IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東芝ライテック株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図1
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図2
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図3
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図4
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図5
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図6
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図7
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図8
  • 特開-配線ダクト用アダプタおよび照明装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052284
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】配線ダクト用アダプタおよび照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01R 25/14 20060101AFI20220328BHJP
   F21V 23/00 20150101ALI20220328BHJP
   F21S 8/04 20060101ALI20220328BHJP
   F21V 21/34 20060101ALI20220328BHJP
   H01R 13/629 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H01R25/14 C
F21V23/00 170
F21S8/04 110
F21V21/34 500
H01R13/629
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158569
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(72)【発明者】
【氏名】鎌田 禎治
【テーマコード(参考)】
3K014
5E021
【Fターム(参考)】
3K014AA01
5E021FA03
5E021FA08
5E021FA14
5E021FA16
5E021FB21
5E021FB30
5E021FC31
5E021HB02
(57)【要約】
【課題】配線ダクトへの取付構造を備えない電気機器を配線ダクトに取り付けて使用可能にできる配線ダクト用アダプタおよび照明装置を提供する。
【解決手段】取付部58、接続部60、出力部39および操作部61を備える。取付部58は、照明器具21を取り付ける。接続部60は、配線ダクト10に着脱可能とし、装着により配線ダクト10に取り付けられるとともに電気的に接続される。出力部39は、接続部60を介して配線ダクト10に電気的に接続され、配線ダクト10から供給される電力を外部に出力する。操作部61は、配線ダクト10に対して接続部60を着脱する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器を取り付ける取付部と;
配線ダクトに着脱可能とし、装着により前記配線ダクトに取り付けられるとともに電気的に接続される接続部と;
前記接続部を介して前記配線ダクトに電気的に接続され、前記配線ダクトから供給される電力を外部に出力する出力部と;
前記配線ダクトに対して前記接続部を着脱する操作部と;
を備える配線ダクト用アダプタ。
【請求項2】
前記出力部は、前記取付部に取り付ける前記電気機器が電気的に接続される
ことを特徴とする請求項1記載の配線ダクト用アダプタ。
【請求項3】
前記出力部は、前記電気機器との間で配線が接続される端子台である
ことを特徴とする請求項2記載の配線ダクト用アダプタ。
【請求項4】
電気機器である照明器具と;
前記照明器具に取り付けられた請求項1ないし3いずれか一記載の配線ダクト用アダプタと;
を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、配線ダクトに取り付けられる配線ダクト用アダプタおよび照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、配線ダクトに取り付けるとともに電気的に接続して使用する電気機器が知られている。この電気機器は、配線ダクトへの取付構造を一体に備えており、取付構造と電気機器の負荷側とが電気機器の内部で電気的に接続されている。
【0003】
しかし、配線ダクトに電気機器を取り付けて使用する場合、取付構造を一体に備えた専用の電気機器が必要であり、取付構造を備えない一般的な電気機器は配線ダクトに取り付けて使用することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-119672号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、配線ダクトへの取付構造を備えない電気機器を配線ダクトに取り付けて使用可能にできる配線ダクト用アダプタおよび照明装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の配線ダクト用アダプタは、取付部、接続部、出力部および操作部を備える。取付部は、電気機器を取り付ける。接続部は、配線ダクトに着脱可能とし、装着により配線ダクトに取り付けられるとともに電気的に接続される。出力部は、接続部を介して配線ダクトに電気的に接続され、配線ダクトから供給される電力を外部に出力する。操作部は、配線ダクトに対して接続部を着脱する。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の配線ダクト用アダプタによれば、配線ダクトへの取付構造を備えない電気機器を配線ダクトに取り付けて使用可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1の実施形態を示す配線ダクト用アダプタを照明器具に取り付けた斜視図である。
図2】同上配線ダクト用アダプタを配線ダクトに取り付けた斜視図である。
図3】同上配線ダクト用アダプタを配線ダクトに取り付けた側面図である。
図4】同上配線ダクト用アダプタの上面側の斜視図である。
図5】同上配線ダクト用アダプタの下面側の斜視図である。
図6】同上配線ダクト用アダプタの断面図である。
図7】第2の実施形態を示す同上配線ダクト用アダプタを配線ダクトに取り付けた斜視図である。
図8】同上配線ダクト用アダプタの斜視図である。
図9】第3の実施形態を示す配線ダクト用アダプタの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、第1の実施形態を、図1ないし図6を参照して説明する。
【0010】
図1ないし図3において、10は配線ダクト(ライティングダクト)である。この配線ダクト10は、レール状に長尺に設けられており、天井面などの設置面に設置され、長手方向の任意の位置に電気機器などを取り付けるとともに電気的に接続して使用可能としている。
【0011】
配線ダクト10は、ダクト本体11、このダクト本体11内の長手方向に交差する短手方向である幅方向の両側に配設される一対の絶縁体12、およびこれら絶縁体12にそれぞれ取り付けられた一対の導体13を備えている。
【0012】
ダクト本体11は、例えばアルミニウムなどの金属製で、略四角形の中空状に設けられている。ダクト本体11の下面中央には、開口部11aが長手方向に沿って設けられている。ダクト本体11の下部には、開口部11aの両側に支持縁部11bが設けられている。ダクト本体11の下部一側には、接地側の極性を示す極性用突起11cが下方に向けて突設されている。
【0013】
一対の絶縁体12は、導体13を支持し、ダクト本体11内で開口部11aの両側に長手方向に沿って配置されている。
【0014】
一対の導体13は、金属板によって構成され、一対の絶縁体12によりダクト本体11内で開口部11aの両側に互いに対向して配置されている。そして、一対の導体13には、外部電源からの交流電力または直流電力などの所定の外部電力が通電される。
【0015】
また、図1ないし図3において、20は照明装置である。照明装置20は、配線ダクト10の長手方向の任意の位置に取り付けられるとともに電気的に接続されて使用される。照明装置20は、電気機器である照明器具21と、この照明器具21に取り付けられた配線ダクト用アダプタ22とを備えている。
【0016】
照明器具21は、例えば2フィート、4フィート、8フィートの長さを有する長尺形照明器具である。照明器具21は、発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続するベースライトなどである。
【0017】
照明器具21は、器具本体25と、この器具本体25の下面側に着脱可能に取り付けられる光源ユニット(光源バー)26と、器具本体25に取り付けられた図示しない端子台と、器具本体25または光源ユニット26に配設された図示しない電源ユニットなどを備えている。
【0018】
器具本体25は、金属板によって形成されており、天板部27、およびこの天板部27の幅方向の両側に設けられた側板部28、および天板部27の長手方向の両端に設けられた端板部29を有している。天板部27には、電源線を引き込むための配線孔30、および天井面に取り付けるための天井面取付構造である複数の取付孔31などが設けられている。取付孔31は、器具本体25を天井から突出する吊ボルトにナットで取り付ける場合に吊ボルトが挿通される取付孔と、天井面に螺着するねじで器具本体25を取り付ける場合にねじが挿通される取付孔との少なくとも一方を備えている。また、天板部27の上面には、天井面に接触するとともに器具本体25の歪み防止を兼ねた複数の突部32が突出され、さらに、器具本体25の内側に配置される部品を固定するねじの頭部が突出されている。
【0019】
光源ユニット26は、図示しないシャーシ、このシャーシの下面に配置された図示しない発光モジュール、および発光モジュールを覆ってシャーシに取り付けられたカバー33などを備えている。発光モジュールは、基板、およびこの基板に実装された複数の発光素子を有している。カバー33は、少なくとも発光素子に対向する領域が透光性を有している。
【0020】
電源ユニットは、器具本体25内の端子台と配線によって電気的に接続される。端子台を通じて外部から供給される外部電力を発光素子の点灯に必要な点灯電力に変換して発光素子に供給する。電源ユニットは、器具本体25または光源ユニット26のいずれに配設されていてもよい。
【0021】
そして、照明器具21は、天井面に取り付けるための天井取付構造である取付孔31を備えているが、配線ダクト10への取付構造を備えていない一般照明器具である。
【0022】
また、配線ダクト用アダプタ22は、配線ダクト10への取付構造を備えない一般照明器具である照明器具21の器具本体25の上面側である天板部27に取り付けられ、この照明器具21を配線ダクト10に取り付けて使用可能とするものである。配線ダクト用アダプタ22は、照明器具21が長尺な場合、照明器具21の長手方向の複数個所であって例えば2箇所に取り付けられ、配線ダクト10に着脱可能に取り付けられるとともに電気的に接続され、配線ダクト10からの電力を照明器具21に供給する。
【0023】
図4ないし図6に示すように、配線ダクト用アダプタ22は、アダプタ本体36と、アダプタ本体36の上面から突出する接続機構37および位置決め部38と、アダプタ本体36の側面に設けられた出力部39とを有している。
【0024】
そして、アダプタ本体36は、ケース41と、このケース41内の底面側に取り付けられた取付板42とを有している。
【0025】
ケース41は、例えば樹脂製で、照明器具21の長手方向に沿って長く、上面側が開口された長方形枠状に形成されている。ケース41は、底部43、およびこの底部43の両側から立ち上げられた側面部44、底部の両端から立ち上げられた端面部45を有している。
【0026】
ケース41の底部43の下面中央には、円筒状の内周側のボス46が突設されているとともに、この内周側のボス46の周囲に外周側のボス47が同心円状に突設されている。内周側のボス46の内側には、底部43を上下に貫通する挿通孔48が設けられている。外周側のボス47は、器具本体25の天板部27の取付孔31よりも大径に設けられている。さらに、ケース41の底部43の下面両端近傍には、複数のボス49,50がそれぞれ突設されている。底部43の対角に位置する各ボス49は、円筒状で、底部43の上面側に連通されるねじ取付孔51が設けられており、このねじ取付孔51にケース41に取付板42を取り付けるためのねじ52が配置される。そして、ケース41の底部43の下面には複数のボス46,47,49,50が突設されており、器具本体25の天板部27の取付孔31の近傍に突部32が突出されていても、これらボス46,47,49,50によって突部32と干渉せずに配線ダクト用アダプタ22を器具本体25の天板部27に取り付けることを可能としている。
【0027】
ケース41の一端側の端面部45は出力部39を設けるために上部側が開口形成されている。他端側の端面部45の上端には、位置決め部38の一部を構成する突出部53が上方に突設されている。
【0028】
取付板42は、例えば金属製で、ケース41内の底面側に配置される底板部54と、この底板部54の両側から立ち上げてケース41の側面部44の内側に配置される側板部55とを有している。取付板42は、ボス49を挿通されたねじ52が底板部54に螺着し、ケース41内に固定されている。取付板42の底板部54の中央にはケース41の挿通孔48と同軸に図示しない挿通孔が設けられ、この挿通孔と同軸にナット56が溶接などによって固定されている。
【0029】
そして、器具本体25の下面側から取付孔31を挿通された締結具であるボルト57がケース41の挿通孔48および取付板42の挿通孔を挿通してナット56に螺着されることにより、器具本体25に配線ダクト用アダプタ22が取り付けられる。ケース41および取付板42を含むアダプタ本体36の下面側は、照明器具21を取り付ける取付部58として構成されている。
【0030】
また、接続機構37は、配線ダクト10に取り付けられるとともに電気的に接続されるプラグである接続部60と、この接続部60を配線ダクト10に対して係脱させる操作部61と、接続部60を回動可能に支持する支持部62を備えている。
【0031】
接続部60は、支持部62により、配線ダクト10に対しての接続位置(図4ないし図6に示す位置)と、配線ダクト10に対しての接続解除位置(図7に示す接続位置から時計回り方向に90°回動した位置)との間で回動可能に設けられている。
【0032】
接続部60は、上部側に設けられたプラグ部63、このプラグ部63の側面から突出する一対の係止部64および一対の端子65を有している。プラグ部63は、配線ダクト10の開口部11aの幅よりも小さい幅に設けられ、配線ダクト10の開口部11aに挿入可能とされている。一対の係止部64は、プラグ部63と同じ幅で、プラグ部63から反対向きに突出されており、接続解除位置にて配線ダクト10の開口部11aに挿脱可能とするとともに、接続位置への回動により配線ダクト10の支持縁部11bに係止可能とする。一対の端子65は、プラグ部63と同じ幅で、一対の係止部64と同じ方向に突出されており、接続解除位置にて配線ダクト10の開口部11aに挿脱可能とするとともに、接続位置への回動により配線ダクト10の一対の導体13に接触して電気的に接続可能とする。
【0033】
操作部61は、レバー状に設けられ、接続部60に連結されて接続部60と一体に回動可能としている。操作部61は、ケース41一側の側面部44にアダプタ本体36の長手方向に沿って設けられた溝部44aから外部に突出配置されている。そして、操作部61を溝部44aに沿って移動するように回動操作をすることにより、接続部60が接続位置と接続解除位置との間で回動し、配線ダクト10の一対の支持縁部11bに対して接続部60の一対の係止部64が係脱されるとともに、配線ダクト10内の一対の導体13に対して接続部60の一対の端子65が係脱される。
【0034】
支持部62は、接続部60の下部側を回動可能に支持する支持板66と、この支持板66との間に接続部60の下部側を回動可能に挟み込んで保持する保持板67とを有している。支持板66は、接続部60の下部側が回動可能に嵌合される回動孔を有し、接続部60を回動可能に支持し、保持板67の下面側にねじ止めにて固定されている。保持板67は、下方から接続部60の上部側が回動可能に挿通される挿通孔68を有し、接続部60を回動可能に保持し、取付板42の側板部55の上部からケース41の内部に向けて折曲された折曲部にねじ止めにて固定されている。保持板67は、ケース41の上面側を覆うように配置されている。
【0035】
また、位置決め部38は、アダプタ本体36の一端側の出力部39を覆うカバー70の突出部71と、アダプタ本体36の他端側のケース41の突出部53とを有している。突出部71は、アダプタ本体36の長手方向に沿って突出されている。そして、これら突出部53,71は、配線ダクト10の開口部11aに挿入され、配線ダクト10に対して配線ダクト用アダプタ22を位置決めする。
【0036】
カバー70は、アダプタ本体36の一端側の端面から上面に亘って覆い、出力部39に着脱可能に取り付けられている。カバー70の端面側には、出力部39の端面に対向して挿通溝72が形成されている。
【0037】
また、出力部39は、図6には図示しない接続機構(例えば、配線やコネクタなど)で接続部60の一対の端子65に電気的に接続されている。そして、出力部39は、接続部60の一対の端子65を介して配線ダクト10に電気的に接続され、配線ダクト10から供給される電力を外部に出力する。出力部39は、照明器具21との間で配線が接続され、配線ダクト10の電力を照明器具21に供給する端子台74によって構成されている。端子台74は、端子台本体75と、この端子台本体75内に配置された図示しない一対の接続端子を備えている。
【0038】
端子台本体75は、絶縁性を有する樹脂製で、端面に照明器具21との間の接続配線を挿入する挿入孔76が設けられている。一対の接続端子は、挿入孔76の内側に配置され、挿入孔76から挿入される接続配線に接触して電気的に接続されるとともに抜け止めする。一対の接続端子は、図示しない内部配線によって接続部60の一対の端子65に電気的に接続されている。内部配線は、接続部60の下面側に設けられた開口部から接続部60の内部に挿通されて一対の端子65に電気的に接続されている。
【0039】
なお、端子台74は、接続端子などに変えてコネクタを用い、接続配線の先端側に設けられたコネクタとコネクタ接続によって接続される構成でもよい。
【0040】
また、配線ダクト用アダプタ22は、極性用突起11cを有する配線ダクト10に対して、操作部61が位置する一側面が配線ダクト10の一側面に対応する向き、他側面に対応する向きのいずれでも取り付けることが可能となっている。そのために、配線ダクト用アダプタ22の上面側の両側部に極性用突起11cが入り込む溝部78が設けられている。溝部78は、両側の側面部44の上端内側に沿って設けられているとともに、両端の端面部45に凹状に開口して設けられている。
【0041】
そして、配線ダクト10への取付構造を備えない照明器具21を、配線ダクト10に施工する場合について説明する。
【0042】
配線ダクト用アダプタ22を用い、この配線ダクト用アダプタ22を照明器具21の器具本体25に取り付ける。配線ダクト用アダプタ22を器具本体25に取り付けるには、器具本体25から光源ユニット26を外し、器具本体25の天井取付構造である取付孔31に下方からボルト57を挿通し、挿通したボルト57の先端側を配線ダクト用アダプタ22の挿通孔48に挿入してナット56に螺着し、配線ダクト用アダプタ22を器具本体25の上面側に締め付け固定する。
【0043】
このとき、配線ダクト用アダプタ22の長手方向を器具本体25の長手方向に沿って配置する。さらに、ボルト57が器具本体25の取付孔31内を移動可能とする範囲内で、器具本体25に対する配線ダクト用アダプタ22の取付位置を調整可能とする。また、配線ダクト用アダプタ22の下面から突出する複数のボス46,47,49,50が器具本体25の上面に当接して配線ダクト用アダプタ22の下面と器具本体25の上面との間に隙間を形成することにより、器具本体25の上面で取付孔31の近傍に突部32が突出されていても、突部32と干渉せずに配線ダクト用アダプタ22を器具本体25に取り付けることができる。また、ボルト57が挿通する中央の外周側のボス47は、器具本体25の取付孔31よりも大径に設けられているため、取付孔31に入り込むことなく、器具本体25の上面に当接し、ボルト57にて確実に締め付け固定できる。
【0044】
接続配線の一端側を端子台74の挿入孔76に挿入して接続端子に接続する。接続配線の他端側を器具本体25の配線孔30または使用されていない取付孔31に通し、器具本体25の端子台に接続する。端子台74と器具本体25の配線孔30または取付孔31との間の接続配線は、器具本体25の上面側に這わせて配置し、施工後に照明器具21を下方から見上げた際に視認しにくくする。
【0045】
照明器具21の長さが長い場合には、器具本体25の長手方向の少なくとも2箇所に配線ダクト用アダプタ22を取り付ける。器具本体25の長手方向の2箇所に取り付ける2つの配線ダクト用アダプタ22には同じものを用い、一方の配線ダクト用アダプタ22は端子台74を使用しないようにしてもよい。あるいは、一方の配線ダクト用アダプタ22は、端子65を備えず、つまり電気的な接続構造を備えず、配線ダクト10への取付構造のみ備えていてもよい。
【0046】
続いて、配線ダクト用アダプタ22の接続部60が接続解除位置に回動された状態で、配線ダクト用アダプタ22が取り付けられた照明器具21を持ち上げ、各配線ダクト用アダプタ22を配線ダクト10に取り付ける。
【0047】
配線ダクト用アダプタ22を配線ダクト10に取り付けるには、配線ダクト用アダプタ22の接続部60のプラグ部63を配線ダクト10の開口部11aに挿入するとともに、位置決め部38である突出部53,71を配線ダクト10の開口部11aに挿入して位置決めし、配線ダクト用アダプタ22を配線ダクト10の下面側に配置する。
【0048】
このとき、配線ダクト10の下面側には極性用突起11cが突設されているが、極性用突起11cは配線ダクト用アダプタ22の溝部78に入り込むため、配線ダクト10の下面側に配線ダクト用アダプタ22を隙間が小さくなるように近付けて配置でき、施工後の外観を良好にできる。
【0049】
照明器具21を支えながら、操作部61を操作して接続部60を接続位置に回動させる。接続部60を接続位置に回動させることにより、一対の係止部64が配線ダクト10の両側の支持縁部11bと絶縁体12との間に係合して固定されるとともに、一対の端子65が配線ダクト10の両側の導体13に接触して電気的に接続される。これにより、照明器具21の施工が完了する。
【0050】
このとき、係止部64の厚みは支持縁部11bと絶縁体12との間の間隔と略同じ場合には、係止部64の高さ方向の遊びがなくなるため、照明器具21は、配線ダクト10に機械的に固定され、配線ダクト10の長手方向に沿っても動かすこともできなくなる。
【0051】
そして、配線ダクト10の一対の導体13に所定の外部電力を通電することにより、外部電力が配線ダクト用アダプタ22および接続配線を通じて照明器具21に供給される。すなわち、外部電力が一対の導体13から接続部60の一対の端子65、端子台74、接続配線を通じて照明器具21に供給される。
【0052】
照明器具21では、外部電力が電源ユニットに入力され、この電源ユニットによって変換された所定の点灯電力が発光素子に供給され、発光素子が点灯し、光がカバー33を通じて照明空間に照射される。点灯時には、カバー33の発光領域が長手方向に沿ってライン状に連続する。
【0053】
また、照明器具21を配線ダクト10から取り外す場合には、照明器具21を支えながら、各配線ダクト用アダプタ22の操作部61を操作して接続部60を接続解除位置に回動させる。
【0054】
接続部60を接続解除位置に回動させることにより、一対の係止部64が配線ダクト10の両側の支持縁部11b上から外れて開口部11a上に位置するとともに、一対の端子65が配線ダクト10の両側の導体13から外れて開口部11a上に位置する。
【0055】
照明器具21を下方に移動させることにより、配線ダクト10から配線ダクト用アダプタ22が外れる。
【0056】
このように、本実施形態の配線ダクト用アダプタ22では、照明器具21を取り付ける取付部58と、配線ダクト10に取り付けられるとともに電気的に接続される接続部60と、外部に出力する出力部39と、配線ダクト10に対して接続部60を着脱する操作部61とを備えるため、配線ダクト10への取付構造を備えない照明器具21を配線ダクト10に取り付けて使用できる。
【0057】
さらに、出力部39は、取付部58に取り付ける照明器具21を電気的に接続できるため、照明器具21に電力を出力して使用することができる。
【0058】
この場合、出力部39は端子台74であるため、端子台74に接続配線を接続することにより、照明器具21との電気的な接続を容易に行うことができる。
【0059】
さらに、出力部39は、アダプタ本体36の照明器具21の長手方向に沿った端面に設けられているため、出力部39に接続される配線が照明器具21の背面側に隠れ、意匠性がよい。
【0060】
なお、出力部39には他の電気機器との配線を接続し、他の電気機器に電力を出力してもよい。
【0061】
次に、図7および図8に第2の実施形態を示す。
【0062】
配線ダクト10に照明器具21を取り付けるのに、配線ダクト10への取付構造と電気接続構造とを備えた上述の配線ダクト用アダプタ22と、電気接続構造を備えずに取付構造のみを備えた配線ダクト用アダプタ22aとが用いられる。なお、配線ダクト用アダプタ22aは、配線ダクト用アダプタ22の接続部60および出力部39を備えないが、照明器具を取り付ける取付部58などは備えている。
【0063】
配線ダクト用アダプタ22aには、アダプタ本体36の上面側に配置される保持板67から、配線ダクト10の開口部11aに挿入される突出部80が突出されている。突出部80は、アダプタ本体36の長手方向に沿って突出されている。突出部80の両側面には、一対の係止部81が外側に対して進退可能に設けられている。一対の係止部81は、図示しないばねなどの弾性体により突出方向に向けて付勢されている。一対の係止部81の上面側は先端側に向って下降する傾斜面に設けられ、下面側は略水平な係止面に形成されている。
【0064】
アダプタ本体36の一端面には、一対の係止部81を付勢に抗して後退させる操作部82が進退移動可能に設けられている。操作部82は、アダプタ本体36のアダプタ本体36の長手方向に移動可能で、アダプタ本体36内への移動で一対の係止部81が後退し、アダプタ本体36外への移動で一対の係止部81が突出するように連動されている。連動にはカム機構やギヤ機構が用いられる。
【0065】
そして、施工時には、配線ダクト用アダプタ22と配線ダクト用アダプタ22aを取り付けた照明器具21を持ち上げ、配線ダクト用アダプタ22および配線ダクト用アダプタ22aを配線ダクト10に対して押し上げる。
【0066】
配線ダクト用アダプタ22aにおいては、突出部80を配線ダクト10の開口部11aに挿入して押し上げることにより、一対の係止部81の上面側の傾斜面が配線ダクト10の両側の支持縁部11bに当接し、一対の係止部81が付勢に抗して突出部80内に後退し、一対の係止部81が配線ダクト10の両側の支持縁部11bを乗り越えると、付勢によって支持縁部11b上に突出して係合し、配線ダクト10に取り付けられる。すなわち、配線ダクト用アダプタ22aは、配線ダクト10に対して押し上げることにより、配線ダクト10にワンタッチで取り付けることができる。
【0067】
そのため、配線ダクト用アダプタ22aが取り付けられている照明器具21の端部側は支えなくともよくなり、配線ダクト用アダプタ22が取り付けられている照明器具21の端部側を支えながら、配線ダクト用アダプタ22の操作部61を操作して配線ダクト用アダプタ22aを配線ダクト10に取り付けるとともに電気的に接続することができる。
【0068】
このように、配線ダクト10への照明器具21の取り付けに、配線ダクト用アダプタ22と配線ダクト用アダプタ22aを用いることにより、1人の作業者でも容易に施工することができる。
【0069】
次に、図9に第3の実施形態を示す。
【0070】
出力部39にコンセント85を用いた配線ダクト用アダプタ22bを示す。コンセント85は、例えば単相100Vおよび定格電流15A用の平行プラグに対応した差込口85aを有し、この差込口85aが設けられた面がコンセント本体36の端面側に配置されている。なお、図示していないが、コンセント85の上面側にはカバー70が取り付けられる。
【0071】
また、接続部60は、配線ダクト10の下面で極性用突起11cよりも内側に当接する環状の当接部86を有している。当接部86の上面よりもアダプタ本体36の上面側が下方に配置され、その距離は極性用突起11cの突出寸法よりも大きくなっている。そのため、配線ダクト10に配線ダクト用アダプタ22bを取り付ける際に、極性用突起11cに配線ダクト用アダプタ22bに干渉することなく取り付けることができる。
【0072】
そして、配線ダクト10に取り付けられる配線ダクト用アダプタ22bがコンセント85を備えることにより、コンセント85に他の電気機器の電源コードのプラグを接続して使用することができる。
【0073】
なお、照明器具21との接続配線にプラグ付配線を用い、照明器具21からのプラグ付配線を配線ダクト用アダプタ22bのコンセント85に接続してもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、長尺な照明器具21の例を示したが、これに限らず、例えばダウンライトなどでもよい。
【0075】
また、配線ダクト用アダプタ22に取り付ける電気機器としては、照明器具21に限らず、送風機、カメラ、通信機などいずれでもよい。
【0076】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0077】
10 配線ダクト
20 照明装置
21 電気機器である照明器具
22 配線ダクト用アダプタ
39 出力部
58 取付部
60 接続部
61 操作部
74 端子台
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9