(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022051872
(43)【公開日】2022-04-01
(54)【発明の名称】ベタヒスチンを含む鼻腔内組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4402 20060101AFI20220325BHJP
A61K 47/32 20060101ALI20220325BHJP
A61K 47/38 20060101ALI20220325BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20220325BHJP
A61K 47/34 20170101ALI20220325BHJP
A61K 47/10 20060101ALI20220325BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20220325BHJP
A61K 9/12 20060101ALI20220325BHJP
A61K 9/08 20060101ALI20220325BHJP
A61K 47/44 20170101ALI20220325BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220325BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220325BHJP
A61P 27/16 20060101ALI20220325BHJP
A61P 1/08 20060101ALI20220325BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220325BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220325BHJP
A61K 31/5513 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A61K31/4402
A61K47/32
A61K47/38
A61K47/36
A61K47/34
A61K47/10
A61K47/26
A61K9/12
A61K9/08
A61K47/44
A61K45/00
A61P43/00 121
A61P27/16
A61P1/08
A61P25/00
A61P3/04
A61K31/5513
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022017792
(22)【出願日】2022-02-08
(62)【分割の表示】P 2019541717の分割
【原出願日】2018-02-02
(31)【優先権主張番号】62/453,931
(32)【優先日】2017-02-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514231435
【氏名又は名称】オトラーヌム アーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】トマス マイヤー
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー ジョン ライト
(57)【要約】
【課題】鼻腔内適用によるヒト対象における耳鼻科または神経障害の治療に使用するための、活性物質としてのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物を提供すること。
【解決手段】様々な実施形態では、本開示は、治療上有効量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩及び増粘剤の溶液または懸濁物を含む、ヒト患者への鼻腔内送達用の薬学的組成物に関する。特定の実施形態では、本開示は、ヒトへの単回鼻腔内投与後、Cmaxが以下の80~125%の範囲にある、本明細書に記載の薬学的組成物に関する:5mgのベタヒスチン用量について約640pg/mL、10mgのベタヒスチン用量について約2000pg/mL、20mgのベタヒスチン用量について約4000pg/mL、または40mgのベタヒスチン用量について約10500pg/mL。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書に記載の発明。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年2月2日に出願された米国仮特許出願第62/453,931号に対する優先権の利益を主張し、その内容は全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
分野
本開示は、一般に、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物、及び、例えば、耳鼻科または神経障害の治療におけるそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ヒスタミンなどの前庭障害の治療または前庭障害の症状の緩和に有用な薬剤は、ヒスタミン作動系を介して作用することが公知である。ヒスタミンは、神経系におけるアミン作動性神経伝達物質として、ならびに腸、皮膚及び免疫系末梢における、及び脳における局所的な媒介物質として作用する、ほぼ一世紀にわたって研究されてきた強力な生理活性物質である。ベタヒスチンは、同様の薬理学的な特性を伴うが、アナフィラキシー反応のようなヒスタミンの潜在的に重篤な副作用を伴わない、ヒスタミンの構造類似体である。
【0004】
ベタヒスチンは、前庭性めまいの治療において、例えば、良性発作性頭位めまい、前庭神経炎、またはメニール病において治療上の利益を有することが公知である。めまい、耳鳴り、難聴及び罹患した耳での圧力感または疼痛を特徴とする状態であるメニエール病におけるベタヒスチンの治療効果は、多数の臨床試験で評価されている。しかし、臨床治験の結果は、異論があり、批評家の一般的な意見は、ベタヒスチンが、メニエール病に何かの影響があるか否かを述べるにはまだ十分な証拠がないということである。ベタヒスチンはまた、前庭リハビリテーションに治療有益性、例えば、前庭神経切断後のメニエール病患者における姿勢安定性ならびに主観的な視覚の垂直及び頭部の向きの回復の有意な時間短縮を有することも公知である。
【0005】
ベタヒスチンはまた、肥満、注意欠陥多動性障害、脳血管疾患/認知症、ナルコレプシー/睡眠障害、パーキンソン病、中毒、統合失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、またはアルツハイマー病などの神経障害の治療において治療効果を有することも公知である。
【0006】
ヒトにおいて、ベタヒスチンは通常、錠剤または溶液の形態で、通常は1日に2~3回、1日に最大6回まで経口的に投与される。ベタヒチンは、その短い血漿中半減期(3~4時間)が公知であり、これによって頻繁な投与が必要であり、そして特に高齢患者においてはノンコンプライアンスにつながり得る。さらに、経口投与後、ベタヒスチンは、胃腸管の全ての部分から容易にかつほぼ完全に吸収される。吸収後、その薬物はモノアミンオキシダーゼにより急速にそしてほぼ完全に2-ピリジル酢酸(2-PAA、薬理学的活性を有さない)に代謝される。初回通過代謝が非常に高いことに起因して、経口投与されたベタヒスチンの絶対バイオアベイラビリティは、約1%であると推定されている(SmPC)。したがって、ベタヒスチンの血漿中濃度は非常に低い。
【0007】
したがって、ベタヒスチンの経口投与後の強力な初回通過効果は、臨床診療における化合物の有効性を限定し、そしてさらに顕著な結果を達成するために、実質的により高用量が実際に必要である場合がある。したがって、有効性を増大して、頻度及び/または一日投与量の低下を可能にして、さらに急速かつ延長した効果を得る、ベタヒスチンを含む改良された薬学的組成物、ならびに内耳機能障害を含む耳鼻科または神経障害の治療のためにそれらを投与する方法を提供する必要がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
様々な実施形態では、本開示は、治療上有効量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩及び増粘剤の溶液または懸濁物を含む、ヒト患者への鼻腔内送達用の薬学的組成物に関する。
【0009】
特定の実施形態では、本開示は、ヒトへの単回鼻腔内投与後、Cmaxが以下の80~125%の範囲にある、本明細書に記載の薬学的組成物に関する:5mgのベタヒスチン用量について約640pg/mL、10mgのベタヒスチン用量について約2000pg/mL、20mgのベタヒスチン用量について約4000pg/mL、または40mgのベタヒスチン用量について約10500pg/mL。
【0010】
特定の実施形態では、本開示は、ヒトへの単回鼻腔内投与後、AUC0-lastが以下の約80%~125%の範囲である、本明細書に記載の薬学的組成物に関する:5mgのベタヒスチン用量について約210pg*時間/mL、10mgのベタヒスチン用量について約500pg*時間/mL、20mgのベタヒスチン用量について約1600pg*時間/mL、または40mgのベタヒスチン用量について約3500pg*時間/mL。
【0011】
特定の実施形態では、本開示は、ヒトへの単回鼻腔内投与後、AUC0-infが以下の約80%~125%の範囲である、本明細書に記載の薬学的組成物に関する:5mgのベタヒスチン用量について約275pg*時間/mL、10mgのベタヒスチン用量について約700pg*時間/mL、20mgのベタヒスチン用量について約1630pg*時間/mL、または40mgベタヒスチン投与量については約3940pg*時間/mL。
【0012】
さらに他の実施形態では、本開示は、内耳機能不全もしくは内耳障害を治療する方法、または内耳障害の症状を治療もしくは緩和する方法、または対象における蝸牛血流もしくは脳血流を増大させる方法であって、本明細書に開示されている任意の組成物を上記対象に鼻腔内投与することを包含する方法に関する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
治療上有効な量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の溶液または懸濁液、及び増粘剤を含む、ヒト患者への鼻腔内送達用の薬学的組成物。
(項目2)
ヒトへの単回鼻腔内投与後、ベタヒスチンのCmaxが以下の80~125%の範囲である、項目1に記載の薬学的組成物:
5mgのベタヒスチン用量について約640pg/mL、
10mgのベタヒスチン用量について約2000pg/mL、
20mgのベタヒスチン用量について約4000pg/mL、または
40mgのベタヒスチン用量について約10500pg/mL。
(項目3)
ヒトへの単回鼻腔内投与後の、ベタヒスチンのAUC0-lastが以下の約80%~125%の範囲である、項目1または2に記載の薬学的組成物:
5mgのベタヒスチン用量について約210pg*時間/mL、
10mgのベタヒスチン用量について約500pg*時間/mL、
20mgのベタヒスチン用量について約1600pg*時間/mL、または
40mgのベタヒスチン用量について約3500pg*時間/mL。
(項目4)
ヒトへの単回鼻腔内投与後の、ベタヒスチンのAUC0-infが以下の約80%~125%の範囲である、項目1~3のいずれか1項に記載の薬学的組成物:
5mgのベタヒスチン用量について約275pg*時間/mL、
10mgのベタヒスチン用量について約700pg*時間/mL、
20mgのベタヒスチン用量について約1630pg*時間/mL、または
40mgのベタヒスチン用量について約3940pg*時間/mL。
(項目5)
ヒトへの単回鼻腔内投与後、ベタヒスチンのtmaxが約0.08~0.5時間の範囲である、項目1~4のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目6)
前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩が、ベタヒスチン遊離塩基、ベタヒスチン塩酸塩、ベタヒスチンフマル酸塩、ベタヒスチンマレイン酸塩、ベタヒスチン酒石酸塩、ベタヒスチンクエン酸塩、ベタヒスチンコハク酸塩、ベタヒスチンフタル酸塩及びベタヒスチンメシル酸塩からなる群より選択される、項目1~5のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目7)
前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩がベタヒスチン二塩酸塩である、項目1~6のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目8)
前記増粘剤が、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース-Na、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチル-オキシド、カルボポール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン類、マルトデキストリン、デンプングリコール酸ナトリウム、トラガカントガム、アラビアゴム、微結晶セルロース及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目1~7のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目9)
前記増粘剤がポリビニルピロリドンである、項目8に記載の薬学的組成物。
(項目10)
1つ以上の保湿剤をさらに含む、項目1~9のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目11)
前記1つ以上の保湿剤が、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール400、ヘキサレングリコール、ブチレングリコール、デキストロース、グリセリルトリアセテート、ポリデキストロース、グリセロール、グリセリルトリアセテート、ソルビトール、マンニトール、及びそれらの組み合わせからなる群より選択される、項目10に記載の薬学的組成物。
(項目12)
前記1つ以上の保湿剤が、グリセリン、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールからなる群より選択される、項目11に記載の薬学的組成物。
(項目13)
前記組成物が、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を、約1mg/mL~約1000mg/mLの濃度で含む、項目1~12のいずれか1項に記載の薬学的組成物。(項目14)
前記組成物が、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を、約10mg/mL~約400mg/mLの濃度で含む、項目13に記載の薬学的組成物。
(項目15)
前記組成物が、約5mg~約100mgの量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量の形態である、項目1~14のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目16)
前記組成物が、約5mg、約10mg、約20mg、約40mg、または約80mgの量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量の形態である、項目1~15のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目17)
前記組成物が、単位用量あたり約1μL~約1000μLの前記組成物を含む単位用量の形態である、項目1~14のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目18)
前記組成物がスプレーまたはエアロゾルとして投与され得る、項目1~17のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目19)
前記組成物が水溶液である、項目1~18のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目20)
前記組成物が脂質を含む、項目1~19のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目21)
少なくとも1つの追加の薬学的に活性な薬剤をさらに含む、項目1~20のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目22)
前記少なくとも1つの追加の薬学的に活性な薬剤がグルタミン酸受容体アンタゴニストである、項目21に記載の薬学的組成物。
(項目23)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのCmaxが少なくとも約0.5ng/mLである、項目1~22のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目24)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのCmaxが少なくとも約4ng/mLである、項目1~23のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目25)
前記組成物の単回投与量が20mgまたは40mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目1~24のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目26)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのtmaxが約0.08時間以上である、項目1~25のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目27)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのtmaxが約0.12時間以上である、項目1~26のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目28)
前記組成物の単回投与量が20mgまたは40mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目1~27のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目29)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのAUC0-lastが、少なくとも約0.2時間*ng/mLである、項目1~28のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目30)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのAUC0-lastが、少なくとも約1.5時間*ng/mLである、項目1~29のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目31)
前記組成物の単回投与量が20mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目30に記載の薬学的組成物。
(項目32)
前記組成物の単回鼻腔内投与後のヒト血漿中のベタヒスチンのAUC0-lastが、少なくとも約3.0時間*ng/mLである、項目1~31のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目33)
前記組成物の単回投与量が40mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む、項目33に記載の薬学的組成物。
(項目34)
少なくとも1つの酵素阻害剤または吸収促進剤をさらに含む、項目1~33のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
(項目35)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物及び少なくとも1つの酵素阻害剤または吸収促進剤を含む薬学的組み合わせ。
(項目36)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを包含する、内耳障害、前庭障害、神経耳鼻科障害、耳鼻科障害または神経障害を治療する方法。
(項目37)
前記方法が前庭障害を治療するためのものである、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記前庭障害が前庭性めまいまたはメニエール病である、項目37に記載の方法。
(項目39)
前記方法が、耳鳴りまたは難聴から選択される内耳障害を治療するためのものである、項目36に記載の方法。
(項目40)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを含む、内耳障害、前庭障害、神経耳鼻科障害、耳鼻科障害、または神経障害の症状を治療または軽減する方法。
(項目41)
前記方法が前庭障害の症状を治療または軽減するためのものである、項目40に記載の方法。
(項目42)
前記内耳障害の症状が、難聴、耳鳴り、悪心またはめまいである、項目41に記載の方法。
(項目43)
前記難聴が急性難聴である、項目43に記載の方法。
(項目44)
前庭リハビリテーションを容易にするために、項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に対して投与する方法。
(項目45)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを含む、内耳障害、前庭障害、神経耳鼻科障害、耳鼻科障害または神経障害の予防方法。
(項目46)
前記方法が前庭障害の予防のためである、項目45に記載の方法。
(項目47)
前記前庭障害が前庭性めまいまたはメニエール病である、項目46に記載の方法。
(項目48)
前記方法が、耳鳴りまたは難聴から選択される内耳障害の予防のためである、項目45に記載の方法。
(項目49)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを含む、対象における蝸牛血流または前庭血流を増大させる方法。
(項目50)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを含む、対象における肥満、体重増大、及び/または摂食障害を治療する方法。
(項目51)
項目1~34のいずれか1項に記載の薬学的組成物を、それを必要とする対象に鼻腔内投与することを含む、対象の体重増大を減少させる方法。
(項目52)
前記体重増大が、ヒスタミン受容体に作用する抗精神病薬の投与によって誘導される、項目51に記載の方法。
(項目53)
前記抗精神病薬がオランザピンである、項目52に記載の方法。
(項目54)
前記組成物が、1日に1回、1日に2回、1日に3回、1日に4回、1日に5回、1日に6回、1日に7回、1日に8回、1日に9回、または1日に10回投与される、項目36~53のいずれか1項に記載の方法。
(項目55)
前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の一日総投与量が、ヒト患者の体重あたり約0.01mg/kg~約20mg/kgである、項目36~54のいずれか1項に記載の方法。
(項目56)
前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の一日総投与量が約1~200mgである、項目36~55のいずれか1項に記載の方法。
(項目57)
前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の一日総投与量が5~100mgである、項目36~56のいずれか1項に記載の方法。
(項目58)
前記組成物が、前記ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量中で、1単位用量あたり約1mg~約100mgのベタヒスチンという量で投与される、項目36~57のいずれか1項に記載の方法。
(項目59)
ヒトへの単回鼻腔内投与後に、鼻腔内に送達されたベタヒスチンの相対的バイオアベイラビリティが、経口的に送達されたベタヒスチンに対して最大約10~50倍高い、項目1~4のいずれか1項に記載の薬学的組成物。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】4、20または80mgのベタヒスチン二塩酸塩の単回投与の鼻腔内投与後の6頭のビーグル犬由来の血漿におけるベタヒスチンの経時濃度を示す。
【
図2】4、20または80mgのベタヒスチン二塩酸塩の単回投与の鼻腔内投与後の6頭のビーグル犬由来の血漿における2-ピリジル酢酸(2-PAA)の経時濃度を示す。
【
図3】5、10、20または40mgの単回投与量のベタヒスチン二塩酸塩の鼻腔内投与後の24人の健常ボランティア由来の血漿におけるベタヒスチンのピーク濃度C
maxを示す(ひげ=標準偏差)。
【
図4】5、10、20または40mgの単回投与量のベタヒスチン二塩酸塩を鼻腔内投与した後の24人の健常ボランティア由来の血漿における2-ピリジル乳酸(2-PAA)のピーク濃度C
maxを示す(ひげ=標準偏差)。
【
図5】40、80、または120mgの用量の単回投与量のベタヒスチン二塩酸塩の鼻腔内投与後の、8頭のビーグル犬由来の血漿おけるベタヒスチン経時濃度の中央値を示す。
【
図6】40、80、または120mgの用量の単回投与量のベタヒスチン二塩酸塩を鼻腔内投与した後の8頭のビーグル犬由来の血漿における平均ベタヒスチン経時濃度を示す。
【
図7】ベタヒスチンの経口投与後の8頭のビーグル犬由来の血漿におけるベタヒスチン経時濃度の中央値を示す。
【
図8】ベタヒスチンの経口投与後の8頭のビーグル犬由来の血漿における平均ベタヒスチン濃度を示す。
【
図9】ベタヒスチンの静脈内投与後の8頭のビーグル犬由来の血漿におけるベタヒスチン経時濃度の中央値を示す。
【
図10】ベタヒスチンの静脈内投与後の8頭のビーグル犬由来の血漿における平均ベタヒスチン経時濃度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の用語は当業者によってよく理解されていると考えられるが、以下の定義を本明細書に開示された主題の説明を容易にするために示す。
【0015】
本明細書を通して、「約」及び/または「およそ」という用語は、数値及び/または範囲と共に使用され得る。用語「約」は、列挙された値に近い値を意味すると理解される。例えば、「約40[単位]」とは、40の±25%以内(例えば、30~50)、±20%以内、±15%以内、±10%以内、±9%以内、±8%以内、±7%以内、±6%以内、±5%以内、±4%以内、±3%以内、±2%以内、±1%以内、±1%未満以内、またはその中もしくはそれよりも低い任意の他の値もしくは値の範囲を意味し得る。他の文脈では、「約」という用語は、数列において隣接する値の間の中間の値を指す場合がある。さらに、「約[値]より小さい」または「約[値]より大きい」という表現は、本明細書で提供される用語「約」の定義を考慮して理解されるべきである。「約」及び「およそ」という用語は、互換的に使用され得る。
【0016】
本明細書を通して、ある特定の数量について数値範囲が提供されている。これらの範囲はその中の全ての部分範囲を含むことを理解すべきである。したがって、「50~80」という範囲は、その中の全ての可能な範囲(例えば、51~79、52~78、53~77、54~76、55~75、60~70など)を含む。さらに、所与の範囲内の全ての値は、それによって包含される範囲の終点であってもよい(例えば、50~80の範囲は、55~80、50~75などのような終点を有する範囲を含む)。
【0017】
「a」または「an」という用語は、その実体の1つ以上を指す。例えば、「キナーゼ阻害剤」とは、1つ以上のキナーゼ阻害剤または少なくとも1つのキナーゼ阻害剤を指す。そのように、用語「1つの、ある(a:不定冠詞)」(または「1つの、ある(an:不定冠詞)」、「1つ以上」、及び「少なくとも1つ」は、本明細書では互換的に使用される。さらに、不定冠詞「a」または「an」による「阻害剤」への言及は、文脈上明らかに1つの阻害剤のみが存在することが要求されない限り、2つ以上の阻害剤が存在する可能性を排除しない。
【0018】
本明細書で使用される場合、本明細書及び特許請求の範囲で使用されるように、「含む」という動詞、およびその活用形は、その非限定的な意味で使用され、単語の後に続く項目を含むが特定的に言及されない項目が排除されるものではないことを意味する。本発明は、請求項に記載のステップ、要素、及び/または試薬を適切に「含む」、「からなる」、または「から本質的になる」場合がある。
【0019】
特許請求の範囲は、任意選択の要素を除外するように起草され得ることにさらに留意されたい。したがって、この供述は、請求項要素の列挙、または「否定的な」制限の使用に関連して「単独で」、「のみ」などの排他的用語を使用するための先行基準として役立つことを意図している。
【0020】
「治療する」、「治療される」、「治療すること」または「治療」という用語は、治療されている状態、障害または疾患に関連するかまたはそれらによって引き起こされる少なくとも1つの症状の減少または軽減を包含する。治療は、障害の1つもしくはいくつかの症状の軽減である場合もあるし、または障害もしくは疾患の完全な根絶である場合もある。同様に、「予防」という用語は、そのような症状の予想される開始の前に活性剤を投与することによる症状の部分的または全体的な予防を指す。
【0021】
本明細書中で使用される場合、「対象」、「個体」または「患者」という用語は互換的に使用され、脊椎動物、好ましくは哺乳動物を指す。非限定的な例としては、マウス、イヌ、ウサギ、家畜、スポーツ動物、ペット、及びヒトが挙げられる。
【0022】
本明細書中で使用される場合、「治療有効量」または「有効量」とは、その状態に対して所望の薬理学的及び/または生理学的効果をもたらす量を示す。その効果は、その状態もしくは症状を完全にもしくは部分的に防止することに関して予防的である場合もあるし、ならびに/またはその状態に対する部分的もしくは完全な治癒及び/もしくはその状態に起因する有害作用に関して治療的である場合もある。
【0023】
本明細書中で使用される場合、「ベタヒスチンの薬学的に許容される塩」という用語は、ベタヒスチンの薬学的に許容される酸付加塩、特に非毒性であることが公知であり、薬学的製剤の分野で一般的に使用される酸付加塩を指す。一実施形態では、ベタヒスチン塩は、酸の非限定的な例が以下から選択される酸付加塩である:1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アクタミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスパラギン酸(L)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウ酸(+)、ショウノウ-10-スルホン酸(+)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチジン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコン酸(D)、グルクロン酸(D)、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(-L)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸(-L)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+L)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)、またはウンデシレン酸。別の実施形態では、適切なベタヒスチン塩としてはまた限定するものではないが、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、酒石酸塩、メシル酸塩、クエン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、パモ酸塩/エンボナート(embonate)、硝酸塩、乳酸塩、硫酸塩、硫酸メチル、フマル酸塩、シュウ酸塩、フタル酸塩、マレイン酸、及びコハク酸が挙げられる。さらに、ベタヒスチン塩は、モノ塩またはビス塩であってもよい。一実施形態では、ベタヒスチン塩酸塩は、ベタヒスチン一塩酸塩またはベタヒスチン二塩酸塩であってもよい。
【0024】
本開示の一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、経鼻(例えば、溶液、スプレー、滴剤、エアロゾル、ゲル、乾燥粉末)、経口(例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、エリキシル剤、または散剤)、舌下、口腔内、非経口(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内、または嚢内注射)、または輸液技術(例えば、無菌注射水溶液、または非水溶液または懸濁液)、局所的(例えば、薬物放出性皮膚パッチ、クリームまたは軟膏)、膣内、ドレンチによる、経皮、皮内、肺内、子宮内、エアロゾルの使用による、または直腸に(例えば、坐剤、無毒の、薬学的に許容されるビヒクルまたは希釈剤を含有する単位剤形)を含む様々な経路による投与に適した任意の形態で製剤化されてもよい。一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、経鼻投与または鼻内投与に適した任意の形態に製剤化される。
【0025】
本開示の一実施形態では、ベタヒスチン塩酸塩を含む薬学的組成物が提供される。別の実施形態では、ベタヒスチン一塩酸塩を含む薬学的組成物が提供される。別の実施形態では、ベタヒスチン二塩酸塩を含む薬学的組成物が提供される。
【0026】
一実施形態では、薬学的組成物は、ベタヒスチンの特定の多形体またはその薬学的に許容される塩を含む。一実施形態では、ベタヒスチンの特定の多形体またはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物は、経鼻または鼻腔内投与に適した任意の形態で製剤化される。
【0027】
本開示の一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物が提供される。特定の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、ベタヒスチンまたはそれらの薬学的に許容される塩の溶液もしくは懸濁物を含む。別の実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩と、1つ以上の粘性剤または1つ以上の薬学的に許容される増粘剤とを含む薬学的組成物が提供される。適切な粘性剤または増粘剤の非限定的な例としては、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース-Na、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド、カルボポール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、アルギン酸塩、カラギーナン、ペクチン、マルトデキストリン、デンプングリコール酸ナトリウム、トラガカントガム、アラビアゴム、微結晶セルロース及びそれらの誘導体が挙げられる。一実施形態では、増粘剤はポリビニルピロリドンである。
【0028】
別の実施形態では、本開示は、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩、および1つ以上の粘性剤を含む薬学的組成物に関し、それは鼻腔内薬学的組成物である。一実施形態では、鼻腔内投与用製剤中の1つ以上の粘性剤は、製剤をベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩が吸収されるのに十分な長さで適用部位に保持することを可能にする。別の実施形態では、鼻腔内投与用の製剤中の1つ以上の粘性剤の存在は、製剤が鼻腔内に噴霧されるのを妨げることはない。
【0029】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、約0.1cps~約1000cpsまたは約1cps~約100cpsの範囲の粘度を有する。一実施形態では、本開示の薬学的組成物の粘度は、約0.1cps、約0.5cps、約1cps、約5cps、約10cps、約15cps、約20cps、約25cps、約30cps、約40cps、約45cps、約50cps、約55cps、約60cps、約65cps、約70cps、約75cps、約80cps、約85cps、約90cps、約95cps、約100cps、約105cps、約110cps、約115cps、約120cps、約125cps、約130cps、約135cps、約140cps、約145cps、約150cps、約175cps、約200cps、約250cps、約300cps、約350cps、約400cps、約450cps、約500cps、約550cps、約600cps、約650cps、約700cps、約750cps、約800cps、約850cps、約900cps、約950cps、または約1000cpsである。一実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物の粘度は、USP<911>粘度法によって測定され得る。
【0030】
一実施形態では、経鼻送達用の本開示の薬学的組成物は、約0.5cps~約10.5cps、約1cps~約10cps、または約1cps~約7cpsの粘度を有する。一実施形態では、経鼻送達用の本開示の薬学的組成物は、約0.5cps、約0.6cps、約0.7cps、約0.8cps、約0.9cps、約1.0cps、約1.1cps、約1.2cps、約1.3cps、約1.4cps、約1.5cps、約1.6cps、約1.7cps、約1.8cps、約1.9cps、約2.0cps、約2.1cps、約2.2cps、約2.3cps、約2.4cps、約2.5cps、約2.6cps、約2.7cps、約2.8cps、約2.9cps、約3.0cps、約3.1cps、約3.2cps、約3.3cps、約3.4cps、約3.5cps、約3.6cps、約3.7cps、約3.8cps、約3.9cps、約4.0cps、約4.1cps、約4.2cps、約4.3cps、約4.4cps、約4.5cps、約4.6cps、約4.7cps、約4.8cps、約4.9cps、約5.0cps、約5.1cps、約5.2cps、約5.3cps、約5.4cps、約5.5cps、約5.6cps、約5.7cps、約5.8cps、約5.9cps、約6.0cps、約6.1cps、約6.2cps、約6.3cps、約6.4cps、約6.5cps、約6.6cps、約6.7cps、約6.8cps、約6.9cps、約7.0cps、約7.1cps、約7.2cps、約7.3cps、約7.4cps、約7.5cps、約7.6cps、約7.7cps、約7.8cps、約7.9cps、約8.0cps、約8.1cps、約8.2cps、約8.3cps、約8.4cps、約8.5cps、約8.6cps、約8.7cps、約8.8cps、約8.9cps、約9.0cps、約9.1cps、約9.2cps、約9.3cps、約9.4cps、約9.5cps、約9.6cps、約9.7cps、約9.8cps、約9.9cps、約10.0cps、約10.1cps、約10.2cps、約10.3cps、約10.4cps、約10.5cps、またはこれらの任意の値の間の任意の範囲の粘度を有する。一実施形態では、経鼻送達用の本開示の薬学的組成物は、鼻腔内組成物中にある。一実施形態では、本明細書に記載の薬学的組成物の粘度は、USP<911>粘度法によって測定され得る。
【0031】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される保湿剤を含む。そのような保湿剤の非限定的な例としては、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、プロピレングリコール400、ヘキサレングリコール、ブチレングリコール、デキストロース、グリセリルトリアセテート、ポリデキストロース、グリセロール、グリセリルトリアセテート、ソルビトール、及びマンニトールが挙げられる。様々な実施形態では、本開示の薬学的組成物は、薬学的に許容される保湿剤の混合物を含んでもよい。
【0032】
一実施形態では、1つ以上の保湿剤は、グリセリン、ポリエチレングリコール400及びプロピレングリコールから選択される。一実施形態では、本開示の薬学的組成物はグリセリンを含む。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、ポリエチレングリコール400を含む。他の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、プロピレングリコールを含む。いくつかの実施形態では、本開示の薬学的組成物は、グリセリン、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールを含む。
【0033】
一実施形態では、1つ以上の薬学的に許容される保湿剤を含む本開示の薬学的組成物は、鼻腔内薬学的組成物である。一実施形態では、鼻腔内投与用の鼻腔内薬学的組成物中の1つ以上の保湿剤は、鼻粘膜、鼻組織、及び/または鼻膜を保湿する。一実施形態では、鼻腔内投与用の鼻腔内薬学的組成物中の1つ以上の保湿剤は、投与後に鼻腔内の刺激を軽減する。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、グリセリン、ポリエチレングリコール400、及びプロピレングリコールを含む。
【0034】
別の実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩、1つ以上の増粘剤、及び1つ以上の保湿剤を含む薬学的組成物が提供される。一実施形態では、この薬学的組成物は、鼻腔内薬学的組成物である。
【0035】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、1つ以上の薬学的に許容される担体及び/または1つ以上の薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0036】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、限定するものではないが、防腐剤、浸透圧に影響を及ぼす剤、錯化剤(例えば、エデト酸ナトリウムなど)、界面活性剤、pH及び張度に影響する剤、ならびに感覚マスキング剤を含む、1つ以上の添加剤をさらに含む。一実施形態では、鼻腔内送達用の本開示の薬学的組成物は、限定するものではないが、防腐剤、浸透圧に影響を及ぼす剤、錯化剤(例えば、エデト酸ナトリウムなど)、界面活性剤、pH及び張度に影響する剤、ならびに感覚マスキング剤を含む、1つ以上の添加剤をさらに含む。
【0037】
添加剤及び/または賦形剤の非限定的な例としては、ベンジルアルコール、塩化ベンザルコニウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム/セルロース微結晶、プロピルパラベン、メチルパラベン、フェネチルアルコール、クロロブタノール、EDTA、エタノール、アスコルビン酸、塩酸、硫酸、水酸化ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、無水デキストロース、ブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化、ヒドロキシトルエン、PEG400、PEG3500、ポリオキシル400ステアレート、ポリソルベート20、ポリソルベート80、グリセリン、プロピレングリコール、グリセリルトリアセテート、グリセロール、エチレングリコール、ソルビトール、マンニトール、及びアルギン酸塩類、カラギーナン、ペクチン類、トラガカントガム、アラビアゴムが挙げられる。
【0038】
本開示の目的のために、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む薬学的組成物は、経口的、非経口的、吸入スプレーによる、局所的または直腸的を含む様々な手段による投与用に、薬学的に許容される担体、アジュバント及びビヒクルを含有する製剤中に製剤化されてもよい。本明細書で使用される非経口という用語には、様々な注入技術を用いた皮下、静脈内、筋肉内、及び動脈内注射を包含する。本明細書で使用される動脈内及び静脈内注射は、カテーテルを通じた投与を包含する。
【0039】
本明細書に開示される薬学的組成物は、所望の投与経路に適合した慣用的な手順に従って製剤化してもよい。したがって、本明細書の薬学的組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁物、溶液またはエマルジョンなどの形態をとってもよく、懸濁剤、安定剤及び/または分散剤などの製剤化剤を含有してもよい。あるいは、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、使用前に適切なビヒクル、例えば滅菌パイロジェンフリー水で構成するための粉末形態であってもよい。これらの各投与方法に適した製剤は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,A.Gennaro,ed.,20th edition,Lippincott,Williams&Wilkins,Philadelphia,PAに見出され得る。
【0040】
一実施形態では、薬学的に許容される担体は、当業者に周知であり、これには、限定するものではないが、緩衝液、生理食塩水、及び水が挙げられる。一実施形態では、薬学的に許容される担体は、約0.01~約0.1Mのリン酸緩衝液または生理食塩水(例えば、0.8%生理食塩水)を含む。一実施形態では、緩衝液は、二塩基性リン酸ナトリウム及び一塩基性リン酸ナトリウムを含む。そのような実施形態では、緩衝剤は、鼻粘膜を介したベタヒスチンの急速な吸収を可能にし、そして刺激を最小にするのに適した範囲内に組成物のpHを調整する。例えば、pHは、約4、約4.2、約4.4、約48、約5、約5.2、約5.4、約5.6、約5.8、約6、約6.2、約6.4、約6.8、約7、約7.2、約7.4、約7.6、約7.8、約8、約8.2、約8.4、約8.6、約8.8、または約9(これらの値の間の任意の全ての範囲を含む)というpH範囲を含めて、約4~約9の範囲内に入るように制御されてもよい。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、約5というpH値を有する。別の実施形態では、約5というpH値を有する本開示の薬学的組成物は、より大きいpH値を有する組成物と比較した場合、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の改善された溶解度及び安定性を示す。
【0041】
そのような薬学的に許容される担体は、水溶液または非水溶液、懸濁物及びエマルジョンであってもよい。本出願における使用に適した非水性溶媒の例としては、限定するものではないが、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブ油などの植物油、及びオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。
【0042】
本出願での使用に適した水性担体としては、限定するものではないが、水、アルコール性/水性溶液(エタノール/水など)、グリセロール及び/またはグリセロール/水性混合物、エマルジョンまたは懸濁物(生理食塩水及び緩衝媒体を含む)が挙げられる。経口担体は、エリキシル剤、シロップ剤、カプセル剤、錠剤などであり得る。
【0043】
本出願での使用に適した液体担体は、溶液、懸濁物、またはエマルジョンを調製するのに使用され得る。活性成分は、水、有機溶媒、両方の混合物、または薬学的に許容される油もしくは脂肪などの薬学的に許容される液体担体に溶解されてもまたは懸濁されてもよい。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味剤、香味剤、懸濁剤、増粘剤、着色剤、粘度調整剤、安定剤または浸透圧調整剤などの他の適切な医薬添加剤を含んでもよい。
【0044】
本出願での使用に適した液体担体としては、限定するものではないが、水(上記のような添加剤、例えばセルロース誘導体、好ましくはカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液、を部分的に含む)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えばグリコールを含む)及びそれらの誘導体、ならびに油(例えば、分留ヤシ油及び落花生油)が挙げられる。本発明の組成物が加圧容器(例えば、加圧定量ディスペンサー)から投与される場合、本明細書に開示される加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、二酸化炭素、または他の薬学的に許容される噴射剤であってもよい。
【0045】
本出願における使用に適した固体担体(例えば、組成物が鼻腔内乾燥粉末として提供される場合)としては、限定するものではないが、ラクトース、デンプン、グルコース、メチルセルロース、ステアリン酸マグネシウム、リン酸二カルシウム、マンニトールなどの不活性物質が挙げられる。
【0046】
鼻腔内投与される組成物のいくつかが摂取される場合には、香味剤及び香味増強剤が、剤形を患者にとってより口あたりのよいものにし得る。本発明の組成物及び/または組み合わせに含まれ得る、医薬品のための一般的な香味剤及び香味増強剤としては、マルトール、バニリン、エチルバニリン、メントール、クエン酸、フマル酸、エチルマルトール、及び酒石酸が挙げられる。
【0047】
薬学的組成物の投与に関連して、感覚を味覚マスク及び/または臭気マスクするために、感覚マスキング剤を使用することができる。一実施形態では、臭気マスキング剤は、香りのする芳香マスキング剤を含んでもよい。一実施形態では、医薬文献で公知である任意の公知の感覚マスキング剤が考慮され得る。
【0048】
本開示の組成物はまた、成分が水、植物油、アルコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、またはグリセリンなどの液体担体中に溶解または懸濁されている、本発明の液体薬学的組成物中の、それらの外観を改善するか、及び/または製品及び単位投与量レベルの患者の認識を容易にするために、任意の薬学的に許容される着色剤を使用する染料を含んでもよい。
【0049】
例えば、非経口投与用の製剤は、一般的な賦形剤として滅菌水または生理食塩水、ポリエチレングリコールなどのポリアルキルグリコール、植物由来の油、水素化ナフタレンなどを含んでもよい。特に、生体適合性、生分解性ラクチドポリマー、ラクチド/グリコリドコポリマー、またはポリオキシエチレン-ポリオキシプロピレンコポリマーは、活性化合物の放出を制御するのに有用な賦形剤であり得る。吸入投与用製剤は、賦形剤として、例えばラクトースを含有してもよいし、または例えば、ポリオキシエチレン-9-アウリルエーテル、グリココール酸及びデオキシコール酸塩を含有する水溶液、あるいは点鼻薬の形態で投与するための油性溶液、または鼻腔内に適用するゲルとしてであってもよい。非経口投与用の製剤としては、口腔投与用のグリココール酸塩、直腸投与用のメトキシサリチル酸塩、または膣内投与用のクエン酸も挙げられ得る。
【0050】
液体薬学的組成物及び/または組み合わせは、組成物及び/または組み合わせ全体に液体担体に溶解しない活性成分または他の賦形剤を均一に分散するための乳化剤を含んでもよい。本発明の液体組成物及び/または組み合わせにおいて有用であり得る乳化剤としては、例えば、ゼラチン、卵黄、カゼイン、コレステロール、アラビアゴム、トラガカントゴム、ツノマタ属(chondrus)ゴム、ペクチン、メチルセルロース、カルボマー、セトステアリルアルコール、及びセチルアルコールが挙げられる。
【0051】
アスパルテーム、ラクトース、ソルビトール、サッカリン、サッカリンナトリウム、スクロース、アスパルテーム、フルクトース、マンニトール、及び転化糖などの甘味剤を、味を改善するために添加してもよい。
【0052】
防腐剤及びキレート剤、例えば、アルコール、四級アンモニウム化合物、例えば、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンゾキソニウム、臭化ベンゾドドシニウム、臭化アルキルトリメチルアンモニウム、臭化セトリモニウム、塩化ベンザルコニウム、フェニルエチルアルコール、安息香酸ならびにそのエステル及び塩、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸のC1-C7-アルキルエステル、例えば、4-ヒドロキシ安息香酸メチル、4-ヒドロキシ安息香酸メチルナトリウムまたは4-ヒドロキシ安息香酸プロピル、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、塩化セチルピリジニウム、セトリミド;パラベン及び誘導体、例えば、プロピルパラベンまたはメチルパラベン;アルキル酸、例えば、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カルシウム、ソルビン酸ナトリウム;ビグアニド類、例えば、クロルヘキシジンまたはその経鼻的に許容される塩、例えば、グルコン酸クロルヘキシジン、酢酸クロルヘキシジンまたは塩化クロルヘキシジン、2-フェノキシエタノール;ホウ酸;フェノール類、例えば、4-クロロクレゾール、4-クロロキシレノール、ジクロロフェンまたはヘキサクロロフェン、及びキレート化剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはエチレンジアミン-N,N’-二コハク酸(EDDS)を、貯蔵安定性を改善するために投与に安全なレベルで加えてもよい。
【0053】
液体組成物及び/または組み合わせはまた、グルコン酸、乳酸、クエン酸または酢酸、グルコン酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、または酢酸ナトリウムなどの添加剤または賦形剤を含んでもよい。賦形剤の選択及び使用される量は、当分野における経験ならびに標準的な手順及び参考文献の考察に基づいて、製剤科学者によって容易に決定され得る。
【0054】
本発明の薬学的組成物及び/または薬学的組み合わせは、水性懸濁物または油性懸濁物の形態であってもよい。一実施形態では、本発明の薬学的組成物及び/または医薬の組合せは、無菌の水性懸濁物または油性懸濁物の形態であってもよい。この懸濁物は、適切な分散剤または湿潤剤及び懸濁剤を用いて公知の技術に従って製剤化してもよい。滅菌溶液または懸濁物は、1,3-ブタンジオール中の溶液などの無毒の薬学的に許容される希釈剤または溶媒に溶解もしくは分散されてもよく、または乾燥粉末として送達するための凍結乾燥粉末として調製されてもよい。とりわけ使用され得る、許容されるビヒクル及び溶媒は、水、リンゲル液及び等張生理食塩水である。加えて、無菌の不揮発性油を、溶媒または懸濁媒体として慣用的に使用してもよい。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む、任意の無刺激性不揮発性油を使用してもよい。
【0055】
剤形には、気化もしくはエアロゾルを介して、または乾燥粉末として投与可能な粉末または液体を含む。投薬は、当該技術分野で公知の定量ポンプ分配デバイスの使用を通じて制御され得る。
【0056】
本開示の一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、経鼻または経鼻投与に適した任意の方法で製剤化され得る。本開示の一実施形態では、ベタヒスチン塩酸塩を含む鼻腔内薬学的組成物が提供される。別の実施形態では、ベタヒスチン一塩酸塩を含む鼻腔内薬学的組成物が提供される。別の実施形態では、ベタヒスチン二塩酸塩を含む鼻腔内薬学的組成物が提供される。
【0057】
別の実施形態では、鼻腔内薬学的組成物は、ベタヒスチン遊離塩基を含む。別の実施形態では、鼻腔内薬学的組成物は、ベタヒスチン塩酸塩、ベタヒスチン二塩酸塩、ベタヒスチンフマル酸塩、ベタヒスチンマレイン酸塩、ベタヒスチン酒石酸塩、ベタヒスチンクエン酸塩、ベタヒスチンコハク酸塩、ベタヒスチンフタル酸塩及びベタヒスチンメシル酸塩、ベタヒスチン臭化水素酸塩、ベタヒスチンヨウ化水素酸塩、ベタヒスチンメシル酸塩、ベタヒスチンリン酸塩、ベタヒスチン酢酸塩、ベタヒスチンパモ酸塩/エンボン酸塩、ベタヒスチン硝酸塩、ベタヒスチン乳酸塩、ベタヒスチン硫酸塩、ベタヒスチン硫酸メチル、ベタヒスチンシュウ酸塩、または本明細書に開示されているかもしくは当該技術分野で公知の任意の他の薬学的に許容されるベタヒスチン塩から選択されるベタヒスチンの薬学的に許容される塩を含む。
【0058】
一実施形態では、鼻腔内送達及び保持を改善するために、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を、シクロデキストリンでカプセル化してもよいし、または鼻粘膜内での送達及び保持を促進すると予想される他の薬剤と共に製剤化してもよい。
【0059】
一実施形態では、本開示は、ベタヒスチンの持続放出または制御放出製剤を提供する。例えば、生体接着性ポリマーは、経鼻製剤に対して良好な可能性を示しており、薬物放出の速度及び程度を制御することができる。さらに、吸収部位において生体接着性ポリマーによって与えられる長期の接触時間は、薬物のバイオアベイラビリティを改善し得る。したがって、生体接着性ポリマーを含む鼻用製剤、例えば、キトサンマイクロスフェアが、本開示によって企図されている。徐放性鼻用組成物を製剤化するために使用され得る様々な生体適合性及び生分解性ポリマーとしては、ポリビニルアルコール、キトサン、カルボポール、アルギン酸塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン及びジェランガムが挙げられる。いくつかの実施形態では、リポソーム製剤も持続放出を提供するために使用され得る。他の実施形態では、アルブミン、デンプン、デキストラン及び/またはキトサンを含む鼻腔内微粒子またはマイクロスフェアを使用して、持続放出を提供してもよい。これら及び他の持続性経鼻薬物送達システムは、Ghoriら(American Journal of Pharmacological Sciences,2015,Vol.3,No.5,110-119)によって概説されており、これは、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
いくつかの実施形態では、米国特許第8,574,622号に開示されている制御放出鼻送達システム(全ての目的のためにその全体が本明細書中に援用される)が、活性物質の持続放出を提供するために使用され得る。
【0061】
いくつかの実施形態では、吸収促進剤を含む製剤を使用して持続放出を提供してもよい。鼻腔内薬物送達における吸収増強の目的は、薬物の摂取を容易にするかまたは増大させることである。これは、より長い吸収時間枠を得るために滞留時間を延長することによって、または粘膜組織の浸透を増大させることによって、達成され得る。吸収増強は、長期間の滞留時間のための粘膜付着またはインサイチュのゲル化、時にはそれらの組み合わせ、または細胞接合部を弱めることもしくは膜二重層の流動性を高めることによって透過を増強することによって達成される。したがって、粘膜付着性賦形剤及び/またはインサイチュのゲル化剤を含む製剤を、ベタヒスチンの鼻腔内送達に使用してもよい。例えば、一実施形態では、カルボマー、セルロース誘導体、デンプン誘導体、またはキトサンなどの粘膜付着性賦形剤を含む持続放出製剤を、本発明で使用してもよい。
【0062】
別の実施形態では、徐放性製剤は、刺激応答性ポリマーを含むインサイチュの鼻腔ゲル化システムの形態である。刺激応答性ポリマーとしては、温度、pH、またはイオンの変化に起因して、鼻粘膜と接触するとインサイチュでゲル化する製剤のレオロジー特性を変えるポリマーが挙げられる。刺激応答性ポリマーまたはインサイチュのゲル化剤の例としては、限定するものではないが、ポロキサマー、ペクチン、及びキトサン系ポリマーが挙げられる。一実施形態では、インサイチュのゲル化システムは、カルボポール934P、キトサン、カルボキシメチルセルロースナトリウム(NaCMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース、及びメチルプロピルセルロースなどの粘液添加剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、刺激応答性ポリマーを含む経鼻用製剤は、必要に応じて、粘膜付着性賦形剤、例えば、Chonkar et al.,Indian J Pharm Sci.,2015 Jul-Aug;77(4):367-375(全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に開示されるものをさらに含んでもよく、本発明を実施するための持続放出製剤として使用され得る。他の実施形態では、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Philicheva et al.(International Journal of Drug Delivery,2013,5(4):389-401)に開示されているベタヒスチン二塩酸塩を含む粘膜接着性マイクロスフェアが、本発明に従ってベタヒスチンの経鼻送達に適合され得る。
【0063】
いくつかの実施形態では、米国特許出願公開第2006/0045868号、同第2006/0045869号、同第2008/0299079号に開示されているアルキルグリコシドなどの吸収促進剤を含む製剤、または吸収促進剤として大豆由来のステアリルグリコシド及びステロール混合物を含む製剤(Ando et al.,Biological and Pharmaceutical Bulletin,21(8)、862-865)を使用して、持続放出を提供してもよく、これらの各文献は、全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの他の実施形態では、吸収促進剤として脂肪酸(例えば、リノール酸)と混合されたミセルグリココール酸ナトリウムまたはミセルグリココール酸ナトリウムを含む製剤を、徐放製剤として使用してもよい。吸収促進剤の他の例としては、シクロデキストリン、リン脂質、及びキトサンが挙げられる。
【0064】
ポロキサマーのような熱硬化性ポリマーに基づく例示的な経鼻製剤は、Sharma et al.(Drug Dev Ind Pharm.2014 Jul;40(7):869-78);Cho et al.(J Pharm Sci.2011 Fcb;100(2):681-91);Choi et al.(Int Forum Allergy Rhinol.2017 Jul;7(7):705-711);及びBalakrishnan et al.(Molecules.2015 Mar 4;20(3):4124-35)に開示されており、これらの各文献は、全ての目的のためにその全体が参照により本明細書に組み込まれる。これらの参考文献に開示されている製剤は、本発明に従ってベタヒスチンの経内送達に適合され得る。
【0065】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、表1に開示された成分を含む。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、表1に開示された組成物と実質的に同様である。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、表1に開示された成分を様々な量の各成分で含む。
【0066】
【0067】
薬物動態
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、本開示の薬学的組成物の単回投与後に、ヒト血漿濃度において検出可能なベタヒスチンのCmaxを提供する。一実施形態では、本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは、少なくとも約0.2ng/mLまたは少なくとも約0.5ng/mLである。一実施形態では、Cmaxは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与の後に測定される。一実施形態では、Cmaxは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約640pg/mLの約80%~約125%、鼻腔内に投与された10mgのベタヒスチン用量について約2000pg/mLの約80%~約125%、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン用量について約4000pg/mLの約80%~約125%、鼻腔内に投与された40mgのベタヒスチン日について約10500pg/mLの約80%~約125%の範囲である。他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約230~約1260pg/mLの約80%~約125%、鼻腔内投与された10mgのベタヒスチン用量について約790~約3470pg/mLの約80%~約125%、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン用量について約1900~約8300pg/mLの約80%~約125%、及び鼻腔内投与された、40mgのベタヒスチン用量について約8000~約16000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0068】
一実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約500pg/mL、550pg/mL、600pg/mL、650pg/mL、700pg/mL、750pg/mL、800pg/mL、850pg/mL、900pg/mL、950pg/mL、1000pg/mL、1050pg/mL、1100pg/mL、1150pg/mL、1200pg/mL、1250pg/mL、1300pg/mL、1350pg/mL、1400pg/mL、1450pg/mL、1500pg/mL、1550pg/mL、1600pg/mL、1650pg/mL、1700pg/mL、1750pg/mL、1800pg/mL、1850pg/mL、1900pg/mL、1950pg/mL、2000pg/mL、2050pg/mL、2100pg/mL、2150pg/mL、2200pg/mL、2250pg/mL、2300pg/mL、2350pg/mL、2400pg/mL、2450pg/mL、2500pg/mL、2550pg/mL、2600pg/mL、2650pg/mL、2700pg/mL、2750pg/mL、2800pg/mL、2850pg/mL、2900pg/mL、2950pg/mL、または約3000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0069】
他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約600~約3000pg/mL、約600~約2800pg/mL、約600~約2600pg/mL、約600~約2400pg/mL、約600~約2200pg/mL、約600~約2000pg/mL、約600~約1800pg/mL、約600~約1600pg/mL、約600~約1400pg/mL、約600~約1200pg/mL、約600~約1000pg/mL、約500~約2500pg/mL、約500~約2300pg/mL、約500~約2100pg/mL、約500~約1900pg/mL、約500~約1700pg/mL、約500~約1500pg/mL、約500~約1300pg/mL、または約500~約1100pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0070】
一実施形態では、鼻腔内投与された10mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約1800pg/mL、2000pg/mL、2200pg/mL、2400pg/mL、2600pg/mL、2800pg/mL、3000pg/mL、3200pg/mL、3400pg/mL、3600pg/mL、3800pg/mL、4000pg/mL、4200pg/mL、4400pg/mL、4600pg/mL、4800pg/mL、5000pg/mL、5200pg/mL、5400pg/mL、5600pg/mL、5800pg/mL、6000pg/mL、6200pg/mL、6400pg/mL、6600pg/mL、6800pg/mL、7000pg/mL、7200pg/mL、7400pg/mL、7600pg/mL、7800pg/mL、または約8000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0071】
他の実施形態では、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約1800~約4500pg/mL、約2000~約5000pg/mL、約2200~約5500pg/mL、約2500~約5500pg/mL、約1600~約3000pg/mL、約1600~約3300pg/mL、または約1600~約3500pg/mLの約80%~約125%の範囲である。一実施形態では、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約3600pg/mL、3800pg/mL、4000pg/mL、4200pg/mL、4400pg/mL、4600pg/mL、4800pg/mL、5000pg/mL、5200pg/mL、5400pg/mL、5600pg/mL、5800pg/mL、6000pg/mL、6200pg/mL、6400pg/mL、6600pg/mL、6800pg/mL、7000pg/mL、7200pg/mL、7400pg/mL、7600pg/mL、7800pg/mL、8000pg/mL、8200pg/mL、8400pg/mL、8600pg/mL、8800pg/mL、または9000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0072】
他の実施形態では、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約3000~約8000pg/mL、約3000~約7700pg/mL、約3000~約7500pg/mL、約3000~約7300pg/mL、約3000~約7100pg/mL、約3000~約6900pg/mL、約3000~約6700pg/mL、約3000~約6500pg/mL、約3000~約6300pg/mL、約3000~約6100pg/mL、約3000~約5800pg/mL、約3000~約5600pg/mL、約3000~約5400pg/mL、約3000~約5200pg/mL、約3000~約5000pg/mL、約3250~約8000pg/mL、約3250~約7750pg/mL、約3250~約7500pg/mL、約3250~約7250pg/mL、約3250~約7000pg/mL、約3250~約6800pg/mL、約3250~約6600pg/mL、約3250~約6400pg/mL、約3250~約6200pg/mL、約3250~約6000pg/mL、約3250~約5800pg/mL、約3250~約5600pg/mL、約3250~約5400pg/mL、約3250~約5200pg/mL、約3250~約5000pg/mL、約3250~約4800pg/mL、約3500~約8000pg/mL、約3500~約7800pg/mL、約3500~約7600pg/mL、約3500~約7400pg/mL、約3500~約7200pg/mL、約3500~約7000pg/mL、約3500~約6800pg/mL、3500~約6600pg/mL、約3500~約6400pg/mL、約3500~約6200pg/mL、約3500~約6000pg/mL、約3500~約5800pg/mL、約3500~約5600pg/mL、約3500~約5300pg/mL、約3500~約5100pg/mL、約3700~約7500pg/mL、約3700~約7200pg/mL、約3700~約7000pg/mL、約3700~約6800pg/mL、約3700~約6500pg/mL、約3700~約6300pg/mL、約3700~約6100pg/mL、約3700~約5900pg/mL、約3700~約5700pg/mL、約3700~約5500pg/mL、約3700~約5300pg/mL、または約3700~約5100pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0073】
一実施形態では、鼻腔内投与された40mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約8000pg/mL、8500pg/mL、9000pg/mL、9500pg/mL、9800pg/mL、10000pg/mL、10300pg/mL、10500pg/mL、10750pg/mL、11000pg/mL、11250pg/mL、11500pg/mL、11750pg/mL、12000pg/mL、12250pg/mL、12500pg/mL、12750pg/mL、13000pg/mL、13250pg/mL、13500pg/mL、13750pg/mL、14000pg/mL、14250pg/mL、14500pg/mL、14750pg/mL、15000pg/mL、15250pg/mL、15500pg/mL、15750pg/mL、16000pg/mL、16500pg/mL、17000pg/mL、17500pg/mL、18000pg/mL、18500pg/mL、19000pg/mL、19500pg/mL、または20000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0074】
他の実施形態では、鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約8000~約20000pg/mL、約8000~約19000pg/mL、約8000~約18500pg/mL、約8000~約18000pg/mL、約8000~約17500pg/mL、約8000~約17000pg/mL、約8000~約16500pg/mL、約8000~約16000pg/mL、約8000~約15500pg/mL、約8000~約15000pg/mL、約8000~約14500pg/mL、約8000~約14000pg/mL、約8000~約13500pg/mL、約8000~約13000pg/mL、約8000~約12500pg/mL、約9000~約19500pg/mL、約9000~約19000pg/mL、約9000~約18500pg/mL、約9000~約18000pg/mL、約9000~約17500pg/mL、約9000~約17000pg/mL、約9000~約16500pg/mL、約9000~約16000pg/mL、約9000~約15500pg/mL、約9000~約15000pg/mL、約9000~約15000pg/mL、約9000~約14500pg/mL、約9000~約14000pg/mL、約9000~約13500pg/mL、約9000~約13000pg/mL、約10000~約18500pg/mL、約10000~約18000pg/mL、約10000~約17500pg/mL、約10000~約17000pg/mL、約10000~約16500pg/mL、約10000~約16000pg/mL、約10000~約15500pg/mL、約10000~約15000pg/mL、約10000~約14500pg/mL、または約10000~約14000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0075】
一実施形態では、鼻腔内に投与される60mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約14000pg/mL、14250pg/mL、14500pg/mL、14750pg/mL、15000pg/mL、15250pg/mL、15500pg/mL、15750pg/mL、16000pg/mL、16250pg/mL、16500pg/mL、16750pg/mL、17000pg/mL、17250pg/mL、17500pg/mL、17750pg/mL、18000pg/mL、18250pg/mL、18500pg/mL、または19000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0076】
他の実施形態では、鼻腔内に投与される60mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約13500~約19000pg/mL、約13500~約18500pg/mL、約13500~約18250pg/mL、約13500~約18000pg/mL、約13500~約17750pg/mL、約13500~約17500pg/mL、約13500~約17250pg/mL、約13500~約17000pg/mL、約13500~約16500pg/mL、約13500~約16000pg/mL、約14000~約19000pg/mL、約14000~約18500pg/mL、約14000~約18250pg/mL、約14000~約18000pg/mL、約14000~約17750pg/mL、約14000~約17500pg/mL、約14000~約17250pg/mL、約14000~約17000pg/mL、約14000~約16500pg/mL、約14000~約16000pg/mL、約14500~約18500pg/mL、約14500~約18250pg/mL、約14500~約18000pg/mL、約14500~約17750pg/mL、約14500~約17500pg/mL、約14500~約17250pg/mL、約14500~約17000pg/mL、または約14500~約16500pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0077】
一実施形態では、鼻腔内投与された80mgベタヒスチン用量のCmaxは、約18000pg/mL、18500pg/mL、19000pg/mL、19250pg/mL、19500pg/mL、19750pg/mL、20000pg/mL、20250pg/mL、20500pg/mL、20750pg/mL、21000pg/mL、21250pg/mL、21500pg/mL、21750pg/mL、22000pg/mL、22250pg/mL、22500pg/mL、22750pg/mL、23000pg/mL、23250pg/mL、23500pg/mL、23750pg/mL、または24000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0078】
他の実施形態では、鼻腔内に投与された80mgのベタヒスチン用量のCmaxは、約18000~約25000pg/mL、約18000~約24500pg/mL、約18000~約24000pg/mL、約18000~約23750pg/mL、約18000~約23500pg/mL、約18000~約23250pg/mL、約18000~約23000pg/mL、約18000~約22750pg/mL、約18000~約22500pg/mL、約18000~約22250pg/mL、約18000~約22000pg/mL、約18500~約25000pg/mL、約18500~約24500pg/mL、約18500~約24000pg/mLmL、約18500~約23750pg/mL、約18500~約23500pg/mL、約18500~約23250pg/mL、約18500~約23000pg/mL、約18500~約22750pg/mL、約18500~約22500pg/mL、約18500~約22250pg/mL、約18500~約22000pg/mL、約19000~約25000pg/mL、約19000~約24500pg/mL、約19000~約24250pg/mL、約19000~約24000pg/mL、約19000~約23750pg/mL、約19000~約23500pg/mL、約19000~約23250pg/mL、約19000~約23000pg/mL、約19000~約22750pg/mL、約19000~約22500pg/mL、約19000~約22250pg/mL、約19000~約22000pg/mL、約19500~約24500pg/mL、約19500~約24250pg/mL、約19500~約24000pg/mL、約19500~約23750pg/mL、約19500~約23500pg/mL、約19500~約23250pg/mL、約19500~約23000pg/mL、約19500~約22750pg/mL、約19500~約22500pg/mL、約19500~約22250pg/mL、または約19500~約22000pg/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0079】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは、少なくとも約0.2ng/mLまたは少なくとも約0.5ng/mLである。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは、少なくとも約0.2ng/mL、少なくとも約0.3ng/mL、少なくとも約0.4ng/mL、少なくとも約0.5ng/mL、少なくとも約0.6ng/mL、少なくとも約0.7ng/mL、少なくとも約0.8ng/mL、少なくとも約0.9ng/mL、少なくとも約1ng/mL、少なくとも約1.5ng/mL、少なくとも約2ng/mL、少なくとも約2.5ng/mL、少なくとも約3ng/mL、少なくとも約3.5ng/mL、少なくとも約4ng/mL、少なくとも約4.5ng/mL、少なくとも約5ng/mL、少なくとも約5.5ng/mL、少なくとも約6ng/mL、少なくとも約7.5ng/mL、少なくとも約8ng/mL、少なくとも約8.5ng/mL、少なくとも約9ng/mL、少なくとも約9.5ng/mL、または少なくとも約10ng/mLである。
【0080】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約11ng/mL、少なくとも約12ng/mL、少なくとも約13ng/mL、少なくとも約14ng/mL、少なくとも約15ng/mL、少なくとも約16ng/mL、少なくとも約17ng/mL、少なくとも約18ng/mL、少なくとも約19ng/mL、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約21ng/mL、少なくとも約22ng/mL、少なくとも約23ng/mL、少なくとも約24ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約26ng/mL、少なくとも約27ng/mL、少なくとも約28ng/mL、少なくとも約29ng/mL、または少なくとも約30ng/mLである。
【0081】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは少なくとも約3.5ng/mLである。一実施形態では、ヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのCmaxは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に測定される。一実施形態では、Cmaxは、約5mg、6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、または約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内用量投与後に測定される。
【0082】
一実施形態では、Cmaxは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に測定される。別の実施形態では、Cmaxは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に測定される。
【0083】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、良好な耐容性及び、経口ベタヒスチン投与後に検出できるものよりも高い、ベタヒスチン血漿濃度の用量依存的増大を示す。
【0084】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、本開示の薬学的組成物の単回投与後に、ヒト血漿濃度においてベタヒスチンのtmaxをもたらす。一実施形態では、本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのtmaxは、約0.05時間以上、0.06時間以上、0.07時間以上、約0.08時間以上、約0.09時間、約0.1時間以上、約0.11時間以上、約0.12時間以上、約0.13時間以上、約0.14時間以上、約0.15時間以上、約0.16時間以上、約0.17時間以上約0.18時間以上、約0.19時間以上、約0.2時間以上、約0.25時間以上、または約0.3時間以上である。一実施形態では、tmaxは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与の後に測定される。一実施形態では、tmaxは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0085】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのtmaxは、約0.05時間以上、0.06時間以上、0.07時間以上、約0.08時間以上、約0.09時間以上、約0.1時間以上、約0.11時間以上、約0.12時間以上、約0.13時間以上、約0.14時間以上、約0.15時間以上、約0.16時間以上、約0.17時間以上、約0.18時間以上、約0.19時間以上、約0.2時間以上、約0.25時間以上、または約0.3時間以上である。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのtmaxは、約0.09時間以上、約0.1時間以上、約0.11時間以上、または約0.12時間以上である。。一実施形態では、ヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのtmaxは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩を含む、鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、tmaxは、約5mg、6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、または約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0086】
一実施形態では、tmaxは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、tmaxは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0087】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、少なくとも約50時間*pg/mL、少なくとも約100時間*pg/mL、少なくとも約200時間*pg/mL、少なくとも約250時間*pg/mL、少なくとも約300時間*pg/mL、少なくとも約400hr*pg/mL、少なくとも約500時間*pg/mL、少なくとも約600時間*pg/mL、少なくとも約700時間*pg/mL、少なくとも約800時間*pg/mL、少なくとも約900時間*pg/mL、少なくとも約1000時間*pg/mL、少なくとも約1100時間*pg/mL、少なくとも約1200時間*pg/mL、少なくとも約1300hr*pg/mL、少なくとも約1400hr*pg/mL、少なくとも約1500時間*pg/mL、少なくとも約1600時間*pg/mL、少なくとも約1700時間*pg/mL、少なくとも約1800時間*pg/mL、少なくとも約1900時間*pg/mL、少なくとも約2000時間*pg/mL、少なくとも約2100時間*pg/mL、少なくとも約2200時間*pg/mL、少なくとも約2300時間*pg/mL、少なくとも約2400時間*pg/mL、少なくとも約2500時間*pg/mL、少なくとも約2600時間*pg/mL、少なくとも約2700時間*pg/mL、少なくとも約2800時間*pg/mL、少なくとも約2900時間*pg/mL、少なくとも約3000時間*pg/mL、少なくとも約3100時間*pg/mL、少なくとも約3200時間*pg/mL、少なくとも約3300時間*pg/mL、少なくとも約3400時間*pg/mLまたは少なくとも約3500時間*pg/mLという本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-lastをもたらす。一実施形態では、AUC0-lastは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0088】
一実施形態では、本開示の静脈内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-lastは、少なくとも約0.05時間*ng/mL、少なくとも約0.1時間*ng/mL、少なくとも約0.2時間*ng/mL、少なくとも約0.25時間*ng/mL、少なくとも約0.3時間*ng/mL、少なくとも約0.4時間*ng/mL、少なくとも約0.5時間*ng/mL、少なくとも約0.6時間*ng/mL、少なくとも約0.7時間*ng/mL、少なくとも約0.8時間*ng/mL、少なくとも約0.9時間*ng/mL、少なくとも約1.0時間*ng/mL、少なくとも約1.1時間*ng/mL、少なくとも約1.2時間*ng/mL、少なくとも約1.3時間*ng/mL、少なくとも約1.4時間*ng/mL、少なくとも約1.5時間*ng/mL、少なくとも約1.6時間*ng/mL、少なくとも約1.7時間*ng/mL、少なくとも約1.8時間*ng/mL、少なくとも約1.9時間*ng/mL、少なくとも約2.0時間*ng/mL、少なくとも約2.1時間*ng/mL、少なくとも約2.2時間*ng/mL、少なくとも約2.3時間*ng/mL、少なくとも約2.4時間*ng/mL、少なくとも約2.5時間*ng/mL、少なくとも約2.6時間*ng/mL、少なくとも約2.7時間*ng/mL、少なくとも約2.8時間*ng/mL、少なくとも約2.9時間*ng/mL、少なくとも約3.0時間*ng/mL、少なくとも約3.1時間*ng/mL、少なくとも約3.2時間*ng/mL、少なくとも約3.3時間*ng/mL、少なくとも約3.4時間*ng/mL、少なくとも約3.5時間*ng/mL、少なくとも約3.6時間*ng/mL、少なくとも約3.7時間*ng/mL、少なくとも約3.8時間*ng/mL、少なくとも約3.9時間*ng/mL、少なくとも約4.0時間*ng/mLである。一実施形態では、本開示の静脈内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-lastは、少なくとも約1.5時間*ng/mLまたは少なくとも約3.0時間*ng/mLである。
【0089】
一実施形態では、ヒト血漿濃度におけるベタヒスチンのAUC0-lastは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、AUC0-lastは、約5mg、6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、または約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。一実施形態では、AUC0-lastは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、AUC0-lastは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0090】
様々な実施形態では、AUC0-lastは、鼻腔内投与された5mgのベタヒスチン用量について約210pg*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内投与された10mgのベタヒスチン用量について約500pg*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン用量について約1600pg*時間/mLの約80%~125%、及び鼻腔内投与された40mgのベタヒスチン用量について約3500pg*時間/mLの約80%~125%の範囲である。
【0091】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、5mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約200pg*時間/mL、300pg*時間/mL、400pg*時間/mL、500pg*時間/mL、600pg*時間/mL、700pg*時間/mL、800pg*時間/mL、900pg*時間/mL、1000pg*時間/mL、1100pg*時間/mL、1200pg*時間/mL、1300pg*時間/mL、1400pg*時間/mL、または1500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0092】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、5mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約200~約500pg*時間/mL、約200~約600pg*時間/mL、約300~約700pg*時間/mL、約400~約800pg*時間/mL、約500~約1000pg*時間/mL、約600~約1100pg*時間/mL、約750~約1250pg*時間/mL、または約800~約1400pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0093】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、10mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約500pg*時間/mL、600pg*時間/mL、700pg*時間/mL、800pg*時間/mL、900pg*時間/mL、1000pg*時間/mL、1100pg*時間/mL、1200pg*時間/mL、1300pg*時間/mL、1400pg*時間/mL、または1500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0094】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、10mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約400~約800pg*時間/mL、約500~約800pg*時間/mL、約500~約900pg*時間/mL、約500~約1000pg*時間/mL、約500~約1200pg*時間/mL、約600~約1000pg*時間/mL、約600~約1100pg*時間/mL、約600~約1200pg*時間/mL、約700~約1100pg*時間/mL、約700~約1200pg*時間/mL、約800~約1300pg*時間/mL、約800~約1200pg*時間/mL、または約900~約1200pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0095】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、20mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約1500pg*時間/mL、1600pg*時間/mL、1700pg*時間/mL、1800pg*時間/mL、1900pg*時間/mL、2000pg*時間/mL、2100pg*時間/mL、2200pg*時間/mL、2300pg*時間/mL、2400pg*時間/mL、2500pg*時間/mL、2600pg*時間/mL、2700pg*時間/mL、2800pg*時間/mL、2900pg*時間/mL、または3000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0096】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、20mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約1500~約2000pg*時間/mL、約1500~約2200pg*時間/mL、約1600~約2100pg*時間/mL、約1700~約2200pg*時間/mL、約1700~約2400pg*時間/mL、約1800~約2400pg*時間/mL、約1900~約2500pg*時間/mL、約2000~約2500pg*時間/mL、約2100~約2700pg*時間/mL、または約2200~約2900pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0097】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、40mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約3300pg*時間/mL、3400pg*時間/mL、3500pg*時間/mL、3600pg*時間/mL、3700pg*時間/mL、3800pg*時間/mL、3900pg*時間/mL、4000pg*時間/mL、4100pg*時間/mL、4250pg*時間/mL、4500pg*時間/mL、4750pg*時間/mL、5000pg*時間/mL、5250pg*時間/mL、5500pg*時間/mL、5750pg*時間/mL、6000pg*時間/mL、6250pg*時間/mL、6500pg*時間/mL、または7000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0098】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、40mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約3300~約3800pg*時間/mL、約3300~約4000pg*時間/mL、約3300~約4200pg*時間/mL、約3300~約4500pg*時間/mL、約3500~約4000pg*時間/mL、約3500~約4200pg*時間/mL、約3500~約4500pg*時間/mL、約3750~約4250pg*時間/mL、約3750~約4500pg*時間/mL、約3750~約4750pg*時間/mL、約4000~約5000pg*時間/mL、または約4000~約5500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0099】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、60mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約5300pg*時間/mL、5400pg*時間/mL、5500pg*時間/mL、約5750pg*時間/mL、6000pg*時間/mL、6250pg*時間/mL、6500pg*時間/mL、6750pg*時間/mL、7000pg*時間/mL、7250pg*時間/mL、7500pg*時間/mL、7750pg*時間/mL、または約8000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0100】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、60mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約5300~約5800pg*時間/mL、約5400~約5900pg*時間/mL、約5500~約6000pg*時間/mL、約5400~約6200pg*時間/mL、約5500~約6400pg*時間/mL、約5500~約6700pg*時間/mL、約5500~約6900pg*時間/mL、約5700~約6300pg*時間/mL、約5700~約6500pg*時間/mL、約5700~約6700pg*時間/mL、約5900~約6500pg*時間/mL、約5900~約6700pg*時間/mL、約6000~約7250pg*時間/mL、約6000~約7000pg*時間/mL、約6000~約7500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0101】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与された、80mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約7500pg*時間/mL、7750pg*時間/mL、8000pg*時間/mL、8250pg*時間/mL、8500pg*時間/mL、8750pg*時間/mL、9000pg*時間/mL、9250pg*時間/mL、9500pg*時間/mL、9750pg*時間/mL、または10000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0102】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与された、80mgのベタヒスチン用量についてのAUC0-lastは、約7300~約8000pg*時間/mL、約7500~約8200pg*時間/mL、約7500~約8000pg*時間/mL、約7500~約8500pg*時間/mL、約7750~約8500pg*時間/mL、約7750~約8750pg*時間/mL、約8000~約8500pg*時間/mL、約8000~約8750pg*時間/mL、約8000~約9000pg*時間/mL、約8250~約9000pg*時間/mL、約8250~約8750pg*時間/mL、約8250~約9250pg*時間/mL、約8500~約9500pg*時間/mL、または約8500~約9000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0103】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、少なくとも約100時間*pg/mL、少なくとも約200時間*pg/mL、少なくとも約250時間*pg/mL、少なくとも約300時間*pg/mL、少なくとも約400時間*pg/mL、少なくとも約500時間*pg/mL、少なくとも約600時間*pg/mL、少なくとも約700時間*pg/mL、少なくとも約800時間*pg/mL、少なくとも約900時間*pg/mL、少なくとも約1000時間*pg/mL、少なくとも約1100時間*pg/mL、少なくとも約1200時間*pg/mL、少なくとも約1300時間*pg/mL、少なくとも約1400時間*pg/mL、少なくとも約1500時間*pg/mL、少なくとも約1600時間*pg/mL、少なくとも約1700時間*pg/mL、少なくとも約1800時間*pg/mL、少なくとも約1900時間*pg/mL、少なくとも約2000時間*pg/mL、少なくとも約2100時間*pg/mL、少なくとも約2200時間*pg/mL、少なくとも約2300時間*pg/mL、少なくとも約2400時間*pg/mL、少なくとも約2500時間*pg/mL、少なくとも約2600時間*pg/mL、少なくとも約2700時間*pg/mL、少なくとも約2800時間*pg/mL、少なくとも約2900時間*pg/mL、少なくとも約3000時間*pg/mL、少なくとも約3100時間*pg/mL、少なくとも約3200時間*pg/mL、少なくとも約3300時間*pg/mL、少なくとも約3400時間*pg/mLまたは少なくとも約3500時間*pg/mLという本開示の薬学的組成物の単回投与後の、ヒト血漿中濃度におけるベタヒスチンのAUC0-infをもたらす。一実施形態では、AUC0-infは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0104】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-infは、少なくとも約0.1時間*ng/mL、少なくとも約0.2時間*ng/mL、少なくとも約0.25時間*ng/mL、少なくとも約0.3時間*ng/mL、少なくとも約0.4時間*ng/mL、少なくとも約0.5時間*ng/mL、少なくとも約0.6時間*ng/mL、少なくとも約0.7時間*ng/mL、少なくとも約0.8時間*ng/mL、少なくとも約0.9時間*ng/mL、少なくとも約1.0時間*ng/mL、少なくとも約1.1時間*ng/mL、少なくとも約1.2時間*ng/mL、少なくとも約1.3時間*ng/mL、少なくとも約1.4時間*ng/mL、少なくとも約1.5時間*ng/mL、少なくとも約1.6時間*ng/mL、少なくとも約1.7時間*ng/mL、少なくとも約1.8時間*ng/mL、少なくとも約1.9時間*ng/mL、少なくとも約2.0時間*ng/mL、少なくとも約2.1時間*ng/mL、少なくとも約2.2時間*ng/mL、少なくとも約2.3時間*ng/mL、少なくとも約2.4時間*ng/mL、少なくとも約2.5時間*ng/mL、少なくとも約2.6時間*ng/mL、少なくとも約2.7時間*ng/mL、少なくとも約2.8時間*ng/mL、少なくとも約2.9時間*ng/mL、少なくとも約3.0時間*ng/mL、少なくとも約3.1時間*ng/mL、少なくとも約3.2時間*ng/mL、少なくとも約3.3時間*ng/mL、少なくとも約3.4時間*ng/mL、少なくとも約3.5時間*ng/mL、少なくとも約3.6時間*ng/mL、少なくとも約3.7時間*ng/mL、少なくとも約3.8時間*ng/mL、少なくとも約3.9時間*ng/mL、少なくとも約4.0時間*ng/mLである。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-infは、少なくとも約1.5時間*ng/mLまたは少なくとも約3.0時間*ng/mLである。
【0105】
一実施形態では、ヒト血漿濃度中のベタヒスチンのAUC0-infは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、AUC0-infは、約5mg、6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、または約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。一実施形態では、AUC0-infは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、AUC0-infは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の鼻腔内投与後に決定される。
【0106】
種々の実施形態では、ベタヒスチンのAUC0-infは、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量について約275pg*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチン用量について約700pg*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチン用量について約1630pg*時間/mLの約80%~125%、及び鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチン用量について約2940pg*時間/mLの約80%~125%の範囲である。
【0107】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量に対するAUC0-infは、約250pg*時間/mL、275pg*時間/mL、300pg*時間/mL、350pg*時間/mL、400pg*時間/mL、450pg*時間/mL、500pg*時間/mL、600pg*時間/mL、700pg*時間/mL、800pg*時間/mL、900pg*時間/mL、または1000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0108】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約250~約350pg*時間/mL、約250~約500pg*時間/mL、約275~約375pg*時間/mL、約275~約475pg*時間/mL、約275~約575pg*時間/mL、約250~850pg*時間/mL、約300~約800pg*時間/mL、約300~約700pg*時間/mL、約400~約800pg*時間/mL、約500~約1000pg*時間/mL、約750~約1250pg*時間/mL、または約750~約1500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0109】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約650pg*時間/mL、約700pg*時間/mL、約800pg*時間/mL、約900pg*時間/mL、約1000pg*時間/mL、約1250pg*時間/mL、約1500pg*時間/mL、約1750pg*時間/mL、または約2000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0110】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約650~約1000pg*時間/mL、約650~約1250pg*時間/mL、約700~約1400pg*時間/mL、約700~約1200pg*時間/mL、約700~1000pg*時間/mL、約800~約1200pg*時間/mL、約800~約1400pg*時間/mL、約800~約1600pg*時間/mL、約1000~約1500pg*時間/mL、または約1000~約2000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0111】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約1600pg*時間/mL、約1700pg*時間/mL、約1800pg*時間/mL、約1900pg*時間/mL、約2000pg*時間/mL、約2250pg*時間/mL、約2500pg*時間/mL、約2750pg*時間/mL、約3000pg*時間/mL、または約3500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0112】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約1600~約2000pg*時間/mL、約1600~約2200pg*時間/mL、約1600~約2400pg*時間/mL、約1600~約2600pg*時間/mL、約1800~約2400pg*時間/mL、約1800~約2600pg*時間/mL、約1800~約2800pg*時間/mL、約2000~約3000pg*時間/mL、約2000~約2500pg*時間/mL、約2000~約2800pg*時間/mL、約2250~約3250pg*時間/mL、約2250~約3000pg*時間/mL、約2500~約3500pg*時間/mL、または約2500~約3000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0113】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約2800pg*時間/mL、約2900pg*時間/mL、約2950pg*時間/mL、約3000pg*時間/mL、約3100pg*時間/mL、約3200pg*時間/mL、約3300pg*時間/mL、約3400pg*時間/mL、約3500pg*時間/mL、約3600pg*時間/mL、約3700pg*時間/mL、約3800pg*時間/mL、約3900pg*時間/mL、約4000pg*時間/mL、約4250pg*時間/mL、約4500pg*時間/mL、約4750pg*時間/mL、約5000pg*時間/mL、約5250pg*時間/mL、約5500pg*時間/mL、約5750pg*時間/mL、または約6000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0114】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約2800~約3300pg*時間/mL、約2800~約3500pg*時間/mL、約2800~約3800pg*時間/mL、約3000~約3500pg*時間/mL、約3500~約3750pg*時間/mL、約3000~約4000pg*時間/mL、約3250~約4250pg*時間/mL、約3250~約4500pg*時間/mL、約3500~約4500pg*時間/mL、約3500~約4000pg*時間/mL、約3750~約4750pg*時間/mL、約3750~約4500pg*時間/mL、約4000~約5000pg*時間/mL、約4500~約5500pg*時間/mL、または約5000~約6000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0115】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される60mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約5300pg*時間/mL、5400pg*時間/mL、5500pg*時間/mL、約5750pg*時間/mL、6000pg*時間/mL、6250pg*時間/mL、6500pg*時間/mL、6750pg*時間/mL、7000pg*時間/mL、7250pg*時間/mL、7500pg*時間/mL、7750pg*時間/mL、または約8000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0116】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される60mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約5300~約5800pg*時間/mL、約5400~約5900pg*時間/mL、約5500~約6000pg*時間/mL、約5400~約6200pg*時間/mL、約5500~約6400pg*時間/mL、約5500~約6700pg*時間/mL、約5500~約6900pg*時間/mL、約5700~約6300pg*時間/mL、約5700~約6500pg*時間/mL、約5700~約6700pg*時間/mL、約5900~約6500pg*時間/mL、約5900~約6700pg*時間/mL、約6000~約7250pg*時間/mL、約6000~約7000pg*時間/mL、約6000~約7500pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0117】
いくつかの実施形態では、鼻腔内に投与される80mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約7500pg*時間/mL、7750pg*時間/mL、8000pg*時間/mL、8250pg*時間/mL、8500pg*時間/mL、8750pg*時間/mL、9000pg*時間/mL、9250pg*時間/mL、9500pg*時間/mL、9750pg*時間/mL、または10000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0118】
いくつかの他の実施形態では、鼻腔内に投与される80mgのベタヒスチン用量のAUC0-infは、約7300~約8000pg*時間/mL、約7500~約8200pg*時間/mL、約7500~約8000pg*時間/mL、約7500~約8500pg*時間/mL、約7750~約8500pg*時間/mL、約7750~約8750pg*時間/mL、約8000~約8500pg*時間/mL、約8000~約8750pg*時間/mL、約8000~約9000pg*時間/mL、約8250~約9000pg*時間/mL、約8250~約8750pg*時間/mL、約8250~約9250pg*時間/mL、約8500~約9500pg*時間/mL、または約8500~約9000pg*時間/mLの約80%~約125%の範囲である。
【0119】
一実施形態では、鼻腔内に投与されるベタヒスチンの絶対バイオアベイラビリティ(%F)は、約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、または90%である。一実施形態では、鼻腔内に投与されるベタヒスチンの絶対バイオアベイラビリティ(%F)は、約30~80%、約25~75%、約20~60%、約10~50%、約30~60%、約40~60%、約40~70%、約40~80%、または約50~80%である。
【0120】
一実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティ(Frel)は、経口バイオアベイラビリティの約10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約15、16、17、18、19、20、21,22、23、24、25、26、27、28、または29倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、または42倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、または46倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される60mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、または70倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される80mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61,62、63、64、65、66、67、68、69、70、71、72、73、74、75、76、77、78、79、または80倍である。一実施形態では、鼻腔内に投与される100mgのベタヒスチンの相対バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの約50、51,52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、69、70、71,72、73、74、75、76、77、78、79、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、または90倍である。
【0121】
一実施形態では、鼻腔内投与されたベタヒスチンの相対的バイオアベイラビリティは、経口バイオアベイラビリティの最大約10~25倍、約15~30倍、約20~40倍、約20~30倍、約20~50倍、約25~40倍、約25~45倍、25~50倍、約15~45倍、約30~60倍である。
【0122】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物の単回投与に基づいて決定されるベタヒスチンのt1/2(見かけの半減期)は、約0.07時間以上、約0.08時間以上、約0.09時間、約0.1時間以上、約0.2時間以上、約0.3時間以上、約0.4時間以上、約0.5時間以上、約0.6時間以上、約0.6時間以上、約0.8時間以上、約0.9時間以上、または約1.0時間以上である。一実施形態では、t1/2は、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩の単回投与に基づいて決定される。一実施形態では、t1/2は、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与に基づいて決定される。
【0123】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与に基づいて決定されるベタヒスチンのt1/2(見かけの半減期)は、約0.07時間以上、約0.08時間以上、約0.09時間以上、約0.1時間以上、約0.2時間以上、約0.3時間以上、約0.4時間以上、約0.5時間以上、約0.6時間以上、約0.6時間以上、約0.8時間以上、約0.9時間以上、または約1.0時間以上である。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与に基づいて決定されるベタヒスチンのt1/2は、約0.4時間以上または約0.8時間以上である。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与に基づいて決定されるベタヒスチンのt1/2は、約0.5時間または約0.9時間である。
【0124】
一実施形態では、t1/2は、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与に基づいて決定される。一実施形態では、t1/2は、約5mg、6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg、約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg、約32mg、約33mg、約34mg、約35mg、約36mg、約37mg、約38mg、約39mg、約40mg、約41mg、約42mg、約43mg、約44mg、約45mg、約46mg、約47mg、約48mg、約49mg、約50mg、約51mg、約52mg、約53mg、約54mg、約55mg、約56mg、約57mg、約58mg、約59mg、約60mg、約61mg、約62mg、約63mg、約64mg、約65mg、約66mg、約67mg、約68mg、約69mg、約70mg、約71mg、約72mg、約73mg、約74mg、約75mg、約76mg、約77mg、約78mg、約79mg、約80mg、約81mg、約82mg、約83mg、約84mg、約85mg、約86mg、約87mg、約88mg、約89mg、約90mg、約91mg、約92mg、約93mg、約94mg、約95mg、約96mg、約97mg、約98mg、約99mg、または約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与に基づいて決定される。一実施形態では、t1/2は、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与に基づいて決定される。別の実施形態では、t1/2は、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与に基づいて決定される。
【0125】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、本開示の薬学的組成物の単回投与後に、ヒト血漿濃度において検出可能な2-PAA(2-ピリジル乳酸)のCmaxをもたらす。一実施形態では、本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのCmaxは、少なくとも約15ng/mLまたは少なくとも約50ng/mLである。一実施形態では、2-PAAのCmaxは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩の単回投与後に測定される。一実施形態では、2-PAAのCmaxは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量に対する2-PAAのCmaxは、約65ng/mlの約80%~約125%、鼻腔内に投与された10mgのベタヒスチン用量について約150ng/mlの約80%~約125%、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン用量について約370ng/mlの約80%~約125%、鼻腔内投与された40mgのベタヒスチン日について約520ng/mlの約80%~約125%の範囲である。他の実施形態では、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量についての2-PAAのCmaxは、約16~約95ng/mlの約80%~約125%、鼻腔内に投与された10mgのベタヒスチン用量について約115ng/ml~約175ng/mlの約80%~約125%、鼻腔内に投与された20mgのベタヒスチン用量について約250~約430g/mlの約80%~約125%、及び鼻腔内投与された40mgのベタヒスチン用量について約290~約690ng/mlの約80%~約125%の範囲である。
【0126】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのCmaxは、少なくとも約15ng/mLまたは少なくとも約50ng/mLである。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのCmaxは、少なくとも約10ng/mL、少なくとも約15ng/mL、少なくとも約20ng/mL、少なくとも約25ng/mL、少なくとも約30ng/mL、少なくとも約35ng/mL、少なくとも約40ng/mL、少なくとも約45ng/mL、少なくとも約50ng/mL、少なくとも約55ng/mL、少なくとも約60ng/mL、少なくとも約65ng/mL、少なくとも約70ng/mL、少なくとも約75ng/mL、少なくとも約80ng/mL、少なくとも約85ng/mL、少なくとも約90ng/mL、少なくとも約95ng/mL、少なくとも約100ng/mL、少なくとも約150ng/mL、少なくとも約200ng/mL、少なくとも約250ng/mL、少なくとも約300ng/mL、少なくとも約400ng/mL、少なくとも約450ng/mL、少なくとも約500ng/mL、または少なくとも約550ng/mLである。
【0127】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのCmaxは、少なくとも約60ng/mLである。一実施形態では、ヒト血漿濃度における2-PAAのCmaxは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に測定される。一実施形態では、2-PAAのCmaxは、約5mg~約100mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に測定される。一実施形態では、2-PAAのCmaxは、約20mg~約40mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に測定される。別の実施形態では、2-PAAのCmaxは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に測定される。
【0128】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、本開示の薬学的組成物の単回投与後に、ヒト血漿濃度において2-PAAのtmaxを提供する。一実施態様において、本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのtmaxは、約0.6時間以上、約0.7時間以上、約0.8時間以上、約0.9時間以上、約1時間以上、約1.1時間以上、約1.2時間以上、約1.25時間以上、約1.3時間以上、約1.4時間以上、または約1.5時間以上である。一実施形態では、tmaxは、約1mg~約250mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与の後に測定される。一実施形態では、tmaxは、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0129】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのtmaxは、約1.0時間である。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのtmaxは、約0.9時間以上、約1.0時間以上、約1.1時間以上、または約1.2時間以上である。一実施形態では、ヒト血漿濃度における2-PAAのtmaxは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのtmaxは、約5mg~約100mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのtmaxは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、2-PAAのtmaxは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0130】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、少なくとも約100時間*ng/mL、少なくとも約200時間*ng/mL、少なくとも約250時間*ng/mL、少なくとも約300時間*ng/mL、少なくとも約400時間*ng/mL、少なくとも約500時間*ng/mL、少なくとも約600時間*ng/mL、少なくとも約700時間*ng/mL、少なくとも約800時間*ng/mL、少なくとも約900時間*ng/mL、少なくとも約1000時間*ng/mL、少なくとも約1100時間*ng/mL、少なくとも約1200時間*ng/mL、少なくとも約1300時間*ng/mL、少なくとも約1400時間*ng/mL、少なくとも約1500時間*ng/mL、少なくとも約1600時間*ng/mL、少なくとも約1700時間*ng/mL、少なくとも約1800時間*ng/mL、少なくとも約1900時間*ng/mL、少なくとも約2000時間*ng/mL、少なくとも約2100時間*ng/mL、少なくとも約2200時間*ng/mL、少なくとも約2300時間*ng/mL、少なくとも約2400時間*ng/mL、少なくとも約2500時間*ng/mL、少なくとも約2600時間*ng/mL、少なくとも約2700時間*ng/mL、少なくとも約2800時間*ng/mL、少なくとも約2900時間*ng/mL、少なくとも約3000時間*ng/mL、少なくとも約3100時間*ng/mL、少なくとも約3200時間*ng/mL、少なくとも約3300時間*ng/mL、少なくとも約3400時間*ng/mL、または少なくとも約3500時間*ng/mLという本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度における2-PAAのAUC0-last提供する。一実施形態では、2-PAAのAUC0-lastは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0131】
一実施形態では、ヒト血漿濃度における2-PAAのAUC0-lastは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのAUC0-lastは、約5mg~約100mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのAUC0-lastは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、2-PAAのAUC0-lastは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0132】
種々の実施形態では、2-PAAのAUC0-lastは、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量について約390ng*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内に投与される10mgのベタヒスチン用量について約730ng*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内に投与される20mgのベタヒスチン用量について約2000ng*時間/mLの約80%~125%、及び鼻腔内に投与される40mgのベタヒスチン用量について約2800ng*時間/mLの約80%~125%の範囲である。
【0133】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、少なくとも約100時間*ng/mL、少なくとも約200時間*ng/mL、少なくとも約250時間*ng/mL、少なくとも約300時間*ng/mL、少なくとも約400時間*ng/mL、少なくとも約500時間*ng/mL、少なくとも約600時間*ng/mL、少なくとも約700時間*ng/mL、少なくとも約800時間*ng/mL、少なくとも約900時間*ng/mL、少なくとも約1000時間*ng/mL、少なくとも約1100時間*ng/mL、少なくとも約1200時間*ng/mL、少なくとも約1300時間*ng/mL、少なくとも約1400時間*ng/mL、少なくとも約1500時間*ng/mL、少なくとも約1600時間*ng/mL、少なくとも約1700時間*ng/mL、少なくとも約1800時間*ng/mL、少なくとも約1900時間*ng/mL、少なくとも約2000時間*ng/mL、少なくとも約2100時間*ng/mL、少なくとも約2200時間*ng/mL、少なくとも約2300時間*ng/mL、少なくとも約2400時間*ng/mL、少なくとも約2500時間*ng/mL、少なくとも約2600時間*ng/mL、少なくとも約2700時間*ng/mL、少なくとも約2800時間*ng/mL、少なくとも約2900時間*ng/mL、少なくとも約3000時間*ng/mL、少なくとも約3100時間*ng/mL、少なくとも約3200時間*ng/mL、少なくとも約3300時間*ng/mL、少なくとも約3400時間*ng/mL、または少なくとも約3500時間*ng/mLという本開示の薬学的組成物の単回投与後のヒト血漿濃度中の2-PAAのAUC0-infを提供する。一実施形態では、2-PAAのAUC0-infは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与後に測定される。
【0134】
一実施形態では、ヒト血漿濃度における2-PAAのAUC0-infは、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩を含む鼻腔内薬学的組成物の単回投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのAUC0-infは、約5mg~約100mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。一実施形態では、2-PAAのAUC0-infは、約20mgまたは約40mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。別の実施形態では、2-PAAのAUC0-infは、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回鼻腔内投与後に決定される。
【0135】
様々な実施形態では、2-PAAのAUC0-infは、鼻腔内に投与される5mgのベタヒスチン用量について約430ng*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内投与された10mgのベタヒスチン用量について約760ng*時間/mLの約80%~125%、鼻腔内投与された20mgのベタヒスチン投与量について約2000ngng*時間/mLの約80%~125%、及び鼻腔内投与された40mgのベタヒスチン用量について約2900ng*時間/mLの約80%~125%の範囲である。
【0136】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物の単回投与に基づいて決定される2-PAAのt1/2(見かけの半減期)は、約2.5時間以上、約2.6時間以上、約2.7時間以上、約2.8時間以上、約2.9時間以上、約3.0時間以上、約3.1時間以上、約3.2時間以上、約3.3時間以上、約3.4時間以上、約3.5時間以上、約3.6時間以上、約3.7時間以上、約3.8時間以上、約3.9時間以上、約4.0時間以上、約4.1時間以上、約4.2時間以上、約4.3時間以上、約4.4時間以上、または約4.5時間以上である。一実施形態では、2-PAAのt1/2は、約1mg~約200mgのベタヒスチンまたはその薬理学的に許容される塩の単回投与に基づいて決定される。一実施形態では、t1/2は、約5mg、約10mg、約20mg、約30mg、約40mg、約50mg、約60mg、約70mg、約80mg、約90mg、約100mg、約150mg、または約200mgのベタヒスチンまたは薬学的に許容される塩の単回投与に基づいて決定される2-PAAのt1/2である。
【0137】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭障害の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、神経耳鼻科障害の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の薬学的組成物は、耳鼻科学的及び/または神経障害の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。
【0138】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、内耳機能不全または内耳障害の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。一実施形態では、内耳障害としては、耳鳴り、前庭性めまい、メニエール病、内耳の炎症または感染症、自己免疫性耳障害、または難聴が挙げられる。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、耳鳴り、前庭性めまい、メニエール病、及び難聴の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭性めまいの治療に有用であり得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、メニエール病を治療するために有用であり得る。一実施形態では、前庭性めまいは、良性発作性頭位めまい、前庭神経炎及び他の末梢性前庭性めまいを含んでもよい。
【0139】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、めまい、前庭性めまい、及び/またはめまい発作の治療または予防もしくは防止に使用する方法において有用であり得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、めまい、前庭性めまい、及び/またはめまい発作を軽減、またはその症状を軽減するのに有用であり得る。
【0140】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、耳管機能不全の治療または予防に使用する方法において有用であり得る。
【0141】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、内耳障害の症状を治療または軽減するのに有用であり得る。一実施形態では、内耳機能不全及び/または内耳障害の症状は、難聴(急性難聴を含む)、耳鳴り、悪心及びめまいを含む。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、難聴を治療するために有用であり得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、急性難聴の治療に有用であり得る。
【0142】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭療法の一部として有用であり得る。いくつかの実施形態では、前庭療法は、前庭リハビリテーションである。
【0143】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭リハビリテーションに有用であり得る。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭リハビリテーションを用いて、またはそれに加えて、内耳障害またはその症状を治療するのに有用であり得る。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭リハビリテーションを促進するために内耳障害またはその症状を治療するのに有用であり得る。
【0144】
いかなる理論にも縛られることはないが、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、部分的H1受容体(H1R)アゴニスト及び/または逆H3受容体(H3R)アンタゴニストとして作用すると考えられている。H1R及びH3Rは、H2受容体(H2R)及びH4受容体(H4R)と共に、ヒスタミン受容体のG-プロテイン結合受容体サブタイプ、すなわち、ヒスタミン結合受容体であると考えられている。
【0145】
いかなる理論にも縛られることはないが、本開示の薬学的組成物は、蝸牛及び前庭の血流、ならびに/または脳血流などの内耳の血流の増大に寄与し得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、中枢神経系(CNS)におけるヒスタミン代謝回転を増大させ、ヒスタミン放出を増強し得、これは前庭系の両側で前庭核複合体のニューロン活性を再調整し得る。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭核におけるニューロンの発火を阻害し得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、感覚運動活性を支持する一般的な脳の覚醒を誘導する、ヒスタミンの上方制御に寄与し得る。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、前庭代償及び/または中枢の前庭代償を容易にし得る。
【0146】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、ヒスタミン調節疾患または状態を治療するのに有用であり得る。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、H1R調節疾患または状態を治療するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、本開示の薬学的組成物は、H3R調節疾患または状態を治療するのに有用であり得る。
【0147】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、肥満、摂食障害、認知障害、注意欠陥障害、記憶プロセス、認知症及び認知障害、例えば、アルツハイマー病及び注意欠陥多動性障害、双極性障害、認知亢進、精神障害の認知障害、記憶障害、学習障害、認知症、軽度認知障害、片頭痛、気分及び注意の変化、乗り物酔い、ナルコレプシー、神経性炎症、強迫神経症、パーキンソン病、統合失調症、抑うつ、てんかん、及び発作または痙攣;睡眠障害、例えば、ナルコレプシー、前庭機能障害、例えば、メニエール病、片頭痛、乗り物酔い、疼痛、薬物乱用、うつ病、てんかん、時差ぼけ、覚醒、トゥレット症候群、めまいなど、ならびに心血管障害、例えば、急性心筋梗塞、がん、例えば、皮膚癌、甲状腺髄様癌及び黒色腫;呼吸器障害、例えば、喘息、胃腸障害、炎症、及び敗血症性ショック、糖尿病、II型糖尿病、インスリン抵抗性症候群、メタボリックシンドローム、多嚢胞性卵巣症候群、シンドロームXなどを治療するのに有用であり得る。
【0148】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、肥満、注意欠陥多動性障害、脳血管疾患、認知症、ナルコレプシー、睡眠障害、パーキンソン病、中毒、統合失調症、ジル・ドゥ・ラ・トゥレット症候群、及び/またはアルツハイマー病を治療するのに有用であり得る。
【0149】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、体重増大を治療または軽減するのに有用であり得る。いくつかの実施形態では、望まれない体重増大は、ある特定の薬物の投与によって引き起こされ得る。例えば、オランザピンなどのヒスタミン受容体に作用する抗精神病薬は、体重増大を誘発し得る(Barak et al.,Journal of Psychopharmacology,2016,Vol.30(3)237-241、その全体が参照により本明細書に組み込まれる)。したがって、一実施形態では、本開示は、本開示の薬学的組成物を鼻腔内投与することを含む、ヒスタミン受容体に作用する抗精神病薬によって誘発される体重増大を減少させる方法を提供する。
【0150】
本開示の一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、それを必要とする対象に対して、経鼻(例えば、溶液、スプレー、滴剤、エアロゾル、ゲル)、経口(例えば、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、シロップ剤、エリキシル剤、または散剤)、舌下、口腔内、非経口的(例えば、皮下、静脈内、筋肉内、髄腔内、または嚢内注射)、または注入技術(例えば、無菌注射用水溶液または非水溶液または懸濁物として)、局所的(例えば、薬物放出性皮膚パッチ、クリームまたは軟膏)、膣内投与、ドレンチによって、経皮的に、皮内に、肺内に、子宮内に、エアロゾルの使用により、または直腸に(例えば坐剤、非毒性の薬学的に許容されるビヒクルまたは希釈剤を含有する単位製剤で)を含む経路によって投与され得る。一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は経鼻的に投与される。一実施形態では、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩は、鼻腔内送達によって投与される。
【0151】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物の鼻腔内送達は、非侵襲的全身送達を可能にするのに有利である。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物の鼻腔内送達は、(経口ベタヒスチンと比較して)ベタヒスチンの初回通過代謝を回避または低減する。一実施形態では、本開示の薬学的組成物の鼻腔内送達は、(経口ベタヒスチンと比較して)胃の副作用を回避または軽減する。別の実施形態では、本開示の薬学的組成物の鼻腔内送達は、ベタヒスチン作用の迅速な発現を達成するのに有利である。
【0152】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、滴剤、スプレー剤、ゲル剤、軟膏剤、クリーム剤、粉剤または懸濁剤で鼻腔内投与される。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、ディスペンサーまたは器具(例えば、単回投与アンプル、定量スプレー、アトマイザー、ネブライザー、ポンプ、鼻用パッド、鼻用スポンジまたは硬ゼラチンカプセル)または薬学の文献において公知である、任意の他の経鼻投与方法を使用して経鼻的に投与される。
【0153】
一実施形態では、本開示の液体薬学的組成物を経鼻投与するための器具としては、ピペット(例えば、単位用量ピペット);複数回投与点滴器を含む点滴器;鼻カテーテル;蒸気吸入器;スクイーズボトルを含む機械式スプレーポンプ、複数回投与用の定量スプレーポンプ、単回または二回投与用のスプレーポンプ、二方向性複数回投与用のスプレーポンプ;ガス駆動スプレーシステム/アトマイザー及び電動ネブライザー/アトマイザーが挙げられる。一実施形態では、本開示の粉末薬学的組成物を経鼻投与するための器具としては、機械式粉末スプレー、呼吸作動式吸入器、及び呼吸式双方向送達デバイスを含む吸入器が挙げられる。これらの器具は、全体が参照により本明細書に組み込まれるDjupeslandによる概説(Drug Deliv.and Transl.Res.(2013)3:42-62)に要約されている。
【0154】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、一定用量で鼻腔に投与される。一実施形態では、定量鼻腔内スプレーを使用して、本開示の薬学的組成物を投与してもよい。別の実施形態では、定量経鼻ポンプスプレーを用いて本開示の薬学的組成物を定量で投与してもよい。一実施形態では、定量噴霧スプレーポンプを使用して、本開示の薬学的組成物を定量で投与してもよい。
【0155】
一実施形態では、経鼻加圧定量吸入器(pMDI)を使用して、本開示の薬学的組成物を定量で投与してもよい。一実施形態では、本開示の加圧鼻剤製剤は、エアロゾル製剤であってもよい。そのようなエアロゾル製剤は、一実施形態では、ヒドロフルオロアルカン(HFA)、二酸化炭素、または当該技術分野で公知の他の適切な噴射剤などの適切な噴射剤と共に、加圧パック中にベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。エアロゾルはまた、一実施形態では、レシチンなどの界面活性剤も含んでもよい。ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の用量は、定量弁を設けることによって制御され得る。
【0156】
別の実施形態では、本開示の薬学的組成物は、例えば点滴器、ピペットまたはスプレーを用いる、従来の手段によって鼻腔に投与される。
【0157】
一実施形態では、本開示の局所薬学的組成物は、乾燥粉末、例えば、適切な粉末基剤、例えば、ラクトース、デンプン、デンプン誘導体、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース及びポリビニルピロリドン(PVP)の中の化合物の粉末混合物の形態で提供され得る。一実施形態では、粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、例えば、ゼラチンのカプセルもしくはカートリッジ、またはブリスターパック(そこから粉末を吸入器によって投与することができる)単位剤形で提供してもよい。
【0158】
鼻腔内製剤を含む気道への投与を意図した製剤では、適用時の薬学的組成物の粒径は、100ミクロン未満、50ミクロン未満、25ミクロン未満、20ミクロン未満、20ミクロン未満、15ミクロン未満、または10ミクロン未満であるべきである。一実施形態では、鼻用薬学的組成物の粒径は、適用時に10ミクロン未満である。一実施形態では、鼻用薬学的組成物の粒径のD50は適用時に10ミクロン未満である。一実施形態では、鼻用薬学的組成物の粒径のD90は、適用時に10ミクロン未満である。
【0159】
一実施形態では、スプレー形態の本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約5kg、約6kg、または約7kgの発射力で約20mm~約50mmの発射距離で試験したとき、約160μm、約170μm、約180μm、約190μm、約200μm、約210μm、約220μm、約230μm、約240μm、約250μm、約260μm、約270μm、約280μm、約290μm、または約300μm(任意のこれらの値の間の全範囲を含む)を含む約150μm~約300μmという液滴サイズ分布Dv(50)を提供する。
【0160】
一実施形態では、スプレー形態の本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約5kg、約6kg、または約7kgの発射力で約20mm~約50mmの発射距離で試験したとき、約380μm、約390μm、約400μm、約400μm、約410μm、約420μm、約430μm、約440μm、約450μm、約460μm、約470μm、約480μm、約490μm、約500μm、約510μm、約520μm、約530μm、約540μm、約550μm、約560μm、約570μm、約580μm、約590μm、約600μm、約610μm、約620μm、約630μm、約640μm、約650μm(任意のこれらの値の間の全範囲を含む)を含む、約380μm~約650μmという小滴サイズ分布Dv(90)を提供する。
【0161】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回投与される。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、1日に1回以上投与され、各用量は、制御量、計量量、または設定量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を投与する。
【0162】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量で鼻腔に投与される。例えば、定量鼻腔用スプレーが使用される場合、1回のスプレー用量は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、または50mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、本開示は、約10、15、20、25、30、35、40、45、または50mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含有する単位用量で鼻腔に投与される。一実施形態では、本開示は、約20mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含有する単位用量で鼻腔に投与される。
【0163】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、約50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、150、155、160、165、170、175、180、185、190、195、または200mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む単位用量で鼻腔に投与される。
【0164】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、5.0%未満、4.5%未満、4.0%未満、3.5%未満、2.0%未満、1.5%未満、1.0%未満、または0.5%未満の相対標準偏差で投与内容物の均一性を提供する単位用量または一定用量で鼻腔に投与される。
【0165】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、1日に1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10回投与される。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、または1日6回投与され、ここで各用量は、制御されるか、計量されるか、またはその設定された量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を投与する。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、1日3回投与される。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、1日に最大6回投与される。
【0166】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約0.01mg/kg、約0.02mg/kg、約0.03mg/kg、約0.04mg/kg、約0.05mg/kg、約0.06mg/kg、約0.07mg/kg、約0.08mg/kg、約0.09mg/kg、約0.1mg/kg、約0.12mg/kg、約0.14mg/kg、約0.16mg/kg、約0.18mg/kg、約0.2mg/kg、約0.22mg/kg、約0.24mg/kg、約0.26mg/kg、約0.28mg/kg、約0.3mg/kg、約0.32mg/kg、約0.34mg/kg、約0.36mg/kg、約0.38mg/kg、約0.4mg/kg、約0.42mg/kg、約0.44mg/kg、約0.46mg/kg、約0.48mg/kg、約0.5mg/kg、約0.52mg/kg、約0.54mg/kg、約0.56mg/kg、約0.58mg/kg、約0.6mg/kg、約0.62mg/kg、約0.64mg/kg、約0.66mg/kg、約0.68mg/kg、約0.7mg/kg、約0.72mg/kg、約0.74mg/kg、約0.76mg/kg、約0.78mg/kg、約0.8mg/kg、約0.82mg/kg、約0.84mg/kg、約0.86mg/kg、約0.88mg/kg、約0.9mg/kg、約0.92mg/kg、約0.94mg/kg、約0.96mg/kg、約0.98mg/kg、約1.0mg/kg、約1.1mg/kg、約1.2mg/kg、約1.3mg/kg、約1.4mg/kg、約1.5mg/kg、約1.6mg/kg、約1.7mg/kg、約1.8mg/kg、約1.9mg/kg、約2mg/kg、約2.1mg/kg、約2.2mg/kg、約2.3mg/kg、約2.4mg/kg、約2.5mg/kg、約2.6mg/kg、約2.7mg/kg、約2.8mg/kg、約2.9mg/kg、約3mg/kg、約3.1mg/kg、約3.2mg/kg、約3.3mg/kg、約3.4mg/kg、約3.5mg/kg、約3.6mg/kg、約3.7mg/kg、約3.8mg/kg、約3.9mg/kg、約4mg/kg、約4.1mg/kg、約4.2mg/kg、約4.3mg/kg、約4.4mg/kg、約4.5mg/kg、約4.6mg/kg、約4.7mg/kg、約4.8mg/kg、約4.9mg/kg、約5mg/kg、約5.1mg/kg、約5.2mg/kg、約5.3mg/kg、約5.4mg/kg、約5.5mg/kg、約5.6mg/kg、約5.7mg/kg、約5.8mg/kg、約5.9mg/kg、約6mg/kg、約6.1mg/kg、約6.2mg/kg、約6.3mg/kg、約6.4mg/kg、約6.5mg/kg、約6.6mg/kg、約6.7mg/kg、約6.8mg/kg、約6.9mg/kg、約7mg/kg、約7.1mg/kg、約7.2mg/kg、約7.3mg/kg、約7.4mg/kg、約7.5mg/kg、約7.6mg/kg、約7.7mg/kg、約7.8mg/kg、約7.9mg/kg、約8mg/kg、約8.1mg/kg、約8.2mg/kg、約8.3mg/kg、約8.4mg/kg、約8.5mg/kg、約8.6mg/kg、約8.7mg/kg、約8.8mg/kg、約8.9mg/kg、約9mg/kg、約9.1mg/kg、約9.2mg/kg、約9.3mg/kg、約9.4mg/kg、約9.5mg/kg、約9.6mg/kg、約9.7mg/kg、約9.8mg/kg、約9.9mg/kg、約10mg/kg、約11.1mg/kg、約11.2mg/kg、約11.3mg/kg、約11.4mg/kg、約11.5mg/kg、約11.6mg/kg、約11.7mg/kg、約11.8mg/kg、約11.9mg/kg、約12mg/kg、約12.1mg/kg、約12.2mg/kg、約12.3mg/kg、約12.4mg/kg、約12.5mg/kg、約12.6mg/kg、約12.7mg/kg、約12.8mg/kg、約12.9mg/kg、約13mg/kg、約13.1mg/kg、約13.2mg/kg、約13.3mg/kg、約13.4mg/kg、約13.5mg/kg、約13.6mg/kg、約13.7mg/kg、約13.8mg/kg、約13.9mg/kg、約14mg/kg、約14.1mg/kg、約14.2mg/kg、約14.3mg/kg、約14.4mg/kg、約14.5mg/kg、約14.6mg/kg、約14.7mg/kg、約14.8mg/kg、約14.9mg/kg、約15mg/kg、約15.1mg/kg、約15.2mg/kg、約15.3mg/kg、約15.4mg/kg、約15.5mg/kg、約15.6mg/kg、約15.7mg/kg、約15.8mg/kg、約15.9mg/kg、約16mg/kg、約16.1mg/kg、約16.2mg/kg、約16.3mg/kg、約16.4mg/kg、約16.5mg/kg、約16.6mg/kg、約16.7mg/kg、約16.8mg/kg、約16.9mg/kg、約17mg/kg、約17.1mg/kg、約17.2mg/kg、約17.3mg/kg、約17.4mg/kg、約17.5mg/kg、約17.6mg/kg、約17.7mg/kg、約17.8mg/kg、約17.9mg/kg、約18mg/kg、約18.1mg/kg、約18.2mg/kg、約18.3mg/kg、約18.4mg/kg、約18.5mg/kg、約18.6mg/kg、約18.7mg/kg、約18.8mg/kg、約18.9mg/kg、約19mg/kg、約19.1mg/kg、約19.2mg/kg、約19.3mg/kg、約19.4mg/kg、約19.5mg/kg、約19.6mg/kg、約19.7mg/kg、約19.8mg/kg、約19.9mg/kg、または約20mg/kg(任意のこれらの値の間の全範囲を含む)を含めて、ヒト患者の体重1kgあたり約0.01mg/kg~約20mg/kgで、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の一日用量を提供するように投与される。
【0167】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、1患者あたり約1mg~約200mgの1日用量のベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を提供するように投与される。別の実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約5mg~約100mgのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩の1日用量を提供するように投与される。
【0168】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約1mg/mL~約1000mg/mLの濃度でベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約10mg/mL、約15mg/mL、約20mg/mL、約25mg/mL、約30mg/mL、約35mg/mL、約40mg/mL、約45mg/mL、約50mg/mL、約55mg/mL、約60mg/mL、約65mg/mL、約70mg/mL、約75mg/mL、約80mg/mL、約85mg/mL、約90mg/mL、約95mg/mL、約100mg/mL、約105mg/mL、約110mg/mL、約115mg/mL、約120mg/mL、約125mg/mL、約130mg/mL、約135mg/mL、約140mg/mL、約145mg/mL、約150mg/mL、約155mg/mL、約160mg/mL、約165mg/mL、約170mg/mL、約175mg/mL、約180mg/mL、約185mg/mL、約190mg/mL、約195mg/mL、約200mg/mL、約205mg/mL、約210mg/mL、約215mg/mL、約220mg/mL、約225mg/mL、約230mg/mL、約235mg/mL、約240mg/mL、約245mg/mL、約250mg/mL、約255mg/mL、約260mg/mL、約265mg/mL、約270mg/mL、約275mg/mL、約280mg/mL、約285mg/mL、約290mg/mL、約295mg/mL、約300mg/mL、約305mg/mL、約310mg/mL、約315mg/mL、約320mg/mL、約325mg/mL、約330mg/mL、約335mg/mL、約340mg/mL、約345mg/mL、約350mg/mL、約355mg/mL、約360mg/mL、約365mg/mL、約370mg/mL、約375mg/mL、約380mg/mL、約385mg/mL、約390mg/mL、約395mg/mL、または約400mg/mL(任意のこれらの値の間の全範囲を含む)を含む、約10mg/mL~約400mg/mLのベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。
【0169】
一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約1μL、約10μL、約20μL、約30μL、約40μL、約50μL、約60μL、約70μL、約80μL、約90μL、約100μL、約110μL、約120μL、約130μL、約140μL、約150μL、約160μL、約170μL、約180μL、約190μL、約200μL、約210μL、約220μL、約230μL、約240μL、約250μL、約260μL、約270μL、約280μL、約290μL、約300μL、約310μL、約320μL、約330μL、約340μL、約350μL、約360μL、約370μL、約380μL、約390μL、約400μL、約410μL、約420μL、約430μL、約440μL、約450μL、約460μL、約470μL、約480μL、約490μL、約500μL、約510μL、約520μL、約530μL、約545μL、約550μL、約560μL、約570μL、約580μL、約590μL、約600μL、約610μL、約620μL、約630μL、約640μL、約650μL、約660μL、約670μL、約680μL、約690μL、約700μL、約710μL、約720μL、約730μL、約740μL、約750μL、約760μL、約770μL、約780μL、約790μL、約800μL、約810μL、約820μL、約830μL、約840μL、約850μL、約860μL、約870μL、約880μL、約890μL、約900μL、約910μL、約920μL、約930μL、約940μL、約950μL、約960μL、約970μL、約980μL、約990μL、または約1000μLを含む、約1μL~約1000μLという単位用量または一定用量で投与されるベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。いくつかの実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約10μL~約200μLの単位用量または一定用量で投与されるベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。別の実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物は、約10μL~約100μLの単位用量または一定用量で投与された、ベタヒスチンまたはその薬学的に許容される塩を含む。
【0170】
一実施形態では、ベタヒスチンまたは薬学的に許容されるものを含む本開示の鼻腔内薬学的組成物の単位用量または一定用量は、一度に1単位用量もしくは一定用量で、一度に2単位用量もしくは一定用量で、一度に3単位用量もしくは一定用量で、または一度に4単位用量もしくは一定用量で投与されてもよい。
【0171】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物による治療サイクルは、約1日~約7日、約1週間~約5週間、または約1か月~約12か月であり得る。一実施形態では、鼻腔内薬学的組成物による治療サイクルは、約1日~約7日、約1週間~約5週間、または約1か月~約12か月であってもよい。一実施形態では、鼻腔内薬学的組成物による治療サイクルは、約1か月、約2か月、約3か月、約4か月、約5か月、約6か月、約7か月、約8か月、約9か月、約10か月、約11か月、または約12か月であってもよい。一実施形態では、鼻腔内薬学的組成物による治療サイクルは、約3か月であっても、または約6か月であってもよい。一実施形態では、本開示の鼻腔内薬学的組成物を用いた治療サイクルは1年を超えてもよい。別の実施形態では、治療サイクルは、1年超、1.5年超、2年超、2.5年超、3年超、4年超、または5年超であってもよい。本開示の薬学的組成物による治療の適切な期間は、患者の医師によって決定され得、そして指示どおりに使用され得る。
【0172】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、溶液、懸濁物、粉末、またはエアロゾルである。一実施形態では、本開示の薬学的組成物は水溶液である。
【0173】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、酵素阻害剤または吸収促進剤のうちの少なくとも1つと組み合わせて投与され得る。一実施形態では、少なくとも1つの酵素阻害剤は、ベータスタチン、アマスタチン、ボロルクシン、ボルボバリン、アプロチニン、トリプシン阻害剤、フシジン酸、及び胆汁酸塩から選択される。別の実施形態では、少なくとも1つの吸収促進剤は、β-シクロデキストリン、フシジン酸誘導体(タウロジヒドロフシジン酸ナトリウム)、マイクロスフェア、リポソーム、胆汁酸塩、ラウレス-9、サポニン、BL-9、グリコレート、キトサン、ジデカノイル-L-ホスファチジルコリン及びリゾホスファチジルコリンから選択される。
【0174】
一実施形態では、本開示の薬学的組成物は、少なくとも1つの追加の薬学的に活性な剤をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の薬学的に活性な薬剤は、前庭障害、神経耳鼻科障害、耳鼻科学的及び/または神経障害を治療する薬物である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの追加の薬学的に活性な薬剤は、内耳の機能不全もしくは内耳の障害を治療する薬物、ならびに/または内耳の障害及び機能不全の症状を治療もしくは軽減する薬物である。
【0175】
一実施形態では、少なくとも1つの追加の薬学的に活性な薬剤は、グルタミン酸受容体モジュレーターの群から選択される。グルタメート受容体モジュレーターの非限定的な例としては、グルタメート受容体アンタゴニスト、AMPA(α-アミノ-3-ヒドロキシ-5-メチル-4-イソキサゾールプロピオン酸)受容体アンタゴニスト、及びNMDA(N-メチル-D-アスパラギン酸)受容体アンタゴニストが挙げられる。一実施形態では、AMPA受容体アンタゴニストは、6-シアノ-7-ニトロキノキサリン-2,3-ジオン、2,3-ジヒドロキシ-6-ニトロ-7-スルファモイル-ベンゾ[f]キノキサリン-2,3-ジオン、6,7-ジニトロキノキサリン-2,3-ジオン、キヌレン酸、2,3-ジヒドロキシ-6-ニトロ-7-スルファモイルベンゾ-[f]キノキサリン、またはそれらの組み合わせが挙げられる。
【0176】
一実施形態では、NMDA受容体アンタゴニストを含むグルタミン酸受容体アンタゴニストは、1-アミノアダマンタン、デキストロメトルファン、デキストロルファン、イボガイン、イフェンプロジル、(S)-ケタミン、(R)-ケタミン、メマンチン、ジゾシルピン、ガシクリジン、トラキソプロジル、D-2-アミノ-5-ホスホノペンタン酸、3-((±)2-カルボキシピペラジン-4-イル)-プロピル-1-ホスホン酸、コナントキン、7-クロロキヌレン酸塩、リコスチネル、亜酸化窒素、フェンシクリジン、リルゾール、チレタミン、アプチガネル、レマシミド、5,7-ジクロロキヌレン酸、キヌレン酸、1-アミノシクロプロパンカルボン酸、2-アミノ-7-ホスホノヘプタン酸、R-2-アミノ-5-ホスホノペンタノエート、3-[(R)-2-カルボキシピペラジン-4-イル]-プロプ-2-エニル-1-ホスホン酸、(+)-(1S,2S)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピクリジノ)-1-プロパノール、(1S,2S)-1-(4-ヒドロキシ-3-(メトキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-4-フェニルピペリジノ)-1-プロパノール、(3R、4S)-3-(4-(4-フルオロフェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル-)-クロマン-4,7-ジオール、(1R*,2R*)-1-(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)-2-(4-(4-フルオロ-フェニル)-4-ヒドロキシピペリジン-1-イル)-プロパン-1-オール-メシレート、またはそれらの組み合わせから選択される。
【実施例0177】
実施例1:試料製剤化
ベタヒスチン二塩酸塩を含む本開示による薬学的組成物の鼻腔内送達製剤が、Otifex Therapeuticsにより供給され、必要になるまで周囲条件でデシケーター内に保存された。
【0178】
10、50または200mg/mLのベタヒスチンを含む製剤を以下のように調製した。
【0179】
10mg/mLのベタヒスチン製剤。20mgの塩化ベンザルコニウム(移動を助けるために約65℃まで加熱した)及び20mgのエデト酸二ナトリウムを、同じビーカーに加え、攪拌機を用いて約10mLの注射用水に溶解した。1gのベタヒスチン二塩酸塩を、滅菌プラスチックボトルに入れ、97.5mgの二塩基性リン酸ナトリウム及び552.5mgの一塩基性リン酸ナトリウムをそれに加えた。注射用水約25mLをボトルに加え、得られた溶液を十分に混合した。次に、100mgのグリセリン、1.25gのポリビニルピロリドン、3.75gのポリエチレングリコール400及び2gのプロピレングリコールを添加した(移動用に少量の水を使用)。得られた混合物に、調製した塩化ベンザルコニウム及びエデト酸二ナトリウム溶液を、注射用水約10mLを用いて加えた。
【0180】
得られた溶液のpHを、3.88mLの1M水酸化ナトリウムを添加することによってpH5.0に調整した。溶液のpHをチェックした後、少量の注射用水を用いて、それを100mLのメスフラスコに定量的に移した。
【0181】
注射用水を添加して100mLの製剤を得た。再チェック/pHを5.0に調整し、その製剤を必要になるまで2~8℃で保存した。
【0182】
このようにして調製された10mg/mLのベタヒスチン鼻腔内製剤は、以下の成分を含有していた(特に明記しない限り、全ての濃度は、重量/重量として示されている):活性物質としての1.0%のベタヒスチン二塩酸塩、0.1%グリセリン、3.75%のポリエチレングリコール400及び保湿剤としての2%プロピレングリコール、粘度のため及び鼻腔内繊毛クリアランスを増大させるための1.25%ポリビニルピロリドン、保存剤/安定剤としての0.02%エデト酸二ナトリウム、保存剤としての0.02%塩化ベンザルコニウム、緩衝剤としての0.0975%二塩基性リン酸ナトリウム及び0.5525%の一塩基性リン酸ナトリウム、pHを5.0に調整するための1Mの水酸化ナトリウム3.88mL、及び溶媒として100mLまでの注射用水(適量)。
【0183】
50及び200mg/mLのベタヒスチン製剤。必要なベタヒスチン二塩酸塩の濃度はそれぞれ5.0及び20.0%であり、そしてそれぞれ、5M水酸化ナトリウムの量4.38mL及び10M水酸化ナトリウムの量9.3mLであった。
【表2】
【0184】
実施例2:イヌにおける安全性及び薬物動態プロファイルの評価
鼻腔内ベタヒスチンの安全性及び薬物動態プロファイルを、最初に、雄及び雌のビーグル犬(14~21月齢、体重8.2~11.8kg)における単回投与毒性試験において評価した。ビヒクルと試験品の両方を、全投与量レベル0(ビヒクル)、4、20または80mgのベタヒスチン二塩酸塩で、両方の鼻孔に鼻腔用スプレーポンプ(Aptar Classic Line)を介して100μLの送達体積を単回投与量で送達した。各処置群は、1つの性別あたり1頭の犬から構成された。動物を7日間観察し、次いで反復投与試験に使用する前に3日間のウオッシュアウト期間を許容し、反復投与試験では、犬にはおよそ4時間隔てられた3回の投与、0(ビヒクル)、12、60または240mgのベタヒスチン二塩酸塩で毎日14連続日にわたって投与した。
【0185】
毒物動態学的評価のために、血液試料を以下のように収集した:投薬前及び単回投与段階における投薬の約5、15及び30分後、1、2、6、24及び168時間後、ならびに試験日1、8及び14日の初回投与の前、ならびに試験日1及び14日の第3投与後2時間、ならびに剖検前の試験日15日。血漿中濃度を、検証された方法を用いて、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS、ベタヒスチンについてはSCIEX API 5000、2-ピリジル乳酸(2-PAA)についてはSCIEX API 4000)で測定した。ベタヒスチン-13CD3二塩酸塩及び2-PAA-D4塩酸塩を内部標準として用いた。ベタヒスチンの標準較正範囲(血漿試料容積0.05mLを使用)は、0.05から50ng/mLで、2-PAAの標準較正範囲は1~1000ng/mLであった。定量限界は、ベタヒスチンでは0.05ng/mL、2-PAAでは1.0ng/mLであった。
【0186】
ベタヒスチンの場合、この方法は、液体-液体抽出を伴った。2-PAAの場合、それはタンパク質沈殿を伴った。ベタヒスチンについては、血漿試料を、塩基性条件下で有機溶媒を用いて抽出した。その有機相を乾燥し、再構成溶媒中で再構成した。LC-MS/MS分析のために、約0.1mLの水層を、ポリプロピレン製バイアルに移した。2-PAAでは、血漿試料を、有機溶媒の混合物で沈殿させ、上清を希釈し、LC-MS/MS分析のために0.12mLを、ポリプロピレン製バイアルに移した。試料分析は、逆相クロマトグラフィーを用いて行った。
【0187】
鼻腔内ベタヒスチンは、耐容性が良好であった。試験の単回投与及び反復投与(240mg/日)段階の両方において80mgの試験物品を鼻腔内送達した後、軽度から中等度の唾液分泌からなる試験物品関連の臨床徴候が認められた。ベタヒスチン処置後の唾液分泌は、イヌで起こることが以前に報告されていたが、それは本試験では一時的な性質のものであり迅速に解消した。体重、臨床病理学及び肉眼的剖検所見は顕著ではなかった。この試験では、処置関連の有害な顕微鏡的所見は認められなかった。
【0188】
ベタヒスチンは、単回投与鼻腔内投与後に急速に吸収され、ピーク濃度が5分の時点(T
max)で観察された(
図1)。いかなる理論にも縛られることはないが、投与後5分のT
maxは、ベタヒスチンの薬理学的活性の急速な開始を示唆している。C
maxの増大は、投与された用量に対して直線関係にあったが、比例はしなかった。C
maxは、4、20及び80mgの群について26、81及び248ng/mLに達した(雄及び雌の動物について平均)。濃度は1時間の時点で90%を超えて急速に減少した。定量化可能な血漿濃度は、4及び20mg投与群では、2または6時間後にはもはや観察されなかったが、80mg投与群では24時間時点まで観察された。その2-PAA代謝産物は、その親物質と同様に、5分の時点までに急速に出現し、評価された用量レベルにわたって同様の速度で急速な形成を示した(
図2)。2-PAAは、15分~1時間の範囲の時間で、4、20及び80mgの群(雄及び雌の動物について平均)について606、2195及び4615ng/mLのピーク濃度に達した。C
maxの増大は、4~20mg用量群の間でおおよそ用量比例的であり、そして20~80mg用量群の間ではそれ程比例的ではなく、これによって、20mg用量レベルを超える排出過程の飽和が示されている。ピークレベルに続いて、2-PAAは、一般に投与後24時間で最後の測定可能な値で、急速かつほぼ直線的に減少した。
【0189】
反復投与評価では、20及び80mg投与群の全ての採取試料において、及び4mg投与群のほとんどの試料において、測定可能なレベルのベタヒスチン及び2-PAAが存在した。投与量レベルにまたがるベタヒスチン濃度の増大は、匹敵する血漿サンプリング時間では比例性がより少なかった。全体的なベタヒスチンは、急速に排除されたが、試験の8日目及び14日目からのトラフ試料中では依然として低い血漿濃度レベルが観察され得、低い基礎レベルにもかかわらず、ある程度の維持が示唆されている。
【0190】
単回投与及び反復投与毒物学試験の結果によって、鼻腔内ベタヒスチンが実現可能であり、迅速かつ意味のある全身曝露をもたらすことが示される。処置は犬にはよく耐容された。
【0191】
実施例3:ヒトにおける安全性及び薬物動態プロファイルの評価
鼻腔内ベタヒスチンの安全性及び薬物動態プロファイルを、合計32人の健常な男性及び女性ボランティアを含む二重盲検無作為化プラセボ対照単回漸増用量臨床試験でさらに評価した。主な選択基準は、対象は18~45歳でなければならず、18~30kg/m2の範囲内の肥満度指数を示さなければならないというものであった。対象は、研究薬物投与前の8時間、及び投与後2時間の絶食を要求された。研究薬物投与の1時間前から及び投与後1時間水を差し控えた。
【0192】
ベタヒスチン二塩酸塩を5、10、20及び40mgの4用量コホートで試験した。各コホートにおいて、6人の被験者が活性薬を受け、2人の被験者が対応するプラセボを受けた。ベタヒスチンは、1回の作動あたり正確に100μLを送達する、HDPEボトル及びスプレーポンプパック(Aptar Classic Line)中の50及び200mg/mL溶液として供給された。対象が仰臥位にある間に被験者の右鼻孔に試験薬を送達した。5及び20mgの投与量では、それぞれ50及び200mg/mLの適用が1回必要であったが、10及び40mgの投与量では、50及び200mg/mLの2回の適用が必要であった。
【0193】
1日目、4日目及び7日目に投与した後、連続血液試料を24時間にわたって収集して、血漿中のベタヒスチン及びその主代謝物である2-PAAの濃度を決定した。検証された手順及び方法を用いて、血漿試料をBH含有量についてアッセイした。血液試料(6mL)を、K2EDTAを含むチューブに収集し、+4℃で10分間、約2000gで遠心分離し、そして得られた血漿を2つのきれいな、ラベルを付した2mLのクリオバイアルに移した。全ての血漿試料は、全ての試料が収集され、分析のための単一のバッチとして送られるまで-70℃以下で保存した。アリコート1及び2を別々の荷物として送った。検証された方法で、液体クロマトグラフィータンデム質量分析(LC-MS/MS、ベタヒスチンについてはSCIEX API 5000、及び2-PAAについてはSCIEX API 4000)を用いて濃度を決定した。ベタヒスチン-13CD3二塩酸塩及び2-PAA-D4塩酸塩を内部標準とした。ベタヒスチンの標準較正範囲(血漿試料体積はそれぞれ0.2及び0.1mLを使用)は、10~800pg/mLで、2-PAAの場合は2~2000ng/mLであった。定量限界は、ベタヒスチンでは10pg/mL、2-PAAでは2.0ng/mLであった。
【0194】
ベタヒスチンの場合、この方法は液体-液体抽出を伴った。2-PAAの場合、それはタンパク質沈殿を伴った。ベタヒスチンについては、血漿試料を、塩基性条件下で有機溶媒を用いて抽出した。有機相を乾燥し、そして再構成溶媒中で再構成した。LC-MS/MS分析のために、約0.120mLの水層をポリプロピレン製バイアルに移した。2-PAAについては、血漿試料を有機溶媒の混合物で沈殿させ、上清を希釈して、0.120mLを、LC-MS/MS分析用のポリプロピレンバイアルに移した。試料分析は、逆相クロマトグラフィーを用いて行った。
【0195】
5、10、20及び40mgの試験用量でのベタヒスチンによる処置は、十分に耐容された。血液学、生化学、尿検査、バイタルサイン及び心電図評価には、活性薬による処置を受けた対象とプラセボ処置を受けた対象の間に差はなかった。処置に起因する有害事象の発生率も両群の対象で同様であり、活性薬により処置を受けた対象の有害事象の発生率に明らかな用量関連傾向はなかった。ベタヒスチン及び2-PAAの全身曝露の薬物動態学的パラメーターは、用量レベルとともに増大した。ベタヒスチンについては、血漿中のピーク濃度は、2つの最大用量で4.1及び10.5ng/mLであり(
図3)、これは、ベタヒスチン24mgの経口投与後、Chenら(Xenobiotica,2003,3(12)3,1261)によって報告された0.5ng/mL未満のC
maxよりも著しく高い。ピークは、投与後約10分で達成された。代謝産物2-PAAのピーク濃度は、2つの最大用量で370及び519ng/mLであり(
図4)、これは、ベタヒスチン16mg(522ng/mL)の経口投与後、Vaiら(Arzneimittelforschung,2010,60(7),440)によって報告されたレベルと同様である。T
maxは、1.2時間後に到達し、これはまた、1時間でChenら(2003)および1.5時間でMoorthyら(Biopharm.Drug Dispos.,2015,36(12),429)によって報告されたベタヒスチン16または50mgの経口投与を用いた試験からの結果と同様である。
【0196】
試験を完了した各対象について、ベタヒスチン及び2-PAAの血漿中濃度-時間データを、以下の薬物動態学的パラメーターの計算に使用した:
【表A-1】
【表A-2】
【0197】
用量により正規化されたパラメーターであるCmax/用量及びAUC/用量も計算した。
【0198】
表3~4に示されている処置によって決定されたベタヒスチンの決定された薬物動態学的パラメーターの要約。
【表3】
【0199】
【0200】
2-PAAの決定された薬物動態学的パラメーターのまとめを表5~6に示す。
【表5】
【表6】
【0201】
表3~6の上記データによって、ベタヒスチン及び2-PAAの全身曝露の薬物動態学的パラメーターが用量レベルと共に増大したことが示されている。用量応答のグラフ表示は、5~40mgのこの試験におけるベタヒスチンの曝露が、ベタヒスチン用量範囲にわたって用量に比例することを示唆している。ベタヒスチンの場合、ピーク濃度は5~20分で達成され、見かけの半減期は1時間未満である。代謝産物2-PAAについては、ピーク濃度は、投与後約1~1.25時間(20分~2時間の範囲)で達成され、見かけの半減期は約4時間である。
【0202】
要約すると、この研究からの結果によって、鼻腔内ベタヒスチンが十分に許容され、そして経口投与とは異なり、活性親化合物の定量化可能で意味のある血漿濃度を提供することが示されている。ピーク濃度は投与後約10分で到達し、いかなる理論にも拘束されないが、作用の急速な開始を示唆しており、それは、例えば、緊急の医療ニーズがある場合、特に治療上有用であり得る。この実験によって、ベタヒスチンが鼻腔内経路により非侵襲的に全身的に効果的かつ安全に投与され得ることが初めて示される。
【0203】
実施例4:投与内容物均一性
pH値を5.5に調整することを除いて、実施例1及び表2に従って、10及び200mg/mLのベタヒスチンを含む製剤を調製した。
【0204】
製剤を、100μLのAptar Classic Lineポンプスプレーに充填し、次いで適切なメスフラスコ中に打ち込んで、希釈剤で体積を調整した。表7~8は投与内容物の均一性を示す。
【表7】
【表8】
【0205】
実施例5:イヌにおける薬物動態プロファイル評価
この試験では、雄及び雌のビーグル犬(5~7か月齢、体重5~11kg、各性別3kgの範囲内)にベタヒスチンを単回投与した後のベタヒスチンの薬物動態プロファイルを、3つの投与経路:経口、鼻腔内、及び静脈内について評価した。
【0206】
試験の1日目に、ベタヒスチン(BH)を12mg/kg、24mg/kg、または48mg/kgの用量で経口投与した。各処置群は8頭の動物(4頭の雄及び4頭の雌)を含んだ。薬物動態評価のために、血漿試料を投与前、そして投与後5、10、20及び30分、1、2、3、6、24時間後に収集した。
【0207】
試験の8日目に、12mg/kgの用量で経口BHを与えられた動物に、40mgというベタヒスチン二塩酸塩の用量で試験ベタヒスチン組成物を鼻腔内に投与した。24mg/kgの用量で経口BHを与えられた動物に、80mgのベタヒスチン二塩酸塩の用量で試験ベタヒスチン組成物を鼻腔内に投与した。そして、48mg/kgの用量で経口BHを与えられた動物に、120mgというベタヒスチン二塩酸塩の用量で試験ベタヒスチン組成物を鼻腔内に投与した。試験ベタヒスチン組成物を、40、80及び120mgのベタヒスチン二塩酸塩の総用量レベルで、Aptar鼻スプレーポンプデバイスを介して単回投与で鼻腔内に送達した。投与前、次いで投与後5、10、20及び30分、1、2、3、6、24時間後に血漿試料を収集した。
【0208】
試験の15日目に、12mg/kgの用量の経口BH、及び40mgの用量でベタヒスチン二塩酸塩の試験ベタヒスチン組成物を鼻腔内に投与された動物に、0.44mg/kgの用量でベタヒスチンのボーラス静脈内注射を投与した。投与前、及び投与後5、10、20及び30分、1、2、3、6、24時間後に血漿試料を採取した。
【0209】
検証された方法を用いて、血漿濃度を、液体クロマトグラフィータンデム質量分析法(LC-MS/MS、ベタヒスチンについてはSCIEX API 5000、2-ピリジル酢酸(2-PAA)についてはSCIEX API 4000)で測定した。ベタヒスチン13CD3二塩酸塩及び2-ピリジル乳酸-D4塩酸塩を、それぞれの内部標準として使用した。0.50mLの血漿試料体積を使用して、ベタヒスチンの較正範囲は0.05~250ng/mL、2-PAAの較正範囲は、2.00~3000ng/mLであった。
【0210】
ベタヒスチンの決定については、この方法は液体-液体抽出を伴い、2-PAAについては、この方法はタンパク質沈殿を伴った。有機溶媒を用いて、塩基性条件下で抽出することによって、ベタヒスチン用に血漿試料を調製し、次いで有機相を乾燥し、再構成し、そしてLC/MS-MS分析のために移した。2-PAAについては、血漿試料を有機溶媒の混合物で沈殿させ、上清を乾燥し、再構成し、そしてLC/MS-MS分析のために移した。逆相クロマトグラフィーを用いて試料分析を行った。
【0211】
ベタヒスチンの鼻腔内投与は、犬において十分に耐容された。最高濃度のベタヒスチン群では、ほとんどの動物で唾液分泌が認められ、その用量レベルで8頭のうち2頭の動物でくしゃみが発生した。
【0212】
試験動物におけるベタヒスチン及び2-PAAの血漿レベルは表9~17に示されるとおりであった。
【表9】
【表10】
【表11】
【表12】
【表13】
【表14】
【表15】
【表16】
【表17】
【0213】
図5及び6は、経時的に40、80及び120mgの総用量でベタヒスチン二塩酸塩を鼻腔内投与した後のベタヒスチン血漿濃度の中央値(
図5)及び平均値(
図6)を、経時的に、雄及び雌の動物の値をプールして示すグラフである。中央値に基づくグラフである
図5は、ベタヒスチン血漿濃度の用量依存的増大を示す。平均値に基づくグラフ(
図6)では、80mg用量の平均C
maxは、120mg用量の平均C
maxより高いように見える。この矛盾は、ある特定の異常値に起因する。
【0214】
図7及び8は、ベタヒスチンの経口投与後の、ベタヒスチン血漿濃度の中央値(
図7)及び平均値(
図8)を、経時的に、雄及び雌の動物の値をプールして示すグラフである。
【0215】
図9及び10は、ベタヒスチンの静脈内投与後の、ベタヒスチン血漿濃度の中央値(
図9)及び平均値(
図10)を、経時的に、雄と雌の動物の値をプールして示すグラフである。
【0216】
表18~20は、経口投与、鼻腔内投与、及び静脈内投与後のベタヒスチン(BH)についての薬物動態パラメーターのまとめを示す。表21~23は、ベタヒスチンの経口投与、鼻腔内投与、及び静脈内投与後の2-PAAについての薬物動態パラメーターのまとめを示す。
【表18】
【表19】
【表20】
【表21】
【表22】
【表23】
【0217】
表24及び25は、経口投与及び鼻腔内投与後のイヌにおけるベタヒスチン(BH)の絶対バイオアベイラビリティ(%F)を示す。
【表24】
【表25】
【0218】
表26は、経口投与と比較して鼻腔内投与されたベタヒスチン(BH)の相対バイオアベイラビリティ(Frel)を示す。
【表26】
【0219】
実施例6:ヒトにおける経口投与と比較した鼻腔内投与によるベタヒスチンの相対的バイオアベイラビリティ
経口ベタヒスチンと比較した鼻腔内ベタヒスチンの相対的バイオアベイラビリティの計算のために、実施例3で決定した濃度-時間曲線下面積(AUC)を、Barakら(Journal of Psychopharmacology,2016,Vol.30(3)237-241)に記載の健常ボランティアにおける経口ベタヒスチンを用いた試験で決定されたAUCと比較した。手短に言えば、この試験では、48人の健常な女性を募集して、4週間、ベタヒスチン144mg/日(48mg1日3回)または対応するプラセボのいずれかを経口(すなわち経口的に)投与するように無作為化した。それらの平均体重は、活性薬処置群(n=24)では60.2kg、プラセボ群(n=24)では59.8kgであった。試験薬(ベタヒスチンまたは対応するプラセボ)を、食事の少なくとも30分前に投与した。8日目に、午前8時、ならびにその後30、60、150及び300分で、それぞれ6mLの血液試料を採取した。ベタヒスチン及びその代謝産物2-PAAの血漿濃度は、高速液体クロマトグラフィーによって決定した。AUC(0-5h)は、約0.8mg/kgの用量で121pg*時間/mLであった。
【0220】
実施例3における40mg(または0.57mg/kg)の鼻腔内投与量では、3531pg*時間/mLのAUCが生じた(表3を参照のこと)。
【0221】
Barakらの試験における経口投与についてのAUC値、及び実施例3由来の鼻腔内投与のAUC値に基づくと、経口対鼻腔内投与の相対的バイオアベイラビリティ(すなわち、鼻腔内に対する経口によるバイオアベイラビリティ)は約2.4%であるのに対して、鼻腔内対経口の相対バイオアベイラビリティ(経口に対する鼻腔内投与によるバイオアベイラビリティ)を次の表に要約する。
【表27】
【0222】
表27によって、鼻腔内投与によるバイオアベイラビリティが経口投与によるよりも20~40倍高いことが示されている。同等の絶対投与量(鼻腔内投与量40mg対経口投与量48mg)で相対バイオアベイラビリティを使用する場合、倍率係数は、41.1xである。Barakらの試験における0.8mg/kgは、1回の投与で現在承認されている1日48mgの用量に相当する。患者は1日3回48mgの投与を受けたが、急速な排泄に起因して、各投与量は別々と見なされる。
【0223】
参照による組み込み
本明細書で引用する全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。しかし、本明細書中に引用されるいずれの参考文献、記事、刊行物、特許、特許公報、及び特許出願の言及も、それらが有効な先行技術となること、または世界のどの国の共通の一般的な知識の一部を形成することを認めること、または示唆のいかなる形態でもなく、そのように解釈されるべきでもない。