(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053482
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】人力によって稼動される車両ホイールの操向角度調節装置
(51)【国際特許分類】
B60B 33/00 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
B60B33/00 502Z
B60B33/00 V
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114448
(22)【出願日】2021-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2020-0123964
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】518002365
【氏名又は名称】オルビットエヌ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001885
【氏名又は名称】特許業務法人IPRコンサルタント
(72)【発明者】
【氏名】チャ,キョン アエ
(57)【要約】
【課題】人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置を提供する。
【解決手段】人力で稼動される車両用ホイール操向角度調節装置は、円筒外周面形態の回転支持部が具備された固定本体と、固定本体の下方に配され、固定本体に回転自在に設けられた回転本体と、回転支持部に結合された状態で、回転支持部に対して回転不可能であり、回転支持部の長手方向にスライディング移動自在に設けられた昇降部材と、昇降部材に結合されたロッキングスイッチと、を含み、回転支持部の外周面に凹状に形成され、回転支持部の長手方向に沿い、一定間隔を置いて配された複数の固定溝部と、ロッキングスイッチから突設され、固定溝部に分離可能に結合される固定突起と、昇降部材の下部に形成される回転範囲制限ストッパと、回転本体の上面に凹状に形成され、回転本体の回転方向に沿い、延長された回転ガイド溝部と、を具備する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒外周面形態の回転支持部が具備された固定本体と、
前記固定本体の下方に配され、前記固定本体に回転自在に設けられた回転本体と、
前記回転支持部に結合された状態で、前記回転支持部に対して回転不可能であり、前記回転支持部の長手方向にスライディング移動自在に設けられた昇降部材と、
前記昇降部材に結合されたロッキングスイッチと、を含み、
前記回転支持部の外周面に凹状に形成され、前記回転支持部の長手方向に沿い、一定間隔を置いて配された複数の固定溝部と、
前記ロッキングスイッチから突設され、前記固定溝部に分離可能に結合される固定突起と、
前記昇降部材の下部に形成される回転範囲制限ストッパと、
前記回転本体の上面に凹状に形成され、前記回転本体の回転方向に沿い、延長された回転ガイド溝部と、を具備し、
前記回転ガイド溝部端部に、前記回転範囲制限ストッパが掛かることにより、前記回転本体が前記固定本体に対して回転することができる角度が制限されるように構成されたこと、
を特徴とする人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置。
【請求項2】
前記回転ガイド溝部は、深さが互いに異なる多段溝部によって構成され、前記回転ガイド溝部を構成するそれぞれの多段溝部のうちいずれか1つの溝部端部に、前記回転範囲制限ストッパが掛かることにより、前記回転本体が前記固定本体に対して回転することができる角度が制限されるように構成されたこと、
を特徴とする請求項1に記載の人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置。
【請求項3】
前記ロッキングスイッチは、前記昇降部材に具備されたヒンジ軸を基準に、トング構造で作動するように構成されたこと、
を特徴とする請求項1に記載の人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置。
【請求項4】
前記固定溝部と干渉されない位置に配され、前記回転支持部の外周面に凹状に形成され、前記回転支持部の長手方向に沿い、延長されたスライド溝部と、
前記昇降部材から突設され、前記スライド溝部に収容された状態に配されたスライドレールと、を含むこと、
を特徴とする請求項1に記載の人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置。
【請求項5】
前記昇降部材は、前記ロッキングスイッチの取っ手を保護し、前記昇降部材の昇降時、外力を加えることができる昇降取っ手を含むこと、
を特徴とする請求項2に記載の人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホイール操向角度調節装置に係り、さらに具体的には、人力によって稼動される車両ホイールの操向角度を調節することができる装置に関する。
【背景技術】
【0002】
人類が車輪(ホイール)を使用して品物を運搬した歴史は、紀元前から始まった。エンジンやモータによって稼動されず、人力によって稼動される車両は、現在においても汎用されている。そのように、人力によって稼動される車両の代表的な例としては、歩行補助車、乳母車、手動カート、自転車などである。人力によって稼動される車両には、一般的に、複数のホイールが具備される。複数のホイールのうち一部のホイールは、進行方向を変更することができるように、ホイールの操向角度が変更されうるように設けられる。
【0003】
一般的に、歩行補助車や乳母車は、前輪の操向角度が変更されうるように構成される。ホイールの操向角度を変更することができる構造は、ホイールの回転軸を支持するフォーク(fork)が車体に対して回転するように構成される。そのようなホイール操向が可能な乳母車の一例が、大韓民国登録実用新案第20-0437094号に開示されている。ところで、従来のホイール操向装置は、操向角度を制限することができず、360°以上回転が可能であるので、挙動が自由ではない高齢者や患者が使用する場合、予期しない方向に車両が進んでしまう危険性がある。特に、身体機能が退化された高齢者や患者などが主に使用する歩行補助車のホイール操向角度は、特定された範囲内に調節される必要性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】001 KR20-0437094 Y1(2007.10.26.)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述のような問題点を解消するために案出されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、人力によって稼動される車両に採用されうるホイール操向角度調節装置であり、ユーザが容易にホイールの操向角度範囲を選択的に調節することができるホイール操向角度調節装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために、本発明による、人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置は、円筒外周面形態の回転支持部が具備された固定本体と、
前記固定本体の下方に配され、前記固定本体に回転自在に設けられた回転本体と、
前記回転支持部に結合された状態で、前記回転支持部に対して回転不可能であり、前記回転支持部の長手方向にスライディング移動自在に設けられた昇降部材と、
前記昇降部材に結合されたロッキングスイッチと、を含み、
前記回転支持部の外周面に凹状に形成され、前記回転支持部の長手方向に沿って一定間隔を置いて配された複数の固定溝部と、
前記ロッキングスイッチから突設され、前記固定溝部に分離可能に結合される固定突起と、
前記昇降部材の下部に形成される回転範囲制限ストッパと、
前記回転本体の上面に凹状に形成され、前記回転本体の回転方向に沿って延長された回転ガイド溝部と、を具備し、
前記回転ガイド溝部端部に、前記回転範囲制限ストッパが掛かることにより、前記回転本体が前記固定本体に対して回転することができる角度が制限されるように構成された点に特徴がある。
【0007】
前記回転ガイド溝部は、深さが互いに異なる多段溝部によって構成され、前記回転ガイド溝部を構成するそれぞれの多段溝部のうちいずれか1つの溝部端部に、前記回転範囲制限ストッパが掛かることにより、前記回転本体が前記固定本体に対して回転することができる角度が制限されるように構成されたことが望ましい。
【0008】
前記ロッキングスイッチは、前記昇降部材に具備されたヒンジ軸を基準に、トング構造で作動するように構成されたことが望ましい。
【0009】
前記固定溝部と干渉されない位置に配され、前記回転支持部の外周面に凹状に形成され、前記回転支持部の長手方向に沿って延長されたスライド溝部と、
前記昇降部材から突設され、前記スライド溝部に収容された状態に配されたスライドレールと、を含むことが望ましい。
【0010】
前記昇降部材は、前記ロッキングスイッチの取っ手を保護し、前記昇降部材の昇降時、外力を加えることができる昇降取っ手を含むことが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明による、人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置は、トング構造のロッキングスイッチに外力を加え、昇降部材の位置を変更させることにより、回転本体が固定本体に対して回転することができる角度範囲を選択的に制限するように構成することにより、人力によって稼動される歩行補助車、乳母車、手動カートのような車両に設けられ、ユーザの安全を保護し、便宜性を向上させる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明によるホイール操向角度調節装置が採用された歩行補助車を示す図面である。
【
図2】
図1に図示された本発明によるホイール操向角度調節装置を拡大して示す図面である。
【
図3】
図2に図示されたホイール操向角度調節装置の分離斜視図である。
【
図4】
図2に図示されたIV-IV線断面図である。
【
図6】
図2に図示されたVI-VI線断面図であり、回転本体が90°範囲で回転可能な状態を示す図面である。
【
図7】
図6に対応する図面であり、回転本体が固定本体に固定されて回転することができない状態を示す図面である。
【
図8】
図2に図示されたVIII-VIII線断面図であり、回転本体が固定本体に対し、360°以上回転することができる状態を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明による望ましい実施例について、添付図面を参照してさらに詳細に説明する。
【0014】
図1は、本発明によるホイール操向角度調節装置が採用された歩行補助車を示す図面である。
図2は、
図1に図示された本発明によるホイール操向角度調節装置を拡大して示す図面である。
図3は、
図2に図示されたホイール操向角度調節装置の分離斜視図である。
図4は、
図2に図示されたIV-IV線断面図である。
図5は、
図2に図示されたV-V線断面図である。
図6は、
図2に図示されたVI-VI線断面図であり、回転本体が90°範囲で回転可能な状態を示す図面である。
図7は、
図6に対応する図面であり、回転本体が固定本体に固定されて回転することができない状態を示す図面である。
図8は、
図2に図示されたVIII-VIII線断面図であり、回転本体が固定本体に対し、360°以上回転することができる状態を示す図面である。
【0015】
図1ないし
図8を参照すれば、本発明の望ましい実施形態による、人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置10(以下、「ホイール操向角度調節装置」とする)は、固定本体20と、回転本体30と、昇降部材40と、ロッキングスイッチ50と、を含む。
【0016】
前記固定本体20は、円筒外周面形態の回転支持部22が具備される。前記固定本体20は、例えば、合成樹脂素材を射出成形しても製造される。一方、前記固定本体20は、3Dプリンティング方式によっても製造される。前記固定本体20は、車体200に結合されうる車体結合部21を具備することができる。前記車体結合部21は、パイプ形態に構成され、ボルトやスクリュのような固定手段により、車体200に堅固に固定されうる。
【0017】
前記回転支持部22の外周面には、固定溝部24とスライド溝部26とが具備される。
前記固定溝部24は、前記回転支持部22の外周面に凹状に形成される。前記固定溝部24は、複数具備される。本実施形態において、前記固定溝部24は、3対が具備される。前記固定溝部24は、前記回転支持部22の長手方向に沿って一定間隔を置いて配される。本実施形態において、前記固定溝部24は、後述する回転本体30の回転角度を360°以上、90°以下、0°(固定)範囲で制限する機能を遂行することができる。
【0018】
前記スライド溝部26は、前記回転支持部22の外周面に凹状に形成される。前記スライド溝部26は、前記固定溝部24と干渉されない位置に配される。本実施形態において、前記スライド溝部26は、前記回転支持部22を周囲方向に沿い、前記固定溝部24と90°ほど離隔された位置に配される。前記スライド溝部26は、前記回転支持部22の長手方向に沿って延長される。
【0019】
前記回転本体30は、前記固定本体20の下方に配される。前記回転本体30は、前記固定本体20に回転自在に設けられる。例えば、前記回転本体30は、前記固定本体20にボールベアリングを媒介に回転自在にも設けられる。前記回転本体30は、ホイール100と連結される。本実施形態において、前記回転本体30は、ホイール100の回転軸を支持するフォーク(fork)構造物である。前記回転本体30は、ホイール100と連結される他の形態の構造物が採用されてもよい。
【0020】
前記回転本体30は、回転ガイド溝部32を具備する。
前記回転ガイド溝部32は、前記回転本体30の上面に凹状に形成される。前記回転ガイド溝部32は、前記回転本体30の回転方向に沿い、環形の一部形態に延長される。前記回転ガイド溝部32は、深さが互いに異なる複数の多段溝部によっても構成される。前記回転ガイド溝部32を構成する複数の多段溝部のうちいずれか1つの溝部端部は、後述する回転範囲制限ストッパ44が掛かることにより、前記回転本体30の回転角度範囲が制限される。複数の多段溝部のうち、深さがさらに深い溝部の長さは、深さがさらに浅い溝部の長さよりも短く形成される。本実施形態において、前記回転ガイド溝部32の深さは、2段に構成される。2段の多段溝部のうち浅い溝部は、前記回転本体30が前記固定本体20に対し、90°範囲内で回転が可能になるように許容する。一方、2段の多段溝部のうち深い溝部は、前記回転本体30が前記固定本体20に対して固定されることにより、前記回転本体30の回転を完全に禁止させる。すなわち、前記回転ガイド溝部32のうち、深い溝部に回転範囲制限ストッパ44が収容された場合、前進または後進だけ可能な状態になる。前記回転ガイド溝部32は、必要により、3個以上の深さにも構成される。
【0021】
前記昇降部材40は、前記固定本体20と前記回転本体30との連結を調節する部材である。前記昇降部材40は、前記回転支持部22に結合された状態で設けられる。前記昇降部材40は、前記回転支持部22に結合された状態で、前記回転支持部22に対し、回転が不可能に設けられる。前記昇降部材40は、前記回転支持部22の長手方向にスライディング移動自在に設けられる。
【0022】
前記昇降部材40は、スライドレール42を具備する。前記スライドレール42は、前記昇降部材40の内周面において、前記スライド溝部26に向けて突設される。前記スライドレール42は、前記スライド溝部26に収容された状態に配される。本実施形態において、前記スライドレール42は、1対が具備される。前記スライドレール42は、前述のスライド溝部26と対応する構造物であり、前記スライド溝部26と同じであるか、あるいは少ない個数にも形成される。
【0023】
前記昇降部材40は、後述するロッキングスイッチ50が設けられるように、側面一部が開放された構造を形成する。
【0024】
前記昇降部材40には、後述するロッキングスイッチ50が設けられるように、ヒンジ軸45が設けられる。前記ヒンジ軸45は、前記昇降部材40に具備された昇降取っ手46の上面と下面との間に設けられる。前記昇降取っ手46は、後述するロッキングスイッチ50の取っ手を保護するように、上下面と前方面とが閉鎖され、両側面が開放された構造に形成される。前記昇降取っ手46は、前記昇降部材40の昇降時、ユーザが指で外力を加えやすく具備された構造物でもある。
【0025】
前記昇降部材40の下部には、回転範囲制限ストッパ44が具備される。前記回転範囲制限ストッパ44は、前述の回転ガイド溝部32に選択的に結合される。前記昇降部材40が前記固定本体20に対して昇降することにより、前記回転範囲制限ストッパ44が前記回転ガイド溝部32と結合され、前記回転範囲制限ストッパ44が前記回転ガイド溝部32と完全に分離することもできる。前記回転範囲制限ストッパ44が前記回転ガイド溝部32と完全に分離した状態で上昇した場合、前記回転本体30は、前記固定本体20に対し、360°以上回転が可能な状態になる。一方、前記回転範囲制限ストッパ44が前記回転ガイド溝部32の2段溝部のうち、相対的に深い溝部に結合された場合、前記回転本体30は、前記固定本体20に対して回転することができない状態になる。一方、前記回転範囲制限ストッパ44が前記回転ガイド溝部32の2段溝部のうち、相対的に低い溝部に結合された場合、前記回転本体30は、前記固定本体20に対して一定範囲区間でのみ回転することができる状態になる。その場合、本実施形態においては、前記回転本体30が前記固定本体20に対し、90°以内の範囲で回転が可能な状態になる。
【0026】
前記ロッキングスイッチ50は、前記昇降部材40に設けられる。前記ロッキングスイッチ50は、前記固定溝部24に分離可能に結合される。さらに具体的には、前記ロッキングスイッチ50は、前記昇降部材40に具備されたヒンジ軸45を基準に、トング構造で作動する部材によっても構成される。前記ロッキングスイッチ50は、前記昇降部材40の昇降いかんを決定する構造物である。前記ロッキングスイッチ50は、前記ヒンジ軸45を基準に、一側部は、前記回転支持部22を取り囲むスイッチ本体52を形成し、他側部は、取っ手を形成する。前記ロッキングスイッチ50は、対称となる1対の本体と、取っ手とが、前記ヒンジ軸45を中心に対称的に配されることにより、トング形態の構造を形成する。前記ロッキングスイッチ50の取っ手に外力を加えれば、前記スイッチ本体52が、前記固定本体20から遠くなる。前記ロッキングスイッチ50の取っ手から外力を除去すれば、前記スイッチ本体52が前記固定本体20と近くなるように弾性復元力が作用する。
【0027】
前記ロッキングスイッチ50は、固定突起54を具備する。前記固定突起54は、前記スイッチ本体52の内周面から、前記固定溝部24に向けて突出された突出部である。前記固定突起54が前記固定溝部24に結合されれば、前記昇降部材40が前記固定本体20に対して上下方向にスライディング移動が不可能である。前記固定突起54が、事前に特定された位置に形成された前記固定溝部24と結合されることにより、前記昇降部材40の位置が決定される。前記昇降部材40の位置が異なることにより、前記回転本体30が前記固定本体20に対して回転することができる角度範囲が異なる。すなわち、前記固定突起54が、事前に特定された位置に具備された固定溝部24と結合することにより、前述の回転範囲制限ストッパ44と回転ガイド溝部32との結合位置が決定される。さらに具体的には、前記回転ガイド溝部32は、深さが互いに異なる多段溝部によって構成され、前記回転ガイド溝部32を構成するそれぞれの多段溝部のうちいずれか1つの溝部端部に、前記回転範囲制限ストッパ44が掛かることにより、前記回転本体30が、前記固定本体20に対して回転することができる角度が制限される。
【0028】
以下においては、前述のような構成要素を含むホイール操向角度調節装置10が採用された歩行補助車を使用する場合を例として挙げ、本発明の作用効果について詳細に説明する。
【0029】
図1に図示されているように、本発明によるホイール操向角度調節装置10が採用された歩行補助車を使用するとき、ホイール100の操向角度を調節する過程について説明する。
【0030】
図1を参照すれば、本発明によるホイール操向角度調節装置10を構成する固定本体20は、車体200に固定されている。そして、回転本体30は、ホイール100の回転軸を支持するフォーク構造物でもって構成される。4個のホイール100のうち、前輪にだけ前記ホイール操向角度調節装置10が設けられる。ここで、ユーザは、前記ロッキングスイッチ50に指で外力を加え、固定突起54が固定溝部24から分離するようにする。その状態で外力を加えたまま、昇降取っ手46を持ち上げ、
図8に図示されているように、回転範囲制限ストッパ44が回転ガイド溝部32から完全に分離するようにする。この状態において、ロッキングスイッチ50に加えられた外力を除去すれば、固定突起54が固定溝部24に結合され、昇降部材40の位置が固定される。この状態は、
図8に図示されているように、回転制限ストッパ44が回転ガイド溝部32と完全に分離した状態であるので、回転本体30が固定本体20に対し、角度範囲なしに自由に回転することができるので、ホイール100の操向角度は、360°以上である状態になる。
【0031】
ここで、ユーザが、前記ロッキングスイッチ50に指で外力を加え、固定突起54が固定溝部24から分離するようにする。その状態で外力を加えたまま、昇降取っ手46を押し出し、回転範囲制限ストッパ44が回転ガイド溝部32のうち、深さが低い溝部に結合されるようにする。この状態で、ロッキングスイッチ50に加えられた外力を除去すれば、固定突起54が固定溝部24に結合され、昇降部材40の位置が固定される。この状態では、
図6に図示されているように、回転本体30が固定本体20に対し、90°範囲内で回転することができる。これにより、ホイール100が必要以上に回転されることを制限することができる。
【0032】
ここで、ユーザが前記ロッキングスイッチ50に指で外力を加え、固定突起54が固定溝部24から分離するようにする。その状態で外力を加えたまま昇降取っ手46をさらに押し出し、回転範囲制限ストッパ44が回転ガイド溝部32のうち、深さが深い溝部に結合されるようにする。この状態でロッキングスイッチ50に加えられた外力を除去すれば、固定突起54が固定溝部24に結合され、昇降部材40の位置が固定される。この状態では、
図7に図示されているように、回転本体30が固定本体20に対して回転することができない。これにより、ホイール100は、前進または後進だけが可能な状態になる。
【0033】
前述のように、本発明による、人力によって稼動される車両用ホイール操向角度調節装置は、トング構造のロッキングスイッチに外力を加え、昇降部材の位置を変更させることにより、回転本体が固定本体に対して回転することができる角度範囲を選択的に制限するように構成することにより、人力によって稼動される歩行補助車、乳母車、手動カートのような車両に設けられ、ユーザの安全を保護し、便宜性を向上させる効果を提供する。
【0034】
一方、本実施形態と異なり、昇降部材に具備された回転範囲制限ストッパと、回転本体に具備された回転ガイド溝部は、互いに反対構造にも構成される。例えば、回転範囲制限ストッパが回転本体に具備され、回転ガイド溝部が昇降部材に具備されるように構成することができる。
【0035】
以上、本発明について、望ましい実施形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想内において、当分野で当業者により、さまざまな多くの変形が可能であるということは、明白であろう。
【符号の説明】
【0036】
10 ホイール操向角度調節装置
20 固定本体
21 車体結合部
22 回転支持部
24 固定溝部
26 スライド溝部
30 回転本体
32 回転ガイド溝部
40 昇降部材
42 スライドレール
44 回転範囲制限ストッパ
45 ヒンジ軸
46 昇降取っ手
50 ロッキングスイッチ
52 スイッチ本体
54 固定突起
100 ホイール
200 車体