は前記左右の箱足に係止して固定してもよい。
【0019】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリにおいて、前記固定具は、前壁と後壁とが凹部により接続されて、該凹部を前記ブリッジに上方から被せるように固定可能な1又は複数の逆U字型固定具であり、該前壁から左右の細線が下方に伸長して左右の抑止パッドが接続されており、該後壁から下方に伸長した吊足により、前方に共にL字型の左右の制御アームを突出させた細線制御部が接続されており、ブリッジに固定された該逆U字型固定具から下方に伸長した該左右の細線の伸長方向を、該細線制御部が制御する曇防止眼鏡アクセサリであって、
前記左右の細線を、前記左右の制御アームの間隙を通して該左右の制御アームに係止させ、
該左右の細線の伸長方向を顔面方向に湾曲させて、該左右の細線の先端に接続された前記左右の抑止パッドが、着用者の鼻の左右から前記マスクの鼻元辺りを抑止して、該マスクと着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリは、眼鏡に固定するための固定具と、鼻元辺りを顔面に向かって抑止する抑止パッドと、固定具と抑止パッドとを夫々接続する細線(可撓性形状保持細線)とを備え、口元から鼻を覆うマスクと共に眼鏡を着用する着用者の、鼻の左側及び/又は右側から鼻元辺りに抑止パッドを当接させて、マスクと鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことができる。そのため、着用者のマスクと鼻元辺りに生じた隙間から温い呼気が上昇して生ずる眼鏡の曇りを抑えることができる。
【0021】
本発明の曇防止眼鏡アクセサリは、シンプルで簡単に眼鏡に着脱できるが、軽量かつコンパクトであるため、マスクを外しても、そのまま眼鏡に装着していて邪魔にならない。また、おしゃれで意匠性が高いため、マスク非着用の場合にもアクセサリとして使用できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】眼鏡に装着した本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリの正面図。
【
図2】実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリの正面図。
【
図3】実施例に係る曇防止眼鏡アクセサリの正面図。
【
図4】他の実施例に係る曇防止眼鏡アクセサリの正面図。
【
図5】他の実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリの斜視図。
【
図6】本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリの使用態様正面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリの実施形態について説明する。なお、以下各図面を通して同一の構成要素には同一の符号を使用するものとする。
【0024】
本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、
図6に示すように、既存の眼鏡100に装着するアクセサリ1であり、眼鏡100と共に着用された口元から鼻を覆うマスク200に対して作用効果を発揮する。一般的な眼鏡100は、
図7のように、左右のレンズフレーム102L、102Rを接続するブリッジ110と、左右のレンズフレーム102L、102Rに接続されて後方に伸長する左右のテンプル104L、104Rと、左右の箱足108L、108Rにより左右のレンズフレーム102L、102Rに接続された左右の箱107L、107Rと、左右の箱107L、107Rの表面に取り付けられた左右のノーズパッド106L、106Rと、を備える。なお、本明細書において、左右前後は、眼鏡を着用する着用者から見た左右前後を表すものとする。
【0025】
すなわち、本発明の曇防止眼鏡アクセサリ1は、例えば
図1のように眼鏡100に装着して、着用されたマスク200により覆われる着用者の鼻元辺りを、マスク200の上から顔面に向かって抑止する眼鏡アクセサリである(
図6参照)。しかし、その形状は
図1に示すU字型に限らず、
図2のようなセパレート型や、
図5に示すようなブリッジから吊るす形状の眼鏡アクセサリもあり、その材料も特に限定されない。
【0026】
これら多様な形状を含む本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、共通して、眼鏡100に固定するための固定具20と、マスク200の着用者の鼻元辺りをマスク200の上から顔面に向かって抑止する抑止パッド10L、10Rと、少なくとも固定具20と抑止パッド10L、10Rとを夫々接続する可撓性形状保持細線3(以下、単に「細線3」ともいう)と、を備える。そして、鼻の左側及び/又は右側から鼻元辺りに抑止パッド10L、10Rを当接させて、マスク200と鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことを特徴とする。
【0027】
以下、本発明に係る曇防止眼鏡アクセサリ1をその形状について分類し、主な実施形態、実施例について説明する。
(1)セパレート型の曇防止眼鏡アクセサリの実施形態
【0028】
(セパレート型の曇防止眼鏡アクセサリ)
本実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、
図2に示すように、左右の独立した曇防止眼鏡アクセサリ1L、1Rがセットとなるセパレート型の曇防止眼鏡アクセサリ1である。
【0029】
このようなセパレート型の曇防止眼鏡アクセサリ1において、左右の曇防止眼鏡アクセサリ1L、1Rは、それぞれ、眼鏡100に固定するための固定具20L、20Rと、着用者の鼻元辺りを顔面に向かって抑止する抑止パッド10L、10Rとが、細線(可撓性形状保持細線)3L、3Rによって接続されて成る。そして、口元から鼻を覆うマスクと共に着用された眼鏡100の左右の箱足108L、108Rに(
図7参照)、固定具20L、20Rを夫々係止して、マスク200の着用者の鼻の左側又は右側から鼻元辺りにマスク200の上から抑止パッド10L、10Rを当接させて、マスク200と鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことができる(
図6参照)。
【0030】
図2において、固定具20はフック型係止具20L、20Rであり、夫々左右の箱足108L、108Rを挟持し又は左右の箱足108L、108Rに係止することができるが、その形状、材料は特に限定されず、細線3に接続可能で箱足108に固定できれば何れの形状、材料の固定具20を採用してもよい(
図7参照)。また、
図2において、抑止パッド10(10L、10R)はガラス加工製の抑止パッドであるが、この形状、材料も特に限定されない。
【0031】
これら左右の固定具20L、20Rと左右の抑止パッド10L、10Rとを夫々接続する左右の細線3L、3Rは、左右のフック型係止具20L、20R(固定具20)を眼鏡100の左右の箱足108L、108Rに係止した際に、眼鏡100を着用した着用者の鼻に沿って鼻下方向に伸長するように、それぞれ左右に湾曲させるのが好適である。左右のフック型係止具(固定具)20L、20Rを左右の箱足108L、108Rに係止するのみでは固定具20L、20Rは固定されないが、左右に湾曲した左右の細線3L、3Rの凸の部分が着用者の鼻に当接してロック(固定)され、抑止パッド10L、10Rを鼻の左右から鼻元辺りに当接させて、マスク200の上方から顔面方向に着用者の鼻元辺りを抑止することができる。このような細線3(可撓性形状保持細線3)は、例えばアルミニウム製の可撓性の細線を用いて良いが、熱可塑性や形状記憶性の金属や合金あるいはプラスチックを用いてもよく、可撓性で形状保持能力があればその材料は特に限定されない。
【0032】
また、眼鏡100の種類によって、左右のフック型係止具20L、20Rを係止する箱足108L、108Rの位置と、眼鏡100の着用者の鼻元辺りとの距離が異なる場合もあるため、左右の細線3L、3Rを着用者の顔面方向に湾曲させてもよい。さらに、細線3L、3Rは可撓性形状保持細線3であるため、抑止パッド10L、10Rを着用者の鼻元辺りの適切な位置に当接させるために、適宜曲げるなどの微調整を行うことができ、マスク200と鼻元辺りに生じた隙間を的確に塞ぐことができる(
図6参照)。
【0033】
また、
図2において、抑止パッド10(10L、10R)は例えばガラス加工製の抑止パッドであるが、その形状、材料は特に限定されず、適度な重量と大きさを有してマスク200の上方から顔面方向に着用者の鼻元辺りを抑止することができれば、その形状、材料は特に限定されない。
(2)U字型の曇防止眼鏡アクセサリの実施形態
【0034】
(U字型の曇防止眼鏡アクセサリ)
本実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、
図1に示すように、抑止パッド10L、10Rが左右の端部に夫々取付けられた細線3が正面視でU字型に形成されてU字型の細線30を備える曇防止眼鏡アクセサリ1である。
【0035】
このような左右対称のU字型の曇防止眼鏡アクセサリ1は、このU字型の細線30の左右の抑止パッド10L、10R間に取り付けられた左右の固定具20L、20Rを、左右の箱足108L、108Rに固定して用いる。すなわち、本実施形態のU字型の曇防止眼鏡アクセサリ1は、左右の固定具20L、20Rを、U字型の細線30の凹部32と左右の抑止パッド10L、10R間に備え、着用者の口元から鼻を覆うマスク200と共に着用された眼鏡100の左右の箱足108L、108Rに、この左右の固定具20L、20Rを固定して使用する。
【0036】
そして、左右の固定具20L、20Rが左右の箱足108L、108Rに固定された状態において、左右の抑止パッド10L、10Rと左右の固定具20L、20R間で、U字型の細線30が共に顔面方向に湾曲されており、着用者の鼻の左右からマスク200の鼻元辺りが左右の抑止パッド10L、10Rにより抑止されて、マスク200と着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことができる。なお、「マスク200の鼻元辺り」とは、マスク200の着用者の鼻の下方側部から鼻下周辺の鼻元辺りを覆うマスク200上の位置を指すものとし、以下、この語句を同様に用いるものとする。
【0037】
本実施形態のU字型の曇防止眼鏡アクセサリ1において、固定具20L、20Rはコの字型把持具であり(
図3、
図4参照)、左右の箱足108L、108Rを把持して固定することができるが、上述した実施形態の細線3と同様、その形状、材料は特に限定されない。また、抑止パッド10L、10Rと細線30についても、上記実施形態と同様、その形状、材料は特に限定されない。
【0038】
上記のように、U字型の細線30は、マスク200を抑止するために、抑止パッド10(10L、10R)と固定具20(20L、20R)間で、眼鏡100の着用者の顔面方向に湾曲されるが、上記実施形態と同様に左右方向に湾曲されてもよい。以下、主に左右方向に湾曲させる例について、実施例を用いて具体的に説明する。
【実施例0039】
実施例1に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、
図3に示すように、左右の固定具20L、20Rが、U字型の細線30のU字内側に取り付けられているU字型の曇防止眼鏡アクセサリ1である。実施例1に係る左右の固定具20L、20Rは、左右の箱足108L、108Rの外側からこれを把持して固定するため、左右方向のU字型の細線30の湾曲はそれほど必要がない。
【0040】
実施例1の曇防止眼鏡アクセサリ1は、左右の固定具20L、20Rを左右の箱足108L、108Rの外側から把持させれば、左右方向に僅かに湾曲したU字型の細線30の両端部に接続した左右の抑止パッド10L、10Rにより、着用者の鼻の左右からマスク200の鼻元辺りを抑止して、マスク200と着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことができる。
そして、左右の前壁211(211L、211R)からは、左右の細線3(3L、3R)が夫々下方に伸長して左右の抑止パッド10L、10Rに接続されている。また、後壁212(212L、212R)からは、吊足222L、222Rが下方に伸長し、前方に共にL字型の左右の制御アーム221L、221Rを突出させた細線制御部22が、吊足222L、222Rの下端部に接続されている。
本実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、ブリッジ110に固定された逆U字型固定具21から下方に伸長した左右の細線3の伸長方向を、細線制御部22が制御するように用いることができる。
すなわち、本実施形態に係る曇防止眼鏡アクセサリ1は、左右の細線3が顔面方向に湾曲されており、左右の細線3を、左右のL字型制御アーム221L、221Rの前方に設けられた間隙を貫通させて、左右の制御アーム221L、221Rの内側(顔面側)に係止させて使用する。左右の制御アーム221L、221Rの内側に係止することにより、顔面方向に湾曲した左右の細線3の先端に接続された左右の抑止パッド10L、10Rが、鼻の左右からマスク200の鼻元辺りを抑止して、マスク200と着用者の鼻元辺りに生じた隙間を塞ぐことができる。
なお、上記説明において、逆U字型固定具21を左右の逆U字型固定具21L、21Rの2つとしたが、その個数は特に限定されず、1個又は3個以上であってもよい。また、逆U字型固定具21や細線3、あるいは前壁211、後壁212、吊足(222L、222R)、L字型の制御アーム(221L、221R)、細線制御部22等は、例えばチタンを用いて形成されるが、その形状や材料も特に限定されない。