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  • 特開-簡易設置型体温測定装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053458
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】簡易設置型体温測定装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 5/01 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
A61B5/01 100
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021065200
(22)【出願日】2021-04-07
(31)【優先権主張番号】P 2020159346
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】592239486
【氏名又は名称】ダイサン企画株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100073287
【弁理士】
【氏名又は名称】西山 聞一
(72)【発明者】
【氏名】片岡 直堂
【テーマコード(参考)】
4C117
【Fターム(参考)】
4C117XA05
4C117XB01
4C117XC01
4C117XD16
4C117XE48
4C117XE64
4C117XJ45
4C117XJ46
4C117XJ47
4C117XQ16
4C117XR02
(57)【要約】
【課題】手の消毒手段を、検温手段とは別途に講じる必要がある。
【解決手段】テーブル1に、ノズル2aから消毒液を射出可能な消毒手段2と、消毒時に対象者の体温を測定可能な位置に配置した温度センサー3と、該温度センサー3での異常検知時に作動する警報手段4とを配置することによって、手の消毒と同時に検温を実施可能にし、異常時に本人、周囲及び施設管理側(管理・保安部門、受付など)に認知させることが出来る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テーブルに、ノズルから消毒液を射出可能な消毒手段と、消毒時に対象者の顔や手の温度を測定可能な位置に配置した温度センサーと、該温度センサーでの異常検知時に作動する警報手段とを配置したことを特徴とする簡易設置型体温測定装置。
【請求項2】
前記温度センサーを前記消毒手段の前面に配置して、前記ノズルの下方に翳した手の温度を測定可能としたことを特徴とする請求項1記載の簡易設置型体温測定装置。
【請求項3】
前記消毒手段は前面上方に前方突出部位を有し、該前方突出部位の下部に前記ノズルを配し、前記温度センサーを前記前方突出部位の入口側側面に配置して、前記ノズルの下方に翳した手の温度を測定可能としたことを特徴とする請求項1記載の簡易設置型体温測定装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、手の消毒と同時に検温が可能な簡易設置型体温測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、コロナ禍において、工場や公共施設の入室時に、手の消毒及び検温が義務化されることが多くなってきている。
この場合、係員が簡易体温測定器により対象者一人に相対して検温することとなることから、これまでは不要であった人員を配置せねばならず、特に大人数が出入りする施設においては複数の係員が必要となり、更に消毒時及び検温時に対象者の滞留が発生して密状態が発生してしまうことから、これを解消するためには更に係員の人数を増やすしかなく、コスト増の問題が生じてしまう。
【0003】
又、人員増と密状態を緩和するために、例えば用途は異なるが、ゲートタイプの検温装置も見受けられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-201792号公報
【0005】
しかし、上記従来技術にあっては、あくまでも健康状態チェックの一環として検温を行うことが目的であるため、手の消毒手段を別途に講じなければならないなど、解決せねばならない課題があった。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記従来技術に基づく、手の消毒手段を、検温手段とは別途に講じる必要がある課題に鑑み、テーブルに、ノズルから消毒液を射出可能な消毒手段と、消毒時に対象者の体温を測定可能な位置に配置した温度センサーと、該温度センサーでの異常検知時に作動する警報手段とを配置することによって、手の消毒と同時に検温を実施可能にして、上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
要するに本発明は、テーブルに、ノズルから消毒液を射出可能な消毒手段と、消毒時に対象者の体温を測定可能な位置に配置した温度センサーと、該温度センサーでの異常検知時に作動する警報手段とを配置したので、常勤であった施設管理側(管理・保安、受付担当者など)で対応可能とすることが出来るため、消毒及び検温従事者を不要にすることが出来、而も消毒作業時に検温を行うことが出来ることから、大勢の対象者を滞りなく通過させることが出来、必要に応じて複数台設置することも出来るため、消毒及び検温待機時の密状態の発生を可能な限り抑止することが出来る。
【0008】
前記温度センサーを前記消毒手段の前面に配置したり、前記消毒手段は前面上方に前方突出部位を有し、該前方突出部位の下部に前記ノズルを配し、前記温度センサーを前記前方突出部位の入口側側面に配置して、前記ノズルの下方に翳した手の温度を測定可能としたので、手の消毒及び検温を同時に行うことが出来るため、対象者側の負担軽減を図ることが出来、装置自体のコンパクト化を図ることが出来る等その実用的効果甚だ大である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明に係る簡易設置型体温測定装置の実施例1の正面図である。
図2図1の側面図である。
図3図1の平面図である。
図4】本発明に係る簡易設置型体温測定装置の実施例2の平面図である。
図5】ストッパーの揺動方向を縦方向とした簡易設置型体温測定装置の側面図である。
図6】本発明に係る簡易設置型体温測定装置による処理工程を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る簡易設置型体温測定装置にあっては、基本的に、テーブル1に消毒手段2、温度センサー3及び警報手段4が配置されている。
【0011】
消毒手段2は、対象者による操作によりノズル2aから消毒液を射出させるか、或いは対象者が手を翳しただけで適量の消毒液が自動的にノズル2aから射出する様になっている。
【0012】
温度センサー3は、非接触型で、消毒時に対象者の顔や手で体温を測定可能な位置に配置している。
尚、対象者の身長差に伴い、顔での検温が難しいことも有り得ることから、消毒時にある程度測定位置が確定する手の検温を行う方が好ましい。
【0013】
警報手段4は、温度センサー3による測定値に以上があった場合に、周囲及び施設管理側(管理・保安部門、受付など)に聴覚・視覚で認知させる様になっている。
【実施例0014】
図1~3は、本発明に係る簡易設置型体温測定装置の正面図、側面図、平面図であり、本発明に係る簡易設置型体温測定装置の実施例1は、テーブル1、消毒手段2、温度センサー3及び警報手段4を有しており、消毒手段2及び温度センサー3はテーブル1の仕切板5の後方に配置している。
【0015】
温度センサー3は、仕切板5の前面における消毒手段2の仕切板5の前面より突出状態のノズル2aの後方位置に配置して、該ノズル2aの下方に翳した手の温度を瞬時に測定可能としている。
【0016】
警報手段4は、テーブル1(又は施設管理側施設)に配置した、通常時と異常時とで表示(例えば、背景色を通常時「青」で異常時に「赤」)が変更可能な測定値表示モニター6や、仕切板5(又は施設管理側施設)に設置した警告ブザー7とし、警報手段4の解除ボタン8をテーブル1、具体的には仕切板5の上面両端の2箇所に配置している。
【0017】
テーブル1の仕切板5の後方に制御ボックス9を配置し、該制御ボックス9は、温度センサー3からのデータを数値化し測定値表示モニター6に出力して数値表示したり、数値化した体温が設定値以上であった場合に警報手段4を作動させたり、解除ボタン8からの入力信号により警報手段4を解除することを可能としている。
【0018】
テーブル1における入口側の端部に入口側人感センサ10を、出口側の端部に出口側人感センサ11を配置している。
【0019】
テーブル1の出口側に通路の自動遮断器12を配置し、該自動遮断器12は異常時に、制御ボックス9からの指令により自動的に通路を遮断して通過不能とし、解除ボタン8入力後に初期位置に復帰させて通行可能とする様に成っている。
【0020】
そして、入口側人感センサ10で対象者の通過を確認し、消毒手段2の前で立ち止まって消毒作業を行っている最中に、温度センサー3で対象者の検温を行い、測定値表示モニター6に体温を表示し、正常値の場合、警報手段4は作動せず、異常値の場合、測定値表示モニター6の背景色が変わり、警告ブザー7が鳴り、自動遮断器12で通路を遮断し、施設管理側が解除ボタン8を入力するまでこの状態が維持される。
【実施例0021】
図4は、本発明に係る簡易設置型体温測定装置の実施例2の平面図であり、実施例1と同様に、テーブル1、消毒手段2、温度センサー3及び警報手段4を有しており、テーブル1に仕切板5はないが、測定値表示モニター6、制御ボックス9、入口側人感センサ1、出口側人感センサ11、ストッパー12を具備している。
【0022】
消毒手段2は、対象者が手を翳しただけで適量の消毒液が自動的にノズル2aから射出する形式のもので、作動信号を制御ボックス9に送信する様に成っている。
具体的には、前面上方の前方突出部位の下部にノズル2aを配している。
【0023】
温度センサー3は、消毒手段2の前面に配置したり、消毒手段2の前方突出部位の入口側側面に配置して(図4の一点鎖線で表した部分)、ノズル2aの下方に翳した手の温度を瞬時に測定可能としている。
【0024】
警報手段4は、テーブル1の後方に配置した回転灯13と、施設管理側施設Aに設置した、聴覚・視覚で認知させる警報装置14とし、回転灯13は警告音も発出可能で、警報手段4の解除ボタン8を回転灯13の横に配置している。
【0025】
テーブル1上に制御ボックス9を配置し、該制御ボックス9は、温度センサー3からのデータを数値化し測定値表示モニター6に出力して数値表示したり、数値化した体温が設定値以上であった場合及び消毒手段2からの作動信号が未送信なのに出口側人感センサ1で検知した場合に警報手段4を作動させたり、解除ボタン8からの入力信号により警報手段4を解除することを可能としている。
【0026】
自動遮断器12は、通路を遮断するストッパー15と、該ストッパー15の開閉部16で構成され、該開閉部16はテーブル1上に配置され、異常時に開閉部16により初期位置のストッパー15を遮断位置まで揺動させて通路を遮断し、平常時に開閉部16によりストッパー15を初期位置に保持する機能を有している。
【0027】
ストッパー15の揺動方向にあっては、図4に示す様な横方向であったり、図5に示す様な縦方向であっても良い。
【0028】
尚、図5に示す様に、回転灯13及び解除ボタン8を自動遮断器12の開閉部16上に配置して、テーブル1の奥行きを狭くし省スペース化を図っても良い。
【0029】
次に、本発明に係る簡易設置型体温測定装置の作用について、〔正常時〕、〔体温異常時〕、〔消毒手段2の不使用時〕の3パターンに分けて説明する(図6参照)。
【0030】
〔正常時〕
(1)入口側人感センサ10で対象者の通過を確認し検知信号を制御ボックス9に送信する。
(2)消毒手段2の前で立ち止まりノズル2aの下方に翳した手に消毒液を射出し作動信号を制御ボックス9に送信する。
(3)同時に温度センサー3での対象者の手の温度の測定データを制御ボックス9に送信し該制御ボックス9で算定された体温を測定値表示モニター6に体温を表示する。
(4)出口側人感センサ11で対象者の通過を確認し検知信号を制御ボックス9に送信して、次の対象者に備える。
【0031】
〔体温異常時〕
(1)入口側人感センサ10で対象者の通過を確認し検知信号を制御ボックス9に送信する。
(2)消毒手段2の前で立ち止まりノズル2aの下方に翳した手に消毒液を射出し作動信号を制御ボックス9に送信する。
(3)同時に温度センサー3での対象者の手の温度の測定データを制御ボックス9に送信し該制御ボックス9で算定された体温を測定値表示モニター6に体温を表示する。
(4)体温異常検知により、施設管理側施設Aの警報装置14が作動し、テーブル1上の回転灯13が回り警報音が発出される。
(5)自動遮断器12のストッパー15が揺動して通路を遮断して対象者の入室を一旦不可とする。
(6)施設管理側が解除ボタン8を入力しその入力信号が制御ボックス9へ送信され警報手段4を止める。
(7)施設管理側の対象者への事後処理が完了した後、ストッパー15を初期位置に戻して、次の対象者に備える。
【0032】
〔消毒手段2の不使用時〕
(1)入口側人感センサ10で対象者の通過を確認し検知信号を制御ボックス9に送信する。
(2)出口側人感センサ11で対象者の通過を確認し検知信号を制御ボックス9に送信する。
(3)消毒手段2の作動信号が制御ボックス9に未入力であることから、施設管理側施設Aの警報装置14が作動し、テーブル1上の回転灯13が回り警報音が発出される。
(4)自動遮断器12のストッパー15が揺動して通路を遮断して対象者の入室を一旦不可とする。
(5)施設管理側が解除ボタン8を入力しその入力信号が制御ボックス9へ送信され警報手段4を止める。
(6)施設管理側の対象者への事後処理が完了した後、ストッパー15を初期位置に戻して、次の対象者に備える。
【符号の説明】
【0033】
1 テーブル
2 消毒手段
2a ノズル
3 温度センサー
4 警報手段

図1
図2
図3
図4
図5
図6