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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052206
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】圧縮機および冷凍サイクル
(51)【国際特許分類】
   F04C 28/04 20060101AFI20220328BHJP
   F04C 29/12 20060101ALI20220328BHJP
   F16K 3/06 20060101ALI20220328BHJP
   F25B 1/04 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
F04C28/04
F04C29/12 G
F16K3/06 A
F25B1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158450
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】000004695
【氏名又は名称】株式会社SOKEN
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】特許業務法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川瀬 康裕
(72)【発明者】
【氏名】井ノ上 雅至
(72)【発明者】
【氏名】竹永 英樹
(72)【発明者】
【氏名】櫛田 陽平
(72)【発明者】
【氏名】土方 康種
【テーマコード(参考)】
3H053
3H129
【Fターム(参考)】
3H053AA35
3H053BA03
3H053BC01
3H053DA01
3H129AA04
3H129AA15
3H129BB38
3H129CC15
3H129CC23
(57)【要約】
【課題】吐出先の切替のための制御を必要とすることなく、圧縮された流体の吐出先を切り替えられるようにする。
【解決手段】回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに流体を圧縮して第2連通部422に導入し、回転シャフト70が第1回転方向と逆の第2回転方向に回転したときに流体を圧縮して第1連通部421に導入する圧縮機構4と、吐出口55を有する吐出弁ディスク51と、吐出口55に配置された吐出弁53と、を有する吐出弁切替機構5を備える。回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに吐出口55が第1接続口81と連通する位置となり、回転シャフト70が第2回転方向に回転したときに吐出口55が第2接続口82と連通する位置となるよう吐出弁ディスク51の位置が切り替わる。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機であって、
回転可能に支持される回転シャフト(70)と、
前記回転シャフトを収容するとともに、第1接続口(81)および第2接続口(82)を有するハウジング(1)と、
流体を圧縮する圧縮室(423)、前記圧縮室と連通する第1連通部(421)および前記圧縮室と連通する第2連通部(422)を有するシリンダ(42)を備え、前記回転シャフトが第1回転方向に回転したときに前記第1連通部から前記圧縮室に吸入した前記流体を圧縮して前記第2連通部に導入し、前記回転シャフトが前記第1回転方向と逆の第2回転方向に回転したときに前記第2連通部から前記圧縮室に吸入した前記流体を圧縮して前記第1連通部に導入する圧縮機構(4)と、
前記第1連通部および前記第2連通部のいずれか一方と連通する吐出口(55)を有する吐出弁ディスク(51)と、前記吐出口に配置され前記吐出口の前記流体の圧力が所定値以上になると開弁する吐出弁(53)と、を有する吐出弁切替機構(5)と、を備え、
前記回転シャフトが前記第1回転方向に回転したときに前記吐出口が前記第2連通部と前記第1接続口の間を連通する位置となり、前記回転シャフトが前記第2回転方向に回転したときに前記吐出口が前記第1連通部と前記第2接続口の間を連通する位置となるよう前記吐出弁ディスクの位置が切り替わる圧縮機。
【請求項2】
前記吐出弁切替機構は、前記第1連通部および前記第2連通部のいずれか他方と連通する吸入口(56)を有し、
前記回転シャフトが前記第1回転方向に回転したときに前記吸入口が前記第1連通部と前記第2接続口の間を連通する位置となり、前記回転シャフトが前記第2回転方向に回転したときに前記吸入口が前記第2連通部と前記第1接続口の間を連通する位置となるよう前記吐出弁ディスクの位置が切り替わる請求項1に記載の圧縮機。
【請求項3】
前記吐出弁ディスクに駆動力を伝達する動力伝達機構(6)を備え、
前記動力伝達機構は、前記回転シャフトの回転力により前記吐出弁ディスクの位置を切り替える請求項1または2に記載の圧縮機。
【請求項4】
前記動力伝達機構は、前記回転シャフトの回転力を前記吐出弁ディスクに伝達する回転ロッド(61)を有し、
前記ハウジングは、前記吐出弁ディスクを収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジング(13)を有し、
前記リアハウジングの前記筒状内周面と前記吐出弁ディスクとが接触する第1接触部(O)の前記第1回転方向にかかるトルクが、前記吐出弁ディスクと前記回転ロッドとが接触する第2接触部(I)の前記第2回転方向にかかるトルクよりも大きくなっており、かつ、前記吐出弁ディスクの回転方向が前記回転シャフトの回転方向と逆方向になっている請求項3に記載の圧縮機。
【請求項5】
前記動力伝達機構は、前記吐出弁ディスクと前記回転ロッドとの間に配置されたベアリング(64)を有している請求項4に記載の圧縮機。
【請求項6】
前記リアハウジングの前記筒状内周面には第1ギヤ歯(131)が形成され、
前記吐出弁ディスクの外周面には、前記第1ギヤ歯と噛み合う第2ギヤ歯(511)が形成されている請求項4または5に記載の圧縮機。
【請求項7】
前記動力伝達機構は、前記回転シャフトの回転力を前記吐出弁ディスクに伝達する回転ロッド(61)を有し、
前記ハウジングは、前記吐出弁ディスクを収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジング(13)を有し、
前記リアハウジングの前記筒状内周面と前記吐出弁ディスクとが接触する第1接触部(O)の前記第1回転方向にかかるトルクが、前記吐出弁ディスクと前記回転ロッドとが接触する第2接触部(I)の前記第2回転方向にかかるトルクよりも小さくなっており、かつ、前記吐出弁ディスクの回転方向が前記回転シャフトの回転方向と同一方向になっている請求項3に記載の圧縮機。
【請求項8】
前記吐出弁切替機構は、第1、第2の前記吐出弁を有し、
前記吐出弁ディスクは、第1、第2の前記吐出口を有し、
前記第1、第2の前記吐出弁は、前記第1、第2の前記吐出口に1つずつ配置されており、
前記回転シャフトが前記第1回転方向に回転したときに第1の前記吐出弁の1つが前記第2連通部と前記第1接続口の間を連通する位置となり、前記回転シャフトが前記第2回転方向に回転したときに第2の前記吐出弁が前記第1連通部と前記第2接続口の間を連通する位置となるよう前記吐出弁ディスクの位置が切り替わる請求項7に記載の圧縮機。
【請求項9】
前記吐出弁切替機構は、前記リアハウジングの前記筒状内周面と前記吐出弁ディスクとの間に配置されたベアリング(581)を有している請求項7または8に記載の圧縮機。
【請求項10】
前記吐出弁切替機構は、前記リアハウジングの前記筒状内周面よりも前記回転シャフトの軸線側に配置され、前記吐出弁ディスクと接触することにより前記吐出弁ディスクの周方向の回動を規制する回転止め機構(52)を有し、
前記吐出弁ディスクには、前記回転止め機構と接触する円弧状長穴(57)が形成されており、
前記回転止め機構と前記吐出弁ディスクに形成された前記円弧状長穴とが前記吐出弁ディスクの径方向に接触することにより前記吐出弁ディスクの回転方向が前記回転シャフトの回転方向と同一方向になっている請求項7ないし9のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項11】
前記吐出弁切替機構は、前記回転止め機構と前記吐出弁ディスクに形成された前記円弧状長穴の間に配置されたベアリング(582)を有している請求項10に記載の圧縮機。
【請求項12】
前記動力伝達機構は、前記回転ロッドを移動可能に支持するロッド固定ピン(63)と、前記ロッド固定ピンとともに前記回転ロッドを前記吐出弁ディスクの内周面側に付勢するロッドばね(62)と、を有し、
前記回転ロッドは、前記吐出弁ディスクの内周面側と接触する先端部(61a)を有し、
前記回転シャフトの中心と直交する面において、前記回転ロッドおよび前記ロッド固定ピンにより構成される部材の重心位置が、前記回転シャフトの中心に対して前記回転ロッドの前記先端部と反対側となっており、
前記回転シャフトの回転速度が大きくなると、遠心力によって前記回転ロッドの前記先端部が前記吐出弁ディスクの内周面から離れる請求項4ないし11のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項13】
前記吐出弁ディスクは、該吐出弁ディスクの中心から前記回転シャフトの端部に向かって立設された突起部(512)を有し、
前記動力伝達機構は、前記突起部の径方向外側に配置されたプレート部材(69)と、前記回転シャフトに固定されたばねケース(74)と、前記ばねケースに固定され、前記プレート部材を前記突起部に向かって付勢する突起部ばね(691)を有し、
前記吐出弁ディスクに設けられた前記突起部と前記プレート部材の接触部は、前記ばねケースの外周よりも内側に配置され、
前記回転シャフトの回転速度が大きくなると、遠心力によって前記プレート部材が前記突起部から離れる請求項4ないし11のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項14】
前記吐出口は、第1流路(551)と、前記第1流路より前記第1接続口および前記第2接続口が設けられた前記ハウジング側に配置された第2流路(552)と、を有し、
前記第2流路の前記第1流路と反対側の端部の流路断面積は、前記第1流路の前記第2流路側と反対側の端部の流路断面積よりも大きくなっている請求項1ないし13のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項15】
前記吐出弁は、前記吐出口に配置された弁体(531)と、前記吐出口を塞ぐように前記弁体を付勢する吐出弁ばね(532)と、を有し、
前記吐出弁ばねが前記第1接続口および前記第2接続口が設けられた前記ハウジングを付勢する力で、前記吐出弁ディスクが前記ハウジングと反対側に押し付けられている請求項1ないし14のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項16】
前記吐出弁ディスクは円盤状を成し、
前記吐出弁ディスクには、前記吐出弁ディスクの重心を前記円盤状の前記吐出弁ディスクの中心に近づけるための穴部(56x、56y)が形成されている請求項1ないし15のいずれか1つに記載の圧縮機。
【請求項17】
冷凍サイクルであって、
請求項1ないし16のいずれか1つに記載の圧縮機と、
前記第1接続口に接続された第1熱交換器(300)と、
前記第2接続口に接続された第2熱交換器(320)と、
前記第1熱交換器と前記第2熱交換器の間に配置された絞り装置(310)と、
前記流体を、前記圧縮機、前記第1熱交換器、前記絞り装置および前記第2熱交換器の間で循環するように接続する配管(340)と、を備えた冷凍サイクル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧縮機および冷凍サイクルに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に記載された圧縮機がある。この圧縮機は、2つのパイプを流通可能に切り替えるガス通路およびガス通路と外部を連通するバランスポートを備えたスライダと、バランスポートを開閉するパイロット弁と、パイロット弁を動作させるねじ機構を有する切換え弁をケース内に収容している。
【0003】
この圧縮機は、上部マグネットカップリングと下部マグネットカップリングとを結合させた状態で、電動機部を回転駆動すると、上部マグネットカップリングと一体の駆動スリーブと被駆動スリーブおよび弁ドライブが一体となり、電動機部と同じ方向に回動する。そして、弁ドライブが回動することによりガス流路が形成されたスライダも同じ方向に回動してガス流路が切り替わるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000-257990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載されたものは、例えば、暖房から冷房に切り替えて除霜運転する際には、弁ドライブおよびスライダを所望の方向に回動させるために、電動機部を逆回転駆動した後、正回転駆動する等の制御が必要である。
【0006】
このように、上記特許文献1に記載されたものは、圧縮された流体の吐出先を切り替えるために、上部マグネットカップリングと下部マグネットカップリングとを結合させたり、電動機部を正回転駆動または逆回転駆動する等の制御が必要であるといった問題がある。
【0007】
本発明は上記点に鑑みたもので、吐出先の切替のための制御を必要とすることなく、圧縮された流体の吐出先を切り替えられるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、圧縮機であって、回転可能に支持される回転シャフト(70)と、回転シャフトを収容するとともに、第1接続口(81)および第2接続口(82)を有するハウジング(1)と、流体を圧縮する圧縮室(423)、圧縮室と連通する第1連通部(421)および圧縮室と連通する第2連通部(422)を有するシリンダ(42)を備え、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに第1連通部から圧縮室に吸入した流体を圧縮して第2連通部に導入し、回転シャフトが第1回転方向と逆の第2回転方向に回転したときに第2連通部から圧縮室に吸入した流体を圧縮して第1連通部に導入する圧縮機構(4)と、第1連通部および第2連通部のいずれか一方と連通する吐出口(55)を有する吐出弁ディスク(51)と、吐出口に配置され吐出口の流体の圧力が所定値以上になると開弁する吐出弁(53)と、を有する吐出弁切替機構(5)と、を備えている。そして、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに吐出口が第2連通部と第1接続口の間を連通する位置となり、回転シャフトが第2回転方向に回転したときに吐出口が第1連通部と第2接続口の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。
【0009】
このような構成によれば、回転シャフトの回転方向によって吐出弁ディスクの位置が切り替わり、吐出弁ディスクに設けられた吐出口と連通する先が第1接続口と第2接続口の間で変わる。したがって、吐出先の切替のための制御を必要とすることなく、圧縮された流体の吐出先を切り替えられるようにすることができる。
【0010】
また、上記目的を達成するため、請求項17に記載の発明は、冷凍サイクルであって、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の圧縮機と、第1接続口に接続された第1熱交換器と、第2接続口に接続された第2熱交換器と、第1熱交換器と第2熱交換器の間に配置された絞り装置(310)と、流体を、圧縮機、第1熱交換器、絞り装置および第2熱交換器の間で循環するように接続する配管(340)と、を備えている。
【0011】
このように、本発明を、請求項1ないし16のいずれか1つに記載の圧縮機を備えた冷凍サイクルとして捉えることもできる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態の係る圧縮機を含む小型空調装置の暖房時と冷房時の冷媒の流れを表した図である。
図2】第1実施形態の係る圧縮機の断面図である。
図3図2中のIII-III断面図である。
図4図2中のIV-IV断面図である。
図5】回転シャフトが時計回りに回転した際に、ロータによって圧力の高い冷媒ガスが第1連通部に閉じ込められた様子を表した図である。
図6】回転シャフトが反時計回りに回転した際に、ロータによって圧力の高い冷媒ガスが第2連通部に閉じ込められた様子を表した図である。
図7】暖房時における図4中のVII-VII断面図である。
図8】冷房時における図4中のVII-VII断面図である。
図9】転動式と摩擦式の第1接触部と第2接触部の摩擦係数の違いについて説明するための図である。
図10】転動式の吐出弁ディスクと回転ロッドの動きについて説明するための図である。
図11】摩擦式の吐出弁ディスクと回転ロッドの動きについて説明するための図である。
図12】吐出弁ディスクが反時計回りに回動したときの様子を表した図である。
図13】第2実施形態の圧縮機の断面図であって、図2中のIV-IV断面図に相当する図である。
図14】第3実施形態の圧縮機の断面図であって、図2中のIV-IV断面図に相当する図である。
図15】第4実施形態の係る圧縮機の断面図である。
図16図15中のXVI-XVI断面図である。
図17】暖房時における図16中のXVII-XVII断面図である。
図18】吐出弁ディスクが反時計回りに回動した様子を表した図である。
図19】冷房時における図16中のXVII-XVII断面図である。
図20】第5実施形態の圧縮機の断面図であって、図15中のXVI-XVI断面図である。
図21】第6実施形態の係る圧縮機の断面図である。
図22図21中のXXII-XXII断面図である。
図23】第7実施形態の圧縮機の断面図であって、図21中のXXII-XXII断面図である。
図24】第8実施形態の圧縮機の断面図であって、図21中のXXII-XXII断面図である。
図25】遠心力によってロッドが移動したときの第8実施形態の圧縮機の断面図であって、図21中のXXII-XXII断面図である。
図26】第9実施形態の係る圧縮機の断面図である。
図27】第9実施形態に係る圧縮機の動力伝達機構の構造を示した図である。
図28】第10実施形態に係る圧縮機の吐出弁ディスクに設けられた吐出弁の構造を示した図である。
図29図28中のXXIX部拡大図である。
図30】第11実施形態に係る圧縮機の吐出弁ディスクに設けられた吐出弁の構造を示した図である。
図31】第12実施形態に係る圧縮機の吐出弁ディスクの構成を表した図である。
図32】第13実施形態に係る圧縮機の動力伝達機構の構造を示した図である。
図33】回転シャフト、ロータ、回転ロッドおよび吐出弁ディスクの動力伝達の変形例について説明するための図である。
図34】回転シャフト、ロータ、回転ロッドおよび吐出弁ディスクの動力伝達の変形例について説明するための図である。
図35】回転シャフト、ロータ、回転ロッドおよび吐出弁ディスクの動力伝達の変形例について説明するための図である。
図36】回転シャフト、ロータ、回転ロッドおよび吐出弁ディスクの動力伝達の変形例について説明するための図である。
図37】回転シャフト、ロータ、回転ロッドおよび吐出弁ディスクの動力伝達の変形例について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0015】
(第1実施形態)
第1実施形態に係る圧縮機について図1図12を用いて説明する。本圧縮機COMPは、車両のシートへ向けて送風する空気の暖房または冷房を行う小型空調装置に用いられる。本圧縮機COMPは、例えば、車両の乗員が着座する座席の下部に配置される。
【0016】
図1(a)に示すように、圧縮機COMPは、暖房時には、室外熱交換器としての第2熱交換器320から吸い込んだ冷媒を圧縮して室内熱交換器としての第1熱交換器300に吐出する。第1熱交換器300は、圧縮機COMPからの冷媒と送風器330から送風された送風空気との熱交換により送風空気を加熱する。なお、膨張弁310は、第1熱交換器300から流出した冷媒を減圧し、第2熱交換器320は、絞り装置としての膨張弁310によって減圧された冷媒と外気との熱交換により冷媒を蒸発させる。なお、圧縮機COMP、第1熱交換器300、膨張弁310および第2熱交換器320は、配管340によって接続されている。
【0017】
また、図1(b)に示すように、圧縮機COMPは、冷房時には、第1熱交換器300から吸い込んだ冷媒を圧縮して第2熱交換器320に吐出する。第2熱交換器320は、圧縮機COMPからの冷媒と外気との熱交換を行う。なお、膨張弁310は、第2熱交換器320から流出した冷媒を減圧し、第1熱交換器300は、膨張弁310によって減圧された冷媒と送風器330から送風された送風空気との熱交換により送風空気を冷却する。
【0018】
本実施形態の圧縮機COMPは、後述する回転シャフト70の回転方向を第1回転方向と、第1方向と逆の第2回転方向のいずれでも流体を圧縮することが可能な両回転圧縮機として構成されている。具体的には、本圧縮機COMPは、ローリングピストン型圧縮機として構成されている。
【0019】
また、本実施形態の圧縮機COMPは、回転シャフト70の回転方向を変えることで、圧縮した冷媒の吐出先を第1熱交換器300または第2熱交換器320に切り替えることが可能となっている。
【0020】
次に、本圧縮機COMPの構成について説明する。図2図4に示すように、本圧縮機COMPは、ハウジング1、駆動機構3、圧縮機構4、吐出弁切替機構5、動力伝達機構6を備えている。
【0021】
ハウジング1は、いずれも金属製のフロントハウジング10、仕切り板12およびリアハウジング13を有している。
【0022】
フロントハウジング10内には、軸線J方向に延びる回転シャフト70と、回転シャフト70を回転可能に支持するすべり軸受け71a、71bと、モータを構成する駆動機構3と、が配置されている。
【0023】
回転シャフト70は、軸線J方向に延びる円筒状の円筒部71と、円筒部71の一端に形成された端部73と、円筒部71と端部73との間に形成された偏心部72と、を有している。すべり軸受け71a、71bは、軸線J方向を中心として回転シャフト70を回転可能に支持する。
【0024】
駆動機構3は、固定子31および可動子32を有している。固定子31はフロントハウジング10の内壁面に固定されている。また、可動子32は回転シャフト70に固定され回転シャフト70とともに回転する。回転シャフト70は、固定子31および可動子32によって回転駆動される。
【0025】
図2図3に示すように、フロントハウジング10と仕切り板12との間には圧縮機構4が配置されている。圧縮機構4は、金属製のシリンダ42と、中央に穴部が形成された円盤形状を成すロータ41と、板状を成すベーン43と、このベーン43をロータ41側に付勢するばね44と、を有している。
【0026】
シリンダ42は、フロントハウジング10と仕切り板12との間に配置されている。シリンダ42は、円筒形状を成す円筒内周面を有する圧縮室423と、圧縮室423と連通する第1連通部421と、圧縮室423と連通する第2連通部422と、が形成されている。第1連通部421および第2連通部422は、それぞれ圧縮室423の径方向外側に膨らむように形成されている。
【0027】
シリンダ42の内部に形成される円筒形状の空間には、回転シャフト70の偏心部72と、回転シャフト70の偏心部72に嵌合されるロータ41と、ベーン43と、ばね44と、が配置されている。ロータ41は、ローリングピストンとして機能するもので、回転シャフト70の回転を受けてシリンダ42の内周面に対して公転運動を行う。
【0028】
なお、回転シャフト70の偏心部72の中心は回転シャフト70の円筒部71の中心に対して偏心している。また、回転シャフト70の偏心部72の中心はロータ41の中心と一致している。
【0029】
ベーン43は、ロータ41の外周面に接続されている。ベーン43は、図3中のベーン43より右側の空間とベーン43より左側の空間を区画している。ばね44は、ベーン43をロータ41側に付勢している。
【0030】
図2図4に示すように、リアハウジング13は、シリンダ42を挟んで仕切り板12と反対側に配置されている。リアハウジング13は、円筒形状を成す円筒内周面を有している。リアハウジング13の内部には、吐出弁切替機構5および動力伝達機構6が配置されている。
【0031】
吐出弁切替機構5は、吐出弁ディスク51および回転止めピン52を有している。吐出弁ディスク51は、中央に穴部が形成された円盤形状を成しており、動力伝達機構6によって周方向に回動可能に配置されている。
【0032】
吐出弁ディスク51には、圧縮された冷媒が流れる吐出口55、吸入された冷媒が流れる吸入口56a、56bおよび円弧状を成す円弧状長穴57が形成されている。吐出口55、吸入口56aおよび円弧状長穴57は、吐出弁ディスク51の表裏を貫通するよう形成されている。
【0033】
このような吐出弁切替機構5としては、吐出弁ディスク51に1つの吐出口55と2つの吸入口56a、56bが形成された転動式のものと吐出弁ディスク51に2つの吐出口と1つの吸入口が形成された摩擦式のものがある。本実施形態の吐出弁切替機構5は、転動式となっている。なお、摩擦式の吐出弁切替機構5については、後述する第4~第7実施形態で説明する。
【0034】
回転止めピン52は、円弧状長穴57の内部に配置され。その一端はハウジング1の仕切り板12に固定されている。吐出弁ディスク51が周方向に回動すると、回転止めピン52は、円弧状長穴57の内部を行き来するようになっている。回転止めピン52は、吐出弁ディスク51の回動する範囲を規制する。
【0035】
図4図7図8に示すように、吐出口55には、吐出弁53が配置されている。吐出弁53は、吐出弁体531および吐出弁ばね532を有している。吐出口55には、吐出弁体531の縁部と当接する凸部553が形成されている。吐出弁ばね532は、吐出弁体531を吐出口55に形成された凸部553側に付勢する。吐出弁ばね532が吐出弁体531を付勢する力に抗して吐出口55を流れる冷媒の圧力が所定値以上になると、吐出弁体531が吐出口55に形成された凸部553から離れる方向に変位する。この際、圧縮された冷媒が吐出口55を流れてリアハウジング13に形成された第1接続口81または第2接続口82側へと流れる。
【0036】
動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転動力を吐出弁切替機構5に伝達するものである。図4に示すように、動力伝達機構6は、回転ロッド61、ロッドばね62およびロッド固定ピン63を有している。
【0037】
ロッド固定ピン63は、筒状を成しており、その一端は回転ロッド61に固定されている。ロッド固定ピン63は、回転シャフト70の端部73に形成された貫通穴の内部において、該貫通穴の軸方向に往復可能に配置されている。ロッドばね62は、回転シャフト70の径方向外側に向けてロッド固定ピン63を付勢する。これにより、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面側に押圧される。なお、回転ロッド61、ロッドばね62およびロッド固定ピン63は、回転シャフト70とともに回転する。
【0038】
本実施形態の圧縮機COPMは、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面側に当接して滑るように回動する。例えば、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面側に当接して滑るように時計回りに回転すると、サイクロ減速機と同様、揺動する動きとなり、吐出弁ディスク51は反時計回りに回動する。なお、サイクロ減速機は登録商標である。反対に、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面側に当接して滑るように反時計回りに回転すると、吐出弁ディスク51は時計回りに回動する。このように、転動式の吐出弁切替機構5においては、回転ロッド61の先端部61aの回転方向に対して吐出弁ディスク51は逆方向に回動する。
【0039】
次に、圧縮機構4の作動について図3図5図6を用いて説明する。図3において、回転シャフト70が時計回りに回転すると、この回転シャフト70の偏心部72の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。すなわち、ロータ41がベーン43を押圧しながら公転運動する。
【0040】
この際、図3に示す圧縮領域Prと吸入領域Inが圧縮室423の内部に形成される。なお、圧縮領域Prと吸入領域Inはベーン43によって仕切られており、このベーン43はばね44の付勢力および冷媒ガスの圧力によってロータ41に押し付けられている。
【0041】
冷媒ガスは第2連通部422から圧縮室423の吸入領域Inに入り、回転シャフト70の回転とともに吸入領域Inの容積が増加する。一方、圧縮領域Prに閉じ込められた冷媒ガスは回転シャフト70の回転とともにその体積が縮小して圧力が上昇していく。そして、図5に示すように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第1連通部421に閉じ込められる。
【0042】
また、図3において、回転シャフト70の偏心部72が反時計回りに回転すると、この回転シャフト70の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。この場合、図3中の圧縮領域Prと吸入領域Inは入れ替わる。そして、図6に示すように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第2連通部422に閉じ込められる。
【0043】
次に、暖房時と冷房時における第1、第2連通部421、422と第1、第2接続口81、82との間の冷媒が流れる流路について図7図8を用いて説明する。冷房時と暖房時とでは、吐出弁ディスク51の位置が異なる。
【0044】
まず、暖房時について図7を用いて説明する。暖房時には、第1連通部421、吐出弁ディスク51の吸入口56a、リアハウジング13の第2接続口82が直線状に配置される。このように、第1連通部421は、吐出弁ディスク51の吸入口56aを介してリアハウジング13に設けられた第2接続口82と連通する。
【0045】
また、第2連通部422、吐出弁ディスク51の吐出口55、リアハウジング13の第1接続口81が直線状に配置される。このように、第2連通部422は、吐出弁ディスク51の吐出口55を介してリアハウジング13に設けられた第1接続口81と連通する。
【0046】
したがって、室外熱交換器である第2熱交換器320からの冷媒ガスが、第2接続口82、吐出弁ディスク51の吸入口56a、リアハウジング13の第1連通部421を通って圧縮室423に吸入される。また、圧縮室423で圧縮された冷媒ガスは、第2連通部422から吐出弁ディスク51の吐出口55を通ってリアハウジング13に設けられた第1接続口81に導入される。
【0047】
次に、冷房時について図8を用いて説明する。冷房時には、第1連通部421、吐出弁ディスク51の吐出口55、リアハウジング13の第2接続口82が直線状に配置される。このように、第1連通部421は、吐出弁ディスク51の吐出口55を介してリアハウジング13に設けられた第2接続口82と連通する。
【0048】
また、第2連通部422、吐出弁ディスク51の吸入口56b、リアハウジング13の第1接続口81が直線状に配置される。このように、第2連通部422は、吐出弁ディスク51の吸入口56bを介してリアハウジング13に設けられた第1接続口81と連通する。
【0049】
したがって、室内熱交換器である第1熱交換器300からの冷媒ガスが、第1接続口81、吐出弁ディスク51の吸入口56a、第2連通部422を通って圧縮室423に吸入される。また、圧縮室423で圧縮された冷媒ガスは、第1連通部421から吐出弁ディスク51の吐出口55を通ってリアハウジング13に設けられた第2接続口82に導入される。
【0050】
次に、転動式と摩擦式の吐出弁ディスク51と回転ロッド61の動きの違いについて図9を用いて説明する。
【0051】
リアハウジング13の円筒内周面と吐出弁ディスク51とが接触する第1接触部Oの摩擦係数をμo、吐出弁ディスク51と回転ロッド61とが接触する第2接触部Iの摩擦係数をμとする。また、回転シャフト70の回転中心と第2接触部Iとの距離をr、回転シャフト70の回転中心と第1接触部Oとの距離をroとする。
【0052】
回転シャフト70を時計回りに回転させたときに第1接触部Oおよび第2接触部Iにかかる力の大きさをそれぞれFとすると、第1接触部Oには、反時計回りにμo・F・roのトルクがかかる。また、第2接触部Iには、時計回りにμ・F・rのトルクがかかる。
【0053】
ここで、μo・F・ro>μ・F・rの条件が成立する場合には転動式、μo・F・ro<μ・F・rの条件が成立する場合には摩擦式となる。
【0054】
つまり、転動式では、摩擦係数μoに対する摩擦係数μの比μ/μoが、距離rに対する距離roの比ro/rよりも小さくなるよう構成される。例えば、図10に示すように、回転シャフト70が時計回りに回動すると、第2接触部Iにおいて回転ロッド61の先端が吐出弁ディスク51の内周面に当接しながら滑るように時計回りに回動する。この際、吐出弁ディスク51はサイクロ減速機の歯車と同様の動きとなり、回転ロッド61と反対の反時計回りに回動する。
【0055】
また、摩擦式では、摩擦係数μoに対する摩擦係数μの比μ/μoが、距離rに対する距離roの比ro/rよりも大きくなるよう構成される。例えば、図11に示すように、回転シャフト70が時計回りに回動すると、第2接触部Iにおいて回転ロッド61の先端が吐出弁ディスク51の内周面を押圧しながら回転ロッド61と吐出弁ディスク51が一緒に時計回りに回動する。この際、吐出弁ディスク51の外周はリアハウジング13の円筒内周面に当接しながら滑るように回動する。
【0056】
なお、転動式では、吐出弁ディスク51はサイクロ減速機と同様、揺動する動きとなるため、吐出弁ディスク51の外周とリアハウジング13の円筒内周面との間にある程度の長さの隙間が必要である。これに対し、摩擦式では、吐出弁ディスク51の外周とリアハウジング13の円筒内周面との間の隙間は僅かでもよい。このため、摩擦式では、吐出弁ディスク51が揺動しないようにすることができる。
【0057】
次に、本実施形態の圧縮機COMPの作動について説明する。
【0058】
まず、車両のシートへ向けて送風する空気の暖房を行う暖房運転を実施する。具体的には、回転シャフト70が第1回転方向である反時計回りに回転すると、この回転シャフト70の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。そして、図6に示したように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第2連通部422に閉じ込められる。
【0059】
また、回転シャフト70が反時計回りに回転することによって、吐出弁ディスク51は反時計回りと逆の時計回りに回動し、回転止めピン52によって図4に示す位置で回動が止まる。
【0060】
この際、吐出弁ディスク51は図7に示した状態となる。すなわち、吐出弁ディスク51は、吸入口56aが、第1連通部421と第2接続口82の間を連通する位置となる。また、吐出口55が、第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となる。
【0061】
したがって、冷媒ガスが室外熱交換器である第2熱交換器320から第2接続口82、吸入口56a、第1連通部421を通って圧縮室423に吸入される。また、第2連通部422に閉じ込められた高圧の冷媒ガスの圧力によって吐出弁53が開弁すると、この冷媒ガスは、吐出口55および第1接続口81を通って室内熱交換器である第1熱交換器300に吐出される。
【0062】
この後、回転シャフト70の反時計回りの回転に伴って圧縮室423で圧縮された冷媒が室内熱交換器である第1熱交換器300に吐出される動作が繰り返し実施される。このように、車両のシートへ向けて送風する空気の暖房を行う暖房運転が実施される。
【0063】
次に、車両のシートへ向けて送風する空気の冷房を行う冷房運転を実施する。具体的には、回転シャフト70が第1回転方向と逆の第2回転方向である時計回りに回転すると、この回転シャフト70の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。そして、図5に示したように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第1連通部421に閉じ込められる。
【0064】
また、回転シャフト70が時計回りに回転することによって、吐出弁ディスク51は時計回りと逆の反時計回りに回動し、回転止めピン52によって図12に示す位置で回動が止まる。
【0065】
この際、吐出弁ディスク51は図8に示した状態となる。すなわち、吐出弁ディスク51は、吸入口56bが、第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となる。また、吐出口55が、第1連通部421と第1接続口81の間を連通する位置となる。
【0066】
したがって、室内熱交換器である第1熱交換器300から第1接続口81、吸入口56b、第1連通部421を通って冷媒ガスが圧縮室423に吸入される。また、第1連通部421に閉じ込められた高圧の冷媒ガスの圧力によって吐出弁53が開弁すると、この冷媒ガスは、吐出口55および第2接続口82を通って室内熱交換器である第2熱交換器320に吐出される。
【0067】
この後、回転シャフト70の反時計回りの回転に伴って圧縮室423で圧縮された冷媒が室内熱交換器である第2熱交換器320に吐出される動作が繰り返し実施される。このように、車両のシートへ向けて送風する空気の冷房を行う冷房運転が実施される。
【0068】
以上、説明したように、本圧縮機COMPは、回転可能に支持される回転シャフト70と、回転シャフト70を収容するとともに、第1接続口81および第2接続口82を有するハウジング1と、を備えている。また、流体を圧縮する圧縮室423、圧縮室423と連通する第1連通部421および圧縮室423と連通する第2連通部422を有するシリンダ42を備えている。また、回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに流体を圧縮して第2連通部422に導入し、回転シャフト70が第1回転方向と逆の第2回転方向に回転したときに流体を圧縮して第1連通部421に導入する圧縮機構4を備えている。また、第1連通部421および第2連通部422のいずれか一方と連通する吐出口55を有する吐出弁ディスク51と、吐出口55に配置され吐出口55の流体の圧力が所定値以上になると開弁する吐出弁53と、を有する吐出弁切替機構5と、を備えている。そして、回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに吐出口55が第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。また、回転シャフト70が第2回転方向に回転したときに吐出口55が第1連通部421と第2接続口82の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。
【0069】
このような構成によれば、回転シャフト70の回転方向によって吐出弁ディスク51の位置が切り替わり、吐出弁ディスク51に設けられた吐出口55と連通する先が第1接続口81と第2接続口82の間で変わる。したがって、吐出先の切替のための制御を必要とすることなく、圧縮された流体の吐出先を切り替えられるようにすることができる。
【0070】
また、吐出弁切替機構5は、第1連通部421および第2連通部422のいずれか他方と連通する吸入口56を有している。そして、回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに吸入口56が第1連通部421と第2接続口82の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスク51の位置が切り替わる。また、回転シャフト70が第2回転方向に回転したときに吸入口56が第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスク51の位置が切り替わる。
【0071】
したがって、回転シャフト70の回転方向によって吐出弁ディスク51の位置が切り替わり、吐出弁ディスク51に設けられた吸入口56と連通する先を、第1接続口81と第2接続口82の間で切り替えることができる。
【0072】
また、本圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51に駆動力を伝達する動力伝達機構6を備え、動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転力により吐出弁ディスク51の位置を切り替える。
【0073】
したがって、吐出弁ディスク51の位置を切り替えるための動力を別途用意することなく、回転シャフト70の回転力により吐出弁ディスク51の位置を切り替えることができる。
【0074】
また、動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転力を吐出弁ディスク51に伝達する回転ロッド61を有している。また、ハウジング10は、吐出弁ディスク51を収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジング13を有している。また、リアハウジング13の筒状内周面と吐出弁ディスクとが接触する第1接触部Oの第1回転方向にかからトルクが、吐出弁ディスク51と回転ロッド61とが接触する第2接触部Iの第2回転方向にかかるトルクよりも大きくなっている。さらに、吐出弁ディスクの回転方向が回転シャフトの回転方向と逆方向になっている。このように、動力伝達機構6を構成することができる。
【0075】
また、動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転力を吐出弁ディスクに伝達する回転ロッド61を有している。また、吐出弁ディスク51は円盤形状を成している。また、ハウジング1は、吐出弁ディスク51を収容する円筒形状を成す円筒内周面を有するリアハウジング13を有している。そして、第1接触部Oと第2接触部Iの摩擦係数μの比μ/μoが、回転シャフト70の回転中心と第2接触部Iとの距離rに対する回転シャフト70の回転中心と第1接触部との距離roの比ro/rよりも小さくなっている。かつ、吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフトの回転方向と逆方向になっている。
【0076】
また、本圧縮機COMPと、第1熱交換器300と、第2熱交換器320と、第1熱交換器300と第2熱交換器320の間に配置された絞り装置としての膨張弁310と、配管340を備えた冷凍サイクルとして構成することもできる。
【0077】
(第2実施形態)
第2実施形態に係る圧縮機について図13を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPは、上記第1実施形態のものに対して、さらに、回転ロッド61と吐出弁ディスク51の内周面の間にベアリング46が配置されている点が異なる。
【0078】
動力伝達機構6は、吐出弁ディスク51と回転ロッド61との間に配置されたベアリング64を有している。ベアリング46は、回転ロッド61と吐出弁ディスク51の内周面の摩擦係数を低減している。
【0079】
これにより、図9に示した吐出弁ディスク51と回転ロッド61とが接触する第2接触部Iの摩擦係数μを極めて小さくしたものと同様とみなすことができるので、転動式としての動作を確実に実現することができる。
【0080】
(第3実施形態)
第3実施形態に係る圧縮機について図14を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPは、上記第1実施形態のものに対して、リアハウジング13の円筒内周面に第1ギヤ歯131が形成されている点と、吐出弁ディスク51の外周面に、第1ギヤ歯131と噛み合う第2ギヤ歯511が形成されている点が異なる。
【0081】
第1ギヤ歯131と第2ギヤ歯511により、図9に示したリアハウジング13の円筒内周面と吐出弁ディスク51とが接触する第1接触部Oの摩擦係数μoを極めて大きくしたものと同様とみなすことができる。このため、転動式としての動作を確実に実現することができる。
【0082】
(第4実施形態)
第4実施形態に係る圧縮機について図15図19を用いて説明する。上記第1~第3実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51が回転ロッド61の回転方向と逆向きになる転動式となっている。これに対し、本実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51が回転ロッド61の回転方向と同一方向となる摩擦式となっている。
【0083】
図15図16に示すように、本実施形態の圧縮機COMPは、回転ロッド61の先端が丸みを帯びている。すなわち、回転ロッド61の先端は、リアハウジング13の円筒内周面に対して点接触しており、回転ロッド61の先端とリアハウジング13の円筒内周面の摩擦係数μは比較的大きくなっている。
【0084】
また、本実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51に2つの吐出口55と1つの吸入口56が形成されている。また、各吐出口55には、それぞれ吐出弁53が配置されている。すなわち、吐出弁切替機構5は、複数の吐出弁53を有している。
【0085】
本実施形態の圧縮機COMPは、図9に示した第1接触部Oの摩擦係数μoに対する第2接触部Iの摩擦係数μの比μ/μoが、ro/rよりも大きくなっている。なお、ro/rは、回転シャフト70の回転中心と第2接触部Iとの距離rに対する回転シャフト70の回転中心と第1接触部Oとの距離roの比である。また、吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフト70の回転方向と同一方向になっている。
【0086】
そして、回転シャフト70が時計回りに回動すると、第2接触部Iにおいて回転ロッド61の先端が吐出弁ディスク51の内周面を押圧することにより回転ロッド61と吐出弁ディスク51が摩擦によって一体となり一緒に時計回りに回動する。この際、吐出弁ディスク51の外周はリアハウジング13の円筒内周面に当接しながら滑るように回動する。
【0087】
次に、本実施形態の圧縮機COMPの作動について説明する。
【0088】
まず、車両のシートへ向けて送風する空気の暖房を行う暖房運転を実施する。具体的には、回転シャフト70が第1回転方向である反時計回りに回転すると、この回転シャフト70の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。そして、図6に示したように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第2連通部422に閉じ込められる。
【0089】
また、回転シャフト70が反時計回りに回転することによって、吐出弁ディスク51は反時計回りと逆の時計回りに回動し、回転止めピン52によって図16に示す位置で回動が止まる。
【0090】
この際、吐出弁ディスク51は図17に示した状態となる。すなわち、吐出弁ディスク51は、吸入口56bが、第1連通部421と第2接続口82の間を連通する位置となる。また、吐出口55が、第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となる。
【0091】
したがって、冷媒ガスが室外熱交換器である第2熱交換器320から第2接続口82、吸入口56a、第1連通部421を通って圧縮室423に吸入される。また、第2連通部422に閉じ込められた高圧の冷媒ガスの圧力によって吐出弁53が開弁すると、この冷媒ガスは、吐出口55および第1接続口81を通って室内熱交換器である第1熱交換器300に吐出される。
【0092】
この後、回転シャフト70の反時計回りの回転に伴って圧縮室423で圧縮された冷媒が室内熱交換器である第1熱交換器300に吐出される動作が繰り返し実施される。このように、車両のシートへ向けて送風する空気の暖房を行う暖房運転が実施される。
【0093】
次に、車両のシートへ向けて送風する空気の冷房を行う冷房運転を実施する。具体的には、回転シャフト70が第1回転方向と逆の第2回転方向である時計回りに回転すると、この回転シャフト70の回転を受けてロータ41がシリンダ42の内周面に密接しながら移動する。そして、図5に示したように、ロータ41によって圧力の高い冷媒ガスが第1連通部421に閉じ込められる。
【0094】
また、回転シャフト70が時計回りに回転することによって、吐出弁ディスク51は時計回りと逆の反時計回りに回動し、回転止めピン52によって図18に示す位置で回動が止まる。
【0095】
この際、吐出弁ディスク51は図19に示した状態となる。すなわち、吐出弁ディスク51は、吸入口56aが、第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となる。また、吐出口55が、第1連通部421と第1接続口81の間を連通する位置となる。
【0096】
したがって、室内熱交換器である第1熱交換器300から第1接続口81、吸入口56b、第1連通部421を通って冷媒ガスが圧縮室423に吸入される。また、第1連通部421に閉じ込められた高圧の冷媒ガスの圧力によって吐出弁53が開弁すると、この冷媒ガスは、吐出口55および第2接続口82を通って室内熱交換器である第2熱交換器320に吐出される。
【0097】
この後、回転シャフト70の反時計回りの回転に伴って圧縮室423で圧縮された冷媒が室内熱交換器である第2熱交換器320に吐出される動作が繰り返し実施される。このように、車両のシートへ向けて送風する空気の冷房を行う冷房運転が実施される。
【0098】
上記したように、動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転力を吐出弁ディスク51に伝達する回転ロッド61を有している。また、ハウジング10は、吐出弁ディスクを収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジング13を有している。また、リアハウジング13の筒状内周面と吐出弁ディスク51とが接触する第1接触部Oの第1回転方向にかかるトルクが、吐出弁ディスクと回転ロッドとが接触する第2接触部Iの第2回転方向にかかるトルクよりも小さくなっている。さらに、吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフト70の回転方向と同一方向になっている。このように、動力伝達機構6を構成することができる。
【0099】
また、吐出弁切替機構5は、第1、第2の吐出弁53を有し、吐出弁ディスク51は、第1、第2の吐出口55を有している。また、第1、第2の吐出弁53は、第1、第2の吐出口55に1つずつ配置されている。そして、回転シャフト70が第1回転方向に回転したときに吐出弁53の1つが第2連通部422と第1接続口81の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスク51の位置が切り替わる。また、回転シャフト70が第2回転方向に回転したときに別の吐出弁53が第1連通部421と第2接続口82の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスク51の位置が切り替わる。
【0100】
このように、回転シャフト70の回転方向によって第1、第2の吐出弁53の連通する先を第1接続口81と第2接続口82の間で切り替えるようにすることもできる。
【0101】
(第5実施形態)
第5実施形態に係る圧縮機について図20を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPは、上記第4実施形態のものと比較して、さらに、吐出弁ディスク51の外周面とリアハウジング13の内周面の間にベアリング581が配置されている点が異なる。
【0102】
吐出弁切替機構5は、リアハウジング13の円筒内周面と吐出弁ディスク51との間に配置されたベアリング581を有している。ベアリング581は、吐出弁ディスク51の外周面とリアハウジング13の内周面の摩擦係数を低減している。
【0103】
これにより、図9に示した吐出弁ディスク51とリアハウジング13とが接触する第1接触部Oの摩擦係数μoを極めて小さくしたものと同様とみなすことができるので、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0104】
(第6実施形態)
第6実施形態に係る圧縮機について図21図22を用いて説明する。上記各実施形態の圧縮機COMPは、回転ロッド61の先端部61aが板状を成しているが、本実施形態の圧縮機COMPは、回転ロッド61の先端部61aが半球形状を成している。また、本実施形態の圧縮機COMPの吐出弁切替機構5は、リアハウジング13の円筒内周面よりも回転シャフト70の軸線側に配置された回転止めピン52を有している。この回転止めピン52は、吐出弁ディスク51と接触することにより吐出弁ディスク51の周方向の回動を規制する。また、吐出弁ディスク51には、回転止めピン52と接触する円弧状長穴57が形成されている。そして、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57とが接触することにより吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフト70の回転方向と同一方向になっている。
【0105】
上記したように、回転ロッド61の先端部61aは半球形状を成している。したがって、回転ロッド61の先端部61aは、リアハウジング13の円筒内周面と点接触する。したがって、回転ロッド61の先端部61aがリアハウジング13の円筒内周面と線接触する場合と比較して、回転ロッド61の先端部61aとリアハウジング13の円筒内周面ととの摩擦係数は大きくなり、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0106】
また、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57とが接触することにより吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフト70の回転方向と同一方向になっている。
【0107】
また、吐出弁切替機構5は、リアハウジング13の筒状内周面よりも回転シャフト70の軸線側に配置され、吐出弁ディスク51と接触することにより吐出弁ディスク51の周方向の回動を規制する回転止めピン52を有している。また、吐出弁ディスク51には、回転止めピン52と接触する円弧状長穴57が形成されている。そして、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57とが吐出弁ディスク51の径方向に接触することにより吐出弁ディスク51の回転方向が回転シャフトの回転方向と同一方向になっている。
【0108】
したがって、図9における第1接触部Oを、図22における回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57との接触部とみなすことができる。すなわち、図9における回転シャフト70の回転中心と第1接触部Oとの距離roを、回転シャフト70の回転中心と、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57との接触部との距離とみなすことができる。このため、図9における距離roをより小さくみなすことができ、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0109】
(第7実施形態)
第7実施形態に係る圧縮機について図23を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPは、上記第6実施形態のものと比較して、さらに、回転止めピン52の外周にベアリング582が配置されている。
【0110】
吐出弁切替機構5は、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴の間に配置されたベアリング582を有している。ベアリング582により、回転止めピン52と吐出弁ディスク51に形成された円弧状長穴57の摩擦係数が低下するようになっている。したがって、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0111】
(第8実施形態)
第8実施形態に係る圧縮機について図24図25を用いて説明する。実施形態の圧縮機COMPは、回転シャフト70の回転速度が大きくなると、遠心力によって回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面から離れるよう構成されている。
【0112】
動力伝達機構6は、回転シャフト70の回転力を吐出弁ディスク51に伝達する回転ロッド61と、回転ロッド61を移動可能に支持するロッド固定ピン63と、を有している。さらに、ロッド固定ピン63とともに回転ロッド61を吐出弁ディスク51の内周面側に付勢するロッドばね62を有している。
【0113】
また、回転ロッド61は、吐出弁ディスク51の内周面側と接触する先端部61aを有している。また、回転シャフト70の中心線と直交する面において、回転ロッド61およびロッド固定ピン63により構成される部材の重心位置が、回転シャフト70の中心に対して回転ロッド61の先端部61aと反対側となっている。
【0114】
このような構成において、回転シャフト70の回転速度が小さい場合には、ロッドばね62によってロッド固定ピン63とともに回転ロッド61を吐出弁ディスク51の内周面側に付勢されている。
【0115】
しかし、回転シャフト70の回転速度が大きくなると、遠心力によって回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面から離れようとする力が大きくなる。
【0116】
そして、ロッドばね62が回転ロッド61を吐出弁ディスク51の内周面側に付勢する力よりも、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面から離れる力が大きくなると、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面から離れる。
【0117】
これにより、圧縮機COMPの圧縮機構4が流体を圧縮する際に、回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51に接触しなくなるので、回転ロッド61の先端部61aと吐出弁ディスク51の接触部の摩耗を防止することができる。
【0118】
(第9実施形態)
第9実施形態に係る圧縮機について図26図27を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPの吐出弁ディスク51は、該吐出弁ディスク51の中心から回転シャフト70の端部73に向かって立設された突起部512を有している。
【0119】
また、動力伝達機構6は、突起部512の径方向外側に配置されたプレート部材69と、回転シャフト70に固定されたばねケース74と、ばねケース74に固定され、プレート部材69を突起部512に向かって付勢する突起部ばね691を有している。
【0120】
また、吐出弁ディスク51に設けられた突起部512とプレート部材69の接触部は、ばねケースの外周よりも内側に配置され、回転シャフト70の回転速度が大きくなると、遠心力によってプレート部材69が突起部512から離れる。
【0121】
これにより、圧縮機COMPの圧縮機構4が流体を圧縮する際に、プレート部材69が突起部512に接触しなくなるので、プレート部材69と突起部512の接触部の摩耗を防止することができる。
【0122】
また、上記第8実施形態のものは、回転ロッド61、ロッド固定ピン63およびロッドばね62により構成される部材の重心位置を調整するために大型化してしまうが、本実施形態では小型化が可能である。
【0123】
(第10実施形態)
第10実施形態に係る圧縮機について図28図29を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPでは、吐出口55は、第1流路551と、第1流路551より第1接続口81および第2接続口82が設けられたハウジング13側に配置された第2流路552と、を有している。吐出口55には、第1流路551と第2流路552の間に配置されて吐出弁53を支持する突起部553が設けられている。そして、第2流路552の第1流路551と反対側の端部の流路断面積は、第1流路551の第2流路552側と反対側の端部の流路断面積よりも大きくなっている。
【0124】
また、第1流路551には、隙間をシールするシールリング541と、吐出弁53の吐出弁ばね532を固定するための固定部材543と、が配置されている。また、第2流路552には、隙間をシールするシールリング542が配置されている。固定部材543は、吐出弁ディスク51に固定されている。固定部材543は、第2流路552の内部に吐出弁ばね532を収容した後、第2流路552の内部側面に固定されるようになっている。
【0125】
このような構成において、第1流路551の内部に高圧の冷媒が導入されて吐出弁53が開弁すると、第1流路551から第2流路552に高圧の冷媒が導入される。
【0126】
ここで、第2流路552の第1流路551と反対側の端部の流路断面積は、第1流路551の第2流路552側と反対側の端部の流路断面積よりも大きくなっている。このため、図29中のJで示される領域に、第2流路552側から第1流路551側への差圧力が発生する。すなわち、図29中のJで示される領域に、図中、上側から下側への差圧力が発生する。
【0127】
この差圧力によって、吐出弁ディスク51がハウジング10の仕切り板12に押し付けられるので、振動等によって吐出弁ディスク51の位置が変動してしまうことを防止することができる。
【0128】
(第11実施形態)
第11実施形態に係る圧縮機について図30を用いて説明する。上記第10実施形態のものは、第1流路551に、吐出弁ディスク51に固定された固定部材543が配置されているが、本実施形態の圧縮機COMPは、第1流路551に、固定部材543が配置されていない。
【0129】
本実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ばね532が、シールリング541をリアハウジング13側に付勢するとともに、吐出弁体531を介して吐出弁ディスク51を仕切り板12側に付勢している。
【0130】
シールリング541が吐出弁ディスク51に接続されていないこと、吐出弁ばね532がシールリング541をリアハウジング13側に付勢することで、吐出弁ばね532で発生するリアハウジング13側への付勢力は、吐出弁ディスク51を介さずリアハウジング13に受けられる。したがって、吐出弁ばね532によって吐出弁ディスク51がリアハウジング13側反対の仕切り板12側に押し付けられるので、振動等によって吐出弁ディスク51の位置が変動してしまうことを防止することができる。
【0131】
すなわち、吐出弁ばね532が第1接続口81および第2接続口82が設けられたリアハウジング13を付勢する力で、吐出弁ディスク51がハウジング13と反対側に配置された仕切り板12に押し付けられている。これにより、振動等によって吐出弁ディスク51の位置が変動してしまうことを防止することができる。
【0132】
(第12実施形態)
第12実施形態に係る圧縮機について図31を用いて説明する。本実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51に、吐出弁ディスク51の重心を円盤状の吐出弁ディスクの中心に近づけるための穴部56x、56yが形成されている。本実施形態の吐出弁ディスク51は、図4に示した上記第1実施形態のものと比較して、さらに穴部56x、56yが形成されている点が異なる。
【0133】
吐出弁ディスク51は円盤状を成している。また、穴部56x、56yは、吐出弁ディスク51の表裏を貫通している。穴部56x、56yにより、吐出弁ディスク51の重心が吐出弁ディスクの中心に近づいている。
【0134】
なお、穴部56x、56yが形成されていない場合、吐出弁ディスク51の重心が吐出弁ディスクの中心から遠ざかる。また、穴部56x、56yが形成されていることにより、吐出弁ディスク51の重心が吐出弁ディスクの中心とほぼ一致している。穴部56x、56yは、吐出弁ディスク51の重心を吐出弁ディスクの中心に近づけるために設けられており、他の用途で用いられていない。
【0135】
吐出弁ディスク51の重心が円盤状の吐出弁ディスクの中心から離れていると、外部からの加振力が吐出弁ディスク51の自転モーメントになってしまい、吐出弁ディスク51が回転してしまうことが考えられる。
【0136】
これに対し、本実施形態の圧縮機COMPは、吐出弁ディスク51に、吐出弁ディスク51の重心を円盤状の吐出弁ディスクの中心に近づけるための穴部56x、56yが形成されているので、加振力により吐出弁ディスク51が回転するのを防止することができる。
【0137】
(第13実施形態)
第13実施形態に係る圧縮機について図32を用いて説明する。上記各実施形態の圧縮機COMPは、回転ロッド61の先端部61aがリアハウジング13の円筒内周面と接触するように構成されているが、本実施形態の圧縮機COMPは、回転ロッド61の先端側面61bがリアハウジング13と接触するよう構成されている。
【0138】
このように、回転ロッド61の先端側面61bがリアハウジング13と接触するよう構成することもできる。
【0139】
(第14実施形態)
第14実施形態に係る圧縮機について図33図37を用いて説明する。上記各実施形態では、図33に示すように、回転シャフト70にロータ41と回転ロッド61が固定されており、回転ロッド61の外周を囲むように吐出弁ディスク51が配置されている。そして、回転シャフト70の回転に伴って回転ロッド61が回転することにより吐出弁ディスク51が回動するようになっている。
【0140】
これに対し、図34に示すように、回転ロッド61の端部に吐出弁ディスク51を配置するようにしてもよい。そして、回転シャフト70の回転に伴って回転ロッド61が回転することにより吐出弁ディスク51が回動するようにしてもよい。
【0141】
また、図35に示すように、回転シャフト70にロータ41と回転ロッド61が固定されており、回転ロッド61の内周側に吐出弁ディスク51を配置することもできる。そして、回転シャフト70の回転に伴って回転ロッド61が回転することにより吐出弁ディスク51が回動するようにしてもよい。
【0142】
また、図36に示すように、回転シャフト70にロータ41が固定されており、ロータ41と回転ロッド61が接触するとともに、回転ロッド61と吐出弁ディスク51が接触するよう配置することもできる。そして、回転シャフト70の回転に伴ってロータ41が回転することにより回転ロッド61が回転し、回転ロッド61が回転することにより吐出弁ディスク51が回動するよう構成することもできる。
【0143】
また、図37に示すように、回転シャフト70に回転ロッド61が固定されており、回転ロッド61とロータ41が接触するとともに、回転ロッド61と吐出弁ディスク51が接触するよう配置することもできる。そして、回転シャフト70の回転に伴って回転ロッド61が回転することによりロータ41と吐出弁ディスク51が回転するよう構成することもできる。
【0144】
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、回転シャフト70が正回転したときと逆回転したときで吸入口56と吐出口55が切り替わるローリングピストン型圧縮機を例に、本圧縮機について説明した。これに対し、例えば、ベーン型圧縮機のような回転シャフトが正回転したときと逆回転したときとで吸入口と吐出口が切り替わる圧縮機に適用してもよい。
【0145】
(2)上記各実施形態では、圧縮機COMPによって冷媒を圧縮する例を示したが、冷媒以外の流体を圧縮するよう構成することもできる。
【0146】
(3)上記第8、第9実施形態では、転動式の吐出弁切替機構5を有する圧縮機において、遠心力により回転ロッド61の先端部が吐出弁ディスク51の内周面から離れる構成について示した。これに対し、上記各実施形態の摩擦式の吐出弁切替機構5を有する圧縮機において、遠心力により回転ロッド61の先端部61aが吐出弁ディスク51の内周面から離れるよう構成することもできる。
【0147】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
【0148】
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、圧縮機であって、
回転可能に支持される回転シャフトと、回転シャフトを収容するとともに、第1接続口および第2接続口を有するハウジングと、を備えている。また、流体を圧縮する圧縮室、圧縮室と連通する第1連通部および圧縮室と連通する第2連通部を有するシリンダを備えている。また、圧縮機構を備えている。なお、圧縮機構は、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに第1連通部から圧縮室に吸入した流体を圧縮して第2連通部に導入する。また、圧縮機構は、回転シャフトが第1回転方向と逆の第2回転方向に回転したときに第2連通部から圧縮室に吸入した流体を圧縮して第1連通部に導入する。また、第1連通部および第2連通部のいずれか一方と連通する吐出口を有する吐出弁ディスクと、吐出口に配置され吐出口の流体の圧力が所定値以上になると開弁する吐出弁と、を有する吐出弁切替機構と、を備えている。そして、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに吐出口が第2連通部と第1接続口の間を連通する位置となり、回転シャフトが第2回転方向に回転したときに吐出口が第1連通部と第2接続口の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。
【0149】
また、第2の観点によれば、吐出弁切替機構は、第1連通部および第2連通部のいずれか他方と連通する吸入口を有している。また、吐出弁ディスクの位置は、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに吸入口が第1連通部と第2接続口の間を連通する位置となるよう切り替わる。また、吐出弁ディスクの位置は、回転シャフトが第2回転方向に回転したときに吸入口が第2連通部と第1接続口の間を連通する位置となるよう切り替わる。
【0150】
したがって、回転シャフト70の回転方向によって吐出弁ディスク51の位置が切り替わり、吐出弁ディスクに設けられた吸入口と連通する先を、第1接続口と第2接続口の間で切り替えることができる。
【0151】
また、第3の観点によれば、吐出弁ディスクに駆動力を伝達する動力伝達機構を備え、動力伝達機構は、回転シャフトの回転力により吐出弁ディスクの位置を切り替える。
【0152】
したがって、吐出弁ディスクの位置を切り替えるための動力を別途用意することなく、回転シャフトの回転力により吐出弁ディスクの位置を切り替えることができる。
【0153】
また、第4の観点によれば、動力伝達機構は、回転シャフトの回転力を吐出弁ディスクに伝達する回転ロッドを有している。また、ハウジングは、吐出弁ディスクを収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジングを有している。また、リアハウジングの筒状内周面と吐出弁ディスクとが接触する接触部を第1接触部とする。また、吐出弁ディスクと回転ロッドとが接触する接触部を第2接触部とする。このとき、第1接触部の第1回転方向にかかるトルクが、第2接触部の第2回転方向にかかるトルクよりも大きくなっており、かつ、吐出弁ディスクの回転方向が回転シャフトの回転方向と逆方向になっている。このように、動力伝達機構を構成することができる。
【0154】
また、第5の観点によれば、動力伝達機構は、吐出弁ディスクと回転ロッドとの間に配置されたベアリングを有している。ベアリングは、回転ロッドと吐出弁ディスクの内周面の摩擦係数を低減している。これにより、吐出弁ディスクと回転ロッドとが接触する第2接触部の摩擦係数を極めて小さくしたものと同様とみなすことができるので、転動式としての動作を確実に実現することができる。
【0155】
また、第6の観点によれば、リアハウジングの円筒内周面には第1ギヤ歯が形成され、吐出弁ディスクの外周面には、第1ギヤ歯と噛み合う第2ギヤ歯が形成されている。第1ギヤ歯と第2ギヤ歯により、リアハウジングの円筒内周面と吐出弁ディスクとが接触する第1接触部の摩擦係数を極めて大きくしたものと同様とみなすことができるので、転動式としての動作を確実に実現することができる。
【0156】
また、第7の観点によれば、動力伝達機構は、回転シャフトの回転力を吐出弁ディスクに伝達する回転ロッドを有している。また、ハウジングは、吐出弁ディスクを収容する筒形状を成す筒状内周面を有するリアハウジングを有している。また、第1回転方向にかかるトルクが、第2接触部の第2回転方向にかかるトルクよりも小さくなっており、かつ、吐出弁ディスクの回転方向が回転シャフトの回転方向と同一方向になっている。このように、動力伝達機構を構成することができる。
【0157】
また、第8の観点によれば、吐出弁切替機構は、第1、第2の吐出弁を有し、吐出弁ディスクは、第1、第2の吐出口を有し、第1、第2の吐出弁は、第1、第2の吐出口に1つずつ配置されている。そして、回転シャフトが第1回転方向に回転したときに第1の吐出弁の1つが第2連通部と第1接続口の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。また、回転シャフトが第2回転方向に回転したときに第2の吐出弁が第1連通部と第2接続口の間を連通する位置となるよう吐出弁ディスクの位置が切り替わる。
【0158】
このように、回転シャフトの回転方向によって第1、第2の吐出弁の連通する先を第1接続口と第2接続口の間で切り替えるようにすることもできる。
【0159】
また、第9の観点によれば、吐出弁切替機構は、リアハウジングの円筒内周面と吐出弁ディスクとの間に配置されたベアリングを有している。これにより、吐出弁ディスクとリアハウジングとが接触する第1接触部の摩擦係数を極めて小さくしたものと同様とみなすことができるので、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0160】
また、第10の観点によれば、吐出弁切替機構は、リアハウジングの筒状内周面よりも回転シャフトの軸線側に配置され、吐出弁ディスクと接触することにより吐出弁ディスクの周方向の回動を規制する回転止め機構を有している。また、吐出弁ディスクには、回転止め機構と接触する円弧状長穴が形成されている。そして、回転止め機構と吐出弁ディスクに形成された円弧状長穴とが吐出弁ディスクの径方向に接触することにより吐出弁ディスクの回転方向が回転シャフトの回転方向と同一方向になっている。
【0161】
したがって、第1接触部を、回転止め機構と吐出弁ディスクに形成された円弧状長穴との接触部とみなすことができる。すなわち、回転シャフトの回転中心と第1接触部との距離を、回転シャフトの回転中心と、回転止め機構と吐出弁ディスクに形成された円弧状長穴との接触部との距離とみなすことができる。このため、回転シャフト70の回転中心と第1接触部との距離をより小さくみなすことができ、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0162】
また、第11の観点によれば、吐出弁切替機構は、回転止め機構と吐出弁ディスクに形成された円弧状長穴の間に配置されたベアリングを有している。このベアリングにより、回転止めピンと吐出弁ディスクに形成された円弧状長穴の摩擦係数が低下するようになっている。したがって、摩擦式としての動作を確実に実現することができる。
【0163】
また、第12の観点によれば、動力伝達機構は、回転シャフトの回転力を吐出弁ディスクに伝達する回転ロッドを有している。また、回転ロッドを移動可能に支持するロッド固定ピンと、ロッド固定ピンとともに回転ロッドを吐出弁ディスクの内周面側に付勢するロッドばねと、を有している。また、回転ロッドは、吐出弁ディスクの内周面側と接触する先端部を有している。また、回転シャフトの中心と直交する面において、回転ロッドおよびロッド固定ピンにより構成される部材の重心位置が、回転シャフトの中心に対して回転ロッドの先端部と反対側となっている。そして、回転シャフトの回転速度が大きくなると、遠心力によって回転ロッドの先端部が吐出弁ディスクの内周面から離れる。
【0164】
これにより、圧縮機の圧縮機構が流体を圧縮する際に、回転ロッドの先端部が吐出弁ディスクに接触しなくなるので、回転ロッドの先端部と吐出弁ディスクの接触部の摩耗を防止することができる。
【0165】
また、第13の観点によれば、吐出弁ディスクは、該吐出弁ディスクの中心から回転シャフトの端部に向かって立設された突起部を有している。また、動力伝達機構は、突起部の径方向外側に配置されたプレート部材と、回転シャフトに固定されたばねケースと、ばねケースに固定され、プレート部材を突起部に向かって付勢する突起部ばねを有している。また、吐出弁ディスクに設けられた突起部とプレート部材の接触部は、ばねケースの外周よりも内側に配置され、回転シャフトの回転速度が大きくなると、遠心力によってプレート部材が突起部から離れる。
【0166】
これにより、圧縮機の圧縮機構が流体を圧縮する際に、プレート部材が突起部に接触しなくなるので、プレート部材と突起部の接触部の摩耗を防止することができる。
【0167】
また、第14の観点によれば、吐出口は、第1流路と、第1流路より第1接続口および第2接続口が設けられたハウジング側に配置された第2流路と、を有している。また、第2流路の第1流路と反対側の端部の流路断面積は、第1流路の第2流路側と反対側の端部の流路断面積よりも大きくなっている。
【0168】
したがって、流体による第2流路側から第1流路側への差圧力が発生し、この差圧力によって、吐出弁ディスクがハウジングと反対側に押し付けられるので、振動等によって吐出弁ディスクの位置が変動してしまうことを防止することができる。
【0169】
また、第15の観点によれば、吐出弁は、吐出口に配置された弁体と、吐出口を塞ぐように弁体を付勢する吐出弁ばねと、を有している。また、吐出弁ばねが第1接続口および第2接続口が設けられたハウジングを付勢する力で、吐出弁ディスクがハウジングと反対側に押し付けられている。
【0170】
したがって、吐出弁ばねによって吐出弁ディスクがハウジングと反対側に押し付けられるので、振動等によって吐出弁ディスクの位置が変動してしまうことを防止することができる。
【0171】
また、第16の観点によれば、吐出弁ディスクは円盤状を成している。また、吐出弁ディスクには、吐出弁ディスクの重心を円盤状の吐出弁ディスクの中心に近づけるための穴部が形成されている。したがって、加振力により吐出弁ディスクが回転するのを防止することができる。
【0172】
また、第17の観点によれば、冷凍サイクルは、上記圧縮機と、第1接続口に接続された第1熱交換器と、第2接続口に接続された第2熱交換器と、第1熱交換器と第2熱交換器の間に配置された絞り装置と、を備えている。さらに、流体を、圧縮機、第1熱交換器、絞り装置および第2熱交換器の間で循環するように接続する配管を備えている。このように、上記圧縮機を備えた冷凍サイクルを構成することができる。
【符号の説明】
【0173】
1 ハウジング
10 フロントハウジング
12 仕切り板
13 リアハウジング
41 ロータ
42 シリンダ
43 ベーン
51 吐出弁ディスク
52 回転止め機構
53 吐出弁
55 吐出口
56 吸入口
57 円弧状長穴
61 ロッド
62 ロッド固定ピン
63 ロッドばね
70 回転シャフト
71 円筒部
72 偏心部
73 端部
81 第1接続口
82 第2接続口
300 第1熱交換器
310 膨張弁
320 第2熱交換器
330 送風器
340 配管
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
図35
図36
図37