(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053434
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】折畳傘の中棒
(51)【国際特許分類】
A45B 9/02 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
A45B9/02 B
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020195686
(22)【出願日】2020-11-26
(31)【優先権主張番号】202022116410.6
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】512120683
【氏名又は名称】王 淇謀
(74)【代理人】
【識別番号】100124039
【弁理士】
【氏名又は名称】立花 顕治
(74)【代理人】
【識別番号】100176337
【弁理士】
【氏名又は名称】杉本 弘樹
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100210251
【弁理士】
【氏名又は名称】大古場 ゆう子
(72)【発明者】
【氏名】王 淇謀
(57)【要約】
【課題】使い勝手がよい折畳傘の中棒を提供する
【解決手段】第1の係止部36は、外管3及び第1の内管4の間に且つ外管31の頂端部31a側に外管31の内環面32aから径方向Rに突き出るように設けられている。第1の係止手段5は、長手方向Lに対して横向きに第1の内管4内に装着されている。第2の係止部46は、第1の内管4及び第2の内管6の間に且つ第1の内管4の第1の上端部41a側に設けられている。第2の係止手段7は、長手方向Lに対して横向きに第2の内管6内に装着されている。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
折畳傘に適用される中棒であって、自身の中央軸線に沿う方向である長手方向に沿って延伸する外管と前記長手方向に沿って延伸する第1の内管と前記外管及び前記第1の内管の間に設けられた第1の係止手段とを備え、前記中棒が前記長手方向に沿って伸縮するように、前記外管に対して前記第1の内管を前記外管と同軸に前記長手方向に上下移動可能に入れ子状に組み合わせ、前記第1の係止手段によって、前記第1の内管が前記外管に収容された状態である第1の折畳状態の前記中棒を所定の長さに引き伸ばした状態である第1の伸長状態に保持可能に構成され、
前記外管は、前記中央軸線を取り囲む収容空間が形成されており、前記長手方向に沿って上下相反する頂端部と底端部と、前記収容空間側の内環面と、前記第1の係止手段が係入して定位されるように前記外管及び前記第1の内管の間に配置された第1の係止部とを有し、
前記第1の係止部は、前記収容空間に突き出るように前記外管の前記頂端部側に設けられ、
前記第1の内管は、前記中央軸線を取り囲んで前記外管の前記内環面と対向する第1の外周面と、前記外管に収容されると共に前記外管の前記底端部と接触して係止される第1の当接端面とを有し、
前記第1の係止手段は、常に前記中央軸線に対する径方向に伸長復元する付勢力を与えるように前記第1の内管内に装着されている第1の付勢部材と、前記第1の付勢部材によって常に前記第1の内管の前記第1の外周面から露出するように前記第1の付勢部材の少なくとも一端側に設けられた少なくとも1つの第1の係止部材とを有し、
前記中棒は、前記第1の内管が前記外管に対して前記長手方向の下向きに移動されることによって、前記第1の内管の前記第1の当接端面が前記外管の前記底端部に接触されて係止される前記第1の折畳状態と、前記第1の内管が前記外管に対して前記長手方向の上向きに移動されることによって、前記第1の内管の前記第1の当接端面が前記外管の前記底端部から離れると共に前記第1の付勢部材の伸長付勢によって前記第1の係止部材が前記第1の外周面から露出して前記第1の係止部に係止される前記第1の伸長状態とに切り替えられるように構成されていることを特徴とする折畳傘の中棒。
【請求項2】
前記第1の係止部は、
前記第1の伸長状態から前記第1の折畳状態に切り替わる際に前記第1の内管が前記長手方向に沿って下向きに移動されると前記第1の係止手段が接触するように形成された第1の下側面と、
前記第1の伸長状態になるように前記第1の内管が前記長手方向に沿って上向きに移動されると前記第1の係止手段が接触するように形成された第1の上側面と、
前記第1の伸長状態になるように前記第1の内管が前記長手方向に沿って上向きに移動されると前記第1の内管が係止されて定位される第1の係止端面とを有することを特徴とする請求項1に記載の折畳傘の中棒。
【請求項3】
前記第1の付勢部材は、前記長手方向に対して横向きに前記第1の内管内に装着されており、前記第1の折畳状態において常に圧縮された状態で伸長復元する付勢力を有するように伸縮可能であることを特徴とする請求項2に記載の折畳傘の中棒。
【請求項4】
前記第1の内管は更に、前記第1の付勢部材が装着されるように前記長手方向に対して横向きに延伸する第1の横孔が形成され、
前記第1の下側面と前記第1の上側面とにより、前記中央軸線を取り囲むように設けられて前記第1の係止部材の少なくとも一部を受け入れることができる第1の環状溝が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載の折畳傘の中棒。
【請求項5】
前記外管は更に、前記第1の折畳状態において前記第1の内管が連結保持されるように前記底端部に設けられた保持部を有し、
前記保持部は、互いに所定の角間隔をおいて前記長手方向に沿ってリブ状に延伸する2つの第1の保持ブロックが設けられ、2つの前記第1の保持ブロックの間に前記長手方向に沿って延伸する2つの第1の溝部が形成され、
前記第1の内管は更に、前記保持部と連結して支持されるように前記第1の当接端面の下側に突き出て形成された第1の連結部とを有し、
前記第1の連結部は、前記第1の溝部において回動可能に収容されるように、前記収容空間側に突き出ると共に前記長手方向に沿って延伸する第1の係止ブロックが設けられていることを特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載の折畳傘の中棒。
【請求項6】
前記中棒は更に、前記長手方向に沿って延伸する第2の内管と前記第1の内管及び前記第2の内管の間に設けられた第2の係止手段とを備え、前記中棒が更に前記長手方向に沿って伸縮するように、前記第1の内管に対して前記第2の内管を前記第1の内管と同軸に前記長手方向に上下移動可能に入れ子状に組み合わせ、前記第2の係止手段によって、前記第2の内管が前記第1の内管に収容された状態である第2の折畳状態の前記中棒を前記第1の伸長状態に伸長された長さよりも長く引き伸ばした状態である第2の伸長状態に保持可能に構成され、
前記第1の内管は更に、その内に前記中央軸線を取り囲む第1の保持空間が形成されており、前記長手方向に沿って上下相反する第1の上端部と第1の下端部と、前記第1の外周面の反対面であって前記第1の保持空間側の第1の内周面と、前記第2の係止手段が係入して定位されるように前記第1の内管及び前記第2の内管の間に配置された第2の係止部とを有し、
前記第2の係止部は、前記第1の保持空間に突き出るように前記第1の内管の前記第1の上端部側に設けられ、
前記第2の内管は、前記第1の内管に収容されるように前記中央軸線を取り囲んで前記第1の内管の第1の内周面と対向する第2の外周面と、前記第1の内管に収容されると共に前記第1の内管の前記第1の下端部と接触して係止される第2の当接端面とを有し、
前記第2の係止手段は、常に前記径方向に伸長復元する付勢力を与えるように前記第2の内管内に装着されている第2の付勢部材と、前記第2の付勢部材によって常に前記第2の内管の前記第2の外周面から露出するように前記第2の付勢部材の少なくとも一端側に設けられた少なくとも1つの第2の係止部材とを有し、
前記中棒は、前記第2の内管が前記第1の内管に対して前記長手方向の下向きに移動されることによって、前記第2の内管の前記第2の当接端面が前記第1の内管の前記第1の下端部に接触されて係止される前記第2の折畳状態と、前記第2の内管が前記第1の内管に対して前記長手方向の上向きに移動されることによって、前記第2の内管の前記第2の当接端面が前記第1の内管の前記第1の下端部から離れると共に前記第2の付勢部材の伸長付勢によって前記第2の係止部材が前記第2の外周面から露出して前記第2の係止部に係止される前記第2の伸長状態とに切り替えられるように構成されることを特徴とする請求項1~5の何れか1項の折畳傘の中棒。
【請求項7】
前記第2の係止部は、
前記第2の伸長状態から前記第2の折畳状態に切り替わる際に前記第2の内管が前記長手方向に沿って下向きに移動されると前記第2の係止手段が接触するように形成された第2の下側面と、
前記第2の伸長状態になるように前記第2の内管が前記長手方向に沿って上向きに移動されると前記第2の係止手段が接触するように形成された第2の上側面と、
前記第2の伸長状態になるように前記第2の内管が前記長手方向に沿って上向きに移動されると前記第2の内管が係止されて定位される第2の係止端面とを有することを特徴とする請求項6に記載の折畳傘の中棒。
【請求項8】
前記第2の付勢部材は、前記長手方向に対して横向きに前記第2の内管内に装着されており、前記第2の折畳状態において常に圧縮された状態で伸長復元する付勢力を有するように伸縮可能であることを特徴とする請求項7に記載の折畳傘の中棒。
【請求項9】
前記第2の内管は更に、前記第2の付勢部材が装着されるように前記長手方向に対して横向きに延伸する第2の横孔が形成され、
前記第2の下側面と前記第2の上側面とにより、前記中央軸線を取り囲むように設けられて前記第2の係止部材の少なくとも一部を受け入れることができる第2の環状溝が形成されていることを特徴とする請求項7又は8に記載の折畳傘の中棒。
【請求項10】
前記第1の内管は更に、前記第2の折畳状態において前記第2の内管が連結保持されるように形成された第2の連結部を有し、
前記第2の連結部は、互いに所定の角間隔をおいて前記長手方向に沿ってリブ状に延伸する2つの第2の保持ブロックが設けられ、2つの前記第2の保持ブロックの間に前記長手方向に沿って延伸する2つの第2の溝部が形成され、
前記第2の内管は更に、前記第2の連結部と連結支持されるように前記第2の当接端面の下側に突き出て形成された第3の連結部とを有し、
前記第3の連結部は、前記第2の溝部に回動可能に収容されるように、前記第1の保持空間側に突き出ると共に前記長手方向に沿って延伸する第2の係止ブロックが設けられていることを特徴とする請求項6~9の何れか1項に記載の折畳傘の中棒。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘の中棒に関し、特に、折畳傘の中棒に関する。
【背景技術】
【0002】
図1と
図2は、従来使われている傘の伸縮調節アセンブリの一例を示している。この傘の伸縮調節アセンブリ2は、折畳傘の中棒1に適用される。中棒1は、上支え管11と、上支え管11を収納するように中空状になった下支え管12とから入れ子状に折り畳み可能に構成されている。伸縮調節アセンブリ2は、上支え管11を貫通させるように配置されたベース21と、上支え管11を貫通させてベース21に固定するように配置されたロックナット22と、ベース21に配置されたクランプ手段23とを備えている。ベース21は、クランプ手段23を通す外側開口211が設けられている。下支え管12は、外側開口211に対応して内側開口122が設けられている。クランプ手段23は、外側開口211と内側開口122とを通過するように配置されたパッド231と、パッド231に連結されるようにベース21に取り付けられたレバー232とを有する。
【0003】
上支え管11は、下支え管12に対してロックナット22を通して摺動できる可動状態と、位置決めされて固定される不動状態とに切り替えられるように構成されている。上支え管11が可動状態である場合には、ロックナット22を回してベース21に定位することによって、上支え管11が下支え管12に入り込む長さを調整することができる。また、上支え管11が不動状態である場合には、例えばユーザーが指でレバー232を押し込むことにより、パッド231が外側開口211と内側開口122を通り過ぎて上支え管11の外環面に押し付けられると、中棒1の長さを保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】台湾登録実用新案第M470554号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
レバー232を操作してパッド231を外側開口211と内側開口122を通過させて上支え管11の外環面に押し付ける際、ユーザーがうっかりしていると自分の指が挟まれてけがをしたり、誤って他の物が挟まれたりする恐れがある。
【0006】
そして、中棒の折り畳み構成は、一般的に大径パイプと小径パイプとからなる入れ子管構成であるので、傘の開閉の際、パイプ同士が相対的に回動しやすい。そのため、傘を折り畳む作業に差し支える問題点がある。また、開傘の際、パイプ同士が相対的に回動してしまうことによって小径パイプの係止部材と大径パイプの係止孔との位置が合わなくなり係着されることができなくなるので、中棒の引き伸ばし、折り畳みが難しくなって使い勝手が良くない問題点もある。パイプ同士の相対的な回動を防ぐため、非円形形状の複数のパイプを入れ子状にする構成を用いて、従来の円形パイプ同士の相対回動によりもたらされる問題点を解消する手段もあるが、非円形パイプの製造は円形パイプの製造よりも手間や時間がかかりコストが増加する上、非円形加工によりパイプの構造強度が低下する恐れもある。そのため、折畳傘の中棒にはなおも改良の余地がある。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、製造に掛かる手間やコストを抑えることができ、簡単に折り畳めると共に使い勝手がよい折畳傘の中棒を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、以下の中棒を提供する。
即ち、折畳傘に適用される中棒であって、自身の中央軸線に沿う方向である長手方向に沿って延伸する外管と前記長手方向に沿って延伸する第1の内管と前記外管及び前記第1の内管の間に設けられた第1の係止手段とを備え、前記中棒が前記長手方向に沿って伸縮するように、前記外管に対して前記第1の内管を前記外管と同軸に前記長手方向に上下移動可能に入れ子状に組み合わせ、前記第1の係止手段によって、前記第1の内管が前記外管に収容された状態である第1の折畳状態の前記中棒を所定の長さに引き伸ばした状態である第1の伸長状態に保持可能に構成され、
前記外管は、前記中央軸線を取り囲む収容空間が形成されており、前記長手方向に沿って上下相反する頂端部と底端部と、前記収容空間側の内環面と、前記第1の係止手段が係入して定位されるように前記外管及び前記第1の内管の間に配置された第1の係止部とを有し、
前記第1の係止部は、前記収容空間に突き出るように前記外管の前記頂端部側に設けられ、
前記第1の内管は、前記外管に収容されるように前記中央軸線を取り囲んで前記外管の前記内環面と対向する第1の外周面と、前記外管に収容されると共に前記外管の前記底端部と接触して係止される第1の当接端面とを有し、
前記第1の係止手段は、常に前記中央軸線に対する径方向に伸長復元する付勢力を与えるように前記第1の内管内に装着されている第1の付勢部材と、前記第1の付勢部材によって常に前記第1の内管の前記第1の外周面から露出するように前記第1の付勢部材の少なくとも一端側に設けられた少なくとも1つの第1の係止部材とを有し、
前記中棒は、前記第1の内管が前記外管に対して前記長手方向の下向きに移動されることによって、前記第1の内管の前記第1の当接端面が前記外管の前記底端部に接触されて係止される前記第1の折畳状態と、前記第1の内管が前記外管に対して前記長手方向の上向きに移動されることによって、前記第1の内管の前記第1の当接端面が前記外管の前記底端部から離れると共に前記第1の付勢部材の伸長付勢によって前記第1の係止部材が前記第1の外周面から露出して前記第1の係止部に係止される前記第1の伸長状態とに切り替えられるように構成されていることを特徴とする折畳傘の中棒を提供する。
【発明の効果】
【0009】
上記構成による本発明に係る折畳傘の中棒は、第1の折畳状態の時、第1の係止手段が外管内に収容され、第1の伸長状態の時、第1の係止手段の少なくとも1つの第1の係止部材が第1の付勢部材による弾性付勢によって第1の内管の第1の外周面から出て第1の係止部に突き当たって係止される。従って、ユーザーは傘を開閉する際、外から第1の係止部材、第1の係止部に触れる必要がない。従って、中棒10を第1の伸長状態から第1の折畳状態に、又は第1の折畳状態から第1の伸長状態に切り替えるとき、例えばユーザが誤って指を挟み怪我をしたりする問題点を解消することができる。
【0010】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照する以下の実施形態の詳細な説明において明白になるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来使われている折畳傘の中棒の一例の構成を概略的に示す斜視図である。
【0012】
【
図2】
図1の中棒に用いられた伸縮調節アセンブリを概略的に示す分解斜視図である。
【0013】
【
図3】本発明に係る折畳傘の中棒の実施例の折畳状態を示す斜視図である。
【0014】
【0015】
【
図5】実施例に係る中棒の伸長状態を示す斜視図である。
【0016】
【
図6】外管に対する第1の内管の伸長状態を示す縦断面図である。
【0017】
【
図7】第1の内管に対する第2の内管の伸長状態を示す縦断面図である。
【0018】
【
図8】
図4の線VIII-VIIIの横断面図である。
【0019】
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態の一例に係る傘の中棒について説明する。
【0021】
図3と
図4を参照すると、本実施例に係る傘の中棒10は、長手方向Lに沿って伸縮するように、少なくとも自身の中央軸線Oに沿う方向である長手方向Lに沿って延伸する外管3と、外管3よりも径小の、長手方向Lに沿って延伸する第1の内管4とを備え、外管3に対して第1の内管4を外管3と同軸に長手方向Lに上下移動可能に入れ子状に組み合わしてなっている。入れ子状に組み立てられた中棒10は、外管3及び第1の内管4の間に設けられた第1の係止手段5によって、第1の内管4が外管3に収容された状態である第1の折畳状態の中棒10を所定の長さに引き伸ばした状態である第1の伸長状態に保持可能に構成される。
【0022】
また、この実施例に係る中棒10は更に長手方向Lに沿って伸縮するように、第1の内管4よりも径小の、長手方向Lに沿って延伸する第2の内管6を第1の内管4に対して第1の内管4と同軸に長手方向Lに上下移動可能に入れ子状に組み合わしてなる。入れ子状に組み立てられた中棒10は、第1の内管4及び第2の内管6の間に設けられた第2の係止手段7によって、第2の内管6が第1の内管4に収容された状態である第2の折畳状態の中棒10を所定の長さに引き伸ばした状態である第2の伸長状態に保持可能に構成される。
【0023】
外管3は、中央軸線Oを取り囲んで第1の内管4と第2の内管6とを収容可能な収容空間30が形成されており、長手方向Lに沿って相反する頂端部31a及び底端部31bと、収容空間30に対して相反する内環面32a及び外環面32bと(
図6参照)、第1の折畳状態において第1の内管4が保持されるように底端部31bに設けられた保持部35と、第1の係止手段5が係入して定位されるように頂端部31aに形成された第1の係止部36とを有する。なお、保持部35及び第1の係止部36は軽量化のために独立した中空状の筒状部材を用いて内環面32aに接するように一体状に構成されてもよい。
【0024】
保持部35は、第1の内管4を支えるために所定の肉厚を有し、長手方向Lに沿って外管3の頂端部31a側に延伸する中空状の上側保持部35aと、上側保持部35aより径大であるように内環面32aから中央軸線Oに対する径方向R(本実施例では即ち長手方向Lに直交する方向。
図4参照)に突き出るように延伸する中空状の下側保持部35bとを有し、上側保持部35a及び下側保持部35bの間は中央軸線Oを取り囲んで環状に形成された保持肩面35cが上側保持部35aの外周面と下側保持部35bの外周面との間を接続するように設けられている。
【0025】
上側保持部35aは、互いに所定の角間隔、具体的には、
図8に示されているように、その外周面の中央軸線Oに対して互いに180°離れた対向する2つの対極位置において突き出ると共にそれぞれ長手方向Lに沿ってリブ状に延伸する2つの第1の保持ブロック351が設けられている。2つの第1の保持ブロック351の間は長手方向Lに沿って延伸する2つの第1の溝部350が形成されている。
【0026】
第1の係止部36は、外管3及び第1の内管4の間に配置され、
図4に示されているように、外管31の頂端部31a側に外管31の内環面32aから径方向Rに突き出るように設けられている。
図6に示されているように、第1の係止部36は、第1の伸長状態から第1の折畳状態に切り替わる際に第1の内管4が長手方向Lに沿って下向きに移動されると、第1の係止手段5が接触するように形成された第1の下側面361と、第1の伸長状態になるように第1の内管4が長手方向Lに沿って上向きに移動される時に第1の係止手段5が接触するように形成された第1の上側面362と、第1の伸長状態になるように第1の内管4が長手方向Lに沿って上向きに移動される時に第1の内管4が係止されて定位される第1の係止端面363とを有する。第1の下側面361と第1の上側面362とにより、中央軸線Oを取り囲むように設けられて第1の係止手段5の後述する第1の係止部材52を受け入れることができる第1の環状溝360が形成される。
【0027】
第1の内管4は、中央軸線Oを取り囲んで外管3に収容されると共に第2の内管6を収容可能な第1の保持空間40が形成されており、長手方向Lに沿って相反する第1の上端部41aと第1の下端部41bと、第1の保持空間40に対して相反する第1の外周面42aと第1の内周面42bと、第1の下端部41b側の長手方向Lに対しての径方向Rに延伸すると共に第1の外周面42aと第1の内周面42bとを接続する第1の下端面42cと、第1の折畳状態(第1の内管4が外管3に収容された状態)において外管3の保持部35と当接して第1の内管4が保持される第1の当接端面43aと、第2の折畳状態(第2の内管6が第1の内管4に収容された状態)において第2の内管6が当接して保持される支持端面43bと、第1の下端部41bに形成された第1の支持部44と、第2の係止手段7が係入して定位されるように第1の内周面42bに形成された第2の係止部46(
図4参照)とを有する。なお、第1の支持部44は独立した柱状部材を用いて第1の内管4の第1の下端部41bと一体状に構成されてもよい。第2の係止部46は独立した筒状部材を用いて第1の内周面42bから突き出るように一体状に構成されてもよい。
【0028】
第1の支持部44は、
図6に示されているように、第1の伸長状態(第1の内管4が外管3に収容された状態である第1の折畳状態の中棒10を所定の長さに引き伸ばした状態)において第1の係止部36内に収容されるように長手方向Lにロッド状に延伸する第1の本体部441と、第1の本体部441より径大で収容空間30に収容されるように長手方向Lに下向きにロッド状に延伸する第1の下側支持部442と、第1の本体部441より径小で第1の保持空間40に収容されるように長手方向Lに上向きにロッド状に延伸する第1の上側支持部443とにより構成されている。
【0029】
第1の本体部441は、第1の係止手段5が装着されるように長手方向Lに対して横向きに延伸する第1の横孔49が形成されている。第1の横孔49は、第1の本体部441を貫通して設けられ、第1の伸長状態において第1の内管4が外管3に対して所定の角度だけ回転されると、第1の環状溝360に連通するようになるよう設けられている。
【0030】
第1の本体部441及び第1の上側支持部443の間は、第1の本体部441の外周面と第1の上側支持部443の外周面とを接続するように長手方向Lに対する径方向Rに延伸する第1の上肩面444が設けられ、第1の伸長状態では第1の内管4の第1の下端面42cが当接して係止されることができる。
【0031】
第1の本体部441及び第1の下側支持部442の間は、第1の本体部441の外周面と第1の下側支持部442の外周面とを接続するように長手方向Lに対して径方向Rに延伸する第1の下肩面445が設けられ、第1の伸長状態では第1の係止部36の第1の係止端面363が当接して係止されることができる。第1の当接端面43aは第1の下側支持部442の下端に形成され、支持端面43bは第1の上側支持部443の上端に形成されている。
【0032】
第1の内管4は更に、第1の下側支持部442の下側に形成された第1の連結部47と、第1の上側支持部443から径小且つ長手方向Lに沿って上向きにロッド状に延伸する第2の連結部48とを有する。第1の連結部47は、第1の当接端面43aの下側に中央軸線Oを取り囲む第1の連結空間470が形成されるように、第1の下側支持部442の下側即ち第1の当接端面43aの周縁から下向きに延伸するように環状に形成されている。なお、第1の連結部47は独立した筒状部材を用いて外管3の内環面32aに対向するように第1の下側支持部442と連続的に構成されてもよい。第2の連結部48もまた独立した柱状部材を用いて第1の上側支持部443と連続的に構成されてもよい。
【0033】
第1の連結部47は、
図6及び
図8に示されているように、第1の折畳状態において外管3が連結保持されるように、その第1の連結空間470側の内周面から突き出ると共に長手方向Lに沿ってリブ状に延伸する第1の係止ブロック471が設けられている。第1の係止ブロック471は、第1の内管4が外管3に対して下向きに移動して第1の折畳状態になる時、保持部35の上側保持部35aの2つの第1の溝部350に回動可能に収容される。第1の係止ブロック471の第1の溝部350に収容される下端部は長手方向Lに沿って下向きに先細の第1のテーパー部472が形成されている。第1の係止ブロック471は、第1の溝部350に収容されながら回動されると第1の保持ブロック351に突き当たって係止されるように構成される。
【0034】
この例では、第1の内管4が外管3に対して移動されて中棒10が折り畳まれる時、保持部35の上側保持部35aと第1の連結部47とが凹凸嵌合して連結可能になるよう構成されている。他例としては、保持部35に凹部を設け、第1の連結部47に凸部を設けてもよい。保持部35の上支持部35aと第1の連結部47とが凹凸嵌合して連結されると、第1の内管4が外管3に対して定位され、中棒10が第1の折畳状態になると共に、中央軸線Lの周りに所定の角度だけ相対回転することができるようになる。
【0035】
第2の連結部48は、第2の折畳状態(第2の内管6が第1の内管4に収容された状態)において第2の内管6が連結保持されるように、
図9に示されているように、その外周面の中央軸線Oに対して180°離れた対向する2つの対極位置に径方向に突き出ると共にそれぞれ長手方向Lに沿ってリブ状に延伸する2つの第2の保持ブロック481が設けられている。2つの第2の保持ブロック481の間には2つの第2の溝部480が形成されている。
【0036】
第2の係止部46は、第1の内管4及び第2の内管6の間に配置され、
図4に示されているように、第1の内管4の第1の上端部41a側に設けられている。
図7に示されているように、第2の係止部46は、第2の内管6が第1の内管4に収容されて中棒10が折り畳まれる際に第2の内管6の下側移動につれて第2の係止手段7が接触するように形成された第2の下側面461と、第2の伸長状態において第2の係止手段7が横向きに伸長されて長手方向Lに沿って上向きに移動不能に係止接触されるように形成された第2の上側面462と、第2の内管6が第1の内管4の第1の上端部41aに近付いて第2の伸長状態(中棒10を所定の長さに引き伸ばした状態)に保持するように第2の内管6が係止されて定位される第2の係止端面463とを有する。また、第2の下側面461と第2の上側面462とにより、中央軸線Oを取り囲むように設けられ第2の係止手段7の後述する第2の係止部材72を受け入れることができる第2の環状溝460が形成されている。
【0037】
第1の係止手段5は、
図6に示されているように、長手方向Lに対して横向きに第1の内管4内に装着され、第1の本体部441の第1の横孔49に装着されている第1の付勢部材51と、第1の付勢部材51の両端に連結された2つの第1の係止部材52とにより構成されている。第1の付勢部材51は、第1の折畳状態において常に圧縮された状態で伸長復元する付勢力を有するように伸縮可能に配置された弾性部材、例えばコイルばねを用いる。第1の係止部材52は例えばボールを用いる。第1の内管4が外管3に対して所定の角度だけ回動され、第1の横孔49が第1の環状溝360と連通すると、2つの第1の係止部材52は第1の付勢部材51の伸長付勢によって中央軸線Oに対して外向きに移動して少なくとも一部が第1の横孔49から第1の環状溝360に入り込み第1の係止部36に係止され、そして第1の上肩面444が第1の内管4の第1の下端面42cに当接・係止され、第1の下肩面445が第1の係止部36の第1の係止端面363に当接・係止される。これによって、中棒10は第1の伸長状態に保持される。
【0038】
なお、この例では、第1の係止部材52は2つのボールを用いているが、場合によって1つだけ用いてもよい。第1の横孔49は第1の本体部441を貫通するよう設けられているが、1つの第1の係止部材52が用いられた場合に応じて、第1の横孔49は、第1の本体部441を貫通せずにその一方の端部だけが開放状になるブラインド孔であってもよい。一方の端部だけが開放状になった第1の横孔49が用いられる場合、第1の付勢部材51の第1の係止部材52が取り付けられていない端部が第1の横孔49の他方の閉塞端部に固定される。
【0039】
第2の内管6は、中央軸線Oを取り囲んで第1の内管4に収容可能な第2の保持空間60が形成されており、長手方向Lに沿って相反する第2の上端部61aと第2の下端部61bと、第2の保持空間60に対して相反する第2の外周面62aと第2の内周面62bと、第2の下端部61b側の長手方向Lに対しての径方向Rに延伸すると共に第2の外周面62aと第2の内周面62bとを接続する第2の下端面62cと、第2の折畳状態(第2の内管6が第1の内管4に収容された状態)において第1の内管4が当接して保持される第2の当接端面63aと、第2の下端部61bに形成された第2の支持部64とを有する。なお、第2の支持部64は独立した柱状部材を用いて第2の内管6の第2の下端部61bと連続的に構成されてもよい。
【0040】
第2の支持部64は、
図7に示されているように、第2の伸長状態(中棒10を第2の折畳状態から所定の長さに引き伸ばした状態)において第2の係止部46内に収容されるように長手方向Lにロッド状に延伸する第2の本体部641と、第1の本体部641より径大で第1の保持空間40に収容されるように長手方向Lに下向きにロッド状に延伸する第2の下側支持部642と、第2の本体部641より径小で第2の保持空間60に収容されるように長手方向Lに上向きにロッド状に延伸する第2の上側支持部643とにより構成されている。
【0041】
第2の本体部641は、第2の係止手段7が装着されるように長手方向Lに対して横向きに延伸する第2の横孔69が形成されている。第2の横孔69は、第2の本体部641を貫通して設けられ、第2の伸長状態において第2の内管6が第1の内管4に対して所定の角度だけ回転されると、第2の環状溝460に連通するようになるよう設けられている。
【0042】
第2の本体部641及び第2の下側支持部642の間は、第2の本体部641の外周面と第2の下側支持部642の外周面とを接続するように長手方向Lに対して径方向に延伸する第2の下肩面645が設けられ、第2の伸長状態では第2の係止部46の第2の係止端面463が当接して係止されることができる。第2の当接端面63aは第2の下側支持部642の下端に形成されている。
【0043】
第2の内管6は更に、第2の下側支持部642の下側に形成された第3の連結部67を有する。第3の連結部67は、中央軸線Oを取り囲む第2の連結空間670が形成されるように、第2の下側支持部642の下側即ち第2の当接端面63aの周縁から下向きに延伸するように環状に形成されている。なお、第3の連結部67は独立した筒状部材を用いて第1の内管4の内周面42bに対向するように第2の下側支持部642と連続的に構成されてもよい。
【0044】
第3の連結部67は、
図7及び
図9に示されるように、その第2の連結空間670側の内周面から突き出ると共に長手方向Lに沿ってリブ状に延伸する第2の係止ブロック671が設けられている。第2の係止ブロック671は、第2の内管6が第1の内管4に対して下向きに移動して中棒10が第1の折畳状態になる時、第2の連結部48の2つの第2の溝部480に回動可能に収容される。第2の係止ブロック671の第2の溝部480に収容される下端部には長手方向Lに沿って下向きに先細の第2のテーパー部672が形成されている。第2の係止ブロック671は第2の溝部480に収容されながら回動されると第2の保持ブロック481に突き当たって係止されるように構成される。
【0045】
第2の係止手段7は、この例では第1の係止手段5と同様の部材で、
図7に示されているように、長手方向Lに対して横向きに第2の内管6内に装着され、第2の本体部641の第2の横孔69に装着されている第2の付勢部材71と、第2の付勢部材71の両端に連結された2つの第2の係止部材72とにより構成されている。第2の付勢部材71は、第2の折畳状態において常に圧縮された状態で伸長復元する付勢力を有するように伸縮可能に配置された弾性部材、例えばコイルばねを用いる。第2の係止部材72は例えばボールを用いる。第2の内管6が第1の内管4に対して所定の角度だけ回動され、第2の横孔69が第2の環状溝460に連通すると、2つの第2の係止部材72は第2の付勢部材71の伸長付勢によって中央軸線Oに対して外向きに移動されて第2の横孔69から少なくとも一部が第2の環状溝460に入り込み第2の係止部46に係止され、そして、第2の下肩面645が第2の係止部46の第2の係止端面463に当接・係止される。これによって、中棒10は第2の伸長状態に保持される。
【0046】
この例では、第2の内管6が第1の内管4に対して下向きに移動されて中棒10が折り畳まれる時、第2の連結部48と第3の連結部67とが凹凸嵌合可能に構成されている。他例としては、第2の連結部48に凹部を設け、第3の連結部67に凸部を設けてもよい。第2の連結部48と第3の連結部67とが凹凸嵌合して連結されると、第2の内管6が第1の内管4に対して定位され、中棒10が第2の折畳状態になると共に、中央軸線Lの周りに所定の角度だけ相対回転可能になる。
【0047】
上記のように構成されている中棒10による動作及び作用を以下に説明する。
【0048】
図3と
図4を参照すると、第1の内管4が外管3に収容されるように第1の内管4の第1の下端部41bが外管3の底端部31bに近づくと、保持部35の上側保持部35aが第1の連結部47内に嵌入される。この時、
図8に示されているように、第1の係止ブロック471が保持部35の第1の溝部350において回動され、第1の保持ブロック351によって係止される。これによって、中棒10は第1の内管4が外管3に収容される第1の折畳状態が保持される。
【0049】
図3と
図4と合わせて更に
図5と
図6を参照すると、第1の内管4を外管3に対して引き伸ばすと、第1の係止手段5が装着されている第1の内管4の第1の下端部41bが外管3の底端部31bから離れてその頂端部31aに近づき、第1の内管4の第1の上端部41aが外管3から露出するようになり、第1の横孔49が第1の環状溝360と連通すると、2つの第1の係止部材52が第1の付勢部材51の伸長付勢によって中央軸線Oに対して外向きに動かされながら、第1の横孔49から第1の環状溝360に移動されて第1の係止部36に係止される。そして、第1の上肩面444が第1の内管4の第1の下端面42cに当接・係止され、第1の下肩面445が第1の係止部36の第1の係止端面363に当接・係止されることによって、第1の内管4が外管3から上向きに移動して離脱しないように連結される。これによって、中棒10は第1の伸長状態に保持されるようになる。
【0050】
図3と
図4を再び参照すると、第2の内管6が第1の内管4に収容されるように第2の内管6の第2の下端部61bが第1の内管4の第1の下端部41bに近づくと、第3の連結部67内に第2の連結部48が嵌入される。この時、
図9に示されているように、第2の係止ブロック671が第2の連結部48の第2の溝部480において回動され、第2の保持ブロック481によって係止される。これによって、第2の内管6が第1の内管4に対して収容され中棒10は第2の折畳状態に保持される。
【0051】
図3と
図4と合わせて更に
図5と
図7を参照すると、第2の内管6を第1の内管4に対して引き伸ばすと、第2の係止手段7が収容されている第2の内管6の第2の上端部61aが第1の内管4の第1の下端部41bから離れて第1の上端部41aに近づき、第2の内管6の第2の上端部61aが第1の内管4から露出するようになり、第2の横孔69が第2の環状溝460に連通すると、2つの第2の係止部材72が第2の付勢部材71の伸長付勢によって中央軸線Oに対して外向きに動かされながら、第2の横孔69から第2の環状溝460に移動されて第2の係止部46に係止される。そして、第2の上肩面644が第2の内管6の第2の下端面62cに当接・係止され、第2の下肩面645が第2の係止部46の第2の係止端面463に当接・係止される。これによって、第2の内管6が第1の内管4から上向きに移動して離脱しないように連結され、中棒10は第2の伸長状態に保持できるようになる。
【0052】
また、第1の係止手段5の第1の係止部材52が第1の付勢部材51による伸長付勢によって第1の横孔49と連通された第1の環状溝360に移動され、外管3内の第1の係止部36に係止され、更に、第2の係止手段7の第2の係止部材72が第2の付勢部材71による伸長付勢によって第2の横孔69に連通された第2の環状溝460に移動され、第1の内管4の第2の係止部46に係止される。これによって、ユーザーは外から第1の係止部材52、第1の係止部36、又は第2の係止部材72、第2の係止部46に触れずに済む。従って、中棒10の伸長状態から折畳状態に、又は折畳状態から伸長状態に切り替えるとき、例えばユーザは誤って自分の指が挟まれて怪我をしたりする問題点を解消することができる。また、外管3、第1の内管4及び第2の内管6は丸管を用いることができるので、中棒の構造強度を保つことができ、傘布が不意に他の傘布や他の物に当たった時の衝撃による傘骨の変形問題を解消することができる。また、傘の開閉時には、外管3と第1の内管4とが、又は第1の内管4と第2の内管6とが軸線Oを中心として相対回転することができるので、傘布が不意に他の傘布や他の物に当たった時に回転することで、その衝撃を緩和することもできる。第1の環状溝360、第2の環状溝460に対して第1の係止手段5、第2の係止手段7が簡単に入り込んで回転することができるので、従来からの係止部材・係止孔の係着が難しい問題も解消することができ、使い勝手がよい。また、丸管を用いることにより、製造工程が増えることがないので、製造の手間や時間が掛からず、製造コストを極力抑えることができる。また、第1の連結部47(第3の連結部67)に保持部35(第2の連結部48)が嵌合されて、第1の係止ブロック471(第2の係止ブロック671)が第1の溝部350(第2の溝部480)において回動されると、第1の保持ブロック351(第2の保持ブロック481)に止められる。これによって、第1の内管4(第2の内管6)の外管3(第1の内管4)に対する回動が所定の角度に限定されることができ、従来の傘の回転によって開閉が難しくなるという問題点をも解消することができる。
【0053】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明に係る中棒は、例えば折畳傘の中棒として有用である。
【符号の説明】
【0055】
10 中棒
3 外管
30 収容空間
31a 頂端部
31b 底端部
32a 内環面
32b 外環面
35 保持部
35a 上側保持部
35b 下側保持部
35c 保持肩面
350 第1の溝部
351 第1の保持ブロック
36 第1の係止部
360 第1の環状溝
361 第1の下側面
362 第1の上側面
363 第1の係止端面
4 第1の内管
40 第1の保持空間
41a 第1の上端部
41b 第1の下端部
42a 第1の外周面
42b 第1の内周面
42c 第1の下端面
43a 第1の当接端面
43b 支持端面
44 第1の支持部
441 第1の本体部
442 第1の下側支持部
443 第1の上側支持部
444 第1の上肩面
445 第1の下肩面
46 第2の係止部
460 第2の環状溝
461 第2の下側面
462 第2の上側面
463 第2の係止端面
47 第1の連結部
470 第1の連結空間
471 第1の係止ブロック
472 第1のテーパー部
48 第2の連結部
49 第1の横孔
5 第1の係止手段
51 第1の付勢部材
52 第1の係止部材
6 第2の内管
60 第2の保持空間
61a 第2の上端部
61b 第2の下端部
61a 第2の上端部
61b 第2の下端部
62a 第2の外周面
62b 第2の内周面
62c 第2の下端面
63a 第2の当接端面
64 第2の支持部
641 第2の本体部
642 第2の下側支持部
643 第2の上側支持部
645 第2の下肩面
67 第3の連結部
670 第2の連結空間
671 第2の係止ブロック
672 第2のテーパー部
69 第2の横孔
7 第2の係止手段
71 第2の付勢部材
72 第2の係止部材
L 長手方向
O 中央軸線
R 径方向