(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053528
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】ロール状薄膜のパッケージ構造、及びそのパッケージ方法
(51)【国際特許分類】
B65D 85/672 20060101AFI20220329BHJP
【FI】
B65D85/672
【審査請求】未請求
【請求項の数】19
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021153719
(22)【出願日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】63/083,033
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】110132105
(32)【優先日】2021-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】591057290
【氏名又は名称】長春石油化學股▲分▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】楊 明▲ゆい▼
(72)【発明者】
【氏名】▲頼▼ 耀生
(72)【発明者】
【氏名】周 瑞昌
【テーマコード(参考)】
3E037
【Fターム(参考)】
3E037AA02
3E037AA04
3E037BA10
3E037BB04
3E037CA07
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ロール状薄膜の損傷を減少させるようにした、ロール状薄膜のパッケージ構造、及びそのパッケージ方法を提供する。
【解決手段】ロール状薄膜200のパッケージ構造は、薄膜ロール100とバッファ層210とを含む。薄膜ロールは、巻き芯と、巻き芯に巻き付けられている薄膜110とを含み、バッファ層210は、薄膜の外周面110Aに巻き付けられている。バッファ層の端部212は、薄膜の端部112の内周面110Bで覆われ、バッファ層の厚みは、1ないし20mmの範囲にある。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状薄膜のパッケージ構造であって、
巻き芯と、前記巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む薄膜ロールと、
前記薄膜の外周面に巻き付けられているバッファ層であり、バッファ層の端部は、前記薄膜の端部の内周面で覆われ、バッファ層の一部分は、前記薄膜の前記端部に取り付けられ、バッファ層の厚みは、1ないし20mmの範囲にある、バッファ層を備えている、ロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項2】
前記薄膜が金属箔である、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項3】
前記薄膜の厚みに対する前記バッファ層の前記厚みの比が、4よりも大きい、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項4】
前記バッファ層の前記端部と前記薄膜の前記端部との間に重複領域があり、前記薄膜の機械方向に沿った前記重複領域の長さが、1cm以上である、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項5】
前記機械方向に沿った前記重複領域の前記長さが、1cmないし50cmの範囲にある、請求項4記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項6】
前記バッファ層の前記一部分は、接続要素又はバインダにより前記薄膜の前記端部に取り付けられている、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項7】
前記接続要素は第1接続端部と第2接続端部とを有し、前記第1接続端部は、前記薄膜の前記端部に取り付けられ、前記第2接続端部は、前記バッファ層の前記一部分に取り付けられている、請求項6記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項8】
さらに、前記薄膜と前記バッファ層との間に挟まれている防錆フィルムであり、前記薄膜ロールの両端を覆わない防錆フィルムを備えている、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項9】
さらに、前記薄膜ロールの両端にそれぞれ配置されている2つの防錆端部フィルムであり、それぞれが前記防錆フィルムから除去可能である2つの防錆端部フィルムを備えている、請求項8記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項10】
さらに、前記薄膜ロールの両端にそれぞれ配置されている2つのバッファ端部キャップを備えている、請求項1記載のロール状薄膜のパッケージ構造。
【請求項11】
ロール状薄膜のパッケージ方法であって、
薄膜ロールを得るステップであり、前記薄膜ロールは、巻き芯と前記巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む、得るステップと、
バッファ層を得るステップと、
前記バッファ層の端部を前記薄膜の端部の内周面で覆い、これにより前記バッファ層の前記端部と前記薄膜の前記端部との間に重複領域を形成するステップと、
前記薄膜の前記端部の少なくとも1つの部分を前記バッファ層に取り付けるステップであり、前記薄膜の前記端部の前記少なくとも1つの部分は、前記重複領域と重なる、取り付けるステップと、
前記薄膜の前記端部の前記少なくとも1つの部分を前記バッファ層に取り付けた後に、前記バッファ層を前記薄膜の外周面に巻き付けるステップとを備えている、ロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項12】
前記薄膜が金属箔である、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項13】
前記薄膜の厚みに対する前記バッファ層の厚みの比が、4よりも大きい、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項14】
前記薄膜の機械方向に沿った前記重複領域の長さが、1cm以上である、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項15】
前記薄膜の前記端部の前記少なくとも1つの部分は、接着テープ又はバインダにより前記バッファ層に取り付けられている、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項16】
さらに、
防錆フィルムを得るステップと、
前記防錆フィルムと前記バッファ層とを重ねるステップと、
前記バッファ層の前記端部と前記防錆フィルムの端部とを、前記薄膜の前記端部の前記内周面で覆うステップと、
前記バッファ層と前記防錆フィルムとを前記薄膜の前記外周面に巻き付けるステップとを備えている、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項17】
前記バッファ層と前記防錆フィルムとを前記薄膜の前記外周面に巻き付けることの完了時に、前記防錆フィルムは前記薄膜ロールの両端を覆わない、請求項16記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項18】
前記バッファ層と前記防錆フィルムとを前記薄膜の前記外周面に巻き付けた後、さらに、
2つの防錆端部フィルムを得るステップと、
前記薄膜ロールの両端をそれぞれ前記防錆端部フィルムで覆うステップであり、前記防錆端部フィルムのそれぞれが前記防錆フィルムから除去可能である、覆うステップとを備えている、請求項17記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【請求項19】
前記バッファ層を前記薄膜の前記外周面に巻き付けた後に、さらに、
2つのバッファ端部キャップを得るステップと、
前記薄膜ロールの両端を、前記バッファ端部キャップのそれぞれで覆うステップとを備えている、請求項11記載のロール状薄膜のパッケージ方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ロール状薄膜のパッケージ構造、特に、ロール状薄膜の損傷を減少させるようにしたロール状薄膜のパッケージ構造、及びそのパッケージ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属箔やポリマーフィルムのようなフィルム状の製品については、フィルム状の製品は、通常、巻き芯に巻き付けられてロール状薄膜となり、これらの製品は便利に輸送できる。
【0003】
図1は、従来技術に係り、バッファ層が巻き付けられたロール状薄膜の概略斜視図である。
図1を参照すると、一般に、ロール状薄膜12を輸送中の衝突による損傷から保護するために、通常、ロール状薄膜12の円弧状の外周面12Sに沿って、又はさらに、ロール状薄膜12の両端に、ロール状薄膜を保護するために、バッファ層14が配置されている。また、バッファ層14とロール状薄膜12との相対的なずれを防止するために、バッファ層14の一端部をロール状薄膜12の円弧状の外周面12Sに取り付けるのに、一般に、接着テープ16を使用する。
【0004】
しかし、ロール状薄膜12の円弧状の外周面12Sにバッファ層14の一端部を取り付ける際には、一般に、接着テープ16に特定の外力(例えば、巻き芯に向けた外力)を加える必要があり、これにより、接着テープ16の一端部をロール状薄膜12の円弧状の外周面12Sに接着させる。外力は、接着テープ16に加えられるのみならず、接着テープ16の下のロール状薄膜12にも加えられる可能性がある。ロール状薄膜12は、外力で塑性変形しやすいため、あるいは、ロール状薄膜12の表面構造が外力で損傷しやすいため、接着テープ16の下方の特定の深さのロール状薄膜12は、接着テープ16を接着する前述の工程の間に、普通は損傷してしまう。従って、ロール状薄膜12のこれらの損傷区間は、これらの区間の変形のために使用されなくなり、従って、コストの増加を引き起こすことになる。
【0005】
従って、従来技術の欠点を解決するために、ロール状薄膜のパッケージ構造及びそのパッケージ方法を提供する必要性がある。
【発明の概要】
【0006】
上記を考慮して、本開示は、従来技術に存在する欠点を解決する、ロール状薄膜のパッケージ構造及びそのパッケージ方法を提供する。
【0007】
本開示の一実施形態によれば、ロール状薄膜のパッケージ構造が提供され、ロール状薄膜のパッケージ構造は、巻き芯と、巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む薄膜ロールと;薄膜の外周面に巻き付けられているバッファ層であり、バッファ層の端部は、薄膜の端部の内周面で覆われ、バッファ層の一部分は、薄膜の端部に取り付けられ、バッファ層の厚みは、1ないし20mmの範囲にある、バッファ層を備えている。
【0008】
本開示の一実施形態によれば、ロール状薄膜のパッケージ方法が提供され、ロール状薄膜のパッケージ方法は、薄膜ロールを得るステップであり、薄膜ロールは、巻き芯と巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む、得るステップと;バッファ層を得るステップと;バッファ層の端部を薄膜の端部の内周面で覆い、これによりバッファ層の端部と薄膜の端部との間に重複領域を形成するステップと;薄膜の端部の少なくとも1つの部分をバッファ層に取り付けるステップであり、薄膜の端部の少なくとも1つの部分は、重複領域と重なる、取り付けるステップと;薄膜の端部の少なくとも1つの部分をバッファ層に取り付けた後に、バッファ層を薄膜の外周面に巻き付けるステップとを備えている。
【0009】
前述の実施形態によれば、バッファ層の一端部は、薄膜の端部の内周面で覆われているため、バッファ層は、薄膜の端部の内周面と、その下にある次の巻きの薄膜の外周面との間に挟まれてよい。従って、薄膜の端部に巻き芯に向かって外力が加えられても、バッファ層によって外力が完全又は部分的に吸収できる。従って、バッファ層の下のロール状薄膜は、僅かな外力のみを受けてよく、ロール状薄膜を損傷から保護することができる。
【0010】
本発明のこれら及び他の目的は、種々の図面及び図面に示されている好ましい実施形態の後述する詳細な説明を読んだ後に、当業者には疑いなく明らかになるものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】従来技術に係り、バッファ層が巻き付けられたロール状薄膜の概略斜視図である。
【
図2】本開示の1つの実施形態に係る薄膜ロールの概略斜視図である。
【
図3】実施形態に係るロール状薄膜のパッケージ構造の概略斜視図である。
【
図4】実施形態に係るロール状薄膜のパッケージ構造の概略側面図である。
【
図5】実施形態に係るロール状薄膜のパッケージ構造の一部の概略斜視図である。
【
図6】実施形態の1つの変形例に係るロール状薄膜のパッケージ構造の一部の概略斜視図である。
【
図7】実施形態の別の変形例に係るロール状薄膜のパッケージ構造の一部の概略斜視図である。
【
図8】本開示の別の実施形態に係るロール状薄膜のパッケージ構造の概略斜視図である。
【
図9】別の実施形態に係るロール状薄膜のパッケージ構造の概略斜視図である。
【
図10】本開示に係るロール状薄膜のパッケージ方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示によるロール状薄膜のパッケージ構造及びそのパッケージ方法の一層よい理解を、当業者に提供するために、本開示のいくつかの例示的実施形態は、内容と達成されるべき効果とを詳述するために番号を付した要素を使用して添付の図面を参照して、以下のように詳細に説明される。添付の図面は、実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、本明細書に組み込まれてその一部分を構成する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施することができるように、十分に詳細に説明される。他の実施形態が利用できる。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、構造的、論理的及び電気的変更を行うことができる。
【0013】
本開示における「上に」、「上方」及び「上側」の意味は、「上に」が何かに対して「直接上に」あることを意味するだけでなく、それらの間に中間の特徴又は層を伴って何かに対して「上に」の意味を含み、「上方」又は「上側」が「上方」又は「上側」の意味を意味するだけでなく、それがそれらの間に中間の特徴又は層を伴って何かに対して「上方」又は「上側」の意味を含み、それらの間に中間の特徴又は層がない(即ち、何かに直接)何かに対して「上方」又は「上側」の意味を含んでよいように、最も広く解釈されることとすることは、容易に理解されるものとする。
【0014】
少なくとも、各数値パラメータは、少なくとも、報告された有効桁数に照らして、また概数にする(rounding)通常の方法を適用することによって解釈されるものとする。範囲は、本出願では、1つの端点から別の端点へ、又は2つの端点の間で表現されてよい。本出願に開示されている全ての範囲は、特に断らない限り、端点を含む。
【0015】
後述のフローチャートに開示されるブロックの特定の順序は、例示的なアプローチの例示である。異なる設計の嗜好に従って、後述のフローチャートに開示されるブロックの特定の順序を再編成してよく、ブロックを組み合わせ又は省略してよく、あるいは図示のブロックに追加のブロックを追加してよいことを理解するものとする。
【0016】
以下に記載する異なる実施形態における技術的特徴は、本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、互いに置き換えられ、再結合され、又は混合されて、別の実施形態を構成してよいことに留意するものとする。
【0017】
本開示のロール状薄膜のパッケージ構造は、少なくとも薄膜ロールとバッファ層とを含む。特に、薄膜ロールは、巻き芯と、巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む。バッファ層は、薄膜の外周面に巻き付けられ、バッファ層の端部は、薄膜の端部の内周面で覆われている(と隣接している)。バッファ層の一部分は、薄膜の端部に取り付けられている。バッファ層の厚みは、1ないし20mmの範囲にある。
【0018】
本開示の一実施形態によれば、ロール状薄膜のパッケージ構造は、薄膜ロールと、バッファ層と、接続要素と、防錆フィルムとを含む。
図2は、本開示の実施形態による薄膜ロールの概略斜視図である。
図2を参照すると、薄膜ロール100は、巻き芯(winding core)120と薄膜110とを含む。特に、巻き芯120は、薄膜110を支持するために使用され、その結果、巻き取られた薄膜110は、薄膜ロール100の中心に向かって崩れないことが可能である。薄膜110は、巻き芯110の外周120Aに巻き付けられている連続層である。従って、巻き取られた薄膜110は、円弧状の外周面110Aと両端100Aとを含む円筒形状を有してよい。
【0019】
巻き芯120は、中実又は中空の円筒であってよい。円筒の長軸に沿った中心線Aを巻き芯120の回転軸に取ると、薄膜110は、巻き芯120を正方向又は逆方向に回転させることによって、巻き戻し又は巻き解きされてよい。巻き芯120は、外周120Aと内周120Bとを有する中空円筒である。外周120Aと内周120Bとの間には、半径方向に1cmないし15cmのように、ある厚みがあるが、これに限定されるものではない。巻き芯120の中空部分は、ロッド状シャフト(図示せず)を収容するために使用されてよく、従って、巻き芯120は、シャフトを回転させることによって駆動されて回転されてよい。巻き芯120の材料は、紙、木、金属、樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリイミド、ポリアミド、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエンゴム、ニトリル-ブタジエンゴムなど)、又は強化樹脂であってよいが、これらに限定されない。
【0020】
薄膜110は、帯状の連続的な薄層であり、外周面110Aと内周面110Bとである2つの互いに反対側の表面を含む。薄膜110は、可撓性であり、その対応する厚みT1は、1ないし210μmの範囲にあってよいが、それに限定されない。薄膜110を巻き取るために巻き芯120を連続的に回転させるプロセスの間、最も外側の薄膜110の内周面110Bは、薄膜110全体が端部に巻き付けられるまで、隣接する内側薄膜110の外周面110Aを覆う。巻き芯120に巻き付けられている薄膜110全体は、半径方向に、2cm,5cm,10cm,15cm,20cm,25cm,50cm,又は2cmないし50cmの範囲内の他の任意の値などの特定の厚みT2を有するが、それに限定されない。さらに、薄膜110は、機械方向MD(又は長さ方向)と、機械方向に垂直な横方向TD(又は幅方向)とを有する。薄膜110の巻き取り又は巻き解き中に、薄膜110は、横方向TDの代わりに、実質的に機械方向MDに移動する。
【0021】
薄膜110は、金属箔(銅箔、アルミニウム箔、錫箔、合金箔など)、樹脂フィルム(ポリビニルアルコール(PVA)フィルム、ポリビニルブチラール(PVB)フィルム、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)フィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリブチレンテレフタレート(PBT)フィルム、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)フィルム、ポリブチレンサクシネート(PBS)フィルム、熱可塑性ポリエステルエラストマー(TPEE)フィルム)、又は複合フィルムであってよいが、これらに限定されない。具体的には、金属箔は、電着箔又は圧延箔であってよいが、これらに限定されない。また、金属箔は、ポリマー膜に比べて外力で不可逆的に変形しやすいことから、薄膜110を金属箔で作った場合に、ロール状薄膜のパッケージ構造中のバッファ層が、金属箔を損傷から有効に保護することができる。従って、本開示のロール状薄膜のパッケージ構造の薄膜110は、金属箔が好ましい。
【0022】
薄膜110が薄いため、及び/又は薄膜110の少なくとも1つの表面が微細構造を有するため、薄膜110は、作用される外力で容易に損傷される可能性がある。従って、薄膜ロール100の外周面にバッファ層を設けることにより、薄膜ロール100の最も外側の薄膜110が外力で塑性変形することを防止してよく、また、最も外側の薄膜110の表面構造を外力で生じる損傷から保護してよい。実施形態に係り、一例として、
図3にロール状薄膜のパッケージ構造におけるバッファ層の配置を示す。
【0023】
図3を参照すると、ロール状薄膜200のパッケージ構造は、薄膜ロール100と、薄膜ロール100の外周面に巻き付けられているバッファ層(緩衝層)210とを含む。特に、バッファ層210の一端部は、最も外側の薄膜110(第1周)と、隣接する内側薄膜110(第2周)との間に挟まれ、それによって中空部(cavity)114が形成される。さらに、バッファ層210と薄膜ロール100との間の相対的なずれを防止するために、接着テープのような接続要素230は、接続要素230の両端が最も外側の薄膜110とバッファ層210にそれぞれ取り付けられて、バッファ層210が薄膜ロール100に対して相対的に固定化されるように使用されてよい。
【0024】
図4は、ロール状薄膜のパッケージ構造の概略側面図であり、例えば、横方向TDに沿って見た
図3のロール状薄膜のパッケージ構造の概略図である。薄膜ロール100に関してバッファ層210の異なる区間の相対的位置に応じて、バッファ層210は、開始部分212と、中間部分214と、終端部分218とを含むとみなされてよい。開始部分212は、薄膜110の端部112付近の区間であり、開始部分212の外周面210Aの一部分は、薄膜110の端部112の内周面110Bで覆われている。従って、開始部分212は、薄膜110の端部112と、内側の隣接した巻きである下にある薄膜110との間に挟まれ、中空部114が形成される。中間部分214の両端は、それぞれ、開始部分212と終端部分218とに接続され、中間部分214は、薄膜ロール100の外周面110Aに沿って配置される。終端部分218は、薄膜110の端部112に近い区間であってよいが、これに限定されない。例えば、終端部分218の内周面210Bは、薄膜110の端部112とバッファ層210の開始部分212とを同時に覆ってよく、又はバッファ層210の中間部分214の一部分を覆うようにさらに延びてよい。なお、
図2(
図4)に示す終端部分218は、部分的に展開されたものであることに留意するものとする。言い換えれば、ロール状薄膜200のパッケージ構造の終端部分218の内周面210Bは、空気中に吊り下げられるのではなく、バッファ層210の開始部分212を覆うことが好ましい。
【0025】
バッファ層210は、通常、発泡材料、例えば、発泡ポリエチレン(EVE)、エチレン酢酸ビニルフォーム、ポリウレタンフォーム、ポリスチレン、ポリプロピレン、網状ポリウレタン、PVC/ニトリルゴム、及びエチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴムで作られるが、これらに限定されない。さらに、バッファ層210が必要なバッファ特性を示すことを確実にするために、バッファ層210の厚みT3は、1ないし20mmであってよく、及び/又はバッファ層210の厚みT3の、薄膜110の厚みT1に対する比は、4よりも大きい。
【0026】
バッファ層210は、薄膜110の端部の内周面110Bの下方に配置されているため、薄膜110の端部112と開始部分212とに接続要素230を取り付けるプロセスにおいて、接続要素230に特定の外力(例えば、巻き芯120に向けた外力)を加える必要があっても、接続要素230の下方の開始部分212によって外力を軽減又は吸収してよく、開始部分212の下方の薄膜ロール100にそれ以上伝達しないことが可能である。従って、外力で塑性変形しやすい薄膜110や、外力で表面構造が損傷しやすい薄膜110に対しては、接続部材230の下にバッファ層210の開始部分212を配置することで、薄膜110は効果的に保護できる。
【0027】
さらに、外部の水分、酸化物、及び/又は汚染物がバッファ層210を貫通し、それにより薄膜ロール100を酸化又は汚染することを防止するために、1つ以上の防錆フィルム220を、必要に応じて、バッファ層210と薄膜ロール100との間に追加的に配置して、薄膜ロール100を酸化又は汚染から保護してよい。本開示の実施形態では、防錆フィルム220がさらに提供される。防錆フィルム220の厚みT4は、バッファ層210の厚みT3よりも、例えば、0.01ないし1mmの範囲で小さくてよい。防錆フィルム220の幅は、防錆フィルム220が薄膜ロール100の両端100Aを実質的に覆わない範囲で制御される。即ち、防錆フィルム220の幅は、薄膜ロール100の幅とほぼ等しいか、又は、薄膜ロール100の幅よりもわずかに大きい。この構成は、防錆フィルム220が薄膜ロール100をパッケージするために使用された後に、その全幅の薄膜ロール100の表面が防錆フィルム220によって保護されることを確実にできる。この実施形態では、防錆フィルム220の幅は、薄膜ロール100の幅よりも約10ないし20mm大きい。
【0028】
防錆フィルム220は、バルクマトリックスと添加剤とを含んでよい。バルクマトリックスは、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、配向ポリスチレン(OPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、以上の材料の混合物、以上の材料の改質製品、以上の材料の多層複合構造、又は紙であってよい。添加剤は、揮発性腐食防止剤(VCI)及び/又は乾燥剤であってよい。
【0029】
一方、防錆フィルム220と薄膜ロール100との間には、帯電防止効果を達成するために、用紙等の帯電防止層(図示せず)を追加配置してよく、又は、異なる要求に応じて帯電防止層(図示せず)が防錆フィルム220に直接置き換わってよい。
【0030】
図5は、本開示の実施形態によるロール状薄膜の一部の斜視図であり、
図4に示される領域Rを示す。
図5を参照すると、薄膜110の端部112とバッファ層210の開始部分212との間に重複領域Oがあり、薄膜110の機械方向における重複領域Oの長さLは1cm以上、例えば1cmないし50cmの範囲にある。ただし、これに限定されない。重複領域Oの長さLが上記の範囲内にある場合に、接続要素230は、一層大きな面積の中の領域に接着されてよい。従って、接続要素230を取り付けるプロセスの間、重複領域Oは、バッファ層210が接続要素230の下に配置されることを確実にし、従って、接続要素230が、偶発的に、重複領域Oの外側で薄膜110を損傷することを防止し、それによって、薄膜110は、効果的に保護される。加えて、接続要素230は、ストリップ状接着テープのようなストリップ状であってよい。接続要素230は、第1接続端部232と第2接続端部234とを含む。第1接続端部232は、重複領域Oと重なり、バインダ又は他の取り付け手段によって薄膜110の端部112に取り付けられる。第2接続端部234は、開始部分212と重なり、バインダ又は他の取り付け手段によってバッファ層210の開始部分212に取り付けられる。従って、接続要素230を設けることによって、薄膜110の端部112と開始部分212との間の、薄膜110の機械方向の相対的な変位は生じない。
【0031】
図6は、本開示の実施形態の変形例による概略斜視図であり、ロール状薄膜のパッケージ構造の一部を示す。
図6を参照すると、ロール状薄膜200のパッケージ構造は、
図5に示すロール状薄膜200のパッケージ構造と同様である。主な相違は、接続要素230が1対で存在し、それぞれ薄膜110の端部112の両側に配置されることである。同様に、接続要素230のそれぞれの第1接続端部232は、重複領域Oと重なり、バインダにより薄膜110の端部112に取り付けられる。一方、第2接続端部234は、開始部分212の側面と重なり、バインダにより開始部分212の側面に取り付けられる。従って、この実施形態の変形例によれば、薄膜110の端部112と開始部分212との間の、薄膜110の機械方向の相対的な変位は生じる可能性はない。さらに、薄膜110の端部112とバッファ層210との間の接続は、横方向TDにおける相対的な変位が生じにくいように、さらに強化されてよい。結果として、1つよりも多い接続要素230が、実施形態のこの変形例に従って取り付けるために使用されてよい。接続要素230の数は、必要に応じて調整されてよく、実施形態のこの変形により制限されない。
【0032】
図7は、ロール状薄膜のパッケージ構造の一部を示す、実施形態の別の変形例による概略斜視図である。
図7を参照すると、ロール状薄膜のパッケージ構造は、
図5に示すロール状薄膜のパッケージ構造と同様である。主な相違は、
図5に示す接続要素230を
図7に示すバインダ240に置き換えることである。バインダ240を薄膜110の端部112と開始部分212との間の重複領域Oに配置する。従って、薄膜110の端部112の内周面110Bの一部分は、バインダ240によって、開始部分212の外周面210Aの一部分に接着されてよい。本変形例によれば、連結要素230の代わりにバインダ240が使用され、これは、連結要素230が、薄膜110の端部112をバッファ層210の開始部分212に取り付けるための任意の要素であることを意味する。これに加えてさらに、接続要素230とバインダ240とは、実際の要求に応じて同時に使用してよい。
【0033】
図8及び9は、本開示の別の実施形態による概略斜視図である。ロール状薄膜300のパッケージ構造は、前の実施形態で開示された構造と同じであり、さらに、防錆端部フィルム250と、バッファ端部キャップ260と、保護フィルム280とを含む。
【0034】
防錆端部フィルム250とバッファ端部キャップ260とは、薄膜ロール100の両端100Aに配置されている。防錆端部フィルム250のそれぞれの組成は、防錆フィルム220の組成に類似してよく、これは、外側の水分、酸化物、及び/又は汚染物が両端100Aから薄膜ロール100内に浸透するのが防止できる。バッファ端部キャップ260のそれぞれの組成は、バッファ層210に類似していてよく、これは、バッファ端部キャップ260に加えられる外力が隣接する端部100Aに伝達されることが防止でき、従って、薄膜110は、損傷から効果的に保護される。それぞれの防錆端部フィルム250の厚みT5は、それぞれのバッファ端部キャップ260の厚みT6よりも小さくてよいが、それに限定されない。
【0035】
注目に値することは、防錆端部フィルム250と防錆フィルム220とのそれぞれが連続層ではないため、防錆端部フィルム250のそれぞれは、防錆フィルム220から除去可能であってよく、パッケージプロセスを容易にする。さらに、実際の要件によれば、防錆端部フィルム250とバッファ端部キャップ260とは、同時に使用するのではなく、独立して使用してよい。
【0036】
保護フィルム280は、バッファ層210とバッファ端部キャップ260とを包む。保護フィルム280は、外部の水分、酸化物及び/又は汚染物質が薄膜ロール100に浸透するのを防止するだけでなく、防錆端部フィルム250とバッファ端部キャップ260とを取り付けるために使用され、防錆端部フィルム250とバッファ端部キャップ260とは、薄膜ロール100から分離されない。一方、薄膜ロール100の外周面と両端とは、薄膜ロール100の周囲に保護フィルム280を巻き付ける際に、バッファ層210とバッファ端部キャップ260とで覆われてよいので、保護フィルム280を巻き付ける際に加えられる外力は、薄膜ロール100に伝達されることなく、バッファ層210とバッファ端部キャップ260とによって吸収できる。
【0037】
保護フィルム280は、バルクマトリックスを含んでよい。これは、ポリエチレン(PE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、配向ポリスチレン(OPS)、ポリプロピレン(PP)、ポリ乳酸(PLA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、以上の材料の複合材料、以上の材料の混合物、以上の材料の改質製品、又は以上の材料の多層複合構造であってよい。
【0038】
図10は、本開示によるロール状薄膜のパッケージ方法のフローチャートであり、上記実施形態の任意の1つに適用可能である。
図10を参照すると、ステップ402で、巻き芯と、巻き芯に巻き付けられている薄膜とを含む薄膜ロールが得られる。ステップ404で、バッファ層が得られる。具体的には、ステップ402とステップ404とは、実際の要件に応じて、同時に、又は逐次的に実施してよい。次に、ステップ406で、薄膜の端部の内周面が、バッファ層の一端部(又は開始部分)を覆い(と隣接して位置し)、その結果、重複領域が、薄膜の端部とバッファ層の端部との間に形成される。その後、ステップ408で、薄膜の端部の少なくとも1つの部分が、バッファ層に取り付けられ、薄膜の端部の少なくとも1つの部分が、重複領域と重なる。その後、ステップ410で、薄膜の端部の少なくとも1つの部分がバッファ層に取り付けられた後、バッファ層は、薄膜の外周面に巻き付けられる。
【0039】
また、防錆フィルムを備えたロール状薄膜のパッケージ構造において、ロール状薄膜のパッケージ方法は、さらに以下のステップを含んでよい。例えば、防錆フィルムを得るステップと、防錆フィルムとバッファ層とを重ねるステップと、バッファ層の端部と防錆フィルムの一端部とを、薄膜の端部の内周面で覆う(と隣接させる)ステップと、バッファ層と防錆フィルムとを薄膜の外周面に巻き付けるステップとを含んでよい。バッファ層と防錆フィルムとが薄膜の外周面の周りに完全に巻き付けられた後、バッファ層と防錆フィルムとを薄膜の外周面に巻き付けることの完了時に、防錆フィルムは薄膜ロールの両端を覆わない。
【0040】
防錆フィルムと防錆端部フィルムとを備えたロール状薄膜のパッケージ構造については、薄膜の外周面にバッファ層を巻き付けた後、ロール状薄膜のパッケージ方法として、さらに以下のステップを実施することができる。例えば、2つの防錆端部フィルムを得て、薄膜ロールの両端をそれぞれ防錆端部フィルムで覆い、防錆端部フィルムのそれぞれが防錆フィルムから除去可能である。
【0041】
バッファ端部キャップを備えたロール状薄膜のパッケージ構造では、バッファ層を薄膜の外周面に巻き付けた後、ロール状薄膜のパッケージ方法は、さらに以下のステップを含んでよい。例えば、2つのバッファ端部キャップを得るステップと;及び薄膜ロールの両端をバッファ端部キャップのそれぞれで覆うステップとを含んでよい。
【0042】
当業者が本開示を実施することを可能にするために、ロール状薄膜のパッケージ構造及びそのパッケージ方法に関する具体的な実施例を、以下にさらに詳述する。しかしながら、以下の実施例は、単に例示を目的としたものであり、本開示を限定するものと解釈されるべきではないことに留意するものとする。即ち、その修正が添付の請求項によって定義される本開示の精神及び範囲内にある限り、各実施例における材料及び処理フローは、適切に修正されてよい。
【実施例0043】
実施例1
実施例1は、ロール状薄膜の対応するパッケージ構造を得るための、ロール状薄膜のパッケージ方法である。まず、薄膜として幅20cm、厚み4μmの銅箔を使用し、得られた薄膜ロールの外径が15cmに達するまで、巻き芯に銅箔を連続的に巻き付ける。次に、バッファ層として厚み2mmの発泡ポリエチレン(EVE)を得、次にバッファ層を防錆フィルム上に積層する。その後、薄膜の端部の内周面がバッファ層と防錆フィルムとの一端部を覆い、薄膜の端部とバッファ層との間に重複領域を形成する。機械方向の重複領域の長さは約3cmである。次に、接着テープの一端部を薄膜の端部に取り付け、接着テープの端部を重複領域内に配置する。次に、接着テープの他端部をバッファ層に取り付け、バッファ層と薄膜の端部とを互いに取り付ける。その後、バッファ層と防錆フィルムとを、薄膜ロールの外周面に巻き付ける。後には、防錆端部フィルムとバッファ端部キャップとが、薄膜ロールの両端に順次積層されてよい。最後に、薄膜ロールの周りに保護フィルムを巻き付ける。実施例1の他の特定の条件とパラメータとを、表1に示す。
【0044】
実施例2ないし7
実施例2ないし7は、ロール状薄膜の対応するパッケージ構造を得るための、ロール状薄膜のパッケージ方法である。実施例2ないし7の薄膜は、銅箔であり、処理フローは、上記実施例1のものと同様である。異なる処理条件とパラメータとを、表1に示す。
【0045】
比較例1ないし6
比較例1ないし6は、ロール状薄膜の対応するパッケージ構造を得るための、ロール状薄膜のパッケージ方法である。比較例1ないし6の薄膜は、銅箔であり、処理フローは、上記実施例1のものと同様である。異なる処理条件とパラメータとを、表1に示す。
【0046】
なお、上記実施例1ないし7、及び比較例1ないし6の、例えば「損傷した薄膜の長さ」の試験結果については、以下にさらに詳述する。結果を表1に示す。
【0047】
[損傷した薄膜の長さ]
また、薄膜の端部に加わる外力は、接着テープを貼り付ける間に、薄膜ロールの表面から特定の深さに伝達されるため、上記実施例1ないし7及び比較例1ないし6のパッケージ方法が完了した後に、検査を行う。パッケージ構造は、対応する薄膜ロールを取り出すために開かれてよい。次いで、薄膜ロールは、機械方向に沿って展開され、検査されて、薄膜の表面に接着テープを取り付けることによって生じる凹みが存在するかどうかをチェックする。薄膜の端部のエッジと、薄膜の端部のエッジから最も遠い凹み(又は最後の凹み)との間の全長を測定する。これは、損傷した薄膜の長さである。
【表1】
【0048】
表1によれば、実施例1ないし6では、バッファ層の厚みが少なくとも1mmであり、薄膜の端部とバッファ層との間の重複領域の長さが少なくとも1cmである場合に、損傷した薄膜の対応する各長さは、0.5m未満である。対照的に、比較例2ないし6では、バッファ層が設けられていない場合に、又はバッファ層が薄膜の端部で覆われていない場合に、損傷した薄膜の対応する各長さは、依然として少なくとも5mである。また、比較例1では、バッファ層が薄膜の端部で覆われていても、バッファ層の厚みが1mm未満(例えば、0.2mm)の場合に、損傷した薄膜の対応する長さは、依然として少なくとも10mである。
【0049】
その結果、薄膜の端部とその下にある薄膜ロールとの間にバッファ層の開始部分を挟むことによって、薄膜の端部に加えられる外力は、バッファ層の開始部分によって緩衝又は吸収されることができ、開始部分よりも下の薄膜ロールにさらに伝達されることが可能でない。従って、外力で塑性変形しやすい薄膜や、外力で表面構造が損傷しやすい薄膜では、薄膜の端部とその下にある薄膜ロールとの間にバッファ層の開始部分を挟むことにより、薄膜の損傷を効果的に防止することができる。
【0050】
当業者は、本発明の教示を保持しつつ、装置及び方法の多くの修正及び変更が行われてよいことを容易に理解することである。従って、上記の開示は、添付の請求項の範囲によってのみ限定されると解釈されるものとする。