(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022052949
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】防煙垂れ壁装置および防煙垂れ壁装置の皺除去方法
(51)【国際特許分類】
A62C 2/06 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
A62C2/06 506
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159494
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000252034
【氏名又は名称】株式会社鈴木シャッター
(74)【代理人】
【識別番号】100085394
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 哲夫
(74)【代理人】
【識別番号】100165456
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 佑子
(72)【発明者】
【氏名】真野 慎吾
(57)【要約】
【課題】天井部に設けられる防煙垂れ壁装置1を構成するシート材4に皺が寄った場合に、該皺を容易に除去できるようにする。
【解決手段】シート材の上端縁部Uについて、中央部を上枠2に固定し、該中央部と左右端縁部とのあいだを左右移動できるよう磁材6を介して上枠2に支持する一方、左右両端縁部を、ビス8を軸心として360度の方向に調整できるよう大径の貫通孔4aに前記ビス8を貫通させて支持するようにして、上端縁部Uの皺取り後、垂れ部位Sの皺取りを、左右端縁部の張り調整をして皺の除去をするようにする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性を有したシート材を、該シート材の上端縁部と左右両端縁部とを天井部に設けられる冂字形をした枠材に取り付けることで天井部に防煙区画を形成するよう構成された防煙垂れ壁装置において、
前記シート材上端縁部の枠材への取り付けは、左右方向中央部位を上枠に固定状態で取り付け、該中央部位から左右両端縁部に至る中間部位を上枠に対して左右方向位置調整自在に取り付けられたものとし、
シート材左右端縁部の枠材への取り付けは、左右方向外方および上下方向に向けて位置調整自在に取付けられるものであることを特徴とする防煙垂れ壁装置。
【請求項2】
シート材上端縁部の左右方向位置調整自在な取り付けは磁着によることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ壁装置。
【請求項3】
シート材左右両端縁部の左右方向外方および上下方向に向けての位置調整自在な取り付けは、ビスを介して緊緩自在に取付けられるものであり、かつシート材に設けられるビス貫通孔を、ビスが貫通するため設けられる遊び寸法を越えて調整可能な大径の孔寸法に設定することによることを特徴とする請求項1または2記載の防煙垂れ壁装置。
【請求項4】
可撓性を有したシート材を、該シート材の上端縁部と左右両端縁部とを天井部に設けられる冂字形をした枠材に取り付けることで天井部に防煙区画を形成するよう構成された防煙垂れ壁装置において、
前記シート材に皺が寄った場合の皺除去方法であって、該方法は、
・前記シート材上端縁部に皺が寄っている場合には、シート材上端縁部の左右方向中央部位は枠材に対して固定状態のまま、皺が寄っている側の上端縁部を左右上下方向の外方向に向けて位置調整して上端縁部の皺を除去する工程、
・シート材上端縁部に皺がない状態のシート材の垂れ部位に皺が寄っている場合には、皺が寄っている側のシート材の左右端縁部を、左右方向外方および上方に向けて位置調整して垂れ部の皺を除去する工程、
とが実行されることを特徴とする防煙垂れ壁装置の皺除去方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ビル等の建築物における室内の天井空間に防煙区画を形成するため仕切る防煙垂れ壁装置および防煙垂れ壁装置の皺除去方法の技術分野に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、ビル等の建築物において火災が発生した場合に、煙が天井面を這うようにして素早く拡散することになり、このような煙の素早い拡散が、広面積の店舗空間やオフィス空間等の空間であった場合に、燃焼個所から離れたところにおいて、拡散した煙により視界が遮られて円滑な非難の妨げになったり、煙を吸い込んだりする等の被害が発生することが想定され、そこで広面積の室内空間の場合、天井面から可撓性のある不燃のシート材を垂下させて防煙区画を形成することで煙の拡散を遅延させるようにした防煙垂れ壁装置を設けること試みられている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで前記従来のものは、シート材に可撓性を持たせることでロール状に巻装できるものとして搬送性、施工性等を向上させているが、シート材に可撓性を持たせた場合、該シート材を平面状に垂下して防煙垂れ壁とするよう施工することが難しいだけでなく、施工場所の環境の変化(気温や湿度等の変化)やシート材自体の経年変化等によりシート材が撓むことがあり、これを是正するため、シート材の上端縁部に、高さ調整が可能な調整機構を適間隔を存して複数設けたものとし、これによってシート材を、皺のない平面状態で垂下するよう調整できる構成にしている。
ところがこのものは、調整機構が単純にシート材を各箇所において高さ調整するものであるため、シート材全体を、皺がないよう平面状(面一状)に垂下させるため個々の調整機構の調整をしなければならず、この際に、ある部位に皺があるとして対応した任意の部位の高さ調整をしたときに、近接する他部位に皺が発生してしまうが往々としてあり、これを修正すべく調整すると、元部位やさらに他部位に皺が発生してしまうようなことがあって全体を平面にすることが依然として難しいという現実があって作業性に劣る等の問題があり、これらに本発明の解決すべき課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、可撓性を有したシート材を、該シート材の上端縁部と左右両端縁部とを天井部に設けられる冂字形をした枠材に取り付けることで天井部に防煙区画を形成するよう構成された防煙垂れ壁装置において、前記シート材上端縁部の枠材への取り付けは、左右方向中央部位を上枠に位置調整不能状態で取り付け、該中央部位から左右両端縁部に至る中間部位を上枠に対して左右方向位置調整自在に取り付けられ、シート材左右端縁部の枠材への取り付けは、左右方向外方および上下方向に向けて位置調整自在に取付けられるものであることを特徴とする防煙垂れ壁装置である。
請求項2の発明は、シート材上端縁部の左右方向位置調整自在な取り付けは磁着によることを特徴とする請求項1記載の防煙垂れ壁装置である。
請求項3の発明は、シート材左右両端縁部の左右方向外方および上下方向に向けての位置調整自在な取り付けは、ビスを介して緊緩自在に取付けられるものであり、かつシート材に設けられるビス貫通孔を、ビスが貫通するため設けられる遊び寸法を越えて調整可能な大径の孔寸法に設定することによることを特徴とする請求項1または2記載の防煙垂れ壁装置である。
請求項4の発明は、可撓性を有したシート材を、該シート材の上端縁部と左右両端縁部とを天井部に設けられる冂字形をした枠材に取り付けることで天井部に防煙区画を形成するよう構成された防煙垂れ壁装置において、前記シート材に皺が寄った場合の皺除去方法であって、該方法は、前記シート材上端縁部に皺が寄っている場合には、シート材上端縁部の左右方向中央部位は枠材に対して固定状態のまま、皺が寄っている側の上端縁部を左右上下方向の外方向に向けて位置調整して上端縁部の皺を除去する工程、シート材上端縁部に皺がない状態のシート材の垂れ部位に皺が寄っている場合には、皺が寄っている側のシート材の左右端縁部を、左右方向外方および上方に向けて位置調整して垂れ部の皺を除去する工程、とが実行されることを特徴とする防煙垂れ壁装置の皺除去方法である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1または4の発明とすることにより、シート材に皺があった場合に、シート材上端縁部については中央部位の固定取り付けを基準として左右方向に移動調整をし、左右両端縁部についてはビスを緩めた状態でシート材を左右方向外方に向けると共に上下方向の調節をすることで、前記皺をなくするよう調整することが簡単にできることになる。
請求項2の発明とすることにより、シート材上端縁部の左右方向位置調整自在な取り付けが磁着を利用して簡単にできることになる。
請求項3の発明とすることにより、シート材左右両端縁部の左右方向外方および上下方向に向けての位置調整自在な取り付けが、シート材に設けられる遊び寸法を越えた体系のビス貫通孔を形成することで簡単にできることになる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】シート材の取り付け状態を示す平面図である。
【
図3】(A)(B)はシート材上端縁部における中央部、その他の部位における支持構造を示す縦断面図である。
【
図4】(A)(B)はシート材端縁部における支持構造を示す要部平面図、要部正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図面において、1は防煙垂れ壁装置であって、該防煙垂れ壁装置1は、天井部に防煙区画を形成すべく天井面Hに設けられる水平状の上枠2と、天井面Hから垂下される状態で設けられる天井仕切り壁Wに設けられる縦枠3と、上端縁部が上枠2に支持され、左右両端縁部が縦枠3に支持される防煙垂れ壁用のシート材4とを用いて構成されるが、シート材4は、可撓性を有した不燃の素材が採用される。
尚、本実施の形態では、上枠2と左右の縦枠3とで冂字形の枠材を構成しており、この場合に、縦枠3を天井面Hに至るよう形成したものとしているが、上枠2を天井仕切り壁Wに至るよう形成したもの、更には両枠2、3をコーナー部において交差する(重合する)よう構成したものであっても勿論よい。
【0009】
そして前記シート材4は、上端縁部Uが上枠2に対して左右方向適間隔を存して複数個所が取り付けられ、左右両端縁部が縦枠3に対して上下方向適間隔を存して複数個所が取り付けられたものとなるが、以下、この取り付け構造について説明する。
【0010】
シート材4は、所定の垂下長さ(垂下幅、上下幅)に寸法設定されたものが取り付け現場に搬送されるが、この場合の左右長さについては、ロール状に巻装されたシート材4を現場搬送し、そして該現場において取り付け部所の左右長さ寸法(左右縦枠3間の寸法)に合わせて切断するか、予め工場等で設計寸法に合わせて切断されたものを現場搬送することになるが、施工誤差等もあって左右長さが設計寸法と異なる場合も想定されるため、前者の現場での切断が行われることが一般に実行される。
【0011】
そしてこのように現場搬送されたロール状のシート材4を、例えば
図2に示す如く、左右方向一端縁の上端縁部(上側コーナー部)Uを縦枠3にビス7を介して固定した後、他端側に展開し、そして他端側の縦枠3に至った部位を切断し、ビス7を介して該他端側上端縁部Uを縦枠3に固定することでシート材4の仮保持的な天井部への支持ができることになる。
あるいは、現場搬送されたロール状のシート材4を、左右方向一端縁を一方の縦枠3に当てがった状態(ビス7を介して仮固定しておいてもよい)で、他端縁を他方の縦枠3に当てがってシート材4の長さを決めた後、該シート材4を床面に下ろしてから前記決められた長さで切断すると共に、後述するように貫通孔4aを穿設する等、必要な加工をした後、天井部に取り付けるようにしてもよく、このようなシート材4の取り付け作業は、現場において適宜の順序で実施できるもの手あることは言うまでもない。
【0012】
このように左右長さ寸法に切断されたシート材4の上端縁部Uの、左右方向中央部位(必ずしも左右方向中央位置ではなく、その近傍位置も含むものである。)については、両面粘着テープ5や接着剤、さらにはビスやリベット等による機械的な固定部材(以下、このような固定部材による取り付けについての説明は、特に必要と認められるものを除いて省略する。)を介して上枠2の対応部位に位置調整不可能な状態で取り付ける(固定する)。これに対し、シート材4の上端部Uの左右方向中央部位から左右両端縁部に至るまでのあいだについては、適間隔を存した1箇所または複数個所を、上枠2に対して上下および左右方向移動自在に支持するように構成されているが、この場合の支持は磁着であることが好適である。
磁着の手段としては、上枠2が鉄材のように磁性物質で形成されている場合には、シート材4に着磁された磁材6を取り付ける(例えば接着材や両面粘着テープによる。)ことでよく、この場合の磁材6としては、金属製のもの、ゴム弾性を有した可撓性のあるもの等、汎用されているものを必要において採用できることになる。
これに対し、上枠2が、合成樹脂材やアルミニウムのように非磁性材である場合には、上枠2およびシート材4に、互いに磁着する極となるよう設定した磁材6を取り付けるか、上枠2およびシート材4の一方に磁材を取り付け、他方に着磁されていない強磁性材を取り付ける必要があるが、前者の場合、シート材4を上枠2に対して上下左右方向に移動自在とするため、相互の磁着面の一方がN極、他方がS極となるように設定される。
【0013】
次に、シート材4の左右両端縁部の縦枠3に対する止着であるが、その場合に少なくとも上下両端縁部の二か所以上の複数個所がビス7を介しての着脱固定となるが、この止着にあたり、上端部(シート材の上側コーナー部)Uの縦枠3(上枠2であってもよい)への取り付けについては、シート材4を縦枠3に対して左右方向上外方から下外方に至る方向の位置調整ができ、他の縦枠3への取り付けについては、シート材4を左右方向横外方から下外方に至る方向の位置調整ができるように取り付けることができれば十分であるが、本実施の形態では、縦枠3に対するシート材4のビス固定は、上下方向何れの位置のものであっても同じ取り付け構造を採用している。
シート材4の左右両端縁部には、ビス7を遊嵌状に貫通するための貫通孔4aが形成されるが、該貫通孔4aの孔径(直径)は、ビス7を円滑に貫通するための遊び寸法(例えばビス径よりも1~2mm大きい寸法)を考慮した孔径よりも明らかに大きい調整寸法(例えばビス径にして10~15mm大きい寸法)として、ビス7の螺入位置を中心として360度の方向に向けて位置調整できるように設定されている。
尚、シート材4には、各貫通孔4a形成部位に対応してL字形をした操作具8が止着されていて、ビス7を弛めた状態で操作具8を押し引き操作することでシート材4の展張作業がしやすいよう配慮されているが、操作具8についても貫通孔4aと同じ大きさの貫通孔8aが形成されたものとなっている。
【0014】
そしてこのように構成されたシート材4は、上端縁部Uについて、前述したように左右方向中央部が上枠2に固定され、左右方向端縁部がビス7を介して移動調整自在に固定され、そのあいだが磁材6により左右方向調整自在に支持されたものとなっている。
一方、シート材4の左右両端縁部については、縦枠3に対して上下左右方向(ビス7を軸心として360度の方向)に移動調整自在な状態でビス7を介して固定されたものとなっている。
このようなシート材4に皺が寄っている場合に、該皺は、次のようにすることで簡単に除去することができる。
【0015】
前記皺のなかには、シート材4の上端縁部Uにあるものと、該上端縁部Uから垂下する下側の垂れ部位Sに皺があるものとがあり、これらの皺を除去する手法について次に説明する。
【0016】
いま、シート材4の上端縁部Uおよび垂れ部位Sの両者に皺があった場合に、該皺の除去する手法について説明する。この場合にはまず上端縁部Uの皺を除去する必要があるが、そのためには、シート材4の上端縁部Uの中央部に対して皺が寄っている側の左右端縁部を固定しているビス7を弛めてシート材4の該側の側端縁部を調整可能状態にする。因みにビス7は、シート材4が自由に移動できる状態、あるいはビス7を取り外す状態にまで弛める必要はなく、軽く支持される状態までの弛めとすることが作業性の簡単からも好ましい。
この状態で、最上端の操作具8を左右上下方向外方に向けて移動調整をして上端縁部Uの皺を除去する。このように調整作業をした場合に、シート材4の上端縁部Uは、左右方向中央部が固定されたままの状態となっているため、該中央部を基準としたシート材4の展張(張り)調整ができることになって上端縁部Uの皺の除去が容易にできる。
そしてこの場合に、シート材4の上端縁部Uの中央部と左右端縁部とのあいだは磁材6により位置調整自在に支持されているため、前記左右端縁部を引っ張ることで磁材6による支持部位が移動することになって皺の除去ができるが、磁材6の磁力が強く、該部位の調整が円滑に行われない場合には、個々の磁材6を左右方向外方にずらす位置調整して皺を除去する作業が行われる。そして上端縁部Uの皺が除去されたら、シート材4の左右上端縁部を、弛んでいたビス7を緊締して縦枠3に固定することになる。
【0017】
このようにしてシート材4の上端縁部Uの皺が除去された後、垂れ部位Sの皺の除去作業をすることになるが、そのためには、前記ビス7が弛められたシート材4の左右側端縁部を、皺の状態を見ながら左右上下方向外方に向けて移動調整をして皺を除去することになり、そして皺が除去されたことを確認した後、残りの弛んでいたビス7を緊締して固定することになり、このようにしてシート材4に皺があった場合の皺取り作業が実行されることになる。
【0018】
そしてこのようにシート材4の皺の除去作業が実行されるが、この方法として、
・シート材4の上端縁部に皺が寄っている場合には、該シート材4の上端縁部の左右方向中央部位は上枠2に対して固定状態のまま、皺が寄っている側の上端縁部を左右上下方向の外方向に向けて位置調整して上端縁部の皺を除去する工程、
・シート材4の上端縁部に皺がない状態のシート材4の垂れ部位Sに皺が寄っている場合には、該皺が寄っている側のシート材4の左右端縁部を、ビス7を弛めて左右方向外方および上方に向けて位置調整して垂れ部の皺を除去する工程、
とを実行することで、皺取りが簡単にできることになる。
【0019】
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、可撓性を有したシート材4を用いて防煙垂れ壁を構成する場合に、該シート材4の上端縁部と左右両端縁部とを天井部に設けられる上枠2、縦枠3に取り付けることで防煙垂れ壁となって天井部に防煙区画が形成されることになるが、この場合にシート材4上端縁部の上枠2への取り付けは、左右方向中央部位を上枠に固定状態で取り付け、該中央部位から左右両端縁部に至る中間部位を上枠に対して左右方向位置調整自在に支持取り付けされたものとなり、左右端縁部の縦枠3への取り付けは、左右方向外方および上下方向に向けて位置調整自在に取付け固定されたものとなっている。
【0020】
この結果、シート材4に皺があった場合に、該シート材4の上端縁部については中央部位の固定取り付け部位を基準として左右方向に移動調整をすることで簡単に皺を除去することができ、また垂れ部位Sに皺があった場合には、左右両端縁部を縦枠3に固定するビス7を弛めた状態でシート材4を左右方向外方に向けて位置調整することで、簡単に皺の除去ができることになる。
【0021】
そしてこの場合に、シート材4の上端縁部については、中央部位と左右端縁部とを除いた中間部位が磁着によるものであるため、ビスを緊緩する等の作業を不要にした状態での調整作業ができることになって作業性が向上する。
これに対し、シート材4の左右両端縁部については、の左右方向外方および上下方向に向けての位置調整自在なビス7を介しての取り付けが、シート材4に設けられる通常の遊び寸法を越えた大径の貫通孔4aが形成されることで、余裕のある調整代を確保できることになって、調整不良(不可)となってしまうことを回避し、迅速な皺の除去作業ができることになる。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明は、ビル等の建築物における室内の天井空間に防煙区画を形成するため仕切る防煙垂れ壁装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0023】
1 防煙垂れ壁装置
2 上枠
3 縦枠
4 シート材
4a 貫通孔
5 両面粘着テープ
6 磁材
7 ビス
8 操作具
S 垂れ部位