IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 誠屏科技股▲ふん▼有限公司の特許一覧

<>
  • 特開-光源モジュール 図1
  • 特開-光源モジュール 図2A
  • 特開-光源モジュール 図2B
  • 特開-光源モジュール 図3
  • 特開-光源モジュール 図4
  • 特開-光源モジュール 図5
  • 特開-光源モジュール 図6
  • 特開-光源モジュール 図7
  • 特開-光源モジュール 図8
  • 特開-光源モジュール 図9
  • 特開-光源モジュール 図10
  • 特開-光源モジュール 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053485
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】光源モジュール
(51)【国際特許分類】
   G09F 13/18 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
G09F13/18 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021122257
(22)【出願日】2021-07-27
(31)【優先権主張番号】109133001
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】517364444
【氏名又は名称】誠屏科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】劉 勁谷
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ 中豪
(72)【発明者】
【氏名】李 信宏
【テーマコード(参考)】
5C096
【Fターム(参考)】
5C096AA01
5C096BA02
5C096BC12
5C096CA15
5C096CB02
5C096CC06
5C096CD02
5C096CE02
5C096FA05
(57)【要約】
【課題】本発明は、表示機能を有する光源モジュールを提供する。
【解決手段】かかる光源モジュールは導光板、第一光源及び複数の第一光学微細構造を含む。導光板は第一入光面及び第一入光面に接続される底面を有する。第一光源は導光板の第一入光面の側に設置される。複数の第一光学微細構造は底面上に設けられ、かつそれぞれ第一光源に面して設置される第一光向き面を有する。これらの第一光学微細構造の第一部分の複数の第一光向き面のそれぞれと、底面との接続箇所に第一辺縁があり、第一辺縁の垂直二等分線は第一光源を通過する。本発明による光源モジュールは、立体映像の表示効果が良い効果を有する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源モジュールであって、
第一入光面と、前記第一入光面に接続される底面とを有する導光板;
前記導光板の前記第一入光面の側に設置される第一光源;及び
前記導光板の前記底面上に設置される複数の第一光学微細構造を含み、
前記複数の第一光学微細構造はそれぞれ第一光向き面を有し、前記複数の第一光向き面は前記第一光源に面して設置され、
前記複数の第一光学微細構造の第一部分の前記複数の第一光向き面の各々と、前記底面との接続箇所に第一辺縁があり、前記第一辺縁の垂直二等分線は前記第一光源を通過する、光源モジュール。
【請求項2】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記導光板の第二入光面の側に設置される第二光源;及び
前記導光板の前記底面上に設置される複数の第二光学微細構造をさらに含み、
前記第二入光面は前記第一入光面に相対して設置され、かつ前記底面に接続され、
前記複数の第二光学微細構造はそれぞれ第二光向き面を有し、前記複数の第二光学微細構造の前記複数の第二光向き面は前記第二光源に面して設置される、光源モジュール。
【請求項3】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記複数の第一光学微細構造の前記第一部分により第一パターンを構成し、前記複数の第一光学微細構造の第二部分により第二パターンを構成する、光源モジュール。
【請求項4】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記第一光源は前記導光板の前記第一入光面に面して複数の第一光束を発するために用いられ、前記複数の第一光束は前記導光板の第一出光領域の範囲内で伝播し、
前記第二光源は前記導光板の前記第二入光面に面して複数の第二光束を発するために用いられ、前記複数の第二光束は前記導光板の第二出光領域の範囲内で伝播し、
前記第一出光領域と前記第二出光領域とのオーバーラップ領域の面積は、前記第一出光領域の面積の10%よりも小さい、光源モジュール。
【請求項5】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記第一光向き面と前記底面との間に第一角度があり、前記第二光向き面と前記底面との間に第二角度があり、前記第一角度及び前記第二角度は35度乃至55度の範囲内にある、光源モジュール。
【請求項6】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記複数の第二光学微細構造の第一部分の前記複数の第二光向き面の各々と、前記底面との接続箇所に第二辺縁があり、前記第二辺縁の垂直二等分線は前記第二光源を通過する、光源モジュール。
【請求項7】
請求項6に記載の光源モジュールであって、
前記複数の第一光学微細構造の第二部分の前記複数の第一光向き面の各々と、前記底面との接続箇所に第三辺縁があり、前記複数の第二光学微細構造の第二部分の前記複数の第二光向き面の各々と、前記底面との接続箇所に第四辺縁があり、
各前記第一光学微細構造の前記第一辺縁の垂直二等分線は前記第一入光面との間に第一夾角を有し、各前記第二光学微細構造の前記第二辺縁の垂直二等分線は前記第二入光面との間に第二夾角を有し、各前記第一光学微細構造の前記第三辺縁の垂直二等分線は前記第一入光面との間に第三夾角を有し、各前記第二光学微細構造の前記第四辺縁の垂直二等分線は前記第二入光面との間に第四夾角を有し、
隣接する前記複数の第一光学微細構造の前記第一夾角と前記第三夾角との角度の差は、隣接する前記複数の第二光学微細構造の前記第二夾角と前記第四夾角との角度の差よりも大きい、光源モジュール。
【請求項8】
請求項7に記載の光源モジュールであって、
前記第一夾角、前記第二夾角、前記第三夾角及び前記第四夾角は90度であり、あるいは、45度乃至90度の範囲内にある、光源モジュール。
【請求項9】
請求項2に記載の光源モジュールであって、
前記導光板の前記第一入光面の側に設置される第三光源;及び
前記導光板の前記底面上に設置される複数の第三光学微細構造をさらに含み、
前記第一光源及び前記第三光源の配列方向上で前記第二光源は前記第一光源と前記第三光源との間に位置し、前記第二光源は複数の第二光束を発するために用いられ、前記複数の第二光束は前記導光板の第二出光領域の範囲内で伝播し、前記第三光源は複数の第三光束を発するために用いられ、前記複数の第三光束は前記導光板の第三出光領域の範囲内で伝播し、前記第二出光領域と前記第三出光領域とのオーバーラップ領域の面積は前記第二出光領域の面積の10%よりも小さく、
前記複数の第三光学微細構造はそれぞれ第三光向き面を有し、前記複数の第三光向き面は前記第三光源に面して設置される、光源モジュール。
【請求項10】
請求項9に記載の光源モジュールであって、
前記導光板の前記第一入光面の側に設置され、かつ前記第一光源と前記第三光源との間に位置する少なくとも1つの第一補助光源をさらに含む、光源モジュール。
【請求項11】
請求項1に記載の光源モジュールであって、
前記導光板の前記第一入光面の側に設置される少なくとも1つの第一補助光源をさらに含み、
前記導光板は前記第一入光面に垂直な方向上で長さLを有し、前記第一光源は前記導光板の前記第一入光面に面して複数の第一光束を発するために用いられ、前記少なくとも1つの第一補助光源の各々と、前記第一光源との間の距離は2L・tan(θ)よりも小さく、ここで、θは、前記複数の第一光束と、前記第一入光面の法線方向との間の最大夾角である、光源モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源モジュールに関し、特に、表示機能を有する光源モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
照明技術の進歩に伴い、照明機能を提供するために一般的に使用される灯具に加えて、装飾効果を提供するために装飾照明板がさらに開発されてきた。この種の装飾照明板は、導光板の底面に光学微細構造が形成されており、各光学微細構造の位置及びその反射面の角度は、装飾照明板に現れる必要のある効果に応じて構成されている。光源から発した光線は、導光板の側面(入光面)から入射した後に、光学微細構造の反射により導光板の出光面に向かって伝播し射出することで、ユーザーに、導光板の光射出面の側で光線により構成されたパターンやテキストを見せることができる。
【0003】
近年、鑑賞者の視覚体験を向上させるために、装飾照明板を使用して立体(3次元)画像を表示することに対するニーズが徐々に増加している。しかしながら、立体画像を表示するためには、導光板上に配置する必要のある光学微細構造の数が増加しなければならないので、表示画像全体の明るさ(輝度)が不十分になり、画像サイズが制限されるという問題を引き起こす可能性がある。
【0004】
なお、この「背景技術」の部分は、本発明の内容への理解を助けるためだけのものであるため、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、当業者に知られていない技術を含む可能性がある。よって、この「背景技術」の部分に開示されている内容は、該内容、又は、本発明の1つ又は複数の実施例が解決しようとする課題が本発明の出願前に既に当業者に周知されていることを意味しない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、立体映像の表示効果が比較的良い光源モジュールを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的及び利点は、本発明に開示される技術的特徴からさらに理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の1つ又は一部又は全部の目的あるいは他の目的を達成するために、本発明の一実施例によれば、光源モジュールが提供される。光源モジュールは導光板、第一光源及び複数の第一光学微細構造を含む。導光板は第一入光面及び第一入光面に接続される底面を有する。第一光源は導光板の第一入光面の側に設置される。複数の第一光学微細構造は導光板の底面上に設置される。これらの第一光学微細構造はそれぞれ第一光向き面(受光面ともいう)を有する。これらの第一光向き面は第一光源に面して設置される。これらの第一光学微細構造の第一部分の複数の第一光向き面はそれぞれ底面との接続箇所に第一辺縁があり、第一辺縁の垂直二等分線は第一光源を通過する。
【0008】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールは第二光源及び複数の第二光学微細構造をさらに含む。第二光源は導光板の第二入光面の側に設置される。第二入光面は第一入光面に相対して設置され、かつ底面に接続される。複数の第二光学微細構造は導光板の底面上に設置される。これらの第二光学微細構造はそれぞれ第二光向き面を有する。これらの第二光学微細構造の複数の第二光向き面は第二光源に向かって設置される。
【0009】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールのこれらの第一光学微細構造の第一部分により第一パターンを構成し、これらの第一光学微細構造の第二部分により第二パターンを構成する。
【0010】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールの第一光源は導光板の第一入光面に面して複数の第一光束を発するために用いられ、これらの第一光束は導光板の第一出光領域の範囲内で伝播し、第二光源は導光板の第二入光面に向かって複数の第二光束を発するために用いられ、これらの第二光束は導光板の第二出光領域の範囲内で伝播し、第一出光領域と第二出光領域との重畳(オーバーラップ)領域の面積は第一出光領域の面積の10%よりも小さい。
【0011】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールの第一光向き面と底面との間に第一角度があり、第二光向き面と底面との間に第二角度があり、第一角度及び第二角度は35度乃至55度の範囲内にある。
【0012】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールのこれらの第二光学微細構造の第一部分のこれらの第二光向き面の各々は底面との接続箇所に第二辺縁があり、第二辺縁の垂直二等分線は第二光源を通過する。
【0013】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールのこれらの第一光学微細構造の第二部分のこれらの第一光向き面の各々は底面との接続箇所に第三辺縁があり、これらの第二光学微細構造の第二部分のこれらの第二光向き面の各々は底面との接続箇所に第四辺縁があり、各第一光学微細構造の第一辺縁の垂直二等分線は第一入光面との間に第一夾角を有し、各第二光学微細構造の第二辺縁の垂直二等分線は第二入光面との間に第二夾角を有し、各第一光学微細構造の第三辺縁の垂直二等分線は第一入光面との間に第三夾角を有し、各第二光学微細構造の第四辺縁の垂直二等分線は第二入光面との間に第四夾角を有し、そのうち、隣接するこれらの第一光学微細構造の第一夾角と第三夾角の角度の差は、隣接するこれらの第二光学微細構造の第二夾角と第四夾角の角度の差よりも大きい。
【0014】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールの第一夾角、第二夾角、第三夾角及び第四夾角は90度であり、あるいは、45度乃至90度の範囲内にある。
【0015】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールは第三光源及び複数の第三光学微細構造をさらに含み、第三光源は、導光板の第一入光面の側に設置され、第一光源及び第三光源の配列方向上で第二光源は第一光源と第三光源との間に位置し、そのうち、第一光源は複数の第一光束を発するために用いられ、第二光源は複数の第二光束を発するために用いられ、これらの第二光束は導光板の第二出光領域の範囲内で伝播し、第三光源は複数の第三光束を発するために用いられ、これらの第三光束は導光板の第三出光領域の範囲内で伝播し、第二出光領域と第三出光領域との重畳領域の面積は第二出光領域の面積の10%よりも小さく、複数の第三光学微細構造は導光板の底面上に設置され、これらの第三光学微細構造はそれぞれ第三光向き面を有し、これらの第三光向き面は第三光源設置に面する。
【0016】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールは少なくとも1つの第一補助光源をさらに含み、それは導光板の第一入光面の側に設置され、かつ第一光源と第三光源との間に位置する。
【0017】
本発明の一実施例において、上述の光源モジュールは少なくとも1つの第一補助光源をさらに含み、それは導光板の第一入光面の側に設置される。導光板は第一入光面に垂直な方向上で長さLを有する。第一光源は導光板の第一入光面に向かって複数の第一光束を発するために用いられる。少なくとも1つの第一補助光源の各々と第一光源との間の距離は2L・tan(θ)よりも小さく、ここで、θはこれらの第一光束と第一入光面の法線方向との間の最大夾角である。
【0018】
上述により、本発明の一実施例に係る光源モジュールでは、導光板が相対して設置される第一入光面及び第二入光面並びにこれらの入光面に接続される底面を有し、かつ導光板のこれらの入光面の両側にそれぞれ第一光源及び第二光源が設けられる。導光板の底面上に第一光源に面する複数の第一光学微細構造及び第二光源に面する複数の第二光学微細構造を設置することにより、大型映像の表示効果を実現することができるとともに、全体の映像の明るさ及び均一性を向上させることもできる。
【0019】
本発明の上述の特徴及び利点をより明らかにするために、以下、実施例を挙げて、添付した図面を参照することによって詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の第一実施例における光源モジュールの正面図である。
図2A図1の光源モジュールの1つの局所領域の拡大図。
図2B図1の光源モジュールのもう1つの局所領域の拡大図。
図3図1の光源モジュールの断面図である。
図4】本発明の第二実施例における光源モジュールの断面図である。
図5】本発明の第三実施例における光源モジュールの正面図である。
図6図5の光源モジュールの局所領域の拡大図である。
図7図5の光源モジュールの局所領域の断面図である。
図8】本発明の第四実施例における光源モジュールの正面図である。
図9図8の光源モジュールの局所領域の拡大図である。
図10】本発明の第五実施例における光源モジュールの正面図である。
図11】本発明の第六実施例における光源モジュールの正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の上述及び他の技術的内容、特徴、機能及び効果は、添付した図面に基づく以下のような好ましい実施例における詳細な説明により明確になる。なお、以下の実施例に言及される方向についての用語、例えば、上、下、左、右、前、後などは、添付した図面の方向に過ぎない。よって、使用される方向の用語は、本発明を説明するためだけのものであり、本発明を限定するためのものではない。
【0022】
図1は本発明の第一実施例の光源モジュールの正面図である。図2A及び図2B図1の光源モジュールの2つの局所領域の拡大図である。図3図1の光源モジュールの断面図である。なお、便宜のため、図2A及び図2Bでは一部のみの光学微細構造が示されている。図1乃至図3に示すように、光源モジュール10は導光板100、第一光源201及び第二光源202を含み、光源モジュール10は例えば、パターン又は文字を表示し得る照明装飾板である。導光板100は、相対する第一入光面100a及び第二入光面100b、並びに相対する底面100c及び出光面100dを有する。底面100c及び出光面100dはそれぞれ第一入光面100aと第二入光面100bとの間に接続される。本実施例では、第一光源201及び第二光源202は点光源であり、あるいは、それぞれシングル(単一)発光ダイオード(light emitting diode、LED)により構成される。導光板100の材質(材料)は、PC(polycarbonate)、PMMA(polymethyl methacrylate)、ガラス又は高透光性の他の樹脂材料を含む。
【0023】
第一光源201及び第二光源202は、それぞれ、導光板100の第一入光面100a及び第二入光面100bの両側に設置される。本実施例では、導光板100は第一出光領域R1及び第二出光領域R2を有するが、これに限定されない。第一光源201は導光板100の第一入光面100aに向かって複数の第一光束LB1を発するために用いられ、これらの第一光束LB1は、導光板100の第一出光領域R1の範囲内で伝播し、出光面100dを経由して導光板100から出射する。第二光源202は、導光板100の第二入光面100bに面して複数の第二光束LB2を発するために用いられ、これらの第二光束LB2は、導光板100の第二出光領域R2の範囲内で伝播し、出光面100dを経由して導光板100から出射する。
【0024】
もう1つの観点から言えば、第一光源201が発するこれらの第一光束LB1の導光板100内の伝播経路は、導光板100の第一出光領域R1を定義し、第二光源202が発するこれらの第二光束LB2の導光板100内の伝播経路は、導光板100の第二出光領域R2を定義することができる。本実施例では、導光板100の第一出光領域R1の出光面100d上の垂直投影は、第二出光領域R2の出光面100d上の垂直投影とオーバーラップしない。つまり、第一光源201からの導光板100内で伝播するこれらの第一光束LB1は、第二光源202からの導光板100内で伝播するこれらの第二光束LB2と交差しない。しかし、本発明はこれに限られず、他の実施例によれば、導光板の第一出光領域R1は第二出光領域R2と一部オーバーラップしても良く、例えば、第一出光領域R1と第二出光領域R2との重畳領域の面積は第一出光領域R1面積の10%よりも小さい。
【0025】
なお、ここでの交差しない複数の第一光束LB1及び複数の第二光束LB2は、これらの光束に生じる予期せぬ反射又は散乱の部分を含まない。
【0026】
本実施例では、これらの第一光束LB1の導光板100進入後の各々と第一入光面100aの法線方向との間の夾角θ1、及び、これらの第二光束LB2の導光板100進入後の各々と第二入光面100bの法線方向との間の夾角θ2は、すべて、40度以下であるが、これに限られない。なお、これらの第一光束LB1の導光板100内の開き角の範囲の値は、実質的に、これらの第二光束LB2の導光板100内の開き角の範囲の値に等しい(例えば、80度である)。これにより、第一出光領域R1及び第二出光領域R2の最密集配列を実現し、光源モジュール10全体の出光均一性を向上させることができる。
【0027】
さらに言えば、光源モジュール10は、導光板100の底面100c上に設置される複数の第一光学微細構造110(図2Aに示すように)及び複数の第二光学微細構造120(図2Bに示すように)をさらに含む。第一光学微細構造110及び第二光学微細構造120は、それぞれ、導光板100の第一出光領域R1及び第二出光領域R2に設置される。複数の第一光学微細構造110(又は複数の第二光学微細構造120)は選択的に複数の部分に分けることができ、これらの部分は導光板100上でそれぞれ複数のパターン又は文字を成すことができる。
【0028】
例を挙げて言うと、本実施例では、これらの第一光学微細構造110の第一部分は複数の第一光学微細構造111により構成され、第二部分は複数の第一光学微細構造112により構成され、第三部分は複数の第一光学微細構造113により構成されても良い。これらの第一光学微細構造111、第一光学微細構造112及び第一光学微細構造113は、それぞれ、第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13を構成することができ、かつこれらのパターンは互いに一部重畳する。同様に、複数の第二光学微細構造120の第一部分は複数の第二光学微細構造121により構成され、第二部分は複数の第二光学微細構造122により構成され、第三部分は複数の第二光学微細構造123により構成されても良い。これらの第二光学微細構造121、第二光学微細構造122及び第二光学微細構造123は、それぞれ、第一パターンIM21、第二パターンIM22及び第三パターンIM23を構成することができ、かつこれらのパターンは互いに一部重畳する。
【0029】
なお、複数の光学微細構造からなるこれらのパターンは、例えば、物体の異なる視角下のパターンであり、かつ第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13(あるいは、第一パターンIM21、第二パターンIM22及び第三パターンIM23)の、観賞者に見える位置は互いに異なる。よって、当観賞者の双眼がそれぞれ第一パターンIM11及び第二パターンIM12(あるいは、第一パターンIM11及び第三パターンIM13)を見たときに、奥行き感のある立体視(stereoscopic vision)が生じることができる。
【0030】
例を挙げて言うと、第一光学微細構造110により反射された光束が高指向性を有するので、同じ観賞位置で、観賞者の左眼は第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13のうちの1つのみのパターンを見ることができ、観賞者の右眼は第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13のうちのもう1つのみのパターンを見ることができる。例えば、観賞者が光源モジュール10の前方(即ち、導光板100の出光面100dの側)の位置に立つときに、一部の第一光束LB1が複数の第一光学微細構造111により反射された後に観賞者の左眼に伝播して第一パターンIM11が現れ、他の部分の第一光束LB1が複数の第一光学微細構造112により反射された後に観賞者の右眼に伝播して第二パターンIM12が現れる。このときに、観賞者の目には、特定の視角下の立体視が生じることができる。
【0031】
続いて、観賞者が光源モジュール10の前方で横向き(例えば、図1中の水平方向)にもう1つの位置に移動したときに、前記一部の第一光束LB1が複数の第一光学微細構造111により反射された後に観賞者の右眼に伝播して第一パターンIM11が現れ、もう1つの部分の第一光束LB1が複数の第一光学微細構造113により反射された後に観賞者の左眼に伝播して第三パターンIM13が現れる。このときに、観賞者の目には、もう1つの特定の視角下の立体視が生じることができる。これにより、観賞者移動時に立体映像に対しての動的な視差の感覚を作り出すことができる。
【0032】
導光板100内で伝播する光束を出光面100dに面して反射するために、これらの第一光学微細構造110は、それぞれ、接続される第一光向き面110r及び第一背光面110bを有し、かつこれらの第一光学微細構造110の複数の第一光向き面110rは、すべて、第一光源201に面して設置される。同様に、これらの第二光学微細構造120も、それぞれ、接続される第二光向き面120r及び第二背光面120bを有し、かつこれらの第二光学微細構造120の複数の第二光向き面120rは、すべて、第二光源202に向かって設置される。なお、光向き面が光源に向かって設置されることとは、光向き面と底面100cとの交線の垂直二等分線が上述の光源の近傍の範囲を指向することを指し、光源の近傍の範囲とは、例えば、光源及び光源が左右にそれぞれ光源の幅の2倍延伸する領域、あるいは、光源の中心が左右にそれぞれ5mm延伸する範囲を指す。
【0033】
本実施例では、第一光学微細構造110及び第二光学微細構造120は、導光板100の底面100cから窪んだ凹溝構造であり、かつこの凹溝構造が占める領域の出光面100d上の垂直投影の輪郭は矩形状であっても良いが、これに限られない。そのため、導光板100は、第一光学微細構造110の2つの表面のうち、第一光源201に比較的近い1つが第一光学微細構造110の第一光向き面110rとされ、第一光源201から比較的に離れるもう1つが第一光学微細構造110の第一背光面110bとされるように定義する。同様に、導光板100は、第二光学微細構造120の2つの表面のうち、第二光源202に比較的近い1つが第二光学微細構造120の第二光向き面120rとされ、第二光源202から比較的に離れるもう1つが第二光学微細構造120の第二背光面120bとされるように定義する。
【0034】
さらに言えば、図3に示すように、第一光学微細構造110の第一光向き面110rと底面100cとの間に第一角度α1があり、第二光学微細構造120の第二光向き面120rと底面100cとの間に第二角度α2があり、かつ第一角度α1及び第二角度α2は35度乃至55度の範囲内にある。本実施例では、第一光向き面110rと底面100cとの間の第一角度α1は、選択的に、第二光向き面120rと底面100cとの間の第二角度α2とは異なっても良く、また、第一光束LB1の出光の垂直高さの範囲が第二光束LB2の出光の垂直高さの範囲と同じであり又は類似しているように調整することもできるが、これに限定されない。これにより、複数の第一光学微細構造110により反射されたこれらの第一光束LB1が生成する立体映像、及び、複数の第二光学微細構造120により反射されるこれらの第二光束LB2が生成する立体映像は、それぞれ、観賞者の目の異なる深さに結像し、異なる被写界深度の立体表示効果を実現することができる。なお、第一光学微細構造110の第一背光面110bと底面100cとの間の夾角は例えば、70度乃至90度であり、第二光学微細構造120の第二背光面120bと底面100cとの間の夾角は例えば、70度乃至90度であるが、本発明はこれに限定されない。
【0035】
もう1つの面において、複数の第一光学微細構造111(即ち、複数の第一光学微細構造110の第一部分)の複数の第一光向き面110rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E11があり、かつ各第一光学微細構造111の辺縁E11の垂直二等分線B11と第一入光面100aとの間に夾角β11がある。複数の第一光学微細構造112(即ち、複数の第一光学微細構造110の第二部分)の複数の第一光向き面110rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E12があり、かつ各第一光学微細構造112の辺縁E12の垂直二等分線B12と第一入光面100aとの間に夾角β12がある。複数の第一光学微細構造113(即ち、複数の第一光学微細構造110の第三部分)の複数の第一光向き面110rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E13があり、かつ各第一光学微細構造113の辺縁E13の垂直二等分線B13と第一入光面100aとの間に夾角β13がある。
【0036】
同様に、複数の第二光学微細構造121(即ち、複数の第二光学微細構造120の第一部分)の複数の第二光向き面120rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E21があり、かつ各第二光学微細構造121の辺縁E21の垂直二等分線B21と第二入光面100bとの間に夾角β21がある。複数の第二光学微細構造122(即ち、複数の第二光学微細構造120の第二部分)の複数の第二光向き面120rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E22があり、かつ各第二光学微細構造122の辺縁E22の垂直二等分線B22と第二入光面100bとの間に夾角β22がある。複数の第二光学微細構造123(即ち、複数の第二光学微細構造120の第三部分)の複数の第二光向き面120rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E23があり、かつ各第二光学微細構造123の辺縁E23の垂直二等分線B23と第二入光面100bとの間に夾角β23がある。
【0037】
例を挙げて言えば、第一光学微細構造111の夾角β11、第一光学微細構造112の夾角β12、第一光学微細構造113の夾角β13、第二光学微細構造121の夾角β21、第二光学微細構造122の夾角β22及び第二光学微細構造123の夾角β23は、90度又はs45度乃至90度の範囲内にある。
【0038】
複数の光学微細構造からなる複数のパターンをそれぞれ観賞空間(即ち、導光板100の出光面100dの側の空間)の異なる視角に投射するために、これらの光学微細構造の光向き面の垂直二等分線と導光板100の入光面との間の夾角はすべて異なる。なお、本実施例では、各第一光学微細構造111の辺縁E11の垂直二等分線B11はすべて第一光源201を通過し、各第二光学微細構造121の辺縁E21の垂直二等分線B21はすべて第二光源202を通過するが、本発明はこれに限定されない。他の実施例では、光学微細構造の光向き面が底面に接続される辺縁の垂直二等分線が光源を通過するかどうかが実際の応用ニーズ(例えば、観賞空間と光源モジュールとの相対位置関係)に基づいて決定されても良い。
【0039】
本実施例では、隣接する第一光学微細構造111の夾角β11と第一光学微細構造112の夾角β12との角度の差(あるいは、隣接する第一光学微細構造111の夾角β11と第一光学微細構造113の夾角β13との角度の差)は、選択的に、隣接する第二光学微細構造121の夾角β21と第二光学微細構造122の夾角β22との角度の差(あるいは、隣接する第二光学微細構造121の夾角β21と第二光学微細構造123の夾角β23との角度の差)よりも大きくても良い。これにより、観賞者が異なる視角の間で移動するときに複数の第一光学微細構造110により生成される立体映像に対して生じる動的な視差の感覚は、複数の第二光学微細構造120により生成される立体映像に対して生じる動的な視差の感覚よりも低い。換言すると、観賞者は、複数の第一光学微細構造110により生成される立体映像の所在する位置が複数の第二光学微細構造120により生成される立体映像の所在する位置に比べて遠いと見なすことができ、これは、観賞者の立体映像に対する視覚体験をさらに向上させることができる。
【0040】
しかし、本発明はこれに限られず、他の実施例によれば、隣接する第一光学微細構造111の夾角β11と第一光学微細構造112の夾角β12との角度の差(あるいは、隣接する第一光学微細構造111の夾角β11と第一光学微細構造113の夾角β13との角度の差)は、実質的に、隣接する第二光学微細構造121の夾角β21と第二光学微細構造122の夾角β22との角度の差(あるいは、隣接する第二光学微細構造121の夾角β21と第二光学微細構造123の夾角β23との角度の差)に等しくても良い。
【0041】
以下、幾つかの他の実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。なお、同じ部品に同じ符号を付与し、かつ同じ技術内容の説明を省略するが、省略された部分については、前述の実施例を参照することができ、以下、その詳しい説明を割愛する。
【0042】
図4は本発明の第二実施例に係る光源モジュールの断面図である。図4に示すように、本実施例の光源モジュール10Aと図3の光源モジュール10との相違点は、光学微細構造の導光板上の配置方式が異なることにある。
【0043】
本実施例では、第一光学微細構造110’及び第二光学微細構造120’は導光板100Aの底面100cから突出した凸起構造であっても良い。そのため、導光板100Aは、第一光学微細構造110’の2つの表面のうち、第一光源201を比較的に離れる1つが第一光学微細構造110’の第一光向き面110r’とされ、第一光源201に比較的近いもう1つが第一光学微細構造110’の第一背光面110b’とされるように定義する。同様に、導光板100Aは、第二光学微細構造120’の2つの表面のうち、第二光源202を比較的に離れる1つが第二光学微細構造120’の第二光向き面120r’とされ、第二光源202に比較的小さいもう1つが第二光学微細構造120’の第二背光面120b’とされるように定義する。
【0044】
図5は本発明の第三実施例に係る光源モジュールの正面図である。図6図5の光源モジュールの局所領域の拡大図である。図7図5の光源モジュールの局所領域の断面図である。なお、便宜のため、図5では図6の光学微細構造の図示が省略されている。
【0045】
図5乃至図7を参照する。本実施例の光源モジュール20と図1の光源モジュール10との相違点は、光源の数及び光学微細構造の数が異なることにある。具体的には、光源モジュール10の出光領域よりも大きい出光領域を表すために、光源モジュール20は第三光源203をさらに含み、かつ第三光源203は導光板100Bの第一入光面100aの側に設置される。なお、第一光源201及び第三光源203の配列方向(即ち、図5中の水平方向)上で、第二光源202は第一光源201と第三光源203との間に位置する。
【0046】
本実施例では、導光板100Bは第三出光領域R3をさらに有する。第一光源201と同様に、第三光源203は、導光板100Bの第一入光面100aに面して複数の第三光束LB3を発するために用いられ、これらの第三光束LB3は導光板100B内で伝播し、出光面100dの第三出光領域R3に位置する部分を経由して導光板100Bから出射する。もう1つの観点から言うと、第三光源203が発するこれらの第三光束LB3の導光板100B内の伝播経路は、導光板100Bの第三出光領域R3を定義することができる。具体的には、第二出光領域R2は第一出光領域R1と第三出光領域R3との間に位置する。
【0047】
なお、導光板100Bの第三出光領域R3の出光面100d上の垂直投影は、第二出光領域R2の出光面100d上の垂直投影と重なり合わない。つまり、第三光源203からの導光板100B内で伝播するこれらの第三光束LB3は、第二光源202からの導光板100B内で伝播するこれらの第二光束LB2と交差しない。しかし、本発明はこれに限られず、他の実施例によれば、導光板の第三出光領域R3は第二出光領域R2と一部重畳しても良く、例えば、第二出光領域R2と第三出光領域R3との重畳領域の面積は第二出光領域R2面積の10%よりも小さい。なお、ここでの交差しない複数の第三光束LB3及び複数の第二光束LB2は、これらの光束に生じる予期せぬ反射又は散乱の部分を含まない。
【0048】
本実施例では、これらの第三光束LB3の導光板100B進入後の各々と、第一入光面100aの法線方向との間の夾角θ3も40度以下であるが、これに限定されない。なお、これらの第三光束LB3の導光板100B内の開き角の範囲の値(例えば、80度)は、実質的に、複数の第一光束LB1及び複数の第二光束LB2の導光板100B内の開き角の範囲の値に等しい。これにより、第一出光領域R1、第二出光領域R2及び第三出光領域R3の最密集配列を実現することができ、これは、光源モジュール20全体の映像の明るさ及び出光均一性を向上させることができる。もう1つの観点から言えば、上述の光源の配置方式により、光源モジュールのサイズ上の設計柔軟性をさらに増加させることができ、例えば、大型(立体)映像を表示し得る光源モジュールにすることができる。
【0049】
さらに言えば、光源モジュール20は、導光板100の底面100c上に設置される複数の第三光学微細構造130をさらに含み、かつこれらの第三光学微細構造130は導光板100Bの第三出光領域R3に設置されても良い。複数の第一光学微細構造110及び複数の第二光学微細構造120と同様に、複数の第三光学微細構造130も選択的に複数の部分に分けることができ、かつこれらの部分は導光板100B上でそれぞれ複数のパターンを構成することができる。例を挙げて言うと、複数の第三光学微細構造130の第一部分は複数の第三光学微細構造131からなって良く、第二部分は複数の第三光学微細構造132からなっても良く、第三部分は複数の第三光学微細構造133からなっても良い。これらの第三光学微細構造131、第三光学微細構造132及び第三光学微細構造133は、それぞれ、第一パターンIM31、第二パターンIM32及び第三パターンIM33を構成し、かつこれらのパターンは互いに一部重畳しても良い。
【0050】
複数の第一光学微細構造110及び複数の第二光学微細構造120と同様に、複数の第三光学微細構造130からなる第一パターンIM31、第二パターンIM32及び第三パターンIM33の、観賞者に見える位置は互いに異なる。よって、観賞者の双眼がそれぞれ第一パターンIM31及び第二パターンIM32(あるいは、第一パターンIM31及び第三パターンIM33)を見たときには、奥行き感のある立体視が生じることができる。
【0051】
導光板100B内で伝播する第三光束LB3を出光面100dに面して反射するために、これらの第三光学微細構造130の各々は、接続される第三光向き面130r及び第三背光面130bを有し、かつこれらの第三光学微細構造130の複数の第三光向き面130rはすべて第三光源203に向かって設置される。本実施例では、第三光学微細構造130は、導光板100Bの底面100cから窪んだ凹溝構造であり、かつこの凹溝構造が占める領域の出光面100d上の垂直投影の輪郭は矩形状であっても良いが、これに限られない。そのため、導光板100Bは、第三光学微細構造130の2つの表面のうち、第三光源203に比較的小さい1つが第三光学微細構造130の第三光向き面130rとされ、第三光源203から比較的に離れるもう1つが第三光学微細構造130の第三背光面130bとされるように定義する。
【0052】
さらに言えば、図3図5及び図7を同時に参照し、第三光学微細構造130の第三光向き面130rと底面100cとの間に第三角度α3があり、かつ第三角度α3は35度乃至55度の範囲内にある。本実施例では、第一光学微細構造110の第一角度α1、第二光学微細構造120の第二角度α2及び第三光学微細構造130の第三角度α3は互いに異なるが、これに限定されない。他の実施例において、第一光学微細構造110の第一角度α1は第二光学微細構造120の第二角度α2とは異なり、第一光学微細構造110の第一角度α1は第三光学微細構造130の第三角度α3と同じであっても良い。これにより、複数の第一光学微細構造110により反射されたこれらの第一光束LB1が生成する立体映像、複数の第二光学微細構造120により反射されたこれらの第二光束LB2が生成する立体映像、及び複数の第三光学微細構造130により反射されたこれらの第三光束LB3が生成する立体映像は、それぞれ、観賞者の目の異なる深さに結像し、異なる被写界深度の立体表示効果を達成することができる。
【0053】
もう1つの面において、複数の第三光学微細構造131(即ち、複数の第三光学微細構造130の第一部分)の複数の第三光向き面130rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E31があり、かつ各第一光学微細構造111の辺縁E31の垂直二等分線B31と第一入光面100aとの間に夾角β31がある。複数の第三光学微細構造132(即ち、複数の第三光学微細構造130の第二部分)の複数の第三光向き面130rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E32があり、かつ各第三光学微細構造132の辺縁E32の垂直二等分線B32と第一入光面100aとの間に夾角β32がある。複数の第三光学微細構造133(即ち、複数の第三光学微細構造130の第三部分)の複数の第三光向き面130rの各々と底面100cとの接続箇所に辺縁E33があり、かつ各第三光学微細構造133の辺縁E33の垂直二等分線B33と第一入光面100aとの間に夾角β33がある。例を挙げて言うと、第三光学微細構造131の夾角β31、第三光学微細構造132の夾角β32及び第三光学微細構造133の夾角β33は45度乃至90度の範囲内にあっても良い。
【0054】
なお、本実施例では、各第三光学微細構造131の辺縁E31の垂直二等分線B31はすべて第三光源203を通過するが、本発明はこれに限定されない。他の実施例において、光学微細構造の光向き面が底面に接続される辺縁の垂直二等分線が光源を通過するかどうかが実際の応用ニーズ(例えば、観賞空間と光源モジュールとの相対位置関係)に基づいて決定されても良い。これらの第三光学微細構造130、第一入光面100a及び第三光源203の間の配置関係は、前述の複数の第一光学微細構造110、第一入光面100a及び第一光源201の間の配置関係に類似しており、その詳細な説明については前述の関連段落を参照することができるため、ここではその詳しい説明を省略する。
【0055】
図8は本発明の第四実施例における光源モジュールの正面図である。図9図8の光源モジュールの局所領域の拡大図である。なお、便宜のため、図8では図9の複数の光学微細構造の図示が省略される。図8図9に示すように、本実施例の光源モジュール20Aと図5の光源モジュール20との相違点は、光源モジュールの光源の配置が異なることにある。具体的には、光源モジュール20Aは第一補助光源201Aをさらに含み、それは導光板100Bの第一入光面100aの側に設置され、かつ第一光源201の側に位置する。
【0056】
例を挙げて言うと、第一光源201及び第三光源203の配列方向(例えば、図8中の水平方向)上で、第一補助光源201Aは第一光源201と第二光源202との間に位置するが、これに限定されない。他の実施例において、第一補助光源201Aは、第一光源201が第三光源203を離れる側に設置されても良い。もう1つの実施例において、第一光源201の両側にそれぞれ補助光源が設けられても良い。本実施例では、第一補助光源201Aと第一光源201との間の距離dは例えば80mmよりも小さく、40mmよりも小さく、あるいは、20mm乃至30mmの間にあっても良く、そのうち、距離dは、第一補助光源201Aの幾何学中心と第一光源201の幾何学中心との間の距離により定義される。なお、上述の異なる実施例では、各側(又は片側)に設置される補助光源の数も2つ以上であっても良い。例を挙げて言うと、第一光源201の同じ側の補助光源の数が2つであるときに、この2つのうち、1つと第一光源201との間の距離は40mmよりも小さくても良く、もう1つと第一光源201との間の距離は60mmよりも小さくても良いが、本発明はこれに限定されない。
【0057】
本実施例では、導光板100Bは第一補助出光領域R1Aをさらに有し、第一補助光源201Aは導光板100Bの第一入光面100aに面して複数の第一補助光束LB1Aを発するために用いられ、かつこれらの第一補助光束LB1Aは導光板100B内で伝播し、出光面100dの第一補助出光領域R1Aに位置する部分を経由して導光板100Bから出射する。もう1つの観点から言えば、第一補助光源201Aが発するこれらの第一補助光束LB1Aが導光板100B内で伝播する経路は、導光板100Bの第一補助出光領域R1Aを定義することができる。
【0058】
なお、導光板100Bの第一補助出光領域R1Aの出光面100d上の垂直投影部分は、第一出光領域R1及び第二出光領域R2の出光面100d上の垂直投影と重畳している。さらに言えば、第一補助出光領域R1Aと第一出光領域R1の出光面100d上の垂直投影の重畳面積は、第一補助出光領域R1Aと第二出光領域R2の出光面100d上の垂直投影の重畳面積よりも大きい。言い換えると、第一補助光源201Aからの導光板100B内で伝播するこれらの第一補助光束LB1Aは、第一光源201からの導光板100B内で伝播する複数の第一光束LB1及び第二光源202からの導光板100B内で伝播する複数の第二光束LB2と交差する。より具体的には、導光板100Bの第一補助出光領域R1Aの出光面100d上の垂直投影は、第一出光領域R1の出光面100d上の垂直投影とほぼオーバーラップしている。
【0059】
なお、さらに図9を参照する。これらの第一補助光束LB1Aは、複数の第一光学微細構造110の複数の第一光向き面110rにより反射された後に観賞空間の中のより大きな視角の方向に伝播することができる。つまり、第一補助光源201Aの設置により、観賞者は、より大きな視角範囲内で複数の第一光学微細構造110からなる複数のパターン(例えば、図1の第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13)を見ることができ、これは、光源モジュール20Aの異なる適用シナリオに対しての適応性を向上させることができる。
【0060】
また、本実施例では、補助光源の数について1つのみを例にとって例示的に説明したが、本発明は図示の内容に限定されない。他の実施例において、補助光源の数は、実際の応用ニーズ(例えば、映像の可視範囲)に応じて複数に調整され、かつそれぞれ複数の光源の隣接する両側に位置するようにさせることもできる。
【0061】
図10は本発明の第五実施例に係る光源モジュールの正面図である。図10に示すように、本実施例の光源モジュール20Bと図8の光源モジュール20Aとの相違点は、光源及び補助光源の数が異なることにある。具体的に言えば、図8の光源モジュール20Aに比較して、光源モジュール20Bの第一光源201の他の側(例えば、図10中の左側)において、さらに、もう1つの第二光源202、もう1つの第三光源203及びもう1つの第一補助光源201Aが設けられる。第一光源201、2つの第三光源203及び2つの第一補助光源201Aは導光板100Cの第一入光面100aに設置され、2つの第二光源202は導光板100Cの第二入光面100bに設置される。なお、光源モジュール20Bの第一光源201の他の側に位置する第二光源202、第三光源203及び第一補助光源201Aの配置方式は図8の光源モジュール20Aと類似しており、詳細な説明については、前述の実施例の関連段落を参照することができ、ここではその詳しい説明を省略する。
【0062】
例を挙げて言うと、本実施例では、第一光源201の相対する両側に位置する2つの第二光源202、2つの第三光源203及び2つの第一補助光源201Aは、第一光源201を対称中心として配置される。言い換えると、第一光源201及び第三光源203の配列方向上で、2つの第二光源202(あるいは、2つの第三光源203又は2つの第一補助光源201A)のそれぞれと、第一光源201との間の距離は、ほぼ同じである。
【0063】
図8の光源モジュール20Aとは異なり、本実施例の第一補助光源201Aは、第一光源201及び第三光源203の配列方向上(あるいは、第一入光面100aに平行な方向上)で、第一光源201と第三光源203との中間のところに設置することができ、あるいは、第一光源201と第三光源203との間に設置することができ、あるいは、第一光源201と第二光源202との間に設置することができる。即ち、光源モジュール20Bの第一補助光源201Aは、第一光源201又は第三光源203に比較的近い位置に設けられていない。より具体的には、本実施例の第一補助光源201Aは、より大きな視角範囲内で観賞者に複数の第一光学微細構造110からなる複数のパターン(例えば、図5の第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13)及び複数の第三光学微細構造130からなる複数のパターン(例えば、図5の第一パターンIM31、第二パターンIM32及び第三パターンIM33)を呈することができる。
【0064】
図11は本発明の第六実施例に係る光源モジュールの正面図である。図11に示すように、本実施例の光源モジュール30と図8の光源モジュール20Aとの相違点は、光源の数が第一補助光源の数とは異なり、かつ第一補助光源の配置方式が異なることにある。具体的に言えば、光源モジュール30の光源の数は1つ(例えば、第一光源201)であり、第一補助光源の数は4つ(例えば、第一補助光源201A1、第一補助光源201A2、第一補助光源201A3及び第一補助光源201A4)である。
【0065】
本実施例では、第一光源201及び4つの第一補助光源はすべて導光板100Dの第一入光面100aの側に設置される。第一光源201は、導光板100Dの第一入光面100aに面して複数の第一光束LB1を発するために用いられ、これらの第一光束LB1は導光板100Dの第一出光領域R1の範囲内で伝播し、出光面100dを経由して導光板100Dから出射する。もう1つの観点から言えば、第一光源201が発するこれらの第一光束LB1の導光板100D内の伝播経路は、導光板100Dの第一出光領域R1を定義することができる。
【0066】
なお、本実施例では、4つの第一補助光源の各々と第一光源201との間の距離はすべて最大距離d’よりも小さく、最大距離d’は2L・tan(θ)であり、ここで、θは複数の第一光束LB1の導光板100D進入後の各々と、第一入光面100aの法線方向との間の夾角のうちの最大値(即ち、最大夾角)であり、Lは導光板100Dの第一入光面100aに垂直な方向上の長さである。換言すると、ここでの最大距離d’は、第一補助光源201Aの幾何学中心からそれぞれ両側に延伸する最大範囲を定義することができ、かつこれらの第一補助光源はすべてこの最大範囲内に設置される。例を挙げて言えば、導光板100Dの材質(材料)がPMMAであり、かつ第一入光面100aが滑らかな表面であるとき、上述の最大夾角θは約42度であるが、これに限定されない。
【0067】
本実施例では、第一光源201の相対する両側にすべて第一補助光源が配置され、かつこの両側に位置する第一補助光源の数は選択的に異なり又は同じであっても良いが、本発明はこれに限られない。例を挙げて言うと、図11における第一光源201の右側及び左側に設置される第一補助光源の数はそれぞれ1つ(即ち、第一補助光源201A1)及び3つ(即ち、第一補助光源201A2、第一補助光源201A3及び第一補助光源201A4)であるが、これに限定されない。
【0068】
第一光源201の相対する両側に数が同じであり又は異なる複数の第一補助光源を設け、かつこれらの第一補助光源の各々と第一光源201との間の距離を2L・tan(θ)(即ち、最大距離d’)よりも小さくすることにより、観賞者は、より大きな視角範囲内で複数の第一光学微細構造からなる複数のパターン(例えば、図1における第一パターンIM11、第二パターンIM12及び第三パターンIM13)を見ることができる。これは、光源モジュール30の異なる適用シナリオへの適応性の向上に有利である。言い換えれば、光源モジュール30の設計マージンを増加させることができる。なお、光源モジュール30において補助光源の最大距離d’を設置する設計は、図1図9の異なる実施例に適用することもできる。
【0069】
以上のことから、本発明の一実施例に係る光源モジュールでは、導光板が相対して設置される第一入光面及び第二入光面並びにこれらの入光面に接続される底面を有し、かつ導光板のこれらの入光面の両側にそれぞれ第一光源及び第二光源が配置される。導光板の底面上に第一光源に面する複数の第一光学微細構造及び第二光源に面する複数の第二光学微細構造を設置することにより、大型映像の表示効果を実現するとともに、全体の映像の明るさ及び均一性を向上させることができる。
【0070】
本発明は、前述した好適な実施例に基づいて以上のように開示されたが、前述した好適な実施例は、本発明を限定するためのものでなく、当業者は、本発明の技術思想と範囲を離脱しない限り、本発明に対して些細な変更と潤色を行うこともできるので、本発明の保護範囲は、添付した特許請求の範囲に定まったものを基準とする。また、本発明の何れの実施例又は特許請求の範囲は、本発明に開示されたすべての目的又は利点又は特徴を達成する必要がない。また、要約の一部と発明の名称は、文献の検索を助けるためのみのものであり、本発明の技術的範囲を限定するものでない。また、本明細書又は特許請求の範囲に言及されている「第一」、「第二」などの用語は、要素(element)に名前を付け、又は、他の実施例又は範囲を区別するためのものみであり、要素の数上での上限又は下限を限定するためのものではない。
【符号の説明】
【0071】
10、10A、20、20A、20B、30:電子装置
100、100A、100B、100C、100D:導光板
100a:第一入光面
100b:第二入光面
100c:底面
100d:出光面
110、110’、111、112、113:第一光学微細構造
110r、110r’:第一光向き面
110b、110b’:第一背光面
120、120’、121、122、123:第二光学微細構造
120r、120r’:第二光向き面
120b、120b’:第二背光面
130、131、132、133:第三光学微細構造
130r:第三光向き面
130b:第三背光面
201:第一光源
201A、201A1、201A2、201A3、201A4:第一補助光源
202:第二光源
203:第三光源
B11、B12、B13、B21、B22、B23、B31、B32、B33:垂直二等分線
d、d’:距離
E11、E12、E13、E21、E22、E23、E31、E32、E33:辺縁
IM11、IM21、IM31:第一パターン
IM12、IM22、IM32:第二パターン
IM13、IM23、IM33:第三パターン
L:長さ
LB1:第一光束
LB1A:第一補助光束
LB2:第二光束
LB3:第三光束
LB1A:第一補助光束
R1:第一出光領域
R1A:第一補助出光領域
R2:第二出光領域
R3:第三出光領域
θ、θ1、θ2、θ3、β11、β12、β13、β21、β22、β23、β31、β32、β33:夾角
α1、α2、α3:角度
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11