(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052057
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】半導体装置及び半導体記憶装置
(51)【国際特許分類】
H01L 27/11524 20170101AFI20220328BHJP
H01L 27/11521 20170101ALI20220328BHJP
H01L 27/11551 20170101ALI20220328BHJP
H01L 21/336 20060101ALI20220328BHJP
H01L 21/8234 20060101ALI20220328BHJP
H01L 27/088 20060101ALI20220328BHJP
H01L 29/786 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H01L27/11524
H01L27/11521
H01L27/11551
H01L29/78 371
H01L27/088 A
H01L27/088 B
H01L27/088 C
H01L27/088 E
H01L27/088 331E
H01L29/78 617N
H01L29/78 613B
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158213
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】318010018
【氏名又は名称】キオクシア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119035
【弁理士】
【氏名又は名称】池上 徹真
(74)【代理人】
【識別番号】100141036
【弁理士】
【氏名又は名称】須藤 章
(74)【代理人】
【識別番号】100178984
【弁理士】
【氏名又は名称】高下 雅弘
(72)【発明者】
【氏名】内藤 慎哉
(72)【発明者】
【氏名】細谷 啓司
【テーマコード(参考)】
5F048
5F083
5F101
5F110
【Fターム(参考)】
5F048AA01
5F048AA07
5F048AB01
5F048AC01
5F048BA01
5F048BA19
5F048BA20
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5F048BC18
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5F048CB01
5F083EP02
5F083EP22
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5F083EP34
5F083EP76
5F083ER22
5F083GA06
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5F083JA39
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5F083KA01
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5F083LA12
5F083LA16
5F101BA02
5F101BB02
5F101BD13
5F101BD22
5F101BD30
5F101BD34
5F110AA04
5F110BB05
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5F110EE04
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5F110FF02
5F110FF13
5F110FF29
5F110GG02
5F110GG13
5F110GG23
5F110HK04
5F110HK34
5F110HM12
5F110NN02
5F110NN23
(57)【要約】 (修正有)
【課題】微細化が可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、第1のゲート電極11と、第2のゲート電極12と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層10と、第1のゲート電極と半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層21と、第2のゲート電極と半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層22と、半導体層に接する第1の領域31aを有し、第1の領域と第1のゲート電極は第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層31と、半導体層に接する第2の領域32aを有し、第2の領域と第2のゲート電極は第1の方向に沿って設けられ、第1の絶縁層との間に半導体層が設けられた第2の絶縁層32と、を備える。第1の領域と半導体層の界面の延長線が、第1のゲート電極の中の部分と交差する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のゲート電極と、
第2のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層と、
前記第1のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、
前記半導体層に接する第1の領域を有し、前記第1の領域と前記第1のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、
前記半導体層に接する第2の領域を有し、前記第2の領域と前記第2のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記半導体層が設けられた第2の絶縁層と、
を備え、
前記第1の領域と前記半導体層の界面の延長線が、前記第1のゲート電極の中の部分と交差する、半導体装置。
【請求項2】
前記第1のゲート電極は、前記第1の領域の側の端部の前記半導体層の側に、前記第1の方向に延びる突起部を有する請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記第1のゲート絶縁層と前記第2のゲート絶縁層との間に設けられ、前記半導体層と電気的に接続された第1の電極と、
前記第1のゲート電極の前記第1の領域の側の端部よりも前記第1の電極からの距離が遠く、前記半導体層と電気的に接続された第2の電極と、
を更に備える請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1のゲート電極との間に前記第1の領域が設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第3のゲート絶縁層と、
を更に備える請求項1記載の半導体装置。
【請求項5】
前記延長線と、前記半導体層と前記第1のゲート絶縁層の界面との間の距離は、5nm以上20nm以下である請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1のゲート絶縁層の前記第1のゲート電極から前記第2のゲート電極に向かう方向の厚さは、3nm以上10nm以下である請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第2の領域と前記半導体層の界面の延長線が、前記第2のゲート電極の中の部分と交差する請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極は電気的に接続された請求項1記載の半導体装置。
【請求項9】
前記半導体層は多結晶シリコンである請求項1記載の半導体装置。
【請求項10】
第1のゲート電極と、
第2のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層と、
前記第1のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、
前記半導体層に接する第1の領域を有し、前記第1の領域と前記第1のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、
前記半導体層に接する第2の領域を有し、前記第2の領域と前記第2のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記半導体層が設けられた第2の絶縁層と、
前記第1の領域と前記半導体層の界面の延長線が、前記第1のゲート絶縁層の中の部分と交差し、
前記第1のゲート電極から前記第2のゲート電極に向かう方向において、前記延長線と、前記半導体層と前記第1のゲート絶縁層の界面との間の距離は、前記延長線と、前記第1の絶縁層と前記第1のゲート電極の界面との間の距離よりも大きい、半導体装置。
【請求項11】
前記第1のゲート絶縁層と前記第2のゲート絶縁層との間に設けられ、前記半導体層と電気的に接続された第1の電極と、
前記第1のゲート電極の前記第1の領域の側の端部よりも前記第1の電極からの距離が遠く、前記半導体層と電気的に接続された第2の電極と、
を更に備える請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記第1のゲート電極との間に前記第1の領域が設けられた第3のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第3のゲート絶縁層と、
を更に備える請求項10記載の半導体装置。
【請求項13】
前記第1のゲート電極から前記第2のゲート電極に向かう方向において、前記延長線と、前記半導体層と前記第1のゲート絶縁層の界面との間の距離は、5nm以上20nm以下である請求項10記載の半導体装置。
【請求項14】
前記第1のゲート絶縁層の前記第1のゲート電極から前記第2のゲート電極に向かう方向の厚さは、3nm以上10nm以下である請求項10記載の半導体装置。
【請求項15】
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極は電気的に接続された請求項10記載の半導体装置。
【請求項16】
第1のゲート電極と、
第2のゲート電極と、
前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる第1の半導体層と、
前記第1のゲート電極と前記第1の半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、
前記第2のゲート電極と前記第1の半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、
前記第1の半導体層に接する第1の領域を有し、前記第1の領域と前記第1のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、
前記第1の半導体層に接する第2の領域を有し、前記第2の領域と前記第2のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記第1の半導体層が設けられた第2の絶縁層と、
前記第1のゲート電極との間に前記第1の領域が設けられた制御電極層と、
前記制御電極層と前記第1の半導体層との間に設けられた電荷蓄積層と、
を備え、
前記第1の領域と前記第1の半導体層の界面の延長線が、前記第1のゲート電極の中の部分と交差する、半導体記憶装置。
【請求項17】
半導体基板を、更に備え、
前記第1の方向は前記半導体基板の表面に平行である請求項16記載の半導体記憶装置。
【請求項18】
前記制御電極層は、前記表面に垂直な方向に延びる請求項17記載の半導体記憶装置。
【請求項19】
前記第1のゲート絶縁層と前記第2のゲート絶縁層との間に設けられ、前記第1の半導体層と電気的に接続された第1の導電層を、更に備える請求項16記載の半導体記憶装置。
【請求項20】
第3のゲート電極と、
第4のゲート電極と、
前記第3のゲート電極と前記第4のゲート電極との間に設けられ、前記第1の方向に延び、前記第1の半導体層との間に前記第2の絶縁層が設けられた第2の半導体層と、
前記第3のゲート電極と前記第2の半導体層との間に設けられた第3のゲート絶縁層と、
前記第4のゲート電極と前記第2の半導体層との間に設けられた第4のゲート絶縁層と、
前記第3のゲート絶縁層と前記第4のゲート絶縁層との間に設けられ、前記第2の半導体層と電気的に接続された第2の導電層と、
を更に備え、
前記第2の絶縁層は、前記第2の半導体層に接する第3の領域を有し、前記第3の領域と前記第3のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられ、
前記第1の導電層と前記第1のゲート電極の前記第1の領域の側の端部との距離は、前記第2の導電層と前記第3のゲート電極の前記第3の領域の側の端部との距離よりも小さい請求項19記載の半導体記憶装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、半導体装置及び半導体記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリセルを3次元的に配置した3次元NANDフラッシュメモリは、高い集積度と低いコストを実現する。3次元NANDフラッシュメモリのメモリセルを微細化することで、更に集積度を高くすることが可能である。
【0003】
3次元NANDフラッシュメモリの集積度を更に高くするためには、メモリセルの読み出し又は書き込みの際に、メモリセルを選択するために用いられる選択トランジスタの微細化も要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、微細化が可能な半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の半導体記憶装置は、第1のゲート電極と、第2のゲート電極と、前記第1のゲート電極と前記第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層と、前記第1のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、前記第2のゲート電極と前記半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、前記半導体層に接する第1の領域を有し、前記第1の領域と前記第1のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、前記半導体層に接する第2の領域を有し、前記第2の領域と前記第2のゲート電極は前記第1の方向に沿って設けられ、前記第1の絶縁層との間に前記半導体層が設けられた第2の絶縁層と、を備え、前記第1の領域と前記半導体層の界面の延長線が、前記第1のゲート電極の中の部分と交差する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図3】第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図4】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図5】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図6】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図7】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図8】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図9】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図10】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図11】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図12】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図13】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図14】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図15】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図16】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図17】第1の実施形態の半導体装置の製造方法を示す模式断面図。
【
図20】第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図。
【
図21】第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの等価回路図。
【
図22】第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの模式断面図。
【
図23】第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの模式断面図。
【
図24】第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの模式断面図。
【
図25】第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの模式断面図。
【
図26】第3の実施形態の半導体記憶装置の拡大模式断面図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明では、同一又は類似の部材などには同一の符号を付し、一度説明した部材などについては適宜その説明を省略する。
【0009】
また、本明細書中、便宜上「上」、又は、「下」という用語を用いる場合がある。「上」、又は、「下」とは、例えば、図面内での相対的位置関係を示す用語である。「上」、又は、「下」という用語は、必ずしも、重力に対する位置関係を規定する用語ではない。
【0010】
本明細書中の半導体装置又は半導体記憶装置を構成する部材の化学組成の定性分析及び定量分析は、例えば、二次イオン質量分析法(Secondary Ion Mass Spectrometry:SIMS)、エネルギー分散型X線分光法(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy:EDX)により行うことが可能である。また、半導体装置又は半導体記憶装置を構成する部材の厚さ、部材間の距離等の測定には、例えば、透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いることが可能である。
【0011】
本明細書中、「金属」は、金属単体のみならず、金属化合物等、金属元素を含み金属的性質を有する材料を含む概念である。例えば、金属シリサイド及び金属窒化物も「金属」に含まれる。
【0012】
(第1の実施形態)
第1の実施形態の半導体装置は、第1のゲート電極と、第2のゲート電極と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層と、第1のゲート電極と半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、第2のゲート電極と半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、半導体層に接する第1の領域を有し、第1の領域と第1のゲート電極は第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、半導体層に接する第2の領域を有し、第2の領域と第2のゲート電極は第1の方向に沿って設けられ、第1の絶縁層との間に半導体層が設けられた第2の絶縁層と、を備え、第1の領域と半導体層の界面の延長線が、第1のゲート電極の中の部分と交差する。
【0013】
第1の実施形態の半導体装置は、Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor(MOSFET)である。第1の実施形態の半導体装置は、チャネル層を挟んで両側にゲート電極が設けられるダブルゲート構造のMOSFET100である。第1の実施形態のMOSFET100は、例えば、3次元NANDフラッシュメモリの選択ゲートトランジスタに適用することが可能である。
【0014】
図1(a)、
図1(b)、
図1(c)は、第1の実施形態の半導体装置の模式断面図である。
図1(a)、
図1(b)、
図1(c)は、第1の実施形態のMOSFET100の断面図である。
【0015】
図1(a)は、
図1(b)のCC’断面である。
図1(b)は、
図1(a)のAA’断面である。
図1(c)は、
図1(a)のBB’断面である。
【0016】
図1(a)は、MOSFET100のxy断面である。
図1(b)は、MOSFET100のxz断面である。
図1(c)は、MOSFET100のyz断面である。
【0017】
以下、x方向は、第1の方向の一例である。y方向は、第2の方向の一例である。z方向は、第3の方向の一例である。なお、本明細書中、単に、x方向という場合、正のx方向及び負のx方向の両方向を含む。y方向及びz方向についても、x方向の場合と同様である。
【0018】
MOSFET100は、半導体層10、第1のゲート電極11、第2のゲート電極12、第3のゲート電極13、第4のゲート電極14、第1のゲート絶縁層21、第2のゲート絶縁層22、第3のゲート絶縁層23、第4のゲート絶縁層24、ソース電極26、ドレイン電極28、第1の層間絶縁層31、第2の層間絶縁層32、第3の層間絶縁層33、及び第4の層間絶縁層34を備える。第1の層間絶縁層31は、第1の領域31aを有する。第2の層間絶縁層32は第2の領域32aを有する。
【0019】
ソース電極26は、第2の電極の一例である。ドレイン電極28は、第1の電極の一例である。第1の層間絶縁層31は、第1の絶縁層の一例である。第2の層間絶縁層32は、第2の絶縁層の一例である。
【0020】
半導体層10は、第1のゲート電極11と第2のゲート電極12との間に設けられる。半導体層10は、x方向に延びる。半導体層10は、MOSFET100のチャネル層として機能する。
【0021】
半導体層10は、例えば、多結晶の半導体である。半導体層10は、例えば、多結晶シリコンを含む。半導体層10は、例えば、多結晶シリコン層である。
【0022】
半導体層10は、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。半導体層10のp型不純部物濃度は、例えば、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下である。
【0023】
半導体層10の第1のゲート電極11と第2のゲート電極12に挟まれた領域のy方向の幅(
図1(a)中のW1)は、半導体層10が第1の層間絶縁層31と接する部分と、半導体層10が第2の層間絶縁層32と接する部分に挟まれた領域のy方向の幅(
図1(a)中のW2)よりも小さい。
【0024】
幅W1は幅W2の、例えば、4分の3以下である。幅W1は、例えば、10nm以上50nm以下である。幅W2は、例えば、20nm以上100nm以下である。
【0025】
半導体層10のz方向の厚さは、例えば、5nm以上30nm以下である。
【0026】
第1のゲート電極11は、導電体である。第1のゲート電極11は、例えば、多結晶シリコンを含む。第1のゲート電極11は、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。第1のゲート電極11は、例えば、n型不純物を含むn型の多結晶シリコンである。n型不純物は、例えば、ヒ素(As)又はリン(P)である。
【0027】
第2のゲート電極12は、導電体である。第2のゲート電極12は、例えば、多結晶シリコンを含む。第2のゲート電極12は、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。第2のゲート電極12は、例えば、n型不純物を含むn型の多結晶シリコンである。n型不純物は、例えば、ヒ素(As)又はリン(P)である。
【0028】
第1のゲート電極11と第2のゲート電極12は、電気的に接続される。
【0029】
第3のゲート電極13は、第1のゲート電極11のx方向に設けられる。第3のゲート電極13と第1のゲート電極11との間に、第1の層間絶縁層31の第1の領域31aが設けられる。
【0030】
第3のゲート電極13は、対向する半導体層10にn型の反転層を形成する機能を有する。半導体層10に形成されるn型の反転層は、MOSFET100のソース領域として機能する。
【0031】
なお、第3のゲート電極13を設けず、半導体層10にn型不純物を導入して、n型のソース領域を設ける構造とすることも可能である。
【0032】
第3のゲート電極13は、導電体である。第3のゲート電極13は、例えば、金属又は半導体である。第3のゲート電極13は、例えば、タングステン(W)を含む。
【0033】
第4のゲート電極14は、第2のゲート電極12のx方向に設けられる。第4のゲート電極14と第2のゲート電極12との間に、第2の層間絶縁層32の第2の領域32aが設けられる。第3のゲート電極13と第4のゲート電極14との間に、半導体層10が設けられる。
【0034】
第4のゲート電極14は、対向する半導体層10にn型の反転層を形成する機能を有する。半導体層10に形成されるn型の反転層は、MOSFET100のソース領域として機能する。
【0035】
なお、第4のゲート電極14を設けず、半導体層10にn型不純物を導入して、n型のソース領域を設ける構造とすることも可能である。
【0036】
第4のゲート電極14は、導電体である。第4のゲート電極14は、例えば、金属又は半導体である。第4のゲート電極14は、例えば、タングステン(W)を含む。
【0037】
第1のゲート絶縁層21は、第1のゲート電極11と半導体層10との間に設けられる。第1のゲート絶縁層21は、半導体層10に接する。
【0038】
第1のゲート絶縁層21は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第1のゲート絶縁層21は、例えば、酸化シリコンを含む。第1のゲート絶縁層21は、例えば、酸化シリコン層である。第1のゲート絶縁層21のy方向の厚さは、例えば、3nm以上10nm以下である。
【0039】
第2のゲート絶縁層22は、第2のゲート電極12と半導体層10との間に設けられる。第2のゲート絶縁層22は、半導体層10に接する。
【0040】
第2のゲート絶縁層22は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第2のゲート絶縁層22は、例えば、酸化シリコンを含む。第2のゲート絶縁層22は、例えば、酸化シリコン層である。第2のゲート絶縁層22のy方向の厚さは、例えば、3nm以上10nm以下である。
【0041】
第3のゲート絶縁層23は、第3のゲート電極13と半導体層10との間に設けられる。第3のゲート絶縁層23は、半導体層10に接する。
【0042】
第3のゲート絶縁層23は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第3のゲート絶縁層23は、酸化シリコンを含む。第3のゲート絶縁層23は、酸化シリコン層である。第3のゲート絶縁層23のy方向の厚さは、例えば、3nm以上10nm以下である。
【0043】
第4のゲート絶縁層24は、第4のゲート電極14と半導体層10との間に設けられる。第4のゲート絶縁層24は、半導体層10に接する。
【0044】
第4のゲート絶縁層24は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第4のゲート絶縁層24は、例えば、酸化シリコンを含む。第4のゲート絶縁層24は、例えば、酸化シリコン層である。第4のゲート絶縁層24のy方向の厚さは、例えば、3nm以上10nm以下である。
【0045】
ソース電極26は、ドレイン電極28のx方向に設けられる。ソース電極26は、第1のゲート電極11のx方向の端部よりもドレイン電極28からの距離が遠い。
【0046】
ソース電極26は、z方向に延びる。ソース電極26は、半導体層10に囲まれる。ソース電極26は、半導体層10に電気的に接続される。ソース電極26は、半導体層10に接する。
【0047】
ソース電極26は、導電体である。ソース電極26は、例えば、金属である。ソース電極26は、例えば、タングステン(W)を含む。
【0048】
ドレイン電極28は、第1のゲート絶縁層21と第2のゲート絶縁層22との間に設けられる。ドレイン電極28は、z方向に延びる。ドレイン電極28は、半導体層10に囲まれる。ドレイン電極28は、半導体層10に電気的に接続される。ドレイン電極28は、半導体層10に接する。
【0049】
ドレイン電極28は、導電体である。ドレイン電極28は、例えば、金属である。ドレイン電極28は、例えば、タングステン(W)を含む。
【0050】
第1の層間絶縁層31は、第1の領域31aを有する。第1の領域31aと第1のゲート電極11は、x方向に沿って設けられる。第1の領域31aは、第1のゲート電極11のx方向に設けられる。第1の領域31aは、半導体層10に接する。
【0051】
第1の層間絶縁層31は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第1の層間絶縁層31は、例えば、酸化シリコンを含む。第1の層間絶縁層31は、例えば、酸化シリコン層である。
【0052】
第2の層間絶縁層32は、第2の領域32aを有する。第2の領域32aと第2のゲート電極12は、x方向に沿って設けられる。第2の領域32aは、第2のゲート電極12のx方向に設けられる。第2の領域32aは、半導体層10に接する。第1の層間絶縁層31と第2の層間絶縁層32との間に、半導体層10が設けられる。
【0053】
第2の層間絶縁層32は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第2の層間絶縁層32は、例えば、酸化シリコンを含む。第2の層間絶縁層32は、例えば、酸化シリコン層である。
【0054】
第3の層間絶縁層33は、半導体層10の上に設けられる。第3の層間絶縁層33は半導体層10のz方向に設けられる。第3の層間絶縁層33は、半導体層10に接する。
【0055】
第3の層間絶縁層33は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第3の層間絶縁層33は、例えば、酸化シリコンを含む。第3の層間絶縁層33は、例えば、酸化シリコン層である。
【0056】
第4の層間絶縁層34は、半導体層10の下に設けられる。半導体層10は、第4の層間絶縁層34のz方向に設けられる。半導体層10は、第3の層間絶縁層33と第4の層間絶縁層34との間に設けられる。第4の層間絶縁層34は、半導体層10に接する。
【0057】
第4の層間絶縁層34は、例えば、酸化物、窒化物、又は、酸窒化物である。第4の層間絶縁層34は、例えば、酸化シリコンを含む。第4の層間絶縁層34は、例えば、酸化シリコン層である。
【0058】
図2は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。
図2は、
図1の破線で囲まれた領域R1を示す。
図2は、第1のゲート電極11のx方向の端部近傍の拡大図である。
【0059】
図2に示すように、第1の領域31aと半導体層10の界面(
図2中のX1)の延長線(
図2中のL1)は、第1のゲート電極11の中の部分と交差する。言い換えれば、第1のゲート電極11と第1のゲート絶縁層21との界面(
図2中のX2)が、界面X1よりもy方向に第2のゲート電極12の側にある。
【0060】
界面X1の延長線L1と、半導体層10と第1のゲート絶縁層21の界面(
図2中のX3)との間の距離(
図2中のd)は、例えば、5nm以上20nm以下である。
【0061】
第1のゲート電極11は、第1の領域31aの側の端部の半導体層10の側に、x方向に延びる突起部11aを有する。突起部11aは、界面X1の延長線L1よりもy方向に第2のゲート電極12の側にある。
【0062】
図3は、第1の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。
図3は、
図1の破線で囲まれた領域R2を示す。
図3は、第2のゲート電極12のx方向の端部近傍の拡大図である。
【0063】
図3に示すように、第2の領域32aと半導体層10の界面(
図3中のY1)の延長線(
図3中のL2)は、第2のゲート電極12の中の部分と交差する。言い換えれば、第2のゲート電極12と第2のゲート絶縁層22の界面(
図3中のY2)が、界面Y1よりもy方向に第1のゲート電極11の側にある。
【0064】
界面Y1の延長線L2と、半導体層10と第2のゲート絶縁層22の界面(
図3中のY3)との間の距離(
図3中のd)は、例えば、5nm以上20nm以下である。
【0065】
第2のゲート電極12は、第2の領域32aの側の端部の半導体層10の側に、x方向に延びる突起部12aを有する。突起部12aは、界面Y1の延長線L2よりもy方向に第1のゲート電極11の側にある。
【0066】
次に、第1の実施形態の半導体装置の製造方法の一例について説明する。
【0067】
【0068】
最初に、図示しないシリコン基板の上に、酸化シリコン層51、多結晶シリコン層52、及び酸化シリコン層53を形成する(
図4(a)、
図4(b)、
図4(c))。酸化シリコン層51、多結晶シリコン層52、及び酸化シリコン層53は、例えば、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)により形成する。
【0069】
酸化シリコン層51の一部は、最終的に第4の層間絶縁層34となる。多結晶シリコン層52の一部は、半導体層10となる。酸化シリコン層53の一部は、最終的に第3の層間絶縁層33となる。
【0070】
次に、酸化シリコン層51、多結晶シリコン層52、及び酸化シリコン層53をパターニングする(
図5(a)、
図5(b)、
図5(c))。酸化シリコン層51、多結晶シリコン層52、及び酸化シリコン層53のパターニングは、例えば、リソグラフィ法とReactive Ion Etching法(RIE法)により行う。
【0071】
次に、多結晶シリコン層52を選択的にエッチングして、酸化シリコン層51及び酸化シリコン層53に対してy方向に後退させる(
図6(a)、
図6(b)、
図6(c))。多結晶シリコン層52のエッチングは、例えば、ウェットエッチング法により行う。
【0072】
次に、酸化シリコン層54を形成する(
図7(a)、
図7(b)、
図7(c))。酸化シリコン層54は、例えば、CVD法により形成される。酸化シリコン層54の一部は、最終的に第1の層間絶縁層31及び第2の層間絶縁層32となる。
【0073】
次に、酸化シリコン層54にホール55を開孔する(
図8(a)、
図8(b)、
図8(c))。ホール55は、例えば、リソグラフィ法とRIE法により形成される。
【0074】
次に、ホール55の中に、酸化シリコン層56及びタングステン層57を形成する(
図9(a)、
図9(b)、
図9(c))。酸化シリコン層56及びタングステン層57は、例えば、CVD法により形成する。酸化シリコン層56は、最終的に、第3のゲート絶縁層23及び第4のゲート絶縁層24となる。また、タングステン層57は、最終的に、第3のゲート電極13及び第4のゲート電極14となる。
【0075】
次に、酸化シリコン層54の一部を除去する(
図10(a)、
図10(b)、
図10(c))。酸化シリコン層54の一部の除去には、例えば、リソグラフィ法とRIE法を用いる。
【0076】
次に、多結晶シリコン層52を選択的にエッチングして、酸化シリコン層51及び酸化シリコン層53に対してy方向に後退させる(
図11(a)、
図11(b)、
図11(c))。多結晶シリコン層52のエッチングは、例えば、ウェットエッチング法により行う。
【0077】
次に、多結晶シリコン層52の上に、酸化シリコン層58を形成する(
図12(a)、
図12(b)、
図12(c))。酸化シリコン層58は、例えば、多結晶シリコン層52を熱酸化することにより形成する。酸化シリコン層58は、最終的に、第1のゲート絶縁層21及び第2のゲート絶縁層22となる。
【0078】
次に、多結晶シリコン層59を形成する(
図13(a)、
図13(b)、
図13(c))。多結晶シリコン層59は、例えば、CVD法により形成する。多結晶シリコン層59の一部は、最終的に第1のゲート電極11及び第2のゲート電極12となる。
【0079】
次に、多結晶シリコン層59をエッチングにより削ぎ落し、多結晶シリコン層59の一部が、酸化シリコン層51と酸化シリコン層53との間に挟まれた領域に残存するようにする(
図14(a)、
図14(b)、
図14(c))。
【0080】
次に、酸化シリコン層60を形成する(
図15(a)、
図15(b)、
図15(c))。酸化シリコン層60は、例えば、CVD法により形成する。酸化シリコン層60は、最終的に、第1の層間絶縁層31及び第2の層間絶縁層32の一部となる。
【0081】
次に、多結晶シリコン層52にホール61を形成する(
図16(a)、
図16(b)、
図16(c))。ホール61は、酸化シリコン層51、多結晶シリコン層52、及び酸化シリコン層53を貫通する。ホール61は、例えば、リソグラフィ法とRIE法を用いて形成される。
【0082】
次に、ホール61の中に、タングステン層62を形成する(
図17(a)、
図17(b)、
図17(c))。タングステン層62は、例えば、CVD法により形成する。タングステン層62は、最終的に、ソース電極26及びドレイン電極28となる。
【0083】
以上の製造方法により、第1の実施形態のMOSFET100が製造される。
【0084】
次に、第1の実施形態の半導体記憶装置の作用及び効果について説明する。
【0085】
図18は、比較例の半導体装置の模式断面図である。
図18は、比較例のMOSFET900の断面図である。比較例のMOSFET900は、第1の領域31aと半導体層10との界面の延長線は、第1のゲート電極11と交差しない点で、第1の実施形態のMOSFET100と異なる。
【0086】
【0087】
図19は、比較例の半導体装置の拡大模式断面図である。
図19は、
図18の破線で囲まれた領域R3を示す。
図19は、第1のゲート電極11のx方向の端部近傍の拡大図である。
【0088】
図19に示すように、第1の領域31aと半導体層10の界面(
図19中のX1)の延長線(
図19中のL3)は、第1のゲート電極11と交差しない。言い換えれば、第1のゲート電極11と第1のゲート絶縁層21の界面(
図19中のX2)が、界面X1よりもy方向に第2のゲート電極12と反対の側にある。界面X1の延長線L3は、例えば、半導体層10と第1のゲート絶縁層21の界面(
図19中のX3)と一致する。
【0089】
比較例のMOSFET900が微細化され、ゲート長(
図18中のLg)が短くなると、ショートチャネル効果による閾値電圧の低下が顕在化してくる。MOSFETを微細化するためには、ショートチャネル効果の抑制が望まれる。
【0090】
比較例のMOSFET900では、第1のゲート電極11の第1の層間絶縁層31側の端部でのリーク電流がショートチャネル効果の発現の主要因であることが、発明者によるシミュレーションの結果明らかになった。具体的には、MOSFET900のオフ時に、第1のゲート電極11の端部のy方向に深い位置(
図19中のP)から、界面X3に向かって流れるリーク電流パス(
図19中の白矢印)が、ショートチャネル効果を顕在化させていることが明らかになった。
【0091】
第1の実施形態のMOSFET100は、
図2に示すように、第1のゲート電極11が、界面X1よりもy方向に深い位置に形成されている。言い換えれば、第1のゲート電極11の端部が、半導体層10の深い位置に入り込んでいる。この構造により、比較例のMOSFET900に対して、ショートチャネル効果が抑制される。したがって、比較例のMOSFET900よりもゲート長が短くできる。よって、比較例のMOSFET900と比較して、第1の実施形態のMOSFET100は微細化が可能となる。
【0092】
MOSFET100では、第1のゲート電極11による半導体層10の電位に対する支配力が、第1のゲート電極11の端部近傍で向上する。このため、第1のゲート電極11の端部近傍のリーク電流パスの出現が抑制される。特に、第1のゲート電極11が突起部11aを備えることで、第1のゲート電極11による半導体層10の電位に対する支配力が向上し、リーク電流パスの出現が抑制される。
【0093】
また、MOSFET100では、半導体層10の第1のゲート電極11と第2のゲート電極12に挟まれた領域のy方向の幅W1が、半導体層10が第1の層間絶縁層31と接する第1の領域31a、半導体層10が第2の層間絶縁層32と接する第2の領域32aに挟まれた領域のy方向の幅W2よりも小さい。幅W1が小さくなることで、第1のゲート電極11及び第2のゲート電極12による半導体層10の電位に対する支配力が向上する。したがって、ショートチャネル効果が抑制され、第1の実施形態のMOSFET100の微細化が可能となる。
【0094】
界面X1の延長線L1と、半導体層10と第1のゲート絶縁層21の界面X3との間の距離dは、5nm以上20nm以下であることが好ましい。上記下限値を上回ることで、ショートチャネル効果が更に抑制される。また、上記上限値を下回ることで、第1のゲート電極11と第2のゲート電極12との間の半導体層10の幅が十分に確保でき、高いオン電流が実現できる。
【0095】
第1のゲート絶縁層21及び第2のゲート絶縁層22のy方向の厚さは、3nm以上10nm以下であることが好ましい。上記下限値を上回ることで、第1のゲート絶縁層21及び第2のゲート絶縁層22の信頼性が向上する。また、上記上限値を下回ることで、第1のゲート電極11及び第2のゲート電極12による半導体層10の電位に対する支配力が向上する。
【0096】
以上、第1の実施形態によれば、ショートチャネル効果が抑制され、微細化が可能なMOSFETが実現できる。
【0097】
(第2の実施形態)
第2の実施形態の半導体装置は、第1のゲート電極と、第2のゲート電極と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる半導体層と、第1のゲート電極と半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、第2のゲート電極と半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、半導体層に接する第1の領域を有し、第1の領域と第1のゲート電極は第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、半導体層に接する第2の領域を有し、第2の領域と第2のゲート電極は第1の方向に沿って設けられ、第1の絶縁層との間に半導体層が設けられた第2の絶縁層と、を備え、第1の領域と半導体層の界面の延長線が、第1のゲート電極の中の部分と交差する。第2の実施形態の半導体装置は、第1の領域と半導体層の界面の延長線が、第1のゲート電極の中の部分と交差する点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0098】
第2の実施形態の半導体装置は、MOSFETである。第2の実施形態の半導体装置は、チャネル層を挟んで両側にゲート電極が設けられるダブルゲート構造のMOSFET200である。第2の実施形態のMOSFET200は、例えば、3次元NANDフラッシュメモリの選択ゲートトランジスタに適用することが可能である。
【0099】
図20は、第2の実施形態の半導体装置の拡大模式断面図である。
図20は、第1の実施形態の
図2に対応する図である。
【0100】
図20に示すように、第1の領域31aと半導体層10の界面(
図20中のX1)の延長線(
図20中のL4)は、第1のゲート絶縁層21の中の部分と交差する。第1のゲート電極11と第1のゲート絶縁層21との界面(
図20中のX2)が、界面X1よりもy方向に第2のゲート電極12と反対側にある。また、半導体層10と第1のゲート絶縁層21の界面(
図20中のX3)は、界面X1よりもy方向に第2のゲート電極12の側にある。
【0101】
延長線L4と、半導体層10と第1のゲート絶縁層21の界面X3との間の距離(
図20中のd1)は、延長線L4と、第1のゲート絶縁層21と第1のゲート電極11の界面X2の間の距離(
図20中のd2)よりも大きい。
【0102】
第2の実施形態のMOSFET200は、
図20に示すように、第1のゲート絶縁層21が、界面X1よりもy方向に深い位置に形成されている。言い換えれば、第1のゲート絶縁層21の端部が、半導体層10の深い位置に入り込んでいる。この構造により、比較例のMOSFET900に対して、ショートチャネル効果が抑制される。したがって、比較例のMOSFET900よりもゲート長が短くできる。よって、比較例のMOSFET900と比較して、第2の実施形態のMOSFET200は微細化が可能となる。
【0103】
MOSFET200では、第1のゲート電極11による半導体層10の電位に対する支配力が、第1のゲート電極11の端部近傍で向上する。このため、第1のゲート電極11の端部近傍のリーク電流パスの出現が抑制される。
【0104】
以上、第2の実施形態によれば、ショートチャネル効果が抑制され、微細化が可能なMOSFETが実現できる。
【0105】
(第3の実施形態)
第3の実施形態の半導体記憶装置は、第1のゲート電極と、第2のゲート電極と、第1のゲート電極と第2のゲート電極との間に設けられ、第1の方向に延びる第1の半導体層と、第1のゲート電極と第1の半導体層との間に設けられた第1のゲート絶縁層と、第2のゲート電極と第1の半導体層との間に設けられた第2のゲート絶縁層と、第1の半導体層に接する第1の領域を有し、第1の領域と第1のゲート電極は第1の方向に沿って設けられた第1の絶縁層と、第1の半導体層に接する第2の領域を有し、第2の領域と第2のゲート電極は第1の方向に沿って設けられ、第1の絶縁層との間に第1の半導体層が設けられた第2の絶縁層と、第1のゲート電極との間に第1の領域が設けられた制御電極層と、制御電極層と第1の半導体層との間に設けられた電荷蓄積層と、を備え、第1の領域と第1の半導体層の界面の延長線が、第1のゲート電極の中の部分と交差する。第3の実施形態の半導体記憶装置は、第1の実施形態の半導体装置を備えた半導体記憶装置である点で、第1の実施形態の半導体装置と異なる。以下、第1の実施形態と重複する内容については、一部記述を省略する場合がある。
【0106】
第3の実施形態の半導体記憶装置は、3次元NANDフラッシュメモリである。第3の実施形態の半導体記憶装置は、半導体基板の表面に平行な方向に延びる複数の半導体層が、半導体基板の上に絶縁層を間に挟んで積層される。半導体基板の表面に垂直な方向に延びる制御電極層と半導体層との交差部にメモリセルが形成される。
【0107】
図21は、第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの等価回路図である。第3の実施形態の半導体記憶装置は、3次元NANDフラッシュメモリである。
【0108】
第3の実施形態のフラッシュメモリ300のメモリセルアレイは、
図21に示すように複数のワード線WL、共通ソース線CSL、複数のソース選択ゲート線SGS、複数のドレイン選択ゲート線SGD、複数のビット線BL、及び、複数のメモリストリングMSを備える。
【0109】
複数のワード線WLが、互いに離間してx方向に配置される。複数のメモリストリングMSは、x方向に延びる。複数のビット線BLは、例えば、z方向に延びる。
【0110】
図21に示すように、メモリストリングMSは、共通ソース線CSLとビット線BLとの間に直列接続されたソース選択ゲートトランジスタSST、複数のメモリセルMC、及びドレイン選択ゲートトランジスタSDTを備える。1本のビット線BLと1本のドレイン選択ゲート線SGDを選択することにより1本のメモリストリングMSが選択され、1個のワード線WLを選択することにより1個のメモリセルMCが選択可能となる。
【0111】
第3の実施形態のフラッシュメモリ300は、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTが第1の実施形態のMOSFET100と同様の構造を備える。
【0112】
なお、
図21では、メモリストリングMSが4本の場合、1本のメモリストリングMSの中のメモリセルMCの数が5個の場合を例示しているが、メモリストリングMSやメモリセルMCの数は上記の数に限定されるものではない。
【0113】
第3の実施形態のフラッシュメモリ300は、例えば、図示しない周辺回路を含む。周辺回路は、例えば、CMOS回路で構成され、メモリセルアレイの動作を制御する機能を備える。
【0114】
図22、
図23、
図24、及び
図25は、第3の実施形態の半導体記憶装置のメモリセルアレイの模式断面図である。
図22、
図23、
図24、及び
図25は、
図21のメモリセルアレイの中の、例えば点線で囲まれる一個のメモリストリングMSの中の複数のメモリセルとドレイン選択ゲートトランジスタSDTの断面を含む。
【0115】
【0116】
図22は、メモリセルアレイのxy断面図である。
図23は、メモリセルアレイのxz断面図である。
図24は、メモリセルアレイのyz断面図である。
図25は、メモリセルアレイのyz断面図である。
図22及び
図24中、破線で囲まれた領域が、1個のメモリセルである。
【0117】
以下、x方向は、第1の方向の一例である。y方向は、第2の方向の一例である。z方向は、第3の方向の一例である。なお、本明細書中、単に、x方向という場合、正のx方向及び負のx方向の両方向を含む。y方向及びz方向についても、x方向の場合と同様である。
【0118】
フラッシュメモリ300は、半導体基板70、基板絶縁層72、分離絶縁層74、チャネル層80ax、チャネル層80ay、チャネル層80bx、チャネル層80by、チャネル層80cx、チャネル層80cy、第1の選択ゲート電極81a、第1の選択ゲート電極81b、第2の選択ゲート電極82a、第2の選択ゲート電極82b、第3の選択ゲート電極83a、第3の選択ゲート電極83b、第4の選択ゲート電極84a、第4の選択ゲート電極84b、第5の選択ゲート電極85a、第5の選択ゲート電極85b、第6の選択ゲート電極86a、第6の選択ゲート電極86b、第1の選択ゲート絶縁層91a、第1の選択ゲート絶縁層91b、第2の選択ゲート絶縁層92a、第2の選択ゲート絶縁層92b、第3の選択ゲート絶縁層93a、第3の選択ゲート絶縁層93b、第4の選択ゲート絶縁層94a、第4の選択ゲート絶縁層94b、第5の選択ゲート絶縁層95a、第5の選択ゲート絶縁層95b、第6の選択ゲート絶縁層96a、第6の選択ゲート絶縁層96b、電荷蓄積層98、第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、第3の層間絶縁層99c、ワード線WL、第1のビット線BL1、第2のビット線BL2を備える。
【0119】
チャネル層80axは、第1の半導体層の一例である。チャネル層80ayは、第2の半導体層の一例である。第1の選択ゲート電極81aは、第1のゲート電極の一例である。第1の選択ゲート電極81bは、第2のゲート電極の一例である。第2の選択ゲート電極82aは、第3のゲート電極の一例である。第2の選択ゲート電極82bは、第4のゲート電極の一例である。第1の選択ゲート絶縁層91aは、第1のゲート絶縁層の一例である。第1の選択ゲート絶縁層91bは、第2のゲート絶縁層の一例である。第2の選択ゲート絶縁層92aは、第3のゲート絶縁層の一例である。第2の選択ゲート絶縁層92bは、第4のゲート絶縁層の一例である。第1の層間絶縁層99aは、第1の絶縁層の一例である。第2の層間絶縁層99bは、第2の絶縁層の一例である。ワード線WLは、制御電極層の一例である。第1のビット線BL1は、第1の導電層の一例である。第2のビット線BL2は、第2の導電層の一例である。
【0120】
以下、説明を簡便にするために、チャネル層80ax、チャネル層80ay、チャネル層80bx、チャネル層80by、チャネル層80cx、及びチャネル層80cyを総称して、単に、チャネル層80と称する場合がある。
【0121】
半導体基板70は、例えば、単結晶シリコンである。半導体基板70は、例えば、シリコン基板である。半導体基板70は、x方向及びy方向に平行な表面を有する。半導体基板70の表面に垂直な方向は、z方向である。
【0122】
基板絶縁層72は、半導体基板70の上に設けられる。基板絶縁層72は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。基板絶縁層72は、例えば、酸化シリコンを含む。基板絶縁層72は、例えば、酸化シリコン層である。
【0123】
分離絶縁層74と、チャネル層80は、基板絶縁層72の上に交互に積層される。
【0124】
分離絶縁層74は、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。層間絶縁層16は、例えば、酸化シリコンを含む。分離絶縁層74は、例えば、酸化シリコン層である。分離絶縁層74は、隣り合うチャネル層80を電気的に分離する機能を有する。
【0125】
チャネル層80は、x方向に延びる。チャネル層80は、メモリセルMCのトランジスタのチャネルとして機能する。また、チャネル層80は、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTのチャネルとして機能する。
【0126】
チャネル層80は、例えば、多結晶の半導体である。チャネル層80は、例えば、多結晶シリコンを含む。チャネル層80は、例えば、多結晶シリコン層である。
【0127】
チャネル層80は、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。チャネル層80のp型不純部物濃度は、例えば、1×1017cm-3以上5×1018cm-3以下である。
【0128】
ワード線WLは、半導体基板70の表面に垂直なz方向に延びる。ワード線WLは、メモリセルMCのトランジスタの制御電極層として機能する。
【0129】
ワード線WLは、柱状の導電体である。ワード線WLは、例えば、金属である。ワード線WLは、例えば、タングステン(W)を含む。ワード線WLは、例えば、タングステン層である。
【0130】
第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、及び第3の層間絶縁層99cは、チャネル層80の間に設けられる。第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、及び第3の層間絶縁層99cは、ワード線WLの間に設けられる。
【0131】
第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、及び第3の層間絶縁層99cは、例えば、酸化物、窒化物、又は酸窒化物である。第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、及び第3の層間絶縁層99cは、例えば、酸化シリコンを含む。第1の層間絶縁層99a、第2の層間絶縁層99b、及び第3の層間絶縁層99cは、例えば、酸化シリコン層である。
【0132】
電荷蓄積層98は、ワード線WLとチャネル層80との間に設けられる。
【0133】
電荷蓄積層98は、電荷を蓄積する機能を有する。電荷は、例えば、電子である。電荷蓄積層98に蓄積される電荷の量に応じて、メモリセルトランジスタの閾値電圧が変化する。この閾値電圧の変化を利用することで、1個のメモリセルMCがデータを記憶することが可能となる。電荷蓄積層98に蓄積される電荷の量が多くなると、閾値電圧の変化量が大きくなる。
【0134】
例えば、メモリセルトランジスタの閾値電圧が変化することで、メモリセルトランジスタがオンする電圧が変化する。例えば、閾値電圧が高い状態をデータ“0”、閾値電圧が低い状態をデータ“1”と定義すると、メモリセルMCは“0”と“1”の1ビットデータを記憶することが可能となる。
【0135】
電荷蓄積層98は、例えば、トンネル絶縁膜、電荷蓄積膜、及びブロック絶縁膜の積層構造を有する。トンネル絶縁膜は、例えば、酸化シリコン膜である。電荷蓄積膜は、例えば、多結晶シリコン膜である。ブロック絶縁膜は、例えば、酸化シリコン膜である。
【0136】
第1の選択ゲート電極81a、第1の選択ゲート電極81b、第2の選択ゲート電極82a、第2の選択ゲート電極82b、第3の選択ゲート電極83a、第3の選択ゲート電極83b、第4の選択ゲート電極84a、第4の選択ゲート電極84b、第5の選択ゲート電極85a、第5の選択ゲート電極85b、第6の選択ゲート電極86a、及び、第6の選択ゲート電極86bは、導電体である。
【0137】
第1の選択ゲート電極81a、第1の選択ゲート電極81b、第2の選択ゲート電極82a、第2の選択ゲート電極82b、第3の選択ゲート電極83a、第3の選択ゲート電極83b、第4の選択ゲート電極84a、第4の選択ゲート電極84b、第5の選択ゲート電極85a、第5の選択ゲート電極85b、第6の選択ゲート電極86a、及び、第6の選択ゲート電極86bは、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTのゲート電極として機能する。
【0138】
第1の選択ゲート絶縁層91a、第1の選択ゲート絶縁層91b、第2の選択ゲート絶縁層92a、第2の選択ゲート絶縁層92b、第3の選択ゲート絶縁層93a、第3の選択ゲート絶縁層93b、第4の選択ゲート絶縁層94a、第4の選択ゲート絶縁層94b、第5の選択ゲート絶縁層95a、第5の選択ゲート絶縁層95b、第6の選択ゲート絶縁層96a、第6の選択ゲート絶縁層96bは、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTのゲート絶縁層として機能する。
【0139】
第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、導電体である。第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、第1のドレイン選択ゲートトランジスタSDT1のゲート電極として機能する。
【0140】
第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、例えば、多結晶シリコンを含む。第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、例えば、n型不純物を含むn型の多結晶シリコンである。n型不純物は、例えば、ヒ素(As)又はリン(P)である。
【0141】
第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bは、電気的に接続される。
【0142】
チャネル層80axは、第1の選択ゲート電極81aと第1の選択ゲート電極81bとの間に設けられる。
【0143】
第1の選択ゲート絶縁層91aは、第1の選択ゲート電極81aとチャネル層80axとの間に設けられる。第1の選択ゲート絶縁層91bは、第1の選択ゲート電極81bとチャネル層80axとの間に設けられる。
【0144】
第1の層間絶縁層99aは、第1の領域99axを有する。第1の領域99axと第1の選択ゲート電極81aは、x方向に沿って設けられる。第1の領域99axは、第1の選択ゲート電極81aのx方向に設けられる。第1の領域99axは、チャネル層80axに接する。
【0145】
第2の層間絶縁層99bは、第2の領域99bxを有する。第2の領域99bxと第1の選択ゲート電極81bは、x方向に沿って設けられる。第2の領域99bxは、第1の選択ゲート電極81bのx方向に設けられる。第2の領域99bxは、チャネル層80axに接する。第1の領域99axと第2の第2の領域99bxとの間にチャネル層80axが設けられる。
【0146】
ワード線WLの一つが、第1の選択ゲート電極81aのx方向に設けられる。ワード線WLと第1の選択ゲート電極81aとの間に、第1の層間絶縁層99aが設けられる。ワード線WLの一つとチャネル層80axとの間に、電荷蓄積層98が設けられる。
【0147】
第1のビット線BL1は、第1の選択ゲート絶縁層91aと第1の選択ゲート絶縁層91bとの間に設けられる。第1のビット線BL1は、チャネル層80axに電気的に接続される。第1のビット線BL1は、z方向に延びる。
【0148】
第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、導電体である。第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、第2のドレイン選択ゲートトランジスタSDT2のゲート電極として機能する。
【0149】
第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、例えば、多結晶シリコンを含む。第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、例えば、p型不純物を含むp型の多結晶シリコンである。p型不純物は、例えば、ボロン(B)である。第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、例えば、n型不純物を含むn型の多結晶シリコンである。n型不純物は、例えば、ヒ素(As)又はリン(P)である。
【0150】
第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bは、電気的に接続される。
【0151】
チャネル層80ayは、第2の選択ゲート電極82aと第2の選択ゲート電極82bとの間に設けられる。チャネル層80ayは、x方向に延びる。チャネル層80ayとチャネル層80axとの間に、第2の層間絶縁層99bが設けられる。
【0152】
第2の選択ゲート絶縁層92aは、第2の選択ゲート電極82aとチャネル層80ayとの間に設けられる。第2の選択ゲート絶縁層92bは、第2の選択ゲート電極82bとチャネル層80ayとの間に設けられる。
【0153】
第2の層間絶縁層99bは、第3の領域99byを有する。第3の領域99byと第2の選択ゲート電極82aは第1の方向に沿って設けられる。第3の領域99byは、第2の選択ゲート電極82aのx方向に設けられる。第3の領域99byは、チャネル層80ayに接する。
【0154】
第3の層間絶縁層99cの一部は、第2の選択ゲート電極82bのx方向に設けられる。第3の層間絶縁層99cの一部は、チャネル層80ayに接する。第3の領域99byと第3の層間絶縁層99cの一部との間にチャネル層80ayが設けられる。
【0155】
ワード線WLの一つが、第2の選択ゲート電極82aのx方向に設けられる。ワード線WLと第2の選択ゲート電極82aとの間に、第2の層間絶縁層99bが設けられる。ワード線WLの一つとチャネル層80ayとの間に、電荷蓄積層98が設けられる。
【0156】
第2のビット線BL2は、第2の選択ゲート絶縁層92aと第2の選択ゲート絶縁層92bとの間に設けられる。第2のビット線BL2は、チャネル層80ayに電気的に接続される。第2のビット線BL2は、z方向に延びる。
【0157】
第1のビット線BL1と第1の選択ゲート電極81aの第1の領域99axの側の端部とのx方向の距離(
図22中のLg1)は、第2のビット線BL2と第2の選択ゲート電極82aの第3の領域99byの側の端部とのx方向の距離(
図22中のLg2)よりも小さい。言い換えれば、第1の選択ゲート電極81a及び第1の選択ゲート電極81bで制御される第1のドレイン選択ゲートトランジスタSDT1のゲート長Lg1は、第2の選択ゲート電極82a及び第2の選択ゲート電極82bで制御される第2のドレイン選択ゲートトランジスタSDT2のゲート長Lg2よりも短い。
【0158】
図26は、第3の実施形態の半導体記憶装置の拡大模式断面図である。
図26は、
図22の破線で囲まれた領域R4を示す。
図26は、第1の選択ゲート電極81aのx方向の端部近傍の拡大図である。
【0159】
図26に示すように、第1の層間絶縁層99aの第1の領域99axとチャネル層80axの界面(
図26中のX1)の延長線(
図26中のLx)は、第1の選択ゲート電極81aの中の部分と交差する。言い換えれば、第1の選択ゲート電極81aと第1の選択ゲート絶縁層91aの界面(
図26中のX2)が、界面X1よりもy方向に第1の選択ゲート電極81bの側にある。
【0160】
界面X1の延長線Lxと、チャネル層80axと第1の選択ゲート絶縁層91aの界面(
図26中のX3)との間の距離(
図26中のd)は、例えば、5nm以上20nm以下である。
【0161】
第1の選択ゲート電極81aは、第1の層間絶縁層99aの側の端部のチャネル層80axの側に、x方向に延びる突起部81axを有する。突起部81axは、界面X1の延長線Lxよりもy方向に第1の選択ゲート電極81bの側にある。
【0162】
第1のドレイン選択ゲートトランジスタSDT1及び第2のドレイン選択ゲートトランジスタSDT2は、第1の実施形態のMOSFET100と同様の構成を有する。このため、第1のドレイン選択ゲートトランジスタSDT1及び第2のドレイン選択ゲートトランジスタSDT2は、ショートチャネル効果が抑制される。したがって、ゲート長の異なる第1のドレイン選択ゲートトランジスタSDT1と第2のドレイン選択ゲートトランジスタSDT2の閾値電圧に差が生じることが抑制できる。よって、フラッシュメモリ100の動作が安定する。
【0163】
また、ショートチャネル効果が抑制されることで、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTのゲート長を短くできる。したがって、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTの微細化が可能となる。ドレイン選択ゲートトランジスタSDTの微細化が可能となることで、フラッシュメモリ100の微細化が可能となる。
【0164】
以上、第3の実施形態によれば、ショートチャネル効果が抑制され、動作が安定し、微細化が可能なフラッシュメモリが実現できる。
【0165】
第3の実施形態では、ドレイン選択ゲートトランジスタSDTに第1の実施形態のMOSFET100と同様の構成を適用する場合を例に説明したが、ソース選択ゲートトランジスタSSTに第1の実施形態のMOSFET100と同様の構成を適用することも可能である。
【0166】
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。例えば、一実施形態の構成要素を他の実施形態の構成要素と置き換え又は変更してもよい。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0167】
10 半導体層
11 第1のゲート電極
11a 突起部
12 第2のゲート電極
13 第3のゲート電極
21 第1のゲート絶縁層
22 第2のゲート絶縁層
23 第3のゲート絶縁層
26 ソース電極(第2の電極)
28 ドレイン電極(第1の電極)
31 第1の層間絶縁層(第1の絶縁層)
31a 第1の領域
32 第2の層間絶縁層(第2の絶縁層)
32a 第2の領域
70 半導体基板
80ax チャネル層(第1の半導体層)
80ay チャネル層(第2の半導体層)
81a 第1の選択ゲート電極(第1のゲート電極)
81ax 突起部
81b 第1の選択ゲート電極(第2のゲート電極)
82a 第2の選択ゲート電極(第3のゲート電極)
82b 第2の選択ゲート電極(第4のゲート電極)
91a 第1の選択ゲート絶縁層(第1のゲート絶縁層)
91b 第1の選択ゲート絶縁層(第2のゲート絶縁層)
92a 第2の選択ゲート絶縁層(第3のゲート絶縁層)
92b 第2の選択ゲート絶縁層(第4のゲート絶縁層)
98 電荷蓄積層
99a 第1の層間絶縁層(第1の絶縁層)
99ax 第1の領域
99b 第2の層間絶縁層(第2の絶縁層)
99bx 第2の領域
99by 第3の領域
BL1 第1のビット線(第1の導電層)
BL2 第2のビット線(第2の導電層)
L1 延長線
L2 延長線
Lx 延長線
WL ワード線(制御電極層)
100 MOSFET(半導体装置)
300 フラッシュメモリ(半導体記憶装置)