(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052862
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】ドラムカートリッジ
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20220329BHJP
G03G 21/18 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/18 178
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159360
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(72)【発明者】
【氏名】小森 彩香
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】平野 草太
(72)【発明者】
【氏名】樋上 和馬
(72)【発明者】
【氏名】尾▲崎▼ 茉莉花
【テーマコード(参考)】
2H171
2H270
【Fターム(参考)】
2H171FA02
2H171FA09
2H171FA13
2H171GA20
2H171JA23
2H171JA29
2H171JA40
2H171JA50
2H171KA17
2H270KA03
2H270LA75
2H270LA94
2H270NB02
2H270NB06
2H270RA11
2H270RA12
2H270RC05
2H270RC16
2H270ZC03
2H270ZC04
(57)【要約】
【課題】感光体ドラムの消耗量を精度よく算出する。
【解決手段】ドラムカートリッジは、感光体ドラムと、現像ローラと、ドラムメモリ85とを備える。ドラムメモリ85は、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが停止している第1状態で感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数(第1の総回転回数Z)を記憶する第1記憶領域85Aと、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが回転している第2状態で感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数(第2の総回転回数Y)を記憶する第2記憶領域85Bと、有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドラムカートリッジであって、
感光体ドラムと、
現像ローラと、
前記感光体ドラムが回転し、かつ、前記現像ローラが停止している第1状態で前記感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数を記憶する第1記憶領域と、前記感光体ドラムが回転し、かつ、前記現像ローラが回転している第2状態で前記感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数を記憶する第2記憶領域と、有するドラムメモリと、
を備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項2】
前記感光体ドラムの累積の消耗量である総消耗量は、前記第1の回転回数と前記第2の回転回数とに基づいて決定されることを特徴とする請求項1に記載のドラムカートリッジ。
【請求項3】
前記感光体ドラムの回転により消耗した前記感光体ドラムの消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足すことで決定され、
前記総消耗量は、前記感光体ドラムが新品である状態からの前記消耗量を累積することで決定されることを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項4】
前記感光体ドラムの回転により消耗した前記感光体ドラムの消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記総消耗量が大きいほど大きい値となるように、かつ、前記現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第1補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項5】
前記感光体ドラムの回転により消耗した前記感光体ドラムの消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記総消耗量が大きいほど大きい値となるように決定された第2補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項6】
前記感光体ドラムの回転により消耗した前記感光体ドラムの消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第3補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項2に記載のドラムカートリッジ。
【請求項7】
感光体ドラムは、軸方向に延びる第1軸について回転し、
現像ローラは、軸方向に延びる第2軸について回転することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項8】
前記ドラムカートリッジは、
前記現像ローラを含む現像カートリッジとともに使用されるものであり、
前記現像カートリッジが装着または取り外し可能であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項9】
前記ドラムカートリッジは、
複数の前記感光体ドラムを有し、
画像形成装置の本体筐体から引き出すことが可能なドロワであることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項10】
ドラムカートリッジであって、
感光体ドラムと、
現像ローラと、
前記感光体ドラムが回転し、かつ、前記現像ローラが停止している第1状態で前記感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数と、前記感光体ドラムが回転し、かつ、前記現像ローラが回転している第2状態で前記感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数と、に基づいて決定された前記感光体ドラムの回転により消耗した前記感光体ドラムの消耗量を記憶するドラムメモリと、
を備えることを特徴とするドラムカートリッジ。
【請求項11】
前記感光体ドラムの消耗量の累積である総消耗量は、前記感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における前記消耗量を累積することで決定され、
前記ドラムメモリは、前記総消耗量を記憶することを特徴とする請求項10に記載のドラムカートリッジ。
【請求項12】
前記感光体ドラムの消耗量の累積である総消耗量は、前記感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における前記消耗量を累積することで決定され、
前記ドラムメモリは、前記感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における前記消耗量を逐次、記憶することを特徴とする請求項10または請求項11に記載のドラムカートリッジ。
【請求項13】
前記消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足すことで決定され、
前記総消耗量は、前記感光体ドラムが新品である状態からの前記消耗量を累積することで決定されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項14】
前記消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記総消耗量が大きいほど大きい値となるように、かつ、前記現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第1補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項15】
前記消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記総消耗量が大きいほど大きい値となるように決定された第2補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項16】
前記消耗量は、前記第1の回転回数と第1係数を乗じた値および前記第2の回転回数と前記第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、前記現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第3補正係数を乗じることで決定されることを特徴とする請求項11または請求項12に記載のドラムカートリッジ。
【請求項17】
感光体ドラムは、軸方向に延びる第1軸について回転し、
現像ローラは、軸方向に延びる第2軸について回転することを特徴とする請求項10から請求項16のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項18】
前記ドラムカートリッジは、
前記現像ローラを含む現像カートリッジとともに使用されるものであり、
前記現像カートリッジが装着または取り外し可能であることを特徴とする請求項10から請求項17のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【請求項19】
前記ドラムカートリッジは、
複数の前記感光体ドラムを有し、
画像形成装置の本体筐体から引き出すことが可能なドロワであることを特徴とする請求項10から請求項18のいずれか1項に記載のドラムカートリッジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、感光体ドラムと現像ローラを備えるドラムカートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
感光体ドラムと現像ローラを備えるドラムカートリッジが知られている(特許文献1参照)。このドラムカートリッジが装着された画像形成装置では、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが感光体ドラムに接触する時間をカウントする。そして、現像ローラが感光体ドラムに接触する時間が閾値に達した場合に、感光体ドラムが消耗して感光体ドラムが寿命に達したと判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、感光体ドラムと現像ローラとをそれぞれ個別に回転または停止する画像形成装置が考えられる。このような画像形成装置においては、現像ローラが回転している状態で感光体ドラムが回転する場合と、現像ローラが停止している状態で感光体ドラムが回転する場合が想定される。この場合、従来技術のように、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが感光体ドラムに接触している時間をカウントしても、現像ローラが回転している状態で感光体ドラムが回転する場合と、現像ローラが停止している状態で感光体ドラムが回転する場合で、感光体ドラムの消耗量が異なるので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出できないおそれがある。
【0005】
そこで、本開示は、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するための本開示のドラムカートリッジは、感光体ドラムと、現像ローラと、ドラムメモリと、を備える。ドラムメモリは、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが停止している第1状態で感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数を記憶する第1記憶領域と、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが回転している第2状態で感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数を記憶する第2記憶領域と、有する。
【0007】
この構成によれば、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが停止している第1状態で感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数と、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが回転している第2状態で感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数とを別々にドラムメモリに記憶するため、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0008】
前記した構成において、感光体ドラムの累積の消耗量である総消耗量は、第1の回転回数と第2の回転回数とに基づいて決定される構成としてもよい。
この構成によれば、感光体ドラムの総消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0009】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足すことで決定され、総消耗量は、感光体ドラムが新品である状態からの消耗量を累積することで決定される構成としてもよい。
【0010】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、総消耗量が大きいほど大きい値となるように、かつ、現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第1補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0011】
この構成によれば、感光体ドラムの総摩耗量および現像ローラの総回転回数に基づいた第1補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出ことが可能となる。
【0012】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、総消耗量が大きいほど大きい値となるように決定された第2補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0013】
この構成によれば、感光体ドラムの総摩耗量に基づいた第2補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0014】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第3補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0015】
この構成によれば、現像ローラの総回転回数に基づいた第3補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0016】
前記した構成において、感光体ドラムは、軸方向に延びる第1軸について回転し、現像ローラは、軸方向に延びる第2軸について回転する構成としてもよい。
【0017】
前記した構成において、ドラムカートリッジは、現像ローラを含む現像カートリッジとともに使用されるものであり、現像カートリッジが装着または取り外し可能である構成としてもよい。
【0018】
前記した構成において、ドラムカートリッジは、複数の感光体ドラムを有し、画像形成装置の本体筐体から引き出すことが可能なドロワである構成としてもよい。
【0019】
上述の課題を解決するための本開示のドラムカートリッジは、感光体ドラムと、現像ローラと、ドラムメモリと、を備える。ドラムメモリは、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが停止している第1状態で感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数と、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが回転している第2状態で感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数と、に基づいて決定された感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量を記憶する。
【0020】
この構成によれば、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが停止している第1状態で感光体ドラムが回転した回数である第1の回転回数と、感光体ドラムが回転し、かつ、現像ローラが回転している第2状態で感光体ドラムが回転した回数である第2の回転回数とに基づいて決定された感光体ドラムの消耗量をドラムメモリに記憶する。このため、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0021】
前記した構成において、感光体ドラムの消耗量の累積である総消耗量は、感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における消耗量を累積することで決定され、ドラムメモリは、総消耗量を記憶する構成としてもよい。
【0022】
前記した構成において、感光体ドラムの消耗量の累積である総消耗量は、感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における消耗量を累積することで決定され、ドラムメモリは、感光体ドラムが新品である状態からの所定期間における消耗量を逐次、記憶する構成としてもよい。
【0023】
前記した構成において、消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足すことで決定され、総消耗量は、感光体ドラムが新品である状態からの消耗量を累積することで決定される構成としてもよい。
【0024】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、総消耗量が大きいほど大きい値となるように、かつ、現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第1補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0025】
この構成によれば、感光体ドラムの総摩耗量および現像ローラの総回転回数に基づいた第1補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出ことが可能となる。
【0026】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、総消耗量が大きいほど大きい値となるように決定された第2補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0027】
この構成によれば、感光体ドラムの総摩耗量に基づいた第2補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0028】
前記した構成において、感光体ドラムの回転により消耗した感光体ドラムの消耗量は、第1の回転回数と第1係数を乗じた値および第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値に、現像ローラが新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数が大きいほど小さい値となるように決定された第3補正係数を乗じることで決定される構成としてもよい。
【0029】
この構成によれば、現像ローラの総回転回数に基づいた第3補正係数を乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出することが可能となる。
【0030】
前記した構成において、感光体ドラムは、軸方向に延びる第1軸について回転し、現像ローラは、軸方向に延びる第2軸について回転する構成としてもよい。
【0031】
前記した構成において、ドラムカートリッジは、現像ローラを含む現像カートリッジとともに使用されるものであり、現像カートリッジが装着または取り外し可能である構成としてもよい。
【0032】
前記した構成において、ドラムカートリッジは、複数の感光体ドラムを有し、画像形成装置の本体筐体から引き出すことが可能なドロワである構成としてもよい。
【発明の効果】
【0033】
本開示の画像形成装置によれば、感光体ドラムの消耗量を精度よく算出できる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図1】実施形態に係る画像形成装置の断面図である。
【
図2】制御部、本体メモリ、ドラムメモリ、現像メモリ、モータおよび各クラッチの電気的接続などを説明するブロック図である。
【
図3】第1実施形態における制御部がドラムメモリに情報を記憶する処理を示すフローチャートである。
【
図4】第1実施形態における寿命判定処理を示すフローチャートである。
【
図5】第2実施形態における制御部がドラムメモリに情報を記憶する処理を示すフローチャートである。
【
図6】第2実施形態における寿命判定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
次に、本開示の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に示すように、画像形成装置1はモノクロ用のレーザプリンタである。画像形成装置1は、装置本体2と、フィーダ部3と、画像形成部4と、制御部100と、本体メモリ110とを備える。
【0036】
装置本体2は、中空のケース状である。装置本体2は、側壁21R,21Lと、側壁21Rおよび側壁21Lを繋ぐ前壁22とを有している。前壁22は、本体開口22Aを有する。前壁22には、本体開口22Aを開閉するフロントカバー23が設けられている。
【0037】
フィーダ部3は、供給トレイ31と、供給機構32とを備えている。供給トレイ31は、装置本体2の下部に着脱可能に装着される。供給機構32は、供給トレイ31と、供給トレイ31内のシートSを画像形成部4に向けて給紙する。
【0038】
画像形成部4は、スキャナユニット5と、ベルトユニット6と、定着装置7と、ドラムカートリッジ8と、現像カートリッジ9とを備えている。
【0039】
スキャナユニット5は、装置本体2内の上部に設けられ、図示しないレーザ発光部、ポリゴンミラー、レンズおよび反射鏡などを備えている。このスキャナユニット5では、レーザビームを、後述する感光体ドラム81の表面上に高速走査にて照射する。
【0040】
ベルトユニット6は、ベルト61と、駆動ローラ62と、従動ローラ63と、を有している。ベルトユニット6は、装置本体2に対して着脱可能である。
【0041】
図2に示すように、制御部100は、例えば、CPU101、RAM102、ROM103、EEPROM104および入出力回路を備えており、装着されたカートリッジの情報やRAM102、ROM103などに記憶されたプログラムやデータなどに基づいて演算処理を行うことによって、印刷制御を実行している。なお、RAM102、および、EEPROM104は、本体メモリ110の一例である。また、RAM102は、揮発性メモリの一例である。本実施形態では、CPU101は、RAM102と、ROM103と、EEPROM104と、後述するドラムメモリ85および現像メモリ95と電気的に接続されている。なお、EEPROM104は不揮発性メモリの一例である。
【0042】
図1に戻り、ドラムカートリッジ8は、フィーダ部3とスキャナユニット5との間に配置されている。ドラムカートリッジ8は、装置本体2に対して着脱可能である。具体的に、ドラムカートリッジ8は、装置本体2のフロントカバー23で開閉される本体開口22Aを通して、装置本体2に対して着脱可能である。
【0043】
ドラムカートリッジ8は、現像ローラ91を含む現像カートリッジ9とともに使用されるものである。本実施形態では、ドラムカートリッジ8は、現像カートリッジ9が装着または取り外し可能である。現像カートリッジ9は、ドラムカートリッジ8に組み付けられた状態で、装置本体2に装着される。
【0044】
ドラムカートリッジ8は、フレーム80と、感光体ドラム81と、転写ローラ82と、帯電器83と、ドラムメモリ85とを有している。フレーム80は、現像カートリッジ9を装着可能である。感光体ドラム81および転写ローラ82は、フレーム80に回転可能に支持されている。感光体ドラム81は、感光体ドラム81の軸方向(以下の説明では単に「軸方向」という。)に延びる第1軸81Xについて回転する。
【0045】
ドラムメモリ85は、例えば、ICチップなどの情報を記憶する媒体であり、ICチップに限られない。
【0046】
現像カートリッジ9は、筐体90と、現像ローラ91と、供給ローラ92と、ブレード93と、現像メモリ95とを有している。筐体90は、内部にトナーを収容可能である。現像ローラ91は感光体ドラム81にトナーを供給する。現像ローラ91は、軸方向に延びる第2軸91Xについて回転する。供給ローラ92は筐体90のトナーを現像ローラ91に供給する。ブレード93は、現像ローラ91に供給されたトナーの層厚を規制する。
【0047】
現像メモリ95は、例えば、ICチップなどの情報を記憶する媒体であり、ICチップに限られない。現像メモリ95は、不揮発性メモリの一例である。
【0048】
図2に示すように、画像形成装置1は、モータMと、第1クラッチCR1と、第2クラッチCR2と、をさらに備える。なお、
図2では、電気信号の伝達を実線の矢印で示し、駆動力の伝達を破線の矢印で示している。モータMは、制御部100の指令により回転される。
【0049】
第1クラッチCR1は、モータMの駆動力を感光体ドラム81に伝える。第1クラッチCR1は、制御部100の指令により、感光体ドラム81を回転させる状態と、停止させる状態とに切替可能である。
第2クラッチCR2は、制御部100の指令により、モータMの駆動力を現像ローラ91に伝える。第2クラッチCR2は、現像ローラ91を回転させる状態と、停止させる状態とに切替可能である。
具体的に、モータMが回転しているときに、第1クラッチCR1がONである場合には感光体ドラム81が回転し、OFFである場合には感光体ドラム81が停止する。モータMが回転しているときに、第2クラッチCR2がONである場合には現像ローラ91が回転し、OFFである場合には現像ローラ91が停止する。
【0050】
図1に戻り、このドラムカートリッジ8では、回転する感光体ドラム81の表面が、帯電器83により一様に帯電された後、スキャナユニット5からのレーザビームの高速走査により露光される。これにより、露光された部分の電位が下がって、感光体ドラム81の表面に画像データに基づく静電潜像が形成される。
【0051】
次いで、回転駆動される現像ローラ91によって現像カートリッジ9内のトナーが感光体ドラム81の静電潜像に供給されて、感光体ドラム81の表面上にトナー像が形成される。その後、感光体ドラム81と転写ローラ82の間でシートSが搬送されることで、感光体ドラム81の表面に担持されているトナー像がシートS上に転写される。
【0052】
定着装置7は、加熱ローラ71と、加圧ローラ72とを備えている。加圧ローラ72は、加熱ローラ71と向かいあって位置している。加圧ローラ72は、加熱ローラ71を押圧する。定着装置7は、シートS上に転写されたトナーを、シートSが加熱ローラ71と加圧ローラ72との間を通過する間に熱定着する。
【0053】
定着装置7で熱定着されたシートSは、定着装置7の下流側に配設される排紙ローラ24に搬送され、この排紙ローラ24から排紙トレイ25上に送り出される。
【0054】
制御部100は、感光体ドラム81を回転させた場合、第1の回転回数と、第2の回転回数とに基づいて、感光体ドラム81の累積の消耗量である総消耗量Wを決定する。第1の回転回数は、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が停止している第1状態における感光体ドラム81の回転回数である。第2の回転回数は、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が回転している第2状態における感光体ドラム81の回転回数である。
【0055】
以下、第1実施形態における、感光体ドラム81の総消耗量Wの算出方法を説明する。
制御部100は、感光体ドラム81を回転させた場合、第1の回転回数と、第2の回転回数とを所定期間カウントする。制御部100が、所定時間カウントした第1の回転回数xと、第2の回転回数yは、逐次、RAM102に書き込まれる。所定期間は、一定時間であってもよいし、印刷ジョブ1回分であってもよいし、感光体ドラム81が所定回数回転する期間であってもよい。
【0056】
図2に示すように、ドラムメモリ85は、第1記憶領域85Aと、第2記憶領域85Bとを有する。
【0057】
制御部100は、第1記憶領域85Aに第1の回転回数を記憶させる。つまり、第1記憶領域85Aは、第1の回転回数を記憶する。第1実施形態では、第1記憶領域85Aは、第1の総回転回数Xを第1の回転回数として記憶する。第1の総回転回数Xは、感光体ドラム81が新品である状態から、第1状態で感光体ドラム81が回転した回数の累積である。すなわち、第1記憶領域85Aには、第1状態の感光体ドラム81が回転するたびに、第1の総回転回数Xに、第1の回転回数xが加算される。なお、感光体ドラム81が新品の場合には、第1記憶領域85Aは、X=0が記憶されている。
【0058】
制御部100は、第2記憶領域85Bに第2の回転回数を記憶させる。つまり、第2記憶領域85Bは、第2の回転回数を記憶する。第1実施形態では、第2記憶領域85Bは、第2の総回転回数Yを第2の回転回数として記憶する。第2の総回転回数Yは、感光体ドラム81が新品である状態から、第2状態で感光体ドラム81が回転した回数の累積である。すなわち、第2記憶領域85Bには、第2状態の感光体ドラム81が回転するたびに、第2の総回転回数Yに、第2の回転回数yが加算される。なお、感光体ドラム81が新品の場合には、第2記憶領域85Bは、Y=0が記憶されている。
【0059】
このようにして、制御部100は、所定期間カウントした第1の回転回数xと、第2の回転回数yとをドラムメモリ85に加算する。
【0060】
制御部100は、感光体ドラム81の消耗量を算出する場合、ドラムメモリ85からのRAM102に第1の総回転回数Xと第2の総回転回数Yを読み出す。そして、制御部100は、RAM102に記憶された、第1の総回転回数Xと、第2の総回転回数Yとに基づいて、感光体ドラム81の総消耗量Wを算出する。具体的に、制御部100は、第1の総回転回数Xに第1係数aを乗じた数と、第2の総回転回数Yに第2係数bを乗じた数と、を足した数を感光体ドラム81の総消耗量Wとして算出する(W=aX+bY)。第2係数bは、第1係数aより小さい数である。なお、第1係数aおよび第2係数bは、正の数であり、画像形成装置1の出荷前に実験データから求められた値である。第1係数aおよび第2係数bは、ドラムメモリ85または本体メモリ110(例えば、EEPROM104)に予め記憶されている。
【0061】
制御部100は、感光体ドラム81の総消耗量Wが閾値に達した場合に、感光体ドラム81が寿命に達したと判定する。なお、寿命を判定するための閾値は、ドラムメモリ85または本体メモリ110(例えば、EEPROM104)に予め記憶されている。
【0062】
制御部100は、感光体ドラム81の寿命から感光体ドラム81の総消耗量Wを引くことで感光体ドラム81の残りの寿命を算出する。例えば、算出した残りの寿命は、画像形成装置1の表示部(図示省略)に表示する。
【0063】
次に、第1実施形態において制御部100が実行する実施形態の処理の一例について、
図3、
図4のフローチャートを参照して説明する。制御部100は、画像形成装置1の電源がONになっている間、この処理を繰り返し実行している。
【0064】
図3に示すように、制御部100は、モータMがONされたかを判定する(S1)。制御部100は、モータMがONされたと判定しない場合(S1,No)、モータMがONされるまで待つ。
【0065】
ステップS1において、制御部100は、モータMがONされたと判定した場合(S1,Yes)、第1クラッチCR1がONであるかを判定する(S2)。
【0066】
ステップS2において、制御部100は、第1クラッチCR1がONであると判定しなかった場合(S2,No)、感光体ドラム81が回転していないので、第1クラッチCR1がONするまで待つ。
【0067】
ステップS2において、制御部100は、第1クラッチCR1がONであると判定した場合(S2,Yes)、第2クラッチCR2がONであるかを判定する(S3)。
【0068】
ステップS3において、第2クラッチCR2がONであると判定しなかった場合(S3,No)、制御部100は、所定時間、感光体ドラム81の回転回数をカウントする(S4)。この場合、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が停止している第1状態であるので、制御部100は、カウントした回転回数を第1の回転回数xとしてRAM102に記憶する(S5)。
【0069】
ステップS5の後、制御部100は、第1記憶領域85Aに記憶されている第1の総回転回数Xに、第1の回転回数xを加算する(S6)。
【0070】
ステップS6の後、制御部100は、後述する寿命判定処理(S20)を実行し、ステップS3に移行する。
【0071】
一方、ステップS3において、第2クラッチCR2がONであると判定した場合(S3,Yes)、制御部100は、所定時間、感光体ドラム81の回転回数をカウントする(S7)。この場合、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が回転している第2状態であるので、制御部100は、カウントした回転回数を第2の回転回数yとしてRAM102に記憶する(S8)。
【0072】
ステップS8の後、制御部100は、第2記憶領域85Bに記憶されている第2の総回転回数Yに、第2の回転回数yを加算する(S9)。
【0073】
ステップS9の後、制御部100は、後述する寿命判定処理(S20)を実行し、モータMをOFFするかを判定する(S10)。
【0074】
ステップS10において、モータMをOFFすると判定しなかった場合(S10,No)、感光体ドラム81が引き続き第2状態で回転するので、制御部100は、処理をステップS3に移行する。
【0075】
ステップS10において、制御部100は、モータMをOFFすると判定した場合(S10,Yes)、第1クラッチCR1および第2クラッチCR2をOFFして(S11)処理を終了する。
次に、制御部100が実行する第1実施形態における寿命判定処理の一例について、
図4のフローチャートを参照して説明する。
【0076】
図4に示すように、寿命判定処理を実行する場合、制御部100は、ドラムメモリ85からRAM102に、第1の総回転回数Xと、第2の総回転回数Yを読み出す(S21)。
【0077】
ステップS21の後、制御部100は、第1の総回転回数Xに第1係数aを乗じた数と、第2の総回転回数Yに第2係数bを乗じた数と、を足した数を感光体ドラム81の総消耗量Wとして算出する(W=aX+bY)(S22)。
【0078】
ステップS22の後、制御部100は、算出した総消耗量Wが閾値以上であるかを判定する(S23)。
【0079】
ステップS23において、制御部100は、算出した総消耗量Wが閾値以上であると判定した場合(S23,Yes)、感光体ドラム81が寿命に達したと判定し(S24)、処理を終了する。
一方、ステップS23において、制御部100は、算出した総消耗量Wが閾値以上であると判定しなかった場合(S23,No)、感光体ドラム81が寿命に達したと判定せずに処理を終了する。
【0080】
上述した第1実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
【0081】
上述したように、ドラムカートリッジ8のドラムメモリ85には、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が停止している第1状態で感光体ドラム81が回転した回数である第1の回転回数と、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が回転している第2状態で感光体ドラム81が回転した回数である第2の回転回数とを別々に記憶される。このため、感光体ドラム81の消耗量を精度よく算出することが可能となる。
第1状態においては、感光体ドラム81は、現像ローラ91が停止している状態で回転しているので、第2状態に比べて、1回転あたりの消耗量が大きくなる。このため、第1状態と第2状態における感光体ドラム81の1回転あたりの消耗量を同じとして消耗量を算出すると精度よく算出することができない。
しかし、第1実施形態による画像形成装置1の制御部100は、第1状態における第1の回転回数と、第2状態における第2の回転回数とに基づいて、感光体ドラム81の回転による消耗量を算出するので、感光体ドラム81の消耗量を精度よく算出できる。
【0082】
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、第1実施形態と異なり、ドラムメモリ85に感光体ドラム81の総消耗量Wを記憶させる。また、感光体ドラム81の消耗量を算出するときに、感光体ドラム81の総消耗量Wと、現像ローラ91の累積の回転回数である総回転回数Zに基づいた第1補正係数αを使用する。
【0083】
総消耗量Wは、感光体ドラム81が新品である状態からの所定期間における消耗量wを累積して決定される。
所定期間における消耗量wは、第1の回転回数xと第1係数aを乗じた値および第2の回転回数yと第2係数bを乗じた値に第1補正係数αを乗じることで決定される(w=αax、および、w=αby)。
【0084】
第2実施形態では、制御部100は、第1の回転回数x、第2の回転回数yに加えて、所定期間における現像ローラ91の回転回数zをカウントする。第1の回転回数x、第2の回転回数yおよび現像ローラの回転回数zは、逐次、RAM102に書き込まれる。
【0085】
ここで、現像メモリ95には、現像ローラ91の総回転回数Zが記憶されている。現像ローラ91の総回転回数Zは、現像ローラ91が新品である状態から、回転した回数の累積である。すなわち、現像メモリ95には、現像ローラ91が所定期間回転するたびに総回転回数Zに、所定期間における回転回数zが加算される。なお、現像カートリッジ9が新品の場合には、現像メモリ95は、Z=0が記憶されている。
制御部100は、RAMに書き込まれた回転回数zを現像メモリ95に加算する。
【0086】
第2実施形態では、ドラムメモリ85に総消耗量Wが記憶されている。感光体ドラム81が新品の場合には、ドラムメモリ85には、W=0が記憶されている。
【0087】
制御部100は、感光体ドラム81が所定期間回転された場合、所定期間における消耗量wを算出し、算出した消耗量wを総消耗量Wに加算する。このようにして、第2実施形態では、ドラムメモリ85は、総消耗量Wを記憶する。
【0088】
制御部100は、所定期間における消耗量wを算出するために、ドラムメモリ85から総消耗量WをRAM102に読み出す。また、制御部100は、現像メモリ95から現像ローラ91の総回転回数ZをRAM102に読み出す。制御部100は、RAMに読み出した総消耗量Wと総回転回数Zに基づいて第1補正係数αを決定する。
【0089】
第1補正係数αは、総消耗量Wが大きいほど大きい値となるように、かつ、現像ローラ91が新品である状態からの回転回数を累積した総回転回数Zが大きいほど小さい値となるように決定される(α=T+dW-cZ)。なお、T、c、dは、正の数であり、画像形成装置1の出荷前に実験データから決定された値である。
【0090】
次に、第2実施形態において制御部100が実行する実施形態の処理の一例について、
図5、
図6のフローチャートを参照して説明する。なお、第1実施形態と同じ処理については、第1実施形態と同一のステップ番号を付している。なお、ステップS1からステップS5までは、第1実施形態と同じ処理であるため、説明を省略する。
【0091】
図5に示すように、ステップS5の後、制御部100は、後述する寿命判定処理(S40)を実行し、ステップS3に移行する。
【0092】
一方、ステップS3において、第2クラッチCR2がONであると判定した場合(S3,Yes)、制御部100は、所定時間、感光体ドラム81の回転回数をカウントする(S7)。また、制御部100は、ステップS7と同時に所定期間、現像ローラ91の回転回数zをカウントする(S31)。
【0093】
ステップS7およびステップS31の後、感光体ドラム81が回転し、かつ、現像ローラ91が回転している第2状態であるので、制御部100は、カウントした回転回数を第2の回転回数yとしてRAM102に記憶する(S8)。また、制御部100は、所定期間の現像ローラ91の回転回数zを現像メモリ95に記憶されている総回転回数Zに加算する(S32)。
【0094】
ステップS32の後、制御部100は、後述する寿命判定処理(S40)を実行し、モータMをOFFするかを判定する(S10)。
【0095】
ステップS10において、モータMをOFFすると判定しなかった場合(S10,No)、感光体ドラム81が引き続き第2状態で回転するので、制御部100は、処理をステップS7に移行する。
【0096】
ステップS10において、制御部100は、モータMをOFFすると判定した場合(S10,Yes)、第1クラッチCR1および第2クラッチCR2をOFFして(S11)処理を終了する。
次に、制御部100が実行する第2実施形態における寿命判定処理の一例について、
図6のフローチャートを参照して説明する。
【0097】
図6に示すように、寿命判定処理を実行する場合、制御部100は、ドラムメモリ85からRAM102に、総消耗量Wを読み出す(S41)。そして、制御部100は、現像メモリ95からRAM102に、現像ローラ91の総回転回数Zを読み出す(S42)。
【0098】
ステップS42の後、制御部100は、α=T+dW-cZにより、第1補正係数αを算出する(S43)。
【0099】
ステップS43の後、w=αax、または、w=αbyにより、感光体ドラム81の所定期間の消耗量wを算出する(S44)。
【0100】
ステップS44の後、ドラムメモリ85に記憶されている総消耗量Wに、S44で算出した所定期間の消耗量wを加算して、総消耗量Wを更新する(S45)。
【0101】
ステップS46の後、制御部100は、ドラムメモリ85に記憶された総消耗量Wが閾値以上であるかを判定する(S46)。
【0102】
ステップS46において、制御部100は、算出した総消耗量Wが閾値以上であると判定した場合(S46,Yes)、感光体ドラム81が寿命に達したと判定し(S47)、処理を終了する。
一方、ステップS46において、制御部100は、算出した総消耗量Wが閾値以上であると判定しなかった場合(S46,No)、感光体ドラム81が寿命に達したと判定せずに処理を終了する。
【0103】
感光体ドラム81の消耗量は、総消耗量Wが大きいほど消耗度合いが大きくなる場合がある。また、感光体ドラム81の消耗量は、現像ローラ91の総回転回数Zが大きいほど消耗度合いが小さくなる場合がある。
しかし、上述した第2実施形態によれば、感光体ドラム81の総消耗量Wおよび現像ローラ91の総回転回数Zに基づいた第1補正係数αを、第1の回転回数xと第1係数aを乗じた値と、第2の回転回数yと第2係数bを乗じた値と、に乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラム81の消耗量を精度よく算出できる。
【0104】
なお、本開示は前記実施形態に限定されることなく、以下に例示するように様々な形態で利用できる。
【0105】
上述した第2実施形態においては、第1補正係数αを、総消耗量Wと、現像ローラ91の総回転回数Zとに基づいて決定していたが、これに限られない。
【0106】
例えば、補正係数(第2補正係数β)を総消耗量Wに基づいて決定してもよい。具体的には、所定時間における消耗量wは、第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足した値に、総消耗量Wが大きいほど大きい値となるように決定された第2補正係数βを乗じることで決定してもよい。
この構成によっても、感光体ドラム81の総消耗量Wに基づいた第2補正係数βを乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラム81の消耗量を精度よく算出できる。
【0107】
例えば、補正係数(第3補正係数γ)を現像ローラ91の総回転回数Zに基づいて決定してもよい。具体的には、所定期間における消耗量wは、第1の回転回数と第1係数を乗じた値と、第2の回転回数と第1係数より小さい第2係数を乗じた値と、を足した値に、現像ローラ91が新品である状態からの回転回数zを累積した総回転回数Zが大きいほど小さい値となるように決定された第3補正係数γを乗じることで決定してもよい。
この構成によっても、現像ローラ91の総回転回数Zに基づいた第3補正係数γを乗じることで消耗量を算出するので、感光体ドラム81の消耗量を精度よく算出できる。
【0108】
上述した第2実施形態においては、ドラムメモリ85が、感光体ドラム81の総消耗量Wを記憶する構成であったが、ドラムメモリ85が、感光体ドラム81の所定期間における消耗量wを記憶する構成であってもよい。この場合、制御部100は、ドラムメモリ85に、感光体ドラム81が新品である状態からの所定期間における消耗量wを逐次、記憶させる。そして、制御部100は、ドラムメモリ85に記憶された消耗量wをすべてRAM102に読み出して総消耗量Wを算出する。
また、ドラムメモリ85が、感光体ドラム81の総消耗量Wと、所定期間における消耗量wの両方をそれぞれ記憶する構成であってもよい。
【0109】
上述した実施形態においては、現像カートリッジ9がドラムカートリッジ8に対して着脱可能であったが、現像カートリッジおよびドラムカートリッジはそれぞれ独立して装置本体に着脱可能な構成であってもよい。
【0110】
上述した実施形態においては、画像形成装置として、モノクロ用のレーザプリンタを例示したが、画像形成装置は、カラー用のレーザプリンタであってもよく、コピー機や複合機であってもよい。
【0111】
上述した実施形態においては、ドラムカートリッジは、1つの感光体ドラムを有し、感光体ドラムに対応する現像カートリッジが装着または取り外し可能である構成であったが、この形態に限られない。
例えば、ドラムカートリッジは、複数の感光体ドラムを有し、複数の感光体ドラムに対応する、複数の現像カートリッジが装着または取り外し可能である構成であってもよい。この場合において、現像カートリッジは、画像形成装置の本体筐体から引き出すことが可能なドロワである構成とすることができる。
また、例えば、ドラムカートリッジは、現像ローラを有する現像カートリッジが装着または取り外し可能な構成であったが、現像ローラを有していないトナーカートリッジが装着または取り外し可能な構成であってもよい。この場合において、ドラムカートリッジは、現像ローラと感光体ドラムとを有している。また、トナーカートリッジは、現像ローラを有しておらず、トナーを収容するトナー収容部を有している。
また、例えば、現像カートリッジがドラムカートリッジに装着または取り外し可能であり、現像カートリッジが装着された状態のドラムカートリッジが本体筐体に装着または取り外し可能な構成であったが、現像カートリッジおよびドラムカートリッジがそれぞれ別々に本体筐体に装着または取り外し可能な構成であってもよい。また、ドラムカートリッジから現像カートリッジが別体として取り外しできない一体型のドラムカートリッジとして、本体筐体に装着または取り外し可能な構成であってもよい。この場合、ドラムカートリッジは、トナーを収容するトナー収容部と、現像ローラと、感光体ドラムとを有している。
【0112】
上述した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施することもできる。
【符号の説明】
【0113】
1 画像形成装置
2 装置本体
8 ドラムカートリッジ
9 現像カートリッジ
81 感光体ドラム
85 ドラムメモリ
85A 第1記憶領域
85B 第2記憶領域
91 現像ローラ
95 現像メモリ
100 制御部
110 本体メモリ
CR1 第1クラッチ
CR2 第2クラッチ
M モータ