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特開2022-53503フィルタを組み込んだインジェクタおよびインジェクタを組み立てる方法
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  • 特開-フィルタを組み込んだインジェクタおよびインジェクタを組み立てる方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053503
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】フィルタを組み込んだインジェクタおよびインジェクタを組み立てる方法
(51)【国際特許分類】
   F02M 61/16 20060101AFI20220329BHJP
   F02M 51/06 20060101ALI20220329BHJP
   F02M 61/18 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
F02M61/16 C
F02M51/06 B
F02M51/06 S
F02M51/06 U
F02M61/16 Q
F02M61/18 360B
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021147885
(22)【出願日】2021-09-10
(31)【優先権主張番号】10 2020 211 961.9
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【弁理士】
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】テーメス,フランツ
【テーマコード(参考)】
3G066
【Fターム(参考)】
3G066BA51
3G066BA56
3G066BA58
3G066CC01
3G066CD17
3G066CE23
3G066CE24
3G066DC03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】組立性が改善されたインジェクタを提供する。
【解決手段】液体を噴射するためのインジェクタに関し、密封座(4)に設けた少なくとも1つの貫通穴(3)を開閉するための閉鎖要素(2)と、前記閉鎖要素(2)に対し、復帰させるための復帰力と閉鎖力とを作用させて、前記閉鎖要素(2)を前記密封座(4)に対し密封するように押圧させるために設置された復帰要素(5)と、噴射すべき液体を濾過するためのフィルタ(6)と、前記インジェクタの軸線方向(X-X)において前記フィルタ(6)と前記復帰要素(5)との間の作用結合部に配置されているスリーブ(7)とを含んでいる。この場合、前記復帰要素(5)は前記スリーブ(7)で支持され、前記復帰要素(5)の最終的な軸線方向位置は、前記インジェクタ内での前記フィルタ(6)の位置によって決定されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体を噴射するためのインジェクタにおいて、
密封座(4)に設けた少なくとも1つの貫通穴(3)を開閉するための閉鎖要素(2)と、
前記閉鎖要素(2)に対し、復帰させるための復帰力と閉鎖力とを作用させて、前記閉鎖要素(2)を前記密封座(4)に対し密封するように押圧させるために設置された復帰要素(5)と、
噴射すべき液体を濾過するためのフィルタ(6)と、
前記インジェクタの軸線方向(X-X)において前記フィルタ(6)と前記復帰要素(5)との間の作用結合部に配置されているスリーブ(7)と、
を含み、
前記復帰要素(5)が前記スリーブ(7)で支持され、
前記復帰要素(5)の最終的な軸線方向位置が、前記インジェクタ内での前記フィルタ(6)の位置によって決定されている、
インジェクタ。
【請求項2】
前記スリーブ(7)が、前記復帰要素(5)と直接に、且つ前記フィルタ(6)と直接に接触している、請求項1に記載のインジェクタ。
【請求項3】
前記フィルタ(6)が、底部領域(60)と側部領域(61)を備えてポット状に形成され、前記底部領域(60)が前記スリーブ(7)の方向に配置されている、請求項1または2に記載のインジェクタ。
【請求項4】
前記底部領域(60)が濾過穴またはこれに類似したものなしに形成されている、請求項3に記載のインジェクタ。
【請求項5】
前記フィルタ(6)が完全にプラスチックから製造されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のインジェクタ。
【請求項6】
前記フィルタ(6)が補強用封入体(10)を備えたプラスチック(14)から製造されている、請求項1~5のいずれか一項に記載のインジェクタ。
【請求項7】
前記補強用封入体(10)が、補強リング(11)と、軸線方向(X-X)において前記補強リング(11)から延びている多数の細条部(12)とを含んでいる、請求項6に記載のインジェクタ。
【請求項8】
前記補強用封入体(10)が前記スリーブ(7)と直接に接触している、請求項6または7に記載のインジェクタ。
【請求項9】
前記フィルタ(6)の外側領域から前記スリーブ(7)の内側領域へ至る液体用流動結合部を提供するため、前記フィルタ(6)の前記底部領域(60)が少なくとも1つのスリット(63)を有し、特に互いに対向している2つのスリット(63)を有している、請求項3~8のいずれか一項に記載のインジェクタ。
【請求項10】
閉鎖要素(2)と、復帰要素(5)と、スリーブ(7)と、フィルタ(6)とを備えたインジェクタを組み立てる方法において、
1回の組み立てステップで前記フィルタ(6)を前記インジェクタ(1)内に次のように取付け、すなわち前記インジェクタの軸線方向(X-X)における前記フィルタ(6)の取付け位置が、前記スリーブ(7)を介して、前記閉鎖要素(2)に対する前記復帰要素(5)の閉鎖力および復帰力を定義するように取付ける方法。
【請求項11】
前記フィルタ(6)を取付けるため、前記フィルタ(6)の底部領域(60)とフランジ(62)とに係合する段状の取付け工具(20)を使用する、請求項10に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液体を、特に燃料または尿素または水を噴射するための内燃機関用インジェクタおよびインジェクタを組み立てる方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
内燃機関用インジェクタは、技術水準から種々の構成のものが知られている。燃料インジェクタの場合、たとえば燃料は微細な貫通穴を介して噴霧される。この場合、最近のインジェクタは極めて高精度で製造されており、燃料内の粒子による損傷および摩耗から保護されねばならない。このため、通常はフィルタが使用される。その際、フィルタをインジェクタ内に直接組み込むこと、好ましくはインジェクタ内への燃料の供給領域に組み込むことが知られている。これにより、噴射される液体内の粒子による損傷からインジェクタの構成部材を保護することができる。最終的な組み立ての前にすでに噴射量に関してインジェクタを調整し、その後さらに仕上げの組み立てを行う場合(たとえば電気接触部用のプラグ押出被覆を形成させるために)、これらの組み立てステップは1回分の公差を拡大させ、その結果公差に対する特に厳しい要求を保証できなくなる。
【発明の概要】
【0003】
これに対し、請求項1の構成を備えた本発明によるインジェクタは、インジェクタ内に組み込まれているフィルタを正確に位置決めできるので、噴射すべき液体に対する小さな流動公差が維持されるという利点を有している。さらに、フィルタの位置決めにより、密封座においてインジェクタ内の貫通穴を閉鎖要素をして閉鎖させるためのインジェクタの復帰要素の復帰力および閉鎖力を正確に調整できる。これは、本発明によれば、インジェクタの軸線方向においてフィルタと復帰要素との間の作用結合部に配置されているスリーブが設けられていることによって達成される。この場合、復帰要素は直接にまたは間接にスリーブで支持される。その際、復帰要素の最終的な軸線方向位置は、取付けられたフィルタのインジェクタ内での位置によって決定される。というのは、フィルタの位置は、復帰要素が直接にまたは間接に支持されているスリーブの位置をも決定するからである。この場合、フィルタはインジェクタ内で好ましくは圧力ばめで固定される。特に有利には、スリーブもインジェクタ内で圧力ばめにより定置の構成部材で保持される。
【0004】
本発明の格別な利点は、フィルタがダイナミックな量の堅牢な調整要素としても、粒子に対する保護手段としても機能し、たとえばインジェクタのプラスチック押出被覆のような汚染リスクの高いプロセスを実施する前の早い組み立てプロセスで挿入できることである。
【0005】
従属請求項は、本発明の有利な更なる構成を示している。
【0006】
好ましくは、スリーブは、復帰要素と直接に、且つフィルタと直接に接触している。これにより、部品数が可能な限り少なく維持され、迅速で簡単な組み立てが可能になる。さらに、これにより、製造によって生じる公差が加わって、スリーブの最終位置に対する、よって復帰要素の予緊張力に対する望ましくない影響を持つことが回避される。
【0007】
フィルタは、特に有利には底部領域と側部領域を備えてポット状に形成され、その際底部領域はスリーブの方向に配置されている。これにより、インジェクタの強固な構造が可能になり、フィルタの取付け工具を特にポット状のフィルタ内部で位置決めすることができ、これによってフィルタの取付け工具は取付け中のフィルタの補強に補助的に寄与することができる。
【0008】
フィルタは、好ましくは底部領域に濾過穴を有していない。したがって、底部領域は好ましくは中実材料から製造されており、このことはフィルタの剛性をさらに改善させる。この場合、燃料はポット状のフィルタ内部に流入し、その後側部領域の濾過穴を介してフィルタを貫流する。
【0009】
特にコスト上好ましい製造のため、フィルタは好ましくは完全にプラスチックから製造されている。択一的に、フィルタは補強用封入体を備えたプラスチックから製造されている。補強用封入体は、好ましくは金属封入体である。このとき、フィルタはたとえば射出成形法により、射出成形法におけるインサート部材としての補強用封入体とともに製造することができる。
【0010】
特に有利には、フィルタはさらに、底部領域とは逆の側の端部に補強リングを有している。補強リングは、特に有利には、補強用封入体の一部である。この場合、好ましくは、補強用封入体は補強リングのほかに、軸線方向に延在する複数の細条部を有している。
【0011】
好ましくは、補強用封入体はスリーブと直接に接触している。これにより、最終的に組み立てられたインジェクタ内でのスリーブの特に正確な位置決めを達成でき、しかも組み立ての際にフィルタを損傷させることはない。
【0012】
さらに有利には、スリーブの内側領域へ至る流動結合部を提供するため、フィルタの底部領域に少なくとも1つの、特に2つのスリットが設けられている。両スリットは、好ましくは互いに対向するように配置されている。
【0013】
本発明は、さらに、閉鎖要素と、復帰要素と、スリーブと、フィルタとを備えたインジェクタを組み立てる方法に関する。この場合、1回の組み立てステップでフィルタをインジェクタ内に次のように取付け、すなわちフィルタの取付け位置がスリーブの取付け位置をも定義し、且つ閉じたインジェクタ内での閉鎖要素に対する復帰要素の予緊張力が定義されるように取付ける。このようにして、フィルタの位置決めに依存して、閉鎖要素に対する復帰要素の復帰力と閉鎖力とを調整することができる。
【0014】
特に有利には、インジェクタ内でのフィルタの取付けは、段状の取付け工具を用いて実施される。段状の取付け工具は、好ましくは、それぞれ異なる直径を備えた第1および第2の筒状領域を有し、その際第1の筒状領域はフィルタの内部に配置され、第2の筒状領域は、フィルタの、底部領域とは逆の側の端部に配置されている。したがって、このように段状に構成された取付け工具は、フィルタの底部領域とフランジとに同時に係合する。これによって、フィルタの損傷のない取付けを保証することができる。
【0015】
次に、添付の図面を参照して、本発明の有利な1実施形態を詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の有利な1実施形態によるインジェクタの概略断面図である。
図2図1のインジェクタのフィルタの概略斜視図である。
図3】本発明の取付け方法を説明するための概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、図1ないし図3を参照して、本発明の第1の有利な実施形態によるインジェクタ1を詳細に説明する。
【0018】
インジェクタ1は液体を噴射するためのインジェクタであり、本実施形態では燃料インジェクタとして形成されている。
【0019】
インジェクタ1は、複数の貫通穴3を開閉するための閉鎖要素2を含んでいる。この場合、閉鎖要素2はインジェクタ1の第1の端部に設けた密封座4において密封する。
【0020】
インジェクタ1は、さらに、インジェクタが開いたときに閉鎖要素2に対し復帰力Fを提供し、且つインジェクタを閉じた状態で保持するように閉鎖力を提供するために設置された復帰要素5を含んでいる。図1から明らかなように、閉鎖要素2は、密封座4で密封している球体2bを備えた中空のバルブニードル2aである。
【0021】
図1は、インジェクタの閉じた状態を示している。
【0022】
さらに、インジェクタ1は、燃料を閉鎖要素2の方向に流動させるスリーブ7と、フィルタ6とを含んでいる。
【0023】
フィルタ6は、図2および図3から詳細に見て取れる。フィルタ6は基本的にはポット状の形態を有し、底部領域60と、側部領域61と、フランジ62とを含んでいる。
【0024】
図1から明らかなように、フィルタ6は、底部領域60が閉鎖要素2の方向へ向いているように配置され、その結果燃料はインジェクタの供給端部においてポット状のフィルタの内部へ流入し、濾布が配置されている側部領域61を通ってフィルタから流出する。したがって、燃料内に固形物質が含まれていても、固形物質はフィルタ6によりインジェクタ1内へ入る際に濾過でき、フィルタ6のポット状の内部に集めることができる。
【0025】
インジェクタ1はさらにアクチュエータ9を含み、アクチュエータはこの実施形態ではマグネットアクチュエータである。さらに押出被覆部16が設けられており、押出被覆部は、アクチュエータ9に電気を供給するべく、電気プラグ(図示せず)を配置するために設置されている。
【0026】
この場合、インジェクタ1の機能は以下のとおりであり、アクチュエータ9を通電すると、閉鎖要素2はインジェクタの内部において定置の構成部材8の方向に復帰要素5のばね力に抗して引っ張られ、その際閉鎖要素2の球体が密封座4から持ち上げられて、燃料を貫通穴3を介して排流することができる。
【0027】
インジェクタが開いている時の燃料の流動経路は、図1において矢印AないしEによって示されている。燃料はフィルタ6のポット状の内部へ流入し、側部領域61を介して(矢印B)フィルタ6から流出し、これによって濾過過程が実施される。燃料は、さらに、矢印Cによって示唆したようにスリーブ7の内部へ流入し、筒状の復帰ばね5によって中空の閉鎖要素2の内部へ流入する。この場合、閉鎖要素2は密封座4の方向に向けられている端部領域に複数の側部開口部2cを有し、これら側部開口部に第2のフィルタ15が配置されており、その結果燃料は、矢印Eによって示唆したように、閉鎖要素2の内部から流出することができる。この時点で閉鎖要素2が密封座4から持ち上げられると、燃料は閉鎖要素2の球体のそばを通って貫通穴3内へ流入することができる。
【0028】
インジェクタ1の確実で正確な機能を保証するには、一方で閉じた出発位置への閉鎖要素2の復帰位置を実現させる復帰要素5の力Fも、閉鎖要素2を閉じた状態で密封座4で保持させる復帰要素5の閉鎖力も、正確に調整せねばならない。この場合、図1から明らかなように、復帰要素5は第1の端部において閉鎖要素2の段部2dで支持され、第2の端部ではスリーブ7で直接に支持されている。これによって、スリーブ7の位置は復帰要素5の閉鎖力も復帰力も決定する。この場合、スリーブ7と定置の構成部材8との間にプレスばめ部70が設けられている。これにより、軸線方向X-Xにおけるスリーブ7の位置の調整は、フィルタ6を用いて行われる。
【0029】
図2および図3から明らかなように、フィルタ6は、中実材料から成る底部領域60と、側部領域61と、半径方向外側へ向けられたフランジ62とを含んでいる。フィルタ6は複合部材であり、プラスチック領域と、プラスチック領域よりも高い剛性を有する材料から成る補強領域とを含んでいる。
【0030】
この場合、底部領域60は完全にプラスチックから形成されており、貫通穴またはこれに類似したものを有していない。フィルタ6は、フィルタ6の剛性を特に軸線方向X-Xにおいて著しく高めるために、補強用封入体10を含んでいる。補強用封入体10は好ましくは金属から成り、フランジ62に設けた補強リング11と、軸線方向X-Xにおいて補強リング11を起点に延びている複数の細条部、この実施形態では4つの細条部12とを含んでいる。これにより、フィルタ6に対してはただ1つの挿入部材10のみを必要とするにすぎない。好ましくは、挿入部材は濾過封入体13とも、たとえば金属性の濾布とも結合され、または一体的に製造されている。その後、フィルタ6は部分的にプラスチック14により押出被覆され、その結果フィルタ6の更なる領域がプラスチックから製造されている。
【0031】
図2および図3から明らかなように、底部領域60には、2つの幅広のスリット63が互いに対向するように形成されている。この場合スリット63は、図1で矢印Cによって示唆したように、濾過した燃料をスリーブ7内へ移送するために用いられる。
【0032】
このようにして、スリーブ7の軸線方向位置を調整するために、よって復帰要素5の閉鎖力と復帰力とを調整するために設置されている、特に堅牢なフィルタ6を提供することができる。図3から明らかになるように、フィルタ6をインジェクタ1内に取付ける工具20を設けてよい。この場合工具20は、フィルタ6のポット状の内部に挿入されている突出部分21と、フィルタ6のフランジ62に係合する段部22とを有している。このとき、圧入力Pによりフィルタをすでにインジェクタ内に取付けられているスリーブ7に配置し、軸線方向X-Xにおけるスリーブ7の端部位置を決定する。その際、フィルタ6はその底部領域60でもって、スリーブ7の、フィルタのほうへ向けられている端部と接触し、スリーブ7が軸線方向X-Xにおいて所定の端部位置へ変位するのを可能にする。
【0033】
金属から成っている補強用封入体10は、たとえば冷間鍛造されていてよい。その際、フィルタ6とハウジング部分18との間に、第2のプレスばめ部64が形成されている。したがって、フィルタ6の取付けの際に底部領域60とフランジ領域62の双方に同時に作用する工具20を使用することにより、損傷のない取付けを可能にさせることができ、その結果燃料に対するフィルタ6の流量も変化しない。これにより、技術水準において頻繁に生じる問題を解決することができる。というのは、取付け力が大きすぎることによる損傷または変形により、フィルタを通過する流量が計画目標値に対応しないことが頻繁にあったからである。補強用封入体10を備えた複合部材としてのフィルタ6の優れた構成により、インジェクタの作動中にフィルタ6を通過する流量を変化させるような望ましくない変形がフィルタ6に発生しないよう保証することができる。
【符号の説明】
【0034】
1 インジェクタ
2 閉鎖要素
3 貫通穴
4 密封座
5 復帰要素
6 フィルタ
7 スリーブ
10 補強用封入体
11 補強リング
12 細条部
14 プラスチック
20 工具(取付け工具)
60 フィルタの底部領域
61 フィルタの側部領域
62 フィルタのフランジ
63 スリット
X-X インジェクタの軸線方向
図1
図2
図3
【外国語明細書】