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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053269
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】ガス透過度測定装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 15/08 20060101AFI20220329BHJP
   G01M 3/20 20060101ALN20220329BHJP
【FI】
G01N15/08 C
G01M3/20 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020160016
(22)【出願日】2020-09-24
(71)【出願人】
【識別番号】390000686
【氏名又は名称】株式会社住化分析センター
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】高萩 寿
【テーマコード(参考)】
2G067
【Fターム(参考)】
2G067AA48
2G067BB02
2G067BB12
2G067BB25
2G067CC04
2G067DD17
2G067EE09
(57)【要約】
【課題】ガス透過度測定用のセル内の気圧の急激な変化を首尾よく抑制でき、検出部による標的成分の高い定量精度を保つ。
【解決手段】ガス透過度測定装置100は、第1凹部21aが設けられており、該第1凹部21aは使用時において試料Sを固定したきに当該試料Sの一部で塞がれる、第1セルと、第1凹部21aの外側から試料Sに試験ガスを供給する試験ガス供給部30と、試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部32aと、試料Sを透過した標的成分に第1凹部の内側から検出ガスを供給する検出ガス供給部20と、第1凹部21aの内側から系外に検出ガスを排出する検出ガス排出部22と、分岐とが設けられ、該分岐から減圧部40が検出ガスの一部を吸引する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1凹部が設けられており、該第1凹部は使用時において試料を固定したときに当該試料の一部で塞がれる、第1セルと、
前記第1凹部の外側から前記試料に標的成分を含む試験ガスを供給する試験ガス供給部と、
前記試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部と、
前記試料を透過した前記標的成分に前記第1凹部の内側から検出ガスを供給する検出ガス供給部と、
前記第1凹部の内側から系外に前記検出ガスを排出する流路を有する検出ガス排出部と、
前記流路に分岐が設けられており、該分岐から前記検出ガスの一部を吸引する減圧部と、
前記減圧部が吸引した前記検出ガス中の前記標的成分を検出する検出部と、を備える、ガス透過度測定装置。
【請求項2】
第2凹部を備え、前記第2凹部の内側に前記試験ガス供給部から前記試験ガスが供給される第2セルと、
前記第2凹部の内側に供給された前記試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部と、を備え、
前記第1凹部の外側に露出した前記試料の一部で前記第2凹部を塞ぐようにして前記試料を固定する、請求項1に記載のガス透過度測定装置。
【請求項3】
前記検出ガス排出部における第1凹部の内側から前記分岐に至る途中において、前記第1セル内部の圧力を制御する圧力制御部を備える、請求項1に記載のガス透過度測定装置。
【請求項4】
前記検出ガス排出部における前記第1凹部の内側から前記分岐に至る途中において、前記第1セル内部の圧力を制御し、
前記試験ガス排出部における前記第2凹部の内側から系外に至る途中において、第2セル内部の圧力を制御する圧力制御部を備える、請求項2に記載のガス透過度測定装置。
【請求項5】
前記試料はフィルムである、請求項1~4のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
【請求項6】
上記第1凹部を塞ぐ、第1面と、上記第2凹部を塞ぐ、第2面と、当該第1面から第2面に貫通する開口部とを有し、
前記試料で前記開口部を閉塞し、かつ上記試料が上記第1面側及び第2面側の両面に対して露出するように上記試料を固定する試料固定治具を備える、請求項2~4のいずれか1項に記載のガス透過度測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス透過度測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、試験セルから検査部への流路中に専用弁を備え、専用弁による切り替えで透過試験器の機器内の圧力を調整する装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、圧力センサの信号に基づいて真空ポンプ、および各工程間のバルブ開閉の作動を制御する制御ユニットを備えるガス透過度測定装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第6559147号
【特許文献2】特開2020-91108号広報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1及び2に記載のガス透過度測定装置は、検出ガス及び試験ガスの流量、並びに試験温度によっては、バルブ切り替え時において機器内の気圧に変化が起こるという問題がある。さらに、特許文献1に開示されているガス透過度測定装置は、試験ガス供給側が開放系の場合には対応できないという問題がある。
【0006】
また、特許文献2に記載においても、セル内を真空引きする工程が含まれており、試験ガスの切り替えなどによる気圧の変化を首尾よく抑制できるガス透過度測定装置について何ら開示されていない。
【0007】
このような問題に鑑み、ガス透過度測定用のセル内における気圧の急激な変化を首尾よく抑制でき、検出部の高い検出精度を保つことができる新規なガス透過度測定装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、第1凹部が設けられており、該第1凹部は使用時において試料を固定したときに当該試料の一部で塞がれる、第1セルと、前記第1凹部の外側から前記試料に標的成分を含む試験ガスを供給する試験ガス供給部と、前記試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部と、前記試料を透過した前記標的成分に前記第1凹部の内側から検出ガスを供給する検出ガス供給部と、前記第1凹部の内側から系外に前記検出ガスを排出する流路を有する検出ガス排出部と、前記流路に分岐が設けられており、該分岐から前記検出ガスの一部を吸引する減圧部と、前記減圧部が吸引した前記検出ガス中の前記標的成分を検出する検出部と、を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置によれば、ガス透過度測定用のセル内の気圧の急激な変化を首尾よく抑制でき、検出部による標的成分の高い定量精度を保つことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るガス透過度測定装置100の概略を説明する図である。
図2】本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るガス透過度測定装置100にいて第1セルおよび第2セルに試料を付けるときの操作の概略を説明する図である。
図3】本発明の一実施形態(第2実施形態)に係るガス透過度測定装置101の概略を説明する図である。
図4】本発明の一実施形態(第3実施形態)に係るガス透過度測定装置102の概略を説明する図である。
図5】本発明の一実施形態(第4実施形態)に係るガス透過度測定装置103の概略を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
<ガス透過度測定装置100(第1実施形態)>
以下、本発明の一実施形態(第1実施形態)に係るガス透過度測定装置100について、図1を参照して詳細に説明する。図1は、本実施形態に係るガス透過度測定装置100の概略を説明する図である。図1に示すように、ガス透過度測定装置100は、検出ガス供給部20、第1セル21、検出ガス排出部22、試験ガス供給部30、第2セル31、試験ガス排出部32、減圧部40、および検出部50を備えている。また、ガス透過度測定装置100は、セル収納部10を備え、第1セル21及び第2セル31は、セル収納部10内に着脱可能に収納されている。
【0012】
図1においては、図1の紙面に向かって上側に第2セル31、試験ガス供給部31、および試験ガス排出部32が配置され、図1の紙面に向かって下側に第1セル21、検出ガス供給部21、検出ガス排出部22、減圧部40、および検出部50が配置されているが、これに限定されない。たとえば、第1セル21が第2セル31に対して上側に配置されてもよく、第1セル21と第2セル31とが左右に並んで配置されてもよい。
【0013】
図2に示すように、ガス透過度測定装置100において、第1セル21と第2セル31とは、第1凹部21aの開口部と第2凹部31aの開口部とが互い対向するように配置して試料Sを挟持し、これにより、図1に示すように試料Sを固定する。これにより第1凹部21aの開口部と、第2凹部31aの開口部とを試料Sにより密閉し、試験ガスおよび検出ガスが試料Sを透過せずに直接混入することを防止する。また、ガス透過度測定装置100において、第1セル21と第2セル31とは試料Sを挟持した状態で、セル収納部10に収納される。また、第1セル21と第2セル31とは、補助固定具(不図示)により、試料Sを挟持した状態で固定されてもよい。
【0014】
図1に示すように、ガス透過度測定装置100は、検出ガスの流通系として検出ガス供給部20、第1セル21、および検出ガス排出部22がこの順で連通するように接続されており、減圧部40によって検出ガス排出部22が備えている分岐22bから検出ガスを吸引し、当該検出ガスの一部を検出部50に吸入する。また、分岐22bにおいて、減圧部40によって吸入されずに、分岐22bを通過し、吸引管22cに流れた残りの検出ガスが系外に排出される。
【0015】
同様に、図1に示すように、ガス透過度測定装置100は、試験ガスの流通系として試験ガス供給部30、第2セル31、および試験ガス排出部32がこの順で連通するように接続されており、試験ガス排出部32から系外に排出される。
【0016】
ガス透過度測定装置において、「系外」とは検出ガスの流通系から排出される検出ガスと試験ガスの流通系から排出される試験ガスとが互いに混合し、ガス透過度の測定結果に影響を与えない「系外」であれば、当該「系外」はガス透過度測定装置の内部および外部のいずれであってもよい。すなわち、一実施形態に係るガス透過度測定装置では、試験ガス及び検出ガスを系外に排出する排出口はガス透過度の測定結果に影響を与えない「系外」であれば、ガス透過度測定装置の内部および外部のいずれに試験ガスおよび検出ガスを排出してもよい。
【0017】
(試料S)
本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置100においてガス透過度を測定する対象である試料Sは、フィルム状に成形された試料である。本実施形態に係るガス透過度測定装置100は第1セル21の第1凹部21aと第2セル31の第2凹部31aとにおける気圧を実質的に1気圧(標準大気圧)に維持することができ、かつ、ガス透過度測定装置100の操作に伴い、気圧が変化することを首尾よく抑制することができる。このため、発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置100によれば、ガス透過度測定装置におけるセル内部の気圧が変化することに起因して、変形、損傷するリスクが高い、すなわち、脆弱な試料として例示できる薄膜化試料においても、ガス透過度を精度よく測定することができる。
【0018】
このような薄膜化試料には、例えば、有機エレクトロニクス向けバリアフィルム、並びにウェアラブル、及びセンサ等の使用を目的としたフィルム基板等が挙げられる、より具体的には、例えば、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンナフタレート(PBN)等のポリエステル、並びにポリイミド、アクリル、ポリオレフィン、シクロオレフィンポリマー、及びポリカーボネート等の樹脂フィルムに、アルミナ、シリカ、ジルコニア等の金属酸化物、又は、窒化ケイ素などの金属窒化物のような無機化合物の層が形成された多層フィルムが挙げられる。このような多層フィルムは、1つの樹脂フィルムの層に、互いに種類の異なる無機化合物の層が複数設けられていてもよい。このような、薄膜化試料は、樹脂フィルムの変形に対して、無機化合物の層が追従しきれず損傷、変形することにより、ガス透過度の測定精度が低下することが問題となっている。
【0019】
本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置によれば、薄膜化試料においても、セル内部の気圧が変化することに起因して、変形、損傷するリスクが高い薄膜化試料においても、ガス透過度を精度よく測定することができる。
【0020】
(検出ガス供給部20)
検出ガス供給部20は、検出ガス貯蔵部20aおよび供給管20bを備えている。検出ガス貯蔵部20aは検出ガスの貯蔵ボンベ、または貯蔵タンクであり得る。供給管20bは、検出ガス貯蔵部20aから供給された検出ガスを、第1凹部21aの内側に設けられた供給口から当該第1凹部21aの内側に供給する。図1の例では、検出ガスは、検出ガス供給部20によって、検出ガス貯蔵部20aから供給管20bを経て矢印A1の方向に沿って第1凹部21aの内側に供給される。
【0021】
検出ガス供給部における単位時間当たりの検出ガスの体積流量は、後述する検出部が単位時間当たりに吸引する検出ガスの吸引量(吸引速度ともいう)を考慮して決定するとよい。検出ガス供給部による単位時間当たりの検出ガス供給量(V)と、検出部が単位時間当たりに吸引する検出ガスの吸引量(V)と、排出部における単位時間当たりの検出ガスの排出量(V)との関係が以下の式(1)~(3)を満たし、いずれも単位は「mL/分」で表される。
V = V+V …(1)
<V≦1000,より好ましくは、V+10 ≦ V ≦500 …(2)
> 0、より好ましくは、V≧ 10最も好ましくは、V ≧ 50…(3)
なお、ガス透過度測定装置100において、上記式におけるVは、供給管20bにおいて求められる検出ガスの供給量であり、Vは吸引管22cにおける検出ガスの吸引量であり、Vは排出管22dにおける検出ガスの排出量である。検出部における標的成分の定量精度を高めるという観点から、検出ガスの供給管20bにおける単位時間当たりの体積流量Vは、吸引管における検出ガスの単位時間当たりの吸引量Vよりも多く、吸引量Vに対し、10mL/分以上多いことがより好ましい。言い換えれば、検出ガスの供給部における単位時間当たりの体積流量Vから吸引量Vを差し引いた残りが排出量Vとして排出部から排出されればよく、排出量Vは10mL/分以上であることがより好ましく、50mL/分以上であることが最も好ましい。また、第1凹部内の気圧と、第1凹部内の気圧との差を小さくするという観点から、検出ガスの供給管における単位時間当たりの体積流量Vは、1000mL/分以下であることがより好ましく、500mL/分以下にすることがより好ましい。なお、検出ガス貯蔵部20aから供給管20bに供給される検出ガスの流量(供給量)は、供給管20bが備える流量計(不図示)により測定され、例えば、マスフローコントローラー等により検知ガスの体積流量Vを検知してもよく、その流量が、検出ガス流量の調整弁(不図示)により手動または自動で制御されるようになっている。検出ガス流量の調整弁には、例えばリリーフ弁、減圧弁、電磁弁、ダイヤフラム弁、ニードルバルブ、及びシリンダ弁等が挙げられる。
【0022】
供給管20bの内径は、上述の単位時間当たりの検出ガスの供給量Vを維持できればよく、公知のガス供給管を用いて適宜設計すればよい。
【0023】
検出ガス供給部20が供給する検出ガスは、標的成分(場合によっては、試験ガスと標的成分)を検出部50に運ぶキャリアガスであり、当該キャリアガスは標的成分に対して不活性なガスであれば特に限定されない。キャリアガスの例として、窒素、アルゴン、ヘリウム、および酸素等のガスが挙げられる。
【0024】
一実施形態に係るガス透過度測定装置において、検出ガス供給部は、複数の種類の検出ガスをそれぞれ別個に貯蔵する複数の検出ガス貯蔵部と、これら複数の検出ガス貯蔵部のそれぞれから第1凹部内に検出ガスを供給する複数の供給管を備えていてもよい。これにより、ガス透過度測定装置は、試料の種類、および標的成分の種類に応じ、検出ガスを適宜選択できるようにしておくことがより好ましい。
【0025】
(第1セル21)
第1セル21は、第1凹部21aを備えており、当該第1凹部21aの開口部は試料Sの一方の面で密閉されている。第1セル21は、試料Sで塞がれている第1凹部21aの内側に、検出ガス供給部20が備える供給管20bから検出ガスを供給するための供給口と、第1凹部21aの内側から検出ガスを系外に排出するための排出口とを備えている。
【0026】
第1凹部21a内側においては、後述する第2凹部31aの内側から標的成分が矢印B2に示すように試料Sを透過する。第1凹部21a内側において、供給管20bを経て供給口から供給された検出ガスは試料Sを透過した標的成分を補足し、当該標的成分を含んだ状態で排出口から矢印A2の方向に沿って排出管22aに運ばれる。
【0027】
本実施形態に係るガス透過度装置100において、第1凹部21a内の気圧は、ガス透過度装置100外の外気圧に等しく、実質的に1気圧(標準大気圧)に維持される。第1凹部21aを有する第1セル21は、ガス透過度測定における一連の操作の間、常に系外に検出ガスを排出する検出ガス排出部22に連通している。このため、例えば、検出ガス貯蔵部20aから供給される検出ガスの種類が切り替えられたとしても、当該検出ガスの切り替えに伴い生じる第1凹部21a内の気圧の突発的な変化を好適に緩衝できる。これにより、第1凹部21a内の気圧の変化に伴う、試料Sの損傷および変形を好適に防止できる。よって、試料Sの損傷および変形に起因して生じる標的成分の透過度の変化により、試料Sにおけるガス透過度の評価精度が低下することを好適に防止できる。また、ガス透過度装置100は、第1凹部21a内に供給される検出ガスの供給量を多くしたとしても、排出部22cから常に検出ガスを排出することができるため、第1凹部21a内の気圧が過度に高まることを防止することができる。このため、ガス透過度の高い試料におけるガス透過度の評価において、検出ガスの供給量を多くして第1凹部21a内における検出ガスの置換効率を高めたとしても、第1凹部21a内の気圧が過度に高くなることを防止することができる。よって、第1凹部21a内への検出ガスの供給量を多くすることで、検出ガスの置換効率を高め、これにより、ガス透過度を高い定量精度で評価できることも本発明の利点の1つである。
【0028】
また、一実施形態に係るガス透過度測定装置は、第1セルが加熱部(不図示)を備えていてもよく、当該加熱部によって、ガス透過度の測定条件に応じて第1凹部内に供給される検出ガスを加熱してもよい。
【0029】
(検出ガス排出部22)
検出ガス排出部22は、排出管22a、分岐(分岐部ともいう)22bを備え、当該分岐22bにおいて吸引管22cと排出管22dとに分岐している。第1凹部21aの内側において標的成分を補足した検出ガスは、図1中の矢印A2の方向に沿って排出管22aに排出され、分岐22bにおいて減圧部40により標的成分を含む検出ガスの一部が矢印A3に沿って吸引される。また、残りの標的成分を含む検出ガスは矢印4Aの方向に沿って排出管22dから系外に排出される。
【0030】
排出管22aを通過する体積流量は、供給管20bにおいて供給される検出ガスの体積流量と等しく、分岐22bにおいて分岐する吸引管22cにおける検出ガスの体積流量と、排出管22dにより系外に排出されるおける検出ガスの体積流量との合計は、検出ガス排出部22aを通過する検出ガスの体積流量と等しいか、第1凹部21a内に透過してくる標的成分の量を無視すると等しい。
【0031】
吸引管22c、および排出管22dの内径は、上述の式(1)~(3)に示す、単位時間当たりの吸引量V及び単位時間当たりの排出量Vを維持できればよく、公知の配管を用いて適宜設計すればよい。排出管22dから排出される検出ガスの体積流量Vは、検出ガス供給部20の供給管20bから供給される検出ガスの体積流量Vと、吸引管22cにおいて検出部50に吸引される検出ガスの体積流量Vから求められ得る。その他、排出管22cにおける系外への開口部近傍には、排出管22cから排出される検出ガスの体積流量を測定するための流量計(不図示)が設けられていてもよい。
【0032】
(減圧部40)
減圧部40は、たとえば、ダイヤフラムポンプ、ドライポンプ、スクロールポンプ、ターボ分子ポンプ、及びロータリーポンプ等の減圧ポンプにより実現され得る。減圧部40は、分岐22bを通過する標的成分を含む検出ガスが吸引管22cを介して検出部50に導入する。減圧部40は、ガス透過度測定装置100の外気圧(実質的に1大気圧)を下回る気圧を発生し、これにより、減圧部40と分岐22bとの気圧差によって検出ガスを吸引する。また、検出部50と分岐22bとの間における吸引管22cには、流量計(不図示)が設けられ、例えば、熱式質量流量計、微差圧センサー、及びマスフローコントローラー等により検知ガスの体積流量を吸引量として検知してもよく、その流量が、吸引量Vとして、下記式(1)~(3)を満たすように吸引量Vを調整する調整弁(不図示)により手動または自動で制御されるようになっていることが好ましい。
V = V+V …(1)
<V≦1000,より好ましくは、V+10 ≦ V ≦500 …(2)
> 0、より好ましくは、V≧ 10最も好ましくは、V ≧ 50…(3)
【0033】
減圧部は、標的成分を含む検出ガスを吸引して検出部に到達させる構成を備えていればよく、検出部に外付けされていても、内蔵されていてもよい。また、検出部に吸引される検出ガスの吸引量Vを調整する流量計および調整弁は、検出部に内蔵されていてもよく、検出部と減圧部とを連通する配管に設けられていてもよい。なお、検出ガスの吸引量Vは検出部50である検出装置の種類に応じて適切な吸引量になるよう制御してもよい。
【0034】
(検出部50)
検出部50は、試料Sを透過して第1セル21に達した標的成分を含む検出ガス中の標的成分を検出する。検出部50としては、検出ガスによって運ばれる標的成分を検出できるものであればよく、検出対象に応じて公知の検出手段を適宜選択すればよい。例えば、標的成分として水蒸気を検出する場合には、公知の水分計を検出部50として用いることができる。その他、検出部50には、例えば、大気圧イオン化質量分析計、質量分析計、酸素濃度計、露点計、ガスセンサー、検知管、及び赤外吸収分光計等の検出装置を挙げることができる。検出部50は、標的成分をGC-MS(ガスクロマトグラフィー-質量分析)、HPLC(高速(高圧)液体クロマトグラフィー)、及びIC(イオンクロマトグラフィー)によって検出してもよい。
【0035】
検出部50は、検出ガス含まれる標的成分の定量結果から求められるガス透過度を算出すればよい。検出部50の定量結果から求められるガス透過度は、検出ガス含まれる標的成分の種類および試料の種類に応じて選択すればよく、例えば、水蒸気の透過度であれば、JIS K7129-6:2019に準拠するガス透過度測定方法により算出することが好ましく例示される。ガス透過度測定装置100は、検出部50への検出ガスの流量を高めても、第1セル内の気圧を実質的に1気圧環境下に維持できるため、等圧法を維持しながら高い定量精度でガス透過度を測定することができることが利点の一つである。
【0036】
もちろん、ガス透過度の測定は、JIS K7129-6:2019に準拠するガス透過度測定方法に限定されず、本実施形態に係るガス透過度測定装置100、及び後述する別の実施形態に係るガス透過度測定装置101、102及び103、並びに、試料及び標的成分の種類に応じて適宜決定すればよい。例えば、試料のガス透過度は、検出ガスの流量、試料測定時に定常状態(値が時間によらず一定の区間)となった第1セルにおけるガス濃度、試験ガスを導入する前の第2セル内のガス濃度等に基づいて測定すればよく、このとき、ガス透過度測定における温度や気圧等の諸条件を式に組み込んで測定してもよい。例えば、第2セルに試験ガスを供給し、その後、検出部において標的成分の検知量が増加し、最終的に数値で時間によらず一定となり安定するまで検出ガスに含まれる標的成分の量を測定し続け、試験ガス導入前後の数値の差を指定の単位に換算した数値から算出してもよい。また、初めから第2セルに試験ガスを供給し、標的成分の検出量が時間によらず一定となり安定したところで測定を終了し、最後の数値を指定された単位に換算した数値をガス透過度としてもよい。
【0037】
また、ガス透過度測定装置100は、一度、捕集管で検出ガスに含まれる標的成分を捕集し、次いで捕集した標的成分をガス検出器に導入して計測するタイプのガス透過度測定装置とは異なり、ガス透過度のプロットの間隔を細かくでき、より精密なガス透過度測定ができることも利点の一つである。よって、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置を用いたガス透過度測定方法も本発明の範疇である。
【0038】
(試験ガス供給部30)
試験ガス供給部30は、試験ガス貯蔵部30a及び供給管30bを備えている。試験ガス貯蔵部30aは試験ガスの貯蔵ボンベ、または貯蔵タンクであり得る。供給管30bは、試験ガス貯蔵部30aから供給された検出ガスを、第2凹部31aの内側に設けられた供給口から当該第2凹部31aの内側に供給する。図1の例では、試験ガスは、試験ガス供給部30によって、検出ガス貯蔵部30aから供給管30bを経て矢印B1の方向に沿って第2凹部31aの内側に供給される。
【0039】
供給管30bは、限定されるものではないが、供給管20bと同程度の内径および断面積を有していればよい。
【0040】
試験ガス供給部30により供給される試験ガスの供給管30bにおける単位時間当たりの体積流量は、十分な標的成分の定量精度を確保でき、かつ、排出管32aから逆流しないように設計すればよく、好ましくは、検出ガス供給部20から第1凹部21aに供給される検出ガスの体積流量Vと同程度のであることが好ましい。なお、試験ガス貯蔵部30aから供給管30bに供給される試験ガスの流量(供給量)は、供給管30bが備える流量計(不図示)により測定され、例えば、マスフローコントローラー等により試験ガスの流量を検知してもよく、その流量が、試験ガス流量の調整弁(不図示)により手動または自動で制御されるようになっている。試験ガス流量の調整弁には、検出ガス流量の調整弁と同様の調整弁を採用できるため、その説明は省略する。
【0041】
一実施形態に係るガス透過度測定装置において、試験ガス供給部は、複数の種類の試験ガスをそれぞれ別個に貯蔵する複数の試験ガス貯蔵部と、これら複数の試験ガス貯蔵部のそれぞれから第2凹部内に検出ガスを供給する複数の供給管を備えていてもよい。これにより、ガス透過度測定装置は、試料の種類、および標的成分の種類に応じ、試験ガスを適宜選択できるようにしておくことがより好ましい。
【0042】
(第2セル31)
第2セル31は、第2凹部31aを内側に備えており、当該第2凹部31aの開口部は、第1凹部21aの開口部を塞ぎ、かつ第1凹部21aの外側に露出した試料Sの一部で塞がれている。第2セル31は、試料Sで塞がれている第2凹部31aの内側に、試験ガス供給部30が備える供給管30bから検出ガスを供給するための供給口と、第2凹部31aの内側から検出ガスを系外に排出するための排出口とを備えている。
【0043】
第2凹部31aの内側に供給された試験ガスに含まれている標的成分は、矢印B3に示すように試料Sを透過し、第1凹部21a内側において検出ガスに補足される。また、第2凹部31aに供給された試験ガスは、排出管32aにより系外に排出される。本実施形態に係るガス透過度装置100において、第2凹部31a内の気圧は、ガス透過度装置100外の気圧に等しく、実質的に1気圧(標準大気圧)に維持される。第2凹部31aを有する第2セル31は、ガス透過度測定における一連の操作の間、常に系外に試験ガスを排出する試験ガス排出部32に連通している。このため、例えば、試験ガス貯蔵部30aから供給される試験ガスの種類が切り替えられたとしても、当該試験ガスの切り替えに伴い生じる第2凹部31a内の気圧の突発的な変化を好適に緩衝できる。これにより、第2凹部31a内の気圧の変化に伴う、試料Sの損傷および変形を好適に防止できる。よって、試料Sの損傷および変形に起因して生じる標的成分の透過度の変化により、試料Sにおけるガス透過度の評価精度が低下することを好適に防止できる。
【0044】
試験ガスには、測定の対象となる標的成分を含む気体が挙げられる。試験ガスの例として、水蒸気、酸素、窒素、ヘリウム、水素、アルゴン、二酸化炭素、一酸化炭素等の無機系ガス;メタン等の有機系ガス;等が挙げられる。
【0045】
また、一実施形態に係るガス透過度測定装置では、第2セルが加熱部(不図示)を備えていてもよく、当該加熱部によって、ガス透過度の測定条件に応じて第2凹部内に供給される試験ガスを加熱してもよい。
【0046】
(試験ガス排出部32)
試験ガス排出部32は、排出管32aを備え、図1中の矢印B2の方向に沿って、第2凹部31aの内側から系外に試験ガスを排出する。これにより、ガス透過度測定装置100の駆動中も第2セル31内を好ましい気圧の範囲内に保つことができる。
【0047】
排出管32aを通過する試験ガスの体積流量は、供給管30bにおいて供給される試験ガスの体積流量と等しいか、第2凹部31a内に透過する標的成分の量を無視すると等しく、ガス透過度の測定の間、常に排出管32aから試験ガスが排出される。なお、排出管32aにおける系外への開口部近傍には、排出管32aから排出される試験ガスの体積流量を測定するための流量計(不図示)が設けられていてもよい。
【0048】
〔制御部〕
本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、制御部を備えてもよい。制御部は、例えば、検出ガス供給部における検出ガスの供給量、試験ガス供給部における試験ガスの供給量、並びに、検出部及び/または減圧部による検出ガスの吸引量を制御してもよく、検出ガスの吸引量は検出部の仕様に応じて適宜に調整してもよい。制御部は、試験ガスの流量センサ、検出ガスの流量センサ、及び検出ガスの吸引量を体積流量として検出する流量の変化に伴って調整弁の開閉を制御し、これにより各ガスの流量を制御してもよく、予め設定されたタイミングチャートに基づいて各ガスの流量の制御を行ってもよい。
【0049】
<ガス透過度測定装置101(第2実施形態)>
以下、本発明の一実施形態(第2実施形態)について、図3を参照して詳細に説明する。図3は、本実施形態に係るガス透過度測定装置101を示す概略図である。図3に示すように、ガス透過度測定装置101はガス透過度測定装置100の構成に加えて、圧力制御部60を備える。圧力制御部60は第1圧力制御部61、第2セル圧力制御部および第2セル圧力制御部62を備えている。なお、ガス透過度測定装置101において、ガス透過度測定装置100と同じ部材については、同じ部材番号を付し、その説明を省略する。
【0050】
(圧力制御部60)
図3に示す圧力制御部60は、第1セル21の第1凹部21a内の圧力を制御する第1圧力制御部61と、第2セル31の第2凹部31a内の圧力を制御する第2セル圧力制御部62とを備えている。
【0051】
第1圧力制御部61は、第1セル21における第1凹部21a内の検出ガスの気圧を検知する気圧センサ、および排出管22aにおいて、検出ガスのガス圧を調整する気圧調整弁を備えている。また、第2圧力制御部62は、第2セル31における第2凹部31a内の試験ガスの気圧を検知する気圧センサ、および排出管32aにおいて、試験ガスのガス圧を調整する気圧調整弁を備えている。すなわち、第1圧力制御部及び第2圧力制御部は、気圧を圧力として検知する気圧計と気圧調整機能を有する気圧調整弁とを持ち合わせた機器を備えていればよく、気圧計と気圧調整弁とを持ち合わせた機器として圧力スイッチが挙げられる。気圧計には圧力センサ等のセンサ、及び圧力計等が挙げられ、圧力制御のための気圧調整弁には、例えば、リリーフ弁、減圧弁、電磁弁、ダイヤフラム弁、ニードルバルブ、及びシリンダ弁等が挙げられる。なお、第1圧力制御部61および第2圧力制御部62が備えている気圧調整弁のそれぞれは、手動または自動で制御されるようになっている。また、第1圧力制御部61と第2圧力制御部62とは、有線または無線により互いに接続され、第1凹部21a内の気圧と、第2凹部31a内の気圧とを連動して、または個別に制御できる制御部(不図示)を備えていることがより好ましい。
【0052】
上記の構成により、ガス透過度測定装置101は、第1セル21の第1凹部21a内の気圧と、第2セル31の第2凹部31a内の気圧とを調整しつつ、検出部50においては大気圧環境下において等圧法により首尾よく、ガス透過度を測定することができる。また、例えば、フィルム状の試料が破損しない程度の範囲内において第1凹部21a内の気圧と、第2凹部31a内の気圧とに差を設け、フィルム状の試料におけるガス透過度を測定することもできる。
【0053】
また、ガス透過度の測定条件に応じ、第1凹部21a及び第2凹部31aの内部において、例えば、多孔質材料から形成される支持板(不図示)によりフィルム状の試料を支持し、この状態で当該試料におけるガス透過度を測定してもよい。
【0054】
<ガス透過度測定装置102(第3実施形態)>
以下、本発明の一実施形態(第3実施形態)について、図4を参照して詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るガス透過度測定装置102を示す概略図である。図4に示すように、ガス透過度測定装置102は、図1に示すガス透過度測定装置100のうち、試験ガス供給部30、第2セル31および試験ガス排出部32を備えた試験ガスの流通系に代えて、セル収納部10を開放することによって、試験ガス供給部、および試験ガス排出部を達成することができる。なお、ガス透過度測定装置102において、フィルム状の試料Sは、第1セル21の第1凹部21aにおける開口部の面積と同程度の開口面積を有している試料固定治具70’によって、セル収納部10において露出するように固定されている。ガス透過度測定装置102は、試料固定治具70’によって試料Sによって固定することで第1凹部21aを閉塞する。
【0055】
すなわち、本実施形態に係るガス透過度測定装置102によれば、試料Sの第1セル21に面していない面は、外気に好適に曝すことができ、実質的に1気圧の条件におけるガス透過度測定を好適に実施することができる。すなわち、外気を試験ガスとして、試料Sを大気に曝さずに試験したときのガス透過測定結果と比較することもできる。第1セル21内の圧力を大気圧に制御されるため、本実施形態に係るガス透過度測定装置102においても試料Sの変形または損傷のリスクは低減できる。すなわち、第1セルの気圧を実質的に1気圧に維持できるため、等圧法によりガス透過度測定装置102外の雰囲気に曝し試験ができる。
【0056】
<ガス透過度測定装置103(第4実施形態)>
以下、本発明の一実施形態(第4実施形態)について、図5を参照して詳細に説明する。図5は、本実施形態に係るガス透過度測定装置103の概略を説明する図である。図5に示すように、ガス透過度測定装置103はガス透過度測定装置100に試料固定治具70を加えた構成である。
【0057】
図5に示す通り、試料固定治具70は、第1セルに面する第1面71および第2セルに面する第2面72と、当該第1面71から第2面72に貫通する開口部と、を有する。試料固定治具70によって、試料Sは開口部を閉塞し、かつ試料Sが第1面71側及び第2面72側の両面に対して露出するように固定される。
【0058】
試料固定治具70は、試料S’の種類および形状に応じて、任意の構成を備えた公知の固定治具を用いてもよい。この構成により、試料の形状に係らず第1セル21および第2セル31を利用して、任意の形状の試料Sを測定することができる。
【0059】
より具体的には、試料固定治具70は、試料よりもガス透過度の低い材質であればよく、例えば、金属およびセラミックス等が挙げられる。試料S’は、試料固定治具70に固定できれば種類は限定されず、例えば、シリンジ等の医療器具、および有機ELデバイス等が試料として例示される。
【0060】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0061】
〔まとめ〕
本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、第1凹部が設けられており、該第1凹部は使用時において試料を固定したときに当該試料の一部で塞がれる、第1セルと、前記第1凹部の外側から前記試料に標的成分を含む試験ガスを供給する試験ガス供給部と、前記試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部と、前記試料を透過した前記標的成分に前記第1凹部の内側から検出ガスを供給する検出ガス供給部と、前記第1凹部の内側から系外に前記検出ガスを排出する流路を有する検出ガス排出部と、前記流路に分岐が設けられており、該分岐から前記検出ガスの一部を吸引する減圧部と、前記減圧部が吸引した前記検出ガス中の前記標的成分を検出する検出部と、を備えている。
【0062】
また、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、第2凹部を備え、前記第2凹部の内側に前記試験ガス供給部から前記試験ガスが供給される第2セルと、前記第2凹部の内側に供給された前記試験ガスを系外に排出する試験ガス排出部と、を備え、前記第1凹部の外側に露出した前記試料の一部で前記第2凹部を塞ぐようにして前記試料を固定してもよい。
【0063】
また、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、前記検出ガス排出部における第1凹部の内側から前記分岐に至る途中において、前記第1セル内部の圧力を制御する圧力制御部を備えることがより好ましい。
【0064】
また、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、前記検出ガス排出部における前記第1凹部の内側から前記分岐に至る途中において、前記第1セル内部の圧力を制御し、前記試験ガス排出部における前記第2凹部の内側から系外に至る途中において、第2セル内部の圧力を制御する圧力制御部を備えることがより好ましい。
【0065】
また、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置において、前記試料はフィルムであってもよい。
【0066】
また、本発明の一実施形態に係るガス透過度測定装置は、上記第1凹部を塞ぐ、第1面と、上記第2凹部を塞ぐ、第2面と、当該第1面から第2面に貫通する開口部とを有し、前記試料で前記開口部を閉塞し、かつ上記試料が上記第1面側及び第2面側の両面に対して露出するように上記試料を固定する試料固定治具を備えていてもよい。これにより、試料の形状に係らず、本実施形態に係るガス透過度測定装置による測定が可能となる。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ガス透過度の測定を必要とする、食品、医療、有機ELデバイス、太陽電池等の各分野において広範囲に利用することができる。
【符号の説明】
【0068】
100:ガス透過度測定装置
101:ガス透過度測定装置
102:ガス透過度測定装置
103:ガス透過度測定装置
20:検出ガス供給部
21:第1セル
21a:第1凹部
22:検出ガス排出部
22a:分岐
30:試験ガス供給部
31:第2セル
31a:第2凹部
32a:(試験ガス排出部)
40:減圧部
50:検出部
60:圧力制御部
61:第1圧力制御部
62:第2圧力制御部
70:試料固定治具
70’:試料固定治具
71:第1面
72:第2面
S:試料
S’:試料
図1
図2
図3
図4
図5