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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053024
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】電動アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 7/06 20060101AFI20220329BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
H02K7/06 A
F16H25/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159599
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107423
【弁理士】
【氏名又は名称】城村 邦彦
(74)【代理人】
【識別番号】100120949
【弁理士】
【氏名又は名称】熊野 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100207181
【弁理士】
【氏名又は名称】岡村 朋
(72)【発明者】
【氏名】石川 慎太朗
(72)【発明者】
【氏名】上岡 広樹
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 隆英
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 光司
(72)【発明者】
【氏名】栗田 雅生
【テーマコード(参考)】
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3J062AA01
3J062AB24
3J062AC07
3J062BA16
3J062BA25
3J062BA26
3J062CD02
3J062CD22
5H607BB01
5H607BB09
5H607BB14
5H607CC03
5H607CC07
5H607DD03
5H607EE52
5H607HH01
5H607HH09
(57)【要約】
【課題】本発明では、騒音の発生や部材の破損を生じることなく、出力軸の可動範囲を2地点間で規制することを課題とする。
【解決手段】電動モータ2と、電動モータ2の回転を減速して出力する減速機3と、電動モータ2の回転に伴って揺動する揺動部材11と、揺動部材11の揺動により回転する出力軸14と、検知機構30とを備えた電動アクチュエータ1であって、検知機構30が、電動アクチュエータ1内の可動部材の動作を検知し、検知機構30の検知結果により、出力軸14の回転する範囲を回転方向の一方側の位置から他方側の位置までの2地点間の範囲内に規制することを特徴とする。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動モータと、前記電動モータの回転を減速して出力する減速機と、前記電動モータの回転に伴って揺動する揺動部材と、前記揺動部材の揺動により回転する出力軸と、検知機構とを備えた電動アクチュエータであって、
前記検知機構が、前記電動アクチュエータ内の可動部材の動作を検知し、
前記検知機構の検知結果により、前記出力軸の回転する範囲を回転方向の一方側の位置から他方側の位置までの2地点間の範囲内に規制することを特徴とする電動アクチュエータ。
【請求項2】
前記減速機の出力により回転するねじ軸と、前記ねじ軸の回転によってその軸方向に直線運動し、前記揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備えた請求項1記載の電動アクチュエータであって、
前記検知機構は、検知部と、前記直動部材に設けられ、前記検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータ。
【請求項3】
前記電動モータは回転軸を備え、
前記検知機構は、検知部と、前記回転軸に設けられ、前記検知部によって検知される被検知部とを含む請求項1記載の電動アクチュエータ。
【請求項4】
前記減速機の出力により回転するねじ軸と、前記ねじ軸を回転可能に支持する軸受と、前記ねじ軸の回転によってその軸方向に直線運動し、前記揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備える請求項1記載の電動アクチュエータであって、
前記検知機構は、検知部と、前記軸受に設けられ、前記検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータ。
【請求項5】
前記減速機の出力により回転するねじ軸と、前記ねじ軸の回転によってその軸方向に直線運動し、前記揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備えた請求項1記載の電動アクチュエータであって、
前記検知機構は、検知部と、前記ねじ軸に設けられ、前記検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータ。
【請求項6】
前記検知機構は、検知部と、前記出力軸の外周面、あるいは、前記出力軸の外周面側に設けられた部材であり、前記検知部によって検知される被検知部とを含む請求項1記載の電動アクチュエータ。
【請求項7】
前記電動モータはブラシレスモータであり、
前記ブラシレスモータに設けられ、前記ブラシレスモータの回転位置を検知する回転検知機構を前記検知機構とする請求項1記載の電動アクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電動アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両などの省力化、低燃費化のために電動化が進み、例えば、自動車の自動変速機やブレーキ、ステアリングなどの操作を電動機の力で行うシステムが開発され、市場に投入されている。
【0003】
このような用途に使用される電動アクチュエータとして、例えば特許文献1では、図12に示すように、電動モータ300の回転運動を直線運動(図の矢印A1,A2方向の運動)に変換する第1の運動変換機構100と、第1の運動変換機構100の直線運動を電動モータ300の回転軸と直交する軸の回転運動(図の矢印B1,B2方向の運動)に変換する第2の運動変換機構200とを備える電動アクチュエータが開示されている。具体的に、第1の運動変換機構100は、回転部材としてのねじ軸101と、ねじ軸101と螺合する直動部材としてのナット102とを有するすべりねじ機構で構成されている。一方、第2の運動変換機構200は、円筒部201aとアーム部201bとを有する揺動部材201で構成されている。アーム部201bには長孔201cが設けられており、この長孔201cにナット102に設けられたピン状の連結部材202が挿入されることで、揺動部材201とナット102が連動可能に連結されている。
【0004】
電動モータ300の駆動によりねじ軸101が正回転または逆回転すると、ナット102が矢印A1方向または矢印A2方向に移動することで、回転運動が直線運動に変換される。そして、ナット102の移動に伴って揺動部材201が円筒部201aを中心に矢印B1方向または矢印B2方向に揺動することで、直線運動が電動モータ300の回転軸とは直交する軸の回転運動に変換される。
【0005】
また、特許文献1に記載の電動アクチュエータにおいては、ナット102の両端面と、これらに対向する各スラスト軸受400の端面に、それぞれ突出部102a,400aが設けられている。ナット102が矢印A1方向または矢印A2方向に移動すると、ナット102がその移動方向にあるスラスト軸受400に接近することで、ナット102の突出部102aとスラスト軸受400の突出部400aとが当接する。このとき、スラスト軸受400の突出部400aはねじ軸101と一緒に回転しているので、ナット102の突出部102aとスラスト軸受400の突出部400aは互いに回転方向に係合する。これにより、ねじ軸101の回転が規制され、ナット102の移動ひいては出力側の揺動部材201の揺動が規制される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2019-97352号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
出力側の部材を所定の範囲内で動作させたい場合、その動作方向の一方側の端部と他方側の端部との2地点で規制すれば足りる。従って、特許文献1のように、揺動部材をその揺動方向の両端で他の部材と係合させることで、揺動部材の可動範囲を規制する構成を採用することが可能であり、簡易な構成により部材の可動範囲を規制できる。
【0008】
しかし、特許文献1の構成では、部材同士が係合する際の衝撃により騒音が発生してしまったり、衝突による破損を防止するために部材の係合部分の強度を確保が必要になり、部材がコストアップしてしまうといった問題があった。
【0009】
以上のことから、本発明では、騒音の発生や部材の破損を生じることなく、出力軸の可動範囲を2地点間で規制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するため、本発明は、電動モータと、前記電動モータの回転を減速して出力する減速機と、前記電動モータの回転に伴って揺動する揺動部材と、前記揺動部材の揺動により回転する出力軸と、検知機構とを備えた電動アクチュエータであって、前記検知機構が、前記電動アクチュエータ内の可動部材の動作を検知し、前記検知機構の検知結果により、前記出力軸の回転する範囲を回転方向の一方側の位置から他方側の位置までの2地点間の範囲内に規制することを特徴とする。
【0011】
本発明は、検知機構を用いて可動部材の動作量を検知することで、出力軸の回転角度を算出でき、出力軸の回転する範囲を規制できる。このように本発明では、出力軸を2地点の位置で規制すれば十分な構成の電動アクチュエータに対して、出力軸の動作量を算出してその動作範囲を規制する構成を意図的に採用する。これにより、部材同士の衝突を生じることなく出力軸の回転範囲を規制でき、騒音の発生や部材の損耗、破損を防止できる。また、これらの部材の損耗や破損を防止するために、部材の強度を過度に補強する必要がない。従って、部材のコストを抑えることができる。
【0012】
減速機の出力により回転するねじ軸と、ねじ軸の回転によってその軸方向に直線運動し、揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備え、検知機構は、検知部と、直動部材に設けられ、検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータとすることができる。
【0013】
電動モータは回転軸を備え、検知機構は、検知部と、回転軸に設けられ、検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータとすることができる。
【0014】
減速機の出力により回転するねじ軸と、ねじ軸を回転可能に支持する軸受と、ねじ軸の回転によってその回転軸方向に直線運動し、揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備え、検知機構は、検知部と、軸受に設けられ、検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータとすることができる。
【0015】
減速機の出力により回転するねじ軸と、ねじ軸の回転によってその回転軸方向に直線運動し、揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備え、検知機構は、検知部と、ねじ軸に設けられ、検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータとすることができる。
【0016】
減速機の出力により回転するねじ軸と、ねじ軸の回転によってその軸方向に直線運動し、揺動部材を揺動させる直動部材とをさらに備え、検知機構は、検知部と、ねじ軸に設けられ、検知部によって検知される被検知部とを含む電動アクチュエータとすることができる。
【0017】
電動モータはブラシレスモータであり、ブラシレスモータに設けられ、ブラシレスモータの回転位置を検知する回転検知機構を検知機構とする電動アクチュエータとすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、騒音や部材の損耗、破損などを生じることなく、出力軸の回転範囲を2地点間の範囲内に規制できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施の一形態に係る電動アクチュエータの斜視図である。
図2】電動アクチュエータの縦断面図である。
図3】電動アクチュエータのブロック図である。
図4】(a)、(b)図は、ナットの直線運動に伴う磁石の移動を示す図である。
図5】ホール素子の出力電圧と出力軸の回転角度の関係を示す図である。
図6】異なる実施形態の電動アクチュエータの縦断面図である。
図7】異なる実施形態の電動アクチュエータの縦断面図である。
図8】異なる実施形態の電動アクチュエータの縦断面図である。
図9】異なる実施形態の電動アクチュエータの縦断面図である。
図10】異なる実施形態の電動アクチュエータの縦断面図である。
図11】ブラシレスモータの構造を示す図である。
図12】従来の電動アクチュエータを示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を参照して説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号を付しており、その重複説明は適宜に簡略化ないし省略する。
【0021】
図1は、本発明の実施の一形態に係る電動アクチュエータの斜視図、図2は、本実施形態に係る電動アクチュエータの縦断面図である。
【0022】
図1に示すように、本実施形態に係る電動アクチュエータ1は、電動モータ2と、電動モータ2の回転を減速して出力する減速機3と、減速機3から出力された回転運動を直線運動に変換する第1の運動変換機構4と、第1の運動変換機構4から出力された直線運動を電動モータ2の回転軸2aとは異なる方向の軸の回転運動に変換する第2の運動変換機構5と、これらを収容するハウジング6とを主に備えている。
【0023】
本実施形態では、電動モータ2として、ブラシ付きモータなどの小型のモータを用いている。電動モータ2は、ハウジング6内に設けられたスイッチング素子であるリレー回路(図2の蓋体29内に設けられる)などを介して外部の電源(図示省略)に接続されている。電動モータ2の軸方向一端部側(減速機3側)には、電動モータ2を保持するモータホルダ16が設けられている。モータホルダ16は、ハウジング6に組み付けられている。これにより、電動モータ2は、モータホルダ16を介してハウジング6に支持されている。また、モータホルダ16と電動モータ2は、固定部材としての複数のボルト17(図2参照)によって固定されている。
【0024】
ハウジング6は、2つのハウジング分割体60が組み付けられて構成される。図1では、2つのハウジング分割体60の一方が他方に対して取り外された状態を示す。ハウジング分割体60同士は、その合わせ面間にシール部材(図示省略)を介して組み付けられることで、ハウジング6の内部空間が密閉され、ハウジング6内への粉塵や水などの異物の侵入が防止される。特に、本実施形態のように、ハウジング分割体60の合わせ面を、電動モータ2の回転軸2aと平行な(段差の無い)平面とすることで、組み付け時に、ハウジング分割体60の合わせ面同士の間で多少のずれが生じても、合わせ面同士の間に隙間が生じにくく、密閉性を確保しやすい。シール部材としては、Oリング、ゴムシート、樹脂シート、ジョイントシート、メタルガスケットなどの固体のシール材、あるいは、液状ガスケットなどの液体のシール部材を採用することができる。
【0025】
図2に示すように、第1の運動変換機構4は、回転部材としてのねじ軸7と、直動部材としてのナット8とを有している。ナット8は、ねじ軸7の回転に伴ってその回転軸方向に直線運動する。ねじ軸7の外周面とナット8の内周面には、それぞれねじ溝が形成されており、これらのねじ軸が直接螺合することで、すべりねじ機構を構成している。なお、第1の運動変換機構4として、ねじ軸(回転部材)とナット(直動部材)との間に複数のボールを介在させたボールねじ機構を用いてもよい。ねじ軸7は、その回転軸方向の両端部で、それぞれラジアル軸受9とスラスト軸受10を介してハウジング6に対して回転可能に支持されている。また、ねじ軸7の一端部側と他端部側に配置される二組のラジアル軸受9およびスラスト軸受10は、それぞれハウジング6に組み付けられる軸受ホルダ18によって保持されている。
【0026】
第2の運動変換機構5は、円筒状の出力軸14と、出力軸14に取り付けられる揺動部材11とを備えている。出力軸14は、ラジアル軸受15(図1参照)を介して、ハウジング6に回転可能に支持されている。揺動部材11は、出力軸14の軸方向の両端部側にそれぞれ取り付けられており、出力軸14を中心として出力軸14と一体的に揺動可能(回転可能)に構成されている。また、出力軸14には、内周面に複数の凹凸(スプライン)が形成された連結孔14aが設けられている。この連結孔14aは、図示しない操作対象に設けられた操作軸を挿入するための孔である。操作軸が連結孔14aに挿入されてスプライン嵌合することにより、操作軸は出力軸14と一体的に回転可能に連結される。このように、出力軸14は、電動アクチュエータ1の駆動力を外部(操作対象)に伝達し、その駆動力を出力する部材である。また、揺動部材11には、図1に示す下端側で開口するスリット状の長孔11cが設けられる。この長孔11cには、ナット8から突出する円柱状の突起12が挿入されている。これにより、ナット8と揺動部材11とが突起12を介して連動可能に構成されている。また、本実施形態では、突起12がナット8の互いに反対側の面にそれぞれ設けられており、これに対応して長孔11cを有する揺動部材11もナット8を挟んで両側に設けられている。
【0027】
減速機3は、電動モータ2と第1の運動変換機構4との間に配置されている。本実施形態では、減速機3として二段の遊星減速機20を用いている。具体的に、遊星減速機20は、図2に示すように、一段目の入力回転体としての第1太陽ギヤ21と、一段目の遊星回転体としての複数の第1遊星ギヤ22と、一段目の出力回転体および二段目の入力回転体を兼ねる第1キャリア23と、二段目の遊星回転体としての複数の第2遊星ギヤ24と、二段目の出力回転体としての第2キャリア25と、一段目および二段目の軌道リングを兼ねるリングギヤ26とを備えている。
【0028】
第1太陽ギヤ21は、電動モータ2の回転軸2aに対してこれと一体的に回転するように取り付けられている。リングギヤ26は、第1太陽ギヤ21の外周に配置され、ハウジング6に対して回転しないように組み付けられている。第1遊星ギヤ22は、第1太陽ギヤ21の周方向に複数設けられる。各第1遊星ギヤ22は第1太陽ギヤ21とリングギヤ26との間に介在し、それぞれに対して噛み合うように配置されている。また、各第1遊星ギヤ22は、第1キャリア23の円筒部23aから外径方向に突出するフランジ部23bに回転可能に取り付けられている。第1キャリア23の円筒部23aの外周面には、複数の歯が周方向に並ぶギヤ部23cが設けられている。また、第1キャリア23の円筒部23aの内周には、電動モータ2の回転軸2aが相対的に回転可能な状態で挿入されている。第1キャリア23のギヤ部23cとリングギヤ26との間には、これらと噛み合う複数の第2遊星ギヤ24が配置されている。各第2遊星ギヤ24は、第2キャリア25の円筒部25aから外径方向に突出するフランジ部25bに回転可能に取り付けられている。また、第2キャリア25は、上記ねじ軸7の一端部側が挿入されている。第2キャリア25の円筒部25aの内周面と、ねじ軸7の一端部側の外周面には、それぞれ軸方向に伸びる複数の凹凸(スプライン)25d,7aが形成されており、これらの凹凸25d,7a同士がスプライン嵌合することにより、ねじ軸7は第2キャリア25に対して軸方向に移動可能で、かつ、周方向に一体的に回転可能に連結されている。また、第2キャリア25の円筒部25aの外周面には、ねじ軸7の一端部側を支持する一方のラジアル軸受9が配置されている。
【0029】
ここで、本実施形態では、第1キャリア23が、一段目の出力回転体および二段目の入力回転体を兼ねているが、一段目の出力回転体として機能する部分(第1遊星ギヤ22を保持するフランジ部23b)と、二段目の入力回転体として機能する部分(ギヤ部23cを有する円筒部23a)とを別体で構成してもよい。同様に、リングギヤ26も、一段目の軌道リングとして機能する部分(第1遊星ギヤ22と噛み合う部分)と、二段目の軌道リングとして機能する部分(第2遊星ギヤ24と噛み合う部分)とを別体で構成してもよい。
【0030】
続いて、本実施形態に係る電動アクチュエータの動作について説明する。
【0031】
上記リレー回路の切換により電源から電動モータ2へ電力が供給され、電動モータ2が正回転または逆回転すると、その回転運動が遊星減速機20(減速機3)に伝達される。遊星減速機20では、第1太陽ギヤ21が電動モータ2(回転軸2a)と一体的に回転することで、これと噛み合う複数の第1遊星ギヤ22が回転を開始する。各第1遊星ギヤ22は、自転しながらリングギヤ26に沿って公転し、その公転運動が第1遊星ギヤ22を保持する第1キャリア23の回転運動として出力される。これにより、電動モータ2の回転運動が一段階減速される。
【0032】
また、第1キャリア23の回転に伴って、そのギヤ部23cに噛み合う複数の第2遊星ギヤ24が回転を開始する。各第2遊星ギヤ24は、自転しながらリングギヤ26に沿って公転し、その公転運動が第2遊星ギヤ24を保持する第2キャリア25の回転運動として出力される。これにより、回転運動はさらに減速される。
【0033】
以上のように、遊星減速機20を介することで、回転軸2aの回転運動が減速されてねじ軸7に伝達される。従って、ねじ軸7の回転トルクを増加することができ、小型の電動モータ2であっても大きな回転トルクを得ることができる。
【0034】
減速機3によって減速された回転運動は、第1の運動変換機構4に伝達される。すなわち、遊星減速機20の第2キャリア25が回転することで、これと一体的に第1の運動変換機構4のねじ軸7が回転する。ねじ軸7が回転すると、その回転に伴ってナット8が直線運動する。ナット8は、電動モータ2が正回転する場合、図2中の矢印A1方向に前進し、電動モータ2が逆回転する場合、図2中の矢印A2方向に後退する。
【0035】
そして、ナット8が前進または後退することで、ナット8に設けられた突起12によって揺動部材11が押し動かされる。これにより、揺動部材11は、図2中の矢印B1方向または矢印B2方向に揺動運動し、これと一体的に出力軸14が回転することで、ナット8の直線運動が電動モータ2の回転軸2aとは異なる方向の軸(出力軸14)の回転運動として出力される。本実施形態では、出力軸14が、電動モータ2の回転軸2aと直交する方向(図2の紙面に直交する方向)に配置されている。従って、電動モータ2の回転運動は、電動モータ2の回転軸2aとは直交する軸の回転運動として出力される。
【0036】
次に、ナット8の移動を検知する検知機構について説明する。
【0037】
図2に示すように、検知機構30は、被検知部としての磁石31と、検知部としての磁気センサ32とにより構成される。磁石31は永久磁石である。
【0038】
磁気センサ32はハウジング6に固定されたセンサ基板33上に設けられ、センサ基板33に配線34が接続される。本実施形態では、磁気センサ32としてホール素子が用いられる。磁石31はナット8の図1に示す下端面に固定され、ナット8と一体的に直線運動する。磁気センサ32は磁石31に対向している。配線34が接続される磁気センサ32の側を静止側であるハウジング6に設けることで、ナット8の直線移動による配線34の揺れ動きや噛み込みなどが生じない。
【0039】
センサ基板33から延びる配線34は、ハウジング6に設けられた貫通孔を介して外部へ延びている。そして、ハウジング6の貫通孔を構成する壁面部と配線34との間は、ゴム等からなるグロメット35により封止される。ただし、配線34をハウジング6内に埋め込んで、電動アクチュエータ1内のリレー回路に接続することもできる。
【0040】
図3に示すように、リレー回路61、制御部62、および、磁気センサ32(センサ基板33)は、電源63から電力を供給される。磁気センサ32は、磁石31を検知し、その検知結果を制御部62に入力する。制御部62はCPU等からなる。制御部62は、磁気センサ32からの入力信号に基づいて、出力軸14の回転角度を算出する。この算出結果を用いて、リレー回路61のON、OFFを切り替える。より詳細には、リレー回路61は、電動モータ2を正転あるいは逆転させるための正転用リレー回路と逆転用リレー回路をそれぞれ有し、制御部62からの入力信号に基づいて、これらの回路のいずれかをON、OFFする。リレー回路61のいずれかの回路がONされると、電動モータ2が駆動し、回転軸2aが対応する方向へ回転する。
【0041】
図4(a)→図4(b)のように、ねじ軸7の回転に伴ってナット8が直線運動すると、ナット8と一体的に磁石31も移動する。この磁石31の移動を、磁石31に対向する磁気センサ32が検知することで、ナット8の移動量を算出できる。そして、前述の制御部が、ナット8の移動量から出力軸14の回転角度を算出できる。
【0042】
図2に示すように、出力軸14の回転角度の制御は、矢印B1方向の回転限度の位置から矢印B2方向の回転限度の位置までの2点間の範囲内で回転するように制御される。
【0043】
本実施形態では、図4(b)に示すように、出力軸14が矢印B2方向の回転限度に近い位置まで回転すると、磁気センサ32が磁石31の他端(図4bの右端)に近い位置に対向する。また、図示省略するが、出力軸14が矢印B1方向の回転限度に近い位置まで回転すると、磁気センサ32が磁石31の一端(図4bの左端)に近い位置に対向する。
【0044】
図5は、ホール素子の出力電圧と出力軸14の回転角度の関係を示す図である。図5の横軸は磁束密度B〔mT〕を示し、実線の縦軸が、ナット8(磁石31)の単位移動量当たりのホール素子の出力電圧、点線の縦軸が出力軸14の回転角度を示している。
【0045】
図5の実線に示すように、磁石31の磁束密度が大きくなるほどホール素子である磁気センサ32が出力する電圧も大きくなり、両者は比例関係にある。また、出力軸14の回転角度が小さくなるほど磁石31の磁束密度は大きくなり、両者は反比例の関係にある。以上のことから、ホール素子の出力する電圧の値とその時の出力軸14の回転角度の値は1対1で対応する。従って、ホール素子の出力電圧を測定することにより、出力軸14の回転角度を算出できる。
【0046】
以上のように、検知機構30の検知結果を用いることにより、出力軸14の回転角度を算出することができ、出力軸14の回転角度を制御できる。つまり、出力軸14の回転角度を、矢印B1方向の回転限度の位置から矢印B2方向の回転限度の位置までの2地点間の範囲内で規制できる。
【0047】
このように本実施形態では、出力軸14を2地点の位置で規制すれば十分な構成の電動アクチュエータ1に対して、出力軸14の動作量を算出してその動作範囲を規制する構成を意図的に採用している。つまり、原理的には上記2地点に限らず、2地点間の任意の位置の検知(算出)および規制が可能な構成を意図して採用している。これにより、前述の特許文献1のように、可動範囲の両端での部材同士の係合により、構造的に出力軸14の回転範囲を規制する方法と比較すると、部材同士の衝突による騒音の発生や部材の損耗、破損を防止できる。
【0048】
特に本実施形態では、電動モータ2の回転軸2aの回転運動を出力軸14の回転運動に変換する工程において、より出力軸14に近い側であるナット8の直線運動を検知するため、より上流の工程で検知動作を行う場合と比較すると、出力軸14の回転角度を精度良く算出できる。
【0049】
また、出力軸14に対してその軸方向から回転角を検知する検知機構を配置しようとすると、検知機構の配置スペースのために、電動アクチュエータ1の厚み(図2の紙面に垂直な方向の大きさ)が大きくなるおそれがある。しかし本実施形態では、ナット8の動作を検知する検知機構とし、磁石31をナット8の図2の下端面(出力軸14と反対側の端面)側のスペースを利用して磁石31や磁気センサ32を配置することで、電動アクチュエータ1を大型化することなく検知機構30を配置できる。
【0050】
また、出力軸14よりもその移動量の大きいナット8を検知するため、その検知動作が容易になる。
【0051】
次に、可動部材の動作を検知し、出力軸14の回転角度を算出するための検知機構30について、上記実施形態と異なる実施形態を順に説明する。上記実施形態と共通する構成については適宜その説明を省略する。また、配線などは適宜その記号を省略する。
【0052】
本実施形態の検知機構30は、図6に示すように、被検知部としての被検知ギヤ36と、検知部としてのギャップセンサ37等からなる。ギャップセンサ37として、例えば、過電流式センサ、光学式センサ、超音波式センサ、静電容量センサ等を用いることができる。
【0053】
被検知ギヤ36は、回転軸2aの減速機3と反対側の端部に設けられ、回転軸2aと一体的に回転する。また、ギャップセンサ37が被検知ギヤ36と対向する位置に設けられ、例えばハウジング6に固定される。ギャップセンサ37は、配線を介して電動アクチュエータ1内のリレー回路に接続されており、リレー回路を介して電力の供給を受けたり、出力信号を制御部に入力したりする。
【0054】
被検知ギヤ36が回転軸2aと一体的に回転すると、ギャップセンサ37に対向する被検知ギヤ36の歯面の凹凸の変化により、ギャップセンサ37の出力信号が変化する。この出力信号の変化の回数をカウントすることにより、被検知ギヤ36、つまり、回転軸2aの回転角度を検知(算出)できる。この検知結果に基づいて、制御部は出力軸14の回転角度を算出できる。従って、出力軸14の回転範囲を前述の2地点間で制御できる。
【0055】
また、ねじ軸7の回転角度を検知する検知機構を設けてもよい。例えば、図7に示すように、本実施形態の検知機構30は、被検知部としてのエンコーダリング38と検知部としての磁気センサ39等からなる。
【0056】
エンコーダリング38は、ねじ軸7の他端部側に配置されるラジアル軸受9に設けられる。そして、磁気センサ39は、このエンコーダリング38に対向して、ハウジング6に固定される。エンコーダリング38は、例えばラジアル軸受9の内輪に設けられ、内輪に支持される被支持部と磁石部とを備える。エンコーダリング38は内輪と一体的に回転する。
【0057】
エンコーダリング38の磁石部には、その周方向に等間隔で磁極Nと磁極Sとが着磁されている。エンコーダリング38は、ねじ軸7と一体的に回転し、磁極Nと磁極Sとの配置を周方向に変化させる。磁気センサ39は、ねじ軸7の回転に伴うエンコーダリング38の磁極変化を検知する。そして、この磁気センサ39の検知結果により、ねじ軸7の回転角度を算出することができる。
【0058】
また図8に示すように、ねじ軸7の他端側に検知機構30を配置してもよい。具体的には、検知機構30は、磁石40と磁気センサ41等からなる。磁石40はねじ軸7の他端側に形成された凹部7bに配置され、磁石40に対向する位置に磁気センサ41が設けられる。
【0059】
磁石40はその周方向に等間隔で磁極Nと磁極Sとが着磁されている。磁石40は図7の実施形態と同様、ねじ軸7と一体的に回転し、磁極Nと磁極Sとの配置を周方向に変化させる。磁気センサ41がねじ軸7の回転に伴う磁石40の磁極変化を検知することで、ねじ軸7の回転角度を算出できる。
【0060】
これらの図7および図8の実施形態では、磁気センサ41による検知結果を用いてねじ軸7の回転量を算出でき、ねじ軸7の回転量から出力軸14の回転角度を算出できる。従って、出力軸14の回転範囲を前述の2地点間で制御できる。
【0061】
以上の図6図8の実施形態の検知機構30においても、電動アクチュエータ1をその厚み方向に大型化することなく、出力軸14の回転角度の算出および制御が可能である。また、検知動作時に部材同士の衝突も生じないため、騒音の発生や部材の破損、損耗を防止できる。さらに、出力軸14よりも動作量の大きい部材を検知対象にするため、その検知が容易になる。
【0062】
また以上の実施形態では、出力軸14よりも上流側の可動部材であるナット8、回転軸2a、および、ねじ軸7の動作を検知することで、出力軸14の回転角度を算出していた。しかし、出力軸14の回転動作を直接検知する検知機構を設けてもよい。
【0063】
例えば、図9に示すように、本実施形態の検知機構30は、検知部としてのギャップセンサ42と、被検知部としての出力軸14の外周面14b等からなる。
【0064】
出力軸14は、外周面14b側に開口する2つの孔部14b1、14b2を有する。孔部14b1,14b2は出力軸14の周方向の異なる位置に設けられる。またギャップセンサ42は、出力軸14の外周面14bに対向して設けられる。ギャップセンサ42は、配線を介して電動アクチュエータ1内のリレー回路に接続される。
【0065】
電動モータ2の回転により、出力軸14が矢印B1方向あるいは矢印B2方向へ回転すると、孔部14b1あるいは孔部14b2がギャップセンサ42に対向し、ギャップセンサ42がその検知状態を変化させる。これにより、出力軸14の2地点を検知でき、出力軸14を範囲D内で回転させるように制御できる。また、外周面14bに孔部14b1、14b2を設ける代わりに、外周面14bにローレット加工を施したり、ギヤの歯面を設けるなどして凹凸を形成し、ギャップセンサ42により検知可能な構成としてもよい。
【0066】
また、図10に示すように、出力軸14の外周面側に、被検知部としての磁石部43を設け、検知部としての磁気センサ44を磁石部43に対向して設けてもよい。磁石部43は出力軸14と一体的に回転する。磁石部43は、出力軸14の周方向にN極とS極が交互に配置される。出力軸14が回転すると、磁気センサ44に対向する磁石部43表面の磁極が変化することで、磁気センサ44の検知状態が変化する。この検知状態の変化の検知することにより、出力軸14の回転角度を算出できる。
【0067】
以上のように、これらの実施形態では、出力軸14を直に検知し、その回転角度を算出できるため、精度の良い回転角度の算出が可能になる。また、出力軸14の動作をその径方向から検知するため、電動アクチュエータ1をその厚み方向に大型化することがない。さらに、検知動作時に部材同士の衝突も生じないため、騒音の発生や部材の破損、損耗を防止できる。
【0068】
また、電動モータ2として、3相のブラシレスモータを採用し、このブラシレスモータを出力軸14の回転角度の算出に利用してもよい。
【0069】
具体的には、図11に示すように、電動モータ2は、回転軸2aと一体的に回転し、その周方向にN極とS極を交互に有する磁石51と、複数の磁気センサ52と、固定子鉄心と固定子鉄心に巻き付けられた巻線等からなる、U,V,Wの3相のコイル部53等を有する。磁気センサ52はホール素子あるいはホールICである。また、被検知部としての磁石51および検知部としての磁気センサ52により、検知機構30が構成される。電動モータ2以外の主な構成については、図2等の実施形態と同様である。
【0070】
電動モータ2は、回転軸2aと一体的に回転する磁石51の磁極変化を磁気センサ52が検知することにより、各モータ部53への通電を切り替える。
【0071】
このように、電動モータ2の回転制御のためには、磁気センサ52が検知する磁極変化のタイミングをモニタリングし、回転軸2aの回転位置を検知すれば十分である。しかし本実施形態では、制御部がこの磁極変化の回数をカウントし、回転軸2aの回転量を算出する。これにより、図6の実施形態と同様、出力軸14の回転角度を算出でき、出力軸14の回転角度を制御できる。
【0072】
このように、ブラシレスモータには、回転軸2aの回転位置を検知する回転検知機構、具体的には磁石51や磁気センサ52が設けられ、この回転検知機構により、モータ部53への通電が制御されている。そして本実施形態では、この回転検知機構を、出力軸14の回転角度を検知するための検知機構として利用する。このため、前述の実施形態のように、別途出力軸14の回転角度を算出可能にするための検知機構を設ける必要がない。従って、電動アクチュエータ1の部品数を少なくし、電動アクチュエータ1の小型化および低コスト化を実現できる。なお、ブラシレスモータに設けられる回転検知機構は、上記のものに限らず、例えばレゾルバ(レゾルバロータおよびレゾルバステータ)であってもよい。
【0073】
また、電動モータ2にブレスレスモータを採用することで、ブラシ付きモータを採用する場合と比較すると、電動モータ2を長寿命化できる。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
【0075】
以上のように、電動アクチュエータ1内の可動部材である、ナット8や電動モータ2の回転軸2a、および、ねじ軸7等に、これらの可動部材と一体的に移動する被検知部を設け、被検知部の動作量を検知することで、出力軸14の回転角度を算出できる。あるいは、出力軸14、出力軸14に取り付けられた部材を被検知部とすることで、その回転量を算出できる。ただし、上記の可動部材は、電動アクチュエータ1内の可動な部材であって、その動作量の算出により、出力軸14の回転量を算出できるものであれば、上記のものに限らない。例えば、可動部材として、減速機3内のギヤに被検知部を設け、この被検知部を検知する検知部を設けてもよい。
【0076】
電動アクチュエータ1に設けられる検知機構とその配置は上記の組み合わせに限らない。検知部として、接触式センサ、磁気センサ、光学式センサ、レーザセンサ等を適宜用いることができる。
【0077】
以上の実施形態の電動アクチュエータ1では、出力軸14(および、それと一体的に回転する操作対象の操作軸)の軸線方向が、電動モータ2の回転軸2aの軸線方向に対して直交する方向である場合を例示したが、本発明はこれに限らない。例えば、電動モータの回転軸の軸線方向と出力軸の回転軸の軸線方向が平行でもよい。この場合、電動アクチュエータは、例えばその厚み方向(図2の紙面に垂直な方向)に回転軸の軸線方向を有する薄型のモータである。そして、電動モータの回転軸の正転あるいは逆転動作により、ギヤ等で構成される減速機等を介して揺動部材がそれぞれの方向へ揺動し、出力軸が正転あるいは逆転する。このような電動アクチュエータにおいても、電動アクチュエータに設けられた可動部材の動作量を検知する検知機構を設けることができる。これにより、騒音の発生や部材の損耗、破損を生じることなく、出力軸の回転角度を所定の範囲内に規制できる。
【0078】
以上の実施形態では、出力軸14と揺動部材11を別部材として備える電動アクチュエータ1としたが、本発明の電動アクチュエータ1は、出力軸と揺動部材とを同一の部材として備えたものを含むものである。つまり、本発明の電動アクチュエータは、ナット8に押し動かされて揺動する部分(揺動部材)と操作対象に設けられた操作軸が挿入されて回転する部分(出力軸)とを一体に有する部材を備えていてもよい。
【符号の説明】
【0079】
1 電動アクチュエータ
2 電動モータ
2a 回転軸
3 減速機
6 ハウジング
7 ねじ軸
8 ナット(直動部材)
9 ラジアル軸受(軸受)
11 揺動部材
14 出力軸
14b 出力軸の外周面
30 検知機構
31 磁石(被検知部)
32 磁気センサ(検知部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12