(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052065
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】立体化する収納体及び活動意思の表示できるマスクケース用シート
(51)【国際特許分類】
A41D 13/11 20060101AFI20220328BHJP
A45C 11/00 20060101ALI20220328BHJP
A62B 25/00 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A45C11/00 Q
A62B25/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158227
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】308022715
【氏名又は名称】浅海 壽夫
(72)【発明者】
【氏名】浅海 壽夫
【テーマコード(参考)】
2E185
3B045
【Fターム(参考)】
2E185AA07
2E185CC79
3B045CB05
3B045FA01
3B045FC04
3B045FC10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】マスクに直接触れることなく収納体への出し入れが何度でも容易で、収納時に意識を払わなくても裏表間違えて収納する事を防ぐ事を可能とした、折り畳み式小型収納体を提供する。
【解決手段】収納体はシート材で構成され、概シート材には具備された折り目で折ることで少なくても二つ以上の面を有し、該面に挟まれた収納対象物によって平面状態にあったシートが立体形状に変化する構造体である。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所謂収納体であって、収納体はシート材で構成され、概シート材には具備された折り目で折ることで少なくても二つ以上の面を有し、該面に挟まれた収納対象物によって平面状態にあったシートが立体形状に変化する構造体の特徴を具備する加工がされたシート。
【請求項2】
該シートは、対象収納物を収納し対象収納物が収納体から飛び出さないように挟む構造を有し、前記具備された立体形状を維持するためのマチを有する事を特徴とする、請求項1記載の加工が施された立体化する収納体のシート。
【請求項3】
該シートは、一つ以上の面を折る際に折り曲げ部で発生する曲げ応力に対して、応力集中または応力の緩和のどちらか一方又は組合せの方法を有する具備された折り目を有する事を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の収納体のシート。
【請求項4】
該シートは、該面の端部に溝または切込みのいずれか、若しくは両方の加工がされた請求項1から請求項3に記載の収納体のシート。
【請求項5】
該シートは、該マチ部に溝または切込みのいずれか、若しくは両方の加工がされた請求項1から請求項4に記載の収納体のシート。
【請求項6】
該シートは、収納物収納の立体時、若しくは収納していない平面時に意思表示を行うための具備を事前に施す事を可能とする請求項1記載のシート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に使用されているマスクを食事など、一時的に外す際に生じるマスクの置き場や処置に対する煩わしい諸問題を解決するためのものである。 この収納体は、様々な活動の意思表示に応用できる平面又は立体化の形状変化を有する生活品収納シートである。
【背景技術】
【0002】
本発明は、流行インフルエンザや季節的な風邪、もしくは杉を始めとする様々な花粉症対策として、一般的にマスクが利用されている。 そこに使用されているマスクは、飲食の為に一 時的にマスクを外したり、車による移動などでマスクが不要な時など外して携行したりする際に困るマスクの置き場、置き方に関し、関連する諸問題を主に解決するために考案されたものである。 また、身の回りのアクセサリーの収納にも活用でき、紛失なども防ぐことができる。
【0003】
一般的にマスクは、ウイルスや花粉などの外部からの物質や、口と鼻から発しられる飛沫などひと内部からの物質の、内外の交換を抑制するためのフィルターとしての機能を有する事が広く知られ用いられている。
最近時、世界的に外出時はマスクをすることが日常的に行う様になってきている。 外出時には、飲食をしたりガム・タバコなどの嗜好品を摂取したりするシーンは無数に存在し、一時的にマスクを外すことも多く存在する。 その一時的に外す際に、置き場が無いために顎マスクと呼ばれる形態で鼻口部を一時的に開放するが、市中で目に入るとあまり美しい光景に思わない人が少なくもない。 同様に、飲食店や休憩所で一時的に外した際にマスクをテーブルにそのまま置くのも、良く思わない人もいる。 人によっては、マスクに付着したと考えられる付着物質の飛散を危惧したり、外したマスク内側の鼻口部に外部からの飛来物が付着したりする心配も考えられる。
気遣いができる人は、マスクを二つ折りにしてポケットにいれたり、ハンカチやポケットテッシュなのでマスクを上下に挟み、テーブルの上に置いたり、ポケットにしまったりする人も見うけられる。 しかし、これらの行為は一時的に外したマスクをどこに置くのか、しまうかの困ったあげく発生した状況への対処として採られた行動と理解できる。 しかしながら、一時的にしまい再装着を考えると包んだハンカチやテッシュからマスクを取り出す際にマスクにまとわりついたテッシュや使用したハンカチを次に使用する際など、あまり好ましくない状況が存在している。 使用したテッシュは、シンプルに捨てる事ができれば良いが持ち帰ったりする面倒やポケットにしまったりすることで、次の目的に使用してしまったりすることが考えられる。 使用したハンカチは、その後本来の手を拭いたりしてしまう。 あまり美しく思えない状況は、スーツなどお洒落な出で立ちなどの時には、とても似つかない。 胸や内ポケットに、そのまましまう事は衛生上も美しくない。 簡単便利にふるまう事ができれば、美しくスマートに見えてくる。
仕舞うときに、直接マスク本体に触れてしまう事が大いに考えられる。
【0004】
しかしながら、ちょっとした外食などにマスクを収納するケースなど持ち歩く人は殆どいない。飲食店においても収納する媒体を提供するところも少ないと考えられる。 その背景には、マスクを収納する収納体は大きくかさばること、収納体への出し入れが面倒ではないこと、収納体を何度も再使用する際に消毒などの手間を掛けたくないこと、そもそも手間を掛けて自作し費用を掛けたくないこと、など前記したような諸問題が存在している。 そもそも使い捨て不織布のマスクが大勢を占める中で、マスクより圧倒的に安い価格、安価な提供コストで供給できないと、いかに良く仕上がっていても普及に対するネガを抱える事になる。 よって、マスク収納体はコストを掛けず気軽にお店からの提供もできる程度の安価なものであること、それに加え収納時には収納しやすく衛生管理に優れ、収納時も置き場所に困らず、再装着もしやすい、邪魔にならない小型の収納体が所望されている。 趣味とは、別時限のところが存在している。
一方で、マスク装着が面倒と感じられる人は、外出や買い物を控えてしまう事も考えられる。 その様なときに、行く先々で提供できる廉価な収納体や、持ち運びに邪魔に成らない機動性に富む小さめの収納体は、利便性に富む。年代やお国柄に寄るところも大きいが、買い物・食事などの外出時に財布(カード)・スマートホンなど何れかを携帯する。マスク収納体構造に工夫を凝らし、何らかの結びつきができれば、親和性が高くなりマスク装着の壁が少しでも下がり、外出時のマスク装着の社会的な啓蒙が自然に促せることも可能かも知れない。
独自性のある収納ケースを提供することで、課題をスマートに解決しようとするものである。
【0005】
従来発案されていた先行技術の多くは、一度使用したマスクをマスク本体より大きい収納体に入れるモノが多く存在している。 ケースサイズは、マスクの本体のサイズよりも少し大きいサイズを図り収納の入れ易さを追求している。 するとサイズが大きく機動性が犠牲になってしまう。 若しくは、収納本体に使用する材料をフィルムシートの様なマスクを押付けても摩擦が少なく滑り込ませることが可能な形態を備える事ができるが、マスク本体と同じ大きさにすると出し入れを優先するがあまり、二度目の収納の際には細心の注意を払い収納しないと、表裏が逆転してしまう事が発生してしまう事が潜在的に存在していた。
マスクのノーズフィッターと流れる部位も含む全体が潰れてしまい、フィルターとして何層化に分かれていた構造が押しつぶされるため、せっかく分離していたフィルター対象物の交換の促進がされてしまう可能性を示唆する、交換問題有している。 (特許文献1、2、の問題点)
また、前記した様に大半の使い捨てマスクにはノーズフィッターと呼ばれる立体構造を維持するための部材が入れ込まれていることに加え、プリーツと呼ばれる広がる構造を持つため、筒状の内部に使用したマスクを一時的に収納する際には、同様にマスク本体のプリーツを収納し、さらに触れ平らな形状にしてからでないと重力方向の力を用いても筒を押し開いた奥まで入れることが出来ない。 もしくは、入れる途中でマスクをつぶしながら筒を何度も押し開き、筒の奥までいれる事を強いるため、筒内部での空気循環を促しフィルターの内外の対象物の交換を促進させる状況を招きかねない。 (特許文献2、の問題点)
前記の表裏問題とは、マスク保管に適す様に、抗ウイルス加工や抗菌加工などがされていても、一度収納したケースに再び入れる際に細心の注意を払わないと、マスク外側のフィルター対象物に接触していた面と、マスク内側のフィルター対象物が触れていた面どうしが、直接接触していたところに、再び入れる事になる。
さらに、再び使用したマスクを裏表注意していれないと前回の収納した面と異なる面での収納となってしまい、そのマスクを通じて直接フィルター対象物が相互に接触してしまう可能性が存在していた。 この様なケースでは、新しいマスクであってもケースに入れることによってマスクが対象物によって汚染される可能性があった。このような状況では、マスクは非衛生的な環境におかれることになる。 (特許文献1、2、の問題点)
介装プレートと呼ばれるプレートを具備し、マスク内側に沿わせマスクを二つ折りにし易くするための構造を用いると、再装着を考慮した際マスクケースそのもを折りたたんだ状態にすると、マスク内側と外側に触れていた面が接触するため、直接対象物の接触があり次の収納は差し控えたい。(特許文献3、の問題点)
収納と謂う課題に対して、マスクだけが焦点では無くチケット入れも同じ様な収納構造を備えるモノが存在する。 マスク本体より、少し大きめに設定すれば、収納ケースをたわませる事でマスクを曲がった状態でも挟みいれる事が出来るが、マスク収納前のプラスチック復原力だけに委ね挟み込んでいるためマスクに不可欠な耳ひもをケースより外部にはみ出し邪魔になるばかりか、マスクが挟み込まれることでケース全体が膨らみ、マスク上部の蓋が浮き上がり内部が見えてしまい、不愉快を感じさせる一因と成りえる。 耳ひもなどを引っ掛け落下した際には、ケースから外れる事も生じる因子を抱えている。 耳ひもを無理に引っ張って、本体の持ち上がったところに掛けたり、本体に巻いたりすると、耳ひもの力により一層ケース全体が持ち上がったり膨らんだりし、上部の蓋はより一層曝け出されてしまう。場合によっては、掛けた耳ひもが外れてしまう。(特許文献3、4、の問題点)
【0006】
これらの収納体は、マスク本体をのせる底部とマスクを挟むための上部蓋にあたる部分が、溶着または糊付けを必要とする構造となっているため部材を折った後に、追加加工を必要としているため、製品コストに反映されてしまう問題も生じている。
構造体材料をフィルムシートの様なものから、布製に変え縫製で行う構造体では、平らな構造であるため使用直後の外した立体形態のままでは、収納に困難を来たす。 一度プリーツ部を直線的に直すとともに、ノーズフィッターを平らに伸ばすこと、場合によっては意図的にフィッター中央部を狙って二つ折りにする面倒に加え、布との摩擦や袋状に形成される開口部を大きく開くことを可能とする形状と大きさにしないと収納する事が困難であるばかりか、出し入れの煩わしさを感じてしまい結局使用しなくなってしまう。 出し入れのし易さを追求すると布製は収納体が大きくなってしまう。 布は、折ることで、半分又は三つにおる構造を工夫して成すことが可能であるが、折ることで厚みを増し持ち運びの際にマスクがどのように折れ曲がってしまうのか分からない事に加えられ抑止できないので、どんどん機動性が低下していく。 布製の構造体では、表裏挿入問題に加え、フィルター対象物の交換を防止する構造が困難であると考えられる。 折角の縫製されたものであれば、洗濯して何度でも使用できるため、使い捨てはもったいない事が挙げられる。(特許文献5、6、の問題点)
ここには詳しく記述しないが、冷蔵庫で用いるフリーズバックと呼ばれる冷凍するモノをいれたりレンジで解凍できるビニール製の袋状の一端にスライドする事で開口部を閉じる袋が存在し、其処にマスクを入れる事も考えられ実行している人を見かけるが、前記した様に入れ難さに加え、表裏問題や人の力による圧縮時の交換問題を抱えている。
【0007】
すなわち、マスク本体に触れることなく確実の収納する工夫として、使用直後の外した立体形態の厚さが生じていても、収納のし易さを損なうことのない間口の大きさに加えて、マスク本体が収納時に使用者(カスタマー)によって潰されない事がポイントと考えている。 収納体を小さくする為には、マスク本体も折ることを考えるが、マスク本体を使用者の力で直接潰す折り方をしない事が、併せて重要であると考えている。
【0008】
列記した問題点のすべてを一つのマスク収納体で解決するのは理想であるが、程度問題が考えられる。 その一つにマスク本体の大きさと収納体の大きさと収納形体はトレイドオフの関係にある。 収納体を大きなマスクに合わせると利便性は増すが、持ち運びの機動性を欠く。
収納体材料の材質と厚さ(強度)及びコストの関係もトレイドオフの関係にある。 仮にコピー紙の様な薄い紙材であれば、軽くかさばらず機動性を得るが、収納する強度確保が難しく耳部のゴムの張力(伸縮力、又はテンションと記述)によって直ぐさまく収納体は 皺クチャになってしまう。 一方では、飲食店でその場限りの使い捨てを考えると、マスク本体が見えなければ見栄えを保て、店員やお客同士との関係など店の雰囲気に問題はないと考える経営者があっても否定できない。
即ち、人が感じる問題には必ず程度問題の処が存在している。
【0009】
その他には、形状美しさと寸法精度も存在する。 一つの喩えとして、「四角い折り紙を二つに折る」ことを考えるとき、一般的には2つの頂点や二つの辺を合わせ、その合わせた処を押さえループ状に形成される折り紙を押さえた机などの面に沿って、押さえた指に近いところから順に遠いい隅に押さえつけるポイント、即ち折る辺をずらしていくときれいに二つに折ることができる。 重要なのは、平らな机と初期に合わせた位置を精度良く合わせ、ずらさないことに気付く。位置合わせの精度が、出来の美しさに関連してくる。 一度折り目を付けてしまえば、一度や二度平らな紙に戻しても曲げた癖といえる曲げ形状が維持されていて、同じところに折る為の正確な位置合わせは不要となる。
きれいに正しい位置で折ることは、気を使う事が必要であり面倒な一面を持つ。 一度折り目が付いていれば気を使う事なく二つにできるため特有の価値が存在する。 厚い紙または硬い材料に成るほど、正しい位置に折ることが大変になり、機械で折ることが必要になってくる。
マスク収納体の材料においても同じことが該当し、この材料となる強度と厚さ及び折り易さと美しい折り目の関係もトレイドオフの関係を有し、さらに折り目を設けずに狙った位置で折ることができる工夫を意図的に備えることは価値を有する。
【0010】
この折り目には、紙を折り曲げるために生じる材料に発生する応力の係り方に関連する。 初めて紙を折る時にループ状に成るのは、折り紙の様な薄い紙であっても重力の影響を受け、紙の厚みから発生する材料内部の応力(内部応力)で生じる曲げ事象があり、応力が一か所に集中しないために生じる内部応力の現象がある。 一度折り目を付けると、二度目以降はその折り目に曲げ応力が集中しあまり気を使わなくても、折り目に沿って簡単にあることが可能である。 この書面では、このループ状に発生する力を曲げ応力と呼んだり、応力の分散と呼び、折り目に沿って曲げるための応力が集まることを応力集中すると呼ぶ。そして、これらの事象や呼称は構造力学・構造設計・材料力学、及び建築関連の分野で一般的に用いられている。
【0011】
マスク本体を隠しテーブルの上に置くことを念頭にここまで来たが、女性の多くはハンドバックを持ち、前記したテッシュやハンカチに包んだ従来の形態においてもハンドバックに収納する。出し入れの際に、耳ゴム部が止めていないと引っ掛かったしたり、固定していないためにふらふら動いてしまうため、適当な強度を持ち、ゴム部を止めたり隠したりしないと、ハンドリングと見栄えが悪化してしまう。 このハンドリングとは、取り扱いや対処の方法バックへの出し入れなどを意味している。 よって、ノベルティーであっても商品価値がないと使用して貰えない可能性が存在している。
【0012】
ノベルティーを視野に入れると、マスクを収納する機能性以外に、宣言効果やその他の実用性を付加する付加価値が発生する。 詳細については、後述する。
あくまでも、使い捨ての形態で使用されるマスクの収納がベースとなるため、ケース構造に工夫を凝らしても加工に手間を掛けない事が実用化に際し、重要な課題であり実用性と付加価値及び前記した程度問題は広く社会で揉まれながら浸透し、構造を変えながら進化する。 原点は、一時的外した際に発生する、困るマスクの置き場所をスマートに解消するためのものである。
【0013】
ここでは、母材にあたるシート材からマスク収納体を意識したサイズに切り離し、折り曲げる前の平らな材料を「ワーク」と呼び、製造・加工の工程によっては製品サイズで折り曲げる前までの材料加工までを前工程、「ワーク」からマスク収納体にするまでに必要なその後の工程を後工程と名称を分離し説明する。
ワークは、通常ロール状に巻かれた材料からワークを切り離すことが多いが、平らに積み重ねる事が可能な平らなワーク材(シート材)から切り出しても良く、ロール状に拘るモノではない。
【0014】
従来、一般的なマスクと呼ばれるものは、顔面側にセットして鼻や口及び顎を覆う目的の大きさのモノを衛生マスク若しくは、不織布マスクと呼んでいる事が多い。 他にもサージカルマスクやN95など、医療用とされる性格のマスクも存在している。 これらを一括して、衛生マスクと呼ぶことにする。
その他にも、3Dマスクと呼ばれる平面から立体化構造になるマスクが存在している。 ここでは、主に衛生マスク及び3Dマスクを対象に記述している。 最近では、デザインに富んだマスクや手造りのマスクの存在もあるが、ほとんどの場合前記の衛生マスクや3Dマスクの類であると考えられる。
その収納ケースとしての機能を果たし、構造上の特徴点を持つものが、本発明が及ぶ範囲と考えている。 その収納方法は、縦横の挿入向きなどに異なる点が存在するが基本構造は同じであり、共用して使用できる構造も提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】実用新案登録第3158317号公報
【特許文献2】実用新案登録第3226831号公報
【特許文献3】実用新案登録第3191947号公報
【特許文献4】実用新案登録第3170827号公報
【特許文献5】実用新案登録第3159961号公報
【特許文献6】実用新案登録第3193811号公報
【非特許文献】
【0016】
材料力学、構造計算、構造力学、構造設計に関する一般書籍
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
解決しようとする問題点は、
ケース収納体へ、何度か出し入れするとその際に、マスク表裏面が入れ替わってしまうこと
好まれる小さい収納体ほど、出し入れする際に直接マスク本体や収納内側に触れてしまうこと
収納するマスクに対して、収納体の加工や材料の選択から使い捨てにできない安価な構造でないこと
など、従来の欠点を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
これらの改善策として、直接マスク本体に触れることなく収納体ケースに入れる事が出来る様にケース構造を工夫すること、マスクを耳から外す際に耳ひもゴムを左右に軽く引くしぐさに着目し対応を展開した。
顔面からマスクを離していくと、マスク形状は今まであった鼻から口、顎に掛けてプリーツ部が開き中央部が山なりのカップの様な立体形状となっているが、そのままもう少し引っ張ってみると自然にプリーツは元の位置に収納され、更に引っ張ってみると、二つ折りに近い形状に変形していく。 誰が行っても、何度行っても再現する。
長手方向には、ノーズフィッターと呼ばれる形状維持の部材がある為マスク本体に触れないとその部位を半分にすることに困難を伴う。 耳ひもの存在する短手方向は耳からマスクを外す延長でゴム部位を引っ張っていくと、概ね半分となることが期待できると共に、口の当たっていたマスク本体の中央の中心部分は、マスクに触れることなくそのまま閉じ込めることが期待できる。 本出願マスクの収納ケースは、このマスク本体の機能上の物性をそのまま活用し、マスク本体に直接触れることなく、マスクの内側中心部を閉じ込めた形態で収納する事が特徴のひとつである。 この収納形体を行う事で、再装着のマスクや新マスクの表裏問題は発生することなく、汚染リスクを確実に低減できる様になる。 後述する3Dマスクについても、機能上の物性を活用しマスク本体に触れずに収納できる特徴を同様に存在する。
【0019】
前記している様に、ノーズフィッターと呼ばれる形状維持の部材があるためマスクを外した際に1cm前後の凸形状が生じている。
図2
収納ケースには、三次元形状である凸部をそのまま収納できるように、マチと呼ばれる厚さ方向の幅を加味しておくことで、ノーズフィッターを意図的に潰すことなく収納と取り出しの双方を可能とする工夫を図っている。
【0020】
マスクを入れる収納ケースの一部である立体化を成すマチにあたる構造体は、マスクを入れるときに必要であって収納しない時には不要なものである。 即ち、持ち運びや店での提供保存及び工場から配送される際には平らな形状になることで嵩張らない保管や輸送を可能にすること事が、保管コストや輸送コストの低減につながると考えられる。
【0021】
この平らな形状になる収納体は、マスクを入れる事で立体形状を成す収納ケースであり、形状が安定的に立体的に変化する事を可能とする。 何度やっても同じ形状、同じサイズに成ることが望ましい。 繰り返すことで、大きさや形状が変わってしまう事が発生すると使い勝手が悪いことは明白である。
ここで述べる形状が安定的に立体的に変化する事とは、使用可能な回数の範囲内を示すものである。 使用材料により、耐久回数は異なり数回から数十回程度の実用範囲を考えておけば良い。 耐久回数は、品質であり商品力であるが往々にしてコストアップとなっていく。
形状が安定して変化するには、柔らかい材質のモノであれば「折り目」と呼ばれるところが必要であり、硬い材料であれば「蝶番(ちょうつがい)」と呼ばれる関節部や接続機構が必要となる。 ここでは前者の折り目に関するもので、材料の厚さを考えた機能性のある折り目を提供するものである。
【0022】
この折り目に対して、角度を変化させることが立体への形状の変化と構造上の強度の変化を同時にもたらす。 即ち、柔らかな紙であっても折り方を工夫する事で、同じ荷重を掛けても曲がったり、曲がらなかったりする。 建築や構造設計などの専門的な言葉を引用すれば、強度剛性に変化が発生している。 詳しくは、後述する。
【0023】
この様な自然の原理を用いて、柔らかく・軽く・腰の無いグニャグニャした薄い母材の材料であっても、形状変化を伴う折り目のあるケース化によってマスクを収納するに足りる強度剛性の性能を持たせることを可能にした。
【0024】
小さくすることを必要に考えていくと、何度も何度も折る衝動に駆られるが、折る回数により材料の厚さが増していき、加工コストも上昇し、無視できなくなる。 即ち、小さくしたり、折る回数を少なくすることは、材料のコストのみならず、加工の手間を減らすことであり、最終的には収納体の生産コストに影響することになる。 適度な回数と大きさが求められている。
適度な回数について具体的には、薄い紙であってもその母材を折りたたむと、母材の平らな部分とカーブにあたる折り曲がる部分とに2分される。 内側を周る紙と外側を周る紙では、曲率半径と呼ばれる曲がる半径に違いが生じる。 折り曲る母材の厚さを考慮しなければならなくなる。 折り曲がる部分の中心部分とすると、中心より内側を周る紙は余り、中心より外側を周る紙は足りなくなる関係が発生する。 内側に掛る力を圧縮力、外側に掛る力を引っ張り力と呼び、曲げモーメントの成分でもある。 紙の厚みが増すほど、折り曲げる回数が増えるほど、前記の関係から曲げる事が困難になっていきプレス機など大きな力も必要になってくる。
(0043)で後述もするが、詳しくはインターネットなどでも、「折りたたみ 限界」で簡単に調べることが出来るため、ここでは紙面を割かない。
【0025】
適度な大きさについては、別の要因が存在し、大きくても小さすぎても勝手が良くないとも考えている。 日本に措いては、外出する際に財布やスマートホンを持ち歩くことが多くなっている。 財布には、クレジットカードを収納するための機能が備わっている。 紙幣の半分のサイズであったり、クレジットカードサイズであったり、スマートホンに合わせるサイズであると、親和性が高いと感じられる筈である。
マスク収納体が、このカードサイズででき、スマートホンと一緒に運べる形態になっていれば、日常生活におけるマスクの装着や外した際の置き場に困ることが解消する事が期待できる。 即ち、カードサイズに拘らなくても、通常持ち運んでいて邪魔に成らない大きさに設定して機動性に富む、非常に便利な商品サイズにできる。 商品サイズは、その使用場所や提供形態(有償、無償)によって異なると考えて良く、一つに限るモノではない。 また、商品に用いるシートの材質も薄いモノから厚い材質のモノまで、柔軟に選ぶことが出来、選択の材料に合わせて提供の工夫を柔軟に折り目に入れる組み合わせれを行っても良い。
【発明の効果】
【0026】
本発明の収納体は、マスクを外した際に生じるマスク本体の形状が二つ折りに形状変化することを活かし、マスク内側の面が、外部に曝されることが無くなる状態で収納できること。
加えて、二つ折りになったマスクを挟み込むため、マスク全体を覆うより収納の大きさをマスク本体より小さく仕舞えることができる。
収納する際には、広い開口部でマスク本体に触れることなく包むことが可能であるため入れ易く、かつ衛生的である。 挟み込んだ収納体の開口部は、そのままでは解放してしまうが、耳ひもを掛ける事が出来る様に事前に具備された箇所に引っ掛ける事で開口部が開くことを防止できる。 同時に、ケースより外部にはみ出した耳ひもの処置が同時に行われるため、耳ひもをぶらぶらと遊ぶ事なく美しくまとめることも可能である。 さらにマスク本体を覆う部分がずれることがなくなるため、内部のマスクが見え難く落下しても、挟んだマスクが飛び出すことがないため、収納姿勢を安定に保つことができる。
広い開口部で、三次元形状に外されたマスクでも凸状のマスクをそのまま包むことができ、事前に具備された折り目により収納体材料のマチ部分が立ち、立体的に挟み込む構造のため、ケース全体の強度が増す。
ケース全体の強度が増したことで、ハンドバックに雑に投げ入れても形状変化は発生せず、バッグの中で開放することもないため、取り出すことも容易となり、マスクのハンドリング性が格段に良くなる。
【0027】
この強度を増した立体形状は、マチの発生の形状により立体構造となるため、その場に応じたサインボードとしての二次的な役割を持たせることが可能となった。意思表示を行う事が可能になる。
このマスク収納体には、スマートホンや手帳のサイズに合わせて穴や切込みなどを具備しておく事で、持ち運ぶ対象物に合わせた場所にゴムひもの様なものを通せば、スマートホンや手帳と重ねる様に一緒に持ち運びができる事を容易する。
【0028】
マスク収納体は、マスクを挟まないと平面体に出来る構造にあるため、簡素に仕舞え嵩張らない。 さらに、より小さく形状変化ができる様に折り易くするための構造を設け、財布のカードサイズにすることも可能で、日常的な持ち運びを可能とし予備ケースとして忍ばせる事を可能とした。
即ち、マスクを収納していない平面形状でも、マスクを収納した立体状態でも、スマートに持ち運びができるため、その場のシーンに合わせたマスク収納体としての提供と運用を可能とし、安価に提供することが可能となった。 多くのシーンで持ち運ぶ事を可能とするマスク収納体は、企業の宣伝広告を行う媒体としての機能や提供するお店のPR活動など、場合によっては展示会や駅などで特定の場所に案内するための地図を表記したりもできる広報活動表示にも活用する事を可能とした。相互方向での意思表示や意志入れ(席の誘導、下膳表示)を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図4】
図4はワークシートの展開図と立体構造及び保管時の説明図である。(実施例1)
【
図5】
図5は
図4の衛生マスクを収納した際の形態を示す図である。
【
図6】
図6は耳ゴムを掛ける事で収納体が立体化する説明図でる。(実施例1)
【
図7】
図7は使用する材料に発生する強度剛性の設計基礎技術である
【
図8】
図8は3面構造を持つ収納体の実施例2である。(実施例2)
【
図9】
図9は名刺サイズの収納体の全体像と課題ポイントの図示である。(実施例3)
【
図12】
図12は3Dマスク収納体の展開図である。(実施例4)
【
図13】
図13は3Dマスク衛生マスク共通収納体の展開図である。(実施例5)
【
図14】
図14はマスク収納時の固定方法の応用を示す。(実施例6)
【
図15】
図15は3Dマスク衛生マスク共通収納体の展開図及び保管時の説明図である。(実施例7)
【
図16】
図16は意思表示機能の投影した一例である。(実施例8)
【
図17】
図17はスマートホンと一体化させる課題解決方法を示す。(実施例9)
【発明を実施するための形態】
【0030】
ここが本文!
マスクの収納を考えた先願は数多く存在している。 しかしながら、本発明は飲食店などで一時的外したマスクをどの様に美しくしまい、誰もが再装着に際し疑問を持つことなく対応できることに言及するものは無かった。 気持ち良く外せ、気持ちよく装着し、気軽にかさばらないで持ち運べることを可能とするマスク収納体を提供するものである。
図1には、一般汎用タイプのマスクが図示されている。 市中では、衛生マスクと呼ばれる事も多い。 このマスクは、図示される様に顔面の口や鼻を覆う本体部分と、本体から手を離しても顔面の位置から落下しない様に本体の長手方向には、耳に掛けるための収縮性のある耳ひもを有する耳掛け部から構成されている。 マスク本体は、顔面に直接あたる内側部分と顔に当てる事を意図していない外側部分の二面を有しているとともに、中央部の上部の鼻にあたる部分にはノーズフィッターと呼ばれる形状維持を有する不織布とは異なる材料が挿入されていて、装着した際に鼻の凸部の形状に隙間が空くのを抑制するための目的で立体構造を維持する機能を有している。 また、本体にはプリーツと呼ばれる横方向の折り込んでいる部位が存在し、縦方向に延ばすことで装着者の鼻から顎部まですっぽり覆うことができる様な調整機能を有している。 このマスクのプリーツが伸びる方向の事を以降、縦方向又は短手方向、と呼ぶ。
マスク本体には、マスクとしての機能を司るフィルターと呼ばれるモノや前記したノーズフィッターと呼ばれるモノが内蔵されている。 製品によっては、このノーズフィッターが無いモノも存在している。 何度も洗って使用できるガーぜ材質のタイプも、それに該当するひとつである。 本文では、マスク本体を折り曲げその際に発生する課題、及び収納する際に発生する課題、それらに対応する内容が記述される。 しかしながら、ノーズフィッターが無いと課題が少なくなるが、書面の関係で全てあるものとして、省いて記述する。 包含されている記述としている。
【0031】
マスクを収納する収納体を考える際、この本体が平らに広がったサイズを想像し、この本体サイズを覆う事を考えるため本体サイズの少なくても2倍が必要となる。前記した先願案件では、マスクに触れ、ノイズフィッター部の素材を折り曲げ半分にするならば、覆うサイズは半分の本体サイズの少なくても2倍で、もとの本体サイズで良いことに成りそうである。 しかしながら、マスクに直接手が触れる事やマスクと収納体が直接ふれる事が回避できず、いずれにしても交換問題や表裏問題が発生してしまうため、誰でも気持ちよく再装着するためには、これらの課題を解決する策と手段が必要になってくる。 ここで記述されるマスク収納体の材料のサイズは、マスクの折り方と収納体材料の関係性を示すものが主な内容であり、材料の大きさを示すものではない。 材料のサイズは、覆い隠す程度を全体の何パーセントに設定するかは製作者側の意図であり、全部を隠すのが妥当と考えればマスクの本体サイズの約2倍以上に設定すれば100%を覆い隠し、仮に片面だけ覆い隠すのであれば本体サイズの50パーセント材料が必要とされる比率であって、商品性と生産コストとのバランスと考えてよい。 本文で記述されるのは、収納体を形成するに当たり材料を効率よく利用し、講じる手段に重きを置いている。
【0032】
我々がマスクを装着、脱着する仕草を考えて見ると、ほとんどの場合は両手で行っている。 (0031)で前記した様な収納体では、収納体の形状が平面構造であるため収納するマスクも何らかの方法で平面にしないと収納体に収納できない。 すなわち、両手で耳ひもを引っ張り耳から外した手を収納体に入れるためには、必ず持ち換えの手間が発生する。 「0018)に記述した様に、両手で耳ひもを引っ張り耳から外す際に、更に少しばかり引っ張ってみると、二つ折りに近い形状に変形する。 誰が行っても、何度行っても再現する。 片耳に耳掛けひも(以降、耳ひもと省略する。)が掛った状態で、反対側の耳ひもを片手で引っ張ってみても実現する。 普段の仕草から考えて、マスクを二つに折る方向をマスクの耳ひもを引っ張った際に二つ折りに変形する、短手方向を二つに折れる方向を意図している。
このマスクが半分に折れる事象は、マスク本体に耳ひもが接続される位置の幅と耳ひもを引く指の幅にある。 マスク本体の耳ひもの幅は、耳ひもを引く指の幅より概ね4倍から5倍広く設定されている。 この位置関係により、耳ひもが本体から離れる方向に引かれると本体部分を引っ張る力の向きが指の中心方向に働き、左右に引っぱる指と指の最短距離に近づく様にテンションが発生するため、本体と耳ひもは指の幅で一直線上に並んでいく。 もともと、顔面から外したマスクは鼻を頂点とするカップ形状となって入るため、顔面側にあたるマスク内側が閉じる様に形造られる。 引っ張ることで、マスク内側の上下方向は二つに折り曲がり閉じる。 マスクの見えるところは、本体外側になる。 この二つ折りの形態で、距離を保っていた上下の耳ひもは重なる様に同じところに集まり、用意した収納体に滑り込ませる。 これで、内部と外部の交換を避ける準備が整い表裏問題は発生しない。
【0033】
図4は、収納体である具体例を示す。 図(a)と(d)は、工場で何百メータの長いロール状のシート材料から加工されたワークシートを図示した。 このワークシートには、(4)(5)で示される折り目と、マスクのゴムを掛ける溝(6)が具備されている。
紙面の関係で、折り目を表記しているが、シート材料から加工する工程で、収納体の原型である平たい板状のものを「ワーク」と呼ぶ。 折り曲げがし易い様に事前に加工したり、前記の様な溝や切り込みを具備する加工を付加したりしたものを「ワークシート」呼び、この書面では区分して表記する。
ワークもワークシートも、折り曲げた後に、平たい板状に戻したもの、「ワークシート」や「収納体」と説明の場所に応じて分かり易い様に記述している。 このワークからワークシートをつくる際の加工は、シート材料から一度に行っても、折り目や溝などの加工工程を分離して行ってもどちらでも良い。 印刷などの工程を入れても良い。 なるべく一つの工程にした方が、量産性が向上すると考えられる。
その理由は、マスクの収納を形成するために何処に、どの様な工夫を凝らした製品について明示するものである。 具体的には、折らずとも応力が集中しやすい工夫や、折った際に発生する突起やクボミ、材料の厚さを顧慮した加工なども全て、マスク収納体を形成するための構成要素が明示対象に該当する。 これらの工夫をワークに加え、ワークシートと呼び、ひと手間工夫を凝らし加えること、加えた事に対し「ワーク」の言葉も加え、ワークシートとした。 ワークシートは、平板形状のまま利用者に渡すか、一度折り曲げた形状で利用者渡すか、についてはサービスと呼ばれる分野であり、デリバリー方法の違いにある。 マスク収納体を渡された最終カスタマー(利用者)が、まだ折り目の無いワークシートを折るか、最終カスタマーに誰かが折ったものを渡すか、これは問題ではない。
当たり前であるが、渡す段階で加工回数や加工工程の少ない事が卸価格の上昇を抑えられる。 中間での折り加工は通常考え難いが、商品性向上を考えると印刷し折り込んだ形で付加価値向上も期待できる。
【0034】
ワークに加える折り目には、(0009)(0010)で記述される様に注意深く顧慮する必要が存在している。 そこに記述されているは、初めて折り目を付ける、狙った位置で折り曲げを図ると、その折り曲げ部には応力集中をさせた部位が生じることにある。 その節にも記述したが、一度折り目を付けると二回目以降は深い配慮や憂慮が不要で同じ位置で折れ曲がる。 類似のモノに、チケットと呼ばれる半券を分離する機能が備わるモノが存在している。 そこには、切り取り線よばれる断続状の切り目が多く場合存在して居る。 これも同じ原理である。 切り離すために応力を集中させるが、折るために応力を集中させるか、切り離すために応力を集中させるかの違いはあるが、引っ張る方向と力の大きさが異なる。 そして、切り取り線を折らずに引っ張る場合と、一度折ってから引っ張る場合では、格段に切り離すために払う注意力と力が異なる事を我々は経験的に知り、行い、伝えている。 切り離さなくて、何度も何度の同じところを反対方向に継続的に折り曲げるといずれ切り離れる。 この事を破断と呼び、寿命を意味する現象の一つである。
折り目について考えるとき、そこには何らかの意図が反映されていると考えてよい。 狙った場所で折ることによって、目的の機能を有す狙いが存在するからである。 余り意識しないで、折り込むことが出来れば注意深く気を払い、目的の場所で折ることが無くなるため価値を有していることになる。 もともとのシート材料にあたるモノが、硬いほど若しくは厚みが厚いほど、目的の場所で折ることが困難になっていく為、徐々に難易度を増していき、いずれ人に力では困難なため、機械加工による。 間違った折り目、目的の場所からずれた折り目は修正が困難であり、その部位は応力が集まりやすく修正してもその折り目で曲がって仕舞う面倒も発生する。 そのため、目的の場所で正確に折る構造を容易に実現できる構造は価値を有している。
硬くもしくは、厚みが厚いほどケースとしてしっかり形づくる事はできるが、必要以上にしっかりとしたモノは過剰と考えられ、コストUPに繋がると考えられる。 よって、ワーク及びワークシートは、平らな形状の時には適度に柔軟性をものが良く、立体形状としてマスクケースの形を成すときは、マスクのゴムひも若しくはケース開口部が開かない様に閉じて措くために用いるゴムなどの力で折り曲がらない程度の強度を有するものであれば問題はない。 繰り返すが、コピー紙やセロハンの様なモノ単体では
前記ゴムの力により、簡単に折り曲がってしまうが、何層にも積み重ねたり、組み合わせることによって材料は強度を増すため、いずれゴムの力でも曲がる強度を有する事になる。 平らでは、ゴム力で曲がって仕舞うものが立体形状になるとながらないものが、シート材としては最良と考えられる。 平らでも、立体でもゴム力で立体形状を維持できれば、沿ったとしてもマスクを収納するケーとしての機能を有するとして問題ない。 他方で、マスクを入れても入れなくても、ゴム力を掛けても掛けなくてもケース自体が反ったりしないシート材でもマスクケースとしての機能を勿論有するが、財布に入れ込み運ぶ際の利便性は劣る。 さらに、その様なしっかりしたシート材では破断強度が極端に弱くなるか、曲げ部に特殊な事を施すことを必要とするため生産コストが不利に成ることが予測される。 仮に、薄いアルミの板材やクリアーファイル材など挙げるが、折り曲げ部に意図的に応力を集中させ、狙った位置に折れる様な加工を施したり、平らに折り曲げる際に材料の厚みを考慮した曲げ半径の工夫が施されて居れば本提案の範囲に関係すると考えられる。
【0035】
図4は、
図4(b)(e)には、マスクを収納する前に平板から折り曲げた開口部を持ったマスクケースが示される。
図5にはマスク収納体にマスクをセットしたしたものが示される。
収納体へのマスク本体の滑り込ませ方は、マスクケースの開口部に二つ折りにしたマスク本体の開口部を合わせる様に挿入するのが良い。 マスクケースの折り曲げ部分には、挟む際のマチが具備されているため、マスク本体の中央部にあるノーズフィッターが外した際の立体形状を維持したまま挟み込むことができる事にある。 この様な形態で挟み込むことにより、挟んだマスクがずれ難いことになる。 同時に、二つ折りに成ったマスク開口部を収納体の開口部で挟むことでマスク開口部を確実に外部の曝さない形態になる。
短手方向二つに折れたマスク本体の耳ひもは、収納体の外部にはみ出す様に収納されている。 この形態では、マスク収納体からはみ出る耳ひもが煩わしく、邪魔である。 このままでは、簡単に収納体の開口部は開いてしまうため、収納体を持たない反対側の手で、耳ひもを本体側に折り返すとともに、マスク収納体に基盤(1)と蓋(3)を 両外側より耳ひもを跨がせる様に通し、マスク収納体の開口部に具備される、溝に引っ掛け開かない様にする。
同様に、収納体を持たない同じ手で、耳ひもを本体側に折り返すとともに、マスク収納体を外側から挟む様に耳ひもを引っ張りながら跨がせ、マスク収納体に具備される溝に引っ掛ける。 この様にすると、マスク収納体の開口部は、内蔵されるマスクの耳ひもが外側から巻かれる様に止められるため、相乗効果が発生し収納状態を維持する事が可能となる。
図5(a)は、ゴムが斜めのタスキ状に掛かっているが、ある程度ゴムを引っ張りかける事で適度の引っ張り力(テンション)を維持する事も可能である。 これは、最初に挟むマスクの向きで定まるもので、マスクの開口部と収納体の開口部を合わせる様に挟むことも、実質不可能ではないが、前記した様にノーズフッター部がつぶれたり、ゴムを引っ張り掛けたテンションが少ないために、収納体の開口部が閉じず開いてしまう事も考えられる。 すると、二つ折りに収納したマスクの開口部が収納体の外部に曝されるため、衛生上良くないのに加えせっかく収納したマスク本体が容易に見えてしまうためお洒落ではない。
【0036】
図5(b)は、
図4(d)へマスクを収納した際の状態を表したモノである。 蓋側には溝が用意されていないが、前記マスクゴムひもは溝があってもなくても、同じ位置関係の立体姿勢をとる事ができる。 それは、マスクのゴムによるテンションでマスク本体側に蓋が引き寄せられる効果が生じるからである。 意図され具備された溝であればゴムのテンションで外れる事はなく、ずれる事もなく安定したテンションで収納体の開口部は開くことなく閉じる力を維持発生することができる。
図5(b)は、
図5(a)よりも母材の使用量が少なく蓋に溝が具備されて居なくても、掛るゴムの位置が同じであるため、蓋側に溝がなくても同様に立体構造を維持できる。 このゴムを掛けることで立体構造を維持できる仕組みは、
図4(c)(f)に示される様に平らに折り込んだ際に、ゴムの掛る溝のエッジ部分がずれることにある。 このずれ量は、平面の板に具備されるマチ(2)に起因するものである。 マチ(2)が平らにつぶれる収納体全体は平らに成り、ゴムの掛るエッジ部分もずれる。 ゴムを掛けるとエッジ部分は揃い平らにつぶれていたマチ(2)は立ち立体構造になる。 この部分が、マスク収納と立体構造をなす為に必要な関係を示す重要な部分である。
このずれる事が筐体としての強度剛性を向上させるが、耳ひもゴムによってもテンションが発生しているため一定方向に形づくる力が、強度剛性を向上するためにも効果的に働いている。
図4(c)のイメージサイズは、5.5×18cmである。 ここに記述されるサイズは、以降に記述される形状変化に対する大きさの変化を掴みやすくした事が目的であり、大きさを限定するモノではない。 後述するが、マスクと収納体のサイズの関係は、全てがきちっと収まって入なければならない収納体サイズが必要な訳ではない。 ここでのポイントは、マスク本体の中央部の衛生状態を確保できるかに加え、収納の際のし易さ、落下しても収納姿勢から飛び出さず、姿勢維持する事、を兼ね備える観点が必要、と考えている。 ここには、見栄えの程度問題が生じてくる。 マスクのすべてが隠れることや本体を隠したり、見える部分をひっくり返して伏せたりすることが挙げられる。
【0037】
図5(c)は、前記(0036)で説明される立体構造を成すための、別の方法を説明するものである。 同様に二つ折りに収納されるマスク開口部を挟み込むように収納体開口部で挟み、前記(0035)で説明の耳ひもゴム部を折り返し引っ掛ける際に、斜めにタスキに掛けずマチ部に溝を具備したところにゴムを掛けたモノである。 ごむにテンションを掛けるとゴムには均等に力が掛かっているため、底部と蓋部及びゴムを掛けたマチ(2)の部分には縮む力が掛かるため収納体の開口部が開く様に収まる。 これも前記した様に、収納体として役に立たない訳ではないが、マスク本体が収納体に入れているにも関わらず容易に見えてしまいお洒落ではない。
図示しないが、マスクの向きを反対側にした姿勢、すなわちマスクの開口部と収納体の開口部の向きが揃う方向で収納し、マチ部に具備する溝に耳ひもを掛けると距離が遠くなるためより大きなテンションが発生し、収納体開口部は一層開いてしまうため望ましくない。 他方、マチ部から開口部に具備する溝に耳ひもを掛けると距離が近くはなるがテンションの発生は、収納体の開口部をひらき二つ折に収納したマスク本体の開くことになり、衛生上芳しくない状態が発生する。
言い換えると、マスクケースはマスク中央部を外部に曝さず全体を見えない様にすることを理想とするが、具備される溝や折り目を用いて色々なマスクを収納する方法(マスクセット方法)も存在している。 セット方法に対して、意図しない方法でカスタマーが用いることも考えられる。 カスタマーにより、あまり気にしなくても収納体を用いた収納の程度問題がいくつも、多数並立することにある。 いずれにしても、基本的な記述は理想に近い使い勝手を想定した折り方や具備した溝に対して記述するものであった、最終カスタマーの使い方の想定を全て記述するものではない。 最終カスタマーの使い方は、造り込みの技術とは離れたところにあるため書面を割かない。
【0038】
次に、立体化する事で収納体の強度が変化する事について記述する。
図6には、
図5(b)で示されるマスク収納体のマスク収納時の姿勢を示すものが示される。 底面(1)は、マチ(2)を挟み蓋面(3)に続く折り曲げの3面形状が表記され、マチの両側には折り目(7)と(8)が存在し、底面と蓋面が介在される。 図示しないが、マスクが収納されないと、概折り目に沿って全体が平らに成り、マチが蓋と平らなに同化するため、マチが消滅する。 底面と蓋の二面にも見て取れる。 しかしながら、書面の関係で平ら時もマチと呼び、その部位の動きを説明する。
マチと蓋が平らに同化しマチの消滅を説明したが、折り目を換える事で同様にマチを底面と同化する事も可能である。 しかしながら、挟み込む構造を考える際後者の折り方では、底面の長さにマチの長さが加わる事になり、同化し平らな形状と成った際に底面が大きくなっており、不使用時に小さく折りたたむ方向と逆方向であるため商品性は悪化してモノと考えられるため、詳しく記述しない。
マチ(3)の高さは収納される、外したばかりのマスクの立体形状を加味して設定している。 挟まる二つ折りのマスク及び立体形状の高さより、マチ(3)が低ければ収納体がマスクを収納した際にマスクがつぶれてしまう。 逆に、マチ(3)が高ければつぶれる事は無くなる様に思えるが、耳ひもゴムを溝に掛けた際に必要な移動量が大きく必要であるため、耳ひもゴムのテンションに大きく変化をもたらすための設計が必要となってくる可能性もある。 そればかりか、二つ折に収納されたマスクの収納体の位置が奥まで挟み入れる事ができなくなるため、マスクを覆うための底面の面積も大きく必要となってくる。 即ち、底面に対するマチの立つ角度(7)が90度に近いほど、マチの高さに近くなるが、角度が狭くなるほどマチは低くなってしまう。 角度変化で発生するマチ高さと角度の関係は、「マチの幅」と「サイン(内角)」のかけ算での関係と云える。 実際には、挟まるマスクの厚みも加わり、角度が広くなると考えてよい。
二つ折りのマスクの厚さは、ノーズフッター部で約10mm、中心部で約3mmが概ね計測も可能である。 一例であるが、マチ(3)を10mmとし蓋を40mmとするとき、底面50mmは耳ひもゴムでマチの高さだけ移動する設定とすると、概略3辺が分かるため三角関数の余弦定理を用いることができる。
底面とマチが成す角を概算で求める。
図6で示される内角(4)は、約82.8度を導出する。 底面に対するマチ(3)の有効高さを続けて求めると、SIN(82.8度)から99.2が得られ、10mmのマチの99%を超えるマチの高さに相当するマチ有効高さが得られたと考えられる。 このマチ(3)の有効高さに応じて、収納体の強度変化が図られていく。 参考までに、開口部は、同様に導出され約14.4度を得る。 但し、マスク3mmの厚さは無視している。
ここで、シート材と強度の関係について後述もするが、簡単に触れておく。 シート材については、前記した様に使い捨てを考えて紙を想定しているが、フィルム加工などによって変化する事は、前記した。 この程度問題を一先ずおき、基本的な用紙について調べると、コピー紙は 「0.09mm」 官製はがき「0.22mm」 学習ノートや文庫本の表紙「0.25mm」が得られた。
用いる収納体のシート材料を「官製はがき」でワークシートを構成する仮定のもと、前記したマチの有効マチの高さは、「SIN3度≒0.0523」が得られ、10mmのマチが僅か3度の内角が発生しても、官製はがきや学習ノートの二枚分にも相当する強度に成ることが示される。 感覚的ではあるが概算得られる。 ここで感覚的と記述するのは、シート材を折る強度について考えるときシート材の厚さを加味していない事に加え、折り曲げる精度について触れる事が難しいことにある。 前記もしたが、理想的な折り目を考えるとプレス機の様な大型の機械を用いて成形することは製品の強度を保証する上では望ましいが、ここではそのプレス加工すら無くし、人が事前に用意された折り目の様な処で、注意深く意思を払わなくても簡単に折ることを狙っているところから正確な記述は困難である。 実用使用時に措いて、問題なく便利に利用できれば良いと、考えるからである。
【0039】
この内角が発生するで、マチ(3)が底面(1)より離れることはシート材料が外力からの影響を受けてたわみ難く成る。 少し専門的な言葉を引用して説明を加える。
図7を用いて、材料の強度説明をする。 (a)図は、4隅に台座を置き床からシート材を持ち上げた状態がしめされる。 (b)図は、二辺を折り曲げ同じ高さだけ床から離れた状態をしめす。どちらの図も、床から浮いて平面の面積は同じであり、同じ方向の重力が紙面上から下に掛かっている。 このシート材を考えるとき、シート材が薄ければシート中心を最下天としてたわむ。 シート材料が厚くなるとたわみ量が少なくなる。 同じシート材を数枚積み重ねてもシートの材料は同じ方向性を示し、厚さと強度(たわみ量)の関係は経験的にも理解している。 すなわち厚みが増すと、たわみ量は減り、全体の強度が増し、耐荷重が増えることを意味する。 仮に、シート材にコピー紙の様な材料を用いる、平面への重力で材料は、大きくたわむ。 コピー紙の自重だけで反ってしまうため、耐荷重が低いと云える。 四隅の支持点が離れる程、たわみ量は大きくなる。 よって、距離との関係も正確な表現を必要とする場合が存在する。
たわむ事について詳しくふれる。 たわむには、シート平面に外から力が掛かっていると考えられ、本例では重力である。 重力により、材料がたわむと材料には曲げモーメントが掛っていると表現できる。 この曲げモーメントが発生時は、材料の厚さ(高さを意味する)方向で圧縮力と引っ張り力の層が発生している。 分かり易く言い換えると、シート材を一枚から3枚に積み増し説明すると、重ねた上部のシートが圧縮され、重ねた下部のシートが引っ張られる、中央のシートが中立とされる圧縮力と引っ張り力の緩衝する層と呼べる。 この様な事が、一枚のシートの材料の厚み内で内力、もしくは内力の分布が発生している。 曲げ応力と謂う言葉が存在している。 後述するが、応力の向きや組合せなどによって、せん断力(剪断力)と表現する場合も出てくる。
図に示す様に、重力以外に重力と同じ方向の力Fが加わると、より平面はより、たわみ量を増す。 これは、力と曲げ応力の関係を意味する。
図7は重力や外力Fによって、平面のたわむ量が変化することを意味するが、たわむ事が材料内部での曲げ応力発生と、バランスを示したものと云える。 外力を無くすと元の位置にもどる。
外部から加わる力に対して、たわみ量を少なくするには、たわむ部位に直接対策を施すのが一般的である。 たわむ最下点に対して、直接的に断面がT字に成る様に、同一シート材料で柱を形成したと考えるとき、柱をいれた分だけたわみの発生がし難くなることは明白である。 外部からの力をこの柱で支持するためであり、図(a)では、外力Fに対して直接支持するため、長手方向も短手方向もたわむ量は緩和される。 しかし、この部位に柱を入れる方法では、シート同士を貼り合わせたり、更に不必要な折り込みを設けるなど、手間や材料を必要とする。 そこで、平面の両端に折り込む部分の設けたのが、
図7(c)である。
【0040】
図7(c)は、平面長手の両方に平面と同じシート材の一部を折り込んで、縁を形成したモノである。 縁を形成したことで、長手方向はたわみが無くなり短手方向のたわみが顕著になる。 長手方向を折ることで、長手方向の強度が増す事を示している。 しかしながら、短手方向は縁を折り込んでいないため自重及び外力に対してたわみ量は依存して大きくなる。 より大きな力を加えて行くと、短手方向のたわみが増えると長手方向に設けた縁が引っ張られ、全体的につぶれるが、縁は維持されている。
この事から、少なくても折り目を付けた方向、ここでは長手方向には強度が増した事が見てとれる。 この折り込んだ縁に対して、縁の中心部は外力が直接掛るので縁の上部は圧縮応力が掛り、下部は引っ張り応力が発生すると考えられる。 即ち、縁の高さ方向にあたるシート材料内部では、曲げ応力にあたる事が発生している。曲げ応力を強化するには、縁の高さを増していけばよいと考えられるが、高くしていくと縁を真っすぐに立てる事が難しくなり、倒れの影響を無視できなくなるが詳細は説明しない。 ここで説明しているモノは、力学的説明であり、一般的にも建築設計で用いられているものである。 H鋼材やT鋼材の強度設計で計算されるものと、全く同じものである。 荷重強度を計算するには、集中荷重や等分布荷重、を考慮し、たわみに関しては、曲げ応力や応力分散など駆使して説明も可能であるが、マスク収納体のケース強度を計算するには、過剰設計と云える。 構造上の設計計算や設計マージン、設計保証を行う必要がない事は明らかで、実用使用時に措いて問題なく便利に利用できれば良いと、考えるからである。
ここで述べて措きたい事は、縁を形成する事で、縁を設けた部位は急激に強度が増すにある。 即ち、マスクが収納されていない平らな状態では、マチ(3)が隠れてしまうため、底面と蓋面が重なる平面形状に成るため外力に対してたわみ易い。 マスクを入れた瞬間に前記する縁にあたるマチ(3)が発生するため外力に対して強度を増し、たわみ難くなることにある。 平面から立体化(三次元形状変化)する変化をすること事で、本マスク収納に必要な強度変化することが、必要不可欠な要素である。
そして、平面から立体形状を維持するための一つの手法に、マスクの耳ひもゴムなどで発生する収縮する力を用いる事が最良の手段と考えている。 ゴム収縮力を用いる事で、収納体の形状維持が容易である。
【0041】
マスクの耳ひもゴムなどで発生する収縮する力を用いる事について、説明を加えておく。 最良の方法とは、マスクと収納体のみで、収納形体を維持する事が一番シンプルであり、すべてに措いて安価に提供できると考えている。 しかしながら、ここにも程度問題がいくつも発生してくる。 いくつかの例を挙げて説明をしておく。
マスクの耳ひもゴムを収納体のケース形状の維持に役立てる事は、他の部材を使用せず実現できる。 輪ゴムなどを用いて収納ケースの形状を維持する事も当然同業者であれば容易に思いつく。 収納体にマスクを収める事が真の目的であるから、耳ひもゴムは止めずに遊ばせても、収納体に具備された溝に止めず巻きつけても挟んでも目的を実現できる。 収納した際の見栄えや、収納に費やす手間や他の部材を使用するか否かであり、程度問題と云える。 溝が、溝でなくても溝の構造を代替する折り目を立てる事や折ることで耳ひもが掛る様に形成する構造であっても、全てその部位に耳ひもゴムを掛ける事で、同様に収納体の形状維持を実現できる。
その他にも、ゴムの代わりに、面ファスナーを具備して置換えることもできる。 収納形体を維持するために、ホックやボタンなども用いることも可能であるが、これらは全ては収納体材料に追加の手間と材料を掛けて、代替手段を行うものであり、商品力向上や、独自性に関わる程度問題であり、最良の方法に対して収納した際の見栄えや、収納に費やす手間や他の部材を使用するか否かであり、程度問題と云える。
【0042】
次に、マスクの収納のし易さだけでなく、外部から収納状態を見え難くする事は、飛散や飛来物の付着の観点で商品力向上が望める。
図8(a)に、その一例を示す。 この収納体は、
図4(d)に示す構造に対して、蓋Bを追加したものである。 前記と区別して蓋Aと記述する。底面に具備していた溝(6)を蓋Bに移動している。 この底面を中心とする左右観音開きの蓋を具備する構造によって、開口部と耳ひもゴムの掛ける位置が変更になり、マスク本体の長手方向は全く見えなくなる。 仮に床に落下させても、開口部が床に触れる心配は皆無となる。
図4、
図6では、耳ひもゴムのテンションを用いて、蓋を移動し立体構造を形成する事を説明した。
図8では、この方法を用いない。 立方体の構造を維持するための強度剛性は、底面と蓋Bとの折り目(9)で成す角度によって置換される。
図4、
図6では、マスク耳ひもゴムのテンションで挟み、開口部の溝にかかる耳ひもゴムにぶつかるため開口部から飛び出さないとともに、開放部が開放しない様にしていた。 しかし、折り目(9)を設けることによって、飛び出す開放部が移動し、ゴムのテンションで蓋をつぶす必要が無くなった。 飛び出さない様な3辺を持つ構造体の中にマスクを収納するため、蓋Aの先端開放部を蓋Bの根元付近で押される構造となるため梃子の作用が働く。 蓋Aは挟み込んだ二つ折りで発生する持ち上がりを防ぐ僅かな力であり、耳ひもゴムで発生するテンションほど必要ではない。 繰り返すが、3辺を持つBOX構造化しているため、マスク耳ひもゴムが収納体からはみ出る上下方向にだけ固定すれば良い。 はみ出す耳ひもゴムを折り返し、
具備する溝(6)に引っ掛ければよい。 引っ掛ける際の底面(1)をゴムで巻き込まない点が、観音開きの3面構造の異なっているところである。 巻き込まず、耳ひもゴムが二本揃うかたちで折り返すのは、気配るところが減りとても便利になる。
また、構造上も二つ折りのマスクの幅に加えて、マチ(3)の幅の移動量を考慮した分が必要であったが不要となるため、掛る溝分の長さの底面材料の削減と、蓋(A)の長さを同じ長さ分だけあわせて削減できる効果が生じる。
構造体の強度剛性の観点でも、マスクは収納体に滑り込ませたあと、耳ひもゴムを返して蓋(A)と蓋(B)を合わせる様に留める構造と成るため、底面からマスクを浮かせる様な止め方となり、蓋(A)が底面を押す方向の力は無くなる。 ノーズフッター形状維持にも効果的になる。
併せて、 この折り目(9)は、(0038)で前記した様に、約3度の内角を得れば十分な強度を有しているが、前記同様三角関数の余弦定理を用いてその部位の強度計算を行えば、ノーズフッター部にあたるマチ(3)を10mmとし、蓋を50mmと、底面50mmと設定とすると、底面と折り目(9)で成す角度は、約11.4度を得るため実用上十分であることは明白である。
マスクを収納する事で、三角柱を形成し、形状維持することが可能となる。 その際の強度剛性については、後述する。
【0043】
次に、マスク収納体の親和性を考えた際、マスクを収納しない時に収納体が平らに成ることは便利であるがマスクを二つ折りで収納する方向から、マスク本体の長手方向の長さが残存している。 さながら、長財布の様なモノであって二つ折り財布も存在する。 長財布であれば、そのまま収める事も出来るが、二つ折り財布にも収納できれば親和性向上する事は明らかである。 マスクが収納されない収納体は、小さいほど邪魔にならないため小さくすれば商品力向上は明らかである。
図9にその一例を示す。
図9は、
図8を平たくした搬送時の長手方向を二つ折りに図示したものである。 絵には問題に成らないが実際には、シート材料を折ると二つ折りにすることに問題が生じる。 (0024)で前記した様な、曲率半径の問題が一層難しくなってくる。
図9のV字にあたる部分では、6重の材料が重なる部分が生じている。 正確に半分の部位で折り込むためには、前記した様にシート材をしっかりとずれない様に抑えた状況で、プレス機を用いて折り込む様な事をしないと綺麗ならず収まりが悪い。 すなわち、折る回数により材料の厚さを無視できなくなる。 加工の手間を減らせず、最終的には収納体の加工コストに影響する。
図10には、曲率半径の問題について図示される。 図(a)は、実存するには困難な図に思えてくる。 陸上トラックの競技上に置き換えても同じことが云える。
図は、6層で材料が重なっている。 折る前は、6層が並行していた為シート材料の厚さは問題に成らないが、二つに折る瞬間から、最も内側のシート材料は、他の材料を挟まないため最短距離で曲げる事もできるが、実際には外側の層が同じ半径で曲げる目的の力が発生するため「内側は外側から圧縮される力」が生じる。 同時に、最も外側のシート材料は4枚のシート材料を挟む必要が生じるため内側の層が邪魔となるため「外側は内側から延ばされる力」すなわち、引っ張り力が生じる。
層による動きの違いが、相関の相互干渉として隣り合う。 シート材の中央にあたる層には、圧縮力と引っ張り力を緩衝する中立層と呼ばれる層が生じ、折り曲げは、3つの関係に阻まれ、折る際に困難を生じるだけでなく折る手を離すと折り目は簡単に戻されてしまう。 復元力と呼ばれる力で、折り目が開いてしまうからである。 この引っ張りや圧縮力に打ち勝つためには、大きなプレス機の様な力で角部全体潰す必要がある。 これを行うと、逆の側面も発生する。 角部をつぶし応力緩和をさせたとしても、使用時に延ばすと角部には伸びたシート部分が生じ、戻らないため余剰部分が発生する。 言い換えれば、角部にはゴムの様な伸縮材料が望まれる所以が存在する。 このシート材を折る際、内側と外側の周る距離の問題を、曲率半径問題と呼ぶ。 競技トラックでは、ゴールを一つにする同じ距離で競う事を目的を有するため、内側選手と外側選手のスタート位置を変えて平等性を確保し努めていることが分かる。
何度も表記されるが、シート材料の厚みが厚くなるほど収納体がしっかりとした骨のある収納体になるが、発生する曲率半径問題もより困難さを増していく。
図4で図示される構造であれば、長手方向を二つに折る際も4層で済むため、大きさの大小や使い勝手、見栄え、綺麗さ、折り込む数と仕上がり厚さ、などには、程度問題が複数存在している。
図9のイメージサイズは、 5×8.5cmとなりカードサイズになるため、財布のカード入れに入る。 持ち運びの観点では、高い親和性を有するが、収納体へ収納のし易さを考えると長手に対して折れない方が良いと考えられる。 小さくするのも程度問題が発生する。
ここでは、
図10(b)に示される様にするためには、前記した折り重ねる際の層の距離の違いを緩和したり吸収したりする構造について考察する。
【0044】
(0043)で説明した様に、折り曲げ部の角部にあたる材料がシート材の厚みを持ち、異なる曲げ半径が必要な状況が生じるにも関わらず、同一の曲げ半径を強いられる状況となるため、角部には曲率半径問題の発端があると考えられる。 言い換えると、各層が各層毎で必要な部位と必要な半径(距離)で曲がることが出来れば、相互間の層で干渉することが無くなり、この問題は解消される。
図10(b)には、その様子が示される。 図(a)と同じ6層を重ねているが、折り曲げの先端位置と形状が異なってくることに着目する。 きれいに且つ正確に二つ折りにすることを説明すると、曲がりの始点と終点は直線部分の6層で重なる部分で揃う必要がある。 競技トラックに喩えると、始点を変えている説明をしたがここでは始点と終点が、一つに重なる事を意味している。 図を注意深く見ると、内側の層は終始点から最も離れて急に折れ曲がるが、外側の層は終始点より最も近いところですぐ折れ曲がり、その数も2点の様に捉える事もできる。 この二点は、内側に挟む4層分の厚さの影響であることが見てとれる。 ここで重要なのが、曲がりに要する始点から終点までの距離が同じである。 逆説的に述べると、角部に要する距離が同じならば、「外側の層は内側近傍を通り、内側の層は外側遠方の軌跡」となる様に折れば良い。 すると、曲がり部分に必要な距離が同じであるため、前記の様な曲率半径問題は解消される。 折ることから延ばしても、曲がりに要した距離は同じであるため、すぐさま自然に真っすぐにすることができる。 繰り返すが、角部で生じる違う層の重なる層間の部位を重ならない様に工夫するところが重要になる。
図10(b)に表記の数字は、前記トラックに該当する面の番号に相当する。 1は、底面である。 便宜上、トラック1を「T1」と表記し、
図10、
図11説明で用いる。
【0045】
次に具現化する方法について述べる。
図10(c)には、その様子が示される。
曲率半径問題を解消するためには、前記している様に角部で折り重なる部分を解消しなければならない。 重なる部分を解消する一例として説明する。
2T折り曲げを解消するには、2Tの折り込む部分に複数の切込みを設け、2層交互の折り曲げ部を切り取って仕舞い、溝を構成とすれば良い。
3T折り曲げを解消するには、3Tの折り込む部分に複数の切込みを設け、3層順番に折り曲げ部を切り取って仕舞い、溝を構成すれば良い。
溝の順番よりも、溝の幅とか溝の距離で強度が異なってくるため、適度に調整する事が最も大切である。 図(d)は、溝を7本作り、数値は接続するトラックナンバーである。3Tが3本、1Tと2Tは2本で構成する例を示す。 3Tを中心に持つシンメトリー構造であるがパターンを意味する「PAT」で括る。
図(e)は、
図8で示される展開図であるが、底面(1)の折り曲げ部に「PAT」を置換することを意味している。 即ち、底面には7本の溝を具備する。 同様に、蓋面Aには、「PAT」をひっくり返しを反映したモノを置換する。 蓋Bに措いても、ひっくり返しを反映したモノを置換する。 「PAT」の折り返しは、底面の両端で二つ折りにするためこの様に合わせている。 PATの中で、蓋A(2)は中層に位置するため、2Tの溝を「2」を2本抜き出し、底面(1)は3Tの溝を「3」を3本抜き出した。 同様に、蓋B(7)についても1Tの溝「1」を抜き出すが「PAT」を意味する7本の溝の幅が無い事を表記しておく。 構造体で、不要な部分は無くすことで利便性が増す。どの面に、どこのトラックが該当するかが明確になった。 図(f)には、すべてのパターンを記述した。 面を1から3BLで表記し該当する意味を分かり易くする。 3BLに対して、2BLと1BLが重なる様に折りたたまれる。 該当するパターンの数値は、同じ数値の処で重なる。 折り込む部位の溝について説明する。 面の繋がりを分かり易くするために白黒反転した。 白は溝、黒は面の繋がりを示す柱である。 3BLのパターン「3」に該当するところの柱を残す。 同様に、2BLであればパターン「2」部位、1BLであればパターン「1」部位、の柱をそれぞれ残し、溝を設ける。 図示しないが、3BLに対して、2BLと1BLを折り重ねるとパターンの数値に合わせてトラックが構成されている。 即ち、層どうしの繋がりをトラックで記述される溝に置き換え、干渉をさける為の必要な溝を構成した。
この法則は、同様に、何層であっても、折り曲げ部をパターン化して該当部位を切り取り溝化すれば良い。 ここで重要な点は、層の数が増していくと切込み(トラック数)の数が次第に増え狭くなる、同時に厚さを意味する溝の長さが長く成る。 そのため、この折り目を挟む面どうしの接合部位が細く長い部材(柱)で繋がるため強度的に弱くなる問題発生が考えられる。 重ねる層数分の厚さをぴったり合わせて講じても良いが適度な弾力性を加味して短く講じる事も可能である。 ここにも、シート材料の選択と重ねる層数が関与している程度問題は発生する。
この様なことから、層どうしの折り込む幅に対して細く長く増えていく溝形状は材料強度とのバランス調整が生じる。 即ち、繋がりの幅が長く成る事や狭くなるとこに注目しなければならない。 余りにも狭いと繰り返しで材料破断に至る。
【0046】
図11には、溝構造の工夫が示される。 図(a)は対比できるように
図10(f)を抽出した。 (0045)には、切り取り溝にすることを説明したが切り取るとゴミになる。 層間の緩衝が無くなれば良いので、完全に切り離す必要はない。 図(a)では、7本の溝を有し、全てでゴミが発生する状況にある。 図(b)では、2BLの部分に「コ」の字の溝をいれた実施例である。 本体の収納体から切り離さずに同様の応力緩和機能を構成ができる。 文字の(N)(H)で溝を形成する一例も図(b)1BLに記載する。 折り曲げた際に、どちらかの辺に繋がっていればゴミとしての発生が抑えられる。 応力の集中を加味すると(V)や(W)(M)(K)なんでも、組合せが可能である。 意図的な文字の組合せも広報活動として用いる事もできる。 ゴミは出ない方は良いとする考えである。 シート加工で成形する事ができれば無用な心配かも知れないが、程度問題として考えて措きたい。
(0045)には、溝が細長くなると、この折り目を挟む面どうしの接合強度が弱くなることを記述した。 重要なのは、強度剛性に対応する例を図(b)3BLにその対策の例が示されている。 黒い階段状の部位がそれに該当する。
前記の説明では、すべての層に渡り同じ長さの溝を設け、必要な溝を残し不要な溝を断つことを記述したが、収納体としての折り目を考慮するといつも同じ方向で折れた方が使いやすく望ましい。 逆方向に折れる必要性が無いばかりか、構造的にどちらにも折れる構造は可動範囲が広く成り、耐久回数に影響する事が容易に考えられる、破断強度との関係が生じる。 言い換えると、折り曲げる中層と外層の関係は画一的で無くても、逆方向に折らないならば層間が入れ替わることを考えなくて良い。その分を強度剛性に振り向ける。 言い換えると、トラック1は必ずトラック2の内側であり、トラック2はトラック3の内側におることに特化した対応が可能となる。 その一例が前記した黒い階段状の部位である。 この部位は、前記した細く長く成ってしまう柱の根元部分に該当する。 少しでも溝を埋める事は、柱の強度が増し面どうしの繋がりが強さを増す。
【0047】
次に、汎用型の衛生マスクではない「3Dマスク」や「立体マスク」と呼ばれるタイプのモノで、
図3には脱着時に平面になるモノについて図示されている。 このタイプのマスクは顔面を覆うところが、顔から外した際に内側に重なる本体部分と耳掛けの部分が同一材料で構成されているモノが多く存在している。
全体的に伸縮性を有する材料を使用する事が多く、伸縮部分を含む本体部分と耳掛け部として存在する伸張しやすい部分の明確な区分が難しいモノも存在する。 細い耳の部分が伸張しやすいと云えるが、装着時は耳にあたる細い部分の伸び量が多いため、人によっては耳穴部が長くなり、長さ規定は困難である。 その為、便宜上、本体部と耳掛け部は、2分の1として扱い寸法表記する。
本収納体は、外したマスクの内側が二つに折れる事に拘った、衛生的に何度脱着を繰り返しても前記した表裏問題を起こさない様に工夫された収納体である。
収納体の基本骨格は同じであるが、耳部の伸縮性の形状・幅・厚さ・大きさ、すべてに渡り異なっているため、その構造の違いを活かし、最終的には共通に用いる事ができる収納体を提供する。 記述するする必要が無いかも知れないが、耳を掛けるばね部は幅を有しているため衛生マスクの様に引っ張ると形状が変わってしまい平面部分が立体的に変化してしまうため、平面のまま収納する事が型崩れをしない収納方法である。 平面のまま収納体にスムーズに滑り込ませるように収納する事を提供する。 当然であるが、「衛生マスク専用収納体」と異なる「3Dマスクの収納体」はそれぞれ特化したモノを提供する事が、収納体のサイズに関しては一番良いことは明らかであるが、お店でのカスタマーへの提供やライフスタイル変化でどちらのマスクを選択するかを考えずに装着しないモノを収納する収納体と考えると、多少サイズ的に大きくなったとしても、それを上回る使い勝手もメリットを持ち合わす。 ここにも程度問題が生じている。
【0048】
まず、3Dマスクに特化した
図12について説明する。 図(a)は展開図であり前記同様に、シート材から切り出し必要な加工を施したワークシートである。
ここには、底面及びマチ・蓋A・蓋Bの観音開きの形状と関係が表記される。 この構造についても、折り目(4)の位置で底面に合わせる様に折りたたむことでマチの発生が無く蓋Aは底面に同化する様に折ることができる。 平らな形状では、柔軟に曲がる性質を有している。 蓋Aとマチ部を結ぶ折り目(5)を事前に折ることによって、蓋Aが底面からずれたり離れたりすることによってマチが立ち、マチが持つ曲げ応力に関係する強度剛性が現れる。 蓋Bは、底面とを結ぶ折り目を有しており、蓋Bを蓋Aを挟む様に折りたたむことで平らな形状となる。 この際、蓋Aは蓋Bの折り曲げ線に揃う形態の長さ関係にすることが望ましいいが、マスクを挟むことで少なくともマスクの厚さの分だけは蓋Aの端面が持ち上がり、続いてマチも立ってくる。 前記の「揃う形態の長さ関係」は、同様にマスクを挟むことで厚さ方向の端面持ち上がりだけでなくマチが立つ方向へ、挟んだマスクの厚さ分だけ蓋Aがスライドする様になる。 マチは、スライド分と厚さの分を加えたマチの角度となり、スライド分だけ大きくなり、角度に応じて強度剛性の向上が図られるのは、前記同様である。
マスクを蓋Bから底面に滑り込ませる様に入れ蓋Aで挟むことで、マスク本体の部分に直接触ることなく収納する事を可能とする。 その後、蓋Bを蓋Aに倒していくことで、蓋Aの先端がマスクに巻き込まれる様に、底面から浮き上がる蓋Aを蓋Bで抑える様にするため、蓋Aがマチ方向に移動しながら開放部は無くなる。 そのままでは、マスクの蓋Bは、内部に挟み込んだマスクによる反力で蓋Bが開いてしまうため、蓋B(?)を蓋A(?)に引っ掛けて(差し込み)留める事で開放せず、状態維持ができる。 マスクを蓋Aを巻く様に蓋Bでマスク下の空間を抑え込む形状となるため、適度な弾力性が発生し落下しても開放する事は生じない。 三角柱の内部では、蓋Bを留める事でマスクに挟まれる蓋Aが固定され、蓋Aのたわみが同時に発生している。 本収納体のサイズは、長財布には入れ込むことができるが、二つ折り財布には入れ込むことはできない。 イメージサイズは、9×14cmである。 ワークシートに具備された折り目(4)(5)とは90度角度の異なる長手方向を折ることが出来れば、二つ折りサイズとなり財布に忍ばせる事も容易となり、使い勝手の親和性が向上する。 イメージサイズは、9×7cmである。
(0043)から(0045)で、前記した様に曲率半径問題の解決法を入れる事で、観音開きのワークシートでも小さく折りたたんだ状態から、更に半分の状態への折り込むことができる。 小さくなり、持ち運ぶことが便利になることは程度問題ではあるが、商品力は向上する。
【0049】
今までは、衛生マスクや3Dマスクを鑑み収納体をそれぞれ提案してきたが、お店などでの提供を考えるとカスタマー毎にどちらの収納体を渡すのか、もしくはカスタマー自身に該当するモノを選んでもらったとしても、どちらのタイプの収納体の減りを補充して行けばよいのか管理上の煩わしさは残る。 ここでは、衛生マスクや3Dマスクを共用に使用できる収納体を提供する。
図13について説明する。 図は展開図であり前記同様に、シート材から切り出し必要な加工を施したワークシートである。 ここには、底面及びマチ・蓋A・蓋Bの観音開きの形状と関係が表記される。 基本的な構造は、(0048)で説明される。 相違点について、説明を加える。
3Dマスクは、マスク事態の弾力性と厚みの特徴を生かして収納時の収納体の立体形状を維持する形態であるが、衛生マスクは耳ひもゴムの伸縮の特徴を生かした収納であることが望ましいことは前記した。 言い換えると、収納にあたり邪魔と思える耳ひもゴムを引っ掛ける部位を具備する必要がある。 この具備される耳ひもゴム引っ掛け部分は、マスクを収納しない平らな形状では、突起などしない方が望ましい。
図中(?)は、耳ひもゴムを引っ掛ける部位である。 本部位は、蓋Aの一部を延長したものでマチとの連動を断つための切込みにより、折り込んだ際にマチが立ったとしても、蓋Aと同一面としての動きを伴う。 底面に対して、マチ部と蓋A及び蓋Bを平らな形状に重ねるところは
図12と同じであるが、マスクを内部の収納した際に生じる3D構造化により蓋Aは、底面から移動する。 この移動に合わせて具備された突起が徐々に表れ、本体形状が三角柱の形状になる際には蓋Aの平面で延長方向に突起した部位が現れる。 この突起の根元部分は少し細くなっていて、耳ひもゴムを掛けた際にも外れ難くいすると同時に、蓋Aが収納体内部に沈み込むことを防止する役目も備える。 上下とも耳ひもゴムを掛ける事により、安定したゴムのテンションにより収納体の蓋Bの先端を押さえる事ができるため収納体の形状維持を可能とする。 3Dマスク収容時に必要な、蓋B(?)を蓋A(?)の差し込みは不要である。
図12から、差し込み位置を変更したもので使い勝手を吟味して何処に加工しても良い。
誤解の生じない様に記述するが、本
図13で説明した突起部は、
図4で述べて来た溝(6)であっても構わない。 どちらを選ぶかは、使い勝手とサイズなどの関係であって、一枚のワークシートから形成される事は同じである。 ここにも程度問題が生じてくる。 構造上の特徴だけ付け加えれば、突起は3D収納体の外部に出るためイメージ上のゴムの掛けやすさが存在し、溝構造はゴムが3D収納体の内側に位置するため外見上の収まりが良い。 どちらでも良い。イメージサイズは、9×18cmである。
(0043)から(0045)で、前記した様に曲率半径問題の解決法を入れる事で、観音開きのワークシートでも小さく折りたたんだ状態から、更に半分の状態への折り込むことができるが、このイメージサイズは長財布に丁度収まるため二つに折らなくても使い勝手が良く、商品力に優れると考えられる。 使わない機能は、通常コストアップになってしまう事が多いが、プレス加工で一度に加工する事を可能とし、カスタマーが便利に折れる選択肢を提供する事を想定すると、その差異を考えるよりも同一機能で造り、カスタマーの選択で使用するか否かを決めてもらえばよい程度問題もあることを記述しておく。
ここでのプレスは打ち抜きでの切込みを意味し、折り曲げでのプレスで無い事を明記しておく。
【0050】
(0049)では、共用に使用できる収納体を提供したが、収納形体を変えた別のモノを提供する。
図4や
図8は、衛生マスクを半分のサイズでの収納体であることは前記した。 明らかに3Dマスクを収納するには小さい。 しかしながら、収納する事で立体化する構造により、強度剛性が図られている。 衛生マスクでは、耳ひもゴムのテンションによって形状維持していたが、3Dマスクに措いてテンションを掛けると厚みが生じるため形状が安定しない。 ゴムのテンションを輪ゴムに置き換えて、収納体の形状維持をすることも可能である。
図14は、収納体に輪ゴムを掛けたモノである。 図に示されるゴムは、収納体の一部に穴を開けゴムを通したモノである。 このゴムを収納体全体に回すことで、形状維持をすることが可能になる。 3Dマスクは、収納体からはみ出してしまうが、はみ出した部位をテーブルに伏せておくことでマスクの本体は確実に覆う事ができる。 誤解が生じないように記述するが、マスク中央部については収納体の開口部に滑り込ませ底面と蓋で覆っている。 はみ出している部分は、耳掛け部であり衛生面での問題も生じない。 ここにも程度問題が生じている。 マスク全面を覆う事を希望する人と利便性を求める人でことなる。 はみ出している部分をテーブルに見える形で置くこともカスタマーの自由な選択であり、お店側の提供が見えない事を望むなら、そのタイプのモノを提供することも選択の一つである。 穴を具備しゴムを通すか通さないか、穴の有無についても、サービス向上の程度問題であり、伸縮のゴムを用いた際に、伸縮力に変形せず収納体の形状維持ができる事、簡素に伸縮力を用いて留める事ができるかが重要なポイントである。
図14は、底面と蓋で構成されるものであるが、
図8で示される観音開きの構成をもつモノであっても輪ゴムの位置を変更する事で、前記同様使い勝手の良い収納体の維持を図ることができる。 重複し説明を加えるが、ゴムを掛ける事で落下しても収納体からマスクが放出されるのを確実に防ぐことができるが、机上に置き落下など心配しない大きなテーブルも考えられ、ゴムを掛ける事をしない事も考えられるため程度問題と考えてよい。
【表1】
表1はマスクサイズを調査したものである。
【0051】
次に一般化しているマスクサイズについて記述する。
表1に、一般的な衛生マスクと3Dマスクの大きさが示される。 共通して記述されるM1、M2、の様に記述されているのは製造メーカー種を表すものであり、-S、-M、-Lについてもサイズを表す符号である。
衛生マスクについての縦方向長さは、プリーツが持つ特性で柔軟に対応できることが挙げられるため同一サイズである。 長手方向の幅については、サイズを表す符号との関係も伺いし知るが統一されていない事も理解できる。 耳掛け部の耳ひもゴム長についても統一しておらず一例として16cmを掲載する。 ここには、マスクの幅を狭くし、耳ひもゴム伸張幅を長くとる事や、その逆も考えられる。 しかしながら、最近では自作のマスクを作成したりするケースも存在するため、即ちメーカーでの思想が入るもので程度問題としてここでは扱う。 ここでは、代表サイズとして、本体サイズを9×17cmを挙げて措きたい。 17cmは、カードサイズの長手方向の2倍に相当するものであり、マスク収納体を使用時には17cmとし、使用しない時は半分に折ることで8.5cmとなりカードサイズに変形することは特別の意味を持つ。
これは適用の一例を示すものであって、このサイズに限定され適応されるものではない事を記述しておく。 便利な持ち運びとしては、前記している様に二つ折り財布や長財布、スマートホンの大きさなど、商品力に直結するようなサイズは意識する事は社会との親和性を考えると重要である。
3Dマスクについてのサイズを考える際、装着時の三次元形態の寸法で耳から耳までの幅を記述するモノ、非装着時の平らな先端から先端までの幅を表記するモノ、耳掛けゴムを衛生マスクの様な伸縮するゴムで形成し、口を覆う部分を表記するモノなど、商品の特徴を表す部位との関係もあるところから明確な表現が難しい。
形が各社各様で統一した表記も無かったため、縦方向長さを顎部から鼻部の最も広いところを縦長さとし短手方向とした。 横方向長さを鼻部中央部から耳掛け部の先端までの最も広いところを横長さとし長手方向とした。 前記したが、中央部の口にあたる周辺を外部との接触を避けるために覆うのが、収納体の目的の一つであるため、記述の便宜上長手方向の半分を本体部分、他の半分を耳掛け部として扱う。 この半分は、どのマスクを見ても中央部の口当たる部分を十分包含しているため、収納体の目的の一つを果たす。
表には、非装着時の縦長さと横長さの半分を表記した。 主観的ではあるが、ここでは、代表サイズとして、本体サイズを15×8.5cmを挙げて措きたい。
15cmは、二つ折り財布のサイズを意識したもので、8.5cmは前記17cmに関する幅であると共にお札の短手方向の収納を意識した財布の幅であることを挙げて措きたい。 本体のサイズについても、商品力・特徴・耐久性・デザイン・性能など、どこに重きを置いて作成するかで、使用する素材も異なってくる。 ここについては、専門家に任せたい。 おおよそ使用される本体材料については、ポリエステル・ポリウレタン・布・面・ガーゼ・不織布や、それらの材料の組合せが使用されている。
即ち、大きさ・形式・形態・材料によって様々に存在するため、一義的に定義し論じる事は難しいことを挙げて措く。 言い換えると、程度問題と云ってよい。
【0052】
次に一般化しているマスクの使用の際に発生している力について記述する。
(0051)に記述したが、統一化する事の難しい状況にあるため、代表的な衛生マスクと3Dマスクの一例について発生する力を考察する。 メーカーでも様々な大きさ、耳ひもゴム長があるため画一的な計測を行うには専門家を交えて、専用の固定治具や、温度などの環境条件など比較対象どうしでの評価が必要なシーンでは、難しい統一条件での評価方法が必要となって来るはずである。
ここで評価したいのは、最終的なカスタマーの主観的に求められる市場での製品であり、一般的に購入できるものが選択肢である事実である。 一般的に購入できるモノに客観的な方向性が存在すると考えられる。 即ち、マスク装着後は手を放しても顔面にマスクを押付けているゴムテンションが必要であり、強すぎれば耳が痛くなることや、弱すぎれば顔面との隙間が開きずれ落ちるため、使用し購入するサイクルの難い商品となるためメーカー側は売れる為の商品開発が必要である。 同時に、装着するカスタマーのサイズも様々個人的要因が考えられるため、大きさの分布解析のデータを研究し、サイズ別に商品を作る必要があるのか、装着時のフィールが同じように感じられるのかなど様々な人要因など、統計なども駆使して商品化を企画する必要が想定できる。 ここで必要なのは、正確な絶対的な数値(=引っ張り力を意味する)が必要なのではなく、特徴的な傾向を掴むことにある。
【表2】
表2は衛生マスクのテンションを調査したものである。
【0053】
表2は、衛生マスクについて、マスク装着時の力を推定するための実験を行った。 表の横軸は、耳ひもゴム伸びを表す距離であり、縦軸はその際に掛かっている重さである。 一例を抜き出せば、3cm・6cmの耳ひもゴムが伸びるとき際の二本のゴムに掛る力であるテンションは、30g・70gである。 移動量と荷重変化を表す傾きは、差分40g/偏差3cmの計算で、1cmあたりのテンションは13.33gの特性を有している。 太破線で示される線からも明らかな様に、衛生マスクのゴムは直線性の変化を有する特徴をもっている。 これは、グラフ上破線で示される直線近似線上ポイントである。 この近似線は、左右の耳ひもを平均値から求めたモノである。 左右の値は、左右別々に数回計測した平均値から求めたものである。 前記したが、専用の治具を用いた解析で無いため一つ一つは計測バラツキも発生するため平均化処理を施した。
表2の特徴から、装着感などを評価する際には距離と荷重の関係が比例関係であり、ゴム全体に同じテンションが掛る均一構造であるため、測定ポイントを決め、しょきからどのくらいの変化が装着時に発生しているかを評価しやすい事が挙げられる。
【表3】
表3は3Dマスクのテンションを調査したものである。
【0054】
表3は、3Dマスクについて、マスク装着時の力を推定するための実験を行った。 表の横軸は、前記同様距離とテンションの関係であるが、3D構造のため使用時を模擬した計測は、荷重変化は3D構造全体で応力分散が行われるため形状変化が著しい。 よって、この影響を最小限とするため非装着時の平らな形状を維持する様にその両端の耳掛け部に同時に荷重を掛ける測定方法で実施した。 その為、4回の個別計測データと4回の平均且つ片側に掛る換算値として2分の1を掛けたモノを太破線で示している。 変化量として2cmまでとした理由に、装着時の形状と似ても似つかない形状となって仕舞うため実際の装着時から必要な計測状態から逸脱した範囲と考えられる。 その状態の値を一例で抜き出せば、2cmの移動変化に対して80gとなり、テンションとしてはこの値以下で使用されていると判断して間違いない。 参考までに、実感としては、30g前後のあたりで装着していると考えている。
【0055】
(0053)(0054)で、マスクと荷重について記述してきたが、マスク収納体を考える際に考えるべきポイントは、マスクのゴムのテンションを活用する際にこの荷重特性加味する事が重要で考慮すべき内容が存在している。 収納体へのマスク着脱をする際に、耳ひもゴムを収納体の溝やどこかの端に留める事を考えるとき容易にその部位に掛けたい。 収納体の形状変化が生じるとすれば、留める事必要以上の事を考えて慎重にすることが求められてくる。 仮に、収納体の形状変化が起きると前記した様な収納体のある面の応力による反り、降伏点を意識した慎重な引っ張りが必要で、使い勝手が悪くなるだけでなく、最悪の場合材料の降伏点を過ぎ、ケースに塑性変形を起こし、皺クチャになってしまう。 その様なモノは、収納体としての体を成さない。
一つの考え方として、実使用の倍の力、即ち60g程度のテンションが掛った際にでも収納体は形状変化を起こさずに収納できる事が容易に収納できる目安として活用できると考えている。 実使用の値が、100g・150g・200gと容易に数値上向上する事は簡単であるが、実現していく為には材料に掛る構造上の力を厳密に計算する必要性とテンションに耐える材料、その折り方、材料の方面加工など多岐にわたり発生し、ワークシートの加工に関する事も多く発生する事が考えられる。 恐らく一番重要な要素に、シート材料の厚さ変更に関することが予測される。 間違いが生じない様に記述して措くが、マスク収納体は持ち運びに便利で使い捨ても加味した内容の実現であるため、不必要な強度剛性をもった収納体は過剰であるばかりか重量が嵩んでいくため、生活との親和性を考えると離れていく。 構造計算を考えた際の現実的な値は、3倍程度の約100gでのテンションに耐えうるものであれば必要十分であると考えている。 ここは法律ではなく、実際に用いるシート材と形状でのバランスであり、どれくらいのテンションに耐える様に設計するかは程度問題である。 ゴムのテンションを掛けない時の湾曲してしまう強度剛性とマスクを収納しゴムを掛けて得られる強度剛性の幅がある程、構造体的には有効度が高く評価できる。 折り方により、材料の有する力を最大限引き出したことと云える。 この強度剛性の幅が大きいほどほど、上限の強度剛性に合わせ、薄くて軽い材料が選択できるため、シート材の材料も廉価なモノを選択できることがますます期待できる。 折り方を工夫する事は、進化であり価値に値する。
【0056】
次に一般的に使用出来そうなシート材の種類について記述する。
シート材について考える際に、実用上材料は何でもよい。 国によっても、文化によっても異なる事が考えられる。
大局的に考えると、金属材、プラスチックと呼ばれることが多い樹脂材、紙の材料ではないかと考えている。 一部、厚いフィルム材料や紙材料にフィルム加工なども考えられるが、耐久回数を最重要するものでなければ、クリーニングの手間やその周辺に関係してくる面倒を熟考すると、短期間の使用に限られる使い捨ての分野での利用と考えている。 前記した実施例については、この点で一線を画す。
さらに、前記もしたが、お店などにおける無償の提供までを考慮すると、より使い捨ての使用がポイントになると考慮される。
使い捨てを考慮した際に一般的に市中で手に入れる事ができる材料が、「紙の類」であり、最もポピュラーで廉価な材料で使い捨てに相応しいと考えシート材として、ここで記述する。 「紙の類」について、記述するが紙に限定するものでない事を記述しておく。
【0057】
次に一般化し使用出来そうな紙製シート材と材料の厚さ、及び強度剛性について記述する。 紙の類を調べるにあたり、伝統的な要素が存在していた。 工業製品には、全てに渡り許容範囲と呼ばれる規定内であれば製品として出荷可能と範囲が存在している。 紙製のシート材料を選択する際にもいろいろな因子に翻弄させられる。 H鋼材やT鋼材の強度設計・計算では、不具合が生じた際の事の重要性を考慮すると、鋼材に必要な材料比や計算に必要な有効桁数など、各界で定められ商用取引が成されている。 その一つに、用紙の厚さと重さの関係がある。 業界呼称としては、重さの事を、秤量(ひょうりょう、つぼりょう)と呼んでおり、重量は一般的でない。用紙の厚さと秤量の関係は、「厚さ=秤量/850」で示される。 秤量を850の定数で除した値と云える。 単に計算上は、何桁でも求めることが可能でも、その値が示す意味や精度など考慮すると、必ずしも有効でない事が、下記表から読みとれる。 商用取り引きを考えると、この桁数が多いほど計量や保証などに掛る金額も多いと考えられる。 一般庶民が紙を購入する際の一つの目安に、慣例的に用紙の名称(例えばコピー紙)で購入するか、触った際の感触や触れた時の反りと厚さ感、及び表面の平滑度や光沢などの出来や大きさで決める。 身近と考えられる範囲は、それぞれ異なるが表に纏めた。 用紙の特徴(色、マス、カーボンなど)は常識的に表記されるが、厚さや秤量に渡り記述されるモノは多くはない。 単位は、秤量は「g/m^2」(平方メートル当たりのグラム数)、厚さは「mm」(ミリメーター)で表記される。
【表4】
表4は紙の種類と厚さを調査したものである。
【0058】
表4は、「紙の類」を区分する名称や秤量・厚さについて区分整理される。 表中の「小数点2桁及び小数点6桁」で示される数値は、用紙の厚さと秤量の関係から求まる算出値を意味する。
この表から、注目すべき点について抽出する。
「1」表記精度についての概論、 規格で統一されている官製はがきでは、「厚さ0.22・秤量209.5」と伝わる。 伝統的な関係である850を用いて、両者の関係を導出すると、「厚さ0.2464」を得る。 10%を超える偏差が生じている。 「850」の定数から求めたが、確からしさを正確に扱う難しさを得る。 水分の含有量なども大いに関係することが考えられる。
「2」表記は、同一商品名で比較する、 「PPC普通、コピー紙」の順で「0.0823、0.0752」少しずつ商品で異なっている。 PPC紙は秤量70gが表記され、コピー紙は用紙の単位面積当たりの重量が表記され、それぞれ商品の厚さを導出した。 ここでも、10%を超える偏差が生じている。 これらの紙類は、重さやその厚さでの商用取引で関係の無い事が推定される。 一般的には、「0.09」とされ、一層誤差を増す。 四捨五入などの処理も考えられる。
「3」表記は、扱う処で名前を変えるもので比較する、「厚紙A、模造紙4」は、「0.19、0.19」と同一厚さであり現物を見ても精通していないと区分は難しい。模造紙は少なくても5種存在して、「0.19」の表記が存在する。 秤量換算では、「161.5」であり、厚紙規格のAに相当する範囲に属している。 厚紙規格では、4種の存在を認識したが、市場では厚紙と称する商品が少なくても7種存在していた。 模造紙は、「0.15」と公表しているところも存在していた。
「4」表記は、同じ商品名でも単位重量の規格が存在する、 「工作用紙1、工作用紙A」は、「223.2、157~350」の単位重量が得られた。 工作用紙Aの幅の概ね半分の値が、工作用紙1に該当する。 同じ目的と思える用紙でも、カスターマのニーズは多岐に渡ると考えてよい。
「5」表記は、同じような商品でも異なる性格が存在する、 「上質紙、画用紙1」は、「64~157、79」の単位重量が得られた。 上質紙は、コピーに使用する用途もあるがコピー紙より明らかに厚みをもっている。 画用紙は、多くの人が幼少時代の絵と具と結びつき水分の染み込みやニジミに関すると直感的に感じると考えられる。 区分法については、専門家に任せる。
その他、耐水紙などフィルム加工を施したものも存在していて、厚さや秤量などでの規定も困難と推定される。 説明していない項についても、参考比較としての記載にとどめる。 前記もしたが、強度剛性を考える上で厚みが重要な因子であることは誰も疑わないが、それを規定しようと用紙品目名やランクなども存在や、記述されていても誤差が多く含まれるため、選定と規定が非常に困難であり意味を成さない事が読み取れる。
【0059】
次に、実際にマスク収納体を使用するカスタマーと使ってもらう事で、メリットと考える供給する店側について説明する。
食事を提供する場面では、マスクを外すことを否めないが良い雰囲気での会話では装着を望むことも事も考えられる。 収納体には、様々なニーズが存在している。 お店では、「一回限りのその場での使い捨てのモノ」を望むオーナーと、持ち帰ってもらい「その一日を十分使える耐久性のモノ」で使用してもらう事でお店の宣伝効果が期待できることが考えられる。 即ち、耐久性を考慮したモノや宣伝効果など、異なる目的で使用できる多くのニーズが収納体には望まれている。 前記と重複するが、大きさと使い勝手、耐久性とその他のニーズ、多くの商品としてのバランスや組合せ、そこに割ける事の出来る材料費と関連コストなど、ここにも程度問題が存在している。
【0060】
その場限りの使い捨てを考えると、極力費用は掛けたくない。 最もシンプルで、投資効果が得られるのは、一般的に流通しているコピー紙の様な薄い紙が考えられる。 ただコピー紙を渡されても、ほとんどの人は面倒を嫌がるため、遊びの要素や入れ易さが伝わるモノでないと収納体として用いてくれる人はいない。
折り紙はただ渡されても、そこに親子の様な雰囲気が無ければ折る人は少ない。 遊びの要素を取り入れたい。 自分で折る事、折り易い工夫がされている事である。
一度限りの収納と廃棄にしても、収納体としての要件として、マスク本体に触れず収納でき、収納体への容易な収納を可能とし、収納時はマスクを覆い見え難くすることにある。 収納体は、マスクを収納する事で立体形状と成すため、収納体の強度剛性が向上が得られるため持ち運びがし易い特徴を有している。
落下しても収納体からマスクが放出防止の程度、具体的な大きさや厚さ、収納の共通性などなど、サービス向上の程度を反映する多くの要素を有しているため、それらを程度問題として、提供側・カスタマー側の多くのニーズに答えられるニーズを有している事にある。
【0061】
薄い紙であれば目的の場所で折ることは容易いが、厚みが厚くなると注意深く折らないと困難である。 個人で折るには、厚みが厚いと面倒であり収納体としてもメリットよりも、面倒が先に立つ。 厚みが厚くなると折る為の工夫を要する。 後記するが、一つの目安として「模造紙」と呼ばれる厚みのモノまでは目印に合わせ手で折ることが出来るが、「画用紙」以上の厚みの場合は折り目に工夫とか事前努力が必要となり、目的の場所で折るために策が必要になる。
図15は、薄い紙でも収納体としての要件を成す。 衛生マスクや3Dマスクのどちらにも対応し収納ができるものである。 図(a)は、展開図であり、ワークシートである。
このワークシートは、折り目が無く、切込みとカットだけで可能なモノである。 一般的には、折り曲げの加工は切込みとカットの後に別工程を要している。 カスタマーに近い人が、意図的に目印である切り目(?)又は印刷に合わせ一度折れば収納体に成る。 前後したが、底面に対して蓋Aと底面を延長した蓋Bが用意される。 底Bの延長上には、差し込み部1(?)及び角部に差し込み部2(?)が具備される。 蓋Aには、本差し込みが挿入できる差し込み溝1(?)や差し込み溝2(?)が具備される。 また、前記同様、マスク耳ひもゴムを掛けるための溝(9)も具備される。
マスクは、目印に合わせて折られ、発生した部位の開放部に前記同様滑り込ませ、蓋Aで軽く挟み込む。 次に、蓋Aが開放しない様に蓋Bを巻き込んでいき、差し込み部1を蓋Aに具備された差し込み溝1を貫通するように引っ張り、差し込み部2が差し込み溝に入るまで挿入する。 挿入時のイメージは図(C)である。 挿入後、差し込み部1を底面に合わせる様に折り曲げれば良い。 衛生マスクの場合、耳ひもゴムが存在するため、前記説明の様に溝(9)に引っ掛ける。 図(b)は、収納時の収納体のイメージである。 マスクが収納されるとその厚みで、蓋Aの先端も必ず持ち上がる。 持ち上がった蓋Aを巻き込む様に蓋Bが丸くなるのが図示される。 この湾曲形状が、マスク耳ひもゴムを掛けやすくすると同時に、一辺に湾曲を持つショートケーキの様な形状(以降、三角柱と省略)の立体形状で強度剛性を増す。 この三角柱の湾曲部に耳ひもゴムを掛ける事で、差し込み部1の折り込みだけでなく、衛生マスク長手収納方向の固定ができるためより安定する。 参考までに、3Dマスクは蓋Aの先端線と蓋Bの面に挟まる様に固定される。 (0061)までに記述してきた三角柱と以降同一名称となるが、機能的に説明される内容は同じもので、問題は発生しない。 形状による区分が必要な時は、図を用いた説明や、湾曲された構造のマチと区分ことで、形状の特徴を表現することも可能であることを書き添える。
図15は、衛生マスクと3Dマスクの両方に対応する構造であるためワークシート材料を少し余計に必要としたが、前記している構造の様に特化したものであればワーク材料を節約できる。 重複するが、二種類そろえるか、どちらか一方を諦める必要が求められるかもしれない。 ワークシート製造に関わる型費を考えると共用が得策である。 同様に、
図15(c)は蓋Aに具備された差し込み溝1を貫通するように引っ張り、差し込み部2が差し込み溝に入るまで挿入すると説明したが、落下を心配する事が無ければ、貫通した挿入も不要であり差し込み部を底面に合わせて折るだけでも、収納時の開放は防止する事もできる。 さらに記述すれば、蓋Aが開放しない様に蓋Bを巻き込んだ後、そのままひっくり返し机上に置くことで、マスクの重さで蓋Aと蓋Bを押さえる事ができるため、この折る事も不要となる。 当然、溝も不要となる。
要するに、何処までカスタマーを想いやるワークシートの提供をするのか出来るのか、享受するカスタマーは実践するのか、それぞれに発生しているサービスのレベル併せであり、相違は大いに考えられる。 程度問題と考えてよい。
【0062】
次に、収納体の別の側面である、宣伝広告活動や遊び活動などの要素について述べる。
収納体としては、立体構造になることで三角柱を平らな処であれば立てる事ができる。
図9の構造であれば、折りたたむ事により、内側の面及び外側の左右の面の三面が存在する。
図12~
図15であれば、裏表の2面を有している。 形状によって、また収納サイズによって2面から3面の表示構造として、用いる事ができる。
図16は、一例として具体的を示したものである。 2面あれば、食店で店員さんに向けてオーダーや会計の依頼、立食パーティーのグラス交換の要否などの意思表示も出来る。 3面あれば、じゃんけんなどの遊びも可能である。 面の組合せを考えると、ビンゴ、名前の表記欄、パーティーへの座席案内板など、ありとあらゆるところで用いる事が可能である。 立方体を起こしたり寝かせたり、裏表組合せて自由にアレンジできる特徴を併せ持つ表示プレートである。
また図示しないが、
図4の様な底面と蓋Aを内側に折り込む構造のモノや、底面を中心に左右に蓋Aと蓋Bを持つ
図8などの構造では、内側に隠れる事を利用してマスク収納の位置や入れ方のガイド表示、及びビンゴゲームのアナウンスなど記載や印刷を行い、収納体提供元の印字や刻印なども一つの広告媒体として、重宝できることを併せもつ表示プレートである。
【0063】
次に、持ち運びの利便性について記述する。 前記には、カードサイズに小さくしたモノ、二つ折り財布に入るモノ、長財布に入るモノなどを提供して来た。 これらは、収納体にマスクを入れていない時の状態のモノである。 一方で、車の運転時には自分空間となることも多くマスクを外すシーンも予測される。 それ以外でも、マスクを外し、収納体に入れた状態で持ち運ぶシーンが予測される。
近日のスマートホンの普及により、多くの人がその恩恵に与かっている。 その中には、スマートホン落下時の破損を避けるためにスマートホンカバーに入れている状況を多く見かける。 このスマートホンとマスクが収納された収納体を一つにして、運ぶことは親和性が高く利便性に富むことが予測できる。
しかしながら、スマートホンのサイズも統一して居らず、一つにして運ぶには困難なところが発生する。 ここでは、サイズの異なるスマートホンに対して、マスクのはいった収納体の一体化について、解決策を提供する。 ほとんどの場合、スマートの方が収納体より小さい。
【0064】
図17は、マスク収納体の展開図とスマートホン収納カバーが図示されている。 マスク収納体の底面には、多くの穴が具備されている。 この穴は、スマートホンカバーに対してゴムをなどの伸縮性バンドを巻き一つにするものである。 基本形態としては、スマートホンカバーの画面カバーにあたる部位Aに対して、説明する。
部位Aは、カバー中心付近でマスク収納体の穴位置も中心付近であるため、一体化された場合は平らな面どうしで背中合わせにひとつになる。
スマートホンサイズが統一していない事は前記した。 収納カバーも連動してくる。 そこで、問題となるのが周のカバーよりはみ出す幅の部分である。 この部分は、強度的に見ると圧倒的に収納カバーの方が、強度剛性が高い。 そのため、ゴムを掛けるとマスク収納体はテンションに引っ張られ収納体と一体に成れない。 これを解決するために、収納体のバンドの掛る位置をカバーの幅より小さくすることで解決する事ができる。 前記した様に、カバーの幅もユーザーによりばらばらであるため、ユーザー自身がその幅に合わせて掛けるのが望ましい。 その際、目標の幅まで切込みを入れると掛るゴムは目標の幅で留める事は容易になり、収納体も応力で反ったり材料の弾性域を超え破断することもない。 この切込みについては、挟みなどを用いて切っても良いが、使用する際に持ち合わすことは通常ないと考えられる。 手でも切れる方が望ましい。 前記した様に、応力集中しやすい様に穴形状を丸からひし形に変更する事で、前記したチケットの半券を切り離す様に、一度おれば容易に目的のところまで容易に切る事ができる。
多くの穴があるのは、各サイズに合わせて目標サイズが掴みやすいように事前に具備したものである。 穴の脇には、スマートホンの長さを表すメジャーや機種名を記載したりしても良い。 これまでは、スマートホンの画面カバーAにおける説明であったが、場所を変えてBにしても良い。 Cについては、面どうしの接触に成らずマスク収納体が動いてしまい、望ましくない。
【0065】
(0064)、(0010)、(0034)には、折り目には応力が集中する事を記述した。 ここでは、応力集中と折り目について記述する。
図15(b)を用いて概要説明する。 材料を折り曲げようとしていくとき、湾曲の形状となる。 これは、材料の内部で厚さ方向の曲げ応力が均等に掛るためであり、元に戻る範囲であれば弾性域にありフックの法則にしたがい応力計算が有効である。 しかしながら、湾曲する曲げ半径がどんどん小さくなっていくと元の形状に戻らない降伏点を迎える。 この降伏点を、超えてしまうと塑性変形に至る。 外力を除いても、元の形状に戻らない。 この現象は、材料力学では有名であり必ず学ぶ。 折ると謂う事は、塑性変形がその部位で起きていると謂うことであり、同じところで何度も折り曲げをすると破断と呼ばれる材料が切れて仕舞う状態に至る。 ほとんどの人が針金と呼ばれる材料で体験していると考えられる。
そして、折り曲げる部位では、外力が集中していき塑性変形にいたるので、より外力が集中し折れる易い様に具備する事は、目的の場所で折れるよう外力集中構造を行う事は、前記している様に注意深く意識を払い折る必要が無くなるため、折ることを容易にする。 本マスク収納体についても、目的の場所で応力集中構造を入れる事が、製造コストを押さえ安価に提供できる要因と考えている。 材料の厚さが厚くなるほど、折り曲げる難易度が増していく。 折り曲げる回数が増える程難易度が増していく。 きれいに揃った折り目とするには、プレス機でしっかり押さえながら折り目の位置を整えている。 ここにも程度問題が発生していて、マスク収納体の形状が維持できる程度に揃えばよく、なるべくシート材への加工を減らすことが重要と考えている。 折り曲げる工程は、通常裁断した後に目的の場所で折るため、折り曲げ工程が追加で発生する。 目的の場所に折れる構造を具備する事は、折り曲げ工程を削減し、折り曲げをカスタマー若しくは収納体提供者など、どこで対応するかであり、サービスの範疇と考えてよい。
【0066】
具体的な応力集中構造を記述する。
図18は、折り目に施すパターン表したモノである。 全てに共通することであるが、直線上に並ぶ一部に切込みを入れることで、切込みがある部分は断絶されるためそこには応力が掛らない。 他方、折り曲げを試みると切込みの無いところに応力が掛り、繋がる部分が切込みにより狭くなっているため、降伏点が下がり少しの力で折り曲がる。 繋がっているところと、切れている処が交互に間欠的に継続するが、始点と終点の両端に位置するところは繋がっているのが望ましい。 始点と終点は、曲げた時の応力が発生しないので、開放部になり収納体に掛る力を受け止めることが出来ず強度剛性は弱くなる。
切込みが、直線状に並ばない場合は折り目が揃わず、位置ずれまたは平面の平行性が保てず、面が曲がっていく。 切込みの量が増える程、軽い力で折れ曲がるが、面どうしの結合強度が弱くなるばかりでなく、内容物が見える可能性が出てきて、収納体として弱くなっていく。 ここには、程度問題が発生している。
図(a)(b)は、一番オーソドックスであると考えられる。 断続的に繋がる切れ目の幅は、どちらもおなじであるが、切れ目の数が多い方が折った際の歪が均等に掛り面の平行度が高いと考えられる。
図(c)は、(b)と同じ切込み量であるが、一つ一つの切込みの始点と終点に対し、左右交互に斜めに切込みを設けたモノである。 斜め切込みにより、折れ目に掛かる応力集中位置が若干ずれるため、折り曲げの耐久回数は増える事が予測されるが、折り込んだ面の精度を考えるとずれてしまう可能性もありバーターの関係にある。切込みが「ハ」の字になっているため、開いている側に折り目がずれる様に歪む。
図(d)は、(b)(c)と同じ切込み幅であるが、明らかに用紙の厚み以上で溝を設けたモノである。
図15で説明したモノと同じように、差し込み溝の形態と同様に用いる事もできるが、溝の幅分だけゴミも発生する。 溝の始点と終点の両端には応力が集中しやすい様に鋭角な角度を設定しておくと良い。 それぞれの鋭角の頂点は一直線上にすることにより、前記した様に折り目がきれいに平行に折れる事は前記した。
【0067】
次に切込みを、(0064)で説明した部位への適用を提供する。 (0064)では、応力集中させるためにひし形の切り抜きを用いたが、ゴミを極力出さない様にするために、(0066)で説明した切込み形状を変更し提供する。
図18(f)(g)(h)は、その具体例の一つである。
図18(f)は、左右より順番に切込みが中心部に向かって入っていく。 切込みと切込みの間には、またがる接続部分が存在しており、収納体の隅から手で千切る様にすると具備された溝に従い切れ目が進行していく。 好みの部位で千切るのをやめゴムバンドなどをスマートホンに合わせたこの切込みに掛ける事で、一体化し用いる事ができる。
図18(g)は、矢印の様な形であって、同様に手で千切るに従い具備された溝に従い切れ目が進行していく。 この切込みの形は、左右のどちらの手で切っても同じ様に切れるため利き手に依存しない。 矢印の先端が鋭角に切り込むことによって、ゴムを入れた際に確実に先端に来ることである。 切る深さによって、左右に止め位置がぶれないため、一体化した際の安定度を増すと供に斜めに固定される事を防ぐこともできる。 先端は3辺が鋭角で結ばれるため使う事で発生するゴムの伸縮変化でゴム自身の幅を確保する様に削れていくため、より固定の安定度が増していく。 事前に、削れる最初の幅を加味した切込みが同図にも記載されている。 先端を鋭角で結ぶ切込み部を「T」字型に変更し、ゴムの幅を事前に考慮した形状も対応可能である。 「T」字の両端の部分で、「ハ」の字型の切込みを併せる形状が該当する。 ゴムは、何を用いても良く、商品力やイメージなどインパクトのある自由な選択肢しであり、何を選ぶかは好みであり程度問題でもある。
図18(h)は、掛けるゴムの幅を意識的に考慮した場合に用いる形態である。 左右均等に、切込みが「ハ」の字で始まり、順に「逆ハ」の字が続く様に切込みが中心部に向かって入っていく。 好みの場所で、「逆ハ」の字切込みの頂点でゴムを掛ける事ができる。 「ハ」の字、「逆ハ」の字の幅が広くなっていくと空間が広がっていく為、強度剛性が低下していく。 切り始めの「ハ」の字は、応力が集中し易いように工夫されたもので、指先で意識的に掴むことで次段の切込みに対して、斬り込む幅が広がっていかない様に、「逆ハ」の字にしている。 ほとんどのカスタマーは、収納体から離れる様に紙面上に引っ張りながら切り進めると考えられるが、切り進める方向に引っ張る人も考えて、切込み方向を常に中心方向から外側の溝に繋がる様にした。
【0068】
生活シーンに措ける収納体を考えた際、前記はマスクについて展開を図り記述してきたが異なる分野にアクセサリーの収納に関して展開できる事がわかった。アクセサリーの中でも、ネックレスやイヤリング(ピアス)、カフスボタンなど、外してしまうと忘れてしまい、無くしてしまう小物が存在している。
通常、一度装着すると帰宅まで外さない事で考えてしまうが、マッサージの時やお風呂に加えて、出張時には外すシーンも存在する。 小物は、無くすと探すのに面倒なモノであり、マスクケースとして展開してきたがマスクを外す際に併せて小物をセットしたり、小物だけセットしたり自在に生活で使用できる。
図19は、
図14に対してカフス用の穴とネックレス用の穴を具備したものである。 カフスボタン用穴は、ピアス用のホルダー穴として使用しても良い。 又は、穴の数を増やしても良い。 ネックレス用穴は、指先で外部から収納体の内部に向けて、「U」の字の先端を押すと簡単に穴が開く様に事前にカット(21)がしてある。 図示していないが、この穴を通して、ネックレスを外から内部へ先端を挿入し 上部を22にかけ収納体内部に垂らせばよい。 その後、マスクがあれば耳ひもゴムを掛けたり、無ければ輪ゴムを掛けたりすれば容易に固定することができる。 ゴムを掛ける事で、溝21は元の平らな板に戻ろうとするため、ネックレスが挟まることで先端に石などがあっても固定できる。 図は溝での記述であるが、切り込みでも同様の効果を得られる。
この様な機能を持つと、ノベルティとしての効果が期待でき、渡す側・受け取る側双方に喜びの発生が感じられる。
【0069】
収納体を考えるとき、その収納体がどこで、どの様に提供されるか、それによりシート材を選定し、強度剛性が使い勝手と提供コストとバランスするところで市場に展開がされる。 強度剛性や折り方の工夫は、提供の方法を自由に組み合わせて用いる事ができることが、本収納体の特徴である。
構成部品の厚みを損なわずに実現した。
図6をシンプルにできる構造として挙げる。 実施例として多く記述しているが、それぞれ組合せでも実現可能である。
【産業上の利用可能性】
【0070】
一般的使用のマスクを収納する。 また、生活アクセサリーの収納も行う。
【符号の説明】
【0071】
1 収納の底面
2 収納時の蓋面A
3 平面に施したマチ
4 底面とマチを跨ぐ折り目
5 蓋面Aとマチを跨ぐ折り目
6 面に施された溝
7 収納時の蓋面B
8 底面と蓋Bを跨ぐ折り目
9 蓋面Bに設けた差し込み部
10 蓋面Aに設けた差し込み溝
11 蓋面Aに施した突起部
12 収納時に輪ゴムをイメージした図
13 輪ゴムを具備する目的の穴
14 蓋Aを折る為の目標の具備した溝
15 内容物収納時に蓋Aに差し込む部位
16 内容物収納時に収納体の長さに応じる施策
17 湾曲したマチにゴムを掛ける溝
18 収納時のマスクの耳ひもゴム
19 底面に施したスマートホンケース長の調整穴
20 カフスボタン穴
21 ネックレス収納用の切込みを施したU字カット
22 マチに施された溝
23 収納された3Dマスク