(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052238
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】清掃用具
(51)【国際特許分類】
A47K 11/10 20060101AFI20220328BHJP
A47L 13/10 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A47K11/10
A47L13/10 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158499
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】390020019
【氏名又は名称】レック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100181928
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 洋平
(74)【代理人】
【識別番号】100075948
【弁理士】
【氏名又は名称】日比谷 征彦
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 悠介
【テーマコード(参考)】
2D036
3B074
【Fターム(参考)】
2D036DA19
2D036DA22
3B074AA04
3B074AB02
(57)【要約】
【課題】清掃体を手で触れることなく柄部に取り付けることができる清掃用具を提供する。
【解決手段】清掃用具1は棒状の柄部2と、この柄部2の先端に取り付け、取り外しが可能な清掃体3とから構成されている。柄部2は中空形状とされており、先端部2aには柄部2の長手方向に対して、斜め方向に開口した取付部2bが設けられている。清掃体3を柄部2に取り付ける場合は、床面F上に載置した清掃体3の挿込部3bを取付部2b内に押し込む。挟持片2nに対して清掃体3の挿込部3bが押し込まれることで、挟持片2nは更に左右に拡開する。挟持片2nが左右に拡開すると共に、挿込部3bの段部3cが挟持片2nの係合部2pに係合されることになる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に開放した円筒状の取付部を先端に設けた柄部と、一端に清掃部を備え、他端に前記取付部内に挿入する円筒状の挿込部を備えた清掃体とから成ることを特徴とする清掃具。
【請求項2】
前記柄部の外筒部には、前記取付部と連続し前記柄部の長手方向に沿う中空部が設けられており、該中空部内には前後に摺動可能な摺動部が配置され、該摺動部の先端に設けられた挟持部は、前記摺動部の先端、後端への移動に応じて、前記取付部内に挿入された前記清掃体の前記挿込部の挟持、非挟持を行うことを特徴とする請求項1に記載の清掃用具。
【請求項3】
前記摺動部の後方には、操作釦が設けられ、該操作釦は前記外筒部の表面に設けられた操作孔を介して前記外筒部の外側に突出しており、前記操作釦を操作することで前記摺動部を先端、後端に移動させることを特徴とする請求項2に記載の清掃用具。
【請求項4】
操作孔は先端側に主孔を有し、前記摺動部が先端に位置する場合は、前記操作釦と前記主孔との篏合状態が維持され、前記操作釦が押圧されない限り前記摺動部を後方側に移動させることができないことを特徴とする請求項3に記載の清掃用具。
【請求項5】
前記中空部の後端には、前記摺動部を前方に付勢するばね体が配置されていることを特徴とする請求項2~4の何れか1項に記載の清掃用具。
【請求項6】
前記挟持部は一対の挟持片を備え、前記摺動部が先端に位置する場合は、前記挟持片の先端同士は、離間して左右に開いた状態となり、前記摺動部が先端から後端に移動するにつれて、離間している前記挟持片の先端同士は、左右に開いた状態から閉じて接近することを特徴とする請求項2~5の何れか1項に記載の清掃用具。
【請求項7】
前記挟持片の内側表面には、1個又は複数個の突出した係合部が設けられており、前記挿込部の周囲には、円環状の段部が1段又は複数段に形成されており、前記係合部及び段部を係合状態にすることで、前記柄部に前記清掃体を取り付けることを特徴とする請求項6に記載の清掃用具。
【請求項8】
前記係合部には上端の水平部と下端の斜面部が設けられており、
前記挿込部の前記段部の上方の角部が前記係合部の前記斜面部に当接すると、前記段部は前記斜面部を滑りながら上方に移動することを特徴とする請求項7に記載の清掃用具。
【請求項9】
前記挟持片の内側表面には、突出した係合部が設けられており、
前記挿込部は、前記清掃部に連続する円柱状の首部と、該首部と連続し、該首部の直径よりも大きい円柱状の頭部とから成り、
前記係合部を前記頭部に引っ掛けることで、前記係合部及び前記挿込部を係合状態にして、前記柄部に前記清掃体を取り付けることを特徴とする請求項6に記載の清掃用具。
【請求項10】
前記頭部の上角部には、斜面部が設けられており、
該斜面部に前記係合部が当接すると、前記係合部は前記斜面部を滑りながら下方に移動することを特徴とする請求項9に記載の清掃用具。
【請求項11】
前記取付部は前記柄部の長手方向に対して、斜め方向に開口していることを特徴とする請求項1~10の何れか1項に記載の清掃用具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、便器等の清掃に好適に使用する清掃用具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
トイレや風呂等の水回りの清掃には、従来から種々の獣毛や、植物繊維、合成樹脂による毛体を、柄部又は板面に多数植え付けた刷毛や、長い柄部の先にスポンジや不織布を取り付けたモップ等の清掃具が使用されている。これらの清掃具の多くは、使用者が把持するための柄部と、清掃対象面の汚れを拭き取るための清掃体とを備えている。
【0003】
そして、このような清掃具の中には、清掃体が交換式であったり、更には使い捨てるものが知られている。例えば特許文献1には、柄部の先端の平行する一対の締着部に、水分解性材料から成る矩形状の清掃体の端部を取り付け、取り外しが可能な清掃用器具が開示されている。
【0004】
この薬剤を含浸した水分解性材料から成る清掃体は、便器等の掃除後にトイレに流しても配管等を詰まらせることがない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の清掃用器具にあっては、清掃体は移動方向によって拭取性が異なり、特に締着部と平行する方向に清掃体を移動させると、拭取性が低下すると共に、清掃体が締着部から外れ易くなるという問題がある。
【0007】
更に、この清掃体を締着部に取り付けるには、清掃体を把持する必要があり、この際に清掃体に含浸された薬剤が手に付着するという問題もある。
【0008】
本発明の目的は、上述の課題を解決し、清掃体を手で触れることなく柄部に取り付けることができると共に、清掃体を容易に柄部に取り付け、取り外すことができる清掃用具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る清掃用具は、先端に斜め方向に開放した円筒状の取付部を設けた柄部と、一端に清掃部を備え、他端に前記取付部内に挿入する円筒状の挿込部を備えた清掃体とから成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る清掃用具は、清掃体を手で触れることなく柄部に取り付けることができると共に、清掃体を容易に柄部に取り付け、取り外すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】柄部から清掃体を外した状態の清掃用具の斜視図である。
【
図3】柄部に清掃体を取り付けた状態の斜視図である。
【
図4】柄部に清掃体を取り付けた状態の他の方向から見た斜視図である。
【
図5】摺動部が前方に位置する状態の柄部の断面図である。
【
図6】摺動部が後方に位置する状態の柄部の断面図である。
【
図7】清掃体を取り付ける状態の外筒部を透明に図示した斜視図である。
【
図8】挟持部と清掃体との係合状態の説明図である。
【
図9】清掃体を取り付けた状態の外筒部を透明に図示した斜視図である。
【
図10】清掃体を取り外した状態の外筒部を透明に図示した斜視図である。
【
図11】他の実施形態の清掃体を取り付ける状態の外筒部を透明に図示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明を図示の実施例に基づいて詳細に説明する。
図1は柄部から清掃体を外した状態の清掃用具の斜視図、
図2は別方向から見た斜視図、
図3は柄部に清掃体を取り付けた状態の斜視図、
図4は別方向から見た斜視図である。
【0013】
清掃用具1は、硬質の合成樹脂材等から成る棒状の柄部2と、この柄部2の先端に取り付け、取り外しが可能な清掃体3とから構成されている。柄部2は中空形状とされており、先端部2aには柄部2の長手方向に対して斜め方向に開口し、清掃体3を取り付けるための取付部2bが設けられている。
【0014】
なお、柄部2の先端部2aの取付部2bの開口する方向は、柄部2の長手方向に対して一方向、例えば柄部2の長手方向と直交する方向や平行する方向等の任意の方向であってもよい。柄部2の後端には、保管時にフック等に係止可能な係止孔2cが形成されている。
【0015】
清掃体3は水に溶解し易い水溶性のシート材を、渦巻状に巻回して積層したロール体形状とされている。このシート材の材料としては、例えば紙又は不織布が挙げられるが、不織布が好ましい。なお、シート材の材料は、水溶性のものであれば特に限定されることはない。
【0016】
清掃体3は下端の径が2~5cm、高さは4~10cm程度であり、その大きさは清掃対象に応じて、適宜の大きさのものを使用できる。
【0017】
また、シート材としてエンボス加工済みシート材を使用することができる。このエンボス加工済みシート材は、その表面又は裏面又は両面に凹凸部を離隔的に有している。この凹凸部の形状としては、直線状又は曲線状であってもよく、方形状又は円形状であってもよいが、拭取性を向上させるためには円形状又は方形状が好ましい。なお、例えば2枚のシート材を重ねて巻回する場合には、シート材を重ねてからエンボス加工をしてもよいし、エンボス加工済みのシート材を重ねてもよい。
【0018】
シート材には拭取性、洗浄性を向上させるために、界面活性剤等の洗浄剤を含浸、或いは表面に粉状の洗浄剤を保持することができる。粉状の洗浄剤を保持する方法としては、例えばロール状にするシート材の表面に単に振り掛けた状態であってもよいし、シート材を二つ折りにし、シート材間に挟持させるようにしてもよいし、水溶性の接着剤を介して塗布するようにしてもよい。
【0019】
清掃体3は、一端に錐台形状の柔軟な清掃部3aを備え、他端に柄部2の取付部2b内に挿入する円筒状の挿込部3bを備えている。挿込部3bはシート材を絞って固定した状態をしており、挿込部3bの周囲には、円環状の段部3cが複数段に形成されている。なお、円環状の段部3cは、1段のみであってもよい。
【0020】
挿込部3bは例えばプレス機の型枠による圧縮等によって成型される。また、挿込部3bのロール体を絞った状態を保持するために、挿込部3bの周囲は水溶性の接着剤により固定されている。接着剤以外にも、例えば水溶性の紐等で巻いたり、結んだりしてもよく、これらの手段と接着剤とを組み合わせてもよい。
【0021】
このように挿込部3bを絞り込むと、主部の清掃部3aの形状は略釣鐘状となり、挿込部3bの層の密度は、清掃部3aの層の密度よりもはるかに大きくなり、取付強度が向上する。なお、清掃部3aの形状は、釣鐘形状以外に、円錐台形や、矩形状等の適宜の形状を採用することが可能である。
【0022】
清掃部3aの平坦状の端面3dは清掃面であり、積層されているシート材の層は、層同士が互いに支え合う構造となるため、端面3dは荷重が掛かっても押し潰れ難く形状を維持し、耐久性と拭取性とに優れている。この端面3dを清掃対象面に摺接させることで、清掃対象面から汚れを拭き取る。
【0023】
図5、
図6の断面図に示すように、柄部2の外筒部2d内は、先端部2aの取付部2bに連続した中空部2eとされており、この中空部2e内を前後に摺動可能な棒状の摺動部2fが配置されている。柄部2は摺動部2f等を内装して組み立てるために、適宜に分割可能とされている。なお、
図5は摺動部2fが前進した状態の柄部2の断面図であり、
図6は摺動部2fが後進した状態の断面図である。
【0024】
中空部2eの後端には、摺動部2fを前方に付勢するばね体2gが配置されており、摺動部2fの前端には、清掃体3を固定するための挟持部2hが設けられている。摺動部2fの後部からは、外筒部2dの表面に設けられた長孔状の操作孔2kを介して、円柱状の操作釦2iが外筒部2dの外側に突出されている。操作孔2kは先端側の主孔2lと、この主孔2lに連続する後端側の溝部2mとから構成されている。
【0025】
操作釦2iの直下の摺動部2fには空隙部2jが形成されており、操作釦2iを下方に押圧すると、
図6に示すように空隙部2jが変形し、操作釦2iは上方に付勢されながら下方に沈み込むようにされている。
【0026】
操作釦2iの胴部には、柄部2の長手方向に沿って図示しない切込み部が設けられており、これらの切込み部は操作釦2iが押圧されたときのみ、操作孔2kの溝部2mの両側の条片に係合して、操作釦2iが溝部2m内を摺動可能としている。
【0027】
指で操作釦2iを押圧して空隙部2jを変形させ、ばね体2gの付勢力に抗して溝部2m内に移動させて
図6に示す状態にした後に、指を操作釦2iから離すと、ばね体2gの付勢力により
図5に示す状態に自動的に戻ることになる。なお、操作釦2iが主孔2lに引っ掛かるので、摺動部2fはそれ以上に前方に突出することはない。
【0028】
主孔2lまで戻った操作釦2iの切込み部は、空隙部2jの復元力により上方に移動するので、操作釦2iが押圧されない限り操作釦2iの切込み部と溝部2mの両側の条片とが係合することがない。このため、操作釦2iは主孔2lとの篏合状態が維持され、摺動部2fを後方側に移動できずロックされる。
【0029】
図7は、清掃体を取り付ける状態の外筒部を透明に図示した斜視図であり、摺動部2fの先端の挟持部2hは、一対の板状の挟持片2nと、これらの挟持片2nの間に配置された係合片2oとから構成されている。なお、挟持部2hは少なくとも挟持片2nが設けられていればよく、係合片2oは必ずしも設ける必要はない。
【0030】
一対の挟持片2nは外側に湾曲されており、摺動部2fが後進している状態では湾曲形状が窄められた状態で外筒部2dの中空部2eに収容されている。そして、摺動部2fが前進して、一対の挟持片2nが中空部2eから取付部2bに移動すると、挟持片2nの復元力により、挟持片2nの先端同士が離間する湾曲形状に戻ることになる。
【0031】
挟持片2nの内側表面には、複数個の突出した係合部2pが取付部2bの開口している方向に沿って設けられており、これらの係合部2pは
図8に示すように、上端の水平部2qと下端の斜面部2rが設けられている。なお、
図7では2個の係合部2pを図示しているが、1個又は3個以上、配置するようにしてもよい。
【0032】
また、一対の挟持片2nの間に配置された係合片2oは、取付部2bの開口している方向に沿った斜板形状をしており、表面に階段状の段差部が形成されている。
【0033】
清掃用具1の使用のために、清掃体3を柄部2に取り付ける場合は、
図7に示すように矢印方向に柄部2を移動させ、床面F上に載置した清掃体3の挿込部3bを取付部2b内に押し込む。清掃体3の取り付け時は、
図5に示す操作釦2iが主孔2lに篏合した状態で、柄部2を操作して清掃体3の挿込部3bを取付部2b内に挿入してゆく。
【0034】
柄部2の取付部2b内に突出した摺動部2fの前端の挟持部2hは、
図7に示すように、挟持片2nの先端同士が離間して左右に開いた状態であり、この状態の挟持片2nに対して清掃体3の挿込部3bが押し込まれることで、挟持片2nは更に左右に拡開する。そして、挟持片2nが左右に拡開すると共に、
図8に示すように挿込部3bの段部3cが挟持片2nの係合部2pに係合されることになる。
【0035】
挿込部3bの段部3cの上方の角部が、係合部2pの斜面部2rに当接すると、斜面部2rを滑りながら段部3cが上方に移動してゆく。一旦、上方に移動した段部3cは、下方の角部が係合部2pの水平部2qに引っ掛かるため、清掃体3に下方に強く引っ張られても、段部3cと係合部2pとの係合状態が容易に解除されることはない。
【0036】
図9は清掃体3を取り付けた状態の外筒部2dを透明に図示した斜視図であり、
図10は清掃体3を取り外した状態の外筒部2dを透明に図示した斜視図である。
図9に示すように、挿込部3bが取付部2b内に完全に収容されるまで床面F等に載置した清掃体3に柄部2を押し付けて、挿込部3bの段部3cと、挟持片2nの係合部2p及び係合片2oとを係合状態にすることで、清掃体3の取り付けが完了する。
【0037】
使用者は清掃体3を取り付けた清掃用具1の柄部2を把持して、清掃体3により清掃対象面の汚れを拭き取る。柄部2を把持して、清掃体3の端面3d、周側面を清掃対象面に当接し、清掃体3が清掃対象面上を摺擦するように移動させる。このとき、特に清掃体3の端面3dにおいて、渦巻状の軌跡を描くシート材の層と、これらの層間に生じ、同様に渦巻状の軌跡を描く間隙とにより、優れた拭取性を発揮でき、端面3dをどの方向に移動させても拭取性が変わることはない。また、シート材が渦巻状に積層されていることから、層同士が互いに支え合うため、端面3dに荷重がかかっても押し潰れ難い。
【0038】
例えば、便器にこびり付いた汚物の清掃の場合に、従来の清掃具であれば便器に対して強く押し付けながら擦り付けると、シート材が拡がり過ぎてしまい拭取性が低下してしまう。これに対して、実施例の清掃体3は便器に対して強く押し付けたとしても、拡がり過ぎることなく形状を保持した状態で汚物をシート材間の間隙に絡め取ることができる。
【0039】
便器等を清掃した後に、清掃体3を柄部2から取り外す場合は、操作釦2iを前述のように指で押圧して操作釦2i及び主孔2lの篏合状態を解除した後に、前述の通りに操作釦2iを溝部2m内に摺動させる。
【0040】
操作釦2iを後方に摺動させることで、一対の挟持片2nは窄まりながら、つまり摺動部2fが先端から後端に移動するにつれて、離間している挟持片2nの先端同士が左右に開いた状態から閉じて接近することで、段部3cと係合部2p及び係合片2oとが離間し、これらの係合状態が解除されることになる。
【0041】
この解除により、
図10の矢印に示すように、清掃体3は自重で例えば便器内に落下させることで、使い捨ての清掃体3は水に溶解して下水に放流される。なお、柄部2の長手方向に対して平行する方向に開口する取付部2bから、清掃体3を取り外す場合には、指で押圧して操作釦2i及び主孔2lの篏合状態を解除した後に、操作釦2iを溝部2m内に摺動させると、段部3cに係合した係合部2pは、段部3cを破壊しながら後方に移動することなる。従って、操作釦2iを溝部2m内に摺動させる際に、斜め方向に開口する取付部2bに比べて力を要することになる。
【0042】
このように摺動部2fの先端に設けられた挟持部2hは、摺動部2fの先端、後端への移動に応じて、取付部2b内に挿入された清掃体3の挿込部3bの挟持、非挟持を行うことができる。使用者は清掃体3を手に触れることなく清掃体3の取り付け、取り外しを行うことができる。
【0043】
また、本実施例では水溶性の清掃体3について説明したが、必ずしも水溶性である必要はない。水溶性でないシート材から成る清掃体3を、例えばハンディタイプの柄部に取り付けて、清掃対象として台所のシンク等を清掃することが可能である。この場合には清掃体3の使用後に、ごみ箱等に破棄することになる。
【0044】
図11は他の実施形態の清掃用具1の清掃体3を取り付ける状態の外筒部2dを透明に図示した斜視図であり、一対の板状の挟持片2nには、それぞれ1つの突出した係合部2pが設けられている。清掃体3の挿込部3bは、清掃部3aに連続する円柱状の首部3eと、この首部3eと連続し、首部3eの直径よりも大きい円柱状の頭部3fとから成り、この頭部3fの上角部には、斜面部3gが設けられている。
【0045】
清掃体3を柄部2に取り付ける場合は、
図11に示すように矢印方向に柄部2を移動させ、床面F上に載置した清掃体3の挿込部3bを取付部2b内に押し込む。そして、清掃体3の斜面部3gに挟持片2nの係合部2pが当接すると、斜面部3gを滑りながら係合部2pは下方に移動してゆく。
【0046】
そして、首部3eまで移動した係合部2pは、頭部3fに引っ掛かるため、清掃体3に下方に強く引っ張られても、挿込部3bと係合部2pとの係合状態が容易に解除されることはない。
【0047】
このように本発明に係る清掃用具1は、清掃体3を手で触れることなく柄部2に取り付けることができる。また、摺動部2fの先端に設けられた挟持部2hは、操作釦2iの操作により摺動部2fの先端、後端への移動に応じて、取付部2b内に挿入された清掃体3の挿込部3bの挟持、非挟持を行うことができるので、容易に柄部2に清掃体3を取り付け、取り外すことが可能である。また、荷重が掛かっても押し潰れ難い清掃体3を用いることで、清掃時に優れた拭取性を発揮することができる。
【符号の説明】
【0048】
1 清掃用具
2 柄部
2a 先端部
2b 取付部
2d 外筒部
2e 中空部
2f 摺動部
2g ばね体
2h 挟持部
2i 操作釦
2k 操作孔
2l 主孔
2n 挟持片
2p 係合部
2q 水平部
2r、3g 斜面部
3 清掃体
3a 清掃部
3b 挿込部
3c 段部
3e 首部
3f 頭部