(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051711
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システム
(51)【国際特許分類】
A61K 8/00 20060101AFI20220325BHJP
A45D 44/00 20060101ALI20220325BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A61K8/00
A45D44/00 A
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021152561
(22)【出願日】2021-09-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122025
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122396
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122387
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122594
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122038
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122457
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122410
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0122429
(32)【優先日】2020-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】アモーレパシフィック コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
【住所又は居所原語表記】100, Hangang-daero, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121728
【弁理士】
【氏名又は名称】井関 勝守
(74)【代理人】
【識別番号】100165803
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 修平
(72)【発明者】
【氏名】イ ゼヒョン
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンウ
(72)【発明者】
【氏名】キム ドンヨン
(72)【発明者】
【氏名】マ ギョンジュン
(72)【発明者】
【氏名】パク ジョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンスン
(72)【発明者】
【氏名】イム ジヌ
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ビョンス
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083CC02
4C083EE50
4C083FF04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ユーザの皮膚状態に適した化粧品を製造し得る、化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムを提供する。
【解決手段】測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、オペレーティングサーバーから前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得る制御部と、前記第1組成比または前記第2組成比に基づいて化粧品が製造され得るよう、前記第1組成比または前記第2組成比のいずれかに応じて化粧料を排出し得る化粧料供給部とを含む化粧品製造装置を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、オペレーティングサーバーから前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得る制御部と、
前記第1組成比または前記第2組成比に基づいて化粧品が製造され得るよう、前記第1組成比または前記第2組成比のいずれかに応じて化粧料を排出し得る化粧料供給部とを含む化粧品製造装置。
【請求項2】
前記化粧品製造装置は、
前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つを表示し、表示された前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され得るユーザインタフェース部をさらに含み、
前記化粧料供給部は、入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造され得るよう、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る、請求項1に記載の化粧品製造装置。
【請求項3】
前記制御部によって、
前記第1組成比は既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と、製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、請求項1に記載の化粧品製造装置。
【請求項4】
前記製品データベースには、L1、a1、b1値とこれに対応する組成比が保存され、
前記測定センサーによって皮膚測定値は任意の値L2、a2、b2で測定され、
前記第1組成比は、前記製品データベースに保存されている組成比のうち、
【数1】
の値が最も小さい値に対応する組成比で設定される、請求項3に記載の化粧品製造装置。
【請求項5】
前記測定センサーによって測定された皮膚測定値はL2、a2、b2で示され、
前記オペレーティングサーバーからL3、a3、b3を示し得る化粧品に対する購入履歴が伝送されると、
前記制御部によって、
前記皮膚測定値は(P*L3+L2)/(P+1)、(P*a3+a2)/(P+1)、(P*b3+b2)/(P+1)である測定補正値で補正され、
前記第2組成比は、前記測定補正値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比で第2組成比が決定される、請求項1に記載の化粧品製造装置。
【請求項6】
前記第1組成比は、任意の化粧料に対する組成比X1:Y1:Z1:K1で示され、
前記オペレーティングサーバー40から任意の化粧料に対する組成比X2:Y2:Z2:K2を有する化粧品に関する購入履歴が伝送されると、
前記制御部によって、
前記第2組成比は(P*X1+X2)/(P+1):(P*Y1+Y2)/(P+1):(P*Z1+Z2)/(P+1):(P*K1+K2)/(P+1)で設定される、請求項1に記載の化粧品製造装置。
【請求項7】
前記Pは、ユーザインタフェース部または端末によってユーザから入力され得る1~10の自然数である、請求項5または6に記載の化粧品製造装置。
【請求項8】
前記ユーザインタフェース部には、
製造される化粧品がサンプルとして提供されるサンプル製造モードであるか、または製造される化粧品が完製品として提供される完製品製造モードであるかを選択し得る入力部が設けられる、請求項2に記載の化粧品製造装置。
【請求項9】
前記ユーザインタフェース部には、
製造される化粧品がファンデーション製品であるか、またはスキンケア製品であるかを選択し得る入力部が設けられる、請求項2に記載の化粧品製造装置。
【請求項10】
ユーザの皮膚状態を測定し得る測定センサーと、
ユーザの化粧品に関する購入履歴を保存することができ、前記測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得るオペレーティングサーバーと、
前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され得る端末と、
入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造されるように、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る化粧品製造装置とを含む、化粧品製造システム。
【請求項11】
前記オペレーティングサーバーにより、
前記第1組成比は、既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、請求項10に記載の化粧品製造システム。
【請求項12】
測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて算出された第1組成比と、前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比との少なくとも一つを保存し得るオペレーティングサーバーと、
前記オペレーティングサーバーから前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つが伝送され表示し得る端末と、
端末から前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され、入力された組成比に基づいて化粧品を製造し得る化粧品製造装置とを含む、化粧品製造システム。
【請求項13】
測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、
制御部によって、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、
オペレーティングサーバーからユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、
前記制御部によって化粧料供給部を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階とを含む、化粧品製造装置の制御方法。
【請求項14】
前記制御部によって化粧料供給部を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階の後に、
前記制御部によって移送手段を制御して、前記第2組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、
製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、
前記制御部によって移送手段を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階とをさらに含む、請求項13に記載の化粧品製造装置の制御方法。
【請求項15】
測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、
伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、
オペレーティングサーバーからユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、
ユーザインタフェース部に前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つを表示する段階と、
前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部に伝送する段階と、
前記制御部によって化粧料供給部を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階とを含む、化粧品製造装置の制御方法。
【請求項16】
前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部に伝送する段階は、
前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかを選択した理由をユーザが入力できるように、前記ユーザインタフェース部に選択理由を表示する段階と、
前記制御部は、前記選択理由の入力を受け既定のアルゴリズムに基づいて第3組成比を算出し、算出された第3組成比を前記ユーザインタフェース部に表示する段階と、
前記ユーザインタフェース部に表示された前記第3組成比と前記第1組成比と前記第2組成比とのうちのいずれか1つの入力を受け前記制御部に伝送する段階とを含む、請求項15に記載の化粧品製造装置の制御方法。
【請求項17】
前記制御部によって化粧料供給部を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階の後に、
前記制御部によって移送手段を制御して、入力された組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、
製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、
前記制御部によって移送手段を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階をさらに含む、請求項15に記載の化粧品製造装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
化粧品は、美容および皮膚の健康のために用いられており、自分に合った化粧品を使用しようとする消費者のニーズはますます強まっている。このようなニーズを満たすべく、様々な形態のユーザ化粧品製造装置が提案されている。
【0003】
一般的に、化粧品製造装置は、ユーザの皮膚状態を測定または診断し、それに基づいて当該ユーザに適した化粧料の配合比を算出した後、それに応じて化粧料を混合して化粧品を製造する方法で動作する。最近、技術の発展に伴い、このような化粧品製造装置は、一連のプロセスが順次行われ得る自動化した装置として提案されている。
【0004】
しかし、従来の技術による化粧品製造装置は、以下のような問題がある。従来の化粧品製造装置は、ユーザの希望する化粧品を製造するのに非常に長い時間がかかるという問題がある。また、化粧品製造装置は、ユーザの皮膚状態を測定または診断することから化粧品を製造する過程が連続的に行われるように提供され得、ユーザの立場においては、化粧品製造装置の前で化粧品の完成を待っていることは、ただ退屈な過程に過ぎない。したがって、好奇心による1~2回の利用は期待できるものの、持続的な化粧品製造装置の利用率は下がってくる可能性がある。
【0005】
また、化粧品製造装置により提供され得る化粧品が実際ユーザに伝送されるためには、化粧品製造装置を運用する運営者が、化粧料が入っている化粧品容器の組み立ての仕上げのために化粧品容器の蓋を結合したり、吐出部材を結合して上げたり、化粧品容器を化粧品製造装置から引き出してユーザに渡すなどの追加的な作業を行う必要があるという煩わしさがある。
【0006】
また、従来の化粧品製造装置は、単に皮膚状態を考慮して組成比を推薦したが、個別ユーザの化粧品に対する好み(例えば、明るい色を好むかどうか等)と皮膚状態とを同時に考慮して組成比を推薦する化粧品製造装置は提案されたことがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】韓国登録特許第10-1299849号公報(2013.09.17公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の一実施例による化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムは、前記のような問題を解決するために提案されたものであって、ユーザの皮膚状態に適した化粧品を製造し得る、化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムを提供しようとする。
【0009】
また、ユーザの化粧品に対する好みを反映して化粧品を製造し得る、化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムを提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一側面によると、測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得る制御部900と、前記第1組成比または前記第2組成比に基づいて化粧品が製造され得るよう、前記第1組成比または前記第2組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出し得る化粧料供給部200とを含む化粧品製造装置が提供され得る。
【0011】
また、前記化粧品製造装置は、前記第1組成比と前記第2組成比のうち少なくとも一つを表示し、表示された前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つを入力され得るユーザインタフェース部130をさらに含み、前記化粧料供給部200は、入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造され得るよう、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る、化粧品製造装置が提供され得る。
【0012】
また、前記制御部900によって、前記第1組成比は既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と、製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、化粧品製造装置が提供され得る。
【0013】
また、前記製品データベースには、L1、a1、b1値とこれに対応する組成比が保存され、前記測定センサーによって皮膚測定値は任意の値L2、a2、b2で測定され、前記第1組成比は、前記製品データベースに保存されている組成比のうち、
【数1】
の値が最も小さい値に対応する組成比で設定される、化粧品製造装置が提供され得る。
【0014】
また、前記測定センサーによって測定された皮膚測定値はL2、a2、b2で示され、前記オペレーティングサーバー40からL3、a3、b3を示し得る化粧品に対する購入履歴が伝送されると、前記制御部900によって前記皮膚測定値は(P*L3+L2)/(P+1)、(P*a3+a2)/(P+1)、(P*b3+b2)/(P+1)である測定補正値で補正され、前記第2組成比は、前記測定補正値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比で第2組成比が決定される、化粧品製造装置が提供され得る。
【0015】
また、前記第1組成比は、任意の化粧料に対する組成比X1:Y1:Z1:K1で示され、前記オペレーティングサーバー40から任意の化粧料に対する組成比X2:Y2:Z2:K2を有する化粧品に関する購入履歴が伝送されると、前記制御部900によって、前記第2組成比は(P*X1+X2)/(P+1):(P*Y1+Y2)/(P+1):(P*Z1+Z2)/(P+1):(P*K1+K2)/(P+1)に設定される、化粧品製造装置が提供され得る。
【0016】
また、前記Pは、ユーザインタフェース部130または端末20によってユーザから入力され得る1~10の自然数である、化粧品製造装置が提供され得る。
【0017】
また、前記ユーザインタフェース部130には、製造される化粧品がサンプルとして提供されるサンプル製造モードであるか、または製造される化粧品が完製品として提供される完製品製造モードであるかを選択し得る入力部が設けられる、化粧品製造装置が提供され得る。
【0018】
また、前記ユーザインタフェース部130には、製造される化粧品がファンデーション製品であるか、またはスキンケア製品であるかを選択し得る入力部が設けられる、化粧品製造装置が提供され得る。
【0019】
本発明の他の実施例によると、ユーザの皮膚状態を測定し得る測定センサーと、ユーザの化粧品に関する購入履歴を保存することができ、前記測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得るオペレーティングサーバー40と、前記第1組成比、前記第2組成比または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され得る端末20と、入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造されるように、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る化粧品製造装置10とを含む、化粧品製造システムが提供され得る。
【0020】
また、前記オペレーティングサーバー40により、前記第1組成比は、既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、化粧品製造システムが提供され得る。
【0021】
本発明のまた他の実施例によると、測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて算出された第1組成比と前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比とのうち少なくとも一つを保存し得るオペレーティングサーバー40と、前記オペレーティングサーバー40から前記第1組成比と前記第2組成比とのうち少なくとも一つが伝送され表示し得る端末20と、端末20から前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され、入力された組成比に基づいて化粧品を製造し得る化粧品製造装置10とを含む、化粧品製造システムが提供され得る。
【0022】
本発明のまた他の実施例によると、測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、制御部900によって、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階とを含む、化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0023】
また、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、第2組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階とをさらに含む、化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0024】
本発明のまた他の実施例によると、測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、ユーザインタフェース部130に前記第1組成比と前記第2組成比とのうち少なくとも一つを表示する段階と、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階とを含む、化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0025】
また、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階は、前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかを選択した理由をユーザが入力できるように、ユーザインタフェース部130に選択理由を表示する段階と、制御部900は、前記選択理由の入力を受け既定のアルゴリズムに基づいて第3組成比を算出し、算出された第3組成比をユーザインタフェース部130に表示する段階と、ユーザインタフェース部130に表示された第3組成比と前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階とを含む、化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0026】
また、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、入力された組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階をさらに含む、化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明の一実施例による化粧品製造装置、その制御方法および化粧品製造システムは、ユーザの皮膚状態に適する化粧品を製造し得る効果がある。
【0028】
また、ユーザの化粧品に対する好みを反映して化粧品を製造し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例による化粧品製造システムの構成を示す図である。
【
図2】
図2は、
図1における化粧品製造装置の外観を示す斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2における化粧品製造装置の内部構成を示す斜視図である。
【
図4】
図4は、
図1における化粧品製造装置の内部を上方から見た上面図(移送手段は図示せず)である。
【
図5】
図5は、
図1における化粧品製造装置の本体の一方に配置された化粧料供給部を示す斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1における化粧品製造装置の本体の一方に配置された部品供給部を示す斜視図である。
【
図7】
図7は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である部品据置ユニットと吸湿部とを示す斜視図である。
【
図8】
図8は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である吸湿部を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である移送手段を示す斜視図である。
【
図10】
図10は、
図1における化粧品製造装置の制御部と通信し得る構成を示すブロック図である。
【
図11】
図11は、
図1における化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図12】
図12は、
図1における化粧品製造装置の制御方法をより詳細に示してフローチャートである。
【
図13】
図13は、
図12の化粧品種類による製造段階の具体的な過程を示すフローチャートである。
【
図14】
図14は、本発明の一実施例による化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図15】
図15は、製品データベースが保存しているL、a、b設定値に対応する化粧料成分の組成比の一例示を示す図である。
【
図16】
図16は、本発明の他の実施例による化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下においては、本発明の具体的な実施例について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明を説明するにおいて、関連する公知の構成または機能に関する具体的な説明が本発明の要旨を曖昧にし得ると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0031】
以下の説明において、「化粧品」とは、ユーザの皮膚に直接または間接的に作用して、皮膚に美容効果を与えたり、皮膚を保護したり、皮膚状態を改善または変化させたり、これらの機能のいずれか1つ以上を有する製品として理解されて、「化粧料」とは、このような化粧品を構成する物質と理解され得る。以下において、「組成比」は、化粧品として提供される各々の化粧料の重量比または体積比と理解され得る。
【0032】
本実施例の化粧品製造装置10および化粧品製造システム1は、カスタム化粧品を製造し得る。
【0033】
なお、カスタム化粧品とは、ユーザの皮膚状態または皮膚状態を分析したり診断したりした結果に基づいて化粧品の組成比を決定し、決定された組成比に基づいて製造された化粧品と理解され得る。
【0034】
または、カスタム化粧品は、ユーザの意思または様々な経路を介して収集されたユーザコンテキスト(context)により決定された組成比に基づいて製造された化粧品と理解され得る。なお、ユーザコンテキストは、ユーザの生体情報、ユーザ周辺の空間情報、ユーザの予定に関連する既定の時間範囲および既定の空間範囲、ユーザのショッピング履歴、ユーザの購入履歴、ユーザのオンライン活動記録など、ユーザの生活に関連するデータであり、任意の機器または第3者から伝送され得るデータであると理解され得る。
【0035】
図1は、本発明の一実施例による化粧品製造システム1の構成を示す図である。
【0036】
図1を参照すると、本発明の一実施例による化粧品製造システム1は、カスタム化粧品を製造するために必要なデータを収集し組成比を決定して化粧品を製造し得るシステムとして、化粧品製造装置10と端末20とオペレーティングサーバー40とを含み得る。本実施例において、化粧品製造システム1は、カスタム化粧品を製造するためのシステムであり、化粧品製造装置10は、カスタム化粧品を製造し得る装置として提供されることを例に挙げて説明する。しかし、本発明の思想はこれに限定されず、既定の1つの組成比を有する化粧品を生産するためにも利用され得る。
【0037】
化粧品製造システム1を構成する構成要素は、ネットワークを介して連結され相互間でデータを送受信したり、一方から他方にデータを伝送したりし得るように設けられ得る。なお、ネットワークは、有線ネットワークまたは無線ネットワークのいずれも含むものであり、データを伝送できるものであれば、その種類に制限されない。
【0038】
化粧品製造装置10は、化粧品製造に必要な組成比データに基づいて、複数の化粧料を混合して化粧品容器に入れてユーザに提供し得る。ここで、化粧品容器は、後述するポンプ型容器で提供される第1容器とコンパクト型容器で提供される第2容器とを含み得る。
【0039】
このような第1容器と第2容器とは、化粧料を収容し得る混合容器161と化粧品容器を構成する構成品とのうち少なくとも1つ以上が結合され完成した容器と理解され得る。
【0040】
例えば、第1容器がポンプ型容器である場合、混合容器161と構成品とのうちの1つである吐出部材162が結合され、第1容器が提供され得る(
図6参照)。ただし、本発明の思想は、混合容器161が必ずしも第1容器の一部として提供されることに限定されず、構成品は吐出部材162と結合され得る別途の収容容器(図示せず)を含み、収容容器と吐出部材162とが結合され第1容器が提供されても良い。
【0041】
また、第2容器がコンパクト型容器である場合、構成品の一部であるベース容器164と含浸部材168とカバー容器166とが結合され第2容器が提供され得る。
【0042】
すなわち、本実施例において構成品は、第1容器を構成する部品(例えば、混合容器161と吐出部材162とが結合する場合は吐出部材162、別途の収容容器と吐出部材162とが結合した場合は収容容器および吐出部材162)および第2容器を構成する部品(例えば、ベース容器164、含浸部材168、カバー容器166)を含み得る。
【0043】
また、組成比データは、複数の化粧料の種類とその構成比を含む電子的データとして理解され得る。このような組成比データは、完全に加工されて化粧品製造装置10に提供されても良く、加工のための基礎データ(ユーザコンテキストを含む)が化粧品製造装置10に伝送されることにより、化粧品製造装置10によって生成されても良い。
【0044】
例えば、組成比データは、ユーザが所有している携帯電話やタブレットPCまたはデスクトップなどの端末20から化粧品製造装置10に提供され得る。この場合、組成比データは、端末20から直接化粧品製造装置10に提供されるか、化粧品製造装置10の運用主体が管理するオペレーティングサーバー40を介して化粧品製造装置10に提供され得る。実施例によって、端末20は、組成比データを生成するための基礎データ、例えば、ユーザの皮膚撮影画像などのデータを提供しても良い。
【0045】
端末20は、ユーザコンテキストに関する情報の入力を受けることができ、入力された情報は、オペレーティングサーバー40と化粧品製造装置10とのうち少なくとも1つに伝送され得る。
【0046】
また、端末20は、ユーザの皮膚状態を測定するための測定センサー(図示せず)を含み得る。例えば、測定センサーは、カメラ、水分センサー、油分センサーのうち1つ以上を含み得る。
【0047】
測定センサーがカメラで設けられる場合、端末20に設けられたカメラを介してユーザの皮膚状態を撮影し、撮影された皮膚画像に基づいてユーザの皮膚状態を判断し得る。
【0048】
組成比データは、ユーザの皮膚状態を測定し得る端末20の測定センサーから化粧品製造装置10に提供されても良い。
【0049】
端末20は、測定センサー(例えば、カメラ、水分センサー、油分センサー等)により測定された結果をそのまま化粧品製造装置10に伝送するか、これを分析または診断した皮膚状態データを化粧品製造装置10に伝送しても良い。
【0050】
本実施例においては、測定センサーが端末20の一構成として設けられることを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されるものではなく、測定センサーが端末20とは別の機器を介して設けられることを含み得る。
【0051】
化粧品製造装置10は、端末20から伝送されたデータに基づいて組成比データを決定し得る。実施例によって、端末20は、オペレーティングサーバー40を介して前述の皮膚状態データを化粧品製造装置10に伝送しても良い。この場合、オペレーティングサーバー40は、端末20から伝送されたデータに基づいて組成比データを加工して化粧品製造装置10に提供しても良い。
【0052】
また、化粧品製造装置10は、端末20から伝送されたデータをオペレーティングサーバー40に伝送し、オペレーティングサーバー40により生成された組成比データを受け取って化粧品製造に使用しても良い。
【0053】
オペレーティングサーバー40は、前述のように組成比データの加工に必要なデータを受信し、組成比データを加工して化粧品製造装置10に提供するか、伝送された組成比データをそのまま化粧品製造装置10に伝送し得る。この際、オペレーティングサーバー40は、端末20から伝送されたデータだけでなく、別途収集したユーザコンテキストに基づいて、各ユーザに合った組成比データを加工することができ、ユーザの要請または化粧品製造装置10の要請に応じて加工された組成比データを化粧品製造装置10に伝送しても良い。
【0054】
本実施例において、化粧品製造装置10は、互いに異なる形状を有する複数の化粧品容器を組み立て得る。
【0055】
本実施例においては、化粧品製造装置10が2種類の化粧品容器(第1容器と第2容器)を組み立て得ることを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されるものではなく、公知のすべての化粧品容器を組み立てることを含み得る。
【0056】
化粧品製造装置10は、ポンプから提供される圧力により化粧料を吐出するポンプ型容器と、化粧料を含浸部材に貯蔵してパフなどの化粧道具を用いて化粧料を提供し得るコンパクト型容器とを提供し得る。以下においては、ポンプ型容器を第1容器、コンパクト型容器を第2容器と言う。
【0057】
しかし、これは一例に過ぎず、化粧品製造装置10が提供し得る化粧品容器の類型はこれに限定されない。
【0058】
例えば、化粧品製造装置10は、リップティント、マスカラ等のようなアプリケーター付きのスティック型容器を提供するように構成されても良く、ポンプが形成されていない単純な化粧品容器本体とキャップとからなる化粧品容器を提供し得る。言い換えると、第1容器と第2容器との種類は本発明の思想を制限せず、第1容器と第2容器とはそれぞれ任意の化粧品容器と理解され得る。
【0059】
以下においては、化粧品製造装置10の細部構成について述べる。
【0060】
図2は
図1における化粧品製造装置10の外観を示す斜視図であり、
図3は、
図2における化粧品製造装置10の内部構成を示す斜視図であり、
図4は、
図1における化粧品製造装置の内部を上方から見た上面図(移送手段は図示せず)であり、
図5は、
図1における化粧品製造装置の本体の一方に配置された化粧料供給部200を示す斜視図であり、
図6は、
図1における化粧品製造装置の本体の他方に配置された部品供給部160を示す斜視図であり、
図7は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である部品据置ユニット50と吸湿部600を示す斜視図であり、
図8は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である吸湿部を示す斜視図であり、
図9は、
図1における化粧品製造装置の一部構成である移送手段を示す斜視図であり、
図10は、
図1における化粧品製造装置の制御部と通信し得る構成を示すブロック図である。
【0061】
図2~
図10を参照すると、化粧品製造装置10は、化粧品製造空間102を提供する本体100と、化粧料が貯蔵されている複数のカートリッジ142を保管する化粧料貯蔵部140と、化粧料を収容して混合させ得る混合容器161および化粧品容器を構成する1つ以上の構成品を提供する部品供給部160と、化粧料貯蔵部140から混合容器161に化粧料を供給する化粧料供給部200と、化粧料供給部200から供給された化粧料を貯蔵している混合容器161に外力を加えて混合容器161内の化粧料を混合する混合部400と、第1容器と第2容器とが組み立てられ得る空間を提供する部品据置ユニット50と、コンパクト型容器の一構成要素として設けられる含浸部材168に化粧料を含浸させる吸湿部600と、化粧料供給部200と部品供給部160と混合部400と吸湿部600と部品据置ユニット50とのいずれか1つから他の1つに、混合容器161および化粧品容器を構成する構成品を移動させ得る移送手段800と、化粧料供給部200と移送手段800と混合部400とのうち少なくとも1つを制御して、化粧品またはカスタム化粧品をユーザに提供し得る制御部900とを含み得る。
【0062】
ここで、部品据置ユニット50は、第1容器が組み立てられ得る空間を提供する安着部300と、第2容器が組み立てられ得る空間を提供する組立部500とを含み、安着部300と組立部500とはテーブル114上部に配置され得る。
【0063】
実施例によって、化粧品製造装置10は、前述の構成要素のいずれか1つまたはそれ以上を欠如することもあり、これによって本発明の思想は制限されない。例えば、化粧品製造装置10が第1容器のみを製造する場合、吸湿部600と組立部500の構成要素は省略され得る。
【0064】
前述のように、化粧品製造装置10は、組成比に応じて化粧料を混合し、混合された化粧料を化粧品容器(例えば、第1容器または第2容器)に入れてユーザに提供する装置として理解され得る。
【0065】
本実施例において、化粧品製造装置10は、化粧品を販売する小売店や、ユーザが訪問して化粧品を購入し得る任意の形態の売場に設置されることを例に挙げて説明する。しかし、これは一例に過ぎず、本発明の思想はこれに限定されない。例えば、化粧品製造装置10は、大量生産のための化粧品製造工場に設置されるか、化粧品販売が行われる空間ではない別の空間に設置されて化粧品を製造する用途として用いられ得る。
【0066】
本体100は、化粧品製造装置10の外観を形成し、化粧品を製造し得る構成要素(例えば、部品供給部160、化粧料供給部200、移送手段800、部品据置ユニット50、吸湿部600など)が設置され得る化粧品製造空間102を提供し得る。化粧品製造空間102を提供するために、本体100は必要な任意の立体形状を有することができ、本実施例においては全体的に直方体の形状を有することを例に挙げて示している。
【0067】
化粧品製造空間102には、前述の化粧料貯蔵部140、部品供給部160、化粧料供給部200、部品据置ユニット50(安着部300と混合部400)、組立部500、吸湿部600、移送手段800などの構成要素が配置され、このような構成要素は、化粧品製造空間102の床面を形成するベース110に配置され得る。実施例によって、前記構成要素が化粧品製造空間102を形成する任意の壁面に設置されても良いことは自明と言える。
【0068】
また、化粧品製造装置10を上方から見たとき(
図4参照)、化粧料供給部200は、左側面と右側面に配置されても良く、部品供給部160は前面左側中央、部品据置ユニット50は前面右側中央、移送手段800は後側中央に配置され得る。また、混合部400は、部品供給部160の後側に配置され得る。本実施例においては、化粧料供給部200が左側と右側と2つ設けられることを例に挙げて説明する。ただし、このような配置と化粧料供給部200の数は例示に過ぎないものであり、それらの配置は、移送手段800が動ける範囲であれば変更可能である。なお、
図3を基準に、前面は+y方向、右側は+x方向と理解され得る。
【0069】
また、部品据置ユニット50はテーブル114の上部に配置され、吸湿部600はテーブル114の下部に配置され得る。
【0070】
また、部品据置ユニット50は、安着部300と組立部500とを含んで良く、安着部300を基準にテーブル114の一方には組立部500が配置され、他方には吸湿部600の加圧部640が露出され得る(
図4基準)。ここで、加圧部640は、テーブル114に形成されたホールを介して露出され、後述する移送手段800が露出された加圧部640を押圧し得る。加圧部640は、第2容器の製造時、含浸部材168に化粧料を含浸する過程で用いられる構成であり、これに関する詳細な説明は後述する。
【0071】
本体100は、化粧品製造空間102を外部空間から保護するためのハウジング120を含み得る。
【0072】
具体的に、本体100を構成するハウジング120は、透明窓122が配置される前面ハウジング120aと、前面ハウジング120aと連結部材123により連結される後面ハウジング120bとを含み得る。ここで、連結部材123はヒンジであり得る。ユーザは、前面ハウジング120aの少なくとも一部を上方に持ち上げられるので、化粧品製造装置10の内部構成の整備利便性が向上し得る。
【0073】
ハウジング120の一部には、外部から化粧品製造空間102で行われる化粧品の製造過程を確認できるように透明窓122が設けられ得る。例えば、ハウジング120の正面中央領域が透明窓122で形成されても良く、これを介して移送手段800の動作および化粧品製造空間102で行われる作業の全体または一部をユーザに公開することができ、化粧品製造装置10により製造されるカスタム化粧品に対するユーザの信頼を高めることができる。
【0074】
また、ハウジング120の一方には、ユーザインタフェース部130が設けられ得る。ユーザインタフェース部130は、化粧品製造装置10の状態情報やカスタム化粧品の製造過程およびこれに関する情報をユーザに提供することができ、ユーザから既定の情報入力を受けるように設けられ得る。例えば、ユーザインタフェース部130はタッチスクリーンであり、音響入出力のためのマイクおよびスピーカーを含み得る。ハウジング120上でユーザインタフェース部130が設けられる位置は、透明窓122と重ならないように設定され、本実施例においては、本体100の前面左側の領域に設けられることを例に挙げて示している。
【0075】
ユーザは、ユーザインタフェース部130を介して自分の皮膚状態を分析、診断した結果を確認したり、自分に提供されるカスタム化粧品の組成比データを確認したり、製造するカスタム化粧品の組成比データを調整したり、特定の組成比データを有する化粧品を選択するなどの操作を行い得る。また、製造されるカスタム化粧品の個人化のために必要な個人情報を入力しても良い。
【0076】
また、ハウジング120の少なくとも一方には、複数の開閉ドア126が設けられ得る。ユーザは、開閉ドア126を開けてカートリッジ142を交換したり、化粧品製造空間102に配置された構成要素を整備したりし得る。また、化粧品製造空間102となるハウジング120の下方には、各種物品を保管し得る下部台127が設けられ得る。
【0077】
また、ハウジング120の一方には、必要に応じて開閉可能な部品供給ドア129が設けられ得る。部品供給ドア129は、後述する部品供給部160の前面に設けられ、選択的に開閉可能に設けられ得る。
【0078】
この際、部品供給ドア129は、弾性復元力を有する回動構造またはスライド構造で設けられ、部品供給部160のトレイ165が本体100の外部に移動する際に押されて開放された後、トレイ165が本体100の内部に移動すると、元の状態に復帰して閉鎖され得る。
【0079】
また、ユーザまたは別途のロボットは、部品供給ドア129を開放し、第1容器を構成する構成品(例えば、混合容器161と吐出部材162)と、第2容器を構成する構成品(例えば、ベース容器164と含浸部材168とカバー容器166)とを部品供給部160に載置することもできる。また、組み立てが完了した第1容器または第2容器が部品供給部160に置かれると、ユーザは部品供給ドア129を開放して組み立てが完了した完製品を取り出すこともできる。
【0080】
また、ハウジング120の他方には、必要に応じて開閉可能な吸湿部ドア128が設けられ得る。このような吸湿部ドア128が設けられることにより、後述する吸湿部600の整備利便性を高め得る。
【0081】
一方、ベース110には、化粧品製造装置10が第2容器を製造するものとして用いられる場合、化粧料の混合後、不要となった混合容器161を回収するための回収部112が設けられ得る。回収部112は、組立部500と隣接して配置され、ベース110に穿孔されたホール状で設けられ、ベース容器164への吐出を終えた混合容器161を、移送手段800が回収部112上で単に落下させることにより回収されるようにし得る。この際、回収部112の下方には、捨てられる混合容器161を集めるための回収ボックス(図示せず)が設けられ得る。
【0082】
化粧料貯蔵部140は、本体100の一方に配置され、複数のカートリッジ142を備え得る。以下の説明において、本体100の一方は、ベース110に設置された移送手段800を基準とした一方向と理解され、本体100の他方は、前記一方と異なる一方向と理解され得る。本実施例においては、図面を基準に化粧料貯蔵部140が移送手段800の左側と右側にそれぞれ配置されることを例に挙げて示している。
【0083】
それぞれのカートリッジ142には、化粧品の原料として用いられる化粧料が貯蔵され得る。いずれか1つの化粧料は、複数のカートリッジ142に分けられて提供されても良い。カートリッジ142は、化粧料供給部200に設けられたポンプなどの化粧料供給手段220と連結され、貯蔵されている化粧料が消尽した場合は交換するように設けられ得る。
【0084】
本実施例において、カートリッジ142は複数設けられ、それぞれのカートリッジ142には、既定の種類の化粧料が貯蔵されることを例に挙げて説明する。複数のカートリッジ142は、ハウジング120を構成する一方の壁面に並んで配置されても良く、カートリッジ142の交換のためにハウジング120の一部は開放可能に形成されても良い。
【0085】
それぞれのカートリッジ142は、チューブ143を介して化粧料供給手段220と連結され得る。カートリッジ142に貯蔵されている化粧料は、化粧料供給手段220を経て、混合容器移送部250に位置する混合容器161に吐出され得る。
【0086】
化粧料供給部200は、化粧料貯蔵部140と隣接して配置され得る。具体的に、化粧料供給部200は、化粧料貯蔵部140の上方に配置され得る。なお、上方は、
図3を基準に+z方向と理解され得る。
【0087】
化粧料供給部200は、制御部900によって生成された組成比に応じて、カートリッジ142に貯蔵されている化粧料を混合容器移送部250にある混合容器161に吐出し得る。なお、組成比は既定となってメモリ(図示せず)に保存されていたり、端末20とオペレーティングサーバー40から伝送されたり、伝送されたデータに基づいて制御部900によって演算し得る。
【0088】
また、化粧料供給部200は、独立した空間で分離されるように、複数設けられ得る。本実施例において、化粧料供給部200は、本体100の左側と右側にそれぞれ1つずつ設けられることを例に挙げて説明する。
【0089】
それぞれの化粧料供給部200は、化粧料供給部のための動力を提供して、カートリッジ142に貯蔵されている化粧料を移送させる化粧料供給手段220と、化粧料供給手段220から移送される化粧料が吐出される複数の吐出口232と、混合容器161を固定して複数の吐出口232下部で移動可能に提供される混合容器移送部250とを含み得る(
図5参照)。
【0090】
化粧料供給手段220は、既定の速度でカートリッジ142から化粧料を吸入して混合容器161に化粧料を吐出し得る。例えば、化粧料供給手段220は、微少流量調節が可能な蠕動ポンプ(peristaltic pump)を含み得る。
【0091】
この際、化粧料供給手段220の化粧料吸入および吐出速度は、既定の条件または制御部900の制御によって可変し得る。例えば、制御部900は、混合容器161に注入された化粧料の量に応じて化粧料供給手段220として設けられた蠕動ポンプを制御することにより、供給流量および流速を調節し得る。
【0092】
化粧料供給手段220は、化粧料供給部支持台235によって支持され、混合容器移送部250は、化粧料供給手段220の下方に設けられ得る。
【0093】
ここで、化粧料供給部支持台235の一方には、化粧料が吐出される吐出口232が設けられ、吐出口232の下方に混合容器移送部250が移動され混合容器161に化粧料が収容され得る。
【0094】
化粧料供給手段220と化粧料が吐出される吐出口232との間には、連結流路が設けられ得る。ここで、化粧料供給手段220が蠕動ポンプで設けられる場合、連結流路はチューブ143であり得る。つまり、チューブ143は、化粧料供給手段220を介してカートリッジ142と吐出口232とを連結する手段と理解され得る。
【0095】
化粧料供給手段220は、それぞれのカートリッジ142に対応する数で設けられ得る、例えば、1つのカートリッジ142に1つの化粧料供給手段220が連結され、それぞれの化粧料供給手段220がカートリッジ142に貯蔵されている化粧料の吐出量を調節し得る。
【0096】
化粧料供給手段220は、カートリッジ142に貯蔵されている化粧料を混合容器移送部250に安着した混合容器161に吐出し得る。
【0097】
混合容器移送部250は、混合容器161を挿入するための混合容器用安着溝2547aを含み得る。また、混合容器移送部250は、複数の吐出口232が配置された方向(y軸方向)に往復運動し得る。
【0098】
混合容器移送部250は、混合容器用安着溝2547aに混合容器161を安着させ、吐出口232の下部を往復運動しながら、複数の吐出口232から吐出される化粧料を混合容器161に収容し得る(
図5参照)。ここで、吐出口232は、化粧料供給手段220と同じか、より多い数で設けられ得る。
【0099】
混合容器移送部250は、それぞれの吐出口232の下部に既定の時間を待機した後、次の吐出口232に移動し得る。混合容器移送部250が既定の時間を待機する間、吐出口232から混合容器161に化粧料が吐出され得る。
【0100】
具体的に、混合容器移送部250は、混合容器用ガイドレール252に沿って移動される混合容器用移動ブロック254と、混合容器用移動ブロック254の上部に設けられ、混合容器161を固定させ得る混合容器用安着溝2547aと、混合容器用移動ブロック254から延長され、移送手段800により把持され得る混合容器用フックレバー255を含み得る。
【0101】
また、混合容器移送部250の下部には、吐出口232の配置方向(y方向)に沿って延長されている混合容器用ガイドレール252が設けられ、混合容器用フックレバー255の下部には、混合容器用フックレバー255が引っかかり得る混合容器用ストッパー256が設けられ得る。なお、混合容器用ガイドレール252と混合容器用ストッパー256とは、ベース110に設けられるものと理解され得る。また、混合容器用ストッパー256には、混合容器用フックレバー255が嵌まり得る複数の溝が形成され得る。複数の溝の間隔は化粧料供給手段220の吐出口の間隔に対応する。
【0102】
本実施例において、混合容器用移動ブロック254の移動は、移送手段800によって行われることを例に挙げて説明する。例えば、移送手段800は、混合容器用移動ブロック254から延長される混合容器用フックレバー255を把持した後、y軸方向に往復運動させ得る。
【0103】
移送手段800は、混合容器用フックレバー255を把持して混合容器用移動ブロック254の拘束状態を解除して、混合容器用移動ブロック254を移動させた後、他の位置の混合容器用ストッパー256の溝に嵌めることにより、再び混合容器用移動ブロック254を拘束状態にして、化粧料が吐出される間に混合容器161が当該位置を安定して維持できるようし得る。この場合、混合容器用移動ブロック254が混合容器用ストッパー256に固定され、混合容器161にいずれか1つの化粧料が吐出される間、移送手段800は自由に他の作業を行えるので、全体的な製造工程を効率的に構成して製造時間を短縮させ得る。
【0104】
実施例によっては、混合容器用移動ブロック254の移動および位置維持は別途設けられた駆動装置によって実現され得る。例えば、混合容器用移動ブロック254は、リニアモータガイドに設けられた移動ブロックであって良く、この場合、制御部900は、リニアモータガイドを制御することにより、混合容器用移動ブロック254に安着した混合容器161が定位置にて化粧料供給手段220を介して提供される化粧料を収容するようにし得る。
【0105】
一方、混合容器用移動ブロック254の内部には、混合容器161の重さ変化を測定し得る重さセンサーがさらに設けられ得る。化粧料供給部200によって混合容器161に化粧料が注入されることによって混合容器161の重さは変化することができ、制御部900は、重さセンサーで測定された結果に基づいて化粧料供給部200による化粧料の供給速度を調節し得る。
【0106】
部品供給部160は、化粧品製造装置10にて組み立て得る化粧品容器(例えば、第1容器と第2容器)の構成品を供給し得る。
【0107】
具体的に、部品供給部160は、構成品が載置され得るトレイ165と、第1容器を形成し得る構成品を支持し得る第1容器構成品支持部163と、第2容器を形成し得る構成品を支持し得る第2容器構成品支持部169とを含み得る。
【0108】
以下においては、混合容器161と化粧品容器を構成する構成品などの部品供給部160によって供給されるものを総称して「部品」と言う。
【0109】
トレイ165は、ベース110に設けられ、少なくとも一部が本体100の外部に露出するよう移動可能に設けられ得る。例えば、トレイ165は、部品供給ドア129を介して本体100の外側にスライド移動できるように設けられ得る。
【0110】
この場合、ユーザまたは別途のロボットは、第1容器を形成する構成品と第2容器を構成する構成品とを部品供給部160に容易に載置することができ、組み立てが完了した第1容器と第2容器とを容易に本体100の外部に排出し得る。
【0111】
第1容器構成品支持部163は、混合容器161を支持し得る混合容器支持部163aと、吐出部材162を支持し得る吐出部材支持部163bとを含み得る。
【0112】
混合容器支持部163aには、混合容器161が挿入できる溝が設けられ得る。吐出部材支持部163bには、吐出部材162を支持するとともに、ストロー1622が挿入できる溝が設けられ得る。
【0113】
第2容器構成品支持部169は、ベース容器164を支持し得るベース容器支持部169aと、含浸部材168を支持し得る含浸部材支持部169bと、カバー容器166を支持し得るカバー容器支持部169cとを含み得る。
【0114】
また、トレイ165の前面には溝167が設けられ、組み立てが完了した第1容器または第2容器は、トレイ165の溝167に載置され得る。
【0115】
本実施例において、第1容器は、混合容器161と吐出部材162とが組み立てられて形成されるものと理解され得る。
【0116】
具体的に、吐出部材162は、圧力差を発生させて流体を移送させ得る力を提供するポンピングパーツ1621と、ポンピングパーツ1621に連結され混合容器161の内側に挿入され、混合容器161に貯蔵されている化粧料を吸入し得るストロー1622と、混合容器161の入口部1611を密閉し得るキャップ1623とを含み得る。
【0117】
混合容器161は、化粧料を貯蔵し得る空間を提供することができ、ストロー1622が挿入できる入口部1611を含み得る。
【0118】
混合容器161は、第1容器の一部として完成された製品の化粧料を貯蔵する用途としても用いられ得る。つまり、混合容器161は、化粧品を混合するために用いられた後、そのままカスタム化粧品の一部として用いられ得る。
【0119】
また、第2容器は、ベース容器164と含浸部材168とカバー容器166とが組み立てられて形成されるものと理解され得る。
【0120】
具体的に、ベース容器164は、化粧料とスポンジからなる含浸部材168を収容し、カバー容器166は、ベース容器164の内部にある含浸部材168を選択的に密閉させ得る。
【0121】
カバー容器166には、パフなどの化粧道具が予め設けられていて良い。
【0122】
具体的に、カバー容器166は、ベース容器164に結合されるが、化粧道具を支持して含浸部材168を覆う内側カバーと、化粧道具を覆うことにより容器全体を保護する外側カバーとを含み得る。内側カバーと外側カバーとは、それぞれ回動移動して含浸部材168または化粧道具を遮蔽し得る。
【0123】
また、化粧品製造空間102には、第1容器と第2容器とが組み立てられ得る部品据置ユニット50が設けられ得る(
図7参照)。
【0124】
具体的に、部品据置ユニット50は、第1容器が組み立てられ得る安着部300と、第2容器が組み立てられ得る組立部500とを含み得る。部品据置ユニット50は、テーブル114の上部に設けられ、部品据置ユニット50と所定距離で離隔されたテーブル114には、加圧部640が露出され得る溝が設けられ得る。
【0125】
安着部300は、カスタム化粧品の製造過程において、混合容器161が次の過程に移動する前に、一時的に待機する位置であるか、第1容器の組み立てにおいて混合容器161を支持する用途として用いられ得る。本実施例のように移送手段800として2つのロボットアームが用いられる場合、安着部300は、2つのロボットアームがすべてアクセス可能な位置に配置されることにより、2つのロボットアームの間で部品を伝送する役割を果たし得る。
【0126】
具体的に、混合容器161は、縦断面が角のある構造で形成されて良く、安着部300には、混合容器161の形状に対応する形状を有する混合容器安着溝302が設けられ得る。移送手段800は、混合容器安着溝302に混合容器161が正確に嵌められるように、混合容器161の方向を既定の方向に切り替えた後、安着させる過程を行う。これにより混合容器161は常に既定の位置に位置することができ、回転方向の外力に対抗して吐出部材162との結合過程で安定的に姿勢を維持し得る。
【0127】
組立部500は、化粧品容器を構成する個々の構成品を組み立てることにより、完成した製品として化粧品を製造する位置および空間を提供し得る。本実施例においては、組立部500において第2容器の組み立てが行われることを例に挙げて説明する。すなわち、本実施例において、第1容器の組み立ては安着部300で行われ、第2容器の組み立ては組立部500で行われるが、本発明の思想はこれに限定されない。例えば、第1容器の組み立てと第2容器の組み立てがすべて安着部300で行われても良い。この場合、安着部300は組立部500として理解され得る。また、第1容器の組み立てと第2容器の組み立てがすべて組立部500で行われても良い。それぞれの容器の具体的な組立過程は後述する。
【0128】
組立部500上において、ベース容器164と、含浸部材168と、カバー容器166との結合(第2容器の組み立て)が行われ得る。具体的に、移送手段800によってベース容器164が組立部500上に位置し、混合容器161に貯蔵されている化粧料がベース容器164に投入された後、含浸部材168がベース容器164に載置された後、吸湿部600で吸湿過程を経た後、カバー容器166が含浸部材168を覆うように、ベース容器164に結合され得る。これに関するより詳細な説明は後述する。
【0129】
組立部500は、第2容器の組み立て過程において、混合容器161の混合された化粧料を収容し得るように、ベース容器164が安着し得るベース容器安着溝502を含み得る。移送手段800は、部品供給部160のベース容器164を把持してベース容器安着溝502に移動させ得る。混合が完了した混合容器161は、安着部300または混合部400から移送手段800によって移送された後、組立部500上のベース容器164に化粧料を吐出し得る。
【0130】
具体的に、ベース容器164は、少なくとも一部分が角のある構造または円柱状に形成され、ベース容器安着溝502は、ベース容器164に形成された角構造または円柱形状に対応する形状を有するように設けられ得る。移送手段800は、ベース容器安着溝502にベース容器164が正確に嵌められるように、ベース容器164の方向を既定の方向に切り替えた後、安着させる過程を行う。これにより、ベース容器164は、常に既定の位置に位置することができ、回転方向の外力に対抗してカバー容器166との結合過程で安定的に姿勢を維持し得る。
【0131】
また、組立部500上に安着され混合された化粧料の収容が完了したベース容器164には、移送手段800によって含浸部材168が収容され得る。含浸部材168の収容が完了したベース容器164は、再び移送手段800によって吸湿部600に移動され吸湿過程を経る。
【0132】
吸湿部600においては、第2容器に含まれる含浸部材168に化粧料を含浸する過程が行われる。組立部500上で化粧料の収容および含浸部材168の載置が完了したベース容器164は吸湿部600に移動され、吸湿部600に設けられた吸湿道具620によって化粧料が含浸部材168に十分含浸され得る。吸湿道具620は、含浸部材168を既定の圧力で加圧する過程を繰り返し行うことにより、含浸作用が成されるようにし得る。
【0133】
吸湿部600は、吸湿道具620と、ベース容器移送部650とを含み得る(
図8参照)。
【0134】
吸湿道具620は、ベース容器164に挿入された含浸部材168を加圧して、化粧料を含浸部材168に含浸させ得る構成と理解され得る。
【0135】
ベース容器移送部650は、組立部500から移動されたベース容器164を安着させた後、吸湿道具620の下部に移動させる構成と理解され得る。ベース容器移送部650に安着したベース容器164の内部には、化粧料と含浸部材168とが収容されている。
【0136】
吸湿道具620は、テーブル114下部において、高さ方向(z方向)に上昇・下降して、ベース容器移送部650に安着したベース容器164を固定させ得る定位置ホルダー630と、定位置ホルダー630によって固定されたベース容器164の上部にある含浸部材168を加圧し得る加圧部640とを含み得る。ここで、テーブル114には、加圧部640が露出し得るホールが形成されて良く、移送手段800は露出された加圧部640を押圧して含浸部材168を含浸し得る。
【0137】
また、ベース容器移送部650は、ベース容器164が安着されて移動し得るベース容器用移動ブロック652と、ベース容器用移動ブロック652が移動する経路を提供するベース容器用ガイドレール651と、ベース容器用移動ブロック652を移動させるベース容器用フックレバー653と、ベース容器用フックレバー653を既定の位置に固定し得るベース容器用ストッパー654とを含み得る。ここで、移送手段800は、ベース容器用フックレバー653を把持して、ベース容器164が安着したベース容器用移動ブロック652を加圧部640下段に移動させ得る。
【0138】
吸湿部600は、組立部500から移送手段800によって提供されるベース容器164を収容し、これを吸湿道具620による吸湿が行われる位置に移動させるためのベース容器移送部650を含み得る。
【0139】
吸湿部600で吸湿が完了したベース容器164は、移送手段800によって再び組立部500に移送され安着し、移送手段800は、カバー容器166を部品供給部160から取ってきてベース容器164に結合させ得る。ベース容器164とカバー容器166との結合は、フック結合などの機械的な嵌合により行われて良く、そのために移送手段800は、所定の外力をカバー容器166に加え得る。
【0140】
混合部400は、化粧料供給部200を介して化粧料の収容が完了した混合容器161に外力を加えて化粧料が混合容器161内でよく混合されるようにする構成要素である。
【0141】
混合部400は、混合容器161に収容された化粧料を混合し得るよう回転可能に設けられ得る。
【0142】
本実施例において、混合部400は、混合容器161を高速で公転運動させると同時に、自転運動させることによって化粧料を混合する装置であることを例に挙げて説明する。
【0143】
具体的に、混合部400は、混合容器161が挿入され回転可能な第1回転部材402と、第1回転部材402を回転させ得る第2回転部材404とを含み得る。ここで、第1回転部材402は、前記第2回転部材404の中心(M)から所定間隔で離隔され得、第1回転部材402は制御部900によって既定の位置に停止し得る。
【0144】
この場合、移送手段800は、混合容器161を既定の位置にある第1回転部材402に挿入し得るので、移送手段800の制御を容易にし得る。
【0145】
混合部400は、混合容器161を収容した後、制御部900の制御により既定の時間だけ動作され、混合部400における混合過程が完了すると、移送手段800によって混合容器161は後続工程の位置に移動され得る。
【0146】
また、移送手段800は、部品供給部160に置かれている化粧料の入っていない混合容器161を把持して化粧料供給部200の混合容器移送部250に移動させ得る。この際、混合容器161を本体100の一方(
図4基準左側)に配置された混合容器移送部250に移動させる際には部品供給部160から混合容器移送部250に直接移動させることができ、混合容器161を本体100の他方(
図4基準右側)に配置された混合容器移送部250に移動させる際には部品供給部160から安着部300を経て混合容器移送部250に移動させ得る。
【0147】
また、移送手段800は、混合容器移送部250上で化粧料の収容を終えたか、混合部400で混合過程が行われた後の混合容器161を安着部300に移動させ得る。
【0148】
また、移送手段800は、安着部300に安着した混合容器161に吐出部材162を結合して第1容器に組み立てるか、または組立部500にベース容器164を安着させ、混合容器161に収容された化粧料をベース容器164に注いだ後、含浸部材168を混合容器161に入れて、吸湿部600により含浸部材168に化粧料を含浸させ、含浸部材168を収容したベース容器164をカバー容器166で覆う過程を経て第2容器を組み立て得る。
【0149】
また、移送手段800は、組み立てが完了した第1容器または第2容器を部品供給部160の溝167に載置し得る。
【0150】
また、移送手段800は、部品供給部160のトレイ165を押して、トレイ165の少なくとも一部が本体100の外部に露出されるようにして、組み立てが完了した第1容器または第2容器をユーザに提供し得る。
【0151】
移送手段800は、部品供給部160に設けられた前記構成品を部品据置ユニット50に移動させ、部品据置ユニット50に移動された前記構成品からポンプ型容器で提供される第1容器に組み立てたり、コンパクト型容器で提供される第2容器に組み立てたりし得る、複数の移送ユニット801、802を含み得る。本実施例において、移送手段800として2つの移送ユニット801、802が設けられることを例に挙げて説明するが、移送ユニットの数は1個以上であれば、その数は限定されるものではない。
【0152】
具体的に、移送手段800は、互いに独立して移動可能な第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とを含み得る。
【0153】
ポンプ型容器を形成する第1容器の組み立ての際、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802のいずれか1つは、吐出部材162のキャップ1623を把持し、他の1つは、前記吐出部材162のストロー1622が部品据置ユニット50にある混合容器161の入口部1611と整列するように、前記ストロー1622と接触した状態で上下移動し得る。
【0154】
コンパクト型容器を形成する第2容器の組み立ての際、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802のいずれか1つは、前記第2容器を構成するベース容器164を部品据置ユニット50に安着させ、他の1つは、混合容器161に収容された化粧料が前記ベース容器164に移動されるよう前記混合容器161をひっくり返し得る。
【0155】
移送手段800は、前述のベース110上に配置された構成要素の間で部品を移動させ得る。前述のように、本実施例においては、移送手段800としてロボットアームが設けられることを例に挙げて説明する。具体的に、移送手段800は、1つのロボットアームに対応し得る第1移送ユニット801と、もう1つのロボットアームに対応し得る第2移送ユニット802とを含み得る。第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とは、それぞれ多関節ロボットアーム810で設けられ、多関節ロボットアーム810が有し得る自由度は、実施例によって異に設けられ得る。本実施例においては、多関節ロボットアーム810として6自由度を有する装置が用いられることを例に挙げて示している。
【0156】
第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とは、1つのロボットアーム制御部820に連結され、ロボットアーム制御部820から延長される形態を有し得る。ロボットアーム制御部820は、制御部900の制御により第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とを制御して、既定の機能が行われるようにし得る。
【0157】
このような多関節ロボットアーム810は、様々な形態の公知の装置が存在するので、本実施例においてその構造および制御に関する具体的な内容は省略する。
【0158】
一方、第1移送ユニット801には第1グリッパ840が設けられ、第2移送ユニット802には第2グリッパ860が設けられる。第1グリッパ840と第2グリッパ860とはそれぞれ、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とが行うべき機能に適した構造的形態を有し得る。グリッパ840、860に関する具体的な内容は後述する。
【0159】
前述の説明において移送手段800の機能および動作として説明されたのは、第1移送ユニット801および第2移送ユニット802のいずれか1つ、または両方によって行われ得る。それぞれの機能および動作に用いられる移送ユニットは、構成要素の配置に応じて異に選択され得る。
【0160】
第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とは、化粧料供給部200が配置された位置によって、部品供給部160に提供された混合容器161を化粧料供給部200に移動させるための動作を異にし得る。
【0161】
具体的に、一方(
図4基準左側)に配置された化粧料供給部200から混合容器161に化粧料を収容する場合、第2移送ユニット802は、部品供給部160に配置された混合容器161を把持して、一方に配置された混合容器移送部250に混合容器161を直接移動させ得る。
【0162】
また、他方(
図4基準右側)に配置された化粧料供給部200から混合容器161に化粧料を収容する場合、第2移送ユニット802は、部品供給部160に配置された混合容器161を把持して混合容器161の安着部300に安着させ得る。その後、第1移送ユニット801は、安着部300に安着した混合容器161を把持して他方に配置された混合容器移送部250に混合容器161を移動させ得る。
【0163】
このように、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とは、化粧品製造空間102の内側において、いずれか一方で行われる作業と、他の一方で行われる作業とを分けて担当し得る。
【0164】
第1移送ユニット801は、他方に配置された化粧料供給部200、安着部300、組立部500、吸湿部600のいずれか1つから他の1つに部品を移動させるか、第1容器と第2容器(吸湿過程を含む)との組み立てのために必要な動作を行い得る。
【0165】
具体的に、第1移送ユニット801は、安着部300から他方に配置された混合容器移送部250に混合容器161を移送させたり、他方に配置された化粧料供給部200の下部にて混合容器移送部250を移動させたり、安着部300に安着した混合容器161に吐出部材162を組み立てたり、組立部500に安着したベース容器164に含浸部材168を設けたり、組立部500から吸湿部600にベース容器164を移送させたり、吸湿部600内でベース容器164を既定の順に沿って移動させたり、吸湿部600から吸湿が完了した状態のベース容器164と含浸部材168とを再度組立部500に移送させたり、組立部500に安着したベース容器164にカバー容器166を結合し得る。
【0166】
そのために、第1グリッパ840は、それぞれの部品を把持して移動させ得る構造を有し得る。また、第1グリッパ840は、吸湿部600上におけるベース容器164の移送のために設けられるベース容器移送部650を動作させ得る構造を含み得る。また、第1グリッパ840は、回動により吐出部材162を安着部300に安着した混合容器161に結合する機能も備え得る。
【0167】
また、第2移送ユニット802は、部品供給部160、一方に配置された化粧料供給部200、安着部300、混合部400、組立部500のいずれか1つから、他の1つに部品を移動させるか、第1容器と第2容器(吸湿過程を含む)との組み立てのために必要な動作を実行し得る。
【0168】
具体的に、第2移送ユニット802は、部品供給部160から混合容器161を一方(
図4基準左側)に配置された化粧料供給部200に移動させたり、化粧料供給部200の下部にて混合容器移送部250を移動させたり、一方に配置された化粧料供給部200から混合容器161を混合部400に移動させたり、混合部400から安着部300に混合が完了した混合容器161を移動させたり、混合容器161と吐出部材162との組み立てを補助したり、安着部300で組み立てが完了した第1容器または組立部500で組み立てが完了した第2容器を部品供給部160の溝167に移動させたり、吸湿部600における吸湿のための外力を提供する機能などを実行し得る。
【0169】
そのために、第2グリッパ860は、混合容器161を把持して移動させ得る構造を有し得る。また、第2グリッパ860は、混合容器移送部250に設けられる混合容器用フックレバー255を把持して移動させ得る構造を含み得る。また、第2グリッパ860は、第1移送ユニット801が吐出部材162を混合容器161に結合する際、ストロー1622を整列するための構造を有しても良い。また、第2グリッパ860は、吸湿部600の吸湿道具620を動作させるための構造を有しても良い。
【0170】
前記のような第1移送ユニット801と第2移送ユニット802とによって行われる動作は、多関節ロボットアーム810の特性を利用することにより実現され、これを制御するための方法は様々と公知されているので、これに関する具体的な説明は省略する。
【0171】
一方、本実施例においては、移送手段800として多関節ロボットアーム810が設けられることを例に挙げて説明したが、本発明の思想はこれに限定されない。例えば、3軸方向の直線移動が可能な移送装置などが移送手段800として設けられ、これに前述の機能を行うための付加の装置が追加されても良い。
【0172】
一方、制御部900は、基本的に前述の構成要素を制御し得る。例えば、制御部900は、移送手段800の移動と、化粧料供給部200から吐出される化粧料の量とを制御し得る。また、制御部900は、端末20とオペレーティングサーバー40とのいずれか1つから提供された皮膚測定データから、皮膚状態を分析する皮膚状態分析部910を含み得る。実施例によって、皮膚状態分析部910は、分析された結果を提供されても良いことは、前述の通りである。
【0173】
そして、制御部900は、皮膚状態分析部910で生成された皮膚状態分析結果に基づいてカスタム化粧品を製造するための化粧料の組成比データを決定する組成比決定部920を含み得る。組成比決定部920は、既定の計算式に皮膚状態分析結果を変数値として代入することによって組成比を決定しても良く、予め設定されている複数の組成比の中から、皮膚状態分析結果に最も近いか、最も適切な組成比を選択して決定しても良い。予め設定されている組成比データは、用いられる化粧料の種類と量およびその投入比を含むものと理解されて良く、ユーザがこれを直感的に理解できるように、それぞれの組成比データに対応する化粧品の色や粘度などの物性データを含み得る。
【0174】
この際、制御部900は、ユーザインタフェース部130を介して、決定された組成比をユーザに提供することにより、ユーザが組成比データを修正し得る機会を提供する組成比修正部930を含み得る。ユーザは、ユーザインタフェース部130を介して提示された組成比データを確認し、これをそのまま収容するか、または他の組成比データを利用するかを決定し、その修正されたデータを入力し得る。この際、ユーザに提示される組成比データは、比率そのものであっても良く、当該組成比データに基づいて製造された化粧品の色や物性などの属性情報でもあり得る。それに応じて、ユーザが入力する修正されたデータも、化粧品の色や物性などの特性情報であり得る。実施例によって組成比修正部930は、ユーザインタフェース部130ではなく端末20にデータを伝送し、端末20を介して修正されたデータを入力されても良い。
【0175】
また、制御部900は、ユーザから所望の化粧品の種類を受信する化粧品種類受信部940と、所望の製造モードを受信する製造モード受信部950と、組成比決定部920とを含み得る。本実施例において、化粧品種類受信部940に提供される情報は、製造しようとするカスタム化粧品の種類が第1容器なのか第2容器なのかの余否でもあり、製造モード受信部950に提供される情報が、サンプルを受領するモードなのか完製品を受領するモードなのかの余否でもあり得る。ここで、サンプルは、化粧料の組成比は維持するものの、相対的に少量のみ使用して製造された化粧品であり、完製品は、一販売製品として備えるべき既定の容量がすべて満たされた化粧品のことを意味する。
【0176】
また、製造モードは、サンプル受領後に完製品を要請するモード、サンプル受領後、再度変更された組成比に応じたサンプルを要請するモード、およびサンプル受領後、廃棄処分を要請するモードなどをさらに含んでも良い。このような製造モードは、サンプル受領後、ユーザに提示され得る。
【0177】
ユーザは、ユーザインタフェース部130を介して化粧品の種類や製造モードを選択し得る。そのために、ユーザインタフェース部130はユーザに、化粧品の種類および製造モードを選択させるための画面を提示し得る。また、実施例によってユーザは、端末20やオペレーティングサーバー40を介しても、化粧品の種類や製造モードを化粧品製造装置10に提供しても良い。
【0178】
以下においては、図面を参照して、前記のような構成を有する化粧品製造装置の制御方法を説明する。
【0179】
図11は、
図1における化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0180】
図11を参照すると、化粧品製造装置の制御方法は、制御部900によって組成比を含む製造される化粧品に関するデータを算出する段階(S10)と、制御部900によって化粧料供給部200と移送手段800とを制御して、化粧料貯蔵部140に貯蔵されている化粧料を組成比に応じて混合容器161に吐出させる段階(S20)と、制御部900によって混合部400と移送手段800とを制御して、混合容器161に吐出された化粧料を混合させる段階(S30)と、制御部900によって混合容器161に収容された化粧料がサンプルであると判断されると、混合容器161をユーザに提供し、ユーザから組成比の変更有無の入力を受ける段階(S40)と、制御部900によって前記移送手段800を制御して、混合容器161に収容された化粧料をポンプ型容器で提供される第1容器とコンパクト型容器で提供される第2容器とのうち少なくとも1つに貯蔵してユーザに提供する段階(S50)とを含み得る。
【0181】
前述のS40は選択的に設けられることができ、S10は後述するS110、S120、S130、S140、S150のうち少なくとも1つを含んで良く、S20は後述するS210、S220のいずれかを含んで良く、S30は後述するS230、S240のうち少なくとも1つを含んで良く、S40は後述するS310、S320、S330、S340、S350、S360、S370、S380、S390、S400、S420、S430のうち少なくとも1つを含んでも良く、S50は、後述するS500、S900段階のうち少なくとも1つを含んで良く、これに対する詳細な説明は後述する。
【0182】
図12は、
図1における化粧品製造装置10の制御方法をより詳細に示すフローチャートである。
【0183】
図12を参照すると、制御部900は、化粧品種類受信部940を介してユーザから所望の化粧品の種類データを収集し得る(S110)。化粧品の種類データは、前述のように、ユーザインタフェース部130を介して入力されたり、端末20およびオペレーティングサーバー40などを介して提供されたりし得る。
【0184】
また、制御部900は、製造モード受信部950を介してユーザから製造を求める製品が、サンプルなのか、または完製品なのかに関する製造モードデータを収集し得る(S120)。製造モードデータは、ユーザインタフェース部130を介して入力されるか、端末20またはオペレーティングサーバー40から提供され得る。
【0185】
そして、制御部900は、皮膚状態分析部910によりユーザの皮膚状態を分析する(S130)。前述のように、皮膚状態分析部910は、すでに分析された結果を端末20とオペレーティングサーバー40とのいずれかから提供されても良い。
【0186】
制御部900の組成比決定部920は、S130段階により提供される分析結果に基づいて組成比データを決定し、S120段階で収集した製造モードに応じて化粧品として製造される量を決定する(S140)。この段階において、化粧料貯蔵部140に貯蔵されている複数の種類の化粧料の供給量が決定され得る。例えば、ユーザがサンプル製造モードを選択した場合、相対的に少量の化粧品を製造するために必要な化粧料の供給量が決定され得る。また、ユーザが完製品製造モードを選択した場合、相対的に多い量として1つの販売製品として備えるべき設定済みの容量が化粧品の総製造量として設定され、そのためのそれぞれの化粧料の供給量が決定され得る。本実施例において、組成比決定部920は、予め設定されている複数の組成比の中から、皮膚状態分析結果に最も近い結果を組成比データとして決定し得る。
【0187】
また、S140段階は、ユーザの化粧品購入履歴を考慮して、組成比決定部920によって組成比データが決定されることを含み得る。例えば、ユーザが端末10によって測定された皮膚状態よりも明るい色の化粧品を購入した履歴が多い場合、組成比決定部920は、皮膚状態分析結果に基づいた組成比データよりも明るい色を示すように組成比データを決定し得る。
【0188】
そして、制御部900の組成比修正部930は、ユーザインタフェース部130などを介して、決定された組成比データ(皮膚状態分析結果に基づいた組成比、化粧品購入履歴を考慮した組成比のうち少なくとも1つ)をユーザに提示している後、ユーザから組成比の修正データを収集し、その結果に基づいて組成比データおよびそれぞれの化粧料の供給量を修正し得る(S150)。
【0189】
S150段階において、ユーザは、ユーザインタフェース部130または端末20を介して、組成比を変更しないことを選択することもでき、この場合、S140段階で決定された組成比データはそのまま維持され得る。
【0190】
前述のS110段階~S150段階は、化粧品製造のために必要な情報を収集し、データを生成する段階であって、その順序は変わることもあり、それぞれの段階はさらに細分化した段階に分かれてユーザと相互作用したり、データ処理したりし得るように変形され得る。
【0191】
化粧品製造のために必要な情報の収集およびデータ加工が完了した後には、物理的な化粧品が製造される段階が行われる。
【0192】
制御部900は、ロボットアーム制御部820を制御して移送手段800を駆動させ得る。前述のように、移送手段800は、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802からなり、後述するそれぞれの段階において、第1移送ユニット801および第2移送ユニット802のいずれか1つまたは両方が移送手段800として化粧品製造過程で利用され得る。
【0193】
具体的に、制御部900は、移送手段800を制御して混合容器161を化粧料供給部200側に移動させ得る(S210)。
【0194】
この際、一方(
図4基準左側)に配置された化粧料供給部200側に混合容器161が移動されるときには、部品供給部160にある混合容器161が化粧料供給部200に直接移動され、他方(
図4基準右側)に配置された化粧料供給部200側に混合容器161が移動されるときには、部品供給部160にある混合容器161は、安着部300に安着した後、化粧料供給部200に移動され得る。
【0195】
なお、混合容器161が化粧料供給部200側に移動することは、混合容器移送部250の混合容器用安着溝2547aに移動することと理解され得る。
【0196】
一方、S210段階が2回目から行われる場合、すなわち、サンプル製造モードとして混合容器161がユーザに提供されて再び回収された後で行われる場合には、制御部900は、移送手段800により部品供給部160にある混合容器161を直接化粧料供給部200に移動させるか、部品供給部160にある混合容器161を安着部300に移動させ、安着部300から再び化粧料供給部200に移動させ得る。
【0197】
このように、S210段階が行われる回次に応じて、具体的に制御される方法が変わるようにし、ユーザにサンプルとして提供された混合容器161を、後続の過程でも利用することにより、不要な工程の無駄および材料の無駄を防げるので製品の生産単価を下げ得る。
【0198】
その後、制御部900によって化粧料供給部200を制御し、既に決定されている組成比に応じて混合容器161に化粧料を供給する(S220)。制御部900は、既に決定されている組成比データおよび製造量に対応するように、それぞれのカートリッジ142から化粧料供給手段220を介して化粧料が順次吐出するように制御し得る。そのために、制御部900は移送手段800を制御して、混合容器移送部250の混合容器用移動ブロック254を移動および固定させ得る。具体的に、移送手段800は、混合容器用フックレバー255を操作して混合容器用ストッパー256に選択的に拘束させることができ、組成比データに基づいて既定の順番に混合容器用移動ブロック254を移動させながら、混合容器161が化粧料供給手段220から提供される化粧料の供給を受け得るようにし得る。なお、一方に配置された混合容器移送部250の移動は第2移送ユニット802によって行われ、他方に配置された混合容器移送部250の移動は第1移送ユニット801によって行われ得る。
【0199】
一方、S220段階で制御部900は、供給される化粧料の量に応じて化粧料供給手段220の供給速度を調節し得る。例えば、いずれか1つのカートリッジ142に貯蔵されているいずれかの化粧料を混合容器161に供給する場合、化粧料供給手段220は、当該カートリッジ142から供給されるべき総量(A)に対して既に供給された量(B)の比率(B/A)が既定の範囲よりも低い場合は、相対的に高速で化粧料が供給されるようにし、前記比率が既定の範囲よりも高い場合は、相対的に低速で化粧料が供給されるようにし得る。これにより、微小な制御が不要な初期区間においては高速供給がなされ得るので、全体的な化粧料供給部時間を短縮し得る。なお、既に供給された量(B)を測定する方法としては、制御部900が、化粧料供給手段220が駆動された時間、速度の記録に基づいて供給量を算出する方法が用いられるか、混合容器用移動ブロック254に設けられた重さセンサーから変化する重さデータを受信して算出する方法が用いられ得る。
【0200】
化粧料供給部200にて化粧料の注入が完了した混合容器161は、移送手段800によって混合部400に移動され得る(S230)。
【0201】
ここで、一方に配置された化粧料供給部200にて混合容器161に化粧料の注入が完了した場合、混合容器161は、第2移送ユニット802によって化粧料供給部200から直接混合部400に移動され得る。また、他方に配置された化粧料供給部200にて混合容器161に化粧料の注入が完了した場合、混合容器161は、第1移送ユニット801によって安着部300に安着した後、第2移送ユニット802によって安着部300から混合部400に移動され得る。
【0202】
制御部900は、混合部400を駆動(例えば、回転)して混合容器161に外力を加えることにより、混合容器161に収容された化粧料を混合する(S240)。混合部400は、前述のように、混合容器161を高速で公転させるとともに自転させることができ、これにより発生する渦流によって混合容器161内部の化粧料はよく混合され得る。この際、混合部400が回転を停止した後、混合容器161が挿入される混合部400の第1回転部材402は、制御部900によって同一の位置に停止するように制御され得る。この場合、移送手段800は、混合容器161を既定の位置に停止した第1回転部材402に挿入し得るので、混合容器161を第1回転部材402に挿入するための制御が簡単にできる利点がある。
【0203】
前述のS210段階~S240段階は、混合容器161に化粧料を供給し、混合容器161に収容された複数の化粧料を混合する段階と理解され得る。
【0204】
S240段階が完了すると、制御部900は、S120段階で収集された製造モードがサンプル製造モードなのか、または完製品製造モードなのかを判断する(S310)。
【0205】
もし、サンプル製造モードではなく、完製品製造モードが選択された場合であれば、化粧品種類に基づいて化粧品を製造する過程(S500)が行われ得る。S500段階の具体的な内容は後述する。
【0206】
制御部900は、S500段階によって製造され、部品供給部160の溝167に渡された完成された化粧品容器(第1容器または第2容器)を、移送手段800を制御してユーザに供給し得る(S900)。具体的に、制御部900は、第2移送ユニット802を制御して、完成された化粧品容器(第1容器または第2容器)を部品供給部160の溝167に載置し得る。この際、ユーザは、部品供給ドア129を開けて部品供給部160に置かれた完成済みの化粧品容器を受け取り得る。また、第2移送ユニット802は、部品供給部160のトレイ165を押して、部品供給部160に置かれた完成済みの化粧品容器を本体100の外部に排出し得る。
【0207】
一方、S310段階の判断結果、サンプル製造モードである場合、制御部900は、混合容器161に入った混合完了の化粧料をサンプルとして使用してみるように、移送手段800により混合部400の混合容器161を部品供給部160の溝167または混合容器支持部163aに移動させ得る(S320)。この際、第2移送ユニット802が移送手段800として用いられ得る。実施例によって、制御部900は、移送手段800が混合部400の混合容器161を安着部300に移動させた後、安着部300から部品供給部160に混合容器161を移動させる方法により制御しても良い。
【0208】
制御部900は、移送手段800を制御して部品供給部160に渡された混合容器161をユーザに供給し得る(S330)。S330段階は、実質的に前述のS900段階と同様に理解され得る。
【0209】
ユーザは、サンプル製造モードを選択したので、ユーザはサンプルとして提供された混合容器161を受け取ってテスト使用した後、これを再び部品供給部160、具体的に、部品供給部160の溝167または混合容器支持部163aに載置し得る。
【0210】
この際、トレイ165または溝167または混合容器支持部163aのうち少なくとも1つに重さセンサー等の所定の感知手段が設けられ、ユーザがサンプル化粧品の使用完了後、再び混合容器161を返した否かを感知できるように設けられ得る。または、化粧品製造装置10は、サンプル化粧品を使用完了した後、混合容器161を部品供給部160に返したか否かを、ユーザインタフェース部130を介してユーザから入力されても良い。または、制御部900は、既定の時間が経過した後に部品供給部160が自動的に回収されることを、ユーザインタフェース部130を介してユーザに通知することにより、ユーザが混合容器161を部品供給部160に戻す動作を誘導しても良い。
【0211】
制御部900は、移送手段800を利用して部品供給部160のトレイ165を再び本体100の内部に移動させることができ、これにより混合容器161を再回収し得る(S340)。
【0212】
これとともに制御部900は、製造モード受信部950を介して、ユーザから後続製造モードデータおよび必要に応じて組成比修正データを収集し得る(S350)。後続製造モードは、前述のS120段階における製造モードと同様、ユーザインタフェース部130などを介して収集され、完製品製造の要請、組成比修正要請、廃棄要請のいずれか1つであり得る。この際、ユーザが選択した後続製造モードが組成比の修正要請である場合、制御部900は、組成比修正部930により組成比修正データを追加でさらに収集し得る。
【0213】
S350段階で収集された後続製造モードが、完製品製造要請である場合(S360)、制御部900は、完製品製造に対応するよう化粧品の総製造量データを変更し、製造モードをサンプル製造モードから完製品製造モードに変更し得る(S370)。この際、追加製造する化粧品の製造量データは、完製品に求められる総容量からサンプルとして設けられた容量を除いた容量に設定され得る。実施例によって、制御部900は、サンプルとして設けられた初期重さと回収された重さとの差を勘案して、追加製造する化粧品の製造量を設定しても良い。
【0214】
そして、制御部900は、前述のS210以降の段階を再び行い得る。これにより、完製品を製造するための追加の化粧料供給部が既定の組成比に応じて行われ、完製品製造モードにデータが変更されているので、S310段階における判断結果に基づいてS500段階以降の過程が行われ得る。
【0215】
一方、S360段階の判断結果、完製品製造要請ではない場合、制御部900は、ユーザの要請が組成比修正要請であるか否かを判断する(S380)。本フローチャートにおいては、S360段階とS380段階とが順次行われることを例に挙げて図示しているが、実際の制御プログラムにおいてこれは分岐ロジックとして処理されても良い。
【0216】
S380段階における判断結果、組成比修正要請ではない場合、これは製造されたサンプルの廃棄要請として処理し、制御部900は移送手段800を制御して、部品供給部160から混合された化粧料が貯蔵されている混合容器161を回収部112に移動させ得る(S420)。この際、第2移送ユニット802が移送手段800として用いられ得る。
【0217】
S380段階における判断結果、組成比修正要請がある場合、制御部900は、そのような組成比の修正が可能かどうかを判断する(S390)。ユーザの修正要求は多様に行われ得るので、場合によっては、混合容器161に既に製造された化粧料では修正が不可能な場合があり得る。例えば、特定成分の化粧料が排除されるか、特定化粧料が完製品に含まれるべき量よりも多く投入されている場合には、製造された化粧料が貯蔵されている混合容器161に、追加の化粧料供給部では対応不可能である。この場合、制御部900は、ユーザインタフェース部130を介してユーザに、組成比修正が不可能である旨のメッセージを出力し(S430)、S420段階を行って製造されたサンプルである混合容器161を回収し得る。
【0218】
一方、S390段階で組成比修正が可能であると判断されれば、制御部900は、修正要請された組成比に応じて新たなサンプルを製造するための組成比データおよび製造量を決定する(S400)。これは実質的にS150段階と同様に行われ得るが、すでに混合容器161に投入されている化粧料の容量を考慮して、それぞれの化粧料の追加投入量が算出され得る。
【0219】
そして、制御部900は、前述のS210以降の段階を再実行し得る。これにより、他のサンプルを製造するための追加の化粧料供給部が、変更された組成比データおよび製造量に応じて行われ、依然としてサンプル製造モード状態であるので、S310段階における判断結果に基づいてS320段階以降の過程が行われ得る。
【0220】
実施例によって、サンプルの修正を要請する回数は制限されても良く、制御部900は、S350段階、S370段階の実行前後にユーザインタフェース部130を介して制限される回数を通知するか、それ以上のサンプル修正要請が不可能であることを知らせ得る。
【0221】
前述のS310段階~S430段階は、ユーザにサンプル化粧品を提供する段階と理解され得る。
【0222】
前記のような過程により、ユーザは自分が製造しようとする化粧品、または自分の皮膚状態に適したカスタム化粧品のサンプルを受領してテストしてみたり、これを変更して再度テストして見たりすることもでき、直接完製品を製造したり、サンプルテスト後に完製品を製造し得るので、化粧品製造装置10に対する満足度が大幅に向上し得る。
【0223】
以下においては、図面を参照して、S500段階として行われる化粧品種類(例えば、第1容器なのか第2容器なのか)に応じた製造過程について具体的に説明する。
【0224】
図13は、
図12の化粧品種類に応じた製造段階の具体的な過程を示すフローチャートである。
【0225】
図13を参照すると、S500段階として、制御部900は移送手段800により、混合部400で混合が完了した混合容器161を部品据置ユニット50(具体的に、安着部300)に移動させ、安着部300に安着した混合容器161は後続工程のために待機され得る(S510)。
【0226】
S110段階で収集された化粧品の種類が第1容器である場合(S520)、制御部900は移送手段800を制御して、部品供給部160に設けられた吐出部材162を安着部300に安着した混合容器161の上部に移動させ得る(S610)。この過程は、第2移送ユニット802によって行われて良く、第2移送ユニット802は、吐出部材162を既定の位置に移動させた後、吐出部材162を把持し続けた状態を維持し得る。なお、化粧品の種類は、ユーザインタフェース部130または端末20から制御部900に伝送され得る。
【0227】
その後、制御部900は移送手段800を制御して、安着部300上の混合容器161に吐出部材162を結合させる(S620)。混合容器161と吐出部材162との結合はねじ結合によって行われて良く、混合容器161は安着部300の混合容器安着溝302に固定されているので、移送手段800は混合容器161の上端部に吐出部材162を合わせた後、吐出部材162を回転させることによりネジ結合が行われるようにし得る。
【0228】
この際、吐出部材162は、ストロー1622とポンピングパーツ1621とキャップ1623とを含み得るが、ストロー1622は、キャップ1623と混合容器161とのねじ結合の前に混合容器161の内部に進入する必要がある。ところで、ストロー1622は軟性材質で形成され、その形状や方向が一定ではないため、結合過程で、ストロー1622が混合容器161の入口にスムーズに進入できるように第1移送ユニット801が支持し得る。具体的に、第2移送ユニット802がキャップ1623を把持し、第1移送ユニット801が安着部300の混合容器161の入口部1611とストロー1622が整列するようストロー1622と接触された状態で上下移動され得る。
【0229】
混合容器161と吐出部材162との結合が完了されることにより、第1容器が完製品として提供され、制御部900は移送手段800を制御して、安着部300上の組み立て済みの容器を部品供給部160に移動させ得る(S630)。これは、第2移送ユニット802によって行われ得る。このようなS610~S630の過程は、第1容器の組み立て過程と理解され得る。
【0230】
一方、S520段階で、製造しようとする化粧品の種類が第2容器と判断された場合、制御部900は移送手段800を制御して、部品供給部160にあるベース容器164を組立部500に移動させる(S710)。この過程は、第2移送ユニット802によって行われ得る。
【0231】
そして、制御部900は移送手段800を制御し、移送手段800は、安着部300から混合容器161を取ってきて、ベース容器164の内部に混合済みの化粧料を入れて排出し得る(S720)。混合容器161からの化粧料排出は、混合容器161を回転させ重力によって化粧料が自然落下する方法を利用することができ、そのために移送手段800は、混合容器161を所定の角度傾ける動作を行い得る。この場合、混合容器161内部の化粧料が完全に排出しきれないことがあり得るが、移送手段800は、慣性によって少しでも多く化粧料が排出されるように、混合容器161を既定の角度で回転させ、一定の時間が経過した後に振る動作をさらに行っても良い。このような過程は、第2移送ユニット802によって行われ得る。例えば、混合容器161は、150度~180度回転することができ、180度回転した場合は混合容器161の入口部1611が底を向く場合と理解され得る。
【0232】
制御部900は、S720段階を実行した移送手段800をさらに制御して、化粧料の排出が完了した混合容器161を回収部112に移動させて回収し得る。
【0233】
そして、制御部900は移送手段800を制御して、部品供給部160から含浸部材168を把持して化粧料が収容されているベース容器164に挿入し得る(S730)。この過程は、第2移送ユニット802によって行われ得る。
【0234】
その後、制御部900は、含浸部材168が収容されているベース容器164を移送手段800により吸湿部600に移動させ得る(S740)。この過程は、第1移送ユニット801によって行われ得る。
【0235】
吸湿部600においては、ベース容器移送部650によりベース容器164を吸湿道具620に対応する位置に移動させ、吸湿道具620によって吸湿過程が行われ得る(S750)。制御部900は、ベース容器164の移動および吸湿道具620の動作のために移送手段800を制御することができ、具体的に、ベース容器移送部650を動作させてベース容器164を移動させる動作は第1移送ユニット801によって行われ、吸湿道具620により吸湿のための加圧力を提供することは第2移送ユニット802によって行われ得る。つまり、吸湿過程は、第1移送ユニット801と第2移送ユニット802との協業によって行われ得る。ベース容器移送部650の移動構造は、前述の混合容器移送部250と同様に、ガイドレール、移動ブロック、フックレバー、ストッパー、などを含むことができ、実質的に同様に動作し得る。ただし、ベース容器移送部650の移動ブロックは吸湿道具620との連動のための構造をさらに含んでも良い。この過程によって、ベース容器164に収容されていた化粧料は、含浸部材168に十分に含浸され得る。
【0236】
S750段階における吸湿過程がすべて完了すると、制御部900は移送手段800を制御して、吸湿部600から組立部500にベース容器164を再び移動させ得る(S760)。この過程は、第1移送ユニット801によって行われ得る。
【0237】
そして、制御部900は移送手段800を制御して、部品供給部160からカバー容器166を取ってきて、組立部500上のベース容器164に結合させ得る(S770)。この過程もまた、第1移送ユニット801によって行われ得る。
【0238】
ベース容器164とカバー容器166との結合が完了することにより、第2容器が完製品として完成され、制御部900は移送手段800を制御して、組立部500上の組み立て済みの容器を部品供給部160に移動させ得る(S780)。これは第2移送ユニット802によって行われ得る。このようなS710~S780の過程は、第2容器の組み立て過程と理解され得る。
【0239】
前記のような過程により、化粧品製造装置10および化粧品製造装置10の制御方法は、ポンプ型容器としての第1容器とコンパクト型容器としての第2容器を、ユーザの選択に応じて提供し得る。しかし、本発明の思想はこれに限定されず、実施例によって化粧品製造装置10は、第1容器および第2容器のいずれか1つの化粧品容器のみを提供するものとして実現され、動作されても良い。この場合、前述の説明において、他種の化粧品製造に用いられる構成要素および制御方法は省略されても良い。
【0240】
図14は、本発明の一実施例による化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0241】
本発明の一実施例による化粧品製造装置の制御方法は、測定センサーによって測定された皮膚状態が制御部900に伝送される段階(S1000)と、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階(S2000)と、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階(S3000)と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階(S6000)とを含み得る。
【0242】
また、S6000段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、第2組成比に基づいて化粧品を製造する段階(S7000)と、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階(S8000)と、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階(S9000)とをさらに含み得る。
【0243】
まず、測定センサーによって測定された皮膚状態が制御部900に伝送される段階(S1000)について具体的に説明すると、以下の通りである。
【0244】
測定センサー(図示せず)は、端末20の一部構成として設けられるか、または端末20とは別途の装置で提供され得る。
【0245】
例えば、測定センサーは、カメラ、水分センサー、油分センサー、色差計などの公知の皮膚状態測定手段であり、このような測定センサーは、端末20の一部構成として設けられるか、または端末20とは別途の装置で提供され得る。
【0246】
本実施例において測定センサーは、皮膚測定値をL、a、bで表示し得る色差計と、油分と水分を測定し得る油水分センサーとを含むものを例に挙げて説明する。なお、色差計で測定されたL、a、b情報はファンデーション製品の組成比を決定する際に用いられ、油水分センサーで測定された油分と水分に関する情報はスキンケア製品の組成比を決定する際に用いられ得る。
【0247】
ただし、本発明の思想はこれに制限されるものではなく、色差計で測定されたL、a、b情報と、油水分センサーで測定された油分と水分に関する情報とのいずれも、ファンデーション製品の組成比を決定するときとスキンケア製品の組成比を決定するときに用いられ得る。
【0248】
測定センサーは、ユーザの皮膚状態を測定し、測定された結果値である皮膚のL、a、b値と油分値と水分値とのうち少なくとも一つを化粧品製造装置10の制御部900に伝送し得る。なお、LはCIE L*a*b*色空間における明るさを示し、aは赤と緑のどちらに偏っているかを示し、bは黄と青のどちらに偏っているかを示すものと理解され得る。
【0249】
本実施例においては、後述する組成比(第1組成比、第2組成比、第4組成比)は、化粧品製造装置10の制御部900で演算されることを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されず、端末20とオペレーティングサーバー40とで組成比が演算されることを含み得る。
【0250】
次に、制御部900によって、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比が算出される段階(S2000)について具体的に説明すると、以下の通りである。
【0251】
第1組成比は、既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と、製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定され得る。
【0252】
化粧品製造装置10は、製品データベースと顧客データベースとが含まれており、製品データベースはL、a、b値に対応する化粧料成分の組成比を保存し得る。
【0253】
図15は、製品データベースが保存されているL、a、b設定値に対応する化粧料成分の組成比の一例示を示す。
【0254】
図15に示されたL、a、b設定値と化粧料組成比とは例示に過ぎないものであり、L、a、b値と化粧料組成比とは、
図15に示されたL、a、b値と化粧料組成比とに限定されるものではない。
【0255】
本実施例において第1組成比は、測定センサーによって測定された皮膚測定値と、製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比で決定されることを例に挙げて説明する。
【0256】
具体的に、測定センサーによって測定された皮膚測定値がL2、a2、b2であり、製品データベースに保存されている値がL1、a1、b1である場合、
【数2】
の値が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として設定され得る。(例えば、
図15を参照すると、皮膚測定値が90、40、40である場合、任意の化粧料成分A:B:C:Dの組成比は1:1:0.9:0.7で決定され得る。)
【0257】
ここで、製品データベースに保存されている組成比は500個~100000個であり、好ましくは900個~50000個であり得る。
【0258】
一方、化粧品製造装置10は、顧客データベースをさらに含んで良く、顧客データベースは前述のユーザコンテキスト情報を保存し得る。
【0259】
次に、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、購入履歴に基づいて第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階(S3000)について具体的に説明すると、以下の通りである。
【0260】
S3000段階は、ユーザが前述の第1組成比を有する化粧品よりも明るい色を購入した履歴が多い場合、第1組成比よりも明るい色を示す第2組成比を有する化粧品をユーザに推薦する段階と理解され得る(逆に、ユーザが第1組成比を有する化粧品よりも暗い色を購入した履歴が多い場合は、第1組成比よりも暗い色を示す第2組成比を有する化粧品をユーザに推薦する段階を含む)。
【0261】
例えば、ユーザは任意の化粧料に対する組成比X2:Y2:Z2:K2を有する化粧品を購入した購入履歴を有しており、前述の第1組成比は任意の化粧料に対する組成比X1:Y1:Z1:K1であり得る。
【0262】
この場合第2組成比は、任意の化粧料に対する組成比(P*X1+X2)/(P+1):(P*Y1+Y2)/(P+1):(P*Z1+Z2)/(P+1):(P*K1+K2)/(P+1)で設定され得る。ここで、Pは荷重値であり、荷重値はユーザによってユーザインタフェース部130または端末20から入力され得る。Pは、1~10の自然数であり得る。例えば、ユーザが購入履歴に対する荷重値2を付与した場合、第2組成比は、(2*X1+X2)/3:(2*Y1+Y2)/3:(2*Z1+Z2)/3:(2*K1+K2)/3で設定され得る。なお、*は乗算の演算符号として定義され得る。
【0263】
また、ユーザが複数回化粧品を購入した場合、任意の化粧料に対する組成比X2:Y2:Z2:K2は、複数回購入した化粧品の組成比の平均であり得る。
【0264】
また、ユーザは、L3、a3、b3を示し得る化粧品の購入履歴を有し得る。
【0265】
この場合、測定センサーによって測定された皮膚測定値は、(P*L3+L2)/(P+1)、(P*a3+a2)/(P+1)、(P*b3+b2)/(P+1)の測定補正値で補正され得る。この際、第2組成比は、測定補正値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比で第2組成比が決定され得る。なお、Pは荷重値であり、荷重値はユーザによってユーザインタフェース部130または端末20から入力され、1~10の自然数であり得る。
【0266】
ここで、オペレーティングサーバー40は、ユーザの化粧品購入情報および前述のユーザコンテキストを保存していても良い。
【0267】
また、前述の第1組成比と第2組成比との算出過程は、化粧品製造装置10によって行われることを例に挙げて説明するが、本発明の思想はこれに限定されるものではなく、オペレーティングサーバー40によって第1組成比と第2組成比とが算出された後、化粧品製造装置10に伝送されるか、端末20またはユーザインタフェース部130に表示することを含み得る。また、オペレーティングサーバー40もまた、前述の顧客データベースと製品データベースとを含み得る。
【0268】
前述のS1000、S2000、S3000は、
図11において前述の制御部900によって、組成比を含む製造される化粧品に関するデータを算出する段階(S10)を詳細に説明するものと理解され得る。
【0269】
次に、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階(S6000)について具体的に説明すると、次の通りである。
【0270】
化粧料貯蔵部140には、複数のカートリッジ142が複数の化粧料を貯蔵しており、制御部900は化粧料供給部200を制御して、カートリッジ142に貯蔵されている化粧料が排出される組成比、排出量、排出速度のうち少なくとも一つ以上を制御し得る。
【0271】
化粧料供給部200によって排出された化粧料は、前述のように、混合容器用移動ブロック254の移動によって混合容器161に収容され得る。
【0272】
S6000段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、第2組成比に基づいて化粧品を製造する段階(S7000)が行われ得る。
【0273】
具体的に、制御部900によって移送手段800を制御して、第2組成比に応じて混合容器161に保存された化粧料は、部品据置ユニット50に安着し得る。
【0274】
S7000段階の後に、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階(S8000)が行われ得る。
【0275】
化粧品がサンプル製造モードなのか、または完製品製造モードなのかは、ユーザインタフェース部130または端末20から入力され、S1000段階の前、または後に入力され得る。
【0276】
ここで、ユーザインタフェース部130は、製造される化粧品がサンプルとして提供されるサンプル製造モードであるか、または製造される化粧品が完製品として提供される完製品製造モードであるかを選択し得る入力部(図示せず)が設けられ得る。
【0277】
S8000段階について、より具体的に説明すると、前述の第2組成比に基づいて製造された化粧品は、混合容器161に貯蔵されて部品供給部160を介してユーザに伝達され、ユーザは、第2組成比に基づいて製造された化粧品(サンプル)を使って見ることができる。
【0278】
この際、ユーザは、第2組成比に基づいて製造された化粧品を使ってみた後、自分に合うか否かを決定して完製品製造要請、または組成比修正要請をすることができ、組成比修正要請がある場合、第2組成比に修正を加えた第4組成比をユーザインタフェース部130または端末20に入力して、制御部900に伝送することができる。
【0279】
また、S8000段階は、ユーザから後続の製造モードデータを収集し得る。具体的に、ユーザは、ユーザインタフェース部130または端末20を介して完製品製造要請、組成比修正要請、廃棄要請のいずれか1つを入力し得る。製造された化粧品が完製品製造モードの場合は、第4組成比の入力を受ける段階が省略されて完製品が製造され得る。
【0280】
S8000段階は、
図12において前述のS310~S400段階を含むことができ、これに関する詳細な説明は前述のS310~S400を援用する。
【0281】
S8000段階の後、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階(S9000)がさらに行われ、第4組成比に基づいた化粧品が製造され得る。なお、第4組成比は、前述の組成比修正データと理解され得る。
【0282】
S9000は、
図12および
図13において前述したS500段階を含むことができ、これに関する詳細な説明は前述のS500段階を援用する。
【0283】
図16は、本発明の他の実施例による化粧品製造装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0284】
図16は、
図14の化粧品製造装置の制御方法と比較して、S3000段階とS7000段階との間に、ユーザインタフェース部130に前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つを表示する段階(S4000)と、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちの1つの入力を受け制御部900に伝送する段階(S5000)と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階(S6000)とが設けられることに主な違いがあるので、相違点を中心に説明し、同一部分については前述の
図15の説明を援用する。
【0285】
まず、ユーザインタフェース部130に前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つを表示する段階(S4000)について具体的に説明すると、以下の通りである。
【0286】
第1組成比と第2組成比とは、ユーザインタフェース部130および端末20のいずれかに表示され得、ユーザは、ユーザインタフェース部130または端末20に表示された第1組成比、第2組成比および第3組成比(第1組成比と第2組成比とのいずれかに修正が加えられた組成比)のうちのいずれか1つを選択し得る。
【0287】
第1組成比と第2組成比とが表示されるのは、当該組成比そのものの数字のみならず、当該組成比に対応する色で表示されるものを含み得る。
【0288】
次に、第1組成比、第2組成比、または第1組成比と第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階(S5000)について具体的に説明すると、以下の通りである。
【0289】
ユーザは、ユーザインタフェース部130または端末20に表示されている第1組成比または第2組成比を選択するか、または第1組成比と第2組成比とのいずれかを選択して組成比を修正し得る。この際、修正された組成比は第3組成比と理解され、組成比の修正は組成比の数値そのもののみならず、当該組成比に対応する色に修正することを含み得る。
【0290】
S5000段階は、ユーザがユーザインタフェース部130または端末20を介して、第1組成比または第2組成比から第3組成比に組成比の補正を加える際、ユーザの組成比補正の理由を反映して第3組成比を推薦し、推薦された第3組成比をユーザが選択することを含み得る。
【0291】
具体的に、S5000段階は、第1組成比と第2組成比とのいずれかを選択した理由をユーザが入力できるように、ユーザインタフェース部130または端末20に選択理由を表示する段階と、制御部900は、選択理由の入力を受け既定のアルゴリズムに基づいて第3組成比を算出し、算出された第3組成比をユーザインタフェース部130または端末20に表示する段階と、ユーザインタフェース部130または端末20に表示された第3組成比と前記第1組成比と前記第2組成比とのうちのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階とを含み得る。
【0292】
制御部900によって、選択理由の入力を受け既定のアルゴリズムに基づいて第3組成比を算出する過程を例示すると、以下の通りである。
【0293】
例えば、ユーザが第2組成比を選択すると(購入履歴を反映した組成比)、選択理由の回答として下記のような例文をユーザインタフェース部130または端末20に表示し得る。
【0294】
1)既存の使っていた化粧品特性(色、水分保持力など)をそのまま維持したくて、2)既存の使っていた化粧品特性(色、水分保持力など)を80%程度維持し、皮膚状態にある程度適した化粧品を使いたくて、3)既存の使っていた化粧品特性(色、水分保持力など)を50%程度維持し、皮膚状態に一定の部分適する化粧品を使いたくて、4)既存の使っていた化粧品特性(色、水分保持力など)を20%程度維持し、皮膚状態により近い化粧品を使いたくて、5)その他(回答直接入力)。
【0295】
前記1)、2)、3)、4)、5)のうちのいずれか1つが入力された制御部900はこれを考慮し、前述の第2組成比を算出するための荷重値(P)を調整し、第3組成比を算出して、ユーザインタフェース部130または端末20に表示し得る。
【0296】
例えば、ユーザが選択理由に対する回答として3)を選択したが、最初に入力された荷重値が10である場合、第2組成比を算出するための荷重値を1に変更して、荷重値が1に変更された第3組成比が導出され得る。
【0297】
ただし、前述の第3組成比を算出する既定のアルゴリズムは一例示に過ぎず、本実施例はこれを含む様々なアルゴリズムを含み得る。
【0298】
その後、入力された第1組成比~第3組成比のいずれか1つは制御部900に伝送され、制御部900は化粧料供給部200と移送手段800とを制御して、第3組成比に基づいた化粧品を製造し得る。
【0299】
また、ユーザインタフェース部130には、第1組成比と第2組成比とのいずれかを選択するか、第1組成比と第2組成比のいずれかに修正を加えて、第3組成比に変更し得る入力部が設けられ得る。
【0300】
前述の
図14~
図16において、製造される化粧品は、カバー力を有するファンデーション、または色を表す色調化粧品であり得る。ただし、本発明の思想はこれに限定されるものではなく、製造される化粧品は、化粧水、乳液のようなスキンケア製品を含み得る。
【0301】
製造される化粧品がスキンケア製品の場合は、油分と水分の比率が組成比として理解され得る。この場合、さらにユーザの好みに合う香りを選択する過程が追加されても良く、ユーザに選択された香りは、化粧料供給部200と移送手段800によって完製品の化粧品に提供され得る。
【0302】
また、本発明の一実施例による化粧品製造システム1によると、測定センサーによって測定された皮膚状態に関する情報をオペレーティングサーバー40に保存して、オペレーティングサーバー40と通信可能な端末20を介して、顧客の注文を受けてカスタム化粧品を生産し得る。この場合、ユーザはその都度測定センサーにより皮膚測定をする煩わしさもなく、既存の測定済みの皮膚状態に関するデータに基づいて、カスタム化粧品をリモートで注文し得る。
【0303】
具体的に、オペレーティングサーバー40は、前述の第1組成比と第2組成比と第3組成比と第4組成比とのうち少なくとも一つを保存しており、ユーザは端末20を介して第1組成比~第4組成比のうちのいずれか1つに基づく組成比と製造量を決定して、オペレーティングサーバー40または化粧品製造装置10に伝送し得る。
【0304】
化粧品製造装置10は、伝送された組成比に応じて、前述の過程により化粧品を製造し得る。
以下は、前述の実施例の記載である。
【0305】
項目1は、測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得る制御部900と、前記第1組成比または前記第2組成比に基づいて化粧品が製造され得るよう、前記第1組成比または前記第2組成比のいずれかに応じて化粧料を排出し得る化粧料供給部200とを含む化粧品製造装置が提供され得る。
【0306】
項目2は、前記化粧品製造装置は、前記第1組成比と前記第2組成比との少なくとも一つを表示し、表示された前記第1組成比、前記第2組成比または、前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれか1つに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され得るユーザインタフェース部130をさらに含み、前記化粧料供給部200は、入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造され得るよう、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る、項目1の化粧品製造装置が提供され得る。
【0307】
項目3は、前記制御部900によって、前記第1組成比は既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と、製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、項目1と項目2の化粧品製造装置が提供され得る。
【0308】
項目4は、前記製品データベースには、L1、a1、b1値とそれに対応する組成比とが保存され、前記測定センサーによって皮膚測定値は任意の値L2、a2、b2で測定され、前記第1組成比は前記製品データベースに保存されている組成比のうち
【数3】
の値が最も小さい値に対応する組成比で設定される、項目1~項目3の化粧品製造装置が提供され得る。
【0309】
項目5は、前記測定センサーによって測定された皮膚測定値はL2、a2、b2で示され、前記オペレーティングサーバー40からL3、a3、b3を示し得る化粧品に対する購入履歴が伝送されると、前記制御部900によって、前記皮膚測定値は(P*L3+L2)/(P+1)、(P*a3+a2)/(P+1)、(P*b3+b2)/(P+1)である測定補正値で補正され、前記第2組成比は、前記測定補正値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比で第2組成比が決定される、項目1~項目4の化粧品製造装置が提供され得る。
【0310】
項目6は、前記第1組成比は、任意の化粧料に対する組成比X1:Y1:Z1:K1で示され、前記オペレーティングサーバー40から任意の化粧料に対する組成比X2:Y2:Z2:K2を有する化粧品に関する購入履歴が伝送されると、前記制御部900によって、前記第2組成比は(P*X1+X2)/(P+1):(P*Y1+Y2)/(P+1):(P*Z1+Z2)/(P+1):(P*K1+K2)/(P+1)に設定される、項目1~項目5の化粧品製造装置が提供され得る。
【0311】
項目7は、前記Pは、ユーザインタフェース部130または端末20によってユーザから入力され得る1~10の自然数である、項目1~項目6の化粧品製造装置が提供され得る。
【0312】
項目8は、前記ユーザインタフェース部130には、製造される化粧品がサンプルとして提供されるサンプル製造モードであるか、または製造される化粧品が完製品として提供される完製品製造モードであるかを選択し得る入力部が設けられる、項目1~項目7の化粧品製造装置が提供され得る。
【0313】
項目9は、前記ユーザインタフェース部130には、製造される化粧品がファンデーション製品であるか、またはスキンケア製品であるかを選択し得る入力部が設けられる、項目1~項目8の化粧品製造装置が提供され得る。
【0314】
項目10は、ユーザの皮膚状態を測定し得る測定センサーと、ユーザの化粧品に関する購入履歴を保存することができ、前記測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて第1組成比を算出し、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出し得るオペレーティングサーバー40と、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のいずれか1つが入力され得る端末20と、入力された第1組成比~第3組成比のうちのいずれか1つに基づいて化粧品が製造されるように、入力された組成比に応じて化粧料を排出し得る化粧品製造装置10を含む、項目1~項目9における化粧品製造装置10とを含む、化粧品製造システムが提供され得る。
【0315】
項目11は、前記オペレーティングサーバー40により、前記第1組成比は既定の計算式に測定センサーによって測定された皮膚測定値を変数に代入して決定されるか、または測定センサーによって測定された皮膚測定値と製品データベースに予め設定されている設定値との差が最も小さい値に対応する組成比が第1組成比として決定される、項目10の化粧品製造システムが提供され得る。
【0316】
項目12は、測定センサーによって測定されたユーザの皮膚状態に基づいて算出された第1組成比と、前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比との少なくとも一つを保存し得るオペレーティングサーバー40と、前記オペレーティングサーバー40から前記第1組成比と前記第2組成比とのうち少なくとも一つが伝送され表示し得る端末20と、端末20から前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比のいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つが入力され、入力された組成比に基づいて化粧品を製造し得る項目1~項目11の、化粧品製造システムが提供され得る。
【0317】
項目13は、測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、制御部900によって、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階とを含む、項目1~項目12の化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0318】
項目14は、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、前記第2組成比に応じて化粧料を排出する段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、第2組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階とをさらに含む、項目1~項目13の化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0319】
項目15は、測定センサーによって測定された皮膚状態が伝送される段階と、伝送された前記皮膚状態に基づいて第1組成比を算出する段階と、オペレーティングサーバー40から前記ユーザの化粧品購入履歴を伝送してもらい、前記購入履歴に基づいて前記第1組成比を既定のアルゴリズムで補正した第2組成比を算出する段階と、ユーザインタフェース部130に前記第1組成比と前記第2組成比とのうち少なくとも一つを表示する段階と、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階と、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階とを含む、項目1~項目14の化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0320】
項目16は、前記第1組成比、前記第2組成比、または前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかに修正が加えられた第3組成比のうちのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階は、前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれかを選択した理由をユーザが入力できるように、ユーザインタフェース部130に選択理由を表示する段階と、制御部900は、前記選択理由の入力を受け既定のアルゴリズムに基づいて第3組成比を算出し、算出された第3組成比をユーザインタフェース部130に表示する段階と、ユーザインタフェース部130に表示された第3組成比と前記第1組成比と前記第2組成比とのいずれか1つの入力を受け制御部900に伝送する段階とを含む、項目1~項目15の化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0321】
項目17は、制御部900によって化粧料供給部200を制御して、入力された前記第1組成比~前記第3組成比のうちのいずれか1つに応じて化粧料を排出する段階の後に、制御部900によって移送手段800を制御して、入力された組成比に基づいて化粧品を製造する段階と、製造された化粧品がサンプル製造モードで製造された場合は、製造された化粧品の組成比に修正が加えられた第4組成比の入力を受ける段階と、制御部900によって移送手段800を制御して、前記第4組成比に基づいて化粧品を製造する段階をさらに含む、項目1~項目16の化粧品製造装置の制御方法が提供され得る。
【0322】
以上、本発明の実施例による化粧品製造装置、化粧品製造装置の制御方法、および化粧品製造システムを具体的な実施形態として説明したが、これは例示に過ぎないものであり、本発明はこれに限定されるものではなく、本明細書に開示された基礎思想に基づく最も広い範囲を有するものと解釈されるべきである。当業者は、開示された実施形態を組合、置換して摘示されていない実施形態を実施し得るが、これもまた本発明の範囲を逸脱しないものである。さらに、当業者は、本明細書に基づいて開示された実施形態を容易に変更または変形することができ、このような変更または変形も本発明の権利範囲に属することは明らかである。
【符号の説明】
【0323】
1:化粧品製造システム
10:化粧品製造装置
20:端末
40:オペレーティングサーバー
100:本体
140:化粧料貯蔵部
160:部品供給部
200:化粧料供給部
300:安着部
500:組立部
600:吸湿部
800:移送手段
900:制御部