(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051674
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】モジュラーフレーム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/02 20060101AFI20220325BHJP
H01H 13/88 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G06F3/02 400
H01H13/88
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021102061
(22)【出願日】2021-06-18
(31)【優先権主張番号】109132511
(32)【優先日】2020-09-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】508226687
【氏名又は名称】和碩聯合科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】PEGATRON CORPORATION
【住所又は居所原語表記】5F.,No.76,Ligong St., Beitou Dist., Taipei City 112, Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】100076831
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 捷雄
(72)【発明者】
【氏名】荘 博文
(72)【発明者】
【氏名】田 欣民
【テーマコード(参考)】
5B020
5G206
【Fターム(参考)】
5B020DD02
5B020DD51
5G206AS02N
5G206ES01N
5G206ES31N
(57)【要約】 (修正有)
【課題】異なるキーボード規格として選択的に配置可能なノート型パソコンに汎用性のあるモジュラーフレームを提供する。
【解決手段】モジュラーフレーム100は、ファンクションキーホール群111と、アルファベットキーホール群112と、ナンバーキーホール群113と、シフトキーホール114と、スペースキーホール115と、バックスペースキーホール116と、エンターキーホール117とを有するプッシュキー領域110を含む。シフトキーホールは、アルファベットキーホール群の一方側に位置し第1の加工領域を有する。スペースキーホールは、プッシュキー領域における下端部に配置され第2~第4の加工領域を有する。バックスペースキーホールは、第5の加工領域を有する。エンターキーホールは、バックスペースキーホールの下方に位置し、第6及び第7の加工領域を有する。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プッシュキー領域を備えており、該プッシュキー領域は、
前記プッシュキー領域の上端部に配置されているファンクションキーホール群と、
前記プッシュキー領域の中央箇所に配置されているアルファベットキーホール群と、
前記ファンクションキーホール群と前記アルファベットキーホール群との間に配置されているナンバーキーホール群と、
前記アルファベットキーホール群の一方側に位置し、且つ第1の加工領域を有するシフトキーホールと、
前記プッシュキー領域における前記ファンクションキーホール群とは反対の下端部に配置されており、且つ第2の加工領域と、第3の加工領域と、第4の加工領域とを有するスペースキーホールと、
前記ファンクションキーホール群と前記アルファベットキーホール群との間及び前記ナンバーキーホール群の一方側に位置しており、且つ第5の加工領域を有するバックスペースキーホールと、
前記アルファベットキーホール群内及び前記バックスペースキーホールの下方に位置しており、且つ第6の加工領域と第7の加工領域とを有するエンターキーホールと、を含むモジュラーフレームであって、
前記第1の加工領域から前記第7の加工領域は加工工程を選択的に実行することで、前記モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置することができるよう構成された、ことを特徴とするモジュラーフレーム。
【請求項2】
前記第1の加工領域から前記第7の加工領域にそれぞれ形成されており、前記シフトキーホールを二つのサブキーホールに分割し、前記スペースキーホールを四つのサブキーホールに分割し、前記バックスペースキーホールを二つのサブキーホールに分割し、前記エンターキーホールを三つのサブキーホールに分割する複数のリブ構造を更に含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項3】
前記第1の規格では、プレス又は切断工程によって前記第1の加工領域から前記第6の加工領域までに形成された前記これらリブ構造を切除することで、前記シフトキーホール、前記スペースキーホール及び前記バックスペースキーホールはそれぞれ単一のキーホールとなり、前記エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、前記モジュラーフレームを前記第1の規格として配置する、請求項2に記載のモジュラーフレーム。
【請求項4】
前記第2の規格では、プレス又は切断工程によって前記第2の加工領域から前記第5の加工領域及び前記第7の加工領域までに形成された前記これらリブ構造を切除することで、前記スペースキーホール及び前記バックスペースキーホールはそれぞれ単一のキーホールとなり、前記エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、前記モジュラーフレームを前記第2の規格として配置する、請求項2に記載のモジュラーフレーム。
【請求項5】
前記第3の規格では、プレス又は切断工程によって前記第1の加工領域及び前記第7の加工領域に形成された前記二つのリブ構造を切除することで、前記シフトキーホールは単一のキーホールとなり、前記エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、前記モジュラーフレームを前記第3の規格として配置する、請求項2に記載のモジュラーフレーム。
【請求項6】
各前記リブ構造及び前記プッシュキー領域の上面にギャップが存在している、請求項2から5のいずれか一項に記載のモジュラーフレーム。
【請求項7】
前記エンターキーホール内の前記二つのリブ構造は互いに垂直となっている、請求項2から6のいずれか一項に記載のモジュラーフレーム。
【請求項8】
前記第1の加工領域から前記第7の加工領域までのうちの少なくとも一つの加工領域に選択的に配置される少なくとも一つのリブ構造を更に含む、請求項1に記載のモジュラーフレーム。
【請求項9】
各前記少なくとも一つのリブ構造は二つの係合部と二つの貫通穴とを有しており、且つ前記第1の加工領域から前記第7の加工領域までのうちの少なくとも一つの加工領域は二つの位置決め溝と二つの熱溶着突起とを有しており、各前記少なくとも一つのリブ構造の前記二つの係合部は対応する前記二つの位置決め溝中に配置するのに適しており、前記二つの熱溶着突起は対応する二つの貫通穴に貫設するのに適しており、各前記熱溶着突起は熱溶着することで、前記少なくとも一つのリブ構造を前記プッシュキー領域に粘着させるのに適している、請求項8に記載のモジュラーフレーム。
【請求項10】
前記第1の規格では、前記少なくとも一つのリブ構造は前記第7の加工領域に配置されることで、前記エンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、前記モジュラーフレームを前記第1の規格として配置する、請求項8から9のいずれか一項に記載のモジュラーフレーム。
【請求項11】
前記第2の規格では、前記少なくとも一つのリブ構造は、前記第1の加工領域及び前記第6の加工領域にそれぞれ配置されることで、前記シフトキーホールを二つのサブキーホールに分割し且つ前記エンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、前記モジュラーフレームを前記第2の規格として配置するための二つのリブ構造を含む、請求項8から9のいずれか一項に記載のモジュラーフレーム。
【請求項12】
前記第3の規格では、前記少なくとも一つのリブ構造は、前記第2の加工領域から前記第6の加工領域までにそれぞれ配置されており、前記スペースキーホールを四つのサブキーホールに分割し、前記バックスペースキーホールを二つのサブキーホールに分割し、前記エンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、前記モジュラーフレームを前記第3の規格として配置するための五個のリブ構造を含む、請求項8から9のいずれか一項に記載のモジュラーフレーム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はモジュラーフレームに関し、特に異なるキーボード規格として選択的に配置することができるモジュラーフレームに関する。
【背景技術】
【0002】
ノート型パソコンは、文書事務や、ソフト設計、製図、動画鑑賞などを含めて、各種需要に応じて幅広く利用されている。現在、ノート型パソコンのキーボードは主にUSキーボードと、UKキーボードと、JISキーボードとの三種類のキーボード規格に分けられる。そのため、生産においてはUSと、UKと、JISとの三種類の規格に対応する成形金型をそれぞれ開発しなければならず、そのような既存の方式ではキーボードの生産コストが引き上げられる結果となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、ノート型パソコンのキーボードはデスクトップ型パソコンと異なる。その理由はノート型パソコンにおいてのスペースがより狭く、そのアルファベットキー領域と、ファンクションキー領域と、文書作業用キー領域と、ナンバーキー領域とを、すべて当該狭いノート型パソコンのキーボードに組み入れなければならないことにある。このうち、US、UK及びJIS等の三種類のキーボードの相違点は、主にエンターキーとシフトキーとスペースキーとの差異であり、他のプッシュキー領域については同じであるため、US、UK及びJIS等の三種類のキーボードに共用できるモジュラーフレームの開発は、解決すべき重要な目標となっている。
【0004】
本発明は、ノート型パソコンがUSと、UKと、JISとの三種類のキーボード規格を有し、それに合わせるため、従来はそれぞれに対応する成形金型の開発を行っていたことから生産コストが引き上げられるという問題を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、プッシュキーホールを加工手段で配置する形を用いてUSと、UKと、JISとの三種類のキーボード規格に適用することが可能なモジュラーフレームを提供し、異なるフレーム規格から生じる部材不足、又は在庫過剰の状況を避けることにより、生産コストの削減を効果的に実現する。
【0006】
本発明のモジュラーフレームは、ファンクションキーホール群と、アルファベットキーホール群と、ナンバーキーホール群と、シフトキーホールと、スペースキーホールと、バックスペースキーホールと、エンターキーホールとを有するプッシュキー領域を含む。ファンクションキーホール群はプッシュキー領域の上端部に配置されている。アルファベットキーホール群はプッシュキー領域の中央箇所に配置されている。ナンバーキーホール群はファンクションキーホール群とアルファベットキーホール群との間に配置されている。シフトキーホールはアルファベットキーホール群の一方側に位置しており、且つ第1の加工領域を有する。スペースキーホールはプッシュキー領域におけるファンクションキーホール群とは反対の下端部に配置されており、且つ第2の加工領域、第3の加工領域及び第4の加工領域を有する。バックスペースキーホールはファンクションキーホール群とアルファベットキーホール群との間でナンバーキーホール群の一方側に位置しており、且つバックスペースキーホールは第5の加工領域を有する。エンターキーホールはアルファベットキーホール群内及びバックスペースキーホールの下方に位置しており、且つ第6の加工領域と、第7の加工領域を有する。第1の加工領域から第7の加工領域は加工工程を選択的に実行可能で、モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置することができる。
【0007】
好適な実施例においては、第1の加工領域から第7の加工領域にそれぞれ形成されており、シフトキーホールを二つのサブキーホールに分割し、記スペースキーホールを四つのサブキーホールに分割し、バックスペースキーホールを二つのサブキーホールに分割し、エンターキーホールを三つのサブキーホールに分割する複数のリブ構造を更に含む。
【0008】
好適な実施例においては、第1の規格では、プレス又は切断工程によって第1の加工領域から第6の加工領域までに形成されたこれらリブ構造を切除することで、シフトキーホール、スペースキーホール及びバックスペースキーホールはそれぞれ単一のキーホールとなり、エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、モジュラーフレームを第1の規格として配置する。
【0009】
好適な実施例においては、第2の規格では、プレス又は切断工程によって第2の加工領域から第5の加工領域及び第7の加工領域までに形成されたこれらリブ構造を切除することで、スペースキーホール及びバックスペースキーホールはそれぞれ単一のキーホールとなり、エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、モジュラーフレームを第2の規格として配置する。
【0010】
好適な実施例においては、第3の規格では、プレス又は切断工程によって第1の加工領域及び第7の加工領域に形成された二つのリブ構造を切除することで、シフトキーホールは単一のキーホールとなり、エンターキーホールは二つのサブキーホールとなることで、モジュラーフレームを第3の規格として配置する。
【0011】
好適な実施例においては、各リブ構造及びプッシュキー領域の上面にギャップが存在している。
【0012】
好適な実施例においては、エンターキーホール内の二つのリブ構造は互いに垂直となっている。
【0013】
好適な実施例においては、第1の加工領域から第7の加工領域までのうちの少なくとも一つの加工領域に選択的に配置される少なくとも一つのリブ構造を更に含む。
【0014】
好適な実施例においては、各少なくとも一つのリブ構造は二つの係合部と二つの貫通穴とを有しており、且つ第1の加工領域から第7の加工領域までのうちの少なくとも一つの加工領域は二つの位置決め溝と二つの熱溶着突起とを有しており、各少なくとも一つのリブ構造の二つの係合部は対応する二つの位置決め溝中に配置するのに適しており、二つの熱溶着突起は対応する二つの貫通穴に貫設するのに適しており、各熱溶着突起は熱溶着することで、少なくとも一つのリブ構造をプッシュキー領域に粘着させるのに適している。
【0015】
好適な実施例においては、第1の規格では、少なくとも一つのリブ構造は第7の加工領域に配置されることで、エンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、モジュラーフレームを第1の規格として配置する。
【0016】
好適な実施例においては、第2の規格では、少なくとも一つのリブ構造は、第1の加工領域及び第6の加工領域にそれぞれ配置されることで、シフトキーホールを二つのサブキーホールに分割し且つエンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、モジュラーフレームを第2の規格として配置するための二つのリブ構造を含む。
【0017】
好適な実施例においては、第3の規格では、少なくとも一つのリブ構造は、第2の加工領域から第6の加工領域までにそれぞれ配置されており、スペースキーホールを四つのサブキーホールに分割し、バックスペースキーホールを二つのサブキーホールに分割し、エンターキーホールを二つのサブキーホールに分割して、モジュラーフレームを第3の規格として配置するための五個のリブ構造を含む。
【0018】
上記のように、本発明のモジュラーフレームは、加工工程(例えばプレス、切断、熱溶着工程)を選択的に実行可能で、キーボードの規格を変更するための第1の加工領域から第7の加工領域を有し、プレス、切断工程にて第1の加工領域から第7の加工領域までの各領域上の複数のリブ構造を選択的に切除することだけでなく、それにより、モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置すること、即ち、第1の規格、第2の規格又は第3の規格に合わせて配置することができる。また、第1の加工領域から第7の加工領域までの各領域上にリブ構造を選択的に取り付けるとともに、熱溶着工程で複数のリブ構造を対応する第1の加工領域から第7の加工領域までの各領域上に固設することで、モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置することもできる。
【発明の効果】
【0019】
本発明はノート型パソコンに適用するモジュラーフレームを提供し、実際的な需要に応じて、プッシュキーホールを加工手段により配置する方式を採用することによって、異なるキーボード規格に対応できるようになり、生産コストの削減を効果的に実現する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1A】本発明の一つの実施例に係るモジュラーフレームの立体概略図である。
【
図1B】
図1Aに示すモジュラーフレームの俯瞰平面概略図である。
【
図1C】
図1Bに示すモジュラーフレームにプレス工程を施した加工概略図である。
【
図1D】
図1Bに示すモジュラーフレームに切断工程を施した加工概略図である。
【
図2A】
図1Bに示すモジュラーフレームが第1の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【
図2B】
図1Bに示すモジュラーフレームが第2の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【
図2C】
図1Bに示すモジュラーフレームが第3の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【
図3A】本発明の他の実施例に係るモジュラーフレームの俯瞰平面概略図である。
【
図3B】
図3Aに示すモジュラーフレームにリブ構造を結合した立体図である。
【
図3C】
図3Bに示すモジュラーフレームに熱溶着工程を施した加工概略図である。
【
図4A】
図3Aに示すモジュラーフレームが第1の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【
図4B】
図3Aに示すモジュラーフレームが第2の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【
図4C】
図3Aに示すモジュラーフレームが第3の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
図1Aは本発明の一つの実施例に係るモジュラーフレームの立体概略図である。
図1Bは
図1Aのモジュラーフレームの俯瞰平面概略図である。
図1Cは
図1Bのモジュラーフレームにプレス工程を施した加工概略図である。
図1Dは
図1Bのモジュラーフレームに切断工程を施した加工概略図である。
【0022】
図1A及び
図1Bを参照する。本発明のモジュラーフレーム100は、プッシュキー領域110と、複数のリブ構造120と、タッチコントロール領域130とを含む。プッシュキー領域110は、ファンクションキーホール群111と、アルファベットキーホール群112と、ナンバーキーホール群113と、シフトキーホール114と、スペースキーホール115と、バックスペースキーホール116と、エンターキーホール117とを有する。このモジュラーフレーム100はノート型パソコンのキーボードに適用され、且つキーボード形式はそれぞれUS、UK及びJIS等の三種類のキーボード規格に分けられる。
【0023】
図1A及び
図1Bを参照する。ファンクションキーホール群111はプッシュキー領域110の上端部TEに配置され且つ長尺状をなしている。アルファベットキーホール群112はプッシュキー領域110の中央箇所に配置されている。ナンバーキーホール群113はファンクションキーホール群111とアルファベットキーホール群112との間に配置されている。
【0024】
シフトキーホール114はアルファベットキーホール群112の一方側に位置しており、且つシフトキーホール114は第1の加工領域R1を有する。スペースキーホール115は、プッシュキー領域110におけるファンクションキーホール群111とは反対の下端部BEに配置されており、且つスペースキーホール115は第2の加工領域R2と、第3の加工領域R3と、第4の加工領域R4とを有する。バックスペースキーホール116はファンクションキーホール群111とアルファベットキーホール群112との間でナンバーキーホール群113の一方側に位置しており、且つバックスペースキーホール116は第5の加工領域R5を有する。エンターキーホール117は、アルファベットキーホール群112内及びバックスペースキーホール116の下方に位置しており、且つエンターキーホール117は第6の加工領域R6と、第7の加工領域R7とを有する。
【0025】
図1A及び
図1Bを参照する。複数のリブ構造120は第1の加工領域R1から第7の加工領域R7にまでそれぞれ形成されており、本実施例において、各リブ構造120と対応する各加工領域(R1-R7)は一体成形されている。
図1Bに示すように、この場合、各リブ構造120はシフトキーホール114を二つのサブキーホールに分割し、スペースキーホール115を四つのサブキーホールに分割しており、且つスペースキーホール115の三つのリブ構造120は互いに平行となっており、また、バックスペースキーホール116を二つのサブキーホールに分割しており、エンターキーホール117を三つのサブキーホールに分割しており、且つエンターキーホール117内の二つのリブ構造120は互いに垂直となっている。
【0026】
タッチコントロール領域130はプッシュキー領域110の下端部BEに隣接しており、このうち、タッチコントロール領域130はタッチコントロールパネルを取り付けるのに用いられる。
【0027】
図1A、
図1C及び
図1Dを参照する。本実施例のモジュラーフレーム100は一体成形されているリブ構造120を複数有しており、プレス又は切断工程によって第1の加工領域R1から第7の加工領域R7までに形成された複数のリブ構造120を選択的に切除することで、プッシュキー領域110を第1の規格(USキーボード規格に対応する)、第2の規格(UKキーボード規格に対応する)、又は第3の規格(JISキーボード規格に対応する)として配置することができる。簡単に言えば、プレス工程又は切断工程により、余分なリブ構造120を切断して、これがプッシュキー領域110から除去されることで、US、UK及びJIS等の三種類のキーボード規格のプッシュキーを収容することができる。
【0028】
図1C及び
図1Dを参照する。各リブ構造120及びプッシュキー領域110の上面TSにはギャップGが存在しており、プレス加工又は切断加工でリブ構造120を切除するとき、リブ構造120を除去した後にプッシュキー領域110の上面TSにバリが残るのを防止できる。
【0029】
補充して言えば、
図1Cを参照するに、プレス工程を実行するとき、プッシュキー領域110を二つの入れ子IP上に置くとともに切除対象のリブ構造120の部分を二つの入れ子IPの間に架け渡して、続いてパンチヘッドPHをプッシュキー領域110の法線方向NDに沿って切除対象のリブ構造120の位置に揃えた後、パンチヘッドPHを作動させて、切除対象のリブ構造120に打撃を与えてリブ構造120を切除する。切除が完了した後、プッシュキー領域110を取り外すか、又はもう一つの切除対象のリブ構造120を二つの入れ子IPの間に架け渡すとともに、上記した手順を繰り返す。
【0030】
補充して言えば、
図1Dを参照するに、切断工程を実行するとき、ペンチVSでプッシュキー領域110を挟持するとともに、切除対象のリブ構造120をペンチVSの間に架け渡し、続いてナイフKFをプッシュキー領域110の法線方向NDに沿って切除対象のリブ構造120に移動させることで、リブ構造120を切除する。切除が完了した後、プッシュキー領域110を取り外すか、又はもう一つの切除対象のリブ構造120をペンチVSの間に架け渡すとともに、上記した手順を繰り返す。
【0031】
図2Aは
図1Bのモジュラーフレームが第1の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【0032】
図1B及び
図2Aを参照する。モジュラーフレーム100を第1の規格(
図2A)として配置したい場合、プレス又は切断工程によって第1の加工領域R1から第6の加工領域R6までに形成された複数のリブ構造120を切除することで、シフトキーホール114、スペースキーホール115及びバックスペースキーホール116がそれぞれ矩形外観の単一のキーホールとなり、且つエンターキーホール117が第7の加工領域R7のリブ構造120により二つのサブキーホールとなる。
【0033】
図2Bは
図1Bのモジュラーフレームが第2の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【0034】
図1B及び
図2Bを参照する。モジュラーフレーム100を第2の規格(
図2B)として配置したい場合、第2の規格の下、プレス又は切断工程によって第2の加工領域R2から第5の加工領域R5及び第7の加工領域R7までに形成された複数のリブ構造120を切除することで、スペースキーホール115及びバックスペースキーホール116がそれぞれ矩形外観の単一のキーホールとなり、シフトキーホール114が第1の加工領域R1のリブ構造120により二つのサブキーホールとなり、且つエンターキーホール117が第6の加工領域R6のリブ構造120により二つのサブキーホールとなる。
【0035】
図2Cは
図1Bのモジュラーフレームが第3の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【0036】
図1B及び
図2Cを参照する。モジュラーフレーム100を第3の規格(
図2C)として配置する場合、プレス又は切断工程によって第1の加工領域R1及び第7の加工領域R7に形成された二つのリブ構造120を切除することにより、シフトキーホール114が矩形外観の単一のキーホールとなり、エンターキーホール117が第6の加工領域R6のリブ構造120により二つのサブキーホールとなる。また、スペースキーホール115は第2の加工領域R2から第4の加工領域R4までの三つのリブ構造120により仕切られて四つのサブキーホールとなり、バックスペースキーホール116は第5の加工領域R5のリブ構造120により二つのサブキーホールとなる。
【0037】
図3Aは本発明の他の実施例に係るモジュラーフレームの俯瞰平面概略図である。
図3Bは
図3Aのモジュラーフレームにリブ構造を結合した立体図である。
図3Cは
図3Bのモジュラーフレームに熱溶着工程を施した加工概略図である。
【0038】
図3A及び
図3Bを参照する。本実施例のモジュラーフレーム100Aと
図1Bのモジュラーフレーム100との相違点は、モジュラーフレーム100Aではプッシュキー領域110a(
図3C)と、少なくとも一つのリブ構造120a(
図3B)とを含む、ところにある。プッシュキー領域110aは、ファンクションキーホール群111a(
図3A)と、アルファベットキーホール群112aと、ナンバーキーホール群113aと、シフトキーホール114aと、スペースキーホール115aと、バックスペースキーホール116aと、エンターキーホール117aとを有する。このうち、モジュラーフレーム100Aはノート型パソコンのキーボードに適用され、且つキーボード形式はそれぞれUS、UK及びJIS等の三種類のキーボード規格に分けられる。少なくとも一つのリブ構造120a(
図3B)は、第1の加工領域R1から第7の加工領域R7までのうちの少なくとも一つの加工領域に選択的に配置されており、これらの少なくとも一つのリブ構造120aは対応する各加工領域(R1~R7)と一体成形されてはいない。本実施例において、リブ構造120aは外付けの部材であり且つ複数有しているが、その個数の多寡はキーボード規格に対応するニーズにより決まる。
【0039】
図3B及び
図3Cを参照する。少なくとも一つのリブ構造120aの各々は、二つの係合部121aと、二つの貫通穴THとを有しており、且つ第1の加工領域R1から第7の加工領域R7までのうちの少なくとも一つの加工領域は二つの位置決め溝PGと二つの熱溶着突起HPとを有する。詳細にいえば、各位置決め溝PGはプッシュキー領域110aのベース面BSに形成されており、且つ各熱溶着突起HPは各位置決め溝PG中に配置されている。
【0040】
少なくとも一つのリブ構造120aの各々の二つの係合部121aは対応する二つの位置決め溝PG中に配置されて且つ内壁IWによる摩擦接触を受けるのに適しており、二つの貫通穴THは対応する二つの熱溶着突起HPを貫設するのに適している。
【0041】
プレス工程を実行するとき、外部熱源によって熱を各熱溶着突起HPに伝達させて、各熱溶着突起HPの各貫通穴THを貫通した一端が熱溶着されて、少なくとも一つのリブ構造120aをプッシュキー領域110aに粘着させる。これにより、少なくとも一つのリブ構造120aを第1の加工領域R1から第7の加工領域R7までのうち少なくとも一つの加工領域に固設して、ひいてはモジュラーフレーム100Aを第1の規格(USキーボード規格に対応する)、第2の規格(UKキーボード規格に対応する)又は第3の規格(JISキーボード規格に対応する)として配置する。補充して言えば、リブ構造120aの融点は熱溶着突起HPの融点よりも高く、加熱中にリブ構造120aは元の状態を維持することができる。
【0042】
図4Aは
図3Aのモジュラーフレームが第1の規格として配置されている俯瞰平面概略図である。
【0043】
図3A及び
図4Aを参照する。モジュラーフレーム100Aを第1の規格(
図4A)として配置したい場合、リブ構造120aを第7の加工領域R7に配置することで、エンターキーホール117aが第7の加工領域R7のリブ構造120aにより二つのサブキーホールに分割されて、シフトキーホール114a、スペースキーホール115a及びバックスペースキーホール116aはそれぞれ矩形外観の単一のキーホールとなる。
【0044】
図4Bは
図3Aのモジュラーフレームを第2の規格として配置したいときの俯瞰平面概略図である。
【0045】
図3A及び
図4Bを参照する。モジュラーフレーム100Aを第2の規格(
図4B)として配置する場合、少なくとも一つのリブ構造120aが二個のリブ構造120aを含み且つ第1の加工領域R1と第6の加工領域R6とにそれぞれ配置される。シフトキーホール114aを第1の加工領域R1のリブ構造120aにより二つのサブキーホールに分割する。エンターキーホール117aが第6の加工領域R6のリブ構造120aにより二つのサブキーホールに分割され、スペースキーホール115a及びバックスペースキーホール116aはそれぞれ矩形外観の単一のキーホールとなる。
【0046】
図4Cは
図3Aのモジュラーフレームを第3の規格として配置したいときの平面概略図である。
【0047】
図3A及び
図4Cを参照する。モジュラーフレーム100Aを第3の規格(
図4C)として配置する場合、少なくとも一つのリブ構造120aが五個のリブ構造120aを含み且つ第2の加工領域R2から第6の加工領域R6までにそれぞれ配置される。スペースキーホール115aを第2の加工領域R2から第4の加工領域R4までのリブ構造120aにより四つのサブキーホールに分割する。バックスペースキーホール116aは第5の加工領域R5のリブ構造120aにより二つのサブキーホールに分割される。エンターキーホール117aは第6の加工領域R6のリブ構造120により二つのサブキーホールに分割され、シフトキーホール114aは矩形外観の単一のキーホールとなる。
【0048】
上記をまとめるに、本発明のモジュラーフレームは、加工工程(例えばプレス、切断又は熱溶着工程)を選択的に実行可能でキーボード規格を変更するための第1の加工領域から第7の加工領域を有していることから、プレス、切断工程にて第1の加工領域から第7の加工領域までの上の複数のリブ構造を選択的に切除することで、モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置するのに適している。また第1の加工領域から第7の加工領域までの上にリブ構造を選択的に取り付けるとともに、熱溶着工程で複数のリブ構造を対応する第1の加工領域から第7の加工領域までの上に固設することで、モジュラーフレームを第1の規格、第2の規格又は第3の規格として配置することもできる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明では、異なるキーボード規格として選択的に配置することができるノート型パソコンに汎用性のあるモジュラーフレームを提供する。
【符号の説明】
【0050】
100、100A・・・モジュラーフレーム
110、110a・・・プッシュキー領域
111、111a・・・ファンクションキーホール群
112、112a・・・アルファベットキーホール群
113、113a・・・ナンバーキーホール群
114、114a・・・シフトキーホール
115、115a・・・スペースキーホール
116、116a・・・バックスペースキーホール
117、117a・・・エンターキーホール
120、120a・・・リブ構造
121a・・・・・・・係合部
130・・・・・・・・タッチコントロール領域
G・・・・・・・・・・ギャップ
BE・・・・・・・・・下端部
BS・・・・・・・・・ベース面
HP・・・・・・・・・熱溶着突起
IP・・・・・・・・・入れ子
IW・・・・・・・・・内壁
KF・・・・・・・・・ナイフ
ND・・・・・・・・・法線方向
PG・・・・・・・・・位置決め溝
PH・・・・・・・・・パンチヘッド
R1・・・・・・・・・第1の加工領域
R2・・・・・・・・・第2の加工領域
R3・・・・・・・・・第3の加工領域
R4・・・・・・・・・第4の加工領域
R5・・・・・・・・・第5の加工領域
R6・・・・・・・・・第6の加工領域
R7・・・・・・・・・第7の加工領域
TE・・・・・・・・・上端部
TH・・・・・・・・・貫通穴
TS・・・・・・・・・上面
VS・・・・・・・・・ペンチ