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2022-53158情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053158
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20220329BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20220329BHJP
   G06T 7/20 20170101ALI20220329BHJP
【FI】
G08B25/00 510M
G06T7/00 660A
G06T7/20 300B
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020159817
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】399035766
【氏名又は名称】エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(72)【発明者】
【氏名】古思 望
(72)【発明者】
【氏名】松本 鮎美
(72)【発明者】
【氏名】宮原 拓磨
(72)【発明者】
【氏名】熊下 正照
(72)【発明者】
【氏名】柴田 哲希
(72)【発明者】
【氏名】塩崎 貴司
(72)【発明者】
【氏名】宇田 育弘
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 篤
【テーマコード(参考)】
5C087
5L096
【Fターム(参考)】
5C087AA02
5C087AA03
5C087AA09
5C087AA10
5C087AA16
5C087AA19
5C087DD03
5C087DD20
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG02
5C087GG06
5C087GG08
5C087GG12
5C087GG17
5C087GG22
5C087GG70
5L096BA02
5L096BA18
5L096CA04
5L096DA03
5L096DA04
5L096DA05
5L096GA51
5L096HA02
5L096JA03
5L096JA11
(57)【要約】      (修正有)
【課題】マスク不着用者の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現する情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置であるWebサーバ装置において、制御部は、カメラからの画像データに基づいて飛沫に関連する動作を行うマスク不着用者を検出する検出部と、検出部による動作を行う前記マスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力する出力部と、を備える。検出部は、画像データに基づいて人の密集度合いを検出する。出力部は、検出部により検出された密集度合いに応じたアラートを出力する
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カメラからの画像データに基づいて飛沫に関連する動作を行うマスク不着用者を検出する検出部と、
前記検出部による前記動作を行う前記マスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力する出力部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記検出部は、前記画像データに基づいて人の密集度合いを検出し、
前記出力部は、前記検出部により検出された前記密集度合いに応じたアラートを出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記画像データに基づいて前記動作の度合いを検出し、
前記出力部は、前記検出部により検出された前記動作の度合いに応じたアラートを出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
複数のカメラのそれぞれの設置場所の環境を示す環境情報を記憶する記憶部をさらに備え、
前記出力部は、前記環境情報に基づいて、前記カメラの設置場所の環境に応じたアラートを出力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記出力部は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち前記カメラの位置に近い出力装置に、前記動作を行う前記マスク不着用者の検出を示すメッセージをアラートとして出力する、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記検出部による前記マスク不着用者の検出に基づいて、前記マスク不着用者の画像データを監視対象者の画像データとして記憶部に記録する記録部と、
カメラからの画像データ及び前記記憶部に記憶された前記監視対象者の画像データに基づいて前記監視対象者を検知する検知部と、
をさらに備え、
前記検出部は、前記検知部による前記監視対象者の検知に関連する画像データに基づいて前記監視対象者の前記動作を検出し、
前記記録部は、前記検出部による前記監視対象者の前記動作の検出に基づいて、前記検知部による前記監視対象者の検知に関連する画像データを前記記憶部に記録する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
カメラからの画像データに基づいて飛沫に関連する動作を行うマスク不着用者を検出することと、
前記動作を行う前記マスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力することと、
を備える情報処理方法。
【請求項8】
請求項1乃至6の何れかの情報処理装置が備える各部による処理をコンピュータに実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明の実施形態は、画像データを用いた情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ショッピングモール及び店舗等の商業施設、病院並びにイベント会場等の施設においては、感染症予防のため、マスク着用が推奨されている。
【0003】
マスク着用の有無を判定する技術は種々提案されている。例えば、特許文献1には、人の顔を撮影した撮影画像において、人の顔の上部と下部の所定領域における色の差やエッジ部の量の差を検出し、マスク着用の有無を判定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4322537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、マスク着用の有無だけが感染症の拡散リスクの度合いを決めるわけではない。マスク着用の有無に加えた種々の要因によって、感染症の拡散リスクの度合いは変動する。そのため、特許文献1に開示されているようなマスク着用の有無を判定する技術だけでは、感染症予防の対策としては十分ではない。
【0006】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、一側面では、マスク不着用者の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現する技術を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するためにこの発明の情報処理装置の一態様は、カメラからの画像データに基づいて飛沫に関連する動作を行うマスク不着用者を検出する検出部と、前記検出部による前記動作を行う前記マスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力する出力部と、を備えるようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
この発明の一態様によれば、マスク不着用者の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む監視システムの構成の一例を示す図である。
図2図2は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置として用いられるWebサーバ装置のソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、Webサーバ装置により実行されるマスク不着用者の検出に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
図5図5は、Webサーバ装置により実行される監視対象者の追跡処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照してこの発明に係わる実施形態を説明する。
[一実施形態]
(構成例)
(1)システム
図1は、この発明の一実施形態に係る情報処理装置を含むシステムの全体構成を示す図である。
【0011】
例えばショッピングモール及び店舗等の商業施設、病院並びにイベント会場等の施設には、複数台の監視カメラC1~Cn(nは2以上)が分散配置されている。監視カメラC1~Cnは、例えば天井または壁面に取着され、それぞれの撮像範囲で取得した画像データを出力する。監視カメラC1~Cnのそれぞれは、設置されたエリアへ進入した各人物を検知するためのセンサの一例である。以下では、監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される画像データを撮像画像データともいう。監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される撮像画像データは、監視カメラC1~Cnからの画像データの一例である。ここでは施設に複数台の監視カメラが分散配置されている例について説明するが、施設には1台以上の監視カメラが配置されていればよい。
【0012】
監視カメラC1~Cnのそれぞれには、映像解析エンジンVE1~VEnが付設されている。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される撮像画像データの解析により、撮像画像データに基づいて人物のマスク着用状態及び人物の飛沫に関連する動作を検出する。マスク着用状態の検出及び飛沫に関連する動作の検出の順序は問わない。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データに基づいてマスク着用状態を示す情報を生成する。マスク着用状態は、「マスク着用」または「マスク不着用」である。「マスク着用」は、人物の口を覆うようにマスクを着用している状態をいうものとする。「マスク不着用」は、マスクを着用していない状態に加えて、人物の口を覆わないようにマスクをずらして着用している状態も含んでもよい。マスク着用状態が「マスク不着用」の人物は、マスク不着用者である。
【0013】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データに基づいて人物の第1の人物画像データを抽出する。第1の人物画像データは、撮像画像データに基づく画像に映る人物の画像データである。第1の人物画像データは、顔(face)の画像データ及び全身(body)の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。第1の人物画像データは、監視カメラC1~Cnからの画像データの一例である。
【0014】
飛沫に関連する動作を検出することは、人物により飛沫に関連する動作が行われたことを検出することである。飛沫に関連する動作は、飛沫が発せられる動作である。例えば、飛沫に関連する動作は、咳をする動作、くしゃみをする動作、至近距離で会話をする動作などであるが、これらに限定されない。以下では、飛沫に関連する動作を、所定の動作ともいう。
【0015】
例えば、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データを解析する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、人物の骨格を推定するAI(Artificial Intelligence)技術を用いる。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、骨格の位置から、咳またはくしゃみの動作を検出し得る。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、腕を上げて手を口の近くまで持ってくる動作から、咳またはくしゃみの動作を検出し得る。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、頭が上下に大きく揺れる動作から咳またはくしゃみの動作を検出し得る。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、後述する人の密集度合いに基づいて、至近距離で会話をする動作を検出し得る。このように、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データに基づいて人物により所定の動作が行われたか否かを判断する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、判断に基づいて、人物により所定の動作が行われたか否かを示す情報を生成する。
【0016】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データに基づいて人物による所定の動作の度合いを検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、検出に基づいて、所定の動作の度合いを示す情報を生成する。例えば、所定の動作の度合いは、咳をする動作の大きさ、くしゃみをする動作の大きさ、至近距離で会話をする動作に伴う密集度合いなどであるが、これらに限定されない。所定の動作の度合いが大きくなることは、人物の飛沫が周囲にいる人へ届きやすくなることに対応する。
【0017】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、以下に例示するように、撮像画像データに基づいて密集度合いを検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、検出に基づいて、密集度合いを示す情報を生成する。密集度合いは、マスク着用状態の検出対象者を含む人の密集度合いである。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データに基づく画像から人物を検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、人物検出矩形の中心または人物検出矩形の底辺の中点などの画像中の座標を、検出した人物毎に算出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、マスク着用状態の検出対象者を中心として、各人物の座標の画像上の距離を計算する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、マスク着用状態の検出対象者からの距離X内にいる人数Yに応じて密集度合いを検出する。1つの閾値が人数Yに設定されている場合、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、密集していない状態または密集している状態の2段階で密集度合いを検出する。複数の閾値が人数Yに設定されている場合、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、密集していない状態または複数段階の密集している状態の3段階以上で密集度合いを検出する。
【0018】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第1の映像解析結果を生成する。例えば、第1の映像解析結果は、人物を検知する毎に生成される映像解析結果を指すものとする。
【0019】
第1の映像解析結果は、撮像画像データに基づく第1の人物画像データを含む。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データの基となる撮像画像データを含む。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を示す情報を含む。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報を含み得る。第1の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報は、第1の人物画像データに映る人物により所定の動作が行われたか否かを示す情報を含み得る。第1の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報は、第1の人物画像データに映る人物による所定の動作の度合いを示す情報を含み得る。第1の映像解析結果は、密集度合いを示す情報を含み得る。第1の映像解析結果は、第1の人物画像データに映る人物を識別する人物IDを含む。人物IDは、任意に設定されてよい。第1の映像解析結果は、監視カメラC1~Cnのうちの第1の人物画像データを取得した監視カメラを識別するカメラIDを含む。
【0020】
さらに、映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得される撮像画像データの解析により、第2の人物画像データを抽出する。第2の人物画像データは、監視対象者の画像特徴量と類似する画像特徴量を有する人物の画像データである。第2の人物画像データは、撮像画像データに基づく画像に映る人物の画像データである。第2の人物画像データは、第1の人物画像データと同様に、顔(face)の画像データ及び全身(body)の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。第2の人物画像データは、監視カメラC1~Cnからの画像データの一例である。例えば、監視対象者の画像特徴量は、監視対象者の登録画像データに基づく登録画像から得られる。登録画像データは、顔の画像データ及び全身の画像データのうちの少なくとも何れか一方を含む。監視対象者の登録画像データは、監視対象者の検知のために第2の人物画像データとの対比に用いられる画像データである。
【0021】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、以下に例示するように、第2の人物画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて類似度を生成する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、監視対象者の画像特徴量に基づいて、登録画像データに基づく登録画像に対する第2の人物画像データに基づく人物画像の類似度を求める。
【0022】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、撮像画像データの解析により、撮像画像データに基づいて第2の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、検出に基づいて、第2の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を示す情報を生成する。なお、第2の人物画像データに映る人物は、制御部1によって監視対象者として検知された場合には監視対象者に対応する。
【0023】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の人物画像データに映る人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて人物の所定の動作を検出する。第2の人物画像データに映る人物の検知に関連する撮像画像データは、第2の人物画像データに映る人物の映る撮像画像データである。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の人物画像データに映る人物の所定の動作の検出に基づいて、第2の人物画像データに映る人物により所定の動作が行われたか否かを判断する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、判断に基づいて、第2の人物画像データに映る人物により所定の動作が行われたか否かを示す情報を生成する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の人物画像データに映る人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて第2の人物画像データに映る人物による所定の動作の度合いを検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、検出に基づいて、第2の人物画像データに映る人物による所定の動作の度合いを示す情報を生成する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の人物画像データに映る人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて密集度合いを検出する。映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、検出に基づいて、密集度合いを示す情報を生成する。
【0024】
映像解析エンジンVE1~VEnのそれぞれは、第2の映像解析結果を生成する。第2の映像解析結果は、監視対象者を検知する毎に生成される映像解析結果を指すものとする。
【0025】
第2の映像解析結果は、撮像画像データに基づく第2の人物画像データを含む。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データの基となる撮像画像データを含む。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データに映る人物のマスク着用状態を示す情報を含む。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報を含み得る。第2の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報は、第2の人物画像データに映る人物により所定の動作が行われたか否かを示す情報を含み得る。第2の人物画像データに映る人物の所定の動作に関する情報は、第2の人物画像データに映る人物による所定の動作の度合いを示す情報を含み得る。第2の映像解析結果は、密集度合いを示す情報を含み得る。第2の映像解析結果は、第2の人物画像データに映る人物の有する画像特徴量と類似する画像特徴量を有する監視対象者を識別する監視対象者IDを含む。第2の映像解析結果は、監視カメラC1~Cnのうちの第2の人物画像データを取得した監視カメラを識別するカメラIDを含む。第2の映像解析結果は、登録画像データに基づく登録画像に対する第2の人物画像データに基づく人物画像の類似度を含む。
【0026】
なお、映像解析エンジンVE1~VEnは監視カメラC1~Cnに対し一対一に配置せず、複数台の監視カメラに対しそれより少数の映像解析エンジンを配置して、少数の映像解析エンジンにより複数台の監視カメラの映像データを一括処理するようにしてもよい。
【0027】
また、施設には、複数台の出力装置MT1-1~MT1-nが分散配置されている。出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれは、監視カメラC1~Cnの位置の近傍に設置されている。出力装置MT1-1~MT1-nは、情報を表示するディスプレイを含む装置である。出力装置MT1-1~MT1-nは、情報を音声出力するスピーカを含む装置でもある。出力装置MT1-1~MT1-nは、表示装置、音声出力装置または出力装置の一例である。施設への来訪者は、出力装置MT1-1~MT1-nで出力される情報を確認することができる。
【0028】
一実施形態のシステムは、情報処理装置として使用されるWebサーバ装置SVを備える。Webサーバ装置SVは、分散配置された監視カメラC1~Cnのそれぞれで取得されるデータに基づいて情報処理を行う装置である。映像解析エンジンVE1~VEnは、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVとの間でデータ通信が可能である。映像解析エンジンVE1~VEnは、第1の映像解析結果または第2の映像解析結果を、ネットワークNWを介してWebサーバ装置SVへ送信する。ネットワークNWは、例えば有線LAN(Local Area Network)または無線LANであるが、他のどのようなネットワークでもよい。
【0029】
なお、Webサーバ装置SVが、映像解析エンジンVE1~VEnまたは1つの映像解析エンジンを備え、Webサーバ装置SVの映像解析エンジンVE1~VEnまたは1つの映像解析エンジンが、ネットワークNWを介して、監視カメラC1~Cnからのそれぞれの画像データを受信し、受信した画像データを解析してもよい。
【0030】
一実施形態のシステムは、出力装置MT2及び管理者端末OTを備える。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVに接続されている。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVから出力される情報を表示するディスプレイを含む装置である。出力装置MT2は、Webサーバ装置SVから出力される情報を音声出力するスピーカを含む装置でもある。出力装置MT2は、監視者毎に所持可能なウェアラブルデバイスまたはスマートグラスなどであってもよい。出力装置MT2は、表示装置、音声出力装置または出力装置の一例である。監視者は、出力装置MT2で出力される情報を確認することができる。管理者端末OTは、Webサーバ装置SVに接続されている。管理者端末OTは、管理者によるWebサーバ装置SVに対する種々の設定を入力する端末である。
【0031】
(2)Webサーバ装置SV
図2は、Webサーバ装置SVのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
Webサーバ装置SVは、制御部1と、プログラム記憶部2と、データ記憶部3と、入出力I/F(インタフェース)4と、通信I/F5とを備える。Webサーバ装置SVを構成する各要素は、バス6を介して、互いに接続されている。
【0032】
制御部1は、Webサーバ装置SVの中枢部分に相当する。制御部1は、中央処理ユニット(Central Processing Unit:CPU)等のハードウェアプロセッサを有する。制御部1は、不揮発性のメモリ領域としてROM(Read Only Memory)を有する。制御部1は、揮発性のメモリ領域としてRAM(Random Access Memory)を有する。
【0033】
プログラム記憶部2は、記憶媒体としてHDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。プログラム記憶部2は、各種制御処理を実行するために必要なプログラムを記憶する。例えば、プログラム記憶部2は、情報処理プログラムを記憶する。
【0034】
データ記憶部3は、記憶媒体としてHDDまたはSSD等の随時書込み及び読出しが可能な不揮発性メモリで構成される。データ記憶部3は、管理データ31と、検知履歴データ32と、管理テーブル33と、検知履歴テーブル34と、カメラ情報テーブル35と、を記憶する。
【0035】
管理データ31は、各監視対象者の登録画像データを含む。監視対象者の登録画像データは、マスク不着用者の第1の人物画像データに対応する。登録画像データは、Webサーバ装置SVだけでなく、映像解析エンジンVE1~VEnによっても利用され得る。登録画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。監視対象者IDは、監視対象者毎に与えられるIDである。監視対象者IDは、適宜設定され得る。監視対象者IDは、監視対象者となる人物の人物IDに対応してもよい。管理データ31は、登録画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0036】
検知履歴データ32は、各監視対象者の検知画像データを含む。検知画像データは、後述するように制御部1によって監視対象者を検知された第2の人物画像データを含む。検知画像データは、監視対象者の登録画像データとして登録された第1の人物画像データの基となる撮像画像データを含んでいてもよい。検知画像データは、第2の人物画像データの基となる撮像画像データを含んでいてもよい。検知画像データは、監視対象者IDと関連付けられている。検知履歴データ32は、検知画像データの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0037】
管理テーブル33は、監視対象者ID及び監視対象者名称などを互いに関連付けた監視対象者ID毎のレコードを管理する。監視対象者IDは、監視対象者となる人物の人物IDに対応してもよい。監視対象者名称は、監視対象者の氏名などの名称である。監視対象者名称は、適宜設定され得る。管理テーブル33は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。管理テーブル33は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0038】
検知履歴テーブル34は、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID、検知日時、監視対象者のマスク着用状態を示す情報、監視対象者の所定の動作に関する情報及び密集度合いを示す情報などを互いに関連付けた検知ID毎のレコードを管理する。検知IDは、検知画像データ毎に与えられるIDである。検知IDは、適宜設定され得る。検知カメラIDは、検知画像データを取得した監視カメラを識別するIDである。検知カメラIDは、カメラIDに対応する。カメラIDは、監視カメラC1~Cnのそれぞれに与えられるIDである。カメラIDは、適宜設定され得る。検知日時は、後述するように制御部1によって第2の人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時である。制御部1によって第2の人物画像データに基づいて監視対象者を検知された日時は、監視カメラC1~Cnの何れかの監視カメラによる第2の人物画像データの撮像日時に対応する。検知日時は、検知毎の日時である。
【0039】
監視対象者のマスク着用状態を示す情報は、監視対象者の「マスク着用」を示す情報または「マスク不着用」を示す情報である。監視対象者のマスク着用状態を示す情報は、制御部1による監視対象者のマスク着用状態の検出に基づく情報である。監視対象者の所定の動作に関する情報は、検知された時点において監視対象者により所定の動作が行われたか否かを示す情報を含む。監視対象者により所定の動作が行われたか否かを示す情報は、制御部1による監視対象者の所定の動作の検出に基づく情報である。監視対象者の所定の動作に関する情報は、検知された時点における監視対象者による所定の動作の度合いを示す情報を含む。監視対象者による所定の動作の度合いを示す情報は、制御部1による監視対象者による所定の動作の度合いの検出に基づく情報である。密集度合いを示す情報は、検知された時点における密集度合いを示す情報である。密集度合いを示す情報は、制御部1による密集度合いの検出に基づく情報である。
【0040】
検知履歴テーブル34は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。検知履歴テーブル34は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0041】
カメラ情報テーブル35は、カメラID、カメラ名称及び環境情報などを互いに関連付けたカメラID毎のレコードを管理する。カメラ名称は、監視カメラに関する名称である。例えば、カメラ名称は、監視カメラの設置場所などの名称である。カメラ名称は、適宜設定され得る。環境情報は、監視カメラC1~Cnのそれぞれの設置場所の環境を示す情報である。設置場所の環境は、飛沫の滞留し易さを目安とする環境である。飛沫の滞留し易さは、換気の状況及び空間の広さなどによって決められる。例えば、環境情報は、飛沫の滞留し易い環境または飛沫の滞留し難い環境を示す情報である。カメラ情報テーブル35は、レコードを構成するデータの更新に基づいて更新され得る。カメラ情報テーブル35は、レコードの追加または削除に基づいて更新され得る。
【0042】
入出力I/F4は、出力装置MT及び管理者端末OTと接続するインタフェースで構成される。
通信I/F5は、制御部1の制御の下、ネットワークNWにより定義される通信プロトコルを使用して、映像解析エンジンVE1~VEnとの間でデータを伝送する。通信I/F5は、制御部1の制御の下、出力装置MT1-1~MT1-nとの間でデータを伝送する。例えば、通信I/F5は、有線LANまたは無線LANに対応するインタフェースにより構成される。
【0043】
図3は、Webサーバ装置SVのソフトウェア構成の一例を示すブロック図である。
制御部1は、検出部11と、出力部12と、記録部13と、検知部14とを備える。各部は、何れもプログラム記憶部2に格納された情報処理プログラムを制御部1のハードウェアプロセッサに実行させることにより実現される。各部は、ハードウェアプロセッサが備えるということもできる。各部は、各機能ということもできる。なお、下記で説明する各部は、制御部1またはハードウェアプロセッサと読み替え可能である。
【0044】
検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づいて人物の種々の状態を検出する。
出力部12は、検出部11による所定の動作を行うマスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力する。
【0045】
記録部13は、検出部11によるマスク不着用者の検出に基づいて、監視対象者となるマスク不着用者のデータをデータ記憶部3に記録する。
検知部14は、監視対象者を検知する。検知部14は、同一の監視対象者を1回のみ検知することもある。検知部14は、同一の監視対象者を異なるタイミングで複数回検知することもある。検知部14は、同一の監視対象者を異なるタイミングに異なるエリアで検知することもある。検知部14は、検知に基づいて検知日時を取得する。
【0046】
(動作例)
次に、以上のように構成されたWebサーバ装置SVの動作例を説明する。
図4は、Webサーバ装置SVにより実行される所定の動作を行うマスク不着用者の検出に基づく出力処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。例えば、Webサーバ装置SVは、所定の動作を行うマスク不着用者に対して図4に例示する処理を行う。マスク不着用者が監視対象者か否かは問わない。
【0047】
検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づいて所定の動作を行うマスク不着用者を検出する(ステップS1)。ステップS1では、例えば、検出部11は、映像解析エンジンVE1~VEnの何れかから第1の映像解析結果を取得する。第1の映像解析結果は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づくものである。
【0048】
検出部11は、第1の映像解析結果に含まれるマスク着用状態を示す情報に基づいて、人物のマスク着用状態を検出する。検出部11は、人物のマスク着用状態に基づいて、マスク不着用者を検出する。例えば、マスク着用状態が「マスク不着用」である場合、検出部11は、第1の映像解析結果に含まれる第1の人物画像データに映る人物をマスク不着用者として検出する。マスク着用状態を示す情報は、監視カメラC1~Cnの何れかの監視カメラで取得される撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、マスク着用状態を示す情報に基づいてマスク着用状態またはマスク不着用者を検出することは、撮像画像データに基づいてマスク着用状態またはマスク不着用者を検出することの一例である。
【0049】
検出部11は、第1の映像解析結果に含まれる所定の動作が行われたか否かを示す情報に基づいて、人物の所定の動作を検出する。所定の動作を検出しないことは、人物が所定の動作を行っていないことを検出することに対応する。所定の動作が行われたか否かを示す情報は、撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、所定の動作が行われたか否かを示す情報に基づいて所定の動作を検出することは、撮像画像データに基づいて所定の動作を検出することの一例である。
【0050】
検出部11は、人物のマスク着用状態の検出及び人物の所定の動作の検出に基づいて、所定の動作を行うマスク不着用者を検出する。なお、検出部11による人物のマスク着用状態の検出及び人物の所定の動作の検出の順序は問わない。
【0051】
ステップS1では、検出部11は、所定の動作の度合いを検出してもよい。例えば、検出部11は、第1の映像解析結果に含まれる所定の動作の度合いを示す情報に基づいて、所定の動作の度合いを検出する。所定の動作の度合いを示す情報は、撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、所定の動作の度合いを示す情報に基づいて所定の動作の度合いを検出することは、撮像画像データに基づいて所定の動作の度合いを検出することの一例である。
【0052】
なお、検出部11は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかの監視カメラで取得される撮像画像データを解析し、人物のマスク着用状態を検出する。同様に、検出部11は、マスク不着用者を検出する。検出部11は、人物の所定の動作を検出する。検出部11は、所定の動作の度合いを検出する。
【0053】
検出部11が所定の動作を行うマスク不着用者を検出した場合(ステップS1、YES)、処理は、ステップS1からステップS2へ遷移する。検出部11が所定の動作を行うマスク不着用者を検出しない場合(ステップS1、NO)、処理は、終了する。
【0054】
検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づいて密集度合いを検出する(ステップS2)。ステップS2では、例えば、検出部11は、ステップS1で所定の動作を行うマスク不着用者の検出に用いられた第1の映像解析結果を用いる。検出部11は、第1の映像解析結果に含まれる密集度合いを示す情報に基づいて、密集度合いを検出する。密集度合いを示す情報は、撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、密集度合いを示す情報に基づいて密集度合いを検出することは、撮像画像データに基づいて密集度合いを検出することの一例である。
【0055】
なお、検出部11は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかの監視カメラで取得される撮像画像データを解析し、密集度合いを検出する。
【0056】
出力部12は、検出部11による所定の動作を行うマスク不着用者の検出に基づいて、アラートを出力する(ステップS3)。ステップS3では、例えば、出力部12は、出力装置MT2にアラートを出力する。アラートは、所定の動作を行うマスク不着用者の検出を示すアラートである。所定の動作を行うマスク不着用者は、感染症の拡散リスクのある人物の一例である。アラートは、所定の動作の内容を含んでいてもよい。
【0057】
出力部12は、所定の動作を行うマスク不着用者の検出を示すメッセージをアラートとして出力装置MT2に出力してもよい。表示されるメッセージは、視覚的に識別可能なメッセージであればよく、文字によるメッセージでもいいし、マークによるメッセージでもよい。出力装置MT2は、アラートを音声により出力してもいいし表示により出力してもよい。出力部12は、所定の動作を行うマスク不着用者の検出位置を示すマップをアラートとして出力装置MT2に出力してもよい。出力装置MT2は、マップを表示により出力する。
【0058】
出力部12は、検出部11により検出された密集度合いに応じたアラートを出力装置MT2に出力してもよい。この例では、アラートは、密集度合いに応じた感染症の拡散リスクを含む。アラートは、密集度合いに応じた感染症の拡散リスクを含むメッセージでもよい。表示される感染症の拡散リスクは、視覚的に識別可能であればよく、文字で示されてもいいし、マークで示されてもいいし、色で示されてもよい。アラートは、密集度合いに応じた感染症の拡散リスクを含むマップでもよい。感染症の拡散リスクは、視覚的に識別可能であればよく、文字で示されてもいいし、マークで示されてもいいし、色で示されてもよい。
【0059】
出力部12は、検出部11により検出された所定の動作の度合いに応じたアラートを出力装置MT2に出力してもよい。この例では、アラートは、所定の動作の度合いに応じた感染症の拡散リスクを含む。アラートは、所定の動作の度合いに応じた感染症の拡散リスクを含むメッセージでもよい。アラートは、所定の動作の度合いに応じた感染症の拡散リスクを含むマップでもよい。
【0060】
出力部12は、環境情報に基づいて、検出部11による所定の動作を行うマスク不着用者の検出に関連する撮像画像データを取得した監視カメラの設置場所の環境に応じたアラートを出力装置MT2に出力してもよい。この例では、出力部12は、ステップS1で所定の動作を行うマスク不着用者の検出に用いられた第1の映像解析結果を用いる。出力部12は、第1の映像解析結果に含まれるカメラIDを取得する。第1の映像解析結果に含まれるカメラIDは、所定の動作を行うマスク不着用者の検出に関連する撮像画像データを取得した監視カメラを識別するカメラIDである。出力部12は、第1の映像解析結果に含まれるカメラIDをカメラ情報テーブル35と比較する。出力部12は、第1の映像解析結果に含まれるカメラIDに関連付けられた環境情報をカメラ情報テーブル35から取得する。出力部12は、取得した環境情報に基づいて、環境情報で特定される環境に応じたアラートを出力装置MT2に出力する。
【0061】
アラートは、環境に応じた感染症の拡散リスクを含む。飛沫の滞留し易い環境は、飛沫の滞留し難い環境よりも感染症の拡散リスクが高まる。アラートは、環境に応じた感染症の拡散リスクを含むメッセージでもよい。アラートは、環境に応じた感染症の拡散リスクを含むマップでもよい。
【0062】
出力部12が出力するアラートの内容及び出力態様などは、上記に限定されるものではなく、適宜変更可能である。出力部12は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの少なくとも何れか一つにアラートを出力してもよい。
【0063】
上述のように、Webサーバ装置SVは、所定の動作を行うマスク不着用者の検出に基づいてアラートを出力する。これにより、Webサーバ装置SVは、所定の動作の検出を利用して、マスク不着用者の感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。例えば、監視者は、マスク不着用者の中でも感染症の拡散リスクの高い所定の動作を行った者を要注意者として監視することができる。
【0064】
さらに、Webサーバ装置SVは、密集度合いに応じたアラートを出力することができる。これにより、Webサーバ装置SVは、密集度合いに基づく感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。例えば、監視者は、密集度合いが高ければ密集を解消させるなど、感染症の拡散リスクに応じた対処をすることができる。
【0065】
さらに、Webサーバ装置SVは、所定の動作の度合いに応じたアラートを出力することができる。これにより、Webサーバ装置SVは、所定の動作の度合いに基づく感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。例えば、監視者は、所定の動作の度合いが高ければ、感染症の拡散リスクの高い者として優先的に監視することができる。また、監視者は、所定の動作を行うマスク不着用者のいる場所を優先的に消毒場所として設定することができる。
【0066】
さらに、Webサーバ装置SVは、所定の動作を行うマスク不着用者を検出した監視カメラの設置場所の環境に応じたアラートを出力することができる。これにより、Webサーバ装置SVは、環境に基づく感染症の拡散リスクに応じた報知を実現することが可能となる。例えば、監視者は、環境が飛沫の滞留し易い環境であれば、所定の動作を行うマスク不着用者のいる場所を優先的に換気したり、優先的に消毒場所として設定したりすることができる。
【0067】
なお、出力部12は、検出部11による所定の動作を行うマスク不着用者の検出に関連する撮像画像データを取得した監視カメラの位置から出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれまでの距離に応じたアラートを出力装置MT1-1~MT1-nに出力してもよい。所定の動作を行うマスク不着用者の検出に関連する撮像画像データを取得した監視カメラは、所定の動作を行うマスク不着用者の映る撮像画像データを取得した監視カメラである。以下では、所定の動作を行うマスク不着用者の検出に関連する撮像画像データを取得した監視カメラを、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラともいう。この例では、出力部12は、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置に、所定の動作を行うマスク不着用者の検出を示すメッセージをアラートとして出力する。他方、出力部12は、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラとは異なる1以上の監視カメラの位置の近傍に設置された1以上の出力装置に、所定の動作を行うマスク不着用者の検出位置を示すマップをアラートとして出力する。
【0068】
つまり、出力部12は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち検出部11により検出された所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置に近い出力装置に、所定の動作を行うマスク不着用者の検出を示すメッセージをアラートとして出力する。第1の出力装置及び第2の出力装置は、出力装置MT1-1~MT1-nのうちの出力装置である。例えば、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置に近い出力装置は、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置である。出力部12は、第1の出力装置及び第2の出力装置のうち検出部11により検出された所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置から遠い出力装置に、所定の動作を行うマスク不着用者の検出位置を示すマップをアラートとして出力する。例えば、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラの位置から遠い出力装置は、所定の動作を行うマスク不着用者を撮影した監視カメラとは異なる監視カメラの位置の近傍に設置された出力装置である。この例では、Webサーバ装置SVは、監視カメラC1~Cnのそれぞれと出力装置MT1-1~MT1-nのそれぞれとの対応を示す情報を記憶していてもよい。Webサーバ装置SVは、監視カメラC1~Cn同士の位置関係(距離)を示す情報を記憶していてもよい。
【0069】
この例によれば、Webサーバ装置SVは、所定の動作を行うマスク不着用者が検出されたことを、同じエリアにいる他の人へリアルタイムで通知することができる。これにより、感染症の拡散リスクのあるマスク不着用者の近くにいる人は、自身の近くにいる感染症の拡散リスクのあるマスク不着用者に対して警戒することができる。Webサーバ装置SVは、所定の動作を行うマスク不着用者の位置を、検出場所から離れた場所にいる人へリアルタイムで通知することができる。これにより、施設内の各人は、感染症の拡散リスクのあるマスク不着用者の検出場所に近付かないようにすることができる。
【0070】
図5は、Webサーバ装置SVにより実行される監視対象者の追跡処理の処理手順と処理内容を示すフローチャートである。
【0071】
検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づいてマスク不着用者を検出する(ステップS11)。ステップS11の処理は、ステップS1で説明した処理の一部と同様である。
【0072】
記録部13は、検出部11によるマスク不着用者の検出に基づいて、マスク不着用者の第1の人物画像データを監視対象者の登録画像データとして管理データ31に記録する(ステップS12)。ステップS12では、例えば、記録部13は、ステップS11で検出部11によるマスク不着用者の検出に用いられた第1の映像解析結果を用いる。記録部13は、第1の映像解析結果に含まれる第1の人物画像データを監視対象者の登録画像データとして管理データ31に記録する。なお、記録部13は、マスク不着用者の所定の動作が検出された場合、第1の映像解析結果に含まれる第1の人物画像データの基となる第2の撮像画像データを検知画像データとして、監視対象者IDに関連付けて検知履歴データ32に記録してもよい。なお、マスク着用者は、監視対象者として登録されない。
【0073】
検知部14は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データ及び管理データ31に記憶された監視対象者の登録画像データに基づいて監視対象者を検知する(ステップS13)。ステップS13では、例えば、検知部14は、記録部13による監視対象者の登録後に、映像解析エンジンVE1~VEnの何れかから第2の映像解析結果を取得する。第2の映像解析結果は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データに基づくものである。検知部14は、第2の映像解析結果に含まれる類似度を閾値と比較する。閾値は、第2の映像解析結果に含まれる第2の人物画像データに映る人物を監視対象者とみなすか否かを判定するための基準値である。閾値は、適宜設定可能である。類似度が閾値以上である場合、検知部14は、第2の人物画像データに映る人物を監視対象者として検知する。なお、類似度は、第2の人物画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて生成されている。そのため、類似度に基づいて監視対象者を検知することは、撮像画像データ及び監視対象者の登録画像データに基づいて監視対象者を検知することの一例である。
【0074】
なお、検知部14は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検知部14は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データを解析し、監視対象者を検知する。
【0075】
記録部13は、検知部14による監視対象者の検知に基づいて、検知ID、監視対象者ID、検知カメラID、検知日時及び密集度合いを示す情報を互いに関連付けたレコードを検知履歴テーブル34に追加する。記録部13は、第2の映像解析結果に含まれる監視対象者IDを用いる。記録部13は、第2の映像解析結果に含まれるカメラIDを検知カメラIDとして用いる。記録部13は、検知部14により取得された検知日時を用いる。
【0076】
検知履歴テーブル34に記録される密集度合いを示す情報は、検出部11による密集度合いの検出に基づく情報である。例えば、検出部11は、ステップS13で検知部14による監視対象者の検知に用いられた第2の映像解析結果を用いる。検出部11は、第2の映像解析結果に含まれる密集度合いを示す情報に基づいて、密集度合いを検出する。密集度合いを示す情報は、監視対象者となる人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、密集度合いを示す情報に基づいて密集度合いを検出することは、監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて密集度合いを検出することの一例である。
【0077】
検出部11は、検知部14による監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて監視対象者のマスク着用状態を検出する(ステップS14)。ステップS14では、例えば、検出部11は、ステップS13で検知部14による監視対象者の検知に用いられた第2の映像解析結果を用いる。検出部11は、第2の映像解析結果に含まれるマスク着用状態を示す情報に基づいて監視対象者のマスク着用状態を検出する。なお、マスク着用状態を示す情報は、監視対象者となる人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、マスク着用状態を示す情報に基づいて監視対象者のマスク着用状態を検出することは、監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて監視対象者のマスク着用状態を検出することの一例である。記録部13は、検出部11による監視対象者のマスク着用状態の検出に基づいて、監視対象者のマスク着用状態を示す情報を検知履歴テーブル34に記録する。
【0078】
なお、検出部11は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかで取得される撮像画像データを解析し、監視対象者のマスク着用状態を検出する。
【0079】
検出部11は、監視対象者のマスク着用状態の検出に基づいて、監視対象者のマスク着用状態が「マスク着用」か否かを検出する(ステップS15)。監視対象者のマスク着用状態が「マスク着用」である場合(ステップS15、YES)、処理は、終了する。監視対象者のマスク着用状態が「マスク着用」である場合は、マスク不着用であった監視対象者がマスクを着用した場合に対応する。監視対象者のマスク着用状態が「マスク着用」ではない場合(ステップS15、NO)、処理は、ステップS15からステップS16へ遷移する。監視対象者のマスク着用状態が「マスク着用」ではない場合は、監視対象者が引き続きマスクを着用していない場合に対応する。
【0080】
検出部11は、検知部14による監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて監視対象者の所定の動作を検出する(ステップS16)。ステップS16では、例えば、検出部11は、ステップS13で検知部14による監視対象者の検知に用いられた第2の映像解析結果を用いる。検出部11は、第2の映像解析結果に含まれる所定の動作が行われたか否かを示す情報に基づいて、監視対象者の所定の動作を検出する。所定の動作が行われたか否かを示す情報は、監視対象者となる人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、所定の動作が行われたか否かを示す情報に基づいて監視対象者の所定の動作を検出することは、監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて監視対象者の所定の動作を検出することの一例である。記録部13は、検出部11による監視対象者の所定の動作の検出に基づいて、監視対象者により所定の動作が行われたか否かを示す情報を検知履歴テーブル34に記録する。
【0081】
ステップS16では、検出部11は、監視対象者による所定の動作の度合いを検出してもよい。例えば、検出部11は、第2の映像解析結果に含まれる所定の動作の度合いを示す情報に基づいて、監視対象者による所定の動作の度合いを検出する。所定の動作の度合いを示す情報は、監視対象者となる人物の検知に関連する撮像画像データに基づいて生成されている。そのため、所定の動作の度合いを示す情報に基づいて監視対象者による所定の動作の度合いを検出することは、監視対象者の検知に関連する撮像画像データに基づいて監視対象者による所定の動作の度合いを検出することの一例である。記録部13は、検出部11による監視対象者による所定の動作の度合いの検出に基づいて、監視対象者による所定の動作の度合いを示す情報を検知履歴テーブル34に記録する。
【0082】
なお、検出部11は、映像解析エンジンVE1~VEnと同様の映像解析機能を有していてもよい。この場合、検出部11は、監視カメラC1~Cnの何れかの監視カメラで取得される監視対象者の検知に関連する撮像画像データを解析し、監視対象者の所定の動作を検出する。同様に、検出部11は、監視対象者がした所定の動作の度合いを検出する。
【0083】
監視対象者の所定の動作が検出された場合(ステップS16、YES)、処理は、ステップS16からステップS17へ遷移する。監視対象者の所定の動作が検出されない場合(ステップS16、NO)、処理は、終了する。
【0084】
記録部13は、検知部14による監視対象者の検知に関連する画像データを検知履歴データ32に記録する(ステップS17)。ステップS17では、例えば、記録部13は、検出部11による監視対象者のマスク不着用の検出及び監視対象者の所定の動作の検出に基づいて、検知部14による監視対象者の検知に関連する画像データを検知履歴データ32に記録する。記録部13は、ステップS13で検知部14による監視対象者の検知に用いられた第2の映像解析結果を用いる。記録部13は、第2の映像解析結果に含まれる監視対象者の映る第2の人物画像データの基となる撮像画像データを検知画像データとして、監視対象者IDに関連付けて検知履歴データ32に記録する。監視対象者の映る第2の人物画像データの基となる撮像画像データは、監視対象者の検知に関連する画像データの一例である。記録部13は、第2の映像解析結果に含まれる監視対象者の映る第2の人物画像データを検知画像データとして、監視対象者IDに関連付けて検知履歴データ32に記録してもよい。監視対象者の映る第2の人物画像データは、監視対象者の検知に関連する画像データの一例である。この例では、記録部13により記録される画像データは、所定の動作を行うマスク不着用の監視対象者の映る画像データである。
【0085】
なお、図5に示すステップS15は省略することもできる。この例では、記録部13は、検出部11による監視対象者の所定の動作の検出に基づいて、検知部14による監視対象者の検知に関連する画像データを検知履歴データ32に記録してもよい。記録部13は、上記同様に、監視対象者の映る第2の人物画像データの基となる撮像画像データを検知画像データとして、検知履歴データ32に記録する。記録部13は、上記同様に、監視対象者の映る第2の人物画像データを検知画像データとして、検知履歴データ32に記録してもよい。この例では、記録部13により記録される画像データは、監視対象者のマスク着用状態によらず、所定の動作を行う監視対象者の映る画像データである。
【0086】
上述のように、Webサーバ装置SVは、監視対象者の所定の動作の検出に基づいて、監視対象者の検知に関連する画像データなどの種々の監視対象者のデータを記録する。これにより、Webサーバ装置SVは、所定の動作を行う監視対象者のデータを行動履歴情報として管理することができる。監視対象者が感染者として判明した場合、管理者は、行動履歴情報に基づいて監視対象者の滞在場所、滞在場所での状況などを特定し、適切な対処をすることができる。また、所定の動作を行う監視対象者の映る画像データに基づく画像には、所定の動作を行う監視対象者の周囲にいる人も映る。管理者は、画像データに基づいて、所定の動作を行う監視対象者の周囲にいた人を特定することができる。
【0087】
Webサーバ装置SVは、監視対象者の所定の動作の検出に加えて監視対象者のマスク不着用の検出に基づいて、監視対象者の検知に関連する画像データなどの種々の監視対象者のデータを記録することもできる。これにより、Webサーバ装置SVは、監視対象者が感染症の拡散リスクの高い状態にある場合に絞った監視対象者のデータを行動履歴情報として管理することができる。Webサーバ装置SVは、監視対象者が感染症の拡散リスクの高い状態にある場合に絞ることで、行動履歴情報のデータ量を削減することができる。
【0088】
情報処理装置は、上記の例で説明したように1つの装置で実現されてもよいし、機能を分散させた複数の装置で実現されてもよい。
【0089】
プログラムは、装置に記憶された状態で譲渡されてよいし、装置に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記録媒体に記録された状態で譲渡されてもよい。記録媒体は、非一時的な有形の媒体である。記録媒体は、コンピュータ可読媒体である。記録媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0090】
以上、本発明の実施形態を詳細に説明してきたが、前述までの説明はあらゆる点において本発明の例示に過ぎない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。つまり、本発明の実施にあたって、実施形態に応じた具体的構成が適宜採用されてもよい。
【0091】
要するにこの発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0092】
SV…Webサーバ装置
OT…管理者端末
MT1-1~MT1-n…出力装置
MT2…出力装置
NW…ネットワーク
C1~Cn…監視カメラ
VE1~VEn…映像解析エンジン
1…制御部
2…プログラム記憶部
3…データ記憶部
4…入出力I/F
5…通信I/F
6…バス
11…検出部
12…出力部
13…記録部
14…検知部
31…管理データ
32…検知履歴データ
33…管理テーブル
34…検知履歴テーブル
35…カメラ情報テーブル
図1
図2
図3
図4
図5