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特開2022-52220光学系及びそれを有する撮像装置、撮像システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052220
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】光学系及びそれを有する撮像装置、撮像システム
(51)【国際特許分類】
   G02B 25/00 20060101AFI20220328BHJP
   G02B 17/08 20060101ALI20220328BHJP
   G02B 5/32 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G02B25/00 A
G02B17/08 A
G02B5/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】21
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158471
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】横山 貴嘉
【テーマコード(参考)】
2H087
2H249
【Fターム(参考)】
2H087KA01
2H087KA14
2H087LA11
2H087MA07
2H087PA06
2H087PA16
2H087PB06
2H087PB10
2H087PB11
2H087QA02
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA07
2H087QA12
2H087QA14
2H087QA22
2H087QA25
2H087QA26
2H087QA37
2H087QA39
2H087QA41
2H087QA45
2H087QA46
2H087RA08
2H087RA46
2H087TA01
2H087TA02
2H087TA06
2H249CA01
2H249CA03
2H249CA09
2H249CA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】撮影時の操作性を向上させることが可能で小型な光学系及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供する。
【解決手段】基準軸光線OAが入射する順に、正レンズL1、第1反射部R1、第2反射部R2を有し、第1反射部と第2反射部との間に、負レンズ群L2、又は回折光学素子が配置され、前記第1反射部と前記第2反射部との間に、開口絞りSPが配置され、前記第2反射部により反射された前記基準軸光線が入射するように配置され、屈折力を有する後続群L3を更に有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基準軸光線が入射する順に、正レンズ、第1反射部、第2反射部を有し、
前記第1反射部と前記第2反射部との間に、負レンズ群、又は回折光学素子が配置されることを特徴とする光学系。
【請求項2】
前記第1反射部と前記第2反射部との間に、開口絞りが配置されることを特徴とする請求項1に記載の光学系。
【請求項3】
前記第2反射部により反射された前記基準軸光線が入射するように配置され、屈折力を有する後続群を更に有することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学系。
【請求項4】
前記後続群に含まれるレンズによりフォーカシングが行われることを特徴とする請求項3に記載の光学系。
【請求項5】
前記正レンズに入射する基準軸光線と前記後続群から射出される基準軸光線は、略平行であることを特徴とする請求項3又は4に記載の光学系。
【請求項6】
前記正レンズの焦点距離をf1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
2.3<f1/f<7.0
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の光学系。
【請求項7】
前記負レンズ群の焦点距離をfn、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
-2.90<fn/f<-0.60
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の光学系。
【請求項8】
前記第1反射部の焦点距離をfr1、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
0.90<fr1/f<3.80
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至7の何れか一項に記載の光学系。
【請求項9】
前記第2反射部の焦点距離をfr2、前記光学系の焦点距離をfとするとき、
1.00<fr2/f<12.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至8の何れか一項に記載の光学系。
【請求項10】
前記第1反射部の焦点距離をfr1、前記第2反射部の焦点距離をfr2とするとき、
0.10<fr1/fr2<3.00
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至9の何れか一項に記載の光学系。
【請求項11】
前記正レンズのアッベ数をnv1とするとき、
64<nv1
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至10の何れか一項に記載の光学系。
【請求項12】
前記第1反射部は、2つの反射面からなることを特徴とする請求項1乃至11の何れか一項に記載の光学系。
【請求項13】
前記第1反射部を構成する前記2つの反射面の間は、空気であることを特徴とする請求項12に記載の光学系。
【請求項14】
前記第2反射部は、2つの反射面からなることを特徴とする請求項1乃至13の何れか一項に記載の光学系。
【請求項15】
前記第2反射部を構成する前記2つの反射面の間は、空気であることを特徴とする請求項14に記載の光学系。
【請求項16】
前記第1反射部に入射する基準軸光線と前記第1反射部から射出される基準軸光線とがなす角は、略直角であることを特徴とする請求項1乃至15の何れか一項に記載の光学系。
【請求項17】
前記第2反射部に入射する基準軸光線と前記第2反射部から射出される基準軸光線とがなす角は、略直角であることを特徴とする請求項1乃至16の何れか一項に記載の光学系。
【請求項18】
前記負レンズ群は、回折光学素子を含むことを特徴とする請求項1乃至17の何れか一項に記載の光学系。
【請求項19】
前記負レンズ群は、1枚の負レンズからなることを特徴とする請求項1乃至18の何れか一項に記載の光学系。
【請求項20】
前記光学系の半画角をθとするとき、
0<θ<4.2
なる条件式を満足することを特徴とする請求項1乃至19の何れか一項に記載の光学系。
【請求項21】
請求項1乃至20の何れか一項に記載の光学系と、該光学系によって形成される像を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学系に関し、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、撮影光学系に用いられる共軸光学系の望遠レンズは、レンズ全長が長く、最も物体側に高重量のレンズが配置される。そのため、共軸光学系の望遠レンズでは、レンズの重心がカメラから大きく離れ、撮影の方向の向きを変えづらく、操作性が悪い。望遠レンズを小型化するために、反射面と屈折面を配置した非共軸光学系が提案されているが、非共軸光学系では光束が遮蔽されるため、光量が落ちてしまう。
【0003】
特許文献1には、光軸(基準軸)と、曲率を持つ、反射面又は屈折面の面法線とのなす角度が0°でない非共軸光学系が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-39991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
望遠レンズでは通常、前玉径がFナンバー光束で決定される。特許文献1の非共軸光学系を用いてFナンバーの明るい望遠レンズを実現しようとすると、第1反射面は基準軸に対し傾いて配置されるため、第1反射面の有効径が大型化する。また、後続の第2反射面と屈折面は、第1反射面との干渉を回避し、かつ光束をケラないように、間隔を大きく離して配置する必要があるため、撮像装置全体が大型化し、撮影時の操作性が悪化する。
【0006】
本発明は、撮影時の操作性を向上させることが可能で小型な光学系及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面としての光学系は、基準軸光線が入射する順に、正レンズ、第1反射部、第2反射部を有し、第1反射部と第2反射部との間に、負レンズ群、又は回折光学素子が配置されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、撮影時の操作性を向上させることが可能で小型な光学系及びそれを有する撮像装置、撮像システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1の光学系のX-Y断面図である。
図2】実施例1の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。
図3】実施例2の光学系のX-Y断面図である。
図4】実施例2の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。
図5】実施例3の光学系のX-Y断面図である。
図6】実施例3の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。
図7】実施例4の光学系のX-Y断面図である。
図8】実施例4の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。
図9】実施例5の光学系のX-Y断面図である。
図10】実施例5の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。
図11】撮像装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0011】
図1,3,5,7,9はそれぞれ、実施例1乃至5の光学系(非共軸光学系)のX-Y断面図である。各実施例の光学系は、デジタルビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、放送用カメラ、銀塩フィルム用カメラ、監視用カメラ等の撮像装置に用いられる。
【0012】
各断面図において左方が物体側で、右方が像側である。各実施例の光学系は、複数のレンズ群を有して構成されている。各断面図に示した矢印はフォーカシングに際してのレンズ群の移動方向を表している。なお、レンズ群は1枚のレンズから構成されていてもよいし、複数のレンズから成っていてもよい。また、レンズ群は開口絞りを含んでいてもよい。
【0013】
各断面図において、Liは光学系に含まれるレンズ群のうち物体側から数えてi番目(iは自然数)のレンズ群を表している。Miは、物体側から数えてi番目(iは自然数)の反射面を表している。Niは、物体側から数えてi番目(iは自然数)の反射面の面法線を表している。
【0014】
また、OAは光軸である。SPは開口絞りである。IPは像面であり、各実施例の光学系をデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラの撮影光学系として使用する際にはCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)の撮像面が配置される。各実施例の光学系を銀塩フィルム用カメラの撮影光学系として使用する際には像面IPにはフィルム面に相当する感光面が置かれる。なお、像面IPの物体側には、光学フィルター、フェースプレート、ローパスフィルター、赤外カットフィルター等に相当する光学ブロックを配置してもよい。
【0015】
図2,4,6,8,10はそれぞれ、実施例1乃至5の光学系の無限遠に合焦したときの像面上のスポットダイアグラムを示す図である。スポットダイアグラムの計算波長は、d線(波長0.5876μm)である。方位角の符号は、物体側から像面を見たとき、像面のY軸からみて時計回りを正としている。像高は、軸上と15mmである。
【0016】
次に、各実施例の光学系における特徴的な構成について述べる。
【0017】
各実施例の光学系は、基準軸光線が入射する順に、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、第2反射部R2、正又は負の屈折率のレンズ群(後続群)L3を有する。なお、本願明細書における基準軸光線とは、撮像素子に結像する光束に含まれる光線のうち、正レンズL1に垂直に入射する光線(すなわち光軸OA)を言う。
【0018】
第1反射部R1及び第2反射部R2の反射面は光軸OAに対し回転非対称な面形状を有し、反射面の面法線と光軸とは一致していない。なお、面法線と光軸とのなす角度の符号は、面法線から光軸への時計回り方向を正とする。
【0019】
光学系を小型化し、撮影時の操作性を向上させるためには、反射面を用いて光軸を折り曲げることが有効である。光軸を折り曲げることで、像面IPから正レンズL1までのX軸方向の距離を縮めることができ、レンズの重心をカメラ側に近づけることが可能となる。
【0020】
また、光束遮蔽を低減した反射光学系を実現するためには、反射光学系を非共軸光学系とすることが有効である。非共軸光学系とは、光軸OAとi番目の反射面の面法線Niとがなす角度が0でない反射面を持つ光学系である。例えば、図1に示されるように、第1反射部R1の反射面M1,M2に、光軸に対しそれぞれ-25.0°と-20.0°の角度を与えることで、正レンズL1から射出された基準軸光線を遮蔽することなく、-90°の角度で反射することができる。また、第2反射部R2の反射面M3,M4に、光軸に対しそれぞれ22.5°の角度を与えることで、反射面M2で反射された基準軸光線を遮蔽することなく、90°の角度で反射することができる。このような第1反射部R1と第2反射部R2の構成により、光束遮蔽のない反射光学系を実現することができる。
【0021】
光学系の構成として曲率を持つ反射面を配置すると、従来の共軸光学系では発生しない回転非対称な収差が発生する。この収差を補正するためには、反射面を光軸に対し回転非対称な面形状とすることが有効である。
【0022】
一方、正レンズL1、負レンズ群L2、及びレンズ群L3は光軸OAに対し回転対称な面形状を有し、屈折面の面法線と光軸は一致している。
【0023】
従来の非共軸光学系では、最も物体側に第1反射面を配置しているため、前述したように第1反射面が大型化する。そのため、後続の第2反射面と屈折面は、第1反射面との干渉を回避し、かつ光束がケラないように、間隔を大きく離して配置する必要があるため、撮像装置全体が大型化し、撮影時の操作性が悪化する。
【0024】
そこで、各実施例の光学系では、最も物体側に正レンズL1を配置している。これにより、入射光を収斂させた状態で基準軸光線を第1反射面R1に入射させることができ、撮像装置を小型化することができる。
【0025】
しかしながら、最も物体側に正レンズL1を配置すると、色収差が発生し光学性能が悪化する。特に、正レンズL1の軸上光線の位置は最も高くなるため、軸上色収差が大きく発生しやすい。反射面同士が干渉しないように、また、光束がケラないように反射面を配置すると、正レンズL1からレンズ群L3までの光軸上の距離が長くなるため、レンズ群L3の軸上光線の位置は正レンズL1の軸上光線の位置に対して低くなる。そのため、レンズ群L3で正レンズL1の色収差を補正することが困難となる。軸上色収差を低減するため、最も物体側のレンズ群を正レンズ及び負レンズで構成すると、負レンズは比較的比重の高いガラスとなるため、レンズ前方が高重量化し、撮影時の操作性を向上させた効果が低減してしまう。
【0026】
そこで、各実施例の光学系では、第1反射部R1と第2反射部R2との間に負レンズ群L2を配置している。第1反射部R1と第2反射部R2との間は、軸上光線の位置も比較的高く、色収差を補正可能である。そのため、第1反射部R1と第2反射部R2との間に負レンズ群L2を配置することで、正レンズL1で発生する収差を負レンズ群L2で打ち消し、高画質化を実現することができる。また、最も物体側に配置された正レンズL1に対して負レンズ群L2の有効径は小さいため撮影時の操作性もそれほど悪化しない。なお、本実施形態では、負レンズ群L2を配置しているが、正レンズL1で発生する収差を補正できれば本発明はこれに限定されない。例えば、回折光学素子を配置してもよい。回折光学素子とは、単レンズのレンズ面に回折格子が形成された光学素子や、レンズ同士の接合面に回折格子が形成された光学素子であり得る。回折光学素子を配置する場合、回折光学素子の屈折力は正であってもよい。屈折力の符合が同じ場合に回折光学素子の回折面で生じる色収差と屈折光学素子(レンズ)の屈折面で生じる色収差は符合が反対符号となるためである。
【0027】
以上の構成により、レンズ全長が長く、前玉が重い望遠レンズで問題となる撮影時の操作性を向上させることが可能で小型な光学系を得ることが可能となる。
【0028】
次に、各実施例の光学系において、満足することが好ましい構成について述べる。
【0029】
各実施例の光学系では、第1反射部R1と第2反射部R2との間に開口絞りSPが配置されることが好ましい。従来の非共軸光学系では、絞りは最も物体側に配置されるが、後玉径が大きくなりやすく、特に大口径化したときに非共軸光学系が大型化する。第1反射部R1と第2反射部R2との間に開口絞りSPを配置することで、このような問題を解決することができる。
【0030】
各実施例の光学系は、正レンズL1の焦点距離をf1、光学系の焦点距離をfとするとき、以下の条件式(1)を満足することが好ましい。
【0031】
2.3<f1/f<7.0 (1)
条件式(1)は、光学系の小型化と高い光学性能を得るための条件式である。条件式(1)の下限値を下回ると、正レンズL1で発生する軸上色収差を負レンズ群L2で補正することができず、光学性能が悪化する。条件式(1)の上限値を上回ると、正レンズL1の収斂作用による後続の反射面を小型化することができず光学系が大型化する。
【0032】
なお、条件式(1)の数値範囲を以下の条件式(1a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0033】
2.4<f1/f<6.5 (1a)
また、条件式(1)の数値範囲を以下の条件式(1b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0034】
2.5<f1/f<6.0 (1b)
各実施例の光学系は、負レンズ群L2の焦点距離をfnとするとき、以下の条件式(2)を満足することが好ましい。
【0035】
-2.90<fn/f<-0.60 (2)
条件式(2)は、光学系の小型化と高い光学性能を得るための条件式である。条件式(2)の下限値を下回ると、負レンズ群L2の屈折力が小さくなりすぎるため、正レンズL1で発生する軸上色収差を補正することができない。条件式(2)の上限値を上回ると、負レンズ群L2の屈折力が大きくなりすぎるため、軸上色収差の補正が過剰となり光学性能が悪化する。
【0036】
なお、条件式(2)の数値範囲を以下の条件式(2a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0037】
-2.60<fn/f<-0.70 (2a)
また、条件式(2)の数値範囲を以下の条件式(2b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0038】
-2.45<fn/f<-0.80 (2b)
各実施例の光学系は、第1反射部R1の焦点距離をfr1とするとき、以下の条件式(3)を満足することが好ましい。
【0039】
0.90<fr1/f<3.80 (3)
条件式(3)は、光学系の小型化と高画質化に関する条件式である。第1反射部R1は、正の屈折力を有し、光束を収斂させることで、後続の絞りSP、第2反射部R2、及びレンズ群L3を小型化している。条件式(3)の下限値を下回ると、回転非対称な収差が大きくなり、反射面が光軸に対して回転非対称な面形状を有しても補正が十分にできず画質が低下する。条件式(3)の下限値を上回ると、第1反射部R1の光束の収斂作用が低下し光学系が大型化する。
【0040】
なお、条件式(3)の数値範囲を以下の条件式(3a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0041】
1.00<fr1/f<3.65 (3a)
また、条件式(3)の数値範囲を以下の条件式(3b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0042】
1.10<fr1/f<3.50 (3b)
各実施例の光学系は、第2反射部R2の焦点距離をfr2とするとき、以下の条件式(4)を満足することが好ましい。
【0043】
1.00<fr2/f<12.00 (4)
条件式(4)は、光学系の小型化と高画質化に関する条件式である。第2反射部R2は、絞りSPの像側に配置され、正の屈折力を有するため、軸外光線を光軸方向へ収斂させる作用を持つ。これにより、後続のレンズ群L3を小型化している。条件式(4)の下限値を下回ると、第2反射部R2の屈折力が大きくなりすぎるため、回転非対称な収差が大きくなり、光学性能が悪化する。条件式(4)の上限値を上回ると、第2反射部R2の光束の収斂作用が低下し光学系が大型化する。
【0044】
なお、条件式(4)の数値範囲を以下の条件式(4a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0045】
1.15<fr2/f<10.00 (4a)
また、条件式(4)の数値範囲を以下の条件式(4b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0046】
1.30<fr2/f<9.00 (4b)
各実施例の光学系は、以下の条件式(5)を満足することが好ましい。
【0047】
0.10<fr1/fr2<3.00 (5)
条件式(5)は、光学系の小型化に関する条件式である。条件式(5)の下限値を下回ると、第1反射部R1の屈折力が大きくなるため、後続の負レンズ群L2、絞りSP、及び第2反射部R2を小型化できるが、第2反射部R2の屈折力が小さくなるため、レンズ群L3の軸外光線が高くなり光学系が大型化する。条件式(5)の上限値を上回ると、第2反射部R2の屈折力が大きくなるため、レンズ群L3を小型化できるが、第1反射部R1の屈折力が小さくなるため、絞りSPと負レンズ群L2が大型化する。
【0048】
なお、条件式(5)の数値範囲を以下の条件式(5a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0049】
0.12<fr1/fr2<2.80 (5a)
また、条件式(5)の数値範囲を以下の条件式(5b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0050】
0.15<fr1/fr2<2.60 (5b)
なお、第1反射部R1及び第2反射部R2がそれぞれ複数の反射面を有するとき、焦点距離fr1,fr2はそれぞれ、第1反射部R1及び第2反射部R2を構成する反射面の合成焦点距離である。
【0051】
各実施例の光学系は、正レンズL1のアッベ数をnv1とするとき、以下の条件式(6)を満足することが好ましい。
【0052】
64<nv1 (6)
条件式(6)は、正レンズL1で発生する軸上色収差に関する条件式である。条件式(6)の範囲を逸脱すると、正レンズL1で発生する軸上色収差が大きくなりすぎるため、後続の負レンズ群L2で補正することができず光学性能が悪化する。
【0053】
なお、条件式(6)の数値範囲を以下の条件式(6a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0054】
65<nv1<100 (6a)
条件式(6a)の上限値を上回ると、加工性や耐環境性が悪化するため好ましくない。
【0055】
条件式(6)の数値範囲を以下の条件式(6b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0056】
66<nv1<83 (6b)
各実施例の光学系は、半画角をθとするとき、以下の条件式(7)を満足することが好ましい。
【0057】
0.0<θ<4.2 (7)
条件式(7)の範囲を逸脱すると、焦点距離が短くなり、レンズ全長も短くなるため、光学系を用いてレンズ全長を短縮し、撮影時の操作性を向上させる効果が小さくなる。
【0058】
なお、条件式(7)の数値範囲を以下の条件式(7a)の数値範囲とすることが好ましい。
【0059】
0.0<θ<3.5 (7a)
また、条件式(7)の数値範囲を以下の条件式(7b)の数値範囲とすることが更に好ましい。
【0060】
0.0<θ<3.2 (7b)
前述したように、光学系の構成として曲率を持つ反射面を配置すると、従来の共軸光学系では発生しない回転非対称な収差が発生する。この収差を補正するために、各実施例では反射面を光軸に対し回転非対称な面形状を有するように構成している。しかしながら、第1反射部R1及び第2反射部R2をそれぞれ1つの反射面で構成すると、回転非対称な収差を十分に補正することができない。そこで、各実施例の光学系では、第1反射部R1は2つの反射面(第1反射面M1と第2反射面M2)からなることが好ましい。また、各実施例の光学系では、第2反射部R2は2つの反射面(第3反射面M3と第4反射面M4)からなることが好ましい。このような構成を有することで、高画質化を実現することができる。
【0061】
前述したように、望遠レンズは、物体側有効径が大きく、反射部をプリズムとした場合、非常に重くなり、撮影時の操作性が悪化する。そこで、各実施例の光学系では、第1反射部R1の2つの反射面の間は空気であることが好ましい。また、第2反射部R2の2つの反射面の間は空気であることが好ましい。
【0062】
各実施例の光学系では、光学系を小型化するため、第1反射部R1に入射する基準軸光線と第1反射部R1から射出される基準軸光線とのなす角が略直角となるように反射面が構成されていることが好ましい。ここで、「略直角」とは、第1反射部R1に入射する基準軸光線と第1反射部R1から射出される基準軸光線とのなす角が90°を基準として±30°以内の角度である場合のことである。第1反射部R1の後方に配置される負レンズ群L2と絞りSPは基準軸に対し垂直に配置される。そのため、第1反射部R1に入射する基準軸光線と第1反射部R1から射出される基準軸光線とがなす角が直角から大きく外れると、正レンズL1から射出され、第1反射面M1に向かう光束が負レンズ群L2や絞りSPによりケラレてしまう。ケラレを避けるには、第2反射面M2と負レンズ群L2との間隔を広げる必要があり光学系が大型化する。
【0063】
各実施例の光学系では、負レンズ群L2や絞りSPによるケラレを避けるため、第2反射部R2に入射する基準軸光線と第2反射部R2から射出される基準軸光線とのなす角が略直角となるように反射面が構成されていることが好ましい。ここで、「略直角」とは、第2反射部R2に入射する基準軸光線と第2反射部R2から射出される基準軸光線とのなす角が90°を基準として±30°以内の角度である場合のことである。
【0064】
各実施例の光学系では、正レンズL1に入射する基準軸光線とレンズ群L3から射出される基準軸光線とが略平行となるように反射面が構成されていることが好ましい。ここで、「略平行」とは、正レンズL1に入射する基準軸光線とレンズ群L3から射出される基準軸光線とのなす角度が0°を基準として±5°以内である場合のことである。このような構成により、製造や組み立てが容易になるため、製造誤差が小さくなり高い光学性能を得ることが容易になる。
【0065】
各実施例の光学系では、負レンズ群L2は1枚の負レンズからなることが好ましい。負レンズ群L2が複数枚のレンズからなると、第1反射部R1と第2反射部R2との間隔を広げる必要があり、光学系が大型化する。
【0066】
各実施例の光学系では、レンズ群L3がフォーカシングの際に基準軸方向へ移動するレンズ群を有することが好ましい。
【0067】
各実施例の光学系では、高い光学性能を実現するために、レンズ群L3の屈折面は基準軸に対し回転対称な面形状で、屈折面の面法線と光軸は一致した構成であることが好ましい。また、収差を良好に補正するために、レンズ群L3を回転非対称な収差を発生させないように配置することが好ましい。また、このような光学系は製造実績が多く、製造容易性という点でも有効である。
【0068】
次に、各実施例の光学系について詳細に述べる。
【0069】
実施例1の光学系は、物体距離無限遠時において、X-Y断面及びX-Z断面の焦点距離が575.00mm、Fnoが4.10の光学系である。実施例1の光学系は、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、絞りSP、第2反射部R2、正の屈折力を有するレンズ群L3により構成されている。
【0070】
第1反射部R1は、光軸と面法線とのなす角が-25°である第1反射面M1、光軸と面法線とのなす角が-20°である第2反射面M2により構成されている。実施例1では、第1反射部R1の基準軸光線の入射方向と射出方向が90°異なるように構成されている。そのためには、光軸と第1反射面M1の面法線とのなす角と、光軸と第2反射面M2の面法線とのなす角の和の絶対値を45°にすればよい。これにより、負レンズ群L2や絞りSPと、第1反射部R1から射出された光の干渉が小さくなり、光学系を小型化することができる。2つのなす角の和の絶対値が45°であればよく、第1反射面M1及び第2反射面M2に与えるそれぞれのなす角の組み合わせは任意である。第1反射面M1と第2反射面M2のなす角を均等の-22.5°で与える場合に対し、各実施例の光学系のなす角の組み合わせにすることで、正レンズL1に入射する基準軸光線と第2反射面M2がより平行に配置される。これにより、光学系全体を見たとき、Y軸方向の厚みが小さくなり小型化できる。逆に、第1反射面M1のなす角を第2反射面M2のなす角に対して小さくすると、第1反射部R1のY軸方向は厚くなるが、X軸方向は薄くすることができる。実施例1では、Y軸方向の厚みが薄くなるように第1反射面M1と第2反射面M2のなす角をそれぞれ設定している。
【0071】
なお、2つのなす角の和の絶対値が45°になるように説明を行ったが、負レンズ群L2や絞りSPと、第1反射部R1から射出された光の干渉が問題にならない範囲で角度を調整することも可能である。
【0072】
第2反射部R2は、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第3反射面M3、光軸と面法線とのなす角が22.5°の第4反射面M4により構成されている。実施例1では、第2反射部R2の基準軸光線の入射方向と射出方向が90°異なるように構成されている。これにより、絞りSPと、第2反射部R2から射出された光の干渉が小さくなり、光学系を小型化することができる。実施例1では、第3反射面M3の光軸と面法線のなす角と、第4反射面M4の光軸と面法線のなす角の和の絶対値を45°としている。第1反射部R1と同様に、2つのなす角の与え方により、第2反射部のY軸方向とZ軸方向の厚みを変えることができる。しかしながら、第1反射部R1に対して第2反射部R2は小さいため、その効果は小さくなるので、第3反射面M3と第4反射面M4のそれぞれのなす角を同じ22.5°と設定している。しかしながら、本発明はこれに限らず、2つのなす角に差をつけることも可能である。
【0073】
各反射面は、回転非対称な自由曲面形状を有する。また、各反射面は、第1反射部R1と第2反射部R2で軸上の非点収差が発生しないように最適化されている。この構成により、光学系の小型化、光路の遮蔽がないこと、及び高い光学性能を達成している。
【0074】
正レンズL1は、像側凸面の正メニスカスレンズからなる。負レンズ群L2は、像側凸面の1枚の負メニスカスレンズからなる。
【0075】
レンズ群L3は、物体側より、第1から第4の接合レンズからなる。第1の接合レンズは、物体側凸面の負メニスカスレンズと物体側凸面の正メニスカスレンズの接合レンズである。第2の接合レンズは、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズである。第3の接合レンズは、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズである。第4の接合レンズは、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズである。
【0076】
実施例2の光学系は、物体距離無限遠時において、X-Y断面及びX-Z断面の焦点距離が399.58mm、Fnoが2.9の光学系である。実施例2の光学系は、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、絞りSP、第2反射部R2、正の屈折力を有するレンズ群L3により構成されている。
【0077】
第1反射部R1は、光軸と面法線とのなす角が-25°である第1反射面M1、光軸と面法線のなす角が-20°である第2反射面M2により構成されている。
【0078】
第2反射部R2は、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第3反射面M3、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第4反射面M4により構成されている。
【0079】
各反射面は、回転非対称な自由曲面形状を有する。また、各反射面は、第1反射部R1と第2反射部R2で軸上の非点収差が発生しないように最適化されている。この構成により、光学系の小型化、光路の遮蔽がないこと、及び高い光学性能を達成している。
【0080】
正レンズL1は、両凸レンズからなる。負レンズ群L2は、像側凸面の1枚の負メニスカスレンズからなる。
【0081】
レンズ群L3は、物体側より、第1から第4の接合レンズからなる。第1の接合レンズは、物体側凸面の負メニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズである。第2の接合レンズは、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズである。第3の接合レンズは、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズである。第4の接合レンズは、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズである。
【0082】
実施例3の光学系は、物体距離無限遠時において、X-Y断面及びX-Z断面の焦点距離が575.00mm、Fnoが4.10の光学系である。実施例3の光学系は、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、絞りSP、第2反射部R2、正の屈折力のレンズ群L3により構成されている。
【0083】
第1反射部R1は、光軸と面法線とのなす角が-25°である第1反射面M1、光軸と面法線とのなす角が-20°である第2反射面M2により構成されている。
【0084】
第2反射部R2は、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第3反射面M3、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第4反射面M4により構成されている。
【0085】
各反射面は、回転非対称な自由曲面形状を有する。また、各反射面は、第1反射部R1と第2反射部R2で軸上の非点収差が発生しないように最適化されている。この構成により、光学系の小型化、光路の遮蔽がないこと、及び高い光学性能を達成している。
【0086】
正レンズL1は、像側凸面の正メニスカスレンズからなる。負レンズ群L2は、像側凸面の1枚の負メニスカスレンズからなる。
【0087】
レンズ群L3は、物体側より、物体側凸面の負メニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズからなる。
【0088】
実施例4の光学系は、物体距離無限遠時において、X-Y断面及びX-Z断面の焦点距離が575.00mm、Fnoが4.10の光学系である。実施例4の光学系は、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、絞りSP、第2反射部R2、正の屈折力のレンズ群L3により構成されている。
【0089】
第1反射部R1は、光軸と面法線とのなす角が-25°である第1反射面M1、光軸と面法線とのなす角が-20°である第2反射面M2により構成されている。
【0090】
第2反射部R2は、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第3反射面M3、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第4反射面M4により構成されている。
【0091】
各反射面は、回転非対称な自由曲面形状を有する。また、各反射面は、第1反射部R1と第2反射部R2で軸上の非点収差が発生しないように最適化されている。この構成により、光学系の小型化、光路の遮蔽がないこと、及び高い光学性能を達成している。
【0092】
正レンズL1は、両凸レンズからなる。負レンズ群L2は、1枚の像側凸面の負メニスカスレンズからなる。
【0093】
レンズ群L3は、物体側より、物体側凸面の負メニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズからなる。
【0094】
実施例4では、負レンズ群L2の負レンズの物体側のレンズ面に回折面を配置している。回折面の強い色補正効果により、正レンズL1で発生する軸上色収差を補正することができる。そのため、屈折面のみで負レンズ群L2を構成する場合に対して正レンズL1の屈折力を強くすることができ、光学系を小型化することが可能となる。
【0095】
実施例5の光学系は、物体距離無限遠時において、X-Y断面及びX-Z断面の焦点距離が390.0mm、Fnoが2.90の光学系である。実施例5の光学系は、正レンズL1、第1反射部R1、負レンズ群L2、絞りSP、第2反射部R2、正の屈折力のレンズ群L3により構成されている。
【0096】
第1反射部R1は、光軸と面法線とのなす角が-25°である第1反射面M1、光軸と面法線とのなす角が-20°である第2反射面M2により構成されている。
【0097】
第2反射部R2は、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第3反射面M3、光軸と面法線とのなす角が22.5°である第4反射面M4により構成されている。
【0098】
各反射面は、回転非対称な自由曲面形状を有する。また、各反射面は、第1反射部R1と第2反射部R2で軸上の非点収差が発生しないように最適化されている。この構成により、光学系の小型化、光路の遮蔽がないこと、及び高い光学性能を達成している。
【0099】
正レンズL1は、両凸レンズからなる。負レンズ群L2は、像側凸面の負メニスカスレンズと像側凸面の正メニスカスレンズの接合レンズからなる。
【0100】
レンズ群L3は、物体側より、物体側凸面の負メニスカスレンズと両凸レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと両凹レンズの接合レンズ、両凸レンズと像側凸面の負メニスカスレンズの接合レンズからなる。
【0101】
実施例1乃至5の光学系では、レンズ群L3の屈折面は基準軸に対して回転対称な面形状であり、屈折面の面法線と光軸とのなす角は0である(屈折面の面法線と光軸は一致している)。この構成により回転非対称な収差発生をなくし、高い光学性能を実現することができる。また、このような光学系は、製造実績が多いため製造面でも有利であり、製造誤差を少なくすることができるため、結果的に高い光学性能を得ることができる。
【0102】
実施例1乃至5の光学系では、無限遠から至近へのフォーカシングに際して、レンズ群L3の物体側から2番目の接合レンズを物体側に移動させている。
【0103】
以下に、実施例1乃至5にそれぞれ対応する数値実施例1乃至5を示す。
【0104】
各数値実施例の面データにおいて、rは各光学面の曲率半径、d(mm)は第m面と第(m+1)面との間の軸上間隔(光軸上の距離)を表している。ただし、mは光入射側から数えた面の番号である。また、ndは各光学部材のd線に対する屈折率、νdは光学部材のアッベ数を表わしている。なお、ある材料のアッベ数νdは、フラウンホーファ線のd線(587.6nm)、F線(486.1nm)、C線(656.3nm)における屈折率をNd,NF,NCとするとき、
νd=(Nd-1)/(NF-NC)
で表される。また、thetaは、第m面の面法線と光軸とのなす角度である.
反射鏡の面形状は、以下の式(1)で表される。面形状を表現するローカル座標系の原点は、反射鏡と中心軸Cの交点とする。
【0105】
【数1】
【0106】
式(1)において、aとbは、2次曲面の2つの幾何学的な焦点とローカル座標系の原点との距離である。ωは、幾何学的な焦点とローカル座標系の原点とを結ぶ直線と反射鏡の面法線とのなす角度である。ベース面形状とは、a,b,ωから計算される2次曲面である。C20,C11,C02等は、ベース面形状に付加される非球面係数である。
【0107】
また、回折格子の位相形状ψは、回折光の回折次数をm、設計波長をλ0、光軸からの光軸に直交する方向の高さをh、位相係数をCi(i=1,2,3…)とするとき、以下の式によって表される。
【0108】
ψ(h,m)=(2π/mλ0)×(C1・h2+C2・h4+C3・h6+…)
「e-x」は10-xを意味している。BFは空気換算のバックフォーカスである。
【0109】

[数値実施例1]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd theta 有効径
1 -3352.064 7.37 1.48749 70.2 0.0 140.24
2 -601.444 140.00 0.0 140.30
3* ∞ -125.00 (反射面) -25.0 143.31
4* ∞ 170.00 (反射面) -20.0 122.92
5 -171.187 3.00 1.67300 38.3 0.0 74.29
6 -292.189 3.00 0.0 74.51
7(絞り) ∞ 82.00 (反射面) 22.5 74.00
8* ∞ -72.00 (反射面) 22.5 73.19
9* ∞ 95.00 0.0 65.98
10 46.724 2.50 2.00100 29.1 0.0 45.92
11 36.114 5.66 1.51742 52.4 0.0 43.63
12 66.523 29.90 0.0 42.99
13 91.188 7.29 1.59551 39.2 0.0 42.65
14 -111.476 2.50 2.00069 25.5 0.0 41.85
15 -373.426 2.18 0.0 41.28
16 134.995 5.99 1.85478 24.8 0.0 40.36
17 -83.603 2.50 1.72916 54.7 0.0 39.83
18 54.147 7.43 0.0 37.26
19 303.362 8.74 1.59551 39.2 0.0 37.19
20 -51.499 2.50 2.00069 25.5 0.0 36.93
21 -239.915 88.87 0.0 37.51
像面 ∞

各種データ
X-Y断面の焦点距離 575.00
X-Z断面の焦点距離 575.00
Fナンバー 4.10
半画角(°) 2.15
半像高 21.64
BF 88.87

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 1502.21
2 5 -620.41
3 10 -180.12
4 11 143.59
5 13 85.37
6 14 -159.57
7 16 61.17
8 17 -44.73
9 19 74.62
10 20 -65.97

非球面データ
面番号:3(反射面)
a b w p
7.063157E+002 -4.550984E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.364728E-004 0.000000E+000
c02
8.533183E-005
c30 c21 c12 c03
1.806891E-007 0.000000E+000 -1.197559E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-1.894681E-010 0.000000E+000 -1.778162E-009 0.000000E+000 -7.556897E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-1.154085E-012 0.000000E+000 -6.876696E-012 0.000000E+000 -6.997831E-013
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
1.852270E-014 0.000000E+000 7.344661E-014 0.000000E+000 1.329264E-013
c15 c06
0.000000E+000 6.790599E-014
面番号:4(反射面)
a b w p
4.681037E+002 -3.065908E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 4.772948E-004 0.000000E+000
c02
4.276894E-004
c30 c21 c12 c03
3.035096E-007 0.000000E+000 -2.395642E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-1.729239E-009 0.000000E+000 -3.724373E-009 0.000000E+000 -1.774388E-009
c50 c41 c32 c23 c14
-2.783648E-012 0.000000E+000 -1.719732E-011 0.000000E+000 -4.517330E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
1.053274E-013 0.000000E+000 4.538874E-013 0.000000E+000 5.887823E-013
c15 c06
0.000000E+000 2.687269E-013

面番号:8(反射面)
a b w p
2.011785E+003 2.524674E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 -1.137987E-003 0.000000E+000
c02
-1.300836E-003
c30 c21 c12 c03
3.634737E-007 0.000000E+000 -3.182949E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-2.151041E-008 0.000000E+000 -3.445846E-008 0.000000E+000 -1.783610E-008
c50 c41 c32 c23 c14
1.829089E-011 0.000000E+000 -6.729394E-011 0.000000E+000 -1.375910E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
2.757678E-012 0.000000E+000 1.175297E-011 0.000000E+000 1.292018E-011
c15 c06
0.000000E+000 4.916485E-012

面番号:9(反射面)
a b w p
-1.749716E+002 -5.578136E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 2.142139E-003 0.000000E+000
c02
2.075543E-003
c30 c21 c12 c03
1.860700E-007 0.000000E+000 -1.436061E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-2.655113E-009 0.000000E+000 3.900056E-009 0.000000E+000 2.849782E-009
c50 c41 c32 c23 c14
5.558326E-011 0.000000E+000 1.939522E-011 0.000000E+000 2.845186E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
4.608797E-012 0.000000E+000 1.989937E-011 0.000000E+000 2.248394E-011
c15 c06
0.000000E+000 8.673969E-012

[数値実施例2]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd theta 有効径
1 1397.748 5.21 1.48749 70.2 0.0 137.78
2 -4602.358 135.00 0.0 137.69
3* ∞ -120.00 (反射面) -25.0 145.04
4* ∞ 167.00 (反射面) -20.0 125.15
5 -174.034 3.00 1.61340 44.3 0.0 87.09
6 -263.721 3.00 0.0 87.49
7(絞り) ∞ 105.00 0.0 87.00
8* ∞ -90.00 (反射面) 22.5 89.04
9* ∞ 110.00 (反射面) 22.5 78.71
10 2446.382 2.50 1.80400 46.6 0.0 54.20
11 204.163 8.55 1.51633 64.1 0.0 54.33
12 -110.090 29.90 0.0 54.63
13 65.014 10.81 1.51633 64.1 0.0 49.62
14 -715.760 2.50 2.00100 29.1 0.0 47.63
15 284.408 2.18 0.0 46.65
16 71.257 6.52 1.84666 23.8 0.0 44.97
17 -369.105 2.50 1.81600 46.6 0.0 43.87
18 44.522 8.98 0.0 39.92
19 340.264 9.13 1.51633 64.1 0.0 39.36
20 -53.069 2.50 2.00100 29.1 0.0 38.79
21 -309.703 50.30 0.0 39.35
像面 ∞

各種データ
X-Y断面の焦点距離 399.58
X-Z断面の焦点距離 399.58
Fナンバー 2.90
半画角(°) 3.10
半像高 21.64
BF 50.30

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 2199.93
2 5 -845.02
3 10 -277.19
4 11 139.82
5 13 115.98
6 14 -203.08
7 16 71.03
8 17 -48.56
9 19 89.62
10 20 -64.29

非球面データ
面番号:3(反射面)
a b w p
-7.073888E+002 5.874904E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 2.316581E-004 0.000000E+000
c02
2.033189E-004
c30 c21 c12 c03
-2.322651E-007 0.000000E+000 -8.344368E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-2.239085E-009 0.000000E+000 -1.193201E-009 0.000000E+000 -7.076165E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-4.586650E-012 0.000000E+000 3.187765E-012 0.000000E+000 4.119531E-013
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
3.854519E-014 0.000000E+000 1.086076E-013 0.000000E+000 9.890152E-014
c15 c06
0.000000E+000 3.269518E-014

面番号:4(反射面)
a b w p
-5.292691E+002 -1.649246E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 7.556606E-004 0.000000E+000
c02
7.412444E-004
c30 c21 c12 c03
-5.181072E-007 0.000000E+000 -1.509365E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-2.028330E-009 0.000000E+000 2.674146E-009 0.000000E+000 1.486569E-009
c50 c41 c32 c23 c14
-5.520494E-012 0.000000E+000 9.296736E-013 0.000000E+000 -2.048789E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
1.800136E-013 0.000000E+000 4.206035E-013 0.000000E+000 4.041320E-013
c15 c06
0.000000E+000 1.160573E-013

面番号:8(反射面)
a b w p
9.446502E+002 1.058865E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 -6.369600E-004 0.000000E+000
c02
-7.618116E-004
c30 c21 c12 c03
-1.001158E-006 0.000000E+000 -1.008606E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
3.266066E-009 0.000000E+000 1.106349E-008 0.000000E+000 6.188073E-009
c50 c41 c32 c23 c14
1.313450E-011 0.000000E+000 -4.157529E-012 0.000000E+000 -6.154019E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
6.565408E-013 0.000000E+000 1.930457E-012 0.000000E+000 1.884166E-012
c15 c06
0.000000E+000 3.798485E-013

面番号:9(反射面)
a b w p
-1.295784E+002 5.953221E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.802975E-003 0.000000E+000
c02
1.768022E-003
c30 c21 c12 c03
-6.560795E-007 0.000000E+000 6.463365E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-1.022423E-008 0.000000E+000 -1.903770E-008 0.000000E+000 -9.502698E-009
c50 c41 c32 c23 c14
4.197843E-012 0.000000E+000 -2.018833E-011 0.000000E+000 -2.373654E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
-3.764794E-013 0.000000E+000 -1.571965E-012 0.000000E+000 -2.985980E-012
c15 c06
0.000000E+000 -1.707988E-012

[数値実施例3]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd theta 有効径
1 -1931.606 4.52 1.59349 67.0 0.0 140.24
2 -880.619 140.00 0.0 140.33
3* ∞ -125.00 (反射面) -25.0 149.38
4* ∞ 170.00 (反射面) -20.0 127.27
5 -294.978 3.00 1.51633 64.1 0.0 74.82
6 -1266.040 3.00 0.0 74.48
7(絞り) ∞ 80.00 0.0 74.00
8* ∞ -70.00 (反射面) 22.5 70.43
9* ∞ 97.72 (反射面) 22.5 59.19
10 519.991 2.50 1.83400 37.2 0.0 45.85
11 148.969 7.52 1.51633 64.1 0.0 45.84
12 -154.700 30.86 0.0 46.10
13 68.346 9.64 1.51633 64.1 0.0 43.94
14 -230.497 2.50 1.90366 31.3 0.0 42.60
15 1861.844 2.18 0.0 41.97
16 102.505 5.91 1.76182 26.5 0.0 40.69
17 -229.636 2.50 1.77250 49.6 0.0 39.63
18 43.590 7.81 0.0 37.03
19 154.955 7.16 1.69895 30.1 0.0 37.47
20 -98.616 2.50 2.00100 29.1 0.0 37.28
21 730.675 65.97 0.0 37.36
像面 ∞

各種データ
X-Y断面の焦点距離 575.00
X-Z断面の焦点距離 575.00
Fナンバー 4.10
半画角(°) 2.15
半像高 21.64
BF 65.97

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 2722.70
2 5 -745.62
3 10 -251.11
4 11 148.23
5 13 103.23
6 14 -226.84
7 16 93.75
8 17 -47.24
9 19 87.23
10 20 -86.67

非球面データ
面番号:3(反射面)
a b w p
-1.574772E+003 -1.573565E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.532395E-004 0.000000E+000
c02
1.417317E-004
c30 c21 c12 c03
-1.811085E-008 0.000000E+000 -8.978537E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-3.751890E-010 0.000000E+000 -5.152730E-010 0.000000E+000 -1.964716E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-1.856814E-012 0.000000E+000 6.158227E-013 0.000000E+000 -1.760804E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
-4.539005E-017 0.000000E+000 1.527687E-014 0.000000E+000 7.461921E-015
c15 c06
0.000000E+000 -1.501695E-014

面番号:4(反射面)
a b w p
-1.399993E+003 -1.047024E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 5.944742E-004 0.000000E+000
c02
6.551509E-004
c30 c21 c12 c03
9.999715E-009 0.000000E+000 -2.032057E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-6.079644E-010 0.000000E+000 4.641154E-010 0.000000E+000 4.295799E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-2.980948E-012 0.000000E+000 1.977897E-012 0.000000E+000 -4.506453E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
2.727280E-014 0.000000E+000 5.767708E-014 0.000000E+000 6.571375E-014
c15 c06
0.000000E+000 -4.742791E-014

面番号:8(反射面)
a b w p
6.636794E+002 6.626483E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 -8.317656E-004 0.000000E+000
c02
-8.288435E-004
c30 c21 c12 c03
6.610609E-007 0.000000E+000 -1.593452E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-3.280316E-009 0.000000E+000 8.977214E-009 0.000000E+000 7.483658E-009
c50 c41 c32 c23 c14
3.802484E-013 0.000000E+000 -2.924525E-011 0.000000E+000 -7.628647E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
5.247280E-013 0.000000E+000 2.254593E-012 0.000000E+000 3.016232E-012
c15 c06
0.000000E+000 -7.861916E-013

面番号:9(反射面)
a b w p
-3.196654E+002 -3.121491E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.638452E-003 0.000000E+000
c02
1.641941E-003
c30 c21 c12 c03
5.709282E-007 0.000000E+000 5.819673E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-7.724236E-010 0.000000E+000 1.276308E-008 0.000000E+000 1.007506E-008
c50 c41 c32 c23 c14
-3.346668E-012 0.000000E+000 -2.463607E-011 0.000000E+000 -7.376851E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
5.691581E-013 0.000000E+000 2.981513E-012 0.000000E+000 3.366820E-012
c15 c06
0.000000E+000 -1.721017E-012

[数値実施例4]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd theta 有効径
1 33725.404 7.36 1.48749 70.2 0.0 140.24
2 -748.868 140.00 0.0 140.24
3* ∞ -125.00 (反射面) -25.0 143.46
4* ∞ 170.00 (反射面) -20.0 120.73
5(回折) -145.804 3.00 1.66565 35.6 0.0 70.62
6 -255.966 3.00 0.0 70.91
7(絞り) ∞ 80.00 0.0 70.44
8* ∞ -70.00 (反射面) 0.0 69.97
9* ∞ 95.00 (反射面) 0.0 63.66
10 146.954 2.50 1.90043 37.4 0.0 52.50
11 141.561 5.33 1.51742 52.4 0.0 52.19
12 -378.101 60.28 0.0 52.08
13 61.665 7.28 1.51823 58.9 0.0 41.95
14 -616.524 2.50 1.80810 22.8 0.0 40.82
15 228.374 2.18 0.0 39.79
16 158.489 3.85 1.80810 22.8 0.0 38.88
17 -289.002 2.50 1.72916 54.7 0.0 38.26
18 45.310 7.66 0.0 35.98
19 202.934 7.51 1.72151 29.2 0.0 36.20
20 -46.115 2.50 2.00069 25.5 0.0 36.05
21 -751.323 64.55 0.0 36.51
像面 ∞

各種データ
X-Y断面の焦点距離 575.00
X-Z断面の焦点距離 575.00
Fナンバー 4.10
半画角(°) 2.15
半像高 21.64
BF 64.55

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 1502.91
2 5 -524.38
3 10 -5490.50
4 11 199.76
5 13 108.57
6 14 -205.95
7 16 127.15
8 17 -53.55
9 19 52.75
10 20 -49.18

非球面データ
面番号:5(回折面)
C1=-1.82958e-005 C2=-1.23705e-009 C3= 2.51178e-015

面番号:3(反射面)
a b w p
-3.655425E+003 -1.466665E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.570951E-004 0.000000E+000
c02
1.254546E-004
c30 c21 c12 c03
9.151887E-009 0.000000E+000 -3.393687E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-3.055297E-010 0.000000E+000 -1.015295E-009 0.000000E+000 -7.785667E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-1.309793E-012 0.000000E+000 -3.198942E-012 0.000000E+000 -3.116474E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
2.393467E-015 0.000000E+000 3.156530E-014 0.000000E+000 5.170018E-014
c15 c06
0.000000E+000 3.449005E-014

面番号:4(反射面)
a b w p
-1.023960E+003 -1.451773E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 6.098810E-004 0.000000E+000
c02
6.113029E-004
c30 c21 c12 c03
-3.920586E-008 0.000000E+000 -8.989276E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
3.159409E-010 0.000000E+000 2.656178E-010 0.000000E+000 -2.078406E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-4.857328E-012 0.000000E+000 -1.161542E-011 0.000000E+000 -9.738709E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
5.053976E-014 0.000000E+000 2.657819E-013 0.000000E+000 3.443166E-013
c15 c06
0.000000E+000 1.500577E-013

面番号:8(反射面)
a b w p
1.196287E+003 4.120639E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 -7.954347E-004 0.000000E+000
c02
-8.244508E-004
c30 c21 c12 c03
-9.532875E-008 0.000000E+000 5.177125E-009 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-6.384308E-009 0.000000E+000 -1.662054E-008 0.000000E+000 -8.878284E-009
c50 c41 c32 c23 c14
-1.999360E-011 0.000000E+000 -3.840409E-011 0.000000E+000 -4.804626E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
6.845748E-013 0.000000E+000 4.838037E-012 0.000000E+000 5.236317E-012
c15 c06
0.000000E+000 1.586802E-012

面番号:9(反射面)
a b w p
-3.802773E+002 -2.276596E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.820621E-003 0.000000E+000
c02
1.814736E-003
c30 c21 c12 c03
-9.260743E-008 0.000000E+000 2.179933E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
8.907827E-009 0.000000E+000 1.710977E-008 0.000000E+000 1.041790E-008
c50 c41 c32 c23 c14
-1.029667E-011 0.000000E+000 -1.163961E-011 0.000000E+000 -2.999491E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
6.562550E-013 0.000000E+000 4.824909E-012 0.000000E+000 4.607022E-012
c15 c06
0.000000E+000 1.051463E-012

[数値実施例5]
単位 mm

面データ
面番号 r d nd νd theta 有効径
1 1069.470 5.49 1.48749 70.2 0.0 134.48
2 -6055.594 135.00 0.0 134.36
3* ∞ -120.00 (反射面) -25.0 139.90
4* ∞ 167.14 (反射面) -20.0 120.13
5 -157.709 3.00 1.61340 44.3 0.0 86.77
6 -299.741 3.50 1.48749 70.2 0.0 87.39
7 -205.668 3.00 0.0 87.57
8(絞り) ∞ 105.00 0.0 87.00
9* ∞ -90.00 (反射面) 22.5 90.26
10* ∞ 110.00 (反射面) 22.5 79.77
11 4143.714 2.50 1.80400 46.6 0.0 53.77
12 230.173 8.61 1.51633 64.1 0.0 53.90
13 -111.305 29.90 0.0 54.21
14 65.568 10.94 1.51633 64.1 0.0 49.14
15 -1000.372 2.50 2.00100 29.1 0.0 47.04
16 258.381 2.18 0.0 46.06
17 65.015 6.64 1.84666 23.8 0.0 44.36
18 -715.044 2.50 1.81600 46.6 0.0 43.13
19 42.237 9.53 0.0 39.15
20 520.840 9.13 1.51633 64.1 0.0 38.53
21 -51.465 2.50 2.00100 29.1 0.0 37.98
22 -297.335 48.80 0.0 38.60
像面 ∞

各種データ
X-Y断面の焦点距離 390.00
X-Z断面の焦点距離 390.00
Fナンバー 2.90
半画角(°) 3.18
半像高 61.64
BF 48.80

単レンズデータ
レンズ 始面 焦点距離
1 1 1865.01
2 5 -546.99
3 6 1328.06
4 11 -303.21
5 12 146.56
6 14 119.60
7 15 -204.94
8 17 70.67
9 18 -48.80
10 20 91.21
11 21 -62.49

非球面データ
面番号:3(反射面)
a b w p
-8.330035E+002 1.305744E+005 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 2.623403E-004 0.000000E+000
c02
2.160906E-004
c30 c21 c12 c03
-4.194030E-007 0.000000E+000 -6.038050E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-3.098170E-009 0.000000E+000 -1.194275E-009 0.000000E+000 -9.120039E-010
c50 c41 c32 c23 c14
-8.142505E-012 0.000000E+000 3.822237E-012 0.000000E+000 1.324000E-013
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
2.471470E-014 0.000000E+000 1.293255E-013 0.000000E+000 1.198422E-013
c15 c06
0.000000E+000 6.516712E-014

面番号:4(反射面)
a b w p
-5.503573E+002 -1.243851E+003 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 7.955910E-004 0.000000E+000
c02
7.366612E-004
c30 c21 c12 c03
-9.557975E-007 0.000000E+000 -1.018805E-007 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-3.137081E-009 0.000000E+000 2.892444E-009 0.000000E+000 1.292567E-009
c50 c41 c32 c23 c14
-1.233501E-011 0.000000E+000 2.700838E-012 0.000000E+000 -2.439217E-012
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
1.500684E-013 0.000000E+000 4.919394E-013 0.000000E+000 4.881874E-013
c15 c06
0.000000E+000 2.087787E-013

面番号:9(反射面)
a b w p
2.890538E+003 6.555439E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 -5.876465E-004 0.000000E+000
c02
-7.514200E-004
c30 c21 c12 c03
-1.891448E-006 0.000000E+000 -7.335150E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
7.164492E-009 0.000000E+000 9.774004E-009 0.000000E+000 4.855406E-009
c50 c41 c32 c23 c14
-6.474312E-012 0.000000E+000 1.969710E-012 0.000000E+000 -3.579422E-013
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
5.090794E-013 0.000000E+000 1.518825E-012 0.000000E+000 1.687182E-012
c15 c06
0.000000E+000 5.256298E-013

面番号:10(反射面)
a b w p
-1.335276E+002 5.719921E+002 0.000000E+000 1.000000E+000
c00 c10 c01 c20 c11
0.000000E+000 0.000000E+000 0.000000E+000 1.771633E-003 0.000000E+000
c02
1.720850E-003
c30 c21 c12 c03
-1.276761E-006 0.000000E+000 9.869259E-008 0.000000E+000
c40 c31 c22 c13 c04
-7.271196E-009 0.000000E+000 -1.954397E-008 0.000000E+000 -1.046814E-008
c50 c41 c32 c23 c14
-6.732526E-012 0.000000E+000 -1.131411E-011 0.000000E+000 -1.972081E-011
c05
0.000000E+000
c60 c51 c42 c33 c24
-5.320766E-013 0.000000E+000 -2.028727E-012 0.000000E+000 -2.957488E-012
c15 c06
0.000000E+000 -1.412876E-012

各数値実施例における種々の値を、以下の表1にまとめて示す。
【0110】
【表1】
【0111】
[撮像装置]
次に、本発明のズームレンズを撮像光学系として用いたデジタルスチルカメラ(撮像装置)の実施例について、図11を用いて説明する。図11において、10はカメラ本体、11は実施例1乃至5で説明したいずれかの光学系によって構成された撮影光学系である。12はカメラ本体10に内蔵され、撮影光学系11によって形成された光学像を受光して光電変換するCCDセンサやCMOSセンサ等の固体撮像素子(光電変換素子)である。カメラ本体10はクイックターンミラーを有する所謂一眼レフカメラでもよいし、クイックターンミラーを有さない所謂ミラーレスカメラでもよい。
【0112】
このように本発明の光学系をデジタルスチルカメラ等の撮像装置に適用することにより、レンズが小型である撮像装置を得ることができる。
[撮像システム]
なお、各実施例の光学系と、光学系を制御する制御部とを含めた撮像システム(監視カメラシステム)を構成してもよい。この場合、制御部は、ズーミングやフォーカシング、像ブレ補正に際して各レンズ群が上述したように移動するよう光学系を制御することができる。このとき、制御部が光学系と一体的に構成されている必要はなく、制御部を光学系とは別体として構成してもよい。例えば、光学系の各レンズを駆動する駆動部に対して遠方に配置された制御部(制御装置)が、光学系を制御するための制御信号(命令)を送る送信部を備える構成を採用してもよい。このような制御部によれば、光学系を遠隔操作することができる。
【0113】
また、光学系を遠隔操作するためのコントローラーやボタンなどの操作部を制御部に設けることで、ユーザーの操作部への入力に応じて光学系を制御する構成を採ってもよい。例えば、操作部として拡大ボタン及び縮小ボタンを設けてもよい。この場合、ユーザーが拡大ボタンを押したら光学系の倍率が大きくなり、ユーザーが縮小ボタンを押したら光学系の倍率が小さくなるように、制御部から光学系の駆動部に信号が送られるように構成すればよい。
【0114】
また、撮像システムは、光学系のズームに関する情報(移動状態)を表示する液晶パネルなどの表示部を有していてもよい。光学系のズームに関する情報とは、例えばズーム倍率(ズーム状態)や各レンズ群の移動量(移動状態)である。この場合、表示部に示される光学系のズームに関する情報を見ながら、操作部を介してユーザーが光学系を遠隔操作することができる。このとき、例えばタッチパネルなどを採用することで表示部と操作部とを一体化してもよい。
【0115】
以上、本発明の好ましい実施形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらの実施形態及び実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の組合せ、変形及び変更が可能である。
【符号の説明】
【0116】
L1 正レンズ
L2 負レンズ群
R1 第1反射部
R2 第2反射部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11