(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052326
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】流路デバイス、流体中粒子解析システムおよび流体中粒子分別システム
(51)【国際特許分類】
G01N 15/14 20060101AFI20220328BHJP
G01N 37/00 20060101ALN20220328BHJP
【FI】
G01N15/14 A
G01N15/14 K
G01N37/00 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158646
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】319006047
【氏名又は名称】シャープセミコンダクターイノベーション株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504137912
【氏名又は名称】国立大学法人 東京大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 大紀
(72)【発明者】
【氏名】金 秀▲弦▼
(57)【要約】
【課題】流路内の流体に外力を加えずに、流体中に分散した粒子を同時並行的に収束および整列させる。
【解決手段】流体中を流れる粒子の流れる方向を制御する流路デバイスであって、流路は、流体を外部から流入させる流入口と、流体を外部へと流出させる流出口と、粒子の流れる方向が、流路の一方の側面側に偏向するように配置された、複数の柱状構造体を含む柱状構造体列とを備えており、柱状構造体列は、流入口と流出口との間に複数形成されている。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体中を流れる粒子の流れる方向を制御する流路デバイスであって、
上記流体の流れる流路は、
上記流体を上記流路の外部から流入させる流入口と、
上記流体を上記流路の外部へと流出させる流出口と、
上記粒子の流れる方向が、上記流路における上記流体の流れる方向に対して、上記流路の一方の側面側に偏向するように配置された、複数の柱状構造体を含む柱状構造体列と、を備えており、
上記柱状構造体列は、上記流入口と上記流出口との間に複数形成されていることを特徴とする、流路デバイス。
【請求項2】
上記流路は、上記粒子が上記柱状構造体列から流れ出て通過する経路の少なくとも1つに沿って、上記流体の流れる方向に延伸する壁状構造体が形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の流路デバイス。
【請求項3】
上記流路には、上記粒子の特性を検出可能なセンサが設けられていることを特徴とする、請求項1または2に記載の流路デバイス。
【請求項4】
上記センサは、上記流路における、上記柱状構造体列が形成された領域と、上記流出口との間に設けられていることを特徴とする、請求項3に記載の流路デバイス。
【請求項5】
上記流出口を複数備えており、
上記センサによって検出された上記粒子の性質によって、上記粒子がそれぞれ異なる流出口から流出可能に構成されていることを特徴とする、請求項3または4に記載の流路デバイス。
【請求項6】
請求項1から4の何れか1項に記載の流路デバイスを備えている、流体中粒子解析システム。
【請求項7】
請求項1から5の何れか1項に記載の流路デバイスを備えている、流体中粒子分別システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流路デバイス、流体中粒子解析システムおよび流体中粒子分別システムに関する。
【背景技術】
【0002】
流路を流れる流体中に分散した粒子を、個別に、光学的な方法により検出および分析するフローサイトメトリの手法は、分子生物学および病理学等の分野で使用されている。フローサイトメトリを行う装置をフローサイトメータといい、さらに、分析後の粒子を分析結果に基づき分取できるフローサイトメータを、特にセルソータという。
【0003】
フローサイトメータ内で個々の粒子を検出および分析するためには、フローサイトメータに導入された当初は流体中に分散した状態である粒子を、検出エリアに到達するまでの間に、流路中の特定位置に収束させる必要がある。特許文献1および特許文献2にはそれぞれ、フローサイトメータに適用可能な、粒子の収束方法に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2007-514522号公報
【特許文献2】特表2012-503776号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フローサイトメータが抱える課題の一つとしては、粒子の検出処理の高スループット化が挙げられる。検出処理の高スループット化を実現する方法としては、例えば、流路を並列化し、同時並行的に複数の流路に粒子を流して、それぞれ検出を行う方法が考えられるが、複数の流路が必要となり、フローサイトメータの構造が複雑となる。
【0006】
また、単一流路内で、流体中に分散した粒子を同時並行的に収束および整列させる並列化方法も考えられる。例えば、特許文献1に開示された技術を並列化する場合、シース流を流入させるための、流路、流入口およびポンプ等が多数必要となる。また、特許文献2に開示された技術を並列化する場合も、音響波の発信源が多数必要となる。すなわち、いずれの技術を並列化に用いても、フローサイトメータの構造が過度に複雑化および大型化してしまう問題がある。
【0007】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、流路内の流体に外力を加えずに、流体中に分散した粒子を同時並行的に収束および整列させる、コンパクトな流路デバイス等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る流路デバイスは、流体中を流れる粒子の流れる方向を制御する流路デバイスであって、上記流体の流れる流路は、上記流体を上記流路の外部から流入させる流入口と、上記流体を上記流路の外部へと流出させる流出口と、上記粒子の流れる方向が、上記流路における上記流体の流れる方向に対して、上記流路の一方の側面側に偏向するように配置された、複数の柱状構造体を含む柱状構造体列と、を備えており、上記柱状構造体列は、上記流入口と上記流出口との間に複数形成されている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、流路内の流体に外力を加えるための構成を必要とせず、流体中に分散した粒子を同時並行的に収束および整列させる流路デバイス等をコンパクトな構成にできる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態1に係る流路デバイスを模式的に示す図である。
【
図2】決定論的側方移動(DLD)の原理を模式的に説明する図である。
【
図3】実施形態2に係る流路デバイスを模式的に示す図である。
【
図4】実施形態2に係る流路デバイスにおける、粒子の経路を模式的に説明する図である。
【
図5】実施形態3に係る流路デバイスを模式的に示す図である。
【
図6】実施形態4に係る流路デバイスを模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
<流路デバイスの構成>
以下、本発明の一実施形態について、
図1および
図2を参照して以下に説明する。
図1は、流路デバイス1の構成を模式的示す図である。
図1に示すように、本実施形態に係る流路デバイス1は流路10を備えている。
【0012】
(流路)
流路10には、液体が流れる。流路10を流れる液体は特に限定されず、例えば水であってもよく、水に緩衝剤等が含まれる水溶液であってもよく、有機溶媒を含む液体であってもよい。当該液体は、後述する粒子の種類等によって最適な種類の液体が選択されてよい。
【0013】
本明細書において、流路10に流れている液体を「流体」という。流体中には、微小な粒子を流すことができる。流体中に含まれる粒子は、生体由来の粒子であってよく、または非生体由来の粒子であってもよい。当該粒子は、粒子径が0.5μm以上50μm以下であることが好ましいが、これに限られるものではない。
【0014】
生体由来の粒子としては、細胞、細菌、プランクトンおよび花粉等が例示できる。また、非生体の粒子としては、人工的に製造されたビーズ等が例示できる。流体中には、複数の種類の粒子が含まれていてよい。
【0015】
図1において、紙面に向かって右方向を、流路10における粒子を含む流体が流れる方向とする。また、紙面に向かって上側を流路10の左側、紙面に向かって下側を流路10の右側、紙面に向かって奥行き側を流路10の下側とし、紙面に向かって手前側を上側とする。ただし、流路10の上下左右および流路10における流体の流れる方向は、これに限られるものではない。
【0016】
流路10は、第1流入口11(流入口)と、第1流出口12(流出口)と、柱状構造体列21とを備えている。
【0017】
第1流入口11は、流体を流路10の外部から流入させる部材である。また、第1流出口12は、流体を流路10の外部へと流出させる部材である。すなわち、本実施形態に係る流路デバイス1において、流路10を流れる流体は、流路10の外部から第1流入口11へ流入し、第1流出口12から流路10の外部へと流出する構造を有する。なお、流路デバイス1における流体の流れる経路は、これに限定されるものではない。
【0018】
図1において、第1流入口11および第1流出口12はいずれも、流路10の上面に設けられた開口部として形成されている。そして、流路デバイス1の第1流入口11および第1流出口12は、その開口形状が略円形状となっている。
【0019】
しかしながら、第1流入口11および第1流出口12の、流路10における配置位置は、流路10の上面に限定されるものではない。第1流入口11および第1流出口12の、流路10における配置位置は、流路10を流れる流体が、流路10に流入または流出可能となるような位置であればよい。また、第1流入口11および第1流出口12の大きさおよび開口形状についても、流路10を流れる流体が、流路10に流入または流出可能となるような大きさおよび開口形状であればよい。また、第1流入口11の大きさおよび開口形状と、第1流出口12の大きさおよび開口形状とは、同様であってもよく、それぞれ異なる大きさおよび形状であってもよい。
【0020】
また、本実施形態では、流路10は1つの第1流入口11と、1つの第1流出口12とを備えている。しかしながら、流路10が備える流入口および流出口の数はこれに限らず、流路10は複数の流入口を備えていてもよく、また、流路10は複数の流出口を備えていてもよい。
【0021】
流路10は、粒子の流れる方向が、流路10における流体の流れる方向に対して、流路10の一方の側面側に偏向するように配置された、複数の柱状構造体22を含む柱状構造体列21を備えている。柱状構造体領域20は、流路10において、複数の柱状構造体列21が形成された領域である。柱状構造体領域20は、第1流入口11と第1流出口12との間に形成されている。
【0022】
流路10は、上述のように配置された柱状構造体列21を備えることにより、決定論的側方移動(DLD:Deterministic Lateral Displacement)の原理によって、流体を流れる粒子の流れる方向を制御する。
【0023】
(DLDの原理)
図2を参照して、DLDについて説明する。DLDは、流体中における粒子の移動を制御する技術である。
図2の参考例201に示すように、粒子の移動を制御するために、流路に複数の柱状構造体22を配置する。
【0024】
ここで、柱状構造体22の、延伸方向と直交する方向の断面は、直径Dpostの正円形状である。また、柱状構造体列21内で隣接する柱状構造体22における、上記断面の中心間の、粒子の流れの方向におけるピッチをλ、粒子が流れる方向と直交する方向のシフトをΔλとする。そして、粒子が流れる方向と直交する方向に隣接する柱状構造体列21において、並列する柱状構造体22における上記断面の中心間の、粒子が流れる方向と直交する方向におけるピッチをλとする。このとき、流体中における粒子の流れる方向は、当該粒子の粒子径が下記式(1)により定められるDc(Critical Dimension)より大きいか小さいかによって異なる。
Dc=1.4(λ-Dpost)(λ/Δλ)
-0.48
図2の参考例202に示すように、粒子径がDcよりも小さな粒子102は、1つの柱状構造体列21に含まれる複数の柱状構造体22の間を通過して流れるため、粒子102の流れる方向は、柱状構造体列21に沿った方向に偏向しない。一方、粒子径がDcよりも大きな粒子101は、1つの柱状構造体列21に含まれる複数の柱状構造体22の間を通過せず、それぞれの柱状構造体22に漸近しながら流れる。したがって、粒子101は、柱状構造体列21に沿った方向に、流れる方向が偏向する。したがって、柱状構造体列21が配置された領域を通過した粒子101は、流れる方向が、柱状構造体列21に沿った方向に収束する。
【0025】
以上のように、柱状構造体22を、DLDの原理に基づいて、流体中を流れる粒子の大きさにしたがって定められる所定の間隔で配置することにより、流体中を流れる粒子の流れる方向を、柱状構造体列21に沿った方向に収束できる。
【0026】
(柱状構造体領域)
柱状構造体領域20には、複数の柱状構造体列21が配置されている。したがって、流体中を流れる粒子の流れる方向は、流路10において複数の柱状構造体列21のいずれか1つに沿って収束する。そのため、柱状構造体領域20を通過した複数の粒子は、通過した柱状構造体列21ごとに流れの方向が収束し、通過した柱状構造体列21ごとに整列した状態で並行して流れる。柱状構造体領域20において、各柱状構造体列21に含まれる柱状構造体22は、流体中を流れる粒子の流れる方向が、DLDの原理により、流路10の一方の側面側に偏向するように配置される。
【0027】
本実施形態において、各柱状構造体列21に含まれる柱状構造体22は、DLDの原理により、粒子の流れる方向が流路10における左側に偏向するように配置されている。より具体的には、各柱状構造体列21において、柱状構造体22は、流路10における左側面との距離が段階的に近くなるように、所定の間隔により一列に配置されている。
【0028】
ここで、上記の所定の間隔である、柱状構造体22間のピッチλおよびシフトΔλの値は、柱状構造体22の直径Dpostとの関係において、上記式(1)により定められるDcの値が粒子の直径よりも小さくなるように設定されることが好ましい。言い換えれば、上記の所定の間隔は、液体中を流れる粒子の大きさに従って定められてよい。
【0029】
なお、上記式(1)は経験則により導き出される数式である。上記式(1)は各柱状構造体列21の設計の指針を与えるものであるが、粒子の流れを目的の方向に制御できるのであれば、ピッチλ、シフトΔλ、柱状構造体22の直径DpostおよびDcの間の関係は、必ずしも上記式(1)を満たす必要はない。
【0030】
このような構成によれば、流体中を流れる特定の粒子径を有する粒子は、DLDの原理にしたがって柱状構造体列21に沿った方向に偏向して流れる。そのため、流体中に散乱して存在する粒子が柱状構造体領域20に流入しても、各粒子の流れる方向は各柱状構造体列21に沿って収束する。したがって、流路デバイス1によれば、柱状構造体領域20を通過した粒子を、柱状構造体列21ごとに整列して流れる状態とすることができる。
【0031】
図1では、各柱状構造体列21において、柱状構造体22は、粒子の流れる方向が流路10における左側に偏向するように配置されているが、柱状構造体22の配置はこれに限られない。柱状構造体22は、粒子の流れる方向が流路10における右側に偏向するように配置されていてもよい。つまり、各柱状構造体列21において、柱状構造体22は、粒子の流れる方向を流路10の一方の側面側に偏向するように配置されていればよい。また、流体の流れる方向に対して、柱状構造体列21に沿って粒子の流れる方向が偏向する角度は、0°より大きく、90°より小さい限りにおいて、特に限定されない。
【0032】
柱状構造体22の、延伸方向に直交する方向の断面形状は、略正円形状であることが好ましい。このような構成によれば、柱状構造体22におけるDcの値を容易に算出できるため、各柱状構造体列21における柱状構造体22の配置を容易に設計できる。なお、ここでいう略正円形状とは、正円形状および製造上必然的に生じる誤差の範囲内で歪んだ円形状となる場合も含む。また、柱状構造体22の上記断面形状はこれに限られず、例えば、楕円形状または角丸の矩形状等であってもよい。
【0033】
柱状構造体22の延伸方向の長さは、流路10を流れる流体の深さ以上であることが好ましい。また、柱状構造体22の延伸方向の長さは、流路10の下面から上面までの距離と同じ長さであることがより好ましい。このような構成によれば、粒子の流体中における上下方向の位置によらず、各柱状構造体列21により、当該粒子の流れる方向を意図した方向に偏向させることができる。
【0034】
また、柱状構造体領域20には柱状構造体列21が複数形成されている。このような構成によれば、流路10を流れる粒子は、柱状構造体領域20に流入する際の粒子の位置によって、柱状構造体列21の何れか1つに沿って流れる。そのため、複数の粒子が、それぞれ異なる柱状構造体列21に沿って流れるように、柱状構造体領域20に流入することで、これらの粒子を、同時並行的に流れる複数の列状にそれぞれ整列させることができる。
【0035】
柱状構造体領域20における柱状構造体列21の数は特に限定されず、複数形成されていればよい。柱状構造体列21の数は、流路10の大きさおよび形状または流れる粒子の大きさによって、最適な数とすればよい。
【0036】
柱状構造体列21に含まれる柱状構造体22の数は、流路10を通過する粒子の流れを、柱状構造体領域20を通過し終わるまでに柱状構造体列21に沿った方向に収束できる数であればよい。また、柱状構造体列21に含まれる柱状構造体22の数は、各柱状構造体列21によって、同じ数であってもよく、それぞれ異なる数であっていてもよい。
【0037】
なお、流路10の側面に近い柱状構造体列21では、柱状構造体22を、上記所定の間隔で、粒子が整列するのに必要な数を配置できないことがある。そうすると、そのような柱状構造体列21は延伸方向の長さが不足して、粒子の流れを収束することが困難となる場合がある。
【0038】
そのような場合、流路10の側面に近い位置に配置される柱状構造体列21においては、上記所定の間隔とは異なる間隔で柱状構造体22を配置することによって、流体中を流れる粒子を整列させてもよい。例えば、一部の柱状構造体列21の間隔を調整することで、隣接する柱状構造体列21に沿った粒子の経路に、粒子が流入する配置としてもよい。または、一部の柱状構造体列21の間隔を小さくすることで、柱状構造体列21に沿った粒子の経路に、粒子が流れない配置としてもよい。このように、柱状構造体列21の間隔を調整することによって、流路10の側面に近い位置に配置される柱状構造体列21において粒子の流れが過剰となる部分が減少し、流路全体において理想的な粒子の流れを作り出すことができる。より詳細には、例えば、D. Inglis, APPLIED PHYSICS LETTERS, 94, 013510(2009)を参照できる。このように、上記所定の間隔とは異なる間隔で柱状構造体22を配置することで、粒子を、流路10の側面に近い柱状構造体列21から、隣接する柱状構造体列21に沿った粒子の経路に移動させることできる。
【0039】
また、複数の柱状構造体列21はそれぞれ、粒子の流れる方向を偏向させる角度が略同じとなるように配置することが好ましい。そして、複数の柱状構造体列21に含まれる柱状構造体22は、粒子が流れる方向と直交する方向に並べて配置するのが好ましい。このような構成によれば、粒子がいずれの柱状構造体列21に沿って流れても、流路10を流れる粒子が偏向する方向を揃えることができる。したがって、各柱状構造体列21により流れの方向が収束し、それぞれ整列された状態で流れる粒子を、柱状構造体領域20を通過した後も、安定して同時並行的に流すことが容易となる。
【0040】
また、本実施形態に係る流路デバイス1は、柱状構造体領域20を流れる流体の流れが、流体の粘度に依存する層流となることが、意図した方向に粒子を偏向させる点から好ましい。そのため、流路デバイス1は、各柱状構造体22の間隔が数μmから数百μmとなるような大きさであることが好ましいが、これに限られるものではない。また、流路デバイス1の材料は、流路10を流れる粒子の流れを阻害するような材料でなければ、特に限定されない。流路デバイス1は、例えば、ガラス等の基板上に、PDMS(ポリジメチルシロキサン)の薄膜によって形成された流路10を貼り付ける等により作成してよい。また、ガラス等の基板自体に流路10を形成し、天井面を貼り付ける等して作成してもよい。
【0041】
このような流路デバイス1は、流路10中に形成される柱状構造体列21の配置によって、粒子を整列させることができる。このような構成によれば、粒子を整列させるために、流体の流れる方向を制御する等、流体自体に外力を加える必要がない。したがって、流路デバイス1は、粒子の流れる方向を制御するために、流体に外力を加えるための構成を備える必要がなく、コンパクトな構成とすることができる。
【0042】
本実施形態に係る流路デバイス1は、例えば、フローサイトメータ等の、流体中粒子解析システムに備えられていてもよい。このような構成によれば、流体中粒子解析システムの解析対象である粒子について、同時並行的に収束および整列させることができるため、効率的に解析することができる。また、粒子を整列させるため、流路10内の流体に外力を加えるための構成を備える必要がないため、流体中粒子解析システムをコンパクトな構成とすることができる。
【0043】
また、本実施形態に係る流路デバイス1は、例えば、セルソータ等の、流体中粒子分別システムに備えられていてもよい。このような構成によれば、流体中粒子分別システムの分別対象である粒子について、同時並行的に収束および整列させることができるため、効率的に分別することができる。また、粒子を整列させるため、流路10内の流体に外力を加えるための構成を備える必要がないため、流体中粒子分別システムをコンパクトな構成とすることができる。
【0044】
〔実施形態2〕
本発明の他の実施形態について、
図3~4を参照して以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0045】
本実施形態に係る流路デバイス2は、
図3に示すように、実施形態1に係る流路デバイス1と同様に、流路10が、第1流入口11と、第1流出口12と、柱状構造体領域20とを備えている。しかしながら、流路デバイス2は、柱状構造体領域20と第1流出口12との間に、壁状構造体領域30をさらに備えている点において、流路デバイス1と異なる。
【0046】
具体的には、流路デバイス2は、壁状構造体31が配置された領域である壁状構造体領域30を備えている。壁状構造体31は、粒子が柱状構造体列21から流れ出て通過する経路の少なくとも1つに沿って、流体の流れる方向に延伸している。
【0047】
ここで、
図4を参照して、柱状構造体列21から流出した粒子の軌道について説明する。流体中を流れる粒子の流れる方向が、DLDの原理に従って柱状構造体列21に沿った方向に偏向した後、柱状構造体列21を通過した各粒子は、流体の流速および粘度等の性質に依存して、それぞれの流れる方向が再び分散し得る。
図4の参考例401に示すように、流体を流れる粒子が同一の柱状構造体22に沿って流れた場合でも、粒子の流れる方向は、例えば、流速が速い場合は流線Faに沿って流れ、流速が遅い場合は流線Slに沿って流れ得る。流線Faおよび流線Slは、最終的には同一の位置に収束するが、一時的には異なる軌道となることにより、粒子が意図した方向とは異なる方向に流れる原因となり得る。また、流速が同じであっても、流体の粘度が位置によって不均一となった場合には、同様の現象が起こり得る。
【0048】
そこで、壁状構造体31によって、粒子が流れる経路32を形成する。壁状構造体31は、粒子が柱状構造体列21から流れ出て通過する経路に沿って、流体の流れる方向に延伸している。そのため、柱状構造体列21を通過した粒子について、意図した経路32上を流すことができる。
【0049】
例えば、
図4の参考例402に示すように、柱状構造体列21aを通過した粒子は、壁状構造体31によって形成される経路32aを通過する。同様に、柱状構造体列21bを通過した粒子は、壁状構造体31によって形成される経路32bを通過する。このような構成によれば、柱状構造体領域20を通過して一度整列した粒子が、流速および流体の粘性等の条件によって、流れる方向が再度分散してしまうことを防止できる。
【0050】
なお、壁状構造体31は、柱状構造体列21から流れ出て通過する経路の少なくとも1つに沿って形成されていればよい。さらに、
図3および
図4に示すように、壁状構造体31によって形成される経路32が、柱状構造体列21の数と同数設けられるように、壁状構造体31が複数形成されていることが、より好ましい。このような構成によれば、複数の粒子がそれぞれ異なる柱状構造体列21に沿って流れ出た場合も、これらの粒子を同時並行的に、複数の列にそれぞれ整列させることができる。
【0051】
また、壁状構造体31の延伸方向は、流体の流れる方向に限定されない。壁状構造体31の延伸方向は、例えば、流体の流れる方向に対して、流路10の一方の側面側に傾いた方向であってもよい。
【0052】
〔実施形態3〕
本発明の他の実施形態について、
図5を参照して以下に説明する。
図5に示すように、本実施形態に係る流路デバイス3は、壁状構造体31によって形成される経路32中にセンサ40を備えている点において、実施形態2に係る流路デバイス2と異なる。
【0053】
センサ40は、センサ40上を通過した粒子の特性を検出する部材である。流路デバイス3は、流体中を流れる粒子が経路32上を通過するように、流路10に柱状構造体22および壁状構造体31が配置されている。つまり、柱状構造体領域20を通過することで整列した状態の各粒子の特性を、センサ40により検出することができる。さらに、壁状構造体31によって、粒子が流速および流体の粘性等の条件に影響されることなく、確実に経路32上を通過させることができる。したがって、センサ40は、整列した状態の各粒子について、確実にその流れる順に検出できる。
【0054】
なお、センサ40は、粒子の特性を検出することができるものであれば特に限定されない。センサ40が検出する粒子の特性は、蛍光強度、発光強度、または誘電率等のいかなる特性であってもよい。センサ40としては、例えば、フォトダイオードまたは誘電率を測定するセンサ等が挙げられる。
【0055】
例えば、センサ40がフォトダイオードであれば、センサ40は、検知した光の強度に応じた光電流を発生する。そのため、例えば、センサ40上を通過する粒子が自家蛍光を有している場合、または、粒子が蛍光染色されている場合に、センサ40は、粒子が発している蛍光強度を、粒子の特性として検知することができる。この場合、流路デバイス3は、センサ40が検知する蛍光の種類に対応した波長の励起光を、粒子に照射する構成をさらに備えていてよい。
【0056】
また、
図5では、センサ40が経路32中における流路10の下面に配置されているが、センサ40の位置はこれに限定されない。センサ40は、流路10内において、粒子が通過する位置の近傍に設けられていればよい。このような構成によれば、センサ40を用いて、流路10内を流れる粒子の特性の検出を行うことができる。また、センサ40は、柱状構造体領域20と、第1流出口12との間に設けられていることが好ましい。このような構成によれば、柱状構造体領域20を通過して整列した粒子の特性を、センサ40により1つずつ順番に検出できる。
【0057】
さらに、流路が壁状構造体領域30を備えていない場合でも、柱状構造体領域20と第1流出口12との間にセンサ40が設けられていれば、柱状構造体列21によって安定して整列した状態の粒子の特性を、センサ40により検出することができる。したがって、センサ40は、整列した状態の粒子について、その流れる順に検出することができる。
【0058】
本実施形態に係る流路デバイス3は、例えば、フローサイトメータ等の、流体中粒子解析システムに備えられていることが好ましい。流体中粒子解析システムの解析対象である粒子について、
図5に示すように、流路デバイス3が備えているセンサ40により、粒子の検出を行うことができる。したがって、コンパクトかつ高精度な流体中粒子解析システムを実現できる。
【0059】
〔実施形態4〕
本発明の他の実施形態について、
図6~7を参照して以下に説明する。
図6に示すように、本実施形態に係る流路デバイス4は、第2流入口13と、第2流出口14と、誘電泳動電極50とを備えている点において、実施形態3に係る流路デバイス3と異なる。
図7は、
図6に示すA-A’線矢視断面図である。
【0060】
第2流入口13は、流体を流路10の外部から流入させる流入口である。第2流入口13は、第1流入口11と柱状構造体領域20との間に設けられている。また、第2流出口14は、流体を流路10の外部へと流出させる流出口である。第2流出口14は、壁状構造体領域30において、誘電泳動電極50の直上またはその下流に設けられている。第2流入口13および第2流出口14は、流路10の上面に、流路10の左右方向に亘って略矩形状の開口部として形成されている。なお、第2流入口13および第2流出口14の大きさおよび開口形状は、これに限られるものではない。
【0061】
誘電泳動電極50は、外部から印加された交流電圧によって流体中に交流電界を発生する部材である。誘電泳動電極50は、発生させた交流電界により、流路10内を流れる粒子に誘電泳動力を印加し、粒子が流れる方向を制御できる。
図6に示すように、誘電泳動電極50は、壁状構造体31によって形成される経路32中において、センサ40の下流となる位置に配置されている。
【0062】
流路デバイス4は、センサ40によって検出された粒子の特性の違いによって、粒子がそれぞれ第1流出口12または第2流出口14から流出するように構成されている。したがって、流路デバイス4によれば、流路10中を流れる粒子をその特性ごとに分別することができる。
【0063】
流路デバイス4では、第1流入口11から流入した流体に含まれる粒子は、第2流入口13から流入した流体の流圧を受けて、主に流路10の下面付近を流れる。第1流入口11から流入する流体の流量と、第2流入口13から流入する流体の流量との比率は、粒子が流路10の下面付近を流れやすくなるような比率とすることが好ましい。
【0064】
そして、流路デバイス4では、それぞれの粒子は柱状構造体領域20を通過することで整列し、整列した状態の粒子が壁状構造体領域30に流入する。
図7に示すように、壁状構造体領域30に流入した粒子は、経路32においてセンサ40および誘電泳動電極50上を通過する。
【0065】
このとき、センサ40は、センサ40上を通過した粒子の特性を検出する。なお、本実施形態のように、センサ40が経路32上に2つ以上設けられる構成によれば、センサ40によって、粒子の特性に加えて粒子の速度情報を得ることができる。すなわち、流路デバイス4は、同一の経路32上において、1つ目のセンサ40上を粒子が通過してから、2つ目のセンサ40上を粒子が通過するまでの時間を算出することで、当該粒子の速度情報を算出できる。なお、
図6および
図7ではセンサ40が経路32上に2つ設けられている例を示しているが、これに限られず、センサ40の最適な位置および数が選択されてよい。
【0066】
粒子がセンサ40上を通過後、粒子は、センサ40の下流に設けられた誘電泳動電極50上を通過する。ここで、流路デバイス4では、それぞれ異なる特性を有する複数種類の粒子が流体中を流れている場合、センサ40で検出した粒子の特性および速度情報に基づき、特定の特性を有した粒子に対してのみ、誘電泳動電極50により誘電泳動力を印加できる。具体的には、流路デバイス4は、粒子の特性から、第2流出口14から流出させる粒子を特定する。そして、流路デバイス4は、粒子の速度情報から当該粒子が誘電泳動電極50上を通過するタイミングを算出し、誘電泳動電極50は、算出されたタイミングで、当該粒子に誘電泳動力を印可する。これにより、当該粒子の流れる方向を、第2流出口14の方向に制御できる。
【0067】
一方で、粒子の特性から、第2流出口14から流出させる粒子として特定された粒子以外については、誘電泳動電極50は誘電泳動力を印加しない。そのため、このような粒子は第2流出口14の方向には流れず、そのまま第1流出口12の方向に流れる。このとき、粒子は主に流路10の下面付近を流れているため、誘電泳動力を印加されていない粒子は、誤って第2流出口14の方向に流れることがない。したがって、流路デバイス4の構成によれば、流体中を流れる複数の異なる種類の粒子を、各粒子の特性によって、第1流出口12または第2流出口14のいずれかに流出させることができる。
【0068】
なお、上記は粒子を分別するための構成の一例である。本発明の一実施形態に係る流路デバイスによる、粒子を分別するための構成は特に限定されず、例えば、誘電泳動電極50を用いなくてもよい。本発明の一実施形態に係る流路デバイスは、例えば流出口の開閉を制御する構成など、従来公知の構成により、粒子を複数の異なる流出口に流出させて分別してもよい。
【0069】
なお、本実施形態では流入口および流出口がそれぞれ2つずつ設けられている例を示しているが、これに限られず、流路デバイス4が備える流入口および流出口の数は、最適な数が選択されてよい。
【0070】
また、流路デバイス4は、分別後の粒子についてさらに流路10内を流し、分別した粒子の集団ごとに流路内で何らかの処理を加える構成を備えていてもよい。分別した粒子に対して流路10内で行う処理としては、例えば、粒子を蛍光色素等により染色する染色処理が挙げられる。このような処理を行うことで、流路内に混在する複数種類の粒子を分別した後に、特定の粒子について蛍光を発するように染色できる。そのため、染色された粒子に対してさらに詳細な解析を行うことが可能となる。流路デバイス4は、このような処理を行った後に、粒子のそれぞれを異なる複数の流出口(例えば、第1流出口12と第2流出口14)から流出させてもよい。
【0071】
従来、流路内での粒子の流速の違いを利用して粒子を分別する場合に、一つの粒子の集団に、その他の集団の粒子の一部が混入してしまうという誤作動が生じていた。これは、流路内では壁面に近いほど流速が遅くなるため、流路内における粒子の位置的分散が、速度分散に直結することが原因である。
【0072】
一方、流路デバイス4では、流路10内に複数流れる粒子が、柱状構造体領域20を通過することで整列するため、整列した粒子と流路10の壁面との距離は、整列した粒子間では略同様になる。そのため、流路10内での粒子の速度分散を大きく低減できる。このように、流路デバイス4では、流路10を流れる粒子が整列して流れるため、粒子を分別する際の上記誤作動を大きく低減できる。
【0073】
また、本実施形態に係る流路デバイス4は、例えば、セルソータ等の、流体中粒子分別システムに備えられていることが好ましい。このような構成によれば、
図6および7に示すように、流体中粒子分別システムの分別対象である粒子について、流路デバイス4により分別を完結できる。したがって、コンパクトかつ高精度な流体中粒子分析システムを実現できる。
【0074】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る流路デバイスは、流体中を流れる粒子の流れる方向を制御する流路デバイスであって、上記流体の流れる流路は、上記流体を上記流路の外部から流入させる流入口と、上記流体を上記流路の外部へと流出させる流出口と、上記粒子の流れる方向が、上記流路における上記流体の流れる方向に対して、上記流路の一方の側面側に偏向するように配置された、複数の柱状構造体を含む柱状構造体列と、を備えており、上記柱状構造体列は、上記流入口と上記流出口との間に複数形成されている。
【0075】
上記構成によれば、流路デバイスが備える流路は、DLDの原理に基づいて粒子が偏向するように配置された柱状構造体列を備えている。これにより、流体中を流れる特定の粒子径を有する粒子は、DLDの原理に従って柱状構造体列に沿った方向に偏向して流れる。そのため、柱状構造体列が配置された領域を通過した粒子について、整列して流れる状態とすることができる。
【0076】
また、流路デバイスには、柱状構造体列が複数形成されている。流路を流れる粒子は、柱状構造体列が配置された領域に流入する際の粒子の位置によって、柱状構造体列の何れか1つに沿って流れる。複数の粒子が、それぞれ異なる柱状構造体列に沿って流れるように、柱状構造体列が配置された領域に流入することで、これらの粒子を同時並行的に、複数の列にそれぞれ整列させることができる。
【0077】
さらに、流路デバイスは、流路中に形成される柱状構造体列の配置によって、粒子を整列させることができる。このような構成により、粒子を整列させるために、流体の流れる方向を制御する等、流体自体に外力を加える必要がない。したがって、流路デバイスは、流体に外力を加えるための構成を備える必要がないため、コンパクトな構成とすることができる。
【0078】
本発明の態様2に係る流路デバイスは、上記態様1において、上記流路は、上記粒子が上記柱状構造体列から流れ出て通過する経路の少なくとも1つに沿って、上記流体の流れる方向に延伸する壁状構造体が形成されていてもよい。
【0079】
上記構成によれば、流路上に配置された柱状構造体列によって整列した粒子の通過経路に沿って、壁状構造体が形成されている。これにより、一度整列した粒子が、流速および流体の粘性等の条件に依存して異なる軌道に逸れて流れることを防止できる。
【0080】
本発明の態様3に係る流路デバイスは、上記態様1または2において、上記流路には、上記粒子の特性を検出可能なセンサが設けられていてもよい。上記構成によれば、センサを用いて、流路中を流れる粒子の検出および分析を行うことができる。
【0081】
本発明の態様4に係る流路デバイスは、上記態様3において、上記センサは、上記流路における、上記柱状構造体列が形成された領域と、上記流出口との間に設けられていてもよい。上記構成によれば、柱状構造体列が配置された領域を通過し、整列した状態の粒子の特性を、センサにより検出することができる。したがって、センサは、整列した状態の粒子について、その流れる順に検出できる。
【0082】
本発明の態様5に係る流路デバイスは、上記態様3または4において、上記流出口を複数備えており、上記センサによって検出された上記粒子の性質によって、上記粒子がそれぞれ異なる流出口から流出可能に構成されていてもよい。上記構成によれば、流体中を流れる粒子について、センサが検出した性質ごとに異なる流出口から流出させることができる。したがって、流路中を流れる粒子をその性質ごとに分別することができる。
【0083】
本発明の態様6に係る流体中粒子解析システムは、上記態様1から4のいずれかに記載の流路デバイスを備えている。
【0084】
本発明の態様7に係る流体中粒子分別システムは、上記態様1から5のいずれかに記載の流路デバイスを備えている。
【0085】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0086】
1、2、3、4 流路デバイス
10 流路
11 第1流入口(流入口)
12 第1流出口(流出口)
21 柱状構造体列
22 柱状構造体
31 壁状構造体
32 経路
40 センサ
101、102 粒子