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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052386
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】無線監視システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 24/04 20090101AFI20220328BHJP
   H04W 84/18 20090101ALI20220328BHJP
   H04W 4/38 20180101ALI20220328BHJP
   H04W 52/02 20090101ALI20220328BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W84/18
H04W4/38
H04W52/02 110
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158756
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】501428545
【氏名又は名称】株式会社デンソーウェーブ
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(72)【発明者】
【氏名】遠田 之久
【テーマコード(参考)】
5K067
【Fターム(参考)】
5K067AA26
5K067AA43
5K067BB27
5K067DD41
5K067EE02
5K067EE06
5K067EE10
5K067GG02
(57)【要約】
【課題】無線監視システムにおいて、異常が発生した場合に管理者は、センサが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくする。
【解決手段】無線監視システム(10)は、複数のセンサユニット(SU1、SU2)と、制御部(20)とを備える。第1センサユニット(SU1)は、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1送信時期に関する情報を含む第1所定信号を無線で送信した後に休止状態に移行する。第2センサユニット(SU2)は、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1所定信号を受信した後に休止状態に移行し、第1所定信号を受信した状態に関する情報を含む第2所定信号を、第2送信時期に対応して休止状態から起動して無線で送信した後に休止状態に移行する。制御部は、受信した第1所定信号及び第2所定信号に基づいて複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知する。
【選択図】 図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の検出を行うセンサを備え、前記センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットから受信した前記検出結果に基づいて、所定の処理を実行する制御部と、
を備える無線監視システムであって、
前記複数のセンサユニットは、第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1送信時期に関する情報を含む第1所定信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第1センサユニットと、前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信した後に前記休止状態に移行し、前記第1所定信号を受信した状態に関する情報を含む第2所定信号を、第2送信時期に対応して前記休止状態から起動して無線で送信した後に前記休止状態に移行する第2センサユニットとを含み、
前記制御部は、前記複数のセンサユニットから前記第1所定信号及び前記第2所定信号を受信し、受信した前記第1所定信号及び前記第2所定信号に基づいて前記複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知する、無線監視システム。
【請求項2】
前記第1センサユニットは、前記第1送信時期を疑似乱数に基づいて設定し、
前記第1送信時期に関する情報は、生成される前記疑似乱数を特定可能とする乱数特定情報である、請求項1に記載の無線監視システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記乱数特定情報に基づいて前記第1送信時期を特定し、特定した前記第1送信時期を含む送信時期情報を無線で送信し、
前記第2センサユニットは、前記制御部から前記送信時期情報を受信する、請求項2に記載の無線監視システム。
【請求項4】
前記第2所定信号は、前記第2送信時期に関する情報を含み、
前記制御部は、前記乱数特定情報に基づいて前記第1送信時期を特定し、前記第2センサユニットから受信した前記第2所定信号に基づいて前記第2送信時期を特定し、特定した前記第1送信時期と前記第2送信時期とが重なる場合に、前記第2送信時期を変更する第1変更信号を無線で送信し、
前記第2センサユニットは、前記制御部から前記第1変更信号を受信し、受信した前記第1変更信号に基づいて前記第2送信時期を変更する、請求項3に記載の無線監視システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記第1センサユニットから前記第1所定信号を受信すべき時期に前記第1所定信号を受信しなかったことを条件として、前記第1所定信号を代理で受信することを指示する代理受信信号を無線で送信し、
前記第2センサユニットは、前記制御部から代理受信信号を受信したことを条件として、前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信する、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項6】
前記第2センサユニットは、前記第1送信時期に毎回対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信する、請求項1~4のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1センサユニットが前記第1所定信号を送信する時期が時間経過に伴ってずれる量である経時ずれ量を算出し、前記第2センサユニットが前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動する時期を前記経時ずれ量に基づいて補正した補正起動時期を含む補正情報を無線で送信し、
前記第2センサユニットは、前記制御部から前記補正情報を受信し、前記第1送信時期に代えて前記補正起動時期に対応して前記休止状態から起動して、前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信した後に前記休止状態に移行する、請求項1~6のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項8】
前記判定結果は、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットを示す情報と、前記第2センサユニットから前記制御部が受信した前記第2所定信号とを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項9】
前記判定結果は、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットを示す情報と、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットの異常原因を推定した推定結果とを含む、請求項1~7のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【請求項10】
前記制御部は、所定の第2センサユニットの前記第2送信時期に前記所定の第2センサユニットから前記第2所定信号を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、前記所定の第2センサユニットの前記第2送信時期を変更する第2変更信号を、前記所定の第2センサユニットへ無線で送信し、
前記所定の第2センサユニットは、前記制御部から前記第2変更信号を受信し、受信した前記第2変更信号に基づいて前記所定の第2センサユニットの前記第2送信時期を変更する、請求項1~9のいずれか1項に記載の無線監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、侵入者を検知して侵入情報を無線送信するとともに正常動作信号を一定時間毎に無線送信する複数の侵入検知部と、侵入検知部から受信した侵入情報に基づいて警報情報を携帯端末に無線送信する監視部と、を備える無線監視システムがある(特許文献1参照)。特許文献1に記載の無線監視システムでは、監視部は、正常動作信号の一定時間毎の受信を確認できない場合には、侵入検知部が故障したと判断して故障情報を携帯端末に無線送信する。無線監視システムの管理者は、携帯端末を携帯しており、警報情報又は故障情報の受信時に、警報情報又は故障情報の対象の侵入検知部が設置された現地へ行って対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-163659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の無線監視システムでは、管理者は、携帯端末が故障情報を受信した場合に、侵入検知部が設置された現地へ行って状況を確認する必要がある。このため、現地で侵入検知部の故障原因を判断する必要があり、現地での対応に長時間がかかったり、種々の故障原因を予想して多くの機器を現地へ運んだりする必要がある。
【0005】
なお、侵入者を検知する無線監視システムに限らず、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムであれば、こうした実情は概ね共通している。近年、自動化の要求から使用するセンサの数が増加しており、上記問題がより顕著となっている。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その主たる目的は、センサによる検出結果を無線で送受信する無線監視システムにおいて、異常が発生した場合に管理者は、センサが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための第1の手段は、無線監視システムであって、
所定の検出を行うセンサを備え、前記センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である複数のセンサユニットと、
前記複数のセンサユニットから受信した前記検出結果に基づいて、所定の処理を実行する制御部と、
を備える無線監視システムであって、
前記複数のセンサユニットは、第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1送信時期に関する情報を含む第1所定信号を無線で送信した後に前記休止状態に移行する第1センサユニットと、前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信した後に前記休止状態に移行し、前記第1所定信号を受信した状態に関する情報を含む第2所定信号を、第2送信時期に対応して前記休止状態から起動して無線で送信した後に前記休止状態に移行する第2センサユニットとを含み、
前記制御部は、前記複数のセンサユニットから前記第1所定信号及び前記第2所定信号を受信し、受信した前記第1所定信号及び前記第2所定信号に基づいて前記複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知する。
【0008】
上記構成によれば、複数のセンサユニットは、所定の検出を行うセンサを備え、センサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能である。制御部は、複数のセンサユニットから受信した検出結果に基づいて、所定の処理を実行する。例えば、センサが窓の開閉状態を検出する開閉センサであり、制御部がセンサユニットから窓が開いた状態になったことを受信すると、制御部は警報信号を送信する。
【0009】
複数のセンサユニットは、第1センサユニットと第2センサユニットとを含んでいる。第1センサユニットは、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1所定信号を無線で送信した後に休止状態に移行する。このため、第1所定信号を無線で送信しない時の第1センサユニットの電力消費を抑制することができる。ここで、第1所定信号は、第1送信時期に関する情報を含んでいる。このため、第1所定信号に基づいて、第2センサユニットは第1送信時期を把握することができる。なお、第2センサユニットは、第1所定信号を受信した制御部からの信号に基づいて第1送信時期を把握してもよいし、第1所定信号を直接受信して第1送信時期を把握してもよい。第1センサユニットは、送信のみ可能なセンサユニットでもよいし、送受信可能なセンサユニットでもよい。
【0010】
第2センサユニットは、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を受信した後に休止状態に移行する。すなわち、第2センサユニットは、第1センサユニットが第1所定信号を無線で送信する送信時期には、自身が第2所定信号を無線で送信する第2送信時期でなくても起動し、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を受信した後に休止状態に移行する。このため、第2センサユニットは、第1センサユニットから第1所定信号を受信したか否か、受信した第1所定信号の強度等、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を自身が受信した状態に関する情報を取得することができる。第2センサユニットは、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を受信した後に休止状態に移行するため、第1所定信号を受信しない時の第2センサユニットの電力消費を抑制することができる。
【0011】
そして、第2センサユニットは、第1所定信号を受信した状態に関する情報を含む第2所定信号を、第2送信時期に対応して休止状態から起動して無線で送信した後に休止状態に移行する。制御部は、複数のセンサユニットから第1所定信号及び第2所定信号を受信し、受信した第1所定信号及び第2所定信号に基づいて複数のセンサユニットの状態を判定して判定結果を報知する。例えば、制御部は、第1送信時期に第1センサユニットから第1所定信号を受信しなかった場合に、何らかの異常が発生したと判定することができる。さらに、制御部は、第2センサユニットから受信した第2所定信号に基づいて、第1センサユニットが第1所定信号を無線で送信した状態を把握した上で、第1センサユニットの状態を判定して判定結果を報知することができる。例えば、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を第2センサユニットが受信したか否かを示す情報を第2所定信号が含み、制御部が第1センサユニットから第1所定信号を受信することができない異常が生じ、且つ第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を第2センサユニットが受信していたとする。この場合は、第1センサユニットが第1所定信号を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。したがって、無線監視システムの管理者は、センサユニットが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0012】
第2の手段では、前記第1センサユニットは、前記第1送信時期を疑似乱数に基づいて設定し、前記第1送信時期に関する情報は、生成される前記疑似乱数を特定可能とする乱数特定情報である。
【0013】
上記構成によれば、第1センサユニットは、第1送信時期を疑似乱数に基づいて設定する。このため、第1送信時期を毎回変更することができ、第1センサユニットの第1所定信号の送信時期(第1送信時期)が、自身以外のセンサユニットの第1所定信号又は第2所定信号の送信時期(第1送信時期又は第2送信時期)に重なることを抑制することができる。
【0014】
ここで、第1送信時期に関する情報は、生成される疑似乱数を特定可能とする乱数特定情報である。このため、第1所定信号に含まれる乱数特定情報に基づいて、第2センサユニットは第1送信時期を把握することができる。したがって、疑似乱数に基づいて第1送信時期が毎回変更されても、第2センサユニットは、第1送信時期を特定することができ、第1送信時期に対応して休止状態から起動することができる。
【0015】
第3の手段では、前記制御部は、前記乱数特定情報に基づいて前記第1送信時期を特定し、特定した前記第1送信時期を含む送信時期情報を無線で送信し、前記第2センサユニットは、前記制御部から前記送信時期情報を受信する。こうした構成によれば、制御部が乱数特定情報に基づいて第1送信時期を特定して送信時期情報を送信し、第2センサユニットは制御部から送信時期情報を受信することで、第1送信時期を把握することができる。
【0016】
第4の手段では、前記第2所定信号は、前記第2送信時期に関する情報を含み、前記制御部は、前記乱数特定情報に基づいて前記第1送信時期を特定し、前記第2センサユニットから受信した前記第2所定信号に基づいて前記第2送信時期を特定し、特定した前記第1送信時期と前記第2送信時期とが重なる場合に、前記第2送信時期を変更する第1変更信号を無線で送信し、前記第2センサユニットは、前記制御部から前記第1変更信号を受信し、受信した前記第1変更信号に基づいて前記第2送信時期を変更する。こうした構成によれば、第1送信時期と第2送信時期とが重なる場合に第1変更信号を受信可能な第2センサユニットの第2送信時期を変更することにより、第1送信時期と第2送信時期とをずらすことができる。
【0017】
第5の手段では、前記制御部は、前記第1センサユニットから前記第1所定信号を受信すべき時期に前記第1所定信号を受信しなかったことを条件として、前記第1所定信号を代理で受信することを指示する代理受信信号を無線で送信し、前記第2センサユニットは、前記制御部から代理受信信号を受信したことを条件として、前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信する。
【0018】
上記構成によれば、制御部は、第1センサユニットから第1所定信号を受信すべき時期に第1所定信号を受信しなかったことを条件として、第1所定信号を代理で受信することを指示する代理受信信号送信する。このため、制御部は、第1センサユニットから第1所定信号を受信すべき時期に第1所定信号を受信しなかった場合は、第1所定信号を代理で受信することを代理受信信号により指示することができる。一方、制御部は、第1センサユニットから第1所定信号を受信すべき時期に第1所定信号を受信した場合には、代理受信信号を無線で送信しない。
【0019】
そして、第2センサユニットは、制御部から代理受信信号を受信した場合に、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を受信する。一方、第2センサユニットは、制御部から代理受信信号を受信していない場合には、第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を受信することをしない。このため、制御部が第1センサユニットから第1所定信号を受信すべき時期に第1所定信号を受信した場合、すなわち第1センサユニットが正常と推定される場合は、第1送信時期に対応した第2センサユニットの休止状態からの起動を行わないようにすることができ、第2センサユニットの電力消費を抑制することができる。
【0020】
第6の手段では、前記第2センサユニットは、前記第1送信時期に毎回対応して前記休止状態から起動して前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信する。このため、第2センサユニットは、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を自身が受信した状態に関する情報を、第1送信時期に対応して毎回取得することができる。そして、制御部は、第2センサユニットから受信した第2所定信号に基づいて、第1送信時期に対応して第1センサユニットが第1所定信号を無線で送信した状態を、毎回把握することきができる。したがって、第1センサユニットから制御部に第1所定信号が届かなかった場合でも、制御部は第1センサユニットが第1所定信号を無線で送信した状態を迅速に把握することができる。
【0021】
第1センサユニットが第1所定信号を送信する第1送信時期は、例えば第1センサユニットが内蔵する時計の時刻に基づいて設定される。このため、時間の経過に伴って時計の時刻が正しい時刻からずれると、第1送信時期も正しい第1送信時期からずれることとなる。この第1送信時期のずれに対応すべく、第2センサユニットが第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1所定信号を受信する時期を長く設定すると、第2センサユニットの電力消費が増加することとなる。
【0022】
この点、第7の手段では、前記制御部は、前記第1センサユニットが前記第1所定信号を送信する時期が時間経過に伴ってずれる量である経時ずれ量を算出し、前記第2センサユニットが前記第1送信時期に対応して前記休止状態から起動する時期を前記経時ずれ量に基づいて補正した補正起動時期を含む補正情報を無線で送信し、前記第2センサユニットは、前記制御部から前記補正情報を受信し、前記第1送信時期に代えて前記補正起動時期に対応して前記休止状態から起動して、前記第1センサユニットが無線で送信した前記第1所定信号を受信した後に前記休止状態に移行する。こうした構成によれば、第2センサユニットが第1送信時期に対応して休止状態から起動して第1所定信号を受信する時期を長く設定する必要がないため、第2センサユニットの電力消費が増加することを抑制することができる。
【0023】
第8の手段では、前記判定結果は、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットを示す情報と、前記第2センサユニットから前記制御部が受信した前記第2所定信号とを含む。
【0024】
上記構成によれば、判定結果は、第2センサユニットから制御部が受信した第2所定信号を含んでいる。そして、第2所定信号は、第1センサユニットが無線で送信した第1所定信号を第2センサユニットが受信した状態に関する情報を含んでいる。このため、無線監視システムの管理者は、報知された判定結果に基づいて異常原因を特定しやすくなり、センサユニットが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0025】
第9の手段では、前記判定結果は、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットを示す情報と、前記第1所定信号を送信していることを確認できなかった第1センサユニットの異常原因を推定した推定結果とを含む。
【0026】
上記構成によれば、判定結果は、第1所定信号を送信していることを確認できなかったセンサユニットの異常原因を推定した推定結果を含んでいる。このため、無線監視システムの管理者は、報知された判定結果により異常原因の推定結果を知ることができ、センサユニットが設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0027】
第10の手段では、前記制御部は、所定の第2センサユニットの前記第2送信時期に前記所定の第2センサユニットから前記第2所定信号を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、前記所定の第2センサユニットの前記第2送信時期を変更する第2変更信号を、前記所定の第2センサユニットへ無線で送信し、前記所定の第2センサユニットは、前記制御部から前記第2変更信号を受信し、受信した前記第2変更信号に基づいて前記所定の第2センサユニットの前記第2送信時期を変更する。こうした構成によれば、所定の第2センサユニットの第2送信時期を変更することにより、制御部が所定の第2センサユニットの異常を判定することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】コントローラ及び複数のセンサユニットを示すブロック図。
図2】センサユニットの起動予定の一例を示す図。
図3】低消費モードにおいて所定信号I1をコントローラが受信できない場合の態様を示す模式図。
図4】高精度モードにおいて所定信号I1をコントローラが受信できない場合の態様を示す模式図。
図5】低消費モードにおいて所定信号I1と所定信号I2とが重なる場合の態様を示す模式図。
図6】所定信号I2を受信する処理をコントローラが実行できなかった場合の態様を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、オフィスや住宅への不法侵入を検知する無線監視システムに具現化した一実施例について、図面を参照して説明する。図1に示すように、無線監視システム10は、コントローラ20、及びセンサユニットSU1,SU2(複数のセンサユニット)を備えている。
【0030】
コントローラ20(制御部)は、センサユニットSU1,SU2と無線通信を行い、安全監視動作を行う。コントローラ20は、データ処理部21、無線送信部23、及び無線受信部24等を備えている。データ処理部21は、CPU、ROM、RAM、記憶装置、入出力インターフェース等を備えるマイクロコンピュータにより構成されている。無線送信部23は、データ処理部21からの指令に基づいて、センサユニットSU2へ信号を無線で送信する。無線受信部24は、センサユニットSU1,SU2から無線で送信された信号を受信し、データ処理部21へ出力する。
【0031】
センサユニットSU1(第1センサユニット)は、同様に、データ処理部31、及び無線送信部32を備えている。すなわち、センサユニットSU1は信号の送信を行い、信号の受信を行わない送信専用のセンサユニットである。センサユニットSU1は、マグネットセンサ34及びセンサ検出部35を備えている。マグネットセンサ34(開閉センサ)は、例えばオフィスの窓やドア(扉)に取り付けられており、窓やドアが開けられたことを検出(所定の検出)して信号を出力する。センサ検出部35は、マグネットセンサ34から信号を入力し、データ処理部31へ出力する。データ処理部31は、センサ検出部35から信号を入力すると、無線送信部32により、コントローラ20へ検出信号を無線で送信させる。検出信号は、窓やドアが開けられたこと(所定状態)を検出したことを示す信号であり、センサユニットSU1を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。
【0032】
センサユニットSU1は、図示しない電池から供給される電力により動作する。電池の消耗を抑制するため、センサユニットSU1は、信号を送信する期間を除いてスリープ状態(休止状態)になっている。スリープ状態では、無線送信部32は停止しており(センサユニットSU1の一部の機能のみが動作しており)、センサユニットSU1の電力消費量が抑制される。センサユニットSU1は、マグネットセンサ34(自身のセンサ)が窓やドアが開けられたことを検出した時にスリープ状態から起動して送信可能状態(通常動作状態)となり、上記検出信号を無線で送信した後にスリープ状態に移行する第3処理を実行する。
【0033】
センサユニットSU2(第2センサユニット)は、無線受信部43を備えていることを除いて、センサユニットSU1と同様の構成を備えており、センサユニットSU1と同様の処理を実行する。具体的には、センサユニットSU2は、センサユニットSU1のデータ処理部31、無線送信部32、マグネットセンサ34、及びセンサ検出部35に対応して、データ処理部41、無線送信部42、マグネットセンサ44、及びセンサ検出部45を備えている。無線受信部43は、センサユニットSU1及びコントローラ20から無線で送信された信号を受信し、データ処理部41へ出力する。
【0034】
コントローラ20は、センサユニットSU1,SU2のいずれかから検出信号を受信すると、無線監視システム10の動作を監視するセンターへ検出信号の通知(所定の処理)を行う。コントローラ20は、センターへの通知と共に、又はセンターへの通知に代えて、所定の処理として、無線監視システム10において警報を鳴らしたり、音声により警告を行ったり、警告灯を点灯させたりしてもよい。
【0035】
無線監視システム10の管理者(作業者)は、無線監視システム10の設置時に、コントローラ20及びセンサユニットSU1,SU2が、以下のように動作するように送受信設定を行う。
【0036】
すなわち、センサユニットSU1,SU2は、それぞれ正常動作信号N1,N2、及び乱数特定情報T1,T2を含む所定信号I1(N1,T1),I2(N2,T2)を、無線で送信する。
【0037】
正常動作信号N1,N2は、それぞれセンサユニットSU1,SU2が正常に動作していることを示す信号であり、それぞれセンサユニットSU1,SU2を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。
【0038】
センサユニットSU1は、所定信号I1(N1,T1)(第1所定信号)を送信する時期である第1送信時期T1(n)を、疑似乱数に基づいて設定する。すなわち、第1送信時期T1(n)は、毎回不規則に変化するが予測可能である。第1送信時期T1(n)はセンサユニットSU1のn回目の第1送信時期であり、第1送信時期T1(n+1)はセンサユニットSU1の(n+1)回目の第1送信時期である。
【0039】
疑似乱数として、例えばM系列のPN符号を採用することができる。M系列のPN符号による疑似乱数は、シフトレジスタの段数及び初期値に基づいて特定することができる。乱数特定情報T1(第1送信時期に関する情報)は、シフトレジスタの段数及び初期値(生成される疑似乱数を特定可能とする情報)を含んでいる。同様に、センサユニットSU2は、所定信号I2(N2,T2)を送信する時期である第2送信時期T2(n)を、疑似乱数に基づいて設定する。乱数特定情報T2(第2送信時期に関する情報)は、シフトレジスタの段数及び初期値(生成される疑似乱数を特定可能とする情報)を含んでいる。なお、疑似乱数としては、PN符号に限らず、平方採中法、線形合同法、メルセンヌ・ツイスタ、Xorshift等、周知のアルゴリズムを採用することができる。
【0040】
センサユニットSU1は、所定信号I1(N1,T1)を送信後、速やかにスリープ状態に移行する。センサユニットSU2は、所定信号I2(N2,T2)を送信後、送受信可能状態を一定期間維持する。
【0041】
コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2)を受信すると、受信確認信号AC2を無線で送信する。受信確認信号AC2は、センサユニットSU2から所定信号I2(N2,T2)を受信したことを示す信号であり、センサユニットSU2を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。センサユニットSU2は、受信確認信号AC2を受信した後、スリープ状態に移行する。
【0042】
本実施形態では、コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信しなかったことを条件として、所定信号I1(N1,T1)を代理で受信することをセンサユニットSU2に指示する代理受信信号D2を無線で送信する。代理受信信号D2は、センサユニットSU2を識別する情報(識別番号等)を含んでいる。すなわち、コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信しなかった場合は、所定信号I1(N1,T1)を代理で受信することをセンサユニットSU2に代理受信信号D2により指示する。一方、コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信した場合には、代理受信信号D2を無線で送信しない。
【0043】
ここでは、コントローラ20は、乱数特定情報T1に基づいて第1送信時期T1(n)を特定し、特定した第1送信時期T1(n)を含む受信確認信号AC2(D2,T1(n))を、センサユニットSU2が送受信可能状態である期間に無線で送信する。センサユニットSU2は、送受信可能状態である期間にコントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1(n))を受信する。なお、受信確認信号AC2(D2,T1(n))は、送信時期情報に相当する。
【0044】
センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1(n))に含まれる代理受信信号D2を受信したことを条件として、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信する。すなわち、センサユニットSU2は、コントローラ20から代理受信信号D2を受信した場合に、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信する。一方、センサユニットSU2は、コントローラ20から代理受信信号D2を受信していない場合には、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信することをしない。
【0045】
センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を送信する第1送信時期T1(n)は、例えばセンサユニットSU1が内蔵する時計(クロック)の時刻を基準として(時計の時刻に基づいて)設定される。このため、時間の経過に伴って時計の時刻が正しい時刻からずれると、第1送信時期T1(n)も正しい第1送信時期T1(n)からずれることとなる。この第1送信時期T1(n)のずれに対応すべく、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動して所定信号I1(N1,T1)を受信する時期を長く設定すると、センサユニットSU2の電力消費が増加することとなる。
【0046】
そこで、コントローラ20は、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を送信する時期が時間経過に伴ってずれる量である経時ずれ量Te1を算出する。例えば、センサユニットSU1は、内蔵する時計(クロック)により、前回に所定信号I1(N1,T1)を送信してから、今回に所定信号I1(N1,T1)を送信するまでのクロックカウント数C1(経過時間)を計測し、所定信号I1(N1,T1)にクロックカウント数C1を含めて送信する。コントローラ20は、クロックカウント数C1を含む所定信号I1(N1,T1)を受信する。コントローラ20は、内蔵する時計(クロック)により、前回に所定信号I1(N1,T1)を受信してから、今回に所定信号I1(N1,T1)を受信するまでのクロックカウント数Cc(経過時間)を計測する。コントローラ20は、クロックカウント数C1とクロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、経時ずれ量Te1を算出する。
【0047】
そして、コントローラ20は、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動する時期を、経時ずれ量Te1に基づいて補正した補正起動時期T1r(n)を含む受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を、センサユニットSU2が送受信可能状態である期間に無線で送信する。すなわち、コントローラ20は、上記受信確認信号AC2(D2,T1(n))に代えて、補正起動時期T1r(n)を含む受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を、センサユニットSU2が送受信可能状態である期間に無線で送信する。なお、受信確認信号AC2(D2,T1r(n))は、補正情報に相当する。
【0048】
センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を受信し、第1送信時期T1(n)に代えて補正起動時期T1r(n)に対応して休止状態から起動して、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信した後に休止状態に移行する。センサユニットSU2は、所定信号I1(N1,T1)を受信した状態に関する情報A12を含む所定信号I2(N2,T2,A12)を、第2送信時期T2(n)に対応して休止状態から起動して無線で送信した後に休止状態に移行する。情報A12は、例えばセンサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した強度を示す情報である。なお、所定信号I2(N2,T2,A12)は、第2所定信号に相当する。以上により、コントローラ20とセンサユニットSU1,SU2との送受信設定を終了する。
【0049】
図2は、センサユニットSU1,SU2の起動予定の一例を示す図である。
【0050】
起動予定は、センサユニットSU1,SU2が、それぞれ自身発報(第1処理)を実行する時刻を設定している。自身発報は、センサユニットSU1,SU2がそれぞれ疑似乱数に基づいて設定した時刻(送信時期)にスリープ状態から起動して、それぞれ所定信号I1(N1,T1),I2(N2,T2)を無線で送信した後にスリープ状態に移行する処理である。
【0051】
例えば、疑似乱数に基づいて設定した第1送信時期T1(n)において、センサユニットSU1がスリープ状態から起動して、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信する。センサユニットSU2はスリープ状態を継続する。
【0052】
疑似乱数に基づいて設定した第2送信時期T2(n)において、センサユニットSU2がスリープ状態から起動して、所定信号I2(N2,T2)を無線で送信する。センサユニットSU1はスリープ状態を継続する。その後、全てのセンサユニットSU1,SU2がスリープ状態に移行する。そして、所定時間の経過後に、同様の処理が繰り返される。所定時間は、例えば数時間~24時間に設定することができる。
【0053】
図3は、低消費モードにおいて所定信号I1をコントローラが受信できない場合の態様を示す模式図である。
【0054】
第2送信時期T2(n-1)において、センサユニットSU2が所定信号I2(N2,T2)を送信する。コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2)を受信すると、受信確認信号AC2を無線で送信する。また、コントローラ20は、上記クロックカウント数C1と上記クロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、上記経時ずれ量Te1を算出する。センサユニットSU2は、受信確認信号AC2を受信すると、自身とコントローラ20との通信が正常であると判定し、スリープ状態に移行する。
【0055】
第1送信時期T1(n)において、センサユニットSU1が、所定信号I1(N1,T1)を送信する。コントローラ20は、センサユニットSU1から、所定信号I1(N1,T1)を受信すると、自身とセンサユニットSU1との通信が正常であると判定する。なお、コントローラ20は、センサユニットSU1からの所定信号I1(N1,T1)に対しては、受信確認信号を無線で送信しない。その後、センサユニットSU1,SU2は、所定信号I1(N1,T1),I2(N2,T2)の送信を繰り返す。また、コントローラ20は、上記クロックカウント数C1と上記クロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、上記経時ずれ量Te1を算出する。
【0056】
ここで、第1送信時期T1(n+k)において、センサユニットSU1が、所定信号I1(N1,T1)を送信する。センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1,T1)を、コントローラ20は受信することができなかったとする。
【0057】
第2送信時期T2(n+k)において、センサユニットSU2が、所定信号I2(N2,T2)を送信する。コントローラ20は、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n+k+1)に対応して休止状態から起動する時期を、経時ずれ量Te1に基づいて補正した補正起動時期T1r(n+k+1)を算出する。コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2)を受信すると、受信確認信号AC2に代理受信信号D2及び補正起動時期T1r(n+k+1)を含めて、受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k+1))を無線で送信する。センサユニットSU2は、受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k+1))を受信する。なお、受信確認信号AC2、代理受信信号D2、及び補正起動時期T1r(n+k+1)を、個別の信号として送信することもできる。
【0058】
センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k+1))に含まれる代理受信信号D2を受信したことを条件として、補正起動時期T1r(n+k+1)に対応して休止状態から起動して、第1送信時期T1(n+k+1)にセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を代理受信する。なお、センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1,T1)を、コントローラ20は受信することができなかったとする。
【0059】
第2送信時期T2(n+k+1)において、センサユニットSU2が所定信号I2(N2,T2,A12)を送信する。情報A12は、センサユニットSU2が所定信号I1(N1,T1)を受信した強度を示す情報である。コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2,A12)を受信する。ここでは、情報A12は、所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した強度が所定強度よりも大きいこと、すなわち所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が正常に受信したことを示しているとする。コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,T2,A12)を受信した場合、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,T2,A12)とを、センターへ通知する。すなわち、コントローラ20は、センサユニットSU1,SU2から所定信号I1,I2を受信し、受信した所定信号I1,I2に基づいてセンサユニットSU1,SU2の異常(状態)を判定して判定結果をセンターへ通知(報知)する。
【0060】
なお、センサユニットSU2が所定信号I1(N1,T1)を受信した強度を示す情報A12は、自身以外のセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を自身が受信したか否かを示す情報であるともいえる。例えば、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した強度が略0であることを示す情報A12≒0(<検出可能強度)は、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信していないことを示している。検出可能強度は、センサユニットSU2が信号を受信したと判定する最小の受信強度である。また、所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した強度が検出可能強度よりも大きく且つ所定強度よりも小さい場合は、所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した強度が小さいことを示している。
【0061】
図4は、高精度モードにおいて所定信号I1をコントローラが受信できない場合の態様を示す模式図である。コントローラ20は、図3の低消費モード及び図4の高精度モードのいずれかを選択して実行することができる。
【0062】
第2送信時期T2(n-1)において、センサユニットSU2が所定信号I2(N2,T2,A12)を送信する。ここでは、所定信号I2(N2,T2,A12)は、情報A12を含んでいる。コントローラ20は、センサユニットSU2から所定信号I2(N2,T2,A12)を受信し、受信した所定信号I2(N2,T2,A12)に基づいてセンサユニットSU1の異常(状態)を判定して判定結果をセンターへ通知(報知)する。
【0063】
コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2,A12)を受信すると、受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を無線で送信する。すなわち、コントローラ20は、センサユニットSU2にセンサユニットSU1からの所定信号I1(N1,T1)を毎回代理受信することを指示する。コントローラ20は、上記クロックカウント数C1と上記クロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、上記経時ずれ量Te1を算出する。コントローラ20は、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動する補正起動時期T1r(n)を指示する。センサユニットSU2は、受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を受信すると、自身とコントローラ20との通信が正常であると判定し、スリープ状態に移行する。
【0064】
第1送信時期T1(n)において、センサユニットSU1が、所定信号I1(N1,T1)を送信する。コントローラ20は、センサユニットSU1から、所定信号I1(N1,T1)を受信すると、自身とセンサユニットSU1との通信が正常であると判定する。また、センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n))に含まれる代理受信信号D2を受信したことを条件として、補正起動時期T1r(n)に対応して休止状態から起動して、第1送信時期T1(n)にセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を代理受信する。その後、センサユニットSU1,SU2は、所定信号I1(N1,T1),I2(N2,T2,A12)の送信を繰り返す。また、コントローラ20は、上記クロックカウント数C1と上記クロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、上記経時ずれ量Te1を算出する。
【0065】
ここで、第1送信時期T1(n+k)において、センサユニットSU1が、所定信号I1(N1,T1)を送信する。センサユニットSU1が送信した所定信号I1(N1,T1)を、コントローラ20は受信することができなかったとする。このとき、センサユニットSU2は、コントローラ20から受信した受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k))に代理受信信号D2が含まれているため、補正起動時期T1r(n+k)に対応して休止状態から起動して、第1送信時期T1(n+k)にセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を代理受信する。
【0066】
第2送信時期T2(n+k)において、センサユニットSU2が所定信号I2(N2,T2,A12)を送信する。コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2,A12)を受信する。コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,T2,A12)を受信した場合、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,T2,A12)とを、センターへ通知する。
【0067】
コントローラ20は、センサユニットSU2から、所定信号I2(N2,T2,A12)を受信すると、受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k+1))を無線で送信する。すなわち、コントローラ20は、センサユニットSU2にセンサユニットSU1からの所定信号I1(N1,T1)を毎回代理受信することを指示する。コントローラ20は、上記クロックカウント数C1と上記クロックカウント数Ccとの偏差に基づいて、上記経時ずれ量Te1を算出する。コントローラ20は、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n+k+1)に対応して休止状態から起動する補正起動時期T1r(n+k+1)を指示する。センサユニットSU2は、受信確認信号AC2(D2,T1r(n+k+1))を受信すると、自身とコントローラ20との通信が正常であると判定し、スリープ状態に移行する。
【0068】
以上詳述した本実施形態は、以下の利点を有する。
【0069】
・複数のセンサユニットは、センサユニットSU1とセンサユニットSU2とを含んでいる。センサユニットSU1は、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動して所定信号I1(N1,T1)を無線で送信した後に休止状態に移行する。このため、所定信号I1(N1,T1)を無線で送信しない時のセンサユニットSU1の電力消費を抑制することができる。センサユニットSU1は、送信専用のセンサユニットを採用することができる。ここで、所定信号I1(N1,T1)は、第1送信時期T1(n)に関する情報(T1)を含んでいる。このため、所定信号I1(N1,T1)に基づいて、センサユニットSU2は第1送信時期T1(n)を把握することができる。
【0070】
・センサユニットSU2は、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信した後に休止状態に移行する。すなわち、センサユニットSU2は、所定条件が成立した場合に、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信する送信時期には、自身が所定信号I2(N2,T2)を無線で送信する第2送信時期T2(n)でなくても起動し、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信した後に休止状態に移行する。このため、センサユニットSU2は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信したか否か、受信した所定信号I1(N1,T1)の強度等、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を自身が受信した状態に関する情報を取得することができる。センサユニットSU2は、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信した後に休止状態に移行するため、所定信号I1(N1,T1)を受信しない時のセンサユニットSU2の電力消費を抑制することができる。
【0071】
・センサユニットSU2は、所定信号I1(N1,T1)を受信した状態に関する情報A12を含む所定信号I2(N2,T2,A12)を、第2送信時期T2(n)に対応して休止状態から起動して無線で送信した後に休止状態に移行する。コントローラ20は、センサユニットSU1,SU2から所定信号I1(N1,T1)及び所定信号I2(N2,T2)を受信し、受信した所定信号I1(N1,T1)及び所定信号I2(N2,T2)に基づいてセンサユニットSU1,SU2の状態を判定して判定結果を報知する。例えば、コントローラ20は、第1送信時期T1(n)にセンサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信しなかった場合に、何らかの異常が発生したと判定することができる。
【0072】
・コントローラ20は、センサユニットSU2から受信した所定信号I2(N2,T2,A12)に基づいて、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信した状態を把握した上で、センサユニットSU1の状態を判定して判定結果を報知することができる。例えば、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信したか否かを示す情報A12を所定信号I2(N2,T2,A12)が含み、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信することができない異常が生じ、且つセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信していたとする。この場合は、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信していないことを、異常原因から除外することができる。したがって、無線監視システム10の管理者は、センサユニットSU1が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0073】
・センサユニットSU1,SU2は、第1送信時期T1(n),第2送信時期T2(n)を疑似乱数に基づいて設定する。このため、第1送信時期T1(n),第2送信時期T2(n)を毎回変更することができ、センサユニットSU1,SU2の所定信号I1(N1,T1),所定信号I2(N2,T2)の送信時期が、自身以外のセンサユニットの所定信号I1(N1,T1)又は所定信号I2(N2,T2)の送信時期(第1送信時期T1(n)又は第2送信時期T2(n))に重なることを抑制することができる。
【0074】
・第1送信時期T1(n),第2送信時期T2(n)に関する情報は、生成される疑似乱数を特定可能とする乱数特定情報T1,T2である。このため、所定信号I1(N1,T1)に含まれる乱数特定情報T1に基づいて、センサユニットSU2は第1送信時期T1(n)を把握することができる。したがって、疑似乱数に基づいて第1送信時期T1(n)が毎回変更されても、センサユニットSU2は、第1送信時期T1(n)を特定することができ、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動することができる。
【0075】
・コントローラ20は、乱数特定情報T1に基づいて第1送信時期T1(n)を特定し、特定した第1送信時期T1(n)(補正起動時期T1r(n))を含む受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を無線で送信し、センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を受信する。こうした構成によれば、コントローラ20が乱数特定情報T1に基づいて第1送信時期T1(n)を特定して受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を送信し、センサユニットSU2はコントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を受信することで、第1送信時期T1(n)を把握することができる。
【0076】
・コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信しなかったことを条件として、所定信号I1(N1,T1)を代理で受信することを指示する代理受信信号D2(受信確認信号AC2(D2,T1r(n))送信する。このため、コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信しなかった場合は、所定信号I1(N1,T1)を代理で受信することを代理受信信号D2により指示することができる。一方、コントローラ20は、センサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信した場合には、代理受信信号D2を無線で送信しない。
【0077】
・センサユニットSU2は、コントローラ20から代理受信信号D2を受信した場合に、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信する。一方、センサユニットSU2は、コントローラ20から代理受信信号D2を受信していない場合には、第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信することをしない。このため、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1(N1,T1)を受信すべき時期に所定信号I1(N1,T1)を受信した場合、すなわちセンサユニットSU1が正常と推定される場合は、第1送信時期T1(n)に対応したセンサユニットSU2の休止状態からの起動を行わないようにすることができ、センサユニットSU2の電力消費を抑制することができる。
【0078】
・高精度モードでは、センサユニットSU2は、第1送信時期T1(n)に毎回対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信する。このため、センサユニットSU2は、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を自身が受信した状態に関する情報A12を、第1送信時期T1(n)に対応して毎回取得することができる。そして、コントローラ20は、センサユニットSU2から受信した所定信号I2(N2,T2,A12)に基づいて、第1送信時期T1(n)に対応してセンサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信した状態を、毎回把握することきができる。したがって、センサユニットSU1からコントローラ20に所定信号I1(N1,T1)が届かなかった場合でも、コントローラ20はセンサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を無線で送信した状態を迅速に把握することができる。
【0079】
・コントローラ20は、センサユニットSU1が所定信号I1(N1,T1)を送信する時期が時間経過に伴ってずれる量である経時ずれ量Te1を算出し、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動する時期を経時ずれ量Te1に基づいて補正した補正起動時期T1r(n)を含む受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を無線で送信する。センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(D2,T1r(n))を受信し、第1送信時期T1(n)に代えて補正起動時期T1r(n)に対応して休止状態から起動して、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信した後に休止状態に移行する。こうした構成によれば、センサユニットSU2が第1送信時期T1(n)に対応して休止状態から起動して所定信号I1(N1,T1)を受信する時期を長く設定する必要がないため、センサユニットSU2の電力消費が増加することを抑制することができる。
【0080】
・判定結果は、センサユニットSU2からコントローラ20が受信した所定信号I2(N2,T2,A12)を含んでいる。そして、所定信号I2(N2,T2,A12)は、センサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)をセンサユニットSU2が受信した状態に関する情報A12を含んでいる。このため、無線監視システム10の管理者は、報知された判定結果に基づいて異常原因を特定しやすくなり、センサユニットSU1が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0081】
なお、上記実施形態を、以下のように変更して実施することもできる。上記実施形態と同一の部分については、同一の符号を付すことにより説明を省略する。
【0082】
・高精度モードでは、センサユニットSU2は、第1送信時期T1(n)に毎回対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信する。この場合であれば、受信確認信号AC2(D2,T1r(n))に含まれる代理受信信号D2を省略する、すなわちコントローラ20が代理受信信号D2を送信する処理を省略することもできる。例えば、センサユニットSU2が、第1送信時期T1(n)に毎回対応して休止状態から起動してセンサユニットSU1が無線で送信した所定信号I1(N1,T1)を受信するように、予め設定しておくこともできる。
【0083】
図5に示すように、コントローラ20は、乱数特定情報T1に基づいて第1送信時期T1(n)を特定し、乱数特定情報T2に基づいて第2送信時期T2(n)を特定し、例えば特定した第1送信時期T1(n+k+1)と第2送信時期T2(n+k+1)とが重なる場合に、第2送信時期T2(n+k+1)を変更する第1変更信号R1を含む受信確認信号AC2(R1)を無線で送信し、センサユニットSU2は、コントローラ20から受信確認信号AC2(R1)を受信し、第1変更信号R1に基づいて第2送信時期T2(n+k+1)を変更することができる。第1変更信号R1は、センサユニットSU2を識別する情報(識別番号等)と、変更後の第2送信時期T2r(n+k+1)とを含んでいる。こうした構成によれば、第1送信時期T1(n)と第2送信時期T2(n)とが重なる場合に受信確認信号AC2(R1)を受信可能なセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)を変更することにより、第1送信時期T1(n)と第2送信時期T2(n)とをずらすことができる。
【0084】
・上記実施形態では、コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,T2,A12)を受信した場合、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I2(N2,T2,A12)とを、センターへ通知した。これに代えて、コントローラ20は、センサユニットSU2からの所定信号I2(N2,T2,A12)を受信した場合、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、センサユニットSU1の異常原因を推定した推定結果とを、センターへ通知してもよい。
【0085】
すなわち、コントローラ20による判定結果は、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1を示す情報と、所定信号I1(N1,T1)を送信していることを確認できなかったセンサユニットSU1の異常原因を推定した推定結果とを含んでいてもよい。こうした構成によれば、無線監視システム10の管理者は、報知された判定結果により異常原因の推定結果を知ることができ、センサユニットSU1が設置された現地へ行く前に異常原因を特定しやすくなる。
【0086】
例えば、コントローラ20は、コントローラ20がセンサユニットSU1,SU2から受信した所定信号I1,I2の強度がいずれも所定強度よりも小さくなった場合は、コントローラ20の受信感度が低下していると推定することができる。また、無線監視システム10がセンサユニットSU1,SU2に加えてセンサユニットSU3を備え、コントローラ20は、コントローラ20がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができず、且つコントローラ20がセンサユニットSU2,SU3から所定信号I2,I3を受信することができ、且つセンサユニットSU2,SU3がセンサユニットSU1から所定信号I1を受信することができた場合は、コントローラ20とセンサユニットSU1との間に障害物があると推定することができる。
【0087】
図6に示すように、コントローラ20は、所定のセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)に所定のセンサユニットSU2から所定信号I2(N2,T2)を受信する処理を実行できなかったことが複数回発生した場合に、所定のセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)を変更する第2変更信号R2を、所定のセンサユニットSU2へ無線で送信し、所定のセンサユニットSU2は、コントローラ20から第2変更信号R2を受信し、受信した第2変更信号R2に基づいて所定のセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)を変更してもよい。センサユニットSU2は、コントローラ20から第2変更信号R2を受信し、受信した第2変更信号R2に基づいてセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)(起動時刻)を変更する。こうした構成によれば、所定のセンサユニットSU2の第2送信時期T2(n)を変更することにより、コントローラ20が所定のセンサユニットSU2の異常を判定することができるようになる。
【0088】
・コントローラ20は、第1送信時期T1(n)を経時ずれ量Te1に基づいて補正した補正起動時期T1r(n)を算出する処理を省略し、第1送信時期T1(n)を含む受信確認信号AC2(D2,T1(n))を、センサユニットSU2が送受信可能状態である期間に無線で送信することもできる。
【0089】
・センサユニットSU2は、所定信号I1(N1,T1)を直接受信して、乱数特定情報T1に基づいて第1送信時期T1(n)を把握することもできる。
【0090】
・センサユニットSU1,SU2は、第1送信時期T1(n),第2送信時期T2(n)を疑似乱数に基づいて設定する構成に限らず、第1送信時期T1(n),第2送信時期T2(n)を定期的(規則的)に設定する構成であってもよい。
【0091】
・センサユニットSU1に相当するセンサユニットSU1nが複数あり、センサユニットSU2に相当するセンサユニットSU2nがセンサユニットSU1nと同数(複数)あり、各センサユニットSU2nが各センサユニットSU1nを担当することもできる。また、センサユニットSU1に相当するセンサユニットSU1nが複数あり、センサユニットSU2に相当するセンサユニットSU2nが単数あり、センサユニットSU2nが複数のセンサユニットSU1nを担当することもできる。また、センサユニットSU1に相当するセンサユニットSU1nが単数あり、センサユニットSU2に相当するセンサユニットSU2nが複数あり、複数のセンサユニットSU2nがセンサユニットSU1nの送信する所定信号I1(N1,T1)を重複受信(冗長受信)することもできる。また、センサユニットSU1n,SU2nを、数十個や、数百個まで増加することもできる。
【0092】
・センサユニットSU1,SU1nは、送受信可能なセンサユニットであってもよい。
【0093】
・センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nは、電池から供給される電力により動作するものに限らず、例えば商用電源から供給される電力により動作するものであってもよい。その場合であっても、センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nがスリープ状態に移行することにより、センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nの電力消費を抑制することができる。
【0094】
・センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nは、窓やドアが開けられたことを検出するマグネットセンサ34,44に限らず、工場等において、温度を検出するセンサや、圧力を検出するセンサ、所定領域を撮影するカメラ(センサ)、作業者の入室の際にIDカード(入室許可カード)を読み取るカードリーダ(センサ)等を備えていてもよい。そして、センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nは、これらのセンサによる検出結果を無線で送信し、休止状態に移行可能であり、コントローラ20は、センサユニットSU1,SU1n,SU2,SU2nから受信した検出結果に基づいて、所定の処理を実行するものであればよい。
【符号の説明】
【0095】
10…無線監視システム、20…コントローラ(制御部)、34…マグネットセンサ(センサ)、44…マグネットセンサ(センサ)、SU1…センサユニット(第1センサユニット)、SU2…センサユニット(第2センサユニット)、SU1n…センサユニット(第1センサユニット)、SU2n…センサユニット(第2センサユニット)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6