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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053403
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】熱処理容器の連結具
(51)【国際特許分類】
   F27D 3/12 20060101AFI20220329BHJP
   F27B 9/26 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
F27D3/12 Z
F27B9/26
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020160234
(22)【出願日】2020-09-24
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2021-08-04
(71)【出願人】
【識別番号】000004293
【氏名又は名称】株式会社ノリタケカンパニーリミテド
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】松田 健児
(72)【発明者】
【氏名】松永 健嗣
(72)【発明者】
【氏名】関川 義博
(72)【発明者】
【氏名】小野田 和洋
【テーマコード(参考)】
4K050
4K055
【Fターム(参考)】
4K050AA02
4K050CG29
4K055HA07
(57)【要約】
【課題】熱処理容器の蛇行を抑制しつつ熱処理後の熱処理容器の分離が容易であり熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる熱処理容器の連結具を提供する。
【解決手段】熱処理容器14A、14B、14C、14Dが蛇行しようとすると、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの角部14hが一対の第1係合突起18c、18dや一対の第2係合突起18e、18fに係合して熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の移動が規制される。また、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間にスペーサ突起18gが挟まれることによって、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の接近が規制されて、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1および側方方向隙間S2が形成された状態で熱処理容器14A、14B、14C、14Dが熱処理炉12内で搬送される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上において、被処理材料を載置した状態で搬送方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器を連結するための熱処理容器の連結具であって、
前記熱処理容器よりも小さい板状本体と、
前記板状本体から突設され、前記熱処理容器に形成された側壁の角部と係合する少なくとも一対の係合突起と、
前記少なくとも一対の係合突起が係合する前記熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記少なくとも一対の係合突起の間から突設されたスペーサ突起と、を含む
ことを特徴とする熱処理容器の連結具。
【請求項2】
前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対とで、合計4つの係合突起であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間、および前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の間に、それぞれ挟まれるように、前記板状本体の前記4つの係合突起の間から突設されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器の連結具。
【請求項3】
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する搬送方向隙間形成部と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する側方方向隙間形成部とを有している
ことを特徴とする請求項2の熱処理容器の連結具。
【請求項4】
前記搬送方向隙間形成部は、前記搬送方向に直交する方向に長手状であり、
前記側方方向隙間形成部は、前記搬送方向に長手状であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向隙間形成部と前記側方方向隙間形成部とが直交した突起である
ことを特徴とする請求項3の熱処理容器の連結具。
【請求項5】
前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する2つの係合突起であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記2つの係合突起の間から突設されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器の連結具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱処理炉内に配置された複数本の搬送ローラ上で一方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器を連結するための熱処理容器の連結具に関し、前記熱処理容器の蛇行を抑制しつつ前記熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上において、被処理材料を載置した状態で搬送方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器がよく知られている。例えば、特許文献1に記載された熱処理容器がそれである。また、熱処理容器ではないが平板状の熱処理セッターをそれぞれ連結する連結具がよく知られている。例えば、特許文献2の図6乃至図10に示された連結具がそれである。なお、特許文献2では、前記連結具により前方の熱処理セッターと後方の熱処理セッターとが隙間なく接した状態で連結されることによって、熱処理セッター間の相対移動が拘束されるので、熱処理セッターの蛇行が抑制されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-122783号公報
【特許文献2】特開2000-111268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1の熱処理容器に特許文献2の連結具の技術を適用させて、前方の熱処理容器と後方の熱処理容器とが隙間なく接した状態で連結する熱処理容器の連結具を考えることができる。しかしながら、上記のような熱処理容器の連結具では、前記前方の熱処理容器と前記後方の熱処理容器とが隙間なく接しているので、熱処理後に熱処理容器同士の分離が困難となったり、熱処理中の熱処理炉内において熱処理容器の上下の雰囲気の循環が悪くなって、例えば被処理材料を熱処理する処理効率が悪くなってしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、熱処理容器の蛇行を抑制しつつ熱処理後の熱処理容器の分離が容易であり熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる熱処理容器の連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明の要旨とするところは、(a)熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上において、被処理材料を載置した状態で一方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器を連結するための熱処理容器の連結具であって、(b)前記熱処理容器よりも小さい板状本体と、(c)前記板状本体から突設され、前記熱処理容器に形成された側壁の角部と係合する少なくとも一対の係合突起と、(d)前記少なくとも一対の係合突起が係合する前記熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記少なくとも一対の係合突起の間から突設されたスペーサ突起と、を含むことにある。
【0007】
また、第2発明の要旨とするところは、前記第1発明において、(a)前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対とで、合計4つの係合突起であり、(b)前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間、および前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の間に、それぞれ挟まれるように、前記板状本体の前記4つの係合突起の間から突設されていることにある。
【0008】
また、第3発明の要旨とするところは、前記第2発明において、前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する搬送方向隙間形成部と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する側方方向隙間形成部とを有していることにある。
【0009】
また、第4発明の要旨とするところは、前記第3発明において、(a)前記搬送方向隙間形成部は、前記搬送方向に直交する方向に長手状であり、(b)前記側方方向隙間形成部は、前記搬送方向に長手状であり、(c)前記スペーサ突起は、前記搬送方向隙間形成部と前記側方方向隙間形成部とが直交した突起であることにある。
【0010】
また、第5発明の要旨とするところは、前記第1発明において、(a)前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する2つの係合突起であり、(b)前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記2つの係合突起の間から突設されていることにある。
【発明の効果】
【0011】
第1発明の熱処理容器の連結具によれば、(b)前記熱処理容器よりも小さい板状本体と、(c)前記板状本体から突設され、前記熱処理容器に形成された側壁の角部と係合する少なくとも一対の係合突起と、(d)前記少なくとも一対の係合突起が係合する前記熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記少なくとも一対の係合突起の間から突設されたスペーサ突起と、を含む。このため、前記熱処理容器が蛇行しようとすると、前記熱処理容器に形成された側壁の角部が前記一対の係合突起に係合して前記熱処理容器の相互の移動が規制されるので、前記熱処理容器の蛇行を抑制することができる。また、前記熱処理容器の間に前記スペーサ突起が挟まれることによって、前記熱処理容器の相互の接近が規制されて、前記熱処理容器の間に隙間が形成された状態で前記熱処理容器が前記熱処理炉内で搬送されるので、熱処理後の前記熱処理容器の分離が容易であり前記熱処理炉内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0012】
第2発明の熱処理容器の連結具によれば、(a)前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対とで、合計4つの係合突起であり、(b)前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間、および前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の間に、それぞれ挟まれるように、前記板状本体の前記4つの係合突起の間から突設されている。このため、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器と、の合計4つの熱処理容器の相互の移動が規制されるので、熱処理容器の蛇行を、一つの連結具によって、好適に抑制することができる。
【0013】
第3発明の熱処理容器の連結具によれば、前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する搬送方向隙間形成部と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する側方方向隙間形成部とを有している。このため、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器と、の合計4つの熱処理容器の相互の接近が規制されるので、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に隙間が形成され且つ前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に隙間が形成された状態で搬送することができる。
【0014】
第4発明の熱処理容器の連結具によれば、(a)前記搬送方向隙間形成部は、前記搬送方向に直交する方向に長手状であり、(b)前記側方方向隙間形成部は、前記搬送方向に長手状であり、(c)前記スペーサ突起は、前記搬送方向隙間形成部と前記側方方向隙間形成部とが直交した突起である。このため、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器と、の合計4つの熱処理容器の相互の接近が規制されるので、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に隙間が形成され且つ前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に隙間が形成された状態で搬送することができる。
【0015】
第5発明の熱処理容器の連結具によれば、(a)前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する2つの係合突起であり、(b)前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記2つの係合突起の間から突設されている。このため、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の相互の移動が規制されるので、それら縦列する熱処理容器の蛇行を抑制しつつ、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器を前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間に隙間が形成された状態で搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明が好適に適用された連続搬送式の熱処理炉の概略構成を説明する斜視図である。
図2図1に示すように連結具によってそれぞれ連結された熱処理容器を例えば2段に積んだ状態を示す図である。
図3図1に示された連結具を拡大した拡大図である。
図4図3の連結具を矢印A方向から見た図である。
図5】本発明の他の実施例の熱処理炉の概略構成を説明する斜視図である。
図6図5に示された一対の第1連結具および第2連結具の一方の連結具を拡大した拡大図である。
図7図6の連結具を矢印B方向から見た図である。
図8】本発明の他の実施例の熱処理炉に設けられた連結具の構成を説明する斜視図である。
図9図8の連結具を矢印C方向から見た図である。
図10】本発明の他の実施例の熱処理炉に設けられた熱処理容器の構成を説明する斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比及び形状等は必ずしも正確に描かれていない。
【実施例0018】
図1は、本発明が好適に適用された連続搬送式の熱処理炉12の概略構成を説明する斜視図である。熱処理炉12は、粉体状或いはペレット状の被処理材料10を収容すなわち載置した熱処理容器14を、Al、SiCなどの耐熱性無機材料の焼結体である複数本の搬送ローラ16によって連続的に且つ直線的にそれぞれ搬送して、所定の炉内雰囲気下例えば不活性ガス雰囲気下で熱処理容器14内の被処理材料10を所定温度で熱処理するローラハースキルンである。なお、熱処理炉12は、図1に示すように、熱処理炉12内に並列に且つ同間隔で配置された相互に同径の円柱状の搬送ローラ16と、搬送ローラ16をそれぞれ同期して回転駆動させる駆動装置(図示しない)と、を備えており、熱処理炉12では、搬送ローラ16上に配置された熱処理容器14が一方向すなわち搬送方向F1に搬送されるようになっている。また、被処理材料10は、例えば、電池材料であり、好ましくは、全固体電池の電極材料、リチウムイオン電池の電極材料である。
【0019】
例えば、熱処理炉12内では、図1に示すように、連結具18によってそれぞれ連結された熱処理容器14が4つずつ搬送方向F1に搬送されるようになっている。なお、図1に示す4つの熱処理容器14は、それぞれ同じ形状すなわちそれぞれ矩形箱状であり、4つの熱処理容器14は、それぞれ、ムライト・コーディエライト、ムライト、コーディエライト、アルミナ、スピネル、SiC、チタン酸アルミニウムなどの耐熱性無機材料の焼結体から構成されている。また、連結具18も例えば上記のような耐熱性無機材料の焼結体から構成されている。
【0020】
4つの熱処理容器14は、図1に示すように、それぞれ、正方形状の底壁14aと、底壁14aの搬送方向F1側に立設された前壁(側壁)14bと、底壁14aの搬送方向F1とは反対側に立設された後壁(側壁)14cと、底壁14aの搬送方向F1に向かって右側に立設された右壁(側壁)14dと、底壁14aの搬送方向F1に向かって左側に立設された左壁(側壁)14eと、を一体に備えている。また、図1に示すように、前壁14b、後壁14c、右壁14d、および左壁14eには、それぞれ、図2に示すように熱処理容器14を多段積み(図2では2段積み)した場合において熱処理によって被処理材料10から発生するガスを熱処理容器14内から排出する切欠14fが形成されている。なお、前壁14b、後壁14c、右壁14d、左壁14eの上面14gは、それぞれ、同じ平面内に形成されており、前壁14b、後壁14c、右壁14d、左壁14eの上面14gは、それぞれ、底壁14aに対して平行である。また、前壁14b、後壁14c、右壁14d、および左壁14eによって形成された熱処理容器14の4つの角部14hには、連結具18が熱処理容器14の角部14hに組み付けられた場合に、図2に示すように連結具18の上面18aが前壁14b、後壁14c、右壁14d、左壁14eの上面14gと同じ平面内となるように、または、連結具18の上面18aが前壁14b、後壁14c、右壁14d、左壁14eの上面14gよりも底壁14a側に配置されるように、それぞれ切欠14iが形成されている。これによって、連結具18によって連結された熱処理容器14を好適に多段積みすることができる。なお、図2は、図1に示すように連結具18によってそれぞれ連結された熱処理容器14を例えば2段に積んだ状態を示す図である。
【0021】
ここで、図1に示された4つの熱処理容器14を、熱処理容器14Aと、熱処理容器14Bと、熱処理容器14Cと、熱処理容器14Dと、にそれぞれ区別して、連結具18の構成を説明する。なお、熱処理容器14Aは、4つの熱処理容器14の搬送方向F1とは反対側に配置された一対の熱処理容器14のうちの搬送方向F1に向かって右側に配置された熱処理容器14である。また、熱処理容器14Bは、熱処理容器14Aに対して搬送方向F1に隣接する熱処理容器14である。また、熱処理容器14Cは、熱処理容器14Bに対して搬送方向F1に直交する直交方向(方向)F2に隣接する熱処理容器14、すなわち熱処理容器14Bに対して搬送方向F1に向かって左側に配置された熱処理容器14である。また、熱処理容器14Dは、熱処理容器14Aに対して搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する熱処理容器14、すなわち熱処理容器14Aに対して搬送方向F1に向かって左側に配置された熱処理容器14である。
【0022】
連結具18は、図1図3図4に示すように、板状本体18bと、一対の第1係合突起(係合突起)18c、18dと、一対の第2係合突起(係合突起)18e、18fと、スペーサ突起18gと、を一体に含んでいる。なお、板状本体18bは、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの底壁14aよりも大きさが小さい例えば正方形状の板状部材である。また、一対の第1係合突起18c、18dは、板状本体18bの2つの角部18hから角柱状に突設され、熱処理容器14Aに形成された角部14hと熱処理容器14Bに形成された角部14hとに係合する。すなわち、第1係合突起18cは、熱処理容器14Aに形成された前壁14bと左壁14eとの間の角部14hに係合し、第1係合突起18dは、熱処理容器14Bに形成された後壁14cと左壁14eとの間の角部14hと係合する。また、一対の第2係合突起18e、18fは、板状本体18bの2つの角部18hから角柱状に突設され、熱処理容器14Cに形成された角部14hと熱処理容器14Dに形成された角部14hとに係合する。すなわち、第2係合突起18eは、熱処理容器14Cに形成された後壁14cと右壁14dとの間の角部14hに係合し、第2係合突起18fは、熱処理容器14Dに形成された前壁14bと右壁14dとの間の角部14hに係合する。つまり、板状本体18bに突設された一対の第1係合突起18c、18dおよび一対の第2係合突起18e、18fは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hに係合する一対と、一対の熱処理容器14A、14Bに対して搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dの角部14hに係合する一対とで、合計4つの係合突起である。なお、図3は、図1に示された連結具18を拡大した拡大図であり、図4は、図3に示された連結具18を矢印A方向から見た図である。
【0023】
スペーサ突起18gは、図4に示すように、搬送方向隙間形成部18iと、側方方向隙間形成部18jと、を有している。図4に示すように、搬送方向隙間形成部18iは、搬送方向F1に直交する直交方向F2に角柱状に伸びる長手状であり、側方方向隙間形成部18jは、搬送方向F1に角柱状に伸びる長手状である。すなわち、スペーサ突起18gは、搬送方向隙間形成部18iと側方方向隙間形成部18jとが直交した突起である。
【0024】
搬送方向隙間形成部18iは、図1図3図4に示すように、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hの間、および、一対の熱処理容器14A、14Bに対して直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dの角部14hの間に、それぞれ挟まれるように、板状本体18bの一対の第1係合突起18c、18dの間と板状本体18bの一対の第2係合突起18e、18fの間とから突設されている。すなわち、搬送方向隙間形成部18iは、一対の第1係合突起18c、18dが係合する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hの間、および、一対の第2係合突起18e、18fが係合する一対の熱処理容器14C、14Dの角部14hの間に、それぞれ挟まれるように、板状本体18bの一対の第1係合突起18c、18dの間と板状本体18bの一対の第2係合突起18e、18fの間とから突設されている。このため、連結具18が図1に示すように熱処理容器14A、14B、14C、14Dの角部14hに組み付けられると、スペーサ突起18gの搬送方向隙間形成部18iが搬送方向F1に隣接する熱処理容器14A、14Bの角部14hの間と搬送方向F1に隣接する熱処理容器14C、14Dの角部14hの間とにそれぞれ介在されて、熱処理容器14Aの前壁14bと熱処理容器14Bの後壁14cとの間と熱処理容器14Cの後壁14cと熱処理容器14Dの前壁14bとの間とに隙間すなわち搬送方向隙間S1が形成される。
【0025】
側方方向隙間形成部18jは、図1図3図4に示すように、一対の熱処理容器14A、14Dの角部14hの間、および、一対の熱処理容器14B、14Cの角部14hの間に、それぞれ挟まれるように、板状本体18bの第1係合突起18cと第2係合突起18fとの間と板状本体18bの第1係合突起18dと第2係合突起18eとの間とから突設されている。すなわち、側方方向隙間形成部18jは、第1係合突起18cと第2係合突起18fとが係合する一対の熱処理容器14A、14Dの角部14hの間、および、第1係合突起18dと第2係合突起18eとが係合する一対の熱処理容器14B、14Cの角部14hの間に、それぞれ挟まれるように、板状本体18bの第1係合突起18cと第2係合突起18fとの間と板状本体18bの第1係合突起18dと第2係合突起18eとの間とから突設されている。このため、連結具18が図1に示すように熱処理容器14A、14B、14C、14Dの角部14hに組み付けられると、スペーサ突起18gの側方方向隙間形成部18jが直交方向F2に隣接する熱処理容器14A、14Dの角部14hの間と直交方向F2に隣接する熱処理容器14B、14Cの角部14hの間とにそれぞれ介在されて、熱処理容器14Aの左壁14eと熱処理容器14Dの右壁14dとの間と熱処理容器14Bの左壁14eと熱処理容器14Cの右壁14dとの間とに隙間すなわち側方方向隙間S2が形成される。
【0026】
以上のように構成された熱処理炉12では、連結具18によって連結された4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dのうちの熱処理容器が蛇行しようとすると、熱処理容器14A、14B、14C、14Dに形成された角部14hが一対の第1係合突起18c、18dや一対の第2係合突起18e、18fに係合して熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の移動が規制される。また、4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間にスペーサ突起18gが挟まれることによって、4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の接近が規制されて、4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1および側方方向隙間S2が形成された状態で連結具18によって連結された4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dが熱処理炉12内で搬送される。なお、4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に隙間すなわち搬送方向隙間S1および側方方向隙間S2を形成させることによって、隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dとの間の温度差により発生する熱衝撃を好適に緩和することができると共に、隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14D同士のくっつきを好適に抑制することができる。
【0027】
上述のように、本実施例の熱処理容器14A、14B、14C、14Dの連結具18によれば、熱処理容器14A、14B、14C、14Dよりも小さい板状本体18bと、板状本体18bから突設され、熱処理容器14A、14Bに形成された角部14hと係合する一対の第1係合突起18c、18dと、板状本体18bから突設され、熱処理容器14C、14Dに形成された角部14hと係合する一対の第2係合突起18e、18fと、一対の第1係合突起18c、18dが係合する熱処理容器14A、14Bの間と一対の第2係合突起18e、18fが係合する熱処理容器14C、14Dの間とに挟まれるように、板状本体18bの一対の第1係合突起18c、18dの間と板状本体18bの一対の第2係合突起18e、18fの間とから突設されたスペーサ突起18gと、を含む。このため、熱処理容器14A、14B、14C、14Dが蛇行しようとすると、熱処理容器14A、14B、14C、14Dに形成された角部14hが一対の第1係合突起18c、18dや一対の第2係合突起18e、18fに係合して熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の移動が規制されるので、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの蛇行を抑制することができる。また、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間にスペーサ突起18gが挟まれることによって、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の接近が規制されて、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1および側方方向隙間S2が形成された状態で熱処理容器14A、14B、14C、14Dが熱処理炉12内で搬送されるので、熱処理後の熱処理容器14A、14B、14C、14Dの分離が容易であり熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0028】
また、本実施例の熱処理容器14A、14B、14C、14Dの連結具18によれば、一対の第1係合突起18c、18dと一対の第2係合突起18e、18fは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hと係合する一対と、搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dの角部14hと係合する一対とで、合計4つの係合突起であり、スペーサ突起18gは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの間、および搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dの間に、それぞれ挟まれるように、板状本体18bの前記4つの係合突起の間から突設されている。このため、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bと、搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dと、の合計4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の移動が規制されるので、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの蛇行を、一つの連結具18によって、好適に抑制することができる。
【0029】
また、本実施例の熱処理容器14A、14B、14C、14Dの連結具18によれば、スペーサ突起18gは、搬送方向F1に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に介在して搬送方向隙間S1を形成する搬送方向隙間形成部18iと、搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に介在して側方方向隙間S2を形成する側方方向隙間形成部18jとを有している。このため、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bと、搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Bと、の合計4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の接近が規制されるので、搬送方向F1に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1が形成され且つ搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に側方方向隙間S2が形成された状態で搬送することができる。
【0030】
また、本実施例の熱処理容器14A、14B、14C、14Dの連結具18によれば、搬送方向隙間形成部18iは、搬送方向F1に直交する直交方向F2に長手状であり、側方方向隙間形成部18jは、搬送方向F1に長手状であり、スペーサ突起18gは、搬送方向隙間形成部18iと側方方向隙間形成部18jとが直交した突起である。このため、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bと、搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する一対の熱処理容器14C、14Dと、の合計4つの熱処理容器14A、14B、14C、14Dの相互の接近が規制されるので、搬送方向F1に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1が形成され且つ搬送方向F1に直交する直交方向F2に隣接する熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に側方方向隙間S2が形成された状態で搬送することができる。
【0031】
次に、本発明の他の実施例を説明する。尚、以下の説明において実施例相互に共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【実施例0032】
図5は、本発明の他の実施例の熱処理炉100の概略構成を説明する斜視図である。本実施例の熱処理炉100は、図5に示すように、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bを搬送方向F1に搬送する点と、一対の熱処理容器14A、14Bを一対の第1連結具(連結具)102および第2連結具(連結具)104によって連結している点と、で相違しており、その他は、実施例1の熱処理炉12と略同じである。なお、一対の第1連結具102および第2連結具104は、実施例1の連結具18と同様の耐熱性無機材料の焼結体から構成されている。
【0033】
図5乃至図7に示すように、第1連結具102は、板状本体102aと、一対の係合突起102b、102cと、スペーサ突起102dと、を一体に含んでいる。また、第2連結具104は、板状本体104aと、一対の係合突起104b、104cと、スペーサ突起104dと、を一体に含んでいる。なお、第1連結具102と第2連結具104とは同じ形状に形成されている。また、図6は、図5に示された一対の第1連結具102および第2連結具104の一方の連結具を拡大した拡大図である。また、図7は、図6の連結具を矢印B方向から見た図である。
【0034】
板状本体102aと板状本体104aとは、それぞれ、熱処理容器14A、14Bの底壁14aよりも大きさが小さい例えば長方形状の板状部材である。一対の係合突起102b、102cは、図5乃至図7に示すように、板状本体102aの2つの角部102eから角柱状に突設され、熱処理容器14Bに形成された角部14hと熱処理容器14Aに形成された角部14hとに係合する2つの係合突起である。なお、係合突起102bは、熱処理容器14Bに形成された後壁14cと右壁14dとの間の角部14hと係合し、係合突起102cは、熱処理容器14Aに形成された前壁14bと右壁14dとの間の角部14hと係合する。一対の係合突起104b、104cは、図5乃至図7に示すように、板状本体104aの2つの角部104eから角柱状に突設され、熱処理容器14Aに形成された角部14hと熱処理容器14Bに形成された角部14hとに係合する2つの係合突起である。なお、係合突起104bは、熱処理容器14Aに形成された前壁14bと左壁14eとの間の角部14hと係合し、係合突起104cは、熱処理容器14Bに形成された後壁14cと左壁14eとの間の角部14hと係合する。
【0035】
スペーサ突起102dは、図5乃至図7に示すように、搬送方向F1に直交する直交方向F2に角柱状に伸びる長手状の突起である。スペーサ突起102dは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hの間に挟まれるように、すなわち熱処理容器14Aに形成された前壁14bと右壁14dとの間の角部14hと熱処理容器14Bに形成された後壁14cと右壁14dとの間の角部14hとの間に挟まれるように、板状本体102aの一対(2つ)の係合突起102b、102cの間から突設されている。
【0036】
スペーサ突起104dは、図5乃至図7に示すように、搬送方向F1に直交する直交方向F2に角柱状に伸びる長手状の突起である。スペーサ突起104dは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hの間に挟まれるように、すなわち熱処理容器14Aに形成された前壁14bと左壁14eとの間の角部14hと熱処理容器14Bに形成された後壁14cと左壁14eとの間の角部14hとの間に挟まれるように、板状本体104aの一対(2つ)の係合突起104b、104cの間から突設されている。このため、一対の第1連結具102および第2連結具104が図5に示すように熱処理容器14A、14Bの角部14hに組み付けられると、スペーサ突起102dとスペーサ突起104dとが搬送方向F1に隣接する熱処理容器14A、14Bの角部14hとの間に介在されて、熱処理容器14Aの前壁14bと熱処理容器14Bの後壁14cとの間に隙間S3が形成される。
【0037】
以上のように構成された熱処理炉100では、一対の第1連結具102および第2連結具104によって連結された一対の熱処理容器14A、14Bが蛇行しようとすると、熱処理容器14Aに形成された角部14hと熱処理容器14Bに形成された角部14hとが第1連結具102の一対の係合突起102b、102cや第2連結具104の一対の係合突起104b、104cに係合して一対の熱処理容器14A、14Bの相互の移動が規制される。また、一対の熱処理容器14A、14Bの間にスペーサ突起102d、104dが挟まれることによって、一対の熱処理容器14A、14Bの相互の接近が抑制されて、一対の熱処理容器14A、14Bの間に隙間S3が形成された状態で一対の第1連結具102および第2連結具104によって連結された一対の熱処理容器14A、14Bが熱処理炉100内で搬送される。
【0038】
上述のように、本実施例の熱処理容器14A、14Bの第1連結具102によれば、一対の係合突起102b、102cは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hと係合する2つの係合突起であり、スペーサ突起102dは、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの間に挟まれるように、板状本体102aの前記2つの係合突起の間から突設されている。このため、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの相互の移動が規制されるので、それら縦列する熱処理容器14A、14Bの蛇行を抑制しつつ、搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bを搬送方向F1に隣接する一対の熱処理容器14A、14Bの間に隙間S3が形成された状態で搬送することができる。
【実施例0039】
図8は、本発明の他の実施例の熱処理炉に設けられた連結具110の構成を説明する斜視図である。本実施例の熱処理炉は、連結具110の形状が実施例1の連結具18の形状と異なっている点で相違しており、その他は、実施例1の熱処理炉12と略同じである。なお、連結具110は、実施例1の連結具18と同様の耐熱性無機材料の焼結体から構成されている。
【0040】
連結具110は、図8および図9に示すように、板状本体110aと、一対の第1係合突起(係合突起)110b、110cと、一対の第2係合突起(係合突起)110d、110eと、スペーサ突起110fと、を一体に含んでいる。なお、板状本体110aは、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの底壁14aよりも大きさが小さい例えば正方形状の板状部材である。また、一対の第1係合突起110b、110cは、実施例1の一対の第1係合突起18c、18dと同様の機能を有しており、一対の第1係合突起110b、110cは、板状本体110aの2つの角部110gから断面が円弧状に突設され、熱処理容器14Aに形成された角部14hと熱処理容器14Bに形成された角部14hとに係合する。また、一対の第2係合突起110d、110eは、実施例1の一対の第2係合突起18e、18fと同様の機能を有しており、一対の第2係合突起110d、110eは、板状本体110aの2つの角部110gから断面が円弧状に突設され、熱処理容器14Cに形成された角部14hと熱処理容器14Dに形成された角部14hとに係合する。また、スペーサ突起110fは、実施例1のスペーサ突起18gと同様の機能を有しており、スペーサ突起110fは、一対の第1係合突起110b、110cが係合する熱処理容器14A、14Bの角部14hの間と一対の第2係合突起110d、110eが係合する熱処理容器14C、14Dの角部14hの間とに挟まれるように、板状本体110aの一対の第1係合突起110b、110cの間や板状本体110aの一対の第2係合突起110d、110eの間から突設されている。なお、図9は、図8の連結具110を矢印C方向から見た図である。
【実施例0041】
図10は、本発明の他の実施例の熱処理炉に設けられた熱処理容器114の構成を説明する斜視図である。本実施例の熱処理炉は、熱処理容器114の形状が実施例1の熱処理容器14の形状と異なっている点で相違しており、その他は、実施例1の熱処理炉12と略同じである。熱処理容器114は、図1および図10に示すように、実施例1の熱処理容器14から4つの角部14hを除いて前壁14b、後壁14c、右壁14d、左壁14eが取り除かれた形状となっている。
【0042】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0043】
例えば、前述の実施例1の連結具18では、一対の第1係合突起18c、18dおよび一対の第2係合突起18e、18fがそれぞれ角柱状に突設されていたが、例えば、一対の第1係合突起18c、18dおよび一対の第2係合突起18e、18fをそれぞれ円柱状に突設させても良い。すなわち、一対の熱処理容器14A、14Bの角部14hや一対の熱処理容器14C、14Dの角部14hに係合することができるのであれば、一対の第1係合突起18c、18dや一対の第2係合突起18e、18fの形状はどのような形状であっても良い。また、スペーサ突起18gの搬送方向隙間形成部18iや側方方向隙間形成部18jは、それぞれ角柱状に伸びる突起であったが、例えば、搬送方向隙間形成部18iや側方方向隙間形成部18jをそれぞれ円柱状に伸びる突起にしても良い。すなわち、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1や側方方向隙間S2を形成させることができるのであれば、搬送方向隙間形成部18iや側方方向隙間形成部18jの形状はどのような形状であっても良い。
【0044】
また、前述の実施例1の連結具18のスペーサ突起18gは、搬送方向隙間形成部18iと側方方向隙間形成部18jとをそれぞれ有していたが、例えば、スペーサ突起18gは、搬送方向隙間形成部18iと側方方向隙間形成部18jとの一方を有しているだけでも良い。すなわち、熱処理容器14A、14B、14C、14Dの間に搬送方向隙間S1と側方方向隙間S2との一方の隙間が形成されることによって、熱処理炉12内の雰囲気の循環が悪化することを抑制できる。
【0045】
また、前述の実施例2では、一対の熱処理容器14A、14Bが一対の第1連結具102および第2連結具104によって連結されていたが、例えば一対の第1連結具102および第2連結具104の一方の連結具だけで一対の熱処理容器14A、14Bを連結しても良い。
【0046】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0047】
10:被処理材料
12、100:熱処理炉
14、14A、14B、14C、14D、114:熱処理容器
14b:前壁(側壁)
14c:後壁(側壁)
14d:右壁(側壁)
14e:左壁(側壁)
14h:角部
16:搬送ローラ
18、110:連結具
18b、110a:板状本体
18c、18d、110b、110c:第1係合突起(係合突起)
18e、18f、110d、110e:第2係合突起(係合突起)
18g、110f:スペーサ突起
18i:搬送方向隙間形成部
18j:側方方向隙間形成部
102:第1連結具(連結具)
102a:板状本体
102b、102c:係合突起
102d:スペーサ突起
104:第2連結具(連結具)
104a:板状本体
104b、104c:係合突起
104d:スペーサ突起
F1:搬送方向
F2:直交方向(方向)
S1:搬送方向隙間(隙間)
S2:側方方向隙間(隙間)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
【手続補正書】
【提出日】2021-04-19
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上において、被処理材料を載置した状態で搬送方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器のうち、前記搬送方向に隣接する熱処理容器を相互に、又は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器および前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器を相互に連結するための熱処理容器の連結具であって、
前記熱処理容器よりも小さい板状本体と、
前記板状本体から突設され、前記熱処理容器に形成された側壁の角部と係合する少なくとも一対の係合突起と、
前記少なくとも一対の係合突起が係合する前記熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記少なくとも一対の係合突起の間から突設されたスペーサ突起と、を含む
ことを特徴とする熱処理容器の連結具。
【請求項2】
前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する一対とで、合計4つの係合突起であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間、および前記搬送方向に直交する方向に隣接する一対の熱処理容器の間に、それぞれ挟まれるように、前記板状本体の前記4つの係合突起の間から突設されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器の連結具。
【請求項3】
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する搬送方向隙間形成部と、前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器の間に介在して隙間を形成する側方方向隙間形成部とを有している
ことを特徴とする請求項2の熱処理容器の連結具。
【請求項4】
前記搬送方向隙間形成部は、前記搬送方向に直交する方向に長手状であり、
前記側方方向隙間形成部は、前記搬送方向に長手状であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向隙間形成部と前記側方方向隙間形成部とが直交した突起である
ことを特徴とする請求項3の熱処理容器の連結具。
【請求項5】
前記少なくとも一対の係合突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の側壁の角部と係合する2つの係合突起であり、
前記スペーサ突起は、前記搬送方向に隣接する一対の熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記2つの係合突起の間から突設されている
ことを特徴とする請求項1の熱処理容器の連結具。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
第1発明の要旨とするところは、(a)熱処理炉内に並列に配置され且つ回転駆動される複数本の搬送ローラ上において、被処理材料を載置した状態で搬送方向に搬送される矩形箱状の熱処理容器のうち、前記搬送方向に隣接する熱処理容器を相互に、又は、前記搬送方向に隣接する熱処理容器および前記搬送方向に直交する方向に隣接する熱処理容器を相互に連結するための熱処理容器の連結具であって、(b)前記熱処理容器よりも小さい板状本体と、(c)前記板状本体から突設され、前記熱処理容器に形成された側壁の角部と係合する少なくとも一対の係合突起と、(d)前記少なくとも一対の係合突起が係合する前記熱処理容器の間に挟まれるように、前記板状本体の前記少なくとも一対の係合突起の間から突設されたスペーサ突起と、を含むことにある。