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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052511
(43)【公開日】2022-04-04
(54)【発明の名称】加熱調理システム
(51)【国際特許分類】
   F24C 7/04 20210101AFI20220328BHJP
   F24C 15/00 20060101ALI20220328BHJP
   F24C 3/12 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
F24C7/04 301A
F24C15/00 D
F24C15/00 M
F24C7/04 301Z
F24C3/12 D
F24C3/12 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020158942
(22)【出願日】2020-09-23
(71)【出願人】
【識別番号】000115854
【氏名又は名称】リンナイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001117
【氏名又は名称】特許業務法人ぱてな
(72)【発明者】
【氏名】橋本 道弘
【テーマコード(参考)】
3L087
【Fターム(参考)】
3L087AA01
3L087AA03
3L087AA04
3L087BB20
3L087BC14
3L087DA21
(57)【要約】
【課題】ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを抑制できる加熱調理システムを提供する。
【解決手段】加熱調理システム100は、加熱手段10と加熱制御部20とを有する加熱調理器1と、ファン60とファン制御部70とを有する換気装置6と、を備え、加熱制御部20とファン制御部70との間の通信に基づいて、ファン60を加熱手段10に連動させることが可能である。加熱調理システム100は、加熱調理に応じてファン60の風量を決定する風量決定部26と、音声による報知を行う報知手段40と、報知手段40を少なくとも部分的に制御する報知制御部24と、をさらに備える。報知制御部24は、換気装置6及び加熱調理器1の少なくとも一方の使用状況を反映し、かつユーザによる報知の聞き取りに影響を与え得る影響要因に応じて、報知手段40の音声出力を変化させるように構成される。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御して加熱調理を行う加熱制御部と、を有する加熱調理器と、
前記加熱調理によって発生する熱気を換気するファンと、前記ファンを制御するファン制御部と、を有する換気装置と、を備え、
前記加熱制御部と前記ファン制御部との間の通信に基づいて、前記ファンを前記加熱手段に連動させることが可能な加熱調理システムであって、
前記加熱調理に応じて前記ファンの風量を決定する風量決定部と、
音声による報知を行う報知手段と、
前記報知手段を少なくとも部分的に制御する報知制御部と、をさらに備え、
前記報知制御部は、前記換気装置及び前記加熱調理器の少なくとも一方の使用状況を反映し、かつユーザによる前記報知の聞き取りに影響を与え得る影響要因に応じて、前記報知手段の音声出力を変化させるように構成されていることを特徴とする加熱調理システム。
【請求項2】
前記影響要因は、前記ファンの前記風量であり、
前記報知制御部は、前記風量に応じて、前記報知手段の音量を変化させるように構成されている請求項1記載の加熱調理システム。
【請求項3】
前記影響要因は、前記加熱手段の運転状態であり、
前記報知制御部は、前記運転状態に応じて、前記報知手段の音量を変化させるように構成されている請求項1記載の加熱調理システム。
【請求項4】
前記報知制御部は、前記加熱手段の加熱出力に応じて、前記音量を変化させる請求項3記載の加熱調理システム。
【請求項5】
前記加熱制御部は、所定の運転モードが選択されたときに、前記加熱調理を前記運転モードで実行し、
前記報知制御部は、実行中の前記運転モードの情報に応じて、前記音量を変化させる請求項3記載の加熱調理システム。
【請求項6】
前記加熱調理器は、前記被加熱物の温度を検知して前記加熱制御部に伝達する温度センサを有し、
前記報知制御部は、前記温度センサの検知結果に応じて、前記音量を変化させる請求項3記載の加熱調理システム。
【請求項7】
ユーザの年齢が入力される年齢入力部をさらに備え、
前記影響要因は、前記年齢入力部に入力された前記年齢であり、
前記報知制御部は、前記年齢に応じて、前記音声出力を変化させるように構成されている請求項1記載の加熱調理システム。
【請求項8】
騒音を検知する騒音検知手段をさらに備え、
前記影響要因は、前記騒音検知手段が検知した騒音値であり、
前記報知制御部は、前記騒音値に応じて、前記報知手段の音量を変化させるように構成されている請求項1記載の加熱調理システム。
【請求項9】
前記騒音検知手段は、前記加熱手段が作動しておらず、かつ前記ファンが作動しているファン単独作動時においても、前記騒音を検知し、
前記風量決定部は、前記ファン単独作動時に前記騒音検知手段が検知した前記騒音値が所定の閾値よりも高い場合、前記風量を所定の静音風量まで小さくする請求項8記載の加熱調理システム。
【請求項10】
前記加熱制御部は、前記風量決定部及び前記報知制御部を有し、
前記加熱調理器は、前記報知手段と、前記風量決定部が決定した前記風量に係る信号を前記換気装置に送信する送信部と、を有し、
前記換気装置は、前記送信部が送信した前記信号を受信して前記ファン制御部に伝達する受信部を有し、
前記ファン制御部は、伝達された前記信号に基づいて前記ファンを制御する請求項1乃至9のいずれか1項記載の加熱調理システム。
【請求項11】
火災を含む危険事象を検知する危険事象検知部と、前記危険事象検知部が前記危険事象を検知したときに前記報知手段に警報を報知させる警報制御部と、を有する警報器をさらに備え、
前記警報制御部は、前記ファン制御部と通信可能であるとともに、前記加熱制御部と直接、又は前記ファン制御部を介して通信可能であり、
前記警報制御部は、前記風量決定部を有し、
前記ファン制御部は、前記報知制御部を有している請求項1乃至9のいずれか1項記載の加熱調理システム。
【請求項12】
前記報知制御部が前記報知手段を少なくとも部分的に制御する条件を個別に設定するための入力操作を受ける個別設定入力部をさらに備えている請求項1乃至11のいずれか1項記載の加熱調理システム。
【請求項13】
前記報知制御部は、前記報知手段を少なくとも部分的に制御する条件を前記加熱手段の運転状態の危険度に応じて変更可能に構成されている請求項1乃至12のいずれか1項記載の加熱調理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は加熱調理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に従来の加熱調理システムの一例が開示されている。この加熱調理システムは、加熱調理器及び換気装置を備えている。加熱調理器は、加熱手段及び加熱制御部を有している。
【0003】
加熱手段は、標準バーナ、小バーナ、高火力バーナ及びグリルバーナを有し、それらによって被加熱物を加熱する。加熱制御部は、加熱手段を制御して加熱調理を行う。
【0004】
換気装置は、ファン及びファン制御部を有している。ファンは、加熱制御部が行う加熱調理によって発生する熱気を換気する。ファン制御部は、ファンを制御する。
【0005】
この加熱調理システムでは、加熱制御部とファン制御部との間の通信に基づいて、ファンを加熱調理器の標準バーナ、小バーナ、高火力バーナ及びグリルバーナに連動させることが可能である。
【0006】
具体的には、特許文献1の表2に示されているように、加熱調理器において、加熱制御部は、標準バーナ、小バーナ、高火力バーナ及びグリルバーナの少なくとも1つの使用状態に応じて、換気装置の設定風量を「強」、「中」又は「小」に決定し、送信部によってその決定した設定風量に係る信号をファン制御部に送信する。すると、換気装置において、受信部がその信号を受信してファン制御部に伝達し、ファン制御部がその信号に係る設定風量でファンを作動させる。
【0007】
こうして、この加熱調理システムでは、ユーザが標準バーナ、小バーナ、高火力バーナ及びグリルバーナの少なくとも1つの使用状態に応じて、換気装置の設定風量のうちの1つを手動で決定する手間を抑制して、利便性の向上を図っている。
【0008】
また、この加熱調理システムでは、換気装置が報知手段としてのブザーを有している。特許文献1には明記されていないが、加熱調理器も一般的に、加熱調理等に応じて音声による報知を行う報知手段を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2016-86882号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、上記従来の加熱調理システムでは、換気装置のファンの風量が大きい場合に換気装置から発生する騒音が大きくなり、報知手段の音声をユーザが聞き逃す機会が増えることが懸念される。
【0011】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを抑制できる加熱調理システムを提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の加熱調理システムは、被加熱物を加熱する加熱手段と、前記加熱手段を制御して加熱調理を行う加熱制御部と、を有する加熱調理器と、
前記加熱調理によって発生する熱気を換気するファンと、前記ファンを制御するファン制御部と、を有する換気装置と、を備え、
前記加熱制御部と前記ファン制御部との間の通信に基づいて、前記ファンを前記加熱手段に連動させることが可能な加熱調理システムであって、
前記加熱調理に応じて前記ファンの風量を決定する風量決定部と、
音声による報知を行う報知手段と、
前記報知手段を少なくとも部分的に制御する報知制御部と、をさらに備え、
前記報知制御部は、前記換気装置及び前記加熱調理器の少なくとも一方の使用状況を反映し、かつユーザによる前記報知の聞き取りに影響を与え得る影響要因に応じて、前記報知手段の音声出力を変化させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明の加熱調理システムでは、上記構成の報知制御部により、換気装置のファンの風量が大きい場合に報知手段の音声出力について音量を大きくしたり、音声の周波数をユーザが聞き取り易い周波数に変更したりすることができる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置から発生する騒音が大きくなっても、報知手段の音声がその騒音に紛れてしまうことを抑制できる。
【0014】
したがって、本発明の加熱調理システムでは、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを抑制できる。
【0015】
本発明の加熱調理システムにおいて、影響要因は、ファンの風量であることが望ましい。そして、報知制御部は、風量に応じて、報知手段の音量を変化させるように構成されていることが望ましい。
【0016】
この場合、上記構成の報知制御部により、換気装置のファンの風量が大きい場合に報知手段の音量を大きくできる。その結果、換気装置から発生する騒音が大きくなっても、報知手段の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制でき、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0017】
本発明の加熱調理システムにおいて、影響要因は、加熱手段の運転状態であることが望ましい。そして、報知制御部は、運転状態に応じて、報知手段の音量を変化させるように構成されていることが望ましい。
【0018】
加熱出力が高い運転状態である加熱手段によって加熱調理が行われる場合、その加熱調理に応じて風量決定部が決定するファンの風量が大きくなり易い。この点、上記構成の報知制御部により、そのような場合に報知手段の音量を大きくできる。その結果、換気装置から発生する騒音が大きくなっても、報知手段の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制でき、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0019】
報知制御部は、加熱手段の加熱出力に応じて、音量を変化させることが望ましい。
【0020】
この場合、上記構成の報知制御部により、加熱出力が高い運転状態である加熱手段によって加熱調理が行われる場合に、報知手段の音量を確実に大きくできる。
【0021】
加熱制御部は、所定の運転モードが選択されたときに、加熱調理を運転モードで実行することが望ましい。そして、報知制御部は、実行中の運転モードの情報に応じて、音量を変化させることが望ましい。
【0022】
高温調理モード、揚げ物温度調節機能使用モード、湯沸かしモード、グリル自動運転モードなどの特定の運転モードは、加熱手段について加熱出力が高い運転状態となり易い。そして、それらの運転モードをユーザが選択して加熱調理が行われる場合、その加熱調理に応じて風量決定部が決定するファンの風量が大きくなり易い。この点、上記構成の報知制御部により、加熱手段について加熱出力が高い運転状態となり易い運転モードで加熱調理が行われる場合に、報知手段の音量を確実に大きくできる。
【0023】
加熱調理器は、被加熱物の温度を検知して加熱制御部に伝達する温度センサを有していることが望ましい。そして、報知制御部は、温度センサの検知結果に応じて、音量を変化させることが望ましい。
【0024】
温度センサが検知した被加熱物の温度が高い場合、加熱手段について加熱出力が高い運転状態となっている可能性が高く、その加熱調理に応じて風量決定部が決定するファンの風量が大きくなり易い。この点、上記構成の報知制御部により、加熱出力が高い運転状態である加熱手段によって加熱調理が行われている可能性が高い場合に、報知手段の音量を確実に大きくできる。
【0025】
本発明の加熱調理システムは、ユーザの年齢が入力される年齢入力部をさらに備えていることが望ましい。影響要因は、年齢入力部に入力された年齢であることが望ましい。そして、報知制御部は、年齢に応じて、音声出力を変化させるように構成されていることが望ましい。
【0026】
高齢のユーザは聴力が低下している傾向にあることから、報知手段の音声を聞き逃し易いことが想定される。この点、上記構成の報知制御部により、ユーザが高齢である場合に報知手段の音声出力について、例えば音量を大きくしたり、音声の周波数を高齢のユーザが聞き取り易い周波数まで低くしたりすることができる。その結果、換気装置から発生する騒音が大きくなっても、報知手段の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制でき、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0027】
本発明の加熱調理システムは、騒音を検知する騒音検知手段をさらに備えていることが望ましい。影響要因は、騒音検知手段が検知した騒音値であることが望ましい。そして、報知制御部は、騒音値に応じて、報知手段の音量を変化させるように構成されていることが望ましい。
【0028】
この場合、上記構成の報知制御部により、換気装置から発生する騒音が大きい場合にその騒音の大きさを正確に把握し、それに応じて報知手段の音量を適正に大きくできる。その結果、換気装置から発生する騒音が大きくなっても、報知手段の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制でき、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0029】
騒音検知手段は、加熱手段が作動しておらず、かつファンが作動しているファン単独作動時にも、騒音を検知することが望ましい。そして、風量決定部は、ファン単独作動時に騒音検知手段が検知した騒音値が所定の閾値よりも高い場合、風量を所定の静音風量まで小さくすることが望ましい。
【0030】
ファン単独作動は、例えば、常時換気(24時間換気)として換気装置を使用する場合等に実施される。ここで、ファン単独作動時に、換気装置から発生する騒音や、その周辺で発生する騒音が大きいと、ユーザがテレビ等を視聴したり会話したりするときの快適性を阻害するおそれがある。この点、上記構成の騒音検知手段及び風量決定部によれば、騒音検知手段が検知した騒音値が所定の閾値よりも高い場合、風量を所定の静音風量まで小さくすることで、ユーザがテレビ等を視聴したり会話したりするときの快適性が阻害されることを抑制できる。
【0031】
本発明の加熱調理システムにおいて、加熱制御部は、風量決定部及び報知制御部を有していることが望ましい。加熱調理器は、報知手段と、風量決定部が決定した風量に係る信号を換気装置に送信する送信部と、を有していることが望ましい。換気装置は、送信部が送信した信号を受信してファン制御部に伝達する受信部を有していることが望ましい。そして、ファン制御部は、伝達された信号に基づいてファンを制御することが望ましい。
【0032】
この場合、ファン制御部が風量決定部及び報知制御部を有さず、かつ換気装置が報知手段を有さず受信部によって信号を受信するだけである構成により、換気装置を簡素化できる。その結果、この加熱調理システムでは、設備コストの低廉化を実現できる。
【0033】
本発明の加熱調理システムは、火災を含む危険事象を検知する危険事象検知部と、危険事象検知部が危険事象を検知したときに報知手段に警報を報知させる警報制御部と、を有する警報器をさらに備えていることが望ましい。警報制御部は、ファン制御部と通信可能であるとともに、加熱制御部と直接、又はファン制御部を介して通信可能であることが望ましい。そして、警報制御部は、風量決定部を有していることが望ましい。また、ファン制御部は、報知制御部を有していることが望ましい。
【0034】
この場合、警報器において危険事象検知部が危険事象を検知して報知手段が警報を報知するときに、ユーザが換気装置の騒音によって警報を聞き逃すことを確実性高く抑制でき、その結果、安全性の一層の向上を実現できる。
【0035】
本発明の加熱調理システムは、報知制御部が報知手段を少なくとも部分的に制御する条件を個別に設定するための入力操作を受ける個別設定入力部をさらに備えていることが望ましい。
【0036】
この場合、ユーザが自分に適した設定となるようにカスタマイズできるので、利便性が向上する。
【0037】
本発明の加熱調理システムにおいて、報知制御部は、報知手段を少なくとも部分的に制御する条件を加熱手段の運転状態の危険度に応じて変更可能に構成されていることが望ましい。
【0038】
この場合、危険度が高い場合にはユーザが危険を認識し易くなるように音量を大きくする等、危険度に応じた設定となるようにカスタマイズできるので、利便性が向上する。
【発明の効果】
【0039】
本発明の加熱調理システムによれば、ユーザが換気装置の騒音によって報知手段の音声を聞き逃すことを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1図1は、実施例1の加熱調理システムの斜視図である。
図2図2は、実施例1の加熱調理システムのブロック図である。
図3図3は、実施例1の加熱調理システムに係り、加熱調理実行プログラムのフローチャートである。
図4図4は、実施例1の加熱調理システムに係り、報知制御部による報知手段制御サブルーチンのフローチャートである。
図5図5は、実施例2の加熱調理システムに係り、報知制御部による報知手段制御サブルーチンのフローチャートである。
図6図6は、実施例3の加熱調理システムに係り、報知制御部による報知手段制御サブルーチンのフローチャートである。
図7図7は、実施例4の加熱調理システムに係り、報知制御部による報知手段制御サブルーチンのフローチャートである。
図8図8は、実施例5の加熱調理システムに係り、報知制御部による報知手段制御サブルーチンのフローチャートである。
図9図9は、実施例6の加熱調理システムに係り、加熱調理実行プログラムのフローチャートである。
図10図10は、実施例6の加熱調理システムに係り、加熱調理実行プログラムのフローチャートである。
図11図11は、実施例7の加熱調理システムのブロック図である。
図12図12は、実施例8の加熱調理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明を具体化した実施例1~8を図面を参照しつつ説明する。
【0042】
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の加熱調理システム100は、本発明の加熱調理システムの具体的態様の一例である。加熱調理システム100は、加熱調理器1及び換気装置6を備えている。加熱調理器1は、台所等に設置される所謂ビルトイン式のガスコンロである。換気装置6は、加熱調理器1の上方に設けられて加熱調理器1によって発生する熱気を換気するレンジフードである。
【0043】
なお、図1では、加熱調理器1の前面パネル8P側を前方と規定し、天板9側を上方と規定して、前後方向及び上下方向を表示する。また、前面パネル8Pに対面する状態で加熱調理器1を見たときに左に来る側を左方と規定して、左右方向を表示する。
【0044】
<加熱調理器の構成>
加熱調理器1は、調理器本体8及び天板9を備えている。調理器本体8は略箱状体であり、その前面に前面パネル8Pが配置されている。天板9は、調理器本体8の上面を覆うように配置された略矩形平板である。
【0045】
また、加熱調理器1は、図2に示す加熱制御部20と、図1及び図2に示す燃焼部10、操作部30、報知手段40及び騒音検知手段45とを有している。燃焼部10は、本発明の「加熱手段」の一例である。
【0046】
<加熱制御部>
図2に簡略して示すように、加熱制御部20は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成された周知の制御回路である。加熱制御部20は、燃焼部10及び報知手段40を制御するとともに、操作部30がユーザから受ける操作の情報を取得する。
【0047】
また、加熱制御部20は、記憶部21を含んでいる。記憶部21は、図3に示す加熱調理実行プログラムを含む各種の制御プログラムを記憶している。
【0048】
後で詳しく説明するように、加熱制御部20は、加熱調理器1の電源がオンになったときからオフになるときまで、図3に示す加熱調理実行プログラムを繰り返し実行する。
【0049】
<燃焼部>
図1に示すように、燃焼部10は、天板9上に設けられた複数のガスバーナ11を有している。本実施例では、2つのガスバーナ11が天板9上の右部分と左部分とに設けられている。左右のガスバーナ11のそれぞれに付帯する部品等の構成は、同じである。
【0050】
天板9上には、ガスバーナ11を囲む五徳11Gが設けられている。五徳11Gには、鍋やフライパン等である調理容器5が載置される。調理容器5は、本発明の「被加熱物」の一例である。また、焼き網や焼き網に載置された被調理物等も、本発明の「被加熱物」に含まれる。
【0051】
ガスバーナ11の中央には、有蓋筒状の温度センサ11Dが上向きに突出するように設けられている。温度センサ11Dは、五徳11Gに載置された調理容器5に当接したときに、内蔵するサーミスタ等によって調理容器5の底部の温度を検知し、検知結果を加熱制御部20に伝達する。また、温度センサ11Dの代わりに、換気装置6にサーモグラフィカメラを取り付けて調理容器5の温度を検知し、検知結果を加熱制御部20に伝達するようにしてもよい。
【0052】
ガスバーナ11の炎孔形成部の近傍には、点火プラグ11Eが設けられている。点火プラグ11Eは、図2に示すイグナイタ11Hによって高電圧が印加されることにより、ガスバーナ11を点火する。
【0053】
ガスバーナ11の炎孔形成部の近傍における点火プラグ11Eから離れた位置には、炎検知部11Fが設けられている。炎検知部11Fは、熱電対の熱起電力に基づいて、ガスバーナ11の燃焼炎の有無を検知する。
【0054】
調理器本体8内には、図2に示す燃料制御弁11Vが設けられている。燃料制御弁11Vは、ガスバーナ11の点火時に開いてガスバーナ11に燃料ガスを供給し、消火時に閉じる主弁や、ガスバーナ11の火力調整に応じて開度調整されて燃料ガスの供給量を調整する火力調整弁等の複数の制御弁が組み合わされてなる。
【0055】
点火プラグ11E、イグナイタ11H、燃料制御弁11V、温度センサ11D及び炎検知部11Fも、燃焼部10の一部を構成している。
【0056】
燃焼部10は、加熱制御部20に制御されて、ガスバーナ11、点火プラグ11E、イグナイタ11H、燃料制御弁11V、温度センサ11D及び炎検知部11Fが連携動作することによって、調理容器5を加熱し、調理容器5に収容され、又は載置された被調理物の調理を行う。この際、加熱制御部20は、ガスバーナ11の加熱出力を制御する。本実施例では、加熱出力は火力と同義である。
【0057】
また、燃焼部10は、図1に示すように、調理器本体8の内部中央に設けられた加熱庫17を有している。前面パネル8Pの中央には、グリル扉17Mが配置されている。加熱庫17は、グリル扉17Mによって閉鎖されている。そして、グリル扉17Mを引く操作によって、グリル扉17Mに連結された図示しないグリルトレーを加熱庫17から引き出すことが可能となっている。
【0058】
図示は省略するが、加熱庫17内には、複数のガスバーナと、ガスバーナを点火する点火プラグ及びイグナイタと、ガスバーナに燃料ガスを供給する燃料制御弁と、温度センサと、炎検知部とが設けられており、これらも燃焼部10を構成している。
【0059】
加熱庫17は、図示しないグリルトレー上に載置された調理容器や、グリルトレー内の焼き網に載置された被調理物等をガス燃焼により加熱して、グリル調理やオーブン調理を行う。この際、加熱制御部20は、加熱庫17の加熱出力を制御する。また、加熱庫17に対応する温度センサは、加熱庫17内の調理容器等の温度を検知し、検知結果を加熱制御部20に伝達する。
【0060】
<操作部>
操作部30は、加熱調理器1の電源のオン及びオフを切り替えるための電源スイッチ33を有している。電源スイッチ33は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも右方に位置する領域の右上部分に配置されている。
【0061】
また、操作部30は、左右のガスバーナ11及び加熱庫17のそれぞれについて、点火、消火及び加熱出力調整を操作するための3つの操作ダイヤル31を有している。左右のガスバーナ11用の2つの操作ダイヤル31は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも右方に位置する領域に配置されている。加熱庫17用の1つの操作ダイヤル31は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも左方に位置する領域に配置されている。
【0062】
さらに、操作部30は、各種の設定や選択入力を行うための操作ボタン32A、32B、32Cを有している。操作部30は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも右方に位置する領域の右下部分に配置されている。
【0063】
図2に示すように、操作部30は、操作ボタン32A、32B、32Cを共用する運転モード選択部35、年齢入力部36、個別設定入力部37及び危険度設定部38を有している。
【0064】
運転モード選択部35は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して、高温調理モード、高温調理モード、揚げ物温度調節機能使用モード、煮込みモード、湯沸かしモード、グリル自動運転モード等の複数の運転モードの中から所望する運転モードを選択した場合、その選択結果を加熱制御部20に伝達する。すると、加熱制御部20は、その選択された運転モードで加熱調理を実行する。運転モード選択部35は、後述する実施例3で利用される。
【0065】
年齢入力部36は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して自分の年齢を入力した場合、その入力結果を加熱制御部20に伝達する。年齢入力部36は、後述する実施例5で利用される。
【0066】
個別設定入力部37は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して複数の個別設定の中から所望する個別設定を選択して任意に設定した場合、その個別設定結果を加熱制御部20に伝達する。個別設定入力部37は、後述する実施例5で利用される。
【0067】
危険度設定部38は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して複数の危険度設定対象の中から所望する設定対象を選択して任意の危険度を設定した場合、その危険度設定結果を加熱制御部20に伝達する。危険度設定部38は、後述する実施例3で利用される。
【0068】
<報知手段>
図1及び図2に示すように、報知手段40は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも右方に位置する領域の下部分に操作ボタン32A~32Cと並んで配置されている。
【0069】
報知手段40は、ガスバーナ11及び加熱庫17の作動状態、エラーの状態、各種の設定情報等を音声、より詳しくは音声メッセージ、ブザー音、メロディ音等によってユーザに報知する。
【0070】
<騒音検知手段>
騒音検知手段45は、換気装置6のファン60の作動によって発生する騒音を検知し易い位置、例えば、天板9における右方かつ後方の角部に設けられている。また、騒音検知手段45は、加熱調理器1の燃焼部10の作動によって発生する騒音も検知可能である。
【0071】
騒音検知手段45は、換気装置6のファン60の騒音や加熱調理器1の燃焼部10の騒音を検知し、騒音値を加熱制御部20に伝達する。騒音検知手段45は、後述する実施例6で利用される。
【0072】
<換気装置>
換気装置6は、図2に示すファン制御部70と、図1及び図2に示すファン60、照明部69、操作部80及び受信部79とを有している。
【0073】
本実施例では、ファン制御部70は、操作部80に対する操作や、受信部79が受信する信号を受けて、ファン60、照明部69及び受信部79への給電を制御する給電回路や制御回路等からなっている。つまり、ファン制御部70は、制御プログラムによる特別な制御が必要ない簡素な構成である。
【0074】
図1に示すように、ファン60は、図示しない電動モータに駆動されて加熱調理器1の加熱調理によって発生する熱気を換気装置6の底面に設けられた導入口6Hから吸い上げ、図示しない換気ダクトを経由して屋外に排出する。
【0075】
ファン制御部70は、図示しない電動モータへの給電電圧等を段階的に増減させることにより、ファン60の風量を「強」、「中」、「弱」の3段階で変更可能である。
【0076】
照明部69は、換気装置6の底面を構成しつつ前向きに庇状に延出する延出部6Aの前端に設けられている。照明部69は、点灯することにより下方の加熱調理器1の天板9及びその周辺が明るくなるように光を照射する。
【0077】
操作部80及び受信部79も、換気装置6の延出部6Aの前端に設けられている。操作部80は、換気装置6の電源のオン及びオフを切り替えるための電源スイッチ80Aを有している。電源スイッチ80Aが操作されて換気装置6の電源がオンに切り替わると、ファン制御部70がファン60及び照明部69を制御可能になるとともに、受信部79に給電されて、受信部79が常時作動する。
【0078】
また、操作部80は、ファン操作スイッチ80B、80C、80D及び照明スイッチ80Eを有している。ファン操作スイッチ80B、80C、80Dは、ファン60の風量の「強」、「中」、「弱」に対応していている。
【0079】
換気装置6の電源がオンの状態で、ユーザがファン操作スイッチ80B、80C、80Dのいずれか1つを選択して操作すると、ファン制御部70がファン60の風量をその操作に対応する風量に変更する。
【0080】
照明スイッチ80Eは、換気装置6の電源がオンの状態で、ユーザの操作によって照明部69を点灯と消灯とに交互に切り替える。
【0081】
受信部79は、赤外線用フォトダイオード、赤外線用フォトトランジスタ等の受光素子によって、赤外線信号の受信のみを行い、受信した赤外線信号をファン制御部70に伝達する。本実施例では、受信部79は、ファン60の起動、停止及び風量に係る赤外線信号を受信する。
【0082】
受信部79がファン60の起動を指示する赤外線信号を受信した場合、ファン制御部70はファン60を起動する。受信部79がファン60の停止を指示する赤外線信号を受信した場合、ファン制御部70はファン60を停止する。
【0083】
受信部79がファン60の風量「強」、「中」又は「弱」を指示する赤外線信号を受信した場合、ファン制御部70は、ファン60の風量をその信号に対応する風量となるように制御する。
【0084】
<加熱調理器の送信部、風量決定部及び報知制御部>
加熱調理器1は、図1及び図2に示す送信部29を有している。加熱調理器1の加熱制御部20は、図2に示す風量決定部26及び報知制御部24を有している。
【0085】
図1に示すように、送信部29は、前面パネル8Pにおけるグリル扉17Mよりも右側に位置する領域の左上部分に配置されている。送信部29は、赤外線発光ダイオード等の発光素子によって、赤外線信号の発信のみを行う。
【0086】
送信部29から発信された赤外線信号は、加熱調理器1を使用するユーザや、加熱調理器1の前面パネル8Pに対向する壁面等によって反射して換気装置6の受信部79に受信される。
【0087】
図2に示すように、風量決定部26はファン60の風量を燃焼部10に連動させるため、送信部29及び受信部79の一方向通信を介して、ファン60の起動及び停止を制御するとともに、燃焼部10が実行する加熱調理に応じてファン60の風量を決定する。
【0088】
報知制御部24は、報知手段40を全体的に制御し、例えば、報知手段40が行う報知の内容を決定したり、報知を行うときの音量等の音声出力を決定したりする。特に、報知制御部24は、換気装置6及び加熱調理器1の少なくとも一方の使用状況を反映し、かつユーザによる報知の聞き取りに影響を与え得る影響要因に応じて、報知手段40の音声出力を変化させるように構成されている。
【0089】
本実施例では、影響要因はファン60の風量「強」、「中」又は「弱」である。報知制御部24は、ファン60の風量「強」、「中」又は「弱」に応じて、報知手段40の音量を3段階で変化させる。
【0090】
以下、加熱調理器1において、加熱制御部20が燃焼部10を制御して加熱調理を行うときに、風量決定部26及び報知手段40がそれぞれどのように作用するかを図3に示す加熱調理実行プログラムを参照しつつ説明する。
【0091】
加熱調理器1の電源がオンになると、加熱制御部20は、図3に示す加熱調理実行プログラムを開始する。
【0092】
初めに、ステップS11において、加熱制御部20は、燃焼部10のバーナ11又は加熱庫17に対して点火操作があったか否かを判断する。
【0093】
ユーザがバーナ11又は加熱庫17を点火するために対応する操作ダイヤル31に対して点火操作を行うまでは、ステップS11において「No」となり、ステップS11を繰り返す。そして、ユーザが点火操作を行うと、ステップS11において「Yes」となり、ステップS12に移行する。
【0094】
ステップS12に移行すると、加熱制御部20の風量決定部26は、ファン60を燃焼部10の点火に連動させるため、ファン60の起動を決定する。そして、風量決定部26は、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の起動を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60を起動させ、換気を開始する。
【0095】
次に、加熱制御部20はステップS13に移行し、燃焼部10における点火操作されたバーナ11又は加熱庫17を点火し、加熱調理を開始する。
【0096】
次に、加熱制御部20はステップS13に移行し、燃焼部10における点火操作されたバーナ11又は加熱庫17を点火し、加熱調理を開始する。
【0097】
次に、加熱制御部20はステップS14に移行し、風量決定部26が加熱調理の状態を取得する。具体的には、風量決定部26は、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力を取得する。バーナ11又は加熱庫17が複数作動していれば、風量決定部26が取得する加熱出力は、それらの加熱出力の合計となる。
【0098】
次に、加熱制御部20はステップS15に移行し、風量決定部26により、ファン60の風量を決定する。具体的には、風量決定部26は、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力に応じて、ファン60の風量を「強」、「中」、「弱」の3段階で決定する。
【0099】
次に、加熱制御部20はステップS16に移行し、風量決定部26が送信部29から受信部79に向けて、決定したファン60の風量「強」、「中」又は「弱」を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60の風量を風量決定部26が決定した風量となるように制御する。
【0100】
次に、加熱制御部20はステップS17に移行し、報知制御部24によって図4に示す報知手段制御サブルーチンを実行する。
【0101】
加熱制御部20の報知制御部24は、図4に示すステップS101に移行すると、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も小さい1段階に設定する。
【0102】
次に、報知制御部24はステップS102に移行し、風量決定部26が決定したファン60の風量が「強」であるか否かを判断する。ステップS102において「Yes」の場合、ステップS103に移行する。その一方、ステップS102において「No」の場合、ステップS104に移行する。
【0103】
ステップS102からステップS103に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も大きい3段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0104】
図4に示すステップS102からステップS104に移行すると、報知制御部24は、風量決定部26が決定したファン60の風量が「中」であるか否かを判断する。
【0105】
ステップS104において「No」の場合、風量決定部26が決定したファン60の風量が「弱」であって、報知手段40が報知を行うときの音量を1段階から変更する必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0106】
その一方、図4に示すステップS104において「Yes」の場合、報知制御部24はステップS105に移行し、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの2段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0107】
加熱制御部20は、図4に示す報知手段制御サブルーチンを終了して図3に示すステップS18に移行すると、加熱調理の状態、具体的には、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力が変更されたか否かを判断する。
【0108】
ステップS18において「Yes」の場合、ステップS14~S17を繰り返す。その結果、風量決定部26は、変更された加熱調理の状態に応じてファン60の風量を決定し、報知制御部24は、その決定された風量に応じて報知手段40が報知を行うときの音量を変更する。
【0109】
その一方、ステップS18において「No」の場合、ステップS19に移行する。そして、加熱制御部20は、消火操作があったか否かを判断する。ステップS19において「No」の場合、ステップS18に戻る。
【0110】
その一方、ステップS19において「Yes」の場合、ステップS20に移行する。そして、加熱制御部20は、燃焼部10における消火操作されたバーナ11又は加熱庫17を消火し、加熱調理を終了する。
【0111】
次、加熱制御部20はステップS21に移行し、風量決定部26がファン60を燃焼部10の消火に連動させるため、ファン60の停止を決定する。そして、風量決定部26は、加熱調理器1の加熱調理によって発生する熱気を換気し終える程度に設定された所定時間の経過後、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の停止を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60を停止させ、換気を終了する。そして、加熱制御部20はこのプログラムを終了し、加熱調理器1の電源がオフになるまでこのプログラムを繰り返し実行する。
【0112】
<作用効果>
実施例1の加熱調理システム100では、図4に示すように、報知制御部24は、換気装置6及び加熱調理器1の少なくとも一方の使用状況を反映し、かつユーザによる報知の聞き取りに影響を与え得る影響要因、すなわちファン60の風量「強」、「中」又は「弱」に応じて、報知手段40の音声出力、より詳しくは音量を3段階で変化させるように構成されている。この報知制御部24により、換気装置6のファン60の風量が大きい場合に報知手段40の音量を確実に大きくできる。その結果、この加熱調理システム100では、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0113】
したがって、実施例1の加熱調理システム100では、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0114】
また、この加熱調理システム100において、加熱制御部20が風量決定部26及び報知制御部24を有している。加熱調理器1は、報知手段40と、風量決定部26が決定した風量に係る赤外線信号を換気装置6に送信する送信部29と、を有している。換気装置6は、送信部29が送信した赤外線信号を受信してファン制御部70に伝達する受信部79を有している。そして、ファン制御部70は、伝達された信号に基づいてファン60を制御する。つまり、この加熱調理システム100では、換気装置6のファン制御部70が風量決定部及び報知制御部を有さず、かつ換気装置6が報知手段を有さず受信部79によって信号を受信するだけである構成により、換気装置6を簡素化できる。その結果、この加熱調理システム100では、設備コストの低廉化を実現できる。
【0115】
(実施例2)
実施例2の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100に係る報知制御部24について、図4に示す報知手段制御サブルーチンの代わりに、図5に示す報知手段制御サブルーチンを実行するように変更されている。
【0116】
また、実施例2の加熱調理システムにおいて、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは燃焼部10の加熱出力である。報知制御部24は、燃焼部10の加熱出力に応じて、報知手段40の音量を変化させる。
【0117】
実施例2のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0118】
実施例2の加熱調理システムにおいて、加熱制御部20が図3に示す加熱調理実行プログラムを実行してステップS17に移行したときに、報知制御部24は、図5に示す報知手段制御サブルーチンのステップS201に移行する。そして、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も小さい1段階に設定する。
【0119】
次に、報知制御部24はステップS202に移行し、燃焼部10の作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力が所定の閾値G1よりも大きいか否かを判断する。ステップS202において「Yes」の場合、ステップS203に移行する。その一方、ステップS202において「No」の場合、ステップS204に移行する。
【0120】
ステップS202からステップS203に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も大きい3段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0121】
図5に示すステップS202からステップS204に移行すると、報知制御部24は、燃焼部10の加熱出力が閾値G1以下、かつ所定の閾値G2よりも大きいか否かを判断する。
【0122】
ステップS204において「No」の場合、燃焼部10の加熱出力が閾値G2以下であって、報知手段40が報知を行うときの音量を1段階から変更する必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0123】
その一方、図5に示すステップS204において「Yes」の場合、報知制御部24はステップS205に移行し、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの2段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0124】
<作用効果>
実施例2の加熱調理システムでは、加熱出力が高い運転状態である燃焼部10によって加熱調理が行われる場合、その加熱調理に応じて風量決定部26が決定するファン60の風量が大きくなり易い。この点、実施例2の加熱調理システムでは、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは燃焼部10の加熱出力である。そして、図5に示す報知手段制御サブルーチンを実行する報知制御部24により、加熱出力が高い運転状態である燃焼部10によって加熱調理が行われる場合に、報知手段40の音量を確実に大きくできる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0125】
したがって、実施例2の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0126】
(実施例3)
実施例3の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100に係る報知制御部24について、図4に示す報知手段制御サブルーチンの代わりに、図6に示す報知手段制御サブルーチンを実行するように変更されている。
【0127】
また、実施例3の加熱調理システムにおいて、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは、運転モード選択部35によって選択されて実行中の運転モードの情報である。報知制御部24は、実行中の運転モードの情報に応じて、報知手段40の音量を変化させる。
【0128】
さらに、実施例3の加熱調理システムでは、運転モード選択部35によって選択される複数の運転モードのうち、高温調理モード、揚げ物温度調節機能使用モード、湯沸かしモード及びグリル自動運転モードが報知手段40の音量を上げるべき特定の運転モードに設定されているとともに、危険度設定部38による危険度「高」又は「低」の設定対象となっている。
【0129】
危険度設定部38は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して危険度設定対象である特定の運転モードから所望する運転モードを選択し、危険度「高」又は「低」を設定した場合、その危険度設定結果を加熱制御部20に伝達する。加熱制御部20は、その危険度設定結果を記憶部21に記憶させる。
【0130】
実施例3のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0131】
実施例3の加熱調理システムにおいて、加熱制御部20が図3に示す加熱調理実行プログラムを実行してステップS17に移行したときに、報知制御部24は、図6に示す報知手段制御サブルーチンのステップS301に移行する。そして、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も小さい1段階に設定する。
【0132】
次に、報知制御部24はステップS302に移行し、運転モード選択部35によって選択されて実行中の運転モードの情報を取得する。実行中の運転モードの情報には、特定の運転モードに設定されているか否か、という情報や、危険度が「高」又は「低」のどちらに設定されているか、という情報が含まれる。
【0133】
次に、報知制御部24はステップS303に移行し、実行中の運転モードが危険度「高」である特定の運転モードであるか否かを判断する。ステップS303において「Yes」の場合、ステップS304に移行する。その一方、ステップS303において「No」の場合、ステップS305に移行する。
【0134】
ステップS303からステップS304に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も大きい3段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0135】
図6に示すステップS303からステップS305に移行すると、報知制御部24は、実行中の運転モードが危険度「低」である特定の運転モードであるか否かを判断する。
【0136】
ステップS305において「No」の場合、実行中の運転モードが特定の運転モードではなく、報知手段40が報知を行うときの音量を1段階から変更する必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0137】
その一方、図6に示すステップS305において「Yes」の場合、報知制御部24はステップS306に移行し、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの2段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0138】
<作用効果>
実施例3の加熱調理システムにおいて、高温調理モード、揚げ物温度調節機能使用モード、湯沸かしモード、グリル自動運転モードなどの特定の運転モードは、燃焼部10について加熱出力が高い運転状態となり易い。そして、それらの運転モードをユーザが選択して加熱調理が行われる場合、その加熱調理に応じて風量決定部26が決定するファン60の風量が大きくなり易い。この点、実施例3の加熱調理システムでは、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは運転モード選択部35によって選択されて実行中の運転モードの情報である。そして、図6に示す報知手段制御サブルーチンを実行する報知制御部24により、そのような場合に報知手段40の音量を確実に大きくできる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0139】
したがって、実施例3の加熱調理システムでは、実施例1、2の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0140】
また、この加熱調理システムにおいて、報知制御部24は、報知手段40の音量を実行中の運転モードについて危険度「高」又は「低」が設定されている場合、報知手段40の音量を危険度「高」又は「低」に応じて変更可能である。この構成により、実行中の運転モードに危険度「高」が設定されている場合にはユーザが危険を認識し易くなるように危険度「低」の場合よりも音量を大きくして、危険度に応じた音量となるようにカスタマイズできるので、利便性が向上する。また、この危険度「高」又は「低」の設定は、ユーザが運転モードごとに任意に設定できるようにしてもよい。
【0141】
(実施例4)
実施例4の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100に係る報知制御部24について、図4に示す報知手段制御サブルーチンの代わりに、図7に示す報知手段制御サブルーチンを実行するように変更されている。
【0142】
また、実施例4の加熱調理システムにおいて、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは燃焼部10のバーナ11に対応する温度センサ11Dの検知温度、又は加熱庫17に対応する温度センサの検知温度である。報知制御部24は、それらの検知温度に応じて、報知手段40の音量を変化させる。
【0143】
実施例4のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0144】
実施例4の加熱調理システムにおいて、加熱制御部20が図3に示す加熱調理実行プログラムを実行してステップS17に移行したときに、報知制御部24は、図7に示す報知手段制御サブルーチンのステップS401に移行する。そして、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も小さい1段階に設定する。
【0145】
次に、報知制御部24はステップS402に移行し、燃焼部10のバーナ11に対応する温度センサ11Dの検知温度、又は加熱庫17に対応する温度センサの検知温度が所定の閾値G3よりも大きいか否かを判断する。ステップS402において「Yes」の場合、ステップS403に移行する。その一方、ステップS402において「No」の場合、ステップS404に移行する。
【0146】
ステップS402からステップS403に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も大きい3段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0147】
図7に示すステップS402からステップS404に移行すると、報知制御部24は、検知温度が閾値G3以下、かつ所定の閾値G4よりも大きいか否かを判断する。
【0148】
ステップS404において「No」の場合、検知温度が閾値G4以下であって、報知手段40が報知を行うときの音量を1段階から変更する必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0149】
その一方、図7に示すステップS404において「Yes」の場合、報知制御部24はステップS405に移行し、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの2段階に変更する。そして、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0150】
<作用効果>
実施例4の加熱調理システムにおいて、燃焼部10のバーナ11に対応する温度センサ11Dが検知した調理容器5の温度が高い場合、又は、加熱庫17に対応する温度センサの検知温度が高い場合、燃焼部10について加熱出力が高い運転状態となっている可能性が高く、その加熱調理に応じて風量決定部26が決定するファン60の風量が大きくなり易い。この点、実施例4の加熱調理システムでは、影響要因は、燃焼部10の運転状態、より詳しくは燃焼部10のバーナ11に対応する温度センサ11Dの検知温度、又は加熱庫17に対応する温度センサの検知温度である。そして、図7に示す報知手段制御サブルーチンを実行する報知制御部24により、そのような場合に報知手段40の音量を確実に大きくできる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0151】
したがって、実施例4の加熱調理システムでは、実施例1~3の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0152】
(実施例5)
実施例5の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100に係る報知制御部24について、図4に示す報知手段制御サブルーチンの代わりに、図8に示す報知手段制御サブルーチンを実行するように変更されている。
【0153】
また、実施例5の加熱調理システムにおいて、影響要因は、年齢入力部36に入力されたユーザの年齢である。報知制御部24は、年齢入力部36に入力されたユーザの年齢に応じて、報知手段40の音声出力、より詳しくは音声の周波数を変化させる。
【0154】
さらに、実施例5の加熱調理システムでは、図8に示す報知手段制御サブルーチンにおいて、年齢閾値と、報知手段40が報知を行うときの音量も変化させるか否かとが個別設定入力部37による個別設定の対象となっている。
【0155】
個別設定入力部37は、ユーザが操作ボタン32A、32B、32Cを操作して年齢閾値や、報知手段40が報知を行うときの音量も変化させるか否かを個別設定した場合、その個別設定結果を加熱制御部20に伝達する。加熱制御部20は、その個別設定結果を記憶部21に記憶させる。
【0156】
実施例5のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0157】
実施例5の加熱調理システムにおいて、加熱制御部20が図3に示す加熱調理実行プログラムを実行してステップS17に移行したときに、報知制御部24は、図8に示す報知手段制御サブルーチンのステップS501に移行する。そして、報知制御部24は、年齢入力部36に入力されたユーザの年齢を読み出す。
【0158】
次に、報知制御部24はステップS502に移行し、個別設定入力部37による個別設定を読み出す。
【0159】
次に、報知制御部24はステップS503に移行し、年齢閾値が個別設定で変更されたか否かを判断する。
【0160】
ステップS503において「Yes」の場合、ステップS504に移行する。そして、報知制御部24は、個別設定で変更された年齢閾値を使用し、ステップS506に移行する。
【0161】
その一方、ステップS503において「No」の場合、ステップS505に移行する。そして、報知制御部24は、初期設定された年齢閾値を使用し、ステップS506に移行する。
【0162】
ステップS504又はステップS505からステップS506に移行すると、報知制御部24は、年齢入力部36に入力されたユーザの年齢が年齢閾値以上であるか否かを判断する。ステップS506において「Yes」の場合、ステップS507に移行する。その一方、ステップS506において「No」の場合、報知手段40の音声出力を変化させる必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0163】
図8に示すステップS506からステップS507に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知するときの音声の周波数を高齢のユーザが聞き取り易い周波数まで低くする。
【0164】
次に、報知制御部24はステップS508に移行し、個別設定で報知手段40が報知を行うときの音量も変化させることが選択されたか否かを判断する。ステップS508において「No」の場合、報知手段40の音量を変化させる必要がないので、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0165】
その一方、図8に示すステップS508において「Yes」の場合、ステップS509に移行する。そして、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を通常設定よりも1段階上げた後、このサブルーチンを終了し、図3に示すステップS18に移行する。
【0166】
<作用効果>
高齢のユーザは聴力が低下している傾向にあることから、報知手段40の音声を聞き逃し易いことが想定される。この点、実施例5の加熱調理システムでは、影響要因は、年齢入力部36に入力されたユーザの年齢である。そして、図8に示す報知手段制御サブルーチンを実行する報知制御部24により、ユーザが高齢である場合に報知手段40の音声出力について、音声の周波数を高齢のユーザが聞き取り易い周波数まで低くすることを確実に実行でき、個別設定があれば、音量を大きくすることを確実に実行できる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0167】
したがって、実施例5の加熱調理システムでは、実施例1~4の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0168】
また、この加熱調理システムでは、年齢閾値と、報知手段40が報知を行うときの音量も変化させるか否かとを個別設定入力部37によって個別設定可能である。この構成により、ユーザが自分に適した設定となるようにカスタマイズできるので、利便性が向上する。
【0169】
(実施例6)
実施例6の加熱調理システムでは、実施例1の加熱調理システム100に係る加熱制御部20について、図3に示す加熱調理実行プログラムの代わりに、図9及び図10に示す加熱調理実行プログラムを実行するように変更されている。
【0170】
また、実施例6の加熱調理システムにおいて、影響要因は、騒音検知手段45が検知した騒音値である。報知制御部24は、騒音検知手段45が検知した騒音値に応じて、報知手段40の音量を変化させる。
【0171】
さらに、実施例6の加熱調理システムでは、換気装置6について、燃焼部10が作動しているか否かにかかわらずファン60を作動させる常時換気を実行させることが可能となっている。
【0172】
実施例6のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0173】
実施例6の加熱調理システムにおいて、加熱制御部20は、図9及び図10に示す加熱調理実行プログラムを開始する。
【0174】
初めに、図9に示すステップS601において、加熱制御部20は、換気装置6について常時換気が選択されているか否かを判断する。ステップS601において「Yee」の場合、ステップS602に移行する。
【0175】
その一方、ステップS601において「No」の場合、ステップS608に移行する。そして、加熱制御部20は、燃焼部10のバーナ11又は加熱庫17に対して点火操作があったか否かを判断する。
【0176】
ユーザが点火操作を行うまでは、ステップS608において「No」となり、ステップS608を繰り返す。そして、ユーザが点火操作を行うと、ステップS608において「Yes」となり、ステップS609に移行する。
【0177】
ステップS609に移行すると、加熱制御部20の風量決定部26は、ファン60を燃焼部10の点火に連動させるため、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の起動を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60を起動させ、換気を開始する。その後、加熱制御部20は、図10に示すステップS611に移行する。ステップS611以降の処理については後述する。
【0178】
図9に示すステップS601からステップS602に移行すると、加熱制御部20の風量決定部26は、換気装置6に常時換気を実行させるため、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の起動を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60を起動させ、常時換気を開始する。
【0179】
次に、加熱制御部20はステップS603に移行し、換気装置6のファン60の作動によって発生する騒音や、その周辺で発生する騒音を騒音検知手段45に検知させる。つまり、騒音検知手段45は、燃焼部10が作動しておらず、かつファン60が作動しているファン60の単独作動時にも、騒音を検知する。そして、風量決定部26は、騒音検知手段45が検知した騒音値を取得する。
【0180】
次に、加熱制御部20はステップS604に移行し、風量決定部26は、取得した騒音値が所定の閾値G5よりも高いか否かを判断する。ステップS604において「No」の場合、ステップS605に移行する。その一方、ステップS604において「Yes」の場合、ステップS606に移行する。
【0181】
ステップS604からステップS605に移行すると、風量決定部26は、ファン60の風量を常時換気時の通常風量である「中」に決定し、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の風量「中」を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60の風量を「中」となるように制御する。その後、ステップS607に移行する。
【0182】
ステップS604からステップS606に移行すると、ファン60の単独作動時に騒音検知手段45が検知した騒音値が閾値G5よりも高いので、風量決定部26は、ファン60の風量を通常風量「中」よりも小さい静音風量「弱」に決定する。そして、風量決定部26は、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の風量「弱」を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60の風量を「弱」となるように制御する。その後、ステップS607に移行する。
【0183】
ステップS605又はステップS606からステップS607に移行すると、加熱制御部20は、燃焼部10のバーナ11又は加熱庫17に対して点火操作があったか否かを判断する。
【0184】
ユーザが点火操作を行うまでは、ステップS607において「No」となり、ステップS603~S606を繰り返す。その結果、風量決定部26は、騒音検知手段45が検知した騒音値の高低に応じて、ファン60を通常風量「中」又は静音風量「弱」に切り替える。そして、ユーザが点火操作を行うと、ステップS607において「Yes」となり、図10に示すステップS611に移行する。
【0185】
図9に示すステップS607又はステップS609から図10に示すステップS611に移行すると、加熱制御部20は、燃焼部10における点火操作されたバーナ11又は加熱庫17を点火し、加熱調理を開始する。
【0186】
次に、加熱制御部20はステップS612に移行し、風量決定部26が加熱調理の状態、具体的には、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力を取得する。
【0187】
次に、加熱制御部20はステップ613に移行し、風量決定部26は、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力に応じて、ファン60の風量を「強」、「中」、「弱」の3段階で決定する。
【0188】
次に、加熱制御部20はステップS614に移行し、風量決定部26が送信部29から受信部79に向けて、決定したファン60の風量「強」、「中」又は「弱」を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60の風量を風量決定部26が決定した風量となるように制御する。
【0189】
次に、加熱制御部20はステップS615に移行し、報知制御部24によって報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も小さい1段階に設定する。
【0190】
次に、加熱制御部20はステップS616に移行し、換気装置6のファン60の作動によって発生する騒音や、その周辺で発生する騒音を騒音検知手段45に検知させる。そして、加熱制御部20の報知制御部24は、騒音検知手段45が検知した騒音値を取得する。
【0191】
次に、加熱制御部20はステップS617に移行し、報知制御部24は、取得した騒音値が所定の閾値G6よりも高いか否かを判断する。ステップS617において「Yes」の場合、ステップS618に移行する。その一方、ステップS617において「No」の場合、ステップS619に移行する。
【0192】
ステップS617からステップS618に移行すると、報知制御部24は、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの最も大きい3段階に変更した後、ステップS621に移行する。
【0193】
ステップS617からステップS619に移行すると、報知制御部24は、取得した騒音値が閾値G6以下、かつ所定の閾値G7よりも高いか否かを判断する。
【0194】
ステップS619において「No」の場合、取得した騒音値が閾値G7以下であって、報知手段40が報知を行うときの音量を1段階から変更する必要がないので、ステップS621に移行する。
【0195】
その一方、ステップS619において「Yes」の場合、報知制御部24はステップS620に移行し、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうちの2段階に変更した後、ステップS621に移行する。
【0196】
ステップS618、ステップS619又はステップS620からステップS621に移行すると、加熱制御部20は、加熱調理の状態、具体的には、作動しているバーナ11又は加熱庫17の加熱出力が変更されたか否かを判断する。
【0197】
ステップS621において「Yes」の場合、ステップS612~S620を繰り返す。その結果、風量決定部26は、変更された加熱調理の状態に応じてファン60の風量を決定し、報知制御部24は、騒音検知手段45が検知した騒音値に応じて報知手段40が報知を行うときの音量を変更する。
【0198】
その一方、ステップS621において「No」の場合、ステップS622に移行する。そして、加熱制御部20は、消火操作があったか否かを判断する。ステップS622において「No」の場合、ステップS621に戻る。
【0199】
その一方、ステップS622において「Yes」の場合、ステップS623に移行する。そして、加熱制御部20は、燃焼部10における消火操作されたバーナ11又は加熱庫17を消火し、加熱調理を終了する。
【0200】
次、加熱制御部20はステップS624に移行し、風量決定部26がファン60を燃焼部10の消火に連動させるため、ファン60の停止を決定する。そして、風量決定部26は、加熱調理器1の加熱調理によって発生する熱気を換気し終える程度に設定された所定時間の経過後、送信部29から受信部79に向けて、ファン60の停止を指示する赤外線信号を送信させる。その結果、換気装置6において、ファン制御部70がファン60を停止させ、換気を終了する。そして、加熱制御部20はこのプログラムを終了し、加熱調理器1の電源がオフになるまでこのプログラムを繰り返し実行する。
【0201】
<作用効果>
実施例6の加熱調理システムでは、影響要因は、騒音検知手段45が検知した騒音値である。そして、図10に示すステップS615~S620を実行する報知制御部24により、換気装置6から発生する騒音が大きい場合にその騒音の大きさを正確に把握し、それに応じて報知手段40の音量を適正に大きくできる。その結果、この加熱調理システムでは、換気装置6から発生する騒音が大きくなっても、報知手段40の音声がその騒音に紛れてしまうことを確実性高く抑制できる。
【0202】
したがって、実施例6の加熱調理システムでは、実施例1~5の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0203】
また、この加熱調理システムにおいて、騒音検知手段45は、図9に示すステップS603において、燃焼部10が作動しておらず、かつファン60が作動しているファン60の単独作動時にも、騒音を検知する。そして、風量決定部26は、ステップS604において、ファン60の単独作動時に騒音検知手段45が検知した騒音値が閾値G5よりも高いと判断した場合、ステップS606において、ファン60の風量を静音風量「弱」まで小さくする。
【0204】
ファン60の単独作動は、換気装置6が常時換気を実行する場合に実施される。ここで、ファン60の単独作動時に、換気装置6から発生する騒音が大きいと、ユーザがテレビ等を視聴したり会話したりするときのユーザの快適性を阻害するおそれがある。この点、上記構成の騒音検知手段45及び風量決定部26によれば、騒音検知手段45が検知した騒音値が閾値G5よりも高い場合、ファン60の風量を静音風量「弱」まで小さくすることで、ユーザがテレビ等を視聴したり会話したりするときの快適性が阻害されることを抑制できる。
【0205】
(実施例7)
図11に示すように、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1の加熱調理システム100に係る加熱調理器1について、加熱制御部20から風量決定部26及び報知制御部24を無くすように変更している。
【0206】
また、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1に係る加熱調理器1について、騒音検知手段45を無くすとともに、送信部29の代わりに第1通信部229を有するように変更している。第1通信部229は、Bluetooth(登録商標)等の近距離無線通信やWi-Fi(登録商標)等の無線通信によって信号の送受信が可能である。
【0207】
さらに、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1に係る換気装置6について、ファン制御部70の代わりに、CPU、ROM、RAM等を含んで構成されたファン制御部270を有するように変更している。ファン制御部270は、記憶部271、風量決定部276及び報知制御部274を有している。
【0208】
また、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1に係る換気装置6について、受信部79の代わりに第2通信部279を有するように変更している。第2通信部279は、第1通信部229との間で、近距離無線通信や無線通信によって信号の送受信が可能である。
【0209】
さらに、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1に係る換気装置6について、音声による報知を行う報知手段240を有するように変更されている。
【0210】
実施例7のその他の構成は実施例1と同様である。このため、実施例1と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0211】
この加熱調理システム200では、ファン制御部270の風量決定部276は、第1通信部229と第2通信部279との間の双方向通信を介して、加熱制御部20から燃焼部10の運転状態等の加熱調理に関する情報を取得し、ファン60の風量を決定する。すると、ファン制御部270はファン60を制御し、ファン60の風量を決定した風量となるように制御する。
【0212】
また、この加熱調理システム200では、ファン制御部270の報知制御部274は、風量決定部276が決定したファン60の風量や、燃焼部10の運転状態等に応じて報知手段240の音声出力を変化させる。また、報知制御部274は、第1通信部229と第2通信部279との間の双方向通信を介して、加熱調理器1の報知手段40を部分的に制御し、報知手段40の音声出力を変化させる。
【0213】
したがって、実施例7の加熱調理システム200では、実施例1~6の加熱調理システム100と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40、240の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0214】
(実施例8)
図12に示すように、実施例8の加熱調理システム300では、実施例2の加熱調理システム200に警報器301が追加されている。警報器301は、ガスセンサ331によってガス漏れを検知したり、火災検知センサ332によって火災を検知したりしたときに、警報制御部320が報知手段340を制御してガス漏れや火災の警報の報知を音声により行う。ガスセンサ331及び火災検知センサ332はそれぞれ、本発明の「危険事象検知部」の一例である。
【0215】
警報器301は、第3通信部329を有している。第3通信部329は、第1通信部229及び第2通信部279との間で、近距離無線通信や無線通信によって信号の送受信が可能である。
【0216】
警報制御部320は、CPU、ROM、RAM等を含んで構成され、記憶部321及び風量決定部326を有している。なお、実施例2に係る風量決定部276については、実施例3では無くすように変更している。
【0217】
実施例8のその他の構成は実施例7と同様である。このため、実施例7と同一の構成については同一の符号を付して説明を省略又は簡略する。
【0218】
この加熱調理システム300では、警報制御部320の風量決定部326は、第1通信部229と第3通信部329との間の双方向通信を介して、加熱制御部20から燃焼部10の運転状態等の加熱調理に関する情報を取得し、ファン60の風量を決定する。そして、風量決定部326は、第2通信部279と第3通信部329との間の双方向通信を介して、決定したファン60の風量をファン制御部270に伝達する。すると、ファン制御部270はファン60を制御し、ファン60の風量を決定した風量となるように制御する。
【0219】
また、この加熱調理システム300では、ファン制御部270の報知制御部274は、警報制御部320の風量決定部326が決定したファン60の風量や、第1通信部229と第2通信部279との間の双方向通信を介して取得した燃焼部10の運転状態等に応じて報知手段240の音声出力を変化させる。さらに、報知制御部274は、第1通信部229と第2通信部279との間の双方向通信を介して、加熱調理器1の報知手段40を部分的に制御し、報知手段40の音声出力を変化させる。さらに、報知制御部274は、第2通信部279と第3通信部329との間の双方向通信を介して、警報器301の報知手段340を部分的に制御し、報知手段340の音声出力を変化させる。
【0220】
したがって、実施例8の加熱調理システム300では、実施例1~7の加熱調理システム100、200と同様に、ユーザが換気装置6の騒音によって報知手段40、240、340の音声を聞き逃すことを確実性高く抑制できる。
【0221】
また、この加熱調理システム300では、警報器301においてガスセンサ331がガス漏れを検知したり、火災検知センサ332が火災を検知したりして報知手段340が警報を報知するときに、ユーザが換気装置6の騒音によって警報を聞き逃すことを確実性高く抑制でき、その結果、安全性の一層の向上を実現できる。
【0222】
以上において、本発明を実施例1~8に即して説明したが、本発明は上記実施例1~8に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0223】
実施例1~8では、加熱手段がガス燃焼式の燃焼部10であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、加熱手段は、抵抗加熱や電磁誘導加熱等を利用した電気式でもよい。
【0224】
実施例1~6では、加熱調理器1と換気装置6との間の通信が赤外線式の送信部と受信部とによる片方向通信であるが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例1~6に係る送信部29について電波信号を送信する電波式の送信部に変更し、実施例1~6に係る受信部79について電波信号を受信する電波式の受信部に変更した構成も本発明に含まれる。
【0225】
実施例1~8では、加熱調理器1と換気装置6との間の通信が無線であるが本発明はこの構成には限定されず、加熱調理器1と換気装置6との通信が有線であってもよい。実施例8に係る警報器301と、加熱調理器1及び換気装置6との通信についても同様である。
【0226】
実施例1~8では、ファン60の風量が3段階で変更されるが本発明はこの構成には限定されず、より多い段階で変更されてもよいし、なだらかに連続的に変更されてもよい。
【0227】
実施例1~4のステップS101、S201、S301、S401において、報知手段40が報知を行うときの音量を3段階のうち最も小さい1段階に設定しているが、本発明はこの構成には限定されない。例えば、実施例1~4のステップS101、S201、S301、S401において、報知手段40が報知を行うときの音量を最も小さい1段階以外の音量が小さめの段階に設定してもよいし、現在の設定のままでもよい。
【0228】
実施例5について、ユーザの年齢に加えて、性別も入力できるようにして、ユーザの年齢と性別に応じて報知手段40の音声出力を変化させるようにしてもよい。また、実施例5について、年齢入力部36にて年齢を取得する代わりに、ユーザの顔を撮像する装置を加熱調理システム100に設けて、撮像した画像から年齢を判別するようにしてもよい。
【0229】
実施例7について、ファン60の風量が最も大きい段階に設定されたときは、報知手段240の報知と併せて、照明部69を点灯又は点滅させてもよい。また、実施例7について、危険度が高い報知を報知手段240が行う場合にのみ、報知手段240の報知と併せて、照明部69を点灯又は点滅させてもよい。
【0230】
実施例8について、換気装置6から報知制御部274を無くし、警報機301の警報制御部320が報知制御部を有するように変更した構成も、本発明に含まれる。
【0231】
報知手段は、加熱調理器及び換気装置から離れた位置に設けられてもよい。騒音検知手段についても同様である。
【産業上の利用可能性】
【0232】
本発明は例えば、住宅や調理施設等に設置される加熱調理システムに利用可能である。
【符号の説明】
【0233】
100、200、300…加熱調理システム
5…被加熱物(調理容器)
10…加熱手段(燃焼部)
20…加熱制御部
1…加熱調理器
60…ファン
70、270…ファン制御部
6…換気装置
26、276、326…風量決定部
40、240、340…報知手段
24、274…報知制御部
11D…温度センサ
36…年齢入力部
37…個別設定入力部
45…騒音検知手段
29…送信部
79…受信部
301…警報器
331、332…危険事象検知部(331…ガスセンサ、332…火災検知センサ332)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12