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特開2022-53035配線・配管材保護カバー設置装置、配線・配管材保護カバー設置構造、及び保護カバー傾動規制部材
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053035
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】配線・配管材保護カバー設置装置、配線・配管材保護カバー設置構造、及び保護カバー傾動規制部材
(51)【国際特許分類】
   F16L 57/02 20060101AFI20220329BHJP
   F16L 57/00 20060101ALI20220329BHJP
   H02G 3/04 20060101ALI20220329BHJP
   F24F 1/34 20110101ALN20220329BHJP
【FI】
F16L57/02
F16L57/00 A
H02G3/04 062
F24F1/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159613
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】000243803
【氏名又は名称】未来工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083655
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 哲寛
(72)【発明者】
【氏名】中村 敦
【テーマコード(参考)】
3H024
3L054
5G357
【Fターム(参考)】
3H024AA04
3H024AB03
3H024AC04
3H024AC05
3L054BC03
5G357DC03
5G357DD02
5G357DD12
5G357DE08
(57)【要約】
【課題】
壁面等の設置面に所定間隔をおいて立設固定された複数の支持具に対する配線・配管材の傾動を抑制することである。
【解決手段】
壁面Wに立設固定された支持具S1 の先端の支持部13に配管材P1 ,P2 が支持され、保護カバーC0 の分断開口1を通して、内部に前記支持具S1 の支持部13及び配管材P1 ,P2 が収容される構造において、前記保護カバーC0 の各端縁部2,3の部分に傾動規制具A1 が取着され、前記支持具S1 は、前記傾動規制具A1 に形成された第1及び第2の各傾動規制部27a,22aを形成する第1及び第2の各支持具挿入溝22,27に挿通されることで、前記支持具S1 に対する前記保護カバーC0 の傾動を抑制する。
【選択図】 図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定部により設置面に立設固定されて、前記設置面に沿って配設される配線・配管材を当該設置面から離れた位置で支持する支持部を有する支持具と、
軸方向に連続する分断開口を閉じることで、内側に前記配線・配管材の配設経路が形成される筒状をなし、前記支持具の固定部が外側に、前記支持部及び当該支持部で支持される配線・配管材が内側となるように、前記支持具を内外に貫通配置可能とし、当該支持具に対して非規制状態で配置される保護カバーと、
前記支持具に対して前記保護カバーが傾動するのを規制するために、当該支持具における当該保護カバーから離れた箇所に、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1傾動規制部を有する傾動規制部材と、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、
前記支持具における前記第1傾動規制部の配置箇所よりも前記保護カバー側に、前記保護カバーが前記支持具に対して傾動しようとする際に当該支持具に当接して当該傾動を規制する第2傾動規制部と、
を備えていることを特徴とする配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項2】
前記第2傾動規制部は、前記傾動規制部材に形成された第1傾動規制部と同じ方向から前記支持具を挟むように、当該支持具に対して隣接配置されることを特徴とする請求項1に記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項3】
前記傾動規制部材には、前記保護カバーの軸方向に沿って延び、その間に前記支持具を配置可能な一対の腕部を備え、前記第2傾動規制部は、当該各腕部の対向部にそれぞれ形成されて、前記支持具に対して前記保護カバーが傾動しようとする際に前記支持具に当接する各当接部で構成されることを特徴とする請求項2に記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項4】
前記傾動規制部材は、前記保護カバーの外周面の周方向及び軸方向の双方に沿って延びる沿い面を有し、当該沿い面は、前記第1傾動規制部と同じ方向から前記支持具を挟むようにして、前記保護カバーの外周面に沿わされることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項5】
前記保護カバーには、前記貫通孔を挟んだ両側に前記貫通孔に向かって外部から凹設された一対の係合段部が、軸方向に連続して設けられ、
前記分離防止手段は、前記保護カバーに設けられた前記一対の係合段部と、前記傾動規制部材に設けられていて、当該係合段部に係合可能な一対の係合部とから成ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項6】
前記保護カバーの分断開口を形成する両端縁部のうち一方を切り欠くことで、前記支持具を貫通配置させる貫通孔が形成され、
前記傾動規制部材に形成された前記係合部は、前記保護カバーの係合段部における前記貫通孔に対して軸方向に沿ってずれた部分で係合される構成であることを特徴とする請求項5に記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項7】
自身の一対の係止爪が前記保護カバーの一対の係合段部にそれぞれ係止されることで、当該保護カバーの前記分断開口が閉塞された状態を維持するための閉塞維持部材を備え、
前記傾動規制部材は、基端側で相互に連結され、先端から基端部に向けて前記支持具を受け入れ可能な支持具挿通溝が設けられることで、中央部が分断されて前記保護カバーの軸方向に延設された一対の腕部を有し、
前記閉塞維持部材は、前記一対の腕部を覆うようにして前記保護カバーに取着可能であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の配線・配管材保護カバー設置装置。
【請求項8】
固定部により設置面に立設固定された配線・配管材の支持具の先端部の支持部が当該配線・配管材を支持しており、
軸方向に連続する分断開口を有する保護カバーは、前記支持具における前記設置面と前記支持部の間が、前記保護カバーにおける前記分断開口を形成する各端縁部の間で挟まれるようにして、当該保護カバーの内部に前記支持部及び当該支持部で支持された配線・配管材が収容されて配設され、
分離防止手段により前記保護カバーに対する分離が規制された傾動規制部材に設けられた第1傾動規制部が、前記支持具における前記保護カバーの外側で前記支持具に当接し、更に、前記支持具における前記第1傾動規制部の配置位置よりも先端側に位置する第2傾動規制部が前記支持具に当接して、前記支持具に対する前記保護カバーの傾動が規制されていることを特徴とする配線・配管材保護カバー設置構造。
【請求項9】
前記分断開口の両端縁部のうち少なくとも一方の端縁部が切り欠かれて形成された貫通孔内に前記支持具が貫通配置されており、
前記支持具は、前記貫通孔の内面に当接することで、前記支持具に対する前記保護カバーの傾動が規制されることで、当該貫通孔が第2傾動規制部となっていることを特徴とする請求項8に記載の配線・配管材保護カバー設置構造。
【請求項10】
支持具は、その固定部により設置面に立設固定されて、当該支持具における前記設置面から離れた位置に設けられた支持部に配線・配管材が支持され、
筒状の保護カバーの軸方向に連続する分断開口を閉じることで、当該保護カバーの内部に前記支持具の支持部、及び当該支持部に支持された配線・配管材を収容保護することで、当該保護カバーが設置される構造において当該保護カバーの傾動を規制するための部材であって、
前記保護カバーの外側において前記支持具の立設方向の異なる部分に、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1及び第2の各傾動規制部と、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、
を備えていることを特徴とする保護カバー傾動規制部材。
【請求項11】
支持具は、その固定部により設置面に立設固定されて、当該支持具における前記設置面から離れた位置に設けられた支持部に配線・配管材が支持され、
筒状の保護カバーの軸方向に連続する分断開口を閉じることで、当該保護カバーの内部に前記支持具の支持部、及び当該支持部に支持された配線・配管材を収容保護することで、当該保護カバーが設置される構造において当該保護カバーの傾動を規制するための部材であって、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、
前記保護カバーの前記分断開口に前記支持具を貫通させる貫通孔の内面と協働して、当該支持具に対する保護カバーの傾動を規制すべく、前記支持具における前記保護カバーの外側において、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1傾動規制部と、
を備えていることを特徴とする保護カバー傾動規制部材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁面等の設置面に所定間隔をおいて立設固定された複数の支持具で支持された配線・配管材を保護カバーの内部に収容して保護する配線・配管材保護カバー設置装置、配線・配管材保護カバー設置構造、及び保護カバー傾動規制部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、外壁1に沿って配線・配管される配線4及び配管3を内部に収容して保持する保護カバー装置が開示されている。配線4及び配管3は、所定間隔をおいて外壁1に固定支持される複数の支持具2に一体に設けられた環状の配管支持部2cにより所定間隔毎に支持されて、前記配線4、配管3及び支持具2の配管支持部2cは、保護カバー10の周方向の一箇所に設けられた分断開口を拡げることで、内部に収容され、収容後には、前記分断開口は閉じられて、前記保護カバー10の周方向の両端部に設けられた係止部12の第1折返部12bと被係止部14の第2折返部14bとを互いに係止させている。また、配線4及び配管3を部分的に支持している支持具2の配管支持部2cは、保護カバー10の内面に当接している。
【0003】
配線4及び配管3は、上記構造により保護カバー10の内部に収容されるため、当該保護カバー10における前記支持具2が貫通する部分には、当該支持具2の挿通部18が開口して形成されている。
【0004】
前記保護カバー10は、支持具2の配管支持部2c及び配管3等の外側に配置されて、これらを覆っているのみで、支持具2に対しては、全く連結されておらず、自由な配置位置を選択し得る構造となっている。従って、保護カバー10の内部に収容された支持具2の配管支持部2cにより、配線4及び配管3がしっかり支持されている限り、前記挿通部18の開口が大きくても、換言すると、挿通部18の内端面と、当該挿通部18に挿通されている支持具2との隙間が大きくても、支持具2の配管支持部2cが保護カバー10の内面に当接しているため、支持具2に対する保護カバー10の配置姿勢は殆ど変わらない。
【0005】
しかし、支持具2の配管支持部2cで支持する配管のサイズが小さかったり、本数が少ない場合には、配管支持部2cのサイズが小さくなって、保護カバー10の内面との間に隙間が生ずる。この状態では、保護カバー10は、内部に収容している支持具2の配管支持部2cで支持されなくなるため、保護カバー10の配置姿勢が変化され易くなり、前記挿通部18の開口が大きくて、貫通している支持具2との間の隙間が大きくなると、保護カバー10は、支持具2に対して傾動してしまう。この現象は、外壁1に沿って配線・配管を水平方向に配設する「横引き配管(水平配管)」において顕著に表れ、支持具2は、外壁1に対して垂直に固定配置されているのに、保護カバー10における隣接する各挿通部18の間は、自重により下方に垂れ下がってしまい、見栄えが悪くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011-237069号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、壁面等の設置面に所定間隔をおいて立設固定された複数の支持具に配線・配管材が所定間隔をおいて支持されて、前記配線・配管材を保護カバーの内部に収容保護した状態で、前記支持具に対する前記保護カバーの傾動を抑制することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための請求項1の発明は、固定部により設置面に立設固定されて、前記設置面に沿って配設される配線・配管材を当該設置面から離れた位置で支持する支持部を有する支持具と、
軸方向に連続する分断開口を閉じることで、内側に前記配線・配管材の配設経路が形成される筒状をなし、前記支持具の固定部が外側に、前記支持部及び当該支持部で支持される配線・配管材が内側となるように、前記支持具を内外に貫通配置可能とし、当該支持具に対して非規制状態で配置される保護カバーと、
前記支持具に対して前記保護カバーが傾動するのを規制するために、当該支持具における当該保護カバーから離れた箇所に、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1傾動規制部を有する傾動規制部材と、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、
前記支持具における前記第1傾動規制部の配置箇所よりも前記保護カバー側に、前記保護カバーが前記支持具に対して傾動しようとする際に当該支持具に当接して当該傾動を規制する第2傾動規制部と、
を備えていることを特徴とする配線・配管材保護カバー設置装置である。
【0009】
請求項1の発明において、固定部を介して設置面に立設固定された支持具の支持部に対して配線・配管材を支持させた状態で、保護カバーの軸方向に連続する分断開口を通して、当該保護カバーの内部の配設経路に、前記支持具の支持部、及び当該支持部に支持された配線・配管材を収容して保護する。保護カバーには、分離防止手段によって支持具に沿って離間しないように傾動規制部材が配置され、前記傾動規制部材に前記支持具に対して隣接して配置された第1傾動規制部と、前記支持具における前記第1傾動規制部の配置箇所よりも前記保護カバー側に配置された第2傾動規制部との2種類の傾動規制部が、前記支持具の立設方向に沿って所定間隔をおいて配置されているため、当該支持具に対して非規制状態で配置されている保護カバーの傾動が規制される。ここで、「支持具に対して保護カバーが非規制状態で配置されている」とは、支持具に対する保護カバーの配置状態が画一的に確定されず、一定の範囲内において配置位置の変動を許容する配置状態を言う。
【0010】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記第2傾動規制部は、前記傾動規制部材に形成された第1傾動規制部と同じ方向から前記支持具を挟むように、当該支持具に対して隣接配置されることを特徴としている。
【0011】
請求項2の発明は、第1及び第2の各傾動規制部は、いずれも支持具を挟むようにして、当該支持具に対して隣接配置されているので、設置面に立設固定された支持具に対して保護カバーがいずれかの方向に傾動しようとすると、当該支持具を挟むようにして配置された同一構造の第1及び第2の各傾動規制部によって、当該傾動が規制されるので、保護カバーの傾動規制の効果が高められる。
【0012】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、前記傾動規制部材には、前記保護カバーの軸方向に沿って延び、その間に前記支持具を配置可能な一対の腕部を備え、前記第2傾動規制部は、当該各腕部の対向部にそれぞれ形成されて、前記支持具に対して前記保護カバーが傾動しようとする際に前記支持具に当接する各当接部で構成されることを特徴としている。
【0013】
請求項3の発明は、傾動規制部材は、保護カバーの軸方向に沿って延びて、その間に支持具を配置可能な一対の腕部を備え、第2傾動規制部は、当該各腕部の対向部が当接部となって構成され、同一構造の第1及び第2の各傾動規制部は、いずれも傾動規制部材に形成されているので、同一構造の第1及び第2の各傾動規制部を簡単な構造で実現できる。
【0014】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記傾動規制部材は、前記保護カバーの外周面の周方向及び軸方向の双方に沿って延びる沿い面を有し、当該沿い面は、前記第1傾動規制部と同じ方向から前記支持具を挟むようにして、前記保護カバーの外周面に沿わされることを特徴としている。
【0015】
請求項4の発明によれば、傾動規制部材の有する沿い面は、保護カバーの外周面の周方向及び軸方向の双方に沿って延びて形成されており、当該沿い面のうち周方向に沿って延びる部分は、支持具に対する保護カバーの傾動を補助的に規制すると共に、沿い面の全体により、保護カバーにおける支持具の近傍の部分の配置姿勢が維持される。
【0016】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記保護カバーには、前記貫通孔を挟んだ両側に前記貫通孔に向かって外部から凹設された一対の係合段部が、軸方向に連続して設けられ、
前記分離防止手段は、前記保護カバーに設けられた前記一対の係合段部と、前記傾動規制部材に設けられていて、当該係合段部に係合可能な一対の係合部とから成ることを特徴としている。
【0017】
請求項5の発明によれば、保護カバーに設けられた一対の係合段部と、傾動規制部材に設けられた一対の係合部とを係合させると、保護カバーに対して傾動規制部材が一体的に配置されて、保護カバーに対して傾動規制部材が支持具に沿って離間するのが防止される。
【0018】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、前記保護カバーの分断開口を形成する両端縁部のうち一方を切り欠くことで、前記支持具を貫通配置させる貫通孔が形成され、
前記傾動規制部材に形成された前記係合部は、前記保護カバーの係合段部における前記貫通孔に対して軸方向に沿ってずれた部分で係合される構成であることを特徴としている。
【0019】
請求項6の発明によれば、傾動規制部材の係合部と保護カバーの係合段部とは、当該保護カバーに形成されて、支持具を貫通配置させるための貫通孔に対して軸方向に沿ってずれた部分で係合されていて、当該軸方向に沿って貫通孔の部分を回避した状態で係合されている。保護カバーにおける貫通孔が形成された部分は、当該貫通孔の存在により周方向に沿って縮径変形され易く、請求項6の発明では、保護カバーの軸方向に沿って当該貫通孔の配置位置を回避した位置において、傾動規制部材の係合部と保護カバーの係合段部とが係合されているので、係合状態が安定化して、外力等が作用しても、当該係合は、容易に解除されない。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明において、自身の一対の係止爪が前記保護カバーの一対の係合段部にそれぞれ係止されることで、当該保護カバーの前記分断開口が閉塞された状態を維持するための閉塞維持部材を備え、
前記傾動規制部材は、基端側で相互に連結され、先端から基端部に向けて前記支持具を受け入れ可能な支持具挿通溝が設けられることで、中央部が分断されて前記保護カバーの軸方向に延設された一対の腕部を有し、
前記閉塞維持部材は、前記一対の腕部を覆うようにして前記保護カバーに取着可能であることを特徴としている。
【0021】
請求項7の発明によれば、自身の一対の係止爪が前記保護カバーの一対の係合段部にそれぞれ係止されることで、当該保護カバーの前記分断開口が閉塞された状態を維持するための閉塞維持部材を備え、当該閉塞維持部材は、保護カバーの外側に一体的に配置された傾動規制部材の一対の腕部を覆うようにして、その一対の係止爪が前記保護カバーの一対の係合段部にそれぞれ係止される構造である。従って、保護カバーの分断開口が閉塞された状態を一層確実に維持できるのに加えて、当該保護カバーに対する傾動規制部材の取付け状態の一体性を高められる。
【0022】
請求項8の発明は、固定部により設置面に立設固定された配線・配管材の支持具の先端部の支持部が当該配線・配管材を支持しており、
軸方向に連続する分断開口を有する保護カバーは、前記支持具における前記設置面と前記支持部の間が、前記保護カバーにおける前記分断開口を形成する各端縁部の間で挟まれるようにして、当該保護カバーの内部に前記支持部及び当該支持部で支持された配線・配管材が収容されて配設され、
分離防止手段により前記保護カバーに対する分離が規制された傾動規制部材に設けられた第1傾動規制部が、前記支持具における前記保護カバーの外側で前記支持具に当接し、更に、前記支持具における前記第1傾動規制部の配置位置よりも先端側に位置する第2傾動規制部が前記支持具に当接して、前記支持具に対する前記保護カバーの傾動が規制されていることを特徴とする配線・配管材保護カバー設置構造である。
【0023】
請求項8の発明は、請求項1の発明を「配線・配管材保護カバー設置構造」の面から把握して表現したものであって、実質的な作用効果は、請求項1の発明と同等である。
【0024】
請求項9の発明は、請求項8の発明において、前記分断開口の両端縁部のうち少なくとも一方の端縁部が切り欠かれて形成された貫通孔内に前記支持具が貫通配置されており、
前記支持具は、前記貫通孔の内面に当接することで、前記支持具に対する前記保護カバーの傾動が規制されることで、当該貫通孔が第2傾動規制部となっていることを特徴としている。
【0025】
請求項9の発明によれば、配線・配管材保護カバー設置構造において必要不可欠である保護カバーに設けられる貫通孔を第2傾動規制部として兼用して機能させているため、別途第2傾動規制部を設ける必要がなくなって、支持具に対する保護カバーの傾動を規制する構造が簡単となる。
【0026】
請求項10の発明は、支持具は、その固定部により設置面に立設固定されて、当該支持具における前記設置面から離れた位置に設けられた支持部に配線・配管材が支持され、
筒状の保護カバーの軸方向に連続する分断開口を閉じることで、当該保護カバーの内部に前記支持具の支持部、及び当該支持部に支持された配線・配管材を収容保護することで、当該保護カバーが設置される構造において当該保護カバーの傾動を規制するための部材であって、
前記保護カバーの外側において前記支持具の立設方向の異なる部分に、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1及び第2の各傾動規制部と、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、を備えていることを特徴としている。
【0027】
請求項10の発明は、請求項1を引用する請求項3の発明を、「傾動規制部材」の面から把握して表現したものであり、「傾動規制部材」としての作用効果は、請求項1において記載の通りである。
【0028】
請求項11の発明は、支持具は、その固定部により設置面に立設固定されて、当該支持具における前記設置面から離れた位置に設けられた支持部に配線・配管材が支持され、
筒状の保護カバーの軸方向に連続する分断開口を閉じることで、当該保護カバーの内部に前記支持具の支持部、及び当該支持部に支持された配線・配管材を収容保護することで、当該保護カバーが設置される構造において当該保護カバーの傾動を規制するための部材であって、
前記保護カバーに対して前記傾動規制部材が前記支持具に沿って離間する方向に分離されるのを防止するための分離防止手段と、
前記保護カバーの前記分断開口に前記支持具を貫通させる貫通孔の内面と協働して、当該支持具に対する保護カバーの傾動を規制すべく、前記支持具における前記保護カバーの外側において、当該支持具を挟むようにして当該支持具に対して隣接配置される第1傾動規制部と、
を備えていることを特徴としている。
【0029】
請求項11の発明は、請求項8を引用する請求項9の発明を、「傾動規制部材」の面から把握して表現したものであり、「傾動規制部材」としての作用効果は、請求項9において記載の通りである。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、保護カバーには、分離防止手段によって支持具に沿って離間しないように傾動規制部材が配置され、前記傾動規制部材に前記支持具に対して隣接して配置された第1傾動規制部と、前記支持具における前記第1傾動規制部の配置箇所よりも前記保護カバー側に配置された第2傾動規制部との2種類の傾動規制部が、前記支持具の立設方向に沿って所定間隔をおいて配置されているため、当該支持具に対して非規制状態で配置されている保護カバーの傾動が規制される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】(a)は、複数の支持具S1 により壁面Wから離間させて配管材P1 ,P2 を配管した状態の斜視図であり、(b)は、前記配管材P1 ,P2 が保護カバーC0 で覆われた状態の斜視図である。
図2】(a),(b)は、それぞれ傾動規制具A1 を異なる方向から見た斜視図である。
図3】(a)は、傾動規制具A1 の平面図であり、(b),(c)は、それぞれ(a)のX1 -X1 線及びX2 -X2 線の断面図である。
図4】(a),(b)は、それぞれ支持具S1 を異なる方向から見た斜視図である。
図5】傾動規制具A1 に対する支持具S1 の配置関係を示す斜視図である。
図6】水平配管部における支持具S1 により壁面Wに対して離間して配設された配管材P1 ,P2 、保護カバーC0 、傾動規制具A1 及び閉塞維持具Bの分解斜視図である。
図7】支持具S1 により壁面Wに対して離間して配設された配管材P1 ,P2 と保護カバーC0 との横断面図である。
図8】水平配管部において、支持具S1 により壁面Wに対して離間して配設された配管材P1 ,P2 が保護カバーC0 で覆われた状態の斜視図である。
図9図8の状態において、傾動規制具A1 の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22に支持具S1 が挿入されて、保護カバーC0 の各端縁部2,3の部分に傾動規制具A1 が取着された状態の斜視図である。
図10図9の状態において、傾動規制具A1 の一対の腕板部21の露出部が保護カバーC0 から離間しないように、保護カバーC0 の一対の係合凹部5a,5bに閉塞維持具Bが係合された状態の斜視図である。
図11図10のY1 -Y1 線断面図である。
図12図10のY2 -Y2 線断面図である。
図13図11の方形枠Z1 で囲まれた部分の拡大図である。
図14図10の状態の縦断面図である。
図15】(a)は、複数の支持具S2 により壁面Wから離間させて配管材P3 を配管した状態の斜視図であり、(b)は、前記配管材P3 が保護カバーC0 で覆われた状態の斜視図である。
図16】(a),(b)は、それぞれ支持具S2 を異なる方向から見た斜視図である。
図17】(a),(b)は、それぞれ傾動規制具A2 を異なる方向から見た斜視図である。
図18】傾動規制具A2 に対する支持具S2 の配置関係を示す斜視図である。
図19】水平配管部における支持具S2 により壁面Wに対して離間して配設された配管材P3 、保護カバーC0 、傾動規制具A2 及び閉塞維持具Bの分解斜視図である。
図20】水平配管部において、支持具S2 により壁面Wに対して離間して配設された配管材P3 が保護カバーC0 で覆われた状態の斜視図である。
図21図20の状態において、保護カバーC0 に傾動規制具A2 を取着して、当該傾動規制具A2 の一対の腕板部21’の露出部が保護カバーC0 から離間しないように、保護カバーC0 の一対の係合凹部5a,5bに閉塞維持具Bが係合された状態の斜視図である。
図22図21における支持具S2 の部分の横断面図である。
図23図22の方形枠Z2 で囲まれた部分の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、複数の最良の実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明する。
【実施例0033】
実施例1は、図1に示されるように、エアコン用の冷媒管からなる配管材P1 ,P2 を複数本の支持具S1 を用いて壁面Wから離間した位置に配設して、当該配管材P1 ,P2 を保護カバーC0 で覆う配管構造である。なお、エアコン用の冷媒管は2本一組となって使用され、いずれも断熱材で覆われている。
【0034】
保護カバーC0 は、樹脂の押出成形により形成される長尺状を成していて、図6図8に示されるように、周方向の一箇所に軸方向に沿った分断開口1を形成可能な薄肉筒状に形成されている。このため、保護カバーC0 は、周方向の両端縁部2,3を互いに近接させて係合させることで、前記分断開口1が閉塞される構造となっている。一方の端縁部2は、変則薄板状をなしていて、その外側の部分において、残りの本体部4との接続部において凹状の係合凹部5aが軸方向に沿って連続して形成され、内面側に補強突条6a,6bが軸方向に連続して設けられ、外側(分断開口1に近い側)の補強突条6bの高さ方向の中央部には、薄板状の係合板部7が形成されている。他方の端縁部3は、断面が偏平U字状に形成されて、前記一方の端縁部2と同様に、その外側の部分において、残りの本体部4との接続部において凹状の係合凹部5bが軸方向に沿って連続して形成され、断面が偏平U字状に形成された凹部は、前記一方の端縁部2の係合板部7が挿入係合される係合孔8となっている。この係合状態において、一方の端縁部2に形成された外側の補強突条6bが、他方の端縁部3の端面に当接することで、前記分断開口1が閉塞されて、筒状の保護カバーC0 となる。また、保護カバーC0 の本体部4における分断開口1が形成される部分と対向する部分は、内側に向けて一対の屈曲部9が形成され、分断開口1を形成するために、本体部4を外側に大きく開く際に、当該本体部4が前記各屈曲部9を起点として対称形状を保持して開き易いようにしてある。
【0035】
壁面Wに立設固定された前記支持具S1 の先端の支持部13を前記保護カバーC0 の内部に貫通状態で挿入するための貫通孔Hは、図6図8に示されるように、保護カバーC0 の一方の端縁部2における内側の補強突条6aよりも外側の部分を方形状に切除することで長方形状に形成される。一方の端縁部2の外面における内側の補強突条6aの部分には、横断面V字状の浅い折取り溝10が軸方向に連続して形成され、ナイフ類を用いて一方の端縁部2に、前記支持具S1 の幅よりも僅かに広い間隔をおいて周方向に沿った2本の折取り溝を形成し、当該2本の折取り溝と前記折取り溝10の部分をニッパー類を用いて折り取ることで、前記貫通孔Hが形成される。なお、図6において、H’は、保護カバーC0 の端縁部2に貫通孔Hを形成するために折り取られた折取り片を示す。
【0036】
支持具S1 は、図1及び図2に示されるように、本体部11の基端部の固定部12が壁面Wに立設状態で固定されて、先端部の支持部13に配管材P1 ,P2 がバインド線91により結束支持される。即ち、支持具S1 は、細長比の大きな長方形状の金属板で前記本体部11が形成されて、当該本体部11の基端部の幅方向の中央部は、本体部11の長手方向に沿って所定長だけ切り欠かれ、その切欠き部に短雄ねじ棒14が溶接により固定されていると共に、当該本体部11の基端部に固定されて短雄ねじ棒14の両側の狭幅の各板片は、互いに逆方向に90°だけ折り曲げられて、壁面Wの表面に密着する密着板部15となっている。前記固定部12は、前記短雄ねじ棒14と、前記一対の密着板部15とで構成されると共に、前記支持部13は、本体部11の上端部に形成された複数の円形のバインド線挿通孔16及び当該本体部11における各バインド線挿通孔16の下方に長手方向に形成されたバインド線挿通長孔17で形成される。支持具S1 の短雄ねじ棒14は、壁面Wに打ち込まれたアンカーナット92に螺合される(図6参照)。なお、図2において、18は、上記のようにして、壁面Wに支持具S1 を固定した状態で、短雄ねじ棒14の露出部、及び一対の密着板部15の全体を覆い隠すための閉塞キャップ体であって、上方に僅かに膨らんだ円形板部18aの外周部に、高さの低い周壁部18bで形成され、前記円形板部18aの中央部に、壁面Wに固定済の前記支持具S1 の上端から挿入して、基端部の固定部12の全体を覆うことを可能とする支持具挿入溝18cが直径方向に形成されている。
【0037】
次に、図1図6図8を参照して、壁面Wに対して離間して配設された配管材P1 ,P2 の全体を保護カバーC0 で覆う施工について説明する。まず、図1(a)に示されるように、配管材P1 ,P2 の配管経路に沿って所定間隔をおいて壁面Wに支持具S1 を立設状態で固定する。図1(a)の配管例では、壁裏から引き出された配管材P1 ,P2 は、所定長だけ垂直に配管されて直角に屈曲されて、水平配管されている。支持具S1 は、当該支持具S1 の固定位置に打ち込まれたアンカーナット92に、基端の固定部12の短雄ねじ棒14を螺合させて、当該短雄ねじ棒14の両側の密着板部15を壁面Wに密着させると、壁面Wに対して支持具S1 が垂直に立設される。その後に、支持具S1 の基端の固定部12の全体を閉塞キャップ体18で覆う。
【0038】
次に、壁面Wに立設固定された各支持具S1 の先端の支持部13にバインド線91を用いて配管材P1 ,P2 の所定部分を結束することで、各支持具S1 の先端の支持部13に配管材P1 ,P2 が、壁面Wとの間に所定間隔をおいて配設される。
【0039】
一方、図6に示されるように、保護カバーC0 の一方の端縁部2における各支持具S1 が配置される部分を折り取ることで、各貫通孔Hを形成する。図示例では、保護カバーC0 の端縁部2における一対の補強突条6a,6bの部分が方形状に折り取られることで、貫通孔H(図6図8参照)が形成される。そして、図7で2点鎖線で示されるように、保護カバーC0 の有する弾性復元力に抗して、当該保護カバーC0 を各屈曲部9を起点として外側に大きく拡げることで、一対の端縁部2,3の間に分断開口1を形成した状態で、壁面Wに立設固定された各支持具S1 の先端の各支持部13で支持されている配管材P1 ,P2 を、前記分断開口1を通して保護カバーC0 の内部に収容して保護する。保護カバーC0 の内部に配管材P1 ,P2 が収容された後においては、弾性復元力に抗して外側に拡げられた保護カバーC0 の強制変形部は、当該弾性復元力により原形状に復元して、一方の端縁部2に形成された係合板部7が、他方の端縁部3に形成された係合孔8に入り込んで係合されることで、前記分断開口1が閉塞されると共に、各端縁部2,3は、上記係合により容易に分離し得ないために、保護カバーC0 の筒状が維持される。
【0040】
ここで、壁面Wに立設固定された支持具S1 と、当該支持具S1 の先端の支持部13で支持された配管材P1 ,P2 を内部に収容している保護カバーC0 との配置関係は、当該支持具S1 が保護カバーC0 の貫通孔Hを通して当該保護カバーC0 の内部に貫通配置されているのみであって、保護カバーC0 は、支持具S1 に対して非規制状態で配置されている。このため、保護カバーC0 の設置後において、当該保護カバーC0 の横断面視において支持具S1 に対して保護カバーC0 が傾動され易い。特に、配管材P1 ,P2 が水平に配管される「横引き配管」においては、保護カバーC0 は、傾動され易い。なお、直状の保護カバーC0 は、図1(b)に示されるように、その両端部は、屈曲部保護カバーC1 、或いは壁引出し部保護カバーC2 等の付属保護カバーに連結されているため、直状の保護カバーC0 は、横断面視で極端に傾動されることはないが、当該保護カバーC0 と支持具S1 とが連結されていないために、保護カバーC0 の傾動が不可避的に発生し、見栄えを悪くしていた。
【0041】
そこで、本発明では、保護カバーC0 における支持具S1 が貫通配置される部分に傾動規制具A1 を取着することで、支持具S1 に対する保護カバーC0 の傾動を規制している。傾動規制具A1 は、樹脂の射出成形により形成されて、図3及び図4に示されるように、保護カバーC0 の外周面の周方向及び軸方向の双方に沿って延びることで、当該外周面、具体的には、係合により保護カバーC0 の周方向に沿って連続した前記両端縁部2,3の外周面に密着する沿い面21aを有する一対の腕板部21は、その基端部が一体に連結されて、当該基端部を除く残りの部分は、前記支持具S1 が挿入される第2支持具挿入溝22を介して対向配置されている。一対の腕板部21における保護カバーC0 の軸方向に沿った基端側のほぼ半分の部分には、横断面がU字形であって、基端側が閉塞板部23で閉塞された補強体部24が一体に設けられて、当該補強体部24の一対の側板部24aは、所定長だけ前記一対の腕板部21の沿い面21aよりも上方に延出されていて、当該側板部24aの上方に延出された部分であって、しかも前記閉塞板部23の側の端部には、保護カバーC0 の外周面に形成された一対の係合凹部5a,5bに対して係合される一対の係合突起25が前記各側板部24aに対して内側に直交して折り曲げられた状態で対向して設けられている。
【0042】
前記補強体部24の底板部24bにおける前記第2支持具挿入溝22の直下の溝状の部分には、それぞれ当該第2支持具挿入溝22の溝幅方向に所定間隔をおいた一対のフランジ板部26が、当該底板部24bの上下面の双方に対して突出して設けられ、各フランジ板部26の間の溝は、支持具S1 が挿入される第1支持具挿入溝27となっている。当該第1支持具挿入溝27は、前記第2支持具挿入溝22と同様に、一対の腕板部21の自由端側に開口して、当該底板部24bの途中まで形成されている。第1支持具挿入溝27の対向する内端面である支持具S1 の各当接部は、当該第1支持具挿入溝27に挿入された支持具S1 に対する保護カバーC0 の傾動を規制する第1傾動規制部27aとなっていて、第1傾動規制部27aは、支持具S1 を両側から挟むように配置されて、フランジ板部26の内側面で形成されているため、当該支持具S1 に対する当接面積が大きくなり、支持具S1 に対する保護カバーC0 の傾動規制の効果が高められる。前記第2支持具挿入溝22の対向する各内端面は、前記第1支持具挿入溝27の内端面と同様に、支持具S1 に対する保護カバーC0 の傾動を規制する機能を果たしており、第2傾動規制部22aとなっている。また、前記一対の腕板部21の自由端側には、当該一対の腕板部21における前記補強体部24が突出した部分の外側に配置されるクリップ状の閉塞維持具Bから、保護カバーC0 の軸方向に抜け出るのを防止するための抜出し防止突起28が外方に突出して設けられている。
【0043】
そして、図8は、壁面W上の配管経路に沿って立設固定された複数の支持具S1 の支持部13に対して配管材P1 ,P2 が支持され、当該配管材P1 ,P2 及び各支持具S1 の支持部13が保護カバーC0 で覆われた状態であり、各支持具S1 に対する保護カバーC0 の動きは規制されていない。この状態で、保護カバーC0 と壁面Wとの隙間に傾動規制具A1 を配置して、分断開口1を閉塞している各端縁部2,3に対して傾動規制具A1 の一対の腕板部21の各沿い面21aを密着させた状態で、保護カバーC0 の係合状態の各端縁部2,3のわん曲が大きくなるように強制変形させることで、傾動規制具A1 の各係合突起25を保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに挿入して係合させると、保護カバーC0 の各端縁部2,3の部分に傾動規制具A1 が取着される。この状態で、当該傾動規制具A1 を保護カバーC0 の軸方向にスライドさせて、傾動規制具A1 の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22に、支持具S1 における高さ方向に沿って異なる部分をそれぞれ挿入させると、支持具S1 は、図9及び図13に示されるように、第1及び第2の各支持具挿入溝27,22の内側の形成端に近い部分まで挿入されて、傾動規制具A1 の各腕板部21の内面の各沿い面21aは、保護カバーC0 の各端縁部2,3の外周面に密着した状態を維持している。
【0044】
上記のようにして、保護カバーC0 の端縁部2,3の外周面に傾動規制具A1 が取着された状態では、図9及び図11に示されるように、当該傾動規制具A1 の一対の腕板部21は、保護カバーC0 の係合状態となった各端縁部2,3の幅内に納まっている。
【0045】
クリップ状の閉塞維持具Bは、バネ鋼で形成され、保護カバーC0 の端縁部2,3に対する傾動規制具A1 の各腕板部21の部分の一体性を高めることで、当該傾動規制具A1 の長溝状の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22の長手方向の一端側に設けられた一対の係合突起25と協働して、保護カバーC0 の端縁部2,3に対して傾動規制具A1 が外れないようにするものである。即ち、閉塞維持具Bは、図8及び図11に示されるように、傾動規制具A1 の一対の腕板部21の横断面視の外面に対応して、外面側が緩やかな凸面となるようにわん曲された維持具本体81の幅方向の両端部に、外側が開口するような横断面U字状の弾性係合部82がそれぞれ連続して形成された形状であって、各弾性係合部82のわん曲部の外側に、前記維持具本体81の側に向け、しかも当該各弾性係合部82のわん曲部の接線方向に沿って保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bの内面に弾接する弾接突起83が形成されている。
【0046】
そして、上記のようにして、保護カバーC0 の各端縁部2,3の外側に、支持具S1 の一部が貫通された形態で傾動規制具A1 が取着された状態で、傾動規制具A1 の補強体部24から保護カバーC0 の軸方向に沿って露出している一対の腕板部21の外側に前記閉塞維持具Bの維持具本体81を配置した状態で、その各弾性係合部82を保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに挿入して係合させると、各弾性係合部82の外側に一体に設けられた弾接突起83が、保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bの内面に弾接することで、傾動規制具A1 の一対の腕板部21は、保護カバーC0 の各端縁部2,3と一体化され、傾動規制具A1 の一対の係合突起25が保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに係合している構造と協働して、傾動規制具A1 は、支持具S1 に沿って保護カバーC0 から離間しなくなると共に、保護カバーC0 の軸方向にも移動不能となる。これにより、図1(b)に示されるように、壁面Wに対して離間状態で配設された配管材P1 ,P2 が保護カバーC0 で覆われて、配管作業が完了する。なお、図8図10において、19は、保護カバーC0 の各端縁部2,3の各端面が密着して端面密着ラインを示す。
【0047】
よって、図9図12、特に図10及び図12に示されるように、保護カバーC0 の各端縁部2,3の外周面に傾動規制具A1 が取着され、壁面Wに立設固定された支持具S1 は、当該傾動規制具A1 の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22並びに保護カバーC0 の貫通孔Hをそれぞれ貫通して、自身の上半部が当該保護カバーC0 の内部に入り込み、当該支持具S1 の先端の支持部13に配管材P1 ,P2 が支持された構造が実現される。この結果、保護カバーC0 と一体化された傾動規制具A1 は、第1及び第2の各支持具挿入溝27,22に挿入された支持具S1 に対する傾動が抑制される。
【0048】
ここで、支持具S1 に対する傾動規制具A1 の傾動とは、図11に示されるように、保護カバーC0 の横断面視において矢印Q,Q’の方向に動くことを言う。即ち、保護カバーC0 と一体化された傾動規制具A1 は、傾動しようとすると、第1及び第2の各支持具挿入溝27,22の各内端面である第1及び第2の各傾動規制部27a,22aに当接することで、傾動規制具A1 の傾動が抑制される。結果として、傾動規制具A1 が存在しない場合は、保護カバーC0 は、支持具S1 に対して非規制状態で配置されているため、前記矢印Q又はQ’の方向に傾動される恐れがあるが、当該保護カバーC0 は、当該傾動規制具A1 と一体となっているため、その傾動が抑制される。特に、保護カバーC0 の傾動を規制する部分として、第1及び第2の2種類の各傾動規制部27a,22aが支持具S1 に立設方向に沿って異なる位置に配置され、しかも傾動抑制効果が大きな保護カバーC0 からの離間長の大きな第1傾動規制部27aは、一対のフランジ板部26の内端面で構成されて、支持具S1 の立設方向に沿った当接長を長く確保でき、しかも第1及び第2の各傾動規制部27a,22aは、いずれも支持具S1 の全幅に亘って当接しているので、保護カバーC0 の傾動抑制の効果が高められる。
【0049】
また、傾動規制具A1 の一対の腕板部21の内面の沿い面21aは、保護カバーC0 の各端縁部2,3の外周面に密着した状態で、当該傾動規制具A1 の一対の係合突起25及び閉塞維持具Bの一対の弾性係合部82が、それぞれ保護カバーC0 の係合凹部5a,5bに係合することで、当該保護カバーC0 の軸方向に沿った所定長の部分は、壁面Wに固定された支持具S1 に対し傾動を規制された状態の傾動規制具A1 に一体的に支持されているので、この構造も保護カバーC0 の傾動の規制に寄与している。
【0050】
上記のようにして、支持具S1 に対して保護カバーC0 が所定の方向に傾動しようとすると、当該保護カバーC0 に一体に取着された傾動規制具A1 に設けられた第1及び第2の各傾動規制部27a,22aに当接することで、保護カバーC0 の傾動が規制されるので、図11に示されるように、支持具S1 の先端の支持部13に支持された配管材P1 ,P2 と、当該保護カバーC0 の内周面との間に隙間29が形成されていても、当該保護カバーC0 の傾動を規制できる。
【0051】
また、上記実施例では、傾動規制具A1 の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22の各内端面である第1及び第2の各傾動規制部27a,22aと、当該各支持具挿入溝27,22に挿入された支持具S1 の本体部11の両側面との間(以下、「本体部両側面」という)には、殆ど隙間は形成されていないが、前記本体部両側面に、保護カバーC0 に許容限度内の僅かな傾動のみが発生する範囲内において多少の隙間を形成して、保護カバーC0 又は傾動規制具A1 に対する支持具S1 の配置に対して多少の自由度を持たせてもよい。これにより、傾動規制具A1 の第1及び第2の各支持具挿入溝27,22に対する支持具S1 の挿入が容易となる結果、配管施工が容易となる。
【0052】
また、保護カバーC0 の長方形状の貫通孔Hと、当該貫通孔Hに貫通挿入された支持具S1 の本体部11との配置関係は、長方形状の当該貫通孔Hの短手方向において、その両側にそれぞれ隙間30a,30b(図13参照)が形成されている。上記したように、本体部両側面に隙間を形成する場合においても、当該隙間は、貫通孔Hの短手方向に形成された前記隙間30a,30bよりも小さく(狭く)する必要があることは当然である。
【0053】
なお、傾動規制具A1 の射出成形時において、第1及び第2の各支持具挿入溝27,22に、大きな抜き勾配を設けて、傾動規制具A1 の各支持具挿入溝27,22に対して支持具S1 が圧入的に挿入されるように設定することで、支持具S1 に対する保護カバーC0 の立設方向(図10で矢印R,R’で示される方向)に沿った配置位置を規制することも可能である。
【実施例0054】
実施例2は、図15に示されるように、円筒状の排水管から成る配管材P3 を複数本の支持具S2 を用いて壁面Wから離間した位置に配設して、当該配管材P3 を保護カバーC0 で覆う配管構造である。このように、配管対象である配管材のサイズ及び同時使用される配管材の本数が異なるために、使用される支持具S2 及び傾動規制具A2 は、いずれも実施例1の支持具S1 及び傾動規制具A1 とは、部分的に異なるが、配管材を内部に収容する保護カバーC0 は、実施例1と同一のものが使用され、当該保護カバーC0 の傾動規制の考え方(技術的思想)は、同一であるので、重複説明を避けて、実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
【0055】
支持具S2 は、金属板で形成され、壁面Wに固定される壁面固定体31と、配管材P3 を挿通して支持するための短筒状の管支持部41を備えた管挿通支持体32とが、2本の連結ボルト33及び連結ナット34により一体に連結された構成である。壁面固定体31は、細長比の大きな長方形状の本体板部35の基端部の幅方向の中央部に長手方向の切込みが形成され、当該切込みにより分断された各分断片を互いに逆方向に直角に折り曲げることで、前記本体板部35の基端部に、壁面Wに密着する長方形状の一対の密着板部36が一体に形成された形状であり、各密着板部36には、自身で下孔を形成しながら壁面Wに螺合されるスクリューボルト37を挿通させる長孔状のボルト挿通孔38が当該密着板部36の長手方向に形成され、前記本体板部35には、その長手方向に沿って所定間隔をおいて一対のボルト挿通孔35a(図23参照)が形成されている。
【0056】
管挿通支持体32は、帯状の平板素材をプレス成形することで、配管材P3 を挿通して支持するための短筒状の管支持部41の周方向の一箇所において、前記壁面固定体31の本体板部35の板厚に対応する間隔をおいて一対の長方形状の連結板部42が互いに平行を維持して連設された形状である。管挿通支持体32の連結板部42の幅は、前記壁面固定体31の本体板部35の幅に等しく、当該連結板部42には、当該壁面固定体31の本体板部35に形成された一対のボルト挿通孔に対応する一対のボルト挿通孔42a(図23参照)が形成されている。
【0057】
実施例2の傾動規制具A2 は、実施例1の傾動規制具A1 と同様に、前記支持具S2 が貫通配置されて、保護カバーC0 の傾動を防止する第1傾動規制部43aを備えており、当該支持具S2 は、連結ボルト33及び連結ナット34との干渉を回避する構造になっている点のみが、実施例1の傾動規制具A1 と異なるので、当該傾動規制具A1 と同一部分及び同等部分には、それぞれ同一符号に「’」を付し、重複説明を避けて、異なる部分についてのみ説明する。
【0058】
実施例2の傾動規制具A2 が実施例1の傾動規制具A1 に対して異なる点は、図17及び図18に示されるように、保護カバーC0 の傾動を防止するために、補強体部24’の底板部24b’に支持具S2 を挟むようにして対向して設けられた各第1傾動規制部43aの幅が異なること、及び一対の腕板部21’には、実施例1の第2支持具挿入溝22に替えて、連結ボルト33の頭部及び連結ナット34との干渉を回避可能なように幅広の干渉回避溝部44が形成されていることの2点であり、残りの構成は、実施例1の傾動規制具A1 と同一である。即ち、支持具S2 における傾動規制具A2 の補強体部24’の底板部24b’に形成される支持具挿入溝43は、壁面固定体31の本体板部35と、当該本体板部35を挟んで配置される管挿通支持体32の2枚の連結板部42との計3枚の板部(以下、当該計3枚の板部が重合した部分を「貫通重合板部40」と称する)が重なった板厚に対応する幅を有する必要があるため、幅広に形成され、当該支持具挿入溝43の対向する内端面が、それぞれ支持具S2 が当接する第1傾動規制部43aとなっている。また、補強体部24’の底板部24b'と一対の腕板部21’との間の空間部は、支持具S2 に設けられた二組の連結ボルト33及び連結ナット34のうち、管支持部41に近い側の連結ボルト33及び連結ナット34を収容可能なボルト・ナット収容空間46(図22及び図23参照)となっている。
【0059】
ここで、保護カバーC0 に形成される方形状の貫通孔Hの短手方向及び長手方向の各寸法をV1 ,V2 とし、前記支持具S2 の貫通重合板部40の板厚及び幅を、それぞれT,Uとすると、貫通孔Hの短手方向の寸法V1 は、貫通重合板部40の板厚Tと同等か又は僅かに大きくなっていると共に、貫通孔Hの長手方向の寸法V2 は、貫通重合板部40の幅Uよりも大きくなっている。図21図23に示されるように、壁面Wに対して立設固定された支持具S2 の管支持部41に支持された配管材P3 を保護カバーC0 で覆った状態において、貫通孔Hの短手方向の各内端面は、支持具S2 の貫通重合板部40の両側面がそれぞれ当接する第2傾動規制部45となっている。
【0060】
次に、排水管から成る配管材P3 を壁面に対して離間状態で配設して、当該配管材P3 を保護カバーC0 で覆う配管方法について説明する。まず、図15(a)に示されるように、壁面Wにおける配管材P3 の配設経路に複数の支持具S2 を所定間隔をおいて立設固定する。壁面Wに対する支持具S2 の固定は、当該支持具S2 の基端部の一対の密着板部36を当該壁面Wに密着させた状態で、各密着板部36のボックス挿通孔38に挿通されたスクリューボルト37を壁面Wに螺入することで行う。壁面Wに立設固定された各支持具S2 の先端の管支持部41に直管状の配管材P3 を挿通し、各配管材P3 の直角屈曲部、及び壁裏からの引出し部は、それぞれ90°エルボEを用いて接続する。
【0061】
引き続いて、図19に示されるように、一方の端縁部2に貫通孔Hが形成された保護カバーC0 の各端縁部2,3を外側に大きく拡開させて、当該各端縁部2,3の間に分断開口1を形成し、図20に示されるように、当該分断開口1を通して保護カバーC0 の内部に、各支持具S2 の先端の管支持部41で支持されている配管材P3 を収容させる。これにより、支持具S2 の貫通重合板部40は、保護カバーC0 の貫通孔Hを貫通して、当該保護カバーC0 の内外に配置され、当該貫通孔Hの部分では、長方形状の当該貫通孔Hの短手方向の寸法V1 は、貫通重合板部40の板厚Tと同等か、或いは僅かに大きくなっているため、支持具S2 の先端の管支持部41で支持された配管材S2 を保護カバーC0 の内部に収容することで、支持具S2 に対して保護カバーC0 が配置された状態のみにおいて、図22に示されるように、当該支持具S2 に対する保護カバーC0 が横断面視で矢印Q又はQ’の方向に傾動するのがある程度抑制(規制)される。支持具S2 を構成する二組の連結ボルト33及び連結ナット34は、いずれも保護カバーC0 の外側に配置される。
【0062】
その後に、図20に示されるように、実施例1と全く同様にして、内部に配管材P3 を収容した保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに、傾動規制具A2 の各係合突起25を挿入して係合させることで、当該保護カバーC0 の各端縁部2,3の外周面に傾動規制具A2 の一対の腕板部21’の沿い面21a'を密着させて、当該保護カバーC0 に傾動規制具A2 が取着させる。この状態で、保護カバーC0 の各端縁部2,3の外周面に密着状態で取着されている傾動規制具A2 を当該保護カバーC0 の軸方向にスライドさせると、図21図23に示されるように、傾動規制具A2 の支持具挿入溝43に支持具S2 の貫通重合板部40が挿入され、支持具S2 を構成する二組の連結ボルト33及び連結ナット34のうち、管支持部41に近い側の一組の連結ボルト33及び連結ナット34は、一部が傾動規制具A2 の干渉回避溝部44に入り込んだ状態で、そのボルト・ナット収容空間46に収容されると共に、他の一組の連結ボルト33及び連結ナット34は、傾動規制具A2 の外部に配置される。
【0063】
最後に、傾動規制具A2 の一対の腕板部21’の補強体部24’からの突出部の外側にクリップ状の閉塞維持具Bの維持具本体81を配置して、当該維持具本体81の幅方向の両端に連設された各弾性係合部82を、保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに係合させると、傾動規制具A2 の一対の係合突起25による係合と協働して、傾動規制具A2 は、異なる2箇所において保護カバーC0 の各係合凹部5a,5bに係合されることで、当該保護カバーC0 に対して傾動規制具A2 が容易に取り外れることなく取着される。これにより、配管材P3 の配管作業が完了して、図15(b)に示されるように、壁面Wから離間して配設された配管材P3 は、傾動規制具A2 により傾動が規制された保護カバーC0 で覆われる。
【0064】
二組の連結ボルト33及び連結ナット34のうち、管支持部41に近い側の連結ボルト33及び連結ナット34は、その一部が傾動規制具A2 の干渉回避溝部44に入り込んだ形態で、補強体部24に形成されたボルト・ナット収容空間46に収容されると共に、他の連結ボルト33及び連結ナット34は、傾動規制具A2 の外部に配置される。
【0065】
保護カバーC0 に傾動規制具A2 が取着された状態では、支持具S2 の貫通重合板部40は、当該傾動規制具A2 の支持具挿入溝43に挿通されているので、保護カバーC0 の前記貫通孔H以外の部分である支持具挿入溝43の各内端面である各第1傾動規制部43aによっても、支持具S2 に対する保護カバーC0 の傾動が抑制される。即ち、保護カバーC0 が、前記貫通孔Hの短手方向の各内端面である第2傾動規制部45を中心に傾動した場合においても、支持具挿入溝43の各内端面である各第1傾動規制部43aによって保護カバーC0 の傾動が抑制されるので、支持具S2 に対して保護カバーC0 が大きく傾動することはない。
【0066】
上記した実施例2において、実施例1と同様に、支持具S2 の貫通重合板部40と第2傾動規制部45との間に、保護カバーC0 からの離間長の長い第1傾動規制部43aと支持具S2 との隙間よりも大きな隙間を形成することで、第1傾動規制部43aを主体にして、保護カバーC0 の傾動が防止されるようにしてもよい。
【0067】
上記実施例1,2では、いずれも、保護カバーC0 に対する各傾動規制具A1,A2 の分離防止手段として、当該各傾動規制具A1,A2 に、当該保護カバーC0 の係合凹部5a,5bに係合される一対の係合突起25を設ける構成に加えて、当該各傾動規制具A1,A2 の一対の腕板部21,21’の部分において、当該一対の腕板部21,21’を覆うようにして、クリップ状の閉塞維持具Bを、保護カバーC0 の前記係合凹部5a,5bに係合させることで、当該保護カバーC0 の分断開口1の閉塞状態を維持している(当該分断開口1が拡開されるのを防止している)が、当該閉塞維持具Bのみで、当該各傾動規制具A1,A2 が保護カバーC0 から分離されるのを防止するようにしてもよい。
【0068】
また、上記実施例1,2では、壁面Wに立設される支持具S1 ,S2 を保護カバーC0 に対して貫通させる貫通孔Hは、当該保護カバーC0 の一方の端縁部2を方形状に切り欠いて形成しているが、当該「切欠き加工」を必要としないで、貫通孔Hが形成されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0069】
1 ,A2 :傾動規制具(傾動規制部材)
B:閉塞維持具
0 :保護カバー
1 ~P3 :配管材
Q:保護カバーの傾動方向
1 ,S2 :支持具
W:壁面(設置面)
1:保護カバーの分断開口
2,3:端縁部
5a,5b:保護カバーの係合凹部(分離防止手段)
12:支持具の固定部
13,41:支持具の支持部
21:腕板部
21a:腕板部の沿い面
22:第2支持具挿入溝
22a:第2傾動規制部
25:傾動規制具の係合突起(分離防止手段)
27:第1支持具挿入溝
27a:第1傾動規制部
43:支持具挿入溝
43a:第1傾動規制部
45:第2傾動規制部
図1
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