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特開2022-51667無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器
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  • 特開-無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器 図1
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  • 特開-無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051667
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器
(51)【国際特許分類】
   H04L 49/9057 20220101AFI20220325BHJP
   H04L 13/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
H04L12/951
H04L13/00 305B
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021078294
(22)【出願日】2021-05-06
(31)【優先権主張番号】109132700
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】521193131
【氏名又は名称】神通資訊科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】MiTAC Information Technology Corporation
【住所又は居所原語表記】No.187,Section 2,Tiding Boulevard, Neihu District Taipei City, 114,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100185694
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 隆志
(72)【発明者】
【氏名】朱宏茂
【テーマコード(参考)】
5K030
5K034
【Fターム(参考)】
5K030HA08
5K030HD09
5K030JA03
5K034AA05
5K034HH12
5K034HH61
5K034HH62
5K034KK07
5K034SS02
(57)【要約】
【課題】無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器を提供する。
【解決手段】無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器は、無人航空機のフライトコントローラの飛行制御データメッセージを取得する飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールと、IPアドレスを用いて無人航空機につき制御及びデータ送信を行うものであって、飛行制御データメッセージをイーサネットのパケット形式のメッセージに変換し、データ送信モジュールを用いてLAN又はインターネットに送信するIP化変換器モジュールを備える。IP化変換器モジュールは、LAN又はインターネットの制御メッセージパケットを受信し、制御メッセージパケットを無人航空機のフライトコントローラの通信プロトコルの飛行操作制御メッセージに変換し、飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールを通じて、飛行操作制御メッセージを無人航空機のフライトコントローラに送信する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器であって、
前記無人航空機のフライトコントローラに接続されて、前記無人航空機のフライトコントローラの飛行制御データメッセージを取得する飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールと、
IPアドレスを用いて前記無人航空機につき制御及びデータ送信を行うものであって、前記飛行制御データメッセージをイーサネットのパケット形式のメッセージに変換し、データ送信モジュールを用いて前記パケット形式のメッセージをローカルエリアネットワーク又はインターネットに送信するIP化変換器モジュールと、を備え、
前記IP化変換器モジュールは、ローカルエリアネットワーク又はインターネットの制御メッセージパケットを受信し、前記制御メッセージパケットを前記無人航空機のフライトコントローラにおける通信プロトコルの飛行操作制御メッセージに変換し、前記飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールを通じて、前記飛行操作制御メッセージを前記無人航空機のフライトコントローラに送信する、無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器。
【請求項2】
前記データ送信モジュールは、RJ45インターフェースモジュール、SIMカードインターフェースモジュール、拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール又はWiFi無線モジュールである、請求項1に記載の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器。
【請求項3】
前記飛行制御データメッセージは、飛行姿勢、飛行内部標定、飛行外部標定、GPS 及び飛行高度の前記無人航空機の状態メッセージ及び制御メッセージを含む、請求項1に記載の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器。
【請求項4】
前記IP化変換器に用いられる電力は、前記無人航空機のフライトコントローラ又は外部電源によって供給される、請求項1に記載の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無人航空機のフライトコントローラに関するものであり、特に無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
商用向けの無人航空機は、一般消費者向けの無人航空機と異なり、高い信頼性を備えるとともに、ユーザの要求に応じて無人航空機をカスタマイズさせることができ、変化するフィールドに応用することができる。航空機全体のカスタマイズの柔軟性を高めるため、商用向きの無人航空機のサプライチェーンの各メーカーは、何れもモジュール化方式でそれぞれの製品及び設備を設計し、モジュール化した設計によって無人航空機の属性の多様性を向上させている。
【0003】
現在の商用タイプの無人航空機は、主に無線を通じて地上管制局(Ground Control Station)と通信及びデータ交換を行っているが、無線を通じて通信を行うことによって、距離の制限を有する以外に、柔軟な応用及び統合を行うことが困難になっている。
【0004】
商用向けの無人航空機の各ユニットは、何れもモジュール化設計されており、ユーザの要求に応じて新たなモジュールを開発するか、既存のモジュールを修正することによってユーザの望む機能を開発する。その中で、フライトコントローラ(Flight Controller)は、無人航空機の中核であり、無人航空機の飛行任務と飛行安定性の制御を担っている。フライトコントローラは、主にユニバーサル非同期トランシーバ(Universal Asynchronous Receiver/Transmitter,UART)のICチップによって専用の通信プロトコルを用いて外部と通信し、通常、無線トランシーバモジュールによって地上管制局と通信及びデータ交換を行うが、無線を通じて通信を行うことは、距離の制限を有する以外に、柔軟な応用及び統合を行うことが困難になっている。商用向きの無人航空機の品質及び応用の柔軟性を向上させるため、将来的には、ローカルエリアネットワーク又はインターネットを通じて無人航空機の飛行制御を行い、その他のモジュールと統合してIPネットワークによって通信を行うことができる商用向きの無人航空機のIP化(Ipized)の変換器が早急に必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化(Ipized)変換器を提供し、IPネットワークを用いて商用向きの無人航空機と地上管制局の通信を行い、制御距離の制限を排除するとともに、通信プロトコルによって通信品質を確保し、また、より柔軟に各モジュールと統合させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の目的を達成するために、飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール及びIP化変換器モジュールを備えた無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器を提供する。飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールは、前記無人航空機のフライトコントローラに接続されて、前記無人航空機のフライトコントローラの飛行制御データメッセージを取得する。IP化変換器モジュールは、IPアドレスを用いて前記無人航空機につき制御及びデータ送信を行うものであって、前記飛行制御データメッセージをイーサネットのパケット形式のメッセージに変換し、データ送信モジュールを用いて前記パケット形式のメッセージをローカルエリアネットワーク又はインターネットに送信する。前記IP化変換器モジュールは、ローカルエリアネットワーク又はインターネットの制御メッセージパケットを受信し、前記制御メッセージパケットを前記無人航空機のフライトコントローラにおける通信プロトコルの飛行操作制御メッセージに変換し、前記飛行制御送信及び制御インターフェースモジュールを通じて、前記飛行操作制御メッセージを前記無人航空機のフライトコントローラに送信する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器は、以下の利点を有する。
1.本発明のIP化変換器は、フライトコントローラとローカルエリアネットワーク又はインターネットとの両者の間の通信プロトコルを変換し、IPアドレスを用いて無人航空機の制御及びデータ送信を行い、柔軟で多様な応用を提供するとともに、体積が小さく、取り付けが簡易であり、消費電力が低い利点を有し、フライトコントローラと完全に統合されることができる。
2.本発明のIP化変換器に用いられる電力は、前記フライトコントローラ又は外部電源によって供給されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器の構成説明図である。
図2】本発明の無人航空機のフライトコントローラにおける飛行制御データメッセージがパケット形式のメッセージに変換される説明図である。
図3】本発明の制御メッセージパケットがフライトコントローラの通信プロトコルの飛行操作制御メッセージに変換される説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はインターネット(INTERNET)を通じて無人航空機を制御し、その他のモジュールと統合してIP(Internet protocol)を用いて通信を行うことを可能にする無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器を開示する。
【0010】
図1は、本発明の無人航空機のフライトコントローラにおけるIP変換器の構成説明図を示し、図1に示すように、無人航空機のフライトコントローラにおけるIP化変換器100は、飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10及びIP化変換器モジュール20を有する。無人航空機のフライトコントローラにおけるIP変換器100は、飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10を用いて接続線12によって無人航空機のフライトコントローラ99に接続する。IP化変換器100によって用いられる電力は、無人航空機のフライトコントローラ90によって供給され、また、外部電源(図示せず)によって供給されることもできる。飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10は、無人航空機のフライトコントローラ90の飛行制御データメッセージ92を取得することに用いられる。飛行制御データメッセージ92は、無人航空機の飛行姿勢、飛行内部標定、飛行外部標定、GPS(Global System for Mobile Communications)、飛行高度及びセンサに検知される無人航空機の全ての状態メッセージ及び制御メッセージを含む。
【0011】
IP化変換器モジュール20は、IPアドレスを用いて無人航空機につき制御及びデータ送信を行い、IP化変換器モジュール20は、前記飛行制御データメッセージ92をイーサネット(Ethernet)のパケット形式のメッセージ22に変換し、データ送信モジュール70を用いて前記パケット形式のメッセージ22をローカルエリアネットワーク又はインターネットに送信する。データ送信モジュール70は、RJ45インターフェースモジュール30、SIM(Subscriber Identity Module)カードインターフェースモジュール40、拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール50又はWiFi無線モジュール60である。
【0012】
RJ45インターフェースモジュール30は、ネットワークケーブルを用いてネットワーク通信機器に接続してデータ送信を行う。SIMカードインターフェースモジュール40は、SIMカードを挿入し、GPSを用いてデータ送信を行うことができる。拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール50は、任意のネットワーク通信拡張機器に接続してデータ送信を行うことができる。WiFi無線モジュール60は、無線WiFiを用いてネットワーク通信機器に接続し、データ送信を行う。
【0013】
飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10が無人航空機のフライトコントローラ90に接続した後、無人航空機のフライトコントローラにおけるIP変換器100は、無人航空機のフライトコントローラ90における通信プロトコルを解析し、情報連結を首尾よく実行し、飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10は、無人航空機のフライトコントローラ90のオリジナルデータを取得する。それから、IP化変換器モジュール20は、前記飛行制御データメッセージ92をパケット形式のメッセージ22に変換し、RJ45インターフェースモジュール30、SIMカードインターフェースモジュール40、拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール50又はWiFi無線モジュール60を通じて、ローカルエリアネットワーク又はインターネットを用いてパケット形式のメッセージ22を地上管制局に送信する。
【0014】
IP化変換器モジュール20は、RJ45インターフェースモジュール30、SIMカードインターフェースモジュール40、拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール50又はWiFi無線モジュール60を通じてローカルエリアネットワーク又はインターネットを用いて地上管制局の制御メッセージパケット24を受信し、前記制御メッセージパケット24を無人航空機のフライトコントローラにおける通信プロトコルの飛行操作制御メッセージ94に変換し、前記飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール10を通じて、前記飛行操作制御メッセージ94を前記無人航空機のフライトコントローラ90に送信する。
【0015】
図2は、本発明の無人航空機のフライトコントローラにおける飛行制御データメッセージがパケット形式のメッセージに変換される説明図であり、図2に示すように、IP化変換器20は、無人航空機の飛行制御データメッセージ92をイーサネットパケット(Data packet)形式に変換する。IP化変換器20は、フライト制御器の通信プロトコルに従って、フライト制御器10の飛行制御データメッセージ92を解読する。同時に、IPプロトコルに従ってフライト制御器のデータメッセージをIPパケット形式のメッセージ22に変換し、1つのパケット(packet)は、ヘッダー(header)である制御情報とペイロード(payload)であるデータ自体の2つの部分を有する。次に、TCP(Transmission Control Protocol)又はUDP(UserDatagramProtocol) によってローカルエリアネットワーク又はインターネットに送信する。
【0016】
図3は、本発明の制御メッセージパケットがフライトコントローラにおける通信プロトコルの飛行操作制御メッセージに変換される説明図であり、図3に示すように、IP化変換器は、ローカルエリアネットワーク又はインターネット上の無人航空機についての飛行操作制御メッセージを変換し、IP化変換器は、イーサネットのパケット形式の制御メッセージパケット24をフライトコントローラにおける通信プロトコルの飛行操作制御メッセージ94に変換する。IP化変換器は、パケットを解析するとともに、ペイロードを読み取り、フライトコントローラにおける通信プロトコルフォーマットに従ってフライトコントローラの飛行操作制御メッセージ94に変換し、フライトコントローラ10に送信する。
【符号の説明】
【0017】
100 無人航空機のフライトコントローラにおけるIP 化変換器
10 飛行制御送信及び制御インターフェースモジュール
12 接続線
20 IP化変換器モジュール
22 パケット形式のメッセージ
24 制御メッセージパケット
30 RJ45インターフェースモジュール
40 SIMカードインターフェースモジュール
50 拡張可能な無線又は有線通信インターフェースモジュール
60 WiFi無線モジュール
70 データ送信モジュール
90 無人航空機のフライトコントローラ
92 飛行制御データメッセージ
94 飛行操作制御メッセージ
図1
図2
図3