(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052000
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】船舶用減揺装置
(51)【国際特許分類】
B63B 39/04 20060101AFI20220328BHJP
【FI】
B63B39/04
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158111
(22)【出願日】2020-09-23
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-09-22
(71)【出願人】
【識別番号】518146463
【氏名又は名称】株式会社ブルーボード
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】杉並 康之
(57)【要約】
【課題】船舶の燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置を実現する。
【解決手段】この船舶用減揺装置100であれば、フライホイールとして機能させる水収容タンク10の重量を水量で調整することができ、船舶Sを航行する際に船舶用減揺装置100の重量を軽くするために水収容タンク10を空にすることができるので、船舶Sの燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置100として好適に使用することができる。また、樹脂材料製の水収容タンク10は、従来技術の金属製のフライホイールに比べて低コストで製造することができるので、船舶用減揺装置100の製造コストを抑えることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする船舶用減揺装置。
【請求項2】
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用減揺装置。
【請求項3】
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態でその水収容タンク内で水流を発生させ、前記水収容タンク内の水を前記所定の軸の周囲で回転させる水流発生部と、
を備えたことを特徴とする船舶用減揺装置。
【請求項4】
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
【請求項5】
前記水収容タンクは、樹脂材料によって形成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
【請求項6】
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、船舶用減揺装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転駆動されるフライホイールと、そのフライホイールを回転可能に支持しているジンバル等を備えたジャイロ式の減揺装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
船舶用の減揺装置は、高速回転するフライホイールをジンバルが支持しており、そのジンバルが船舶の揺れによって揺動し、ジャイロ効果により発生するジャイロトルク(カウンタートルク)を船体へ伝達することで、船舶のローリングを減揺させるようになっている。なお、ジンバルの揺動は、ディスクブレーキやオイルダンパのような制動装置により制動される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】国際公開WO2014/136192号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の減揺装置の場合、比較的大型の金属製のフライホイールが用いられるので、そのフライホイール自体の重量が大きなものとなる。
そのため、減揺装置を搭載した船舶の燃費効率が低下することがあるという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、船舶の燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、船舶用減揺装置であって、
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、船舶用減揺装置であって、
給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で水流を発生させ、その貯留された水を前記所定の軸の周囲を回転させる水流発生部と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンクは、樹脂材料によって形成されていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、請求項1~5のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、船舶の燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態の船舶用減揺装置を示す上面図(a)と側面図(b)である。
【
図2】本実施形態の船舶用減揺装置を一部断面視して示す側面図(a)(b)である。
【
図3】船舶用減揺装置の変形例を示す上面図(a)と、一部断面視して示す側面図(b)である。
【
図4】船舶用減揺装置の変形例を示す上面図(a)と、一部断面視して示す側面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係る船舶用減揺装置の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の船舶用減揺装置は、所謂ジャイロスタビライザーと称される船舶用の減揺装置である。
【0015】
(実施形態1)
本実施形態の船舶用減揺装置100は、例えば、
図1(a)(b)、
図2(a)(b)に示すように、給排水可能な水収容タンク10と、水収容タンク10を所定の軸であるタンク軸11を軸心に回転可能に支持するジンバル20と、ジンバル20をタンク軸11と交差する向きのジンバル軸21を介して揺動可能に支持する支持部30と、水収容タンク10内に水を貯留した状態で、水収容タンク10を回転させる駆動部40と、駆動部40に電力を供給する電源部(図示省略)等を備えている。
この船舶用減揺装置100は、船舶Sにおける所定箇所に設置される。
【0016】
水収容タンク10は、例えば、
図1(a)に示すように、平面視円環状を呈するように形成された環状のパイプ部材である。
この水収容タンク10を断面視すると、例えば、
図1(b)に示すように、略円形の内部空間を有している。なお、水収容タンク10の断面形状は円形であることに限らず楕円形でもよく、また四角形等の多角形など、任意の形状であってよい。
また、水収容タンク10はその軽量化を図るため、樹脂材料によって形成されている。この水収容タンク10は高強度を有するように、繊維強化プラスチック(FRP;Fiber Reinforced Plastics)を用いて形成した。繊維強化プラスチックとしては、ガラス繊維を用いたGFRPや炭素繊維を用いたCFRPなどが知られている。
また、この水収容タンク10は、その内部に水を貯留して使用する部材であり、水収容タンク10内に貯留する水の量を調整することで、その重量を調整可能になっている。
なお、水収容タンク10に水が満水でない状態では、その内部空間の上部に空気が溜まるようになる。
【0017】
タンク軸11は、例えば、
図2(a)(b)に示すように、水収容タンク10の軸心に配置されている直管状の部材である。
このタンク軸11は、例えば、ベアリングなどの軸受を介してジンバル20の平板部に回転可能に取り付けられている。
また、タンク軸11には、タンク軸11と水収容タンク10とを繋いでいる通水管12が設けられている。
通水管12は、例えば、
図2(a)(b)に示すように、直管状の部材であり、タンク軸11と水収容タンク10を繋ぐように、平面視略十字状に配設されている。
この通水管12によって、タンク軸11と水収容タンク10が一体に連結されており、タンク軸11から水収容タンク10、水収容タンク10からタンク軸11への通水が可能になっている。
【0018】
そして、図示しない送水ポンプやホースなどを使って、タンク軸11の上端または下端から水を給水し、通水管12を通じて水収容タンク10内に水を貯留することが可能になっている。
また、タンク軸11の下端から水収容タンク10内に貯留した水を排水することが可能になっている。例えば、タンク軸11の下端に接続したドレーンホースを使って、船外に排水する。
なお、タンク軸11の上端と下端には、それぞれ蓋部材11aが着脱可能に取り付けられており、水収容タンク10内に水を貯留する際や、水収容タンク10内に貯留した水を排水する際に、その蓋部材11aを適宜取り外すようにする。
【0019】
ジンバル20は、ジンバル軸21を軸心にして回動可能な回動台であり、ジンバル20が支持している水収容タンク10とともに揺動するようになっている。
本実施形態のジンバル20は、側面視略「コ」字形状を呈しており、平板部の両側の立設部の間に水収容タンク10が配置されている。
なお、ジンバル軸21はジンバル20の立設部に軸支されており、そのジンバル軸21とタンク軸11は直交する向きに配されている。
【0020】
支持部30は、ジンバル20がジンバル軸21を軸心に揺動するように、ジンバル軸21を介してジンバル20を支持している一対の支柱である。
この支持部30が船舶Sの所定箇所に固定されている。
【0021】
駆動部40は、例えば、モーターやファンベルト(Vベルト)などを備えている回転駆動機構であり、ジンバル20に回転可能に取り付けられているタンク軸11を回転させ、タンク軸11を軸心に水収容タンク10を回転させる機能を有している。
ここでは、ジンバル20の下面に駆動部40を配設しているが、ジンバル20の上面に駆動部40を配設してもよい。
【0022】
また、この船舶用減揺装置100は、ジンバル20の揺動を制動するダンパや、ジンバル20の揺動をロックするロック機構などを備えているが、それらの構成や動作は従来公知のものと同様であるので、ここでは詳述しない。
【0023】
次に、この船舶用減揺装置100の使用例について説明する。
船舶Sを操船して目的のポイントまで航行する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、
図2(a)に示すように、水収容タンク10は空の状態にしておく。
そして、船舶Sが目的のポイントに到達し、その船舶Sのスクリュープロペラを停止して、例えば、魚釣りなどをする場合、
図2(b)に示すように、海水や湖水を送水ポンプで汲み上げて、その水を水収容タンク10内に貯留した後、駆動部40を作動させて水収容タンク10を回転させる。
【0024】
水が貯留されて所定の重量に調整された水収容タンク10は、ジャイロスタビライザーのフライホイールとして機能するので、その水収容タンク10を駆動部40によって回転させるようにすれば、船舶用減揺装置100によって、その船舶用減揺装置100が設置されている船舶Sの揺れを低減することができる。
また、水収容タンク10内に貯留する水量に応じて、フライホイールとしての水収容タンク10の重量を調整することができるので、波高や波周期などに対応させて水収容タンク10の重量を調整して、そのときの船舶Sの揺れを低減するのに適した船舶用減揺装置100として使用することができる。
【0025】
そして、魚釣りなどのポイントを変更する際や、魚釣りなどの目的を終えて帰港する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、水収容タンク10内の水を排水し、水収容タンク10を空の状態にして航行するようにする。
【0026】
このように、本実施形態の船舶用減揺装置100は、フライホイールとして機能させる水収容タンク10の重量を水量で調整することができ、船舶Sを航行する際に船舶用減揺装置100の重量を軽くするために水収容タンク10を空にすることができるので、船舶Sの燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置100として好適に使用することができる。
特に、船舶用減揺装置100は、船舶Sに設置して使用する装置であるので、船舶Sを航行させる海や湖の水を汲み上げて水収容タンク10に給水したり、水収容タンク10に溜めた水を海や湖に排水したりすることを繰り返し行うことができ、任意のタイミングで水収容タンク10の重量を調整することができる。
また、樹脂材料製の水収容タンク10は、従来技術の金属製のフライホイールに比べて低コストで製造することができるので、船舶用減揺装置100の製造コストを抑えることができ、比較的安価な船舶用減揺装置100を実用化することができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図3(a)(b)に示すように、船舶用減揺装置100の水収容タンク10は、平面視円盤状を呈するように形成されたタンク部材であってもよい。
この水収容タンク10には、その上部と下部から突出するように、管状のタンク軸11が設けられている。
【0028】
また、この水収容タンク10の内面には、フィンとして機能する平板状の突片10aが設けられている。
突片10aは、水収容タンク10の回転方向と交差する平面(ここでは回転方向と直交する平面)を有している。
この突片10aは、水収容タンク10の回転方向と交差する向きの平面を有しているため、水収容タンク10の回転時にその内部の水に対し抵抗する部材になる。
水収容タンク10の内面にこの突片10aが設けられていることで、水を貯留した水収容タンク10を回転させた場合に、水収容タンク10とともに水収容タンク10内の水を回転させ易くなる。
なお、前述した円環状の水収容タンク10の内面にも、水の抵抗になる突片10aを設けるようにしてもよい。
【0029】
このような円盤状の水収容タンク10であっても、水収容タンク10内に貯留する水量に応じて、フライホイールとして機能させる水収容タンク10の重量を調整することができる。
そして、その水収容タンク10を駆動部40によって回転させるようにすれば、船舶用減揺装置100を好適に使用することができる。
【0030】
(実施形態2)
次に、本発明に係る船舶用減揺装置の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0031】
船舶用減揺装置100は、例えば、
図4(a)(b)に示すように、給排水可能な水収容タンク10と、水収容タンク10を所定の軸であるタンク軸11を軸心に支持するジンバル20と、ジンバル20をタンク軸11と交差する向きのジンバル軸21を介して揺動可能に支持する支持部30と、水収容タンク10内に水を貯留した状態で水流を発生させ、その水収容タンク10内の水をタンク軸11の周囲で回転させる水流発生部50と、水流発生部50に電力を供給する電源部(図示省略)等を備えている。
この船舶用減揺装置100は、船舶Sにおける所定箇所に設置される。
【0032】
水収容タンク10は、
図4(a)に示すように、平面視円環状を呈するように形成された環状のパイプ部材である。この水収容タンク10を断面視すると、
図4(b)に示すように、略円形の内部空間を有している。
そして、この水収容タンク10の内部空間の下部に、水流発生部50が配設されている。
【0033】
タンク軸11は、水収容タンク10の軸心に配置されている直管状の部材であり、ジンバル20の平板部に固定されている。
このタンク軸11には、タンク軸11と水収容タンク10とを一体に連結している通水管12が設けられている。
【0034】
水流発生部50は、例えば、モーターやスクリューなどを備えている旋回流発生機構であり、水収容タンク10の内壁に固定されている。
この水流発生部50は、水が貯留されている水収容タンク10内で水流を発生させる機能を有している。
本実施形態では、水収容タンク10内に2つの水流発生部50を配設した。
勿論、2つの水流発生部50は、同じ回転方向の水流を発生させる向きに配設されている。なお、2つの水流発生部50は、タンク軸11を挟む配置に設けている。
【0035】
次に、この船舶用減揺装置100の使用例について説明する。
船舶Sを操船して目的のポイントまで航行する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、水収容タンク10は空の状態にしておく。
そして、船舶Sが目的のポイントに到達し、その船舶Sのスクリュープロペラを停止して、例えば、魚釣りなどをする場合、海水や湖水を送水ポンプで汲み上げて、その水を水収容タンク10内に貯留した後、水流発生部50を作動させて水収容タンク10内の水を旋回させる。
【0036】
水収容タンク10内の水が旋回して遠心力が発生することで、その水収容タンク10がジャイロスタビライザーのフライホイールとして機能するようになるので、船舶用減揺装置100によって、その船舶用減揺装置100が設置されている船舶Sの揺れを低減することができる。
なお、満水となるように、水収容タンク10内に水を貯留することに限らず、例えば、タンク容量の半分以上の水を水収容タンク10内に貯留し、水没した状態の水流発生部50を作動させて、水流(旋回流)を発生させるようにすればよい。
水収容タンク10内に貯留する水量に応じて、フライホイールとしての水収容タンク10の重量を調整することができるので、波高や波周期などに対応させて水量を調整して、そのときの船舶Sの揺れを低減するのに適した船舶用減揺装置100として使用することができる。
【0037】
そして、魚釣りなどのポイントを変更する際や、魚釣りなどの目的を終えて帰港する際には、船舶用減揺装置100の重量を軽くするため、水収容タンク10内の水を排水し、水収容タンク10を空の状態にして航行するようにする。
【0038】
このように、本実施形態の船舶用減揺装置100は、フライホイールとして機能させる水収容タンク10の重量を水量で調整することができ、船舶Sを航行する際に船舶用減揺装置100の重量を軽くするために水収容タンク10を空にすることができるので、船舶Sの燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置100として好適に使用することができる。
特に、船舶用減揺装置100は、船舶Sに設置して使用する装置であるので、船舶Sを航行させる海や湖の水を汲み上げて水収容タンク10に給水したり、水収容タンク10に溜めた水を海や湖に排水したりすることを繰り返し行うことができ、任意のタイミングで水収容タンク10の重量を調整することができる。
【0039】
以上のように、本実施形態の船舶用減揺装置100であれば、フライホイールとして機能させる水収容タンク10の重量を水量で調整することができ、船舶Sを航行する際に船舶用減揺装置100の重量を軽くするために水収容タンク10を空にすることができるので、船舶Sの燃費効率を低下させ難い船舶用減揺装置100として好適に使用することができる。
また、樹脂材料製の水収容タンク10は、従来技術の金属製のフライホイールに比べて低コストで製造することができるので、船舶用減揺装置100の製造コストを抑えることができる。
【0040】
なお、以上の実施の形態においては、水収容タンク10に海水や湖水を貯留するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、予め用意しておいた雨水やその他の水や液体であってもよい。
【0041】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0042】
10 水収容タンク
10a 突片
11 タンク軸(所定の軸)
11a 蓋部材
12 通水管
20 ジンバル
21 ジンバル軸
30 支持部
40 駆動部
50 水流発生部
100 船舶用減揺装置
S 船舶
W 水
【手続補正書】
【提出日】2021-01-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、船舶用減揺装置であって、
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の船舶用減揺装置において、
前記平板状の突片は、前記所定の軸を中心にして平面視略十字状に配設されていることを特徴とする。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】削除
【補正の内容】
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0011】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置において、
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする。
【手続補正7】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が設けられていることを特徴とする船舶用減揺装置。
【請求項2】
前記平板状の突片は、前記所定の軸を中心にして平面視略十字状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用減揺装置。
【請求項3】
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶用減揺装置。
【請求項4】
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。
【手続補正書】
【提出日】2021-05-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、船舶用減揺装置であって、
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が、前記水収容タンクの外周側の内壁面から離間した配置に前記水収容タンクの底面から立設された態様で設けられていることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂材料によって形成されており、給排水可能な水収容タンクと、
前記水収容タンクを所定の軸を軸心に回転可能に支持するジンバルと、
前記ジンバルを前記所定の軸と交差する向きのジンバル軸を介して揺動可能に支持する支持部と、
前記水収容タンク内に水が貯留された状態で、前記水収容タンクを回転させる駆動部と、
を備え、
前記水収容タンク内には、前記水収容タンクの回転方向と交差する平面を有する平板状の突片が、前記水収容タンクの外周側の内壁面から離間した配置に前記水収容タンクの底面から立設された態様で設けられていることを特徴とする船舶用減揺装置。
【請求項2】
前記平板状の突片は、前記所定の軸を中心にして平面視略十字状に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の船舶用減揺装置。
【請求項3】
前記水収容タンクは、平面視円盤状又は円環状を呈するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の船舶用減揺装置。
【請求項4】
前記水収容タンクは、その内部に貯留される水の量を調整可能に構成されていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の船舶用減揺装置。