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特開2022-52917鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052917
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/14 20060101AFI20220329BHJP
   B29C 45/37 20060101ALI20220329BHJP
   B29C 45/14 20060101ALI20220329BHJP
   A61H 39/08 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
B29C33/14
B29C45/37
B29C45/14
A61H39/08 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159436
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】390024545
【氏名又は名称】セイリン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092680
【弁理士】
【氏名又は名称】入江 一郎
(72)【発明者】
【氏名】中 野 亮 一
(72)【発明者】
【氏名】金 子 雄 哉
(72)【発明者】
【氏名】谷 口 昇 平
(72)【発明者】
【氏名】小 林 拓 哉
【テーマコード(参考)】
4C101
4F202
4F206
【Fターム(参考)】
4C101DA01
4C101DA11
4F202AD03B
4F202AD15
4F202AG14
4F202AG28
4F202AH63
4F202CA11
4F202CB01
4F202CB12
4F202CK12
4F202CQ01
4F202CQ05
4F206AD03B
4F206AD15
4F206AG14
4F206AG28
4F206AH63
4F206JA07
4F206JB12
4F206JL02
4F206JQ81
(57)【要約】      (修正有)
【課題】針柄内の針体を所定位置に保持できる鍼灸針の射出成形用金型を提供する。
【解決手段】鍼灸針の射出成形用金型は、鍼灸針の先端側を露出させ、鍼体2の後端側を第1の金型と第2の金型からなるキャビティ内に配置し、キャビティ内の鍼体2の一方を第1の押さえピンP1と鍼体2の一方と反対側の他方を第2の押さえピンP2で挟持してなる鍼灸針の射出成形用金型であって、第1の金型には、第1の押さえピンP1を挿通する第1のピン穴が設けられ、第2の金型には、第2の押さえピンP2を挿通する第1のピン穴が設けられている。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型Aと第2の金型Bからなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持してなる鍼灸針の射出成形用金型であって、
前記第1の金型Aには、前記第1の押さえピンを挿通する第1のピン穴A1が設けられ、
前記第2の金型Bには、前記第2の押さえピンを挿通する第1のピン穴B1が設けられている
ことを特徴とする鍼灸針の射出成形用金型。
【請求項2】
第1の押さえピンの先端には、平坦な面と、この平坦な面に隣接し、鍼灸針の針体を平坦な面に案内するV形状案内部とを有し、
第2の押さえピンの先端には、前記V形状案内部の外側に位置する前記鍼灸針の針体に当接する当接部位を有する
ことを特徴とする請求項1記載の鍼灸針の射出成形用金型。
【請求項3】
鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型と第2の金型からなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持して、前記キャビティ内に射出装置で材料を注入してなる
ことを特徴とする鍼灸針の製造方法。
【請求項4】
先端に針先部が形成された針体と、この針体の基端部に取付けられる針柄とを有する鍼灸針であって、
前記針柄には、内部の前記針体を確認できる窓部があり、この窓部を介して前記針先部に接続された針体を目視できる
ことを特徴とする鍼灸針。
【請求項5】
先端に針先部が形成された針体と、この針体の基端部に取付けられる針柄とを有する鍼灸針であって、
前記針柄には、内部の前記針体を確認できる複数の窓部があり、この複数の窓部を介して前記針先部に接続された針体をそれぞれ目視できる
ことを特徴とする鍼灸針。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針に係り、特に、針柄内の針体を所定位置に保持できる鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針に関する。
【背景技術】
【0002】
先端に針先部が形成された針体と、この針体の基端部に取付けられる針柄とを有する鍼灸針がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この針柄は、射出成形により製造されるが、針体の径が小さくなってくると、針体が、例えば、金型内の所定位置に位置決めできず、位置決めされたとしても、溶融された樹脂により揺動し、針柄内の針体の位置にバラツキが生じ、鍼灸針の品質が一定に保てないという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を考慮してなされた鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の鍼灸針の射出成形用金型は、鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型Aと第2の金型Bからなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持してなる鍼灸針の射出成形用金型であって、前記第1の金型Aには、前記第1の押さえピンを挿通する第1のピン穴A1が設けられ、前記第2の金型Bには、前記第2の押さえピンを挿通する第1のピン穴B1が設けられているものである。
【0006】
また、請求項2記載の鍼灸針の射出成形用金型は、請求項1記載の鍼灸針の射出成形用金型において、第1の押さえピンの先端には、平坦な面と、この平坦な面に隣接し、鍼灸針の針体を平坦な面に案内するV形状案内部とを有し、第2の押さえピンの先端には、前記V形状案内部の外側に位置する前記鍼灸針の針体に当接する当接部位を有するものである。
【0007】
また、請求項3記載の鍼灸針の製造方法は、鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型と第2の金型からなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持して、前記キャビティ内に射出装置で材料を注入してなるものである。
【0008】
また、請求項4記載の鍼灸針は、先端に針先部が形成された針体と、この針体の基端部に取付けられる針柄とを有する鍼灸針であって、前記針柄には、内部の前記針体を確認できる窓部があり、この窓部を介して前記針先部に接続された針体を目視できるものである。
【0009】
また、請求項5記載の鍼灸針は、先端に針先部が形成された針体と、この針体の基端部に取付けられる針柄とを有する鍼灸針であって、前記針柄には、内部の前記針体を確認できる複数の窓部があり、この複数の窓部を介して前記針先部に接続された針体をそれぞれ目視できるものである。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の鍼灸針の射出成形用金型によれば、鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型と第2の金型からなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持して射出成形されるため、成形後の針柄内の針体を所定位置に保持することができる。
【0011】
また、請求項2記載の鍼灸針の射出成形用金型によれば、上述した請求項1記載の発明の効果に加え、鍼灸針の針体をV形状案内部によりV形状案内部の谷部に確実に導くことができ、しかも、第2の押さえピンの先端の鍼灸針の針体に当接する当接部位はV形状案内部を避けた前記V形状案内部の外側に位置する前記鍼灸針の針体に当接するため、当接部位を小さく形成しない分、当接部位の破損をも防ぐことができる。
【0012】
また、請求項3記載の鍼灸針の製造方法によれば、鍼灸針の先端側を露出させ、前記鍼灸針の後端側を第1の金型と第2の金型からなるキャビティ内に配置し、前記キャビティ内の前記鍼灸針の一方を第1の押さえピンと前記鍼灸針の一方と反対側の他方を第2の押さえピンで挟持して、前記キャビティ内に射出装置で材料を注入してなるため、成形後の針柄内の針体を所定位置に保持することができる。
【0013】
また、請求項4記載の鍼灸針によれば、針柄には、内部の前記針体を確認できる窓部があり、この窓部を介して前記針先部に接続された針体を目視できるため、窓部を介して針柄に針体が充填されていることを目視で確認することができる。
【0014】
また、請求項5記載の鍼灸針の製造方法によれば、柄には、内部の前記針体を確認できる複数の窓部があり、この複数の窓部を介して前記針先部に接続された針体をそれぞれ目視できるため、窓部を介して針柄に針体が充填されていることを目視で確認することができ、しかも、複数の窓部を目視すれば、窓部と窓部との間の針体が連続して、充填されていることを目視で確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、本発明の一実施例の鍼灸針の射出成形用金型の概略的平面図である。
図2図2は、図1のA-A線による概略的断面図である。
図3図3は、図1のB-B線による概略的断面図である。
図4図4は、図2のD部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
図5図5は、図3のE部を拡大して示す概略的一部拡大断面図である。
図6図6は、図4の第1の押さえピン、第2の押さえピンと鍼灸針の針体との関係を示す概略的斜視図である。
図7図7は、図6の一部を拡大して示す概略的一部拡大斜視図である。
図8図8(a)は、図1の鍼灸針の射出成形用金型によって製造された鍼灸針の概略的平面図であり、図8(b)は、図8(a)の窓部を介して樹脂の薄皮を被覆した針体を目視できる状態を示す概略的斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の一実施例の鍼灸針の射出成形用金型、鍼灸針の製造方法及び鍼灸針を図1乃至図8を参照して説明する。
【0017】
図8(a)に示す1は鍼灸針で、鍼灸針1は、先端に針先部が形成された針体2と、この針体2の基端部に取付けられる針柄3とを有するものであって、針柄3には、内部の針体2を確認できる窓部4があり、この窓部4を介して針体2を目視することができる[図8(a)(b)参照]。
【0018】
以下、上述した鍼灸針1の製造過程を図1乃至図7を参照して説明する。鍼灸針1は、鍼灸針1の先端側を露出させ、鍼灸針1の後端側を第1の金型Aと第2の金型BからなるキャビティC内に配置し、キャビティC内の鍼灸針1の一方を第1の押さえピンP1と鍼灸針1の一方と反対側の他方を第2の押さえピンP2で挟持して、キャビティC内に射出装置(図示せず)で材料(例えば、熱可塑性樹脂)を注入して固化させる。
固化後、第1の金型Aの第1のピン穴A1から第1の押さえピンP1を、第2の金型Bの第1のピン穴B1から第2の押さえピンP2を、それぞれ抜きとり、その後、第2の金型Bを第1の金型Aから離間させ、第1の金型Aから鍼灸針1を取り出して、成形品である鍼灸針1を製造することができる。
【0019】
即ち、図1に示すKは鍼灸針の射出成形用金型で、鍼灸針の射出成形用金型Kは、鍼灸針1の先端側を露出させ、鍼灸針1の後端側を第1の金型Aと第2の金型BからなるキャビティC内に配置する。
そして、キャビティC内の鍼灸針1の一方を第1の押さえピンP1と鍼灸針1の一方と反対側の他方を第2の押さえピンP2で挟持してなるものである。
なお、第1の金型Aには、第1の押さえピンP1を挿通する第1の金型の第1のピン穴A1が設けられ、また、第2の金型Bには、第2の押さえピンP2を挿通する第2の金型の第1のピン穴B1が設けられている。
【0020】
従って、上述した鍼灸針の射出成形用金型K(鍼灸針の製造方法)によれば、鍼灸針1の先端側を露出させ、鍼灸針1の後端側を第1の金型Aと第2の金型BからなるキャビティC内に配置し、キャビティC内の鍼灸針1の一方を第1の押さえピンP1と鍼灸針1の一方と反対側の他方を第2の押さえピンP2で挟持して射出成形されるため、成形後の針柄3内の針体2を所定位置に保持することができる。
【0021】
なお、図4乃至図7に示すように、第1の押さえピンP1の先端には、平坦な面P1Pと、この平坦な面P1Pに隣接し、鍼灸針1の針体2を平坦な面P1Pに案内するV形状案内部P1Vとを有し、また、第2の押さえピンP2の先端には、V形状案内部P1Vの外側に位置する鍼灸針1の針体2に当接する当接部位P2Tを有する。
【0022】
そのため、鍼灸針1の針体2をV形状案内部P1VによりV形状案内部P1Vの谷部に確実に導くことができ、しかも、第2の押さえピンP2の先端の鍼灸針1の針体2に当接する当接部位P2TはV形状案内部P1Vを避けたV形状案内部P1Vの外側に位置する鍼灸針1の針体2に当接し、当接部位P2Tを小さく形成しない分、当接部位P2Tの破損をも防ぐことができる。
【0023】
上述した鍼灸針の射出成形用金型Kにより製造された鍼灸針1には、針柄3に窓部4があり、この窓部4を介して針体2を目視することができ、具体的には、窓部4を介して樹脂の薄皮31を被覆した針体2を目視することができる[図8(a)(b)参照]。
そのため、窓部4を介して針柄3に針体2が充填されていることを目視で確認することができる。
【0024】
窓部4は、1個でも良いが、窓部4を複数設けた方が良い。窓部4を複数設けた場合、複数の窓部4を介して針先部に接続された針体2をそれぞれ目視できる。
そのため、窓部4、4を介して針柄3に針体2が充填されていることを目視で確認することができ、しかも、複数の窓部4、4を目視すれば、窓部4と窓部4との間の針体2が連続して、充填されていることを目視で確認することができる。
【符号の説明】
【0025】
K 鍼灸針の射出成形用金型
A 第1の金型
A1 第1の金型の第1のピン穴
B 第2の金型
B1 第2の金型の第1のピン穴
C キャビティ
P1 第1の押さえピン
P2 第2の押さえピン
1 鍼灸針
2 針体
3 針柄
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8