(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053529
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】トナー表面添加剤
(51)【国際特許分類】
G03G 9/097 20060101AFI20220329BHJP
G03G 9/09 20060101ALI20220329BHJP
G03G 9/08 20060101ALI20220329BHJP
【FI】
G03G9/097 374
G03G9/097 365
G03G9/097 375
G03G9/09
G03G9/097 344
G03G9/08 384
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021153760
(22)【出願日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】17/030,465
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】596170170
【氏名又は名称】ゼロックス コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
(71)【出願人】
【識別番号】521404152
【氏名又は名称】クラークソン ユニバーシティ
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100111796
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 博信
(72)【発明者】
【氏名】エリザベス・ケー. ・プリーベ
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・エム.・ウォルフ
(72)【発明者】
【氏名】チー-ミン・チェン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン・エー.・フランク
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・パーチ
【テーマコード(参考)】
2H500
【Fターム(参考)】
2H500AA06
2H500AA07
2H500AA08
2H500AA09
2H500BA11
2H500CA36
2H500CA41
2H500CB04
2H500CB06
2H500CB10
2H500CB11
2H500CB12
2H500EA42C
2H500EA46D
2H500FA04
(57)【要約】 (修正有)
【課題】同等の性能を提供するトナー配合物におけるTiO2の非発がん性代替物が望まれている。
【解決手段】様々な実施形態に従って、トナー組成物及び現像剤が提供される。トナー組成物は、樹脂を含むトナー粒子と、着色剤と、帯電制御剤と、トナー粒子の表面に適用された表面添加剤と、を含む。表面添加剤は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO
3)、シリカ(SiO
2)、四塩化ケイ素(SiCl
4)及び帯電制御剤を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナー組成物であって、
トナー粒子であって、
樹脂を含む、トナー粒子と、
着色剤と、
前記トナー粒子の表面に適用された表面添加剤であって、前記表面添加剤が、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び金属帯電制御剤を含む、表面添加剤と、を含む、トナー組成物。
【請求項2】
ワックスを更に含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項3】
凝固剤を更に含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項4】
流動添加剤を更に含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項5】
前記表面添加剤が、前記トナー組成物の総重量に基づいて、約0.2百分率(pph)~約1.1pphの量で存在する、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項6】
界面活性剤を更に含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項7】
前記金属帯電制御剤が、亜鉛、アルミニウム、クロム、カルシウム及び鉄からなる群から選択される金属を含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項8】
前記着色剤が、前記トナーの約0.1~約35重量%の量で存在する、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項9】
前記金属帯電制御剤が、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸亜鉛塩を含む、請求項1に記載のトナー組成物。
【請求項10】
現像剤であって、
トナー組成物であって、
トナー粒子と、
着色剤と、
前記トナー粒子の表面に適用された表面添加剤であって、前記表面添加剤が、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び金属帯電制御剤を含む、表面添加剤と、を含む、トナー組成物、及び
トナーキャリア、を含む、現像剤。
【請求項11】
前記トナー組成物が、エマルジョン凝集トナー組成物である、請求項10に記載の現像剤。
【請求項12】
前記表面添加剤が、前記トナー組成物の総重量に基づいて、約0.2百分率(pph)~約1.1pphの量で存在する、請求項10に記載の現像剤。
【請求項13】
トナー組成物であって、
トナー粒子であって、
樹脂を含む、トナー粒子と、
前記トナー粒子の表面に適用された表面添加剤であって、前記表面添加剤が、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び金属帯電制御剤を含む、表面添加剤と、を含む、トナー組成物。
【請求項14】
ワックスを更に含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項15】
凝固剤を更に含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項16】
前記金属帯電制御剤が、3,5-ジ-tert-ブチルサリチル酸亜鉛塩を含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項17】
流動添加剤を更に含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項18】
前記表面添加剤が、前記トナー組成物の総重量に基づいて、約0.2百分率(pph)~約1.1pphの量で存在する、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項19】
界面活性剤を更に含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【請求項20】
前記金属帯電制御剤が、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、クロム及び鉄からなる群から選択される金属を含む、請求項13に記載のトナー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、様々な実施形態において、静電写真機で使用するためのトナーに関する。
【背景技術】
【0002】
欧州委員会は、CLP規制の第14次技術的進歩への適合化(adaptation to technical progress、ATP)を採択した。これには、二酸化チタン(TiO2)の吸入可能な粉末形態をカテゴリー2の発がん性物質として分類することが含まれる。ラベル上にがんの警告を表示する二酸化チタン製品に関する新たな要件は、空気力学的直径が10μm以下の物質を1%以上含有する粉末形態の混合物に適用される。
【0003】
同等の性能を提供するトナー配合物におけるTiO2の非発がん性代替物が望まれている。
【発明の概要】
【0004】
様々な実施形態に従って、トナー組成物が提供される。トナー組成物は、樹脂を含むトナー粒子と、着色剤と、トナー粒子の表面に適用された表面添加剤と、を含む。表面添加剤は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び帯電制御剤を含む。
【0005】
本明細書に記載される更なる態様は、現像剤である。現像剤は、トナー粒子と、着色剤と、トナー粒子の表面に適用された表面添加剤と、を含む、トナー組成物を含む。表面添加剤は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び帯電制御剤を含む。現像剤は、トナーキャリアを含む。
【0006】
本明細書に記載される更なる態様は、トナー組成物である。トナー組成物は、樹脂を含むトナー粒子と、トナー粒子の表面に適用された表面添加剤と、を含む。表面添加剤は、チタン酸ストロンチウム(SrTiO3)、シリカ(SiO2)、四塩化ケイ素(SiCl4)及び帯電制御剤を含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する添付図面は、本教示のいくつかの実施形態を示し、記述と共に、本教示の原理を説明する役割を果たす。
【0008】
【
図1】
図1は、様々な湿度条件における様々なトナーに関する摩擦電気帯電のグラフ表示である。
【0009】
【
図2】
図2は、様々な湿度条件における様々なトナーに関する摩擦電気帯電のグラフ表示である。
【0010】
【
図3A】
図3Aは、対照トナーブレンドの帯電スペクトルの結果を示している。
【0011】
【
図3B】
図3Bは、SiO
2/SiCl
4/処理されたSrTiO
3の0.65百分率(parts per hundred、pph)のトナー配合物の帯電スペクトルを示している。
【0012】
【
図3C】
図3Cは、SiO
2/SiCl
4/処理されたSrTiO
3の1.1pphのトナー配合物の帯電スペクトルを示している。
【0013】
これらの図のいくつかの詳細は簡略化されており、厳密な構造精度、詳細、及び/又は縮尺は維持されるものではなく、実施形態の理解を容易にするように描かれていることに留意されたい。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明では、その一部をなし、本教示を実施することができる特定の例示的な実施形態を実例として示す化学式を参照する。これらの実施形態は、当業者が本教示を実施することを可能にするために十分に詳細に説明されており、他の実施形態が利用され得ること、及び本教示の範囲から逸脱することなく変更が行われ得ることが理解される。したがって、以下の説明は、単なる例示に過ぎず、非限定的である。
【0015】
本開示の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータは近似値であるが、特定の実施例に記載する数値は、可能な限り正確に報告する。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定値に見出される標準偏差から必然的に生じるある特定の誤差を本質的に含む。更に、本明細書に開示される全ての範囲は、その中に包摂される任意の小範囲を包含すると理解されるべきである。例えば、「10未満」の範囲は、最小値ゼロと最大値10との間(及び境界値を含む)の任意の及び全てのサブ範囲、すなわち、ゼロ以上の最小値と10以下の最大値とを有する任意の及び全てのサブ範囲、例えば、1~5を含むことができる。特定の場合では、パラメータについて記載した数値は、負の値をとることができる。この場合、「10未満」と記載された範囲の例示的な値は、負の値、例えば、-1、-2、-3、-10、-20、-30などを想定することができる。
【0016】
本明細書の開示の実施形態は、この点に関して限定されるものではないが、本明細書で使用するとき、用語「複数(plurality)」及び「複数(a plurality)」は、例えば、「多数の(multiple)」又は「2つ以上の(two or more)」を含み得る。用語「複数(plurality)」又は「複数(a plurality)」は、2つ以上の構成要素、デバイス、要素、ユニット、パラメータなどを説明するために、本明細書全体をとおして使用され得る。例えば、「複数の抵抗器」は、2つ以上の抵抗器を含み得る。
【0017】
トナーは、機械的粉砕プロセスによって調製された従来のトナー、又はエマルジョン凝集及び懸濁重合などの化学プロセスによって調製された化学的トナーを含む、任意の好適な、又は所望のトナーであり得る。
【0018】
本実施形態は、二酸化チタン(TiO2)などの表面トナー添加剤が直面する問題に対処する。本実施形態は、四塩化ケイ素(SiCl4)及び帯電制御剤と反応させたシリカ(SiO2)と混合されたチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)を提供する。トナー粒子上において四塩化ケイ素(SiCl4)及び帯電制御剤と反応させたシリカ(SiO2)と混合されたチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)の公称量は、0.2~1.1 pph(百分率)、又は実施形態では0.3~1.0pph、又は0.4pph~1.0pphである。
エマルジョン凝集トナー
【0019】
実施形態では、ラテックスポリマーは、第1及び第2のモノマー組成物から構成され得る。任意の好適なモノマー又はモノマーの混合物を選択して、第1のモノマー組成物及び第2のモノマー組成物を調製することができる。第1のモノマー組成物のためのモノマー又はモノマー混合物の選択は、第2のモノマー組成物のための選択とは独立しており、その逆もまた同様である。第1及び/又は第2のモノマー組成物のための例示的なモノマーとしては、ポリエステル;スチレン;アルキルアクリレート、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアリーレート、イソブチルアクリレート、ドデシルアクリレート、n-オクチルアクリレート、2-クロロエチルアクリレート、β-カルボキシエチルアクリレート(β-CEA)、フェニルアクリレート、メチルアルファクロロアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート及びブチルメタクリレート;ブタジエン;イソプレン;メタクリロニトリル;アクリロニトリル;ビニルエーテル、例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど;ビニルエステル、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルベンゾエート及びビニルブチレート;ビニルケトン、例えば、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン及びメチルイソプロペニルケトン;ハロゲン化ビニリデン、例えば、及び塩化ビニリデン及びクロロフッ化ビニリデン;N-ビニルインドール;N-ビニルピロリドン;メタクリレート;アクリル酸;メタクリル酸;アクリルアミド;メタクリルアミド;ビニルピリジン;ビニルピロリドン;ビニル-N-メチルピリジニウムクロリド;ビニルナフタレン;P-クロロスチレン;塩化ビニル;臭化ビニル;フッ化ビニル;エチレン;プロピレン;ブタン;イソブチレンなど、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。モノマーの混合物が使用される場合、典型的には、ラテックスポリマーはコポリマーである。
【0020】
いくつかの実施形態では、第1のモノマー組成物及び第2のモノマー組成物は、互いに独立して、2つ又は3つ以上の異なるモノマーを含み得る。したがって、ラテックスポリマーは、コポリマーを含み得る。このようなラテックスコポリマーの例示的な例としては、ポリ(スチレン-n-ブチルアクリレート-β-CEA)、ポリ(スチレン-アルキルアクリレート)、ポリ(スチレン-1,3-ジエン)、ポリ(スチレン-アルキルメタクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート-アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート-アリールアクリレート)、ポリ(アリールメタクリレート-アルキルアクリレート)、ポリ(アルキルメタクリレート)、ポリ(スチレン-アルキルアクリレート-アクリロニトリル)、ポリ(スチレン-1,3-ジエンアクリロニトリル)、ポリ(アルキルアクリレート-アクリロニトリル)、ポリ(スチレン-ブタジエン)、ポリ(メチルスチレン-ブタジエン)、ポリ(メチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルメタクリレート-ブタジエン)、ポリ(メチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(エチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(プロピルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(ブチルアクリレート-ブタジエン)、ポリ(スチレン-イソプレン)、ポリ(メチルスチレン-イソプレン)、ポリ(メチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルメタクリレート-イソプレン)、ポリ(メチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(エチルアクリレート-イソプレン)、ポリ(プロピルアクリレート-イソプレン)、ポリ(ブチルアクリレート-イソプレン);ポリ(スチレン-プロピルアクリレート)、ポリ(スチレン-ブチルアクリレート)、ポリ(スチレン-ブタジエン-アクリロニトリル)、又はポリスチレンブチルアクリレート-アクリロニトリル)などが挙げられる。
【0021】
実施形態では、第1のモノマー組成物及び第2のモノマー組成物は、実質的に水不溶性、例えば疎水性であってもよく、反応容器に添加したときに十分な撹拌で水相中に分散され得る。
【0022】
第1のモノマー組成物と第2のモノマー組成物との間の重量比は、約0.1:99.9~約50:50、例えば、約0.5:99.5~約25:75、約1:99~約10:90の範囲であり得る。
【0023】
実施形態では、第1のモノマー組成物及び第2のモノマー組成物は同じであり得る。第1及び第2のモノマー組成物の例は、スチレン、n-ブチルアクリレート及びβ-CEAを含む混合物などの、スチレン及びアルキルアクリレートを含む混合物であり得る。モノマーの総重量に基づいて、スチレンは、約1%~約99%、約50%~約95%、約70%~約90%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよく、N-ブチルアクリレートなどのアルキルアクリレートは、約1%~約99%、約5%~約50%、約10%~約30%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよい。
【0024】
実施形態では、樹脂は、米国特許第6,593,049号及び同第6,756,176号に記載されている樹脂を含む、非晶質樹脂、結晶性樹脂、及び/又はこれらの組み合わせなどのポリエステル樹脂であってもよく、それらの各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。好適な樹脂としては、米国特許第6,830,860号に記載の非晶質ポリエステル樹脂と結晶性ポリエステル樹脂との混合物を含んでもよく、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0025】
実施形態では、樹脂は、任意選択の触媒の存在下でジオールと二酸とを反応させることによって形成されるポリエステル樹脂であってもよい。結晶性ポリエステルを形成するために、好適な有機ジオールとしては、1,2-エタンジオール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、又は1,12-ドデカンジオールなどの、約2~約36個の炭素原子を有する脂肪族ジオール;ソジオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、リチオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,2-エタンジオール、ソジオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、リチオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、ポタシオ2-スルホ-1,3-プロパンジオール、又はこれらの任意の混合物などが挙げられる。脂肪族ジオールは、樹脂の、例えば、約40~約60モルパーセント、実施形態では約42~約55モルパーセント、実施形態では約45~約53モルパーセントの量で選択され得(ただし、これらの範囲外の量も使用され得る)、及びアルカリスルホ-脂肪族ジオールは、樹脂の約0~約10モルパーセント、実施形態では約1~約4モルパーセントの量で選択され得る。
【0026】
結晶性樹脂の調製のために選択されるビニル二酸又はビニルジエステルを含む有機二酸又はジエステルの例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート、シス、1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、マロン酸及びメサコン酸、これらのジエステル又はその無水物;並びにアルカリスルホ-有機二酸、例えば、ジメチル-5-スルホ-イソフタレート、ジアルキル-5-スルホ-イソフタレート-4-スルホ-1,8-ナフタル酸無水物、4-スルホ-フタル酸、ジメチル-4-スルホ-フタレート、ジアルキル-4-スルホ-フタレート、4-スルホフェニル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、6-スルホ-2-ナフチル-3,5-ジカルボメトキシベンゼン、スルホ-テレフタル酸、ジメチル-スルファ-テレフタレート、5-スルホ-イソフタル酸、ジアルキル-スルホ-テレフタレート、スルホエタンジオール、2-スルホプロパンジオール、2-スルホブタンジオール、3-スルホペンタンジオール、2-スルホヘキサンジオール、3-スルホ-2-メチルペンタンジオール、2-スルホ-3,3-ジメチルペンタンジオール、スルホ-p-ヒドロキシ安息香酸、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホネートのナトリウム塩、リチウム塩若しくはカリウム塩、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。有機二酸は、樹脂の、例えば、実施形態では約40~約60モルパーセント、実施形態では約42~約52モルパーセント、実施形態では約45~約50モルパーセントの量で選択され得、アルカリサルファ-脂肪族二酸は、樹脂の約1~約10モルパーセントの量で選択され得る。
【0027】
結晶性樹脂の例としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、又はこれらの任意の混合物などが挙げられる。具体的な結晶性樹脂は、ポリエステル系であり得、例えば、ポリ(エチレン-アジペート)、ポリ(プロピレン-アジペート)、ポリ(ブチレン-アジペート)、ポリ(ペンチレン-アジペート)、ポリ(ヘキシレン-アジペート)、ポリ(オクチレン-アジペート)、ポリ(エチレン-サクシネート)、ポリ(プロピレン-サクシネート)、ポリ(ブチレン-サクシネート)、ポリ(ペンチレン-サクシネート)、ポリ(ヘキシレン-サクシネート)、ポリ(オクチレン-サクシネート)、ポリ(エチレン-セバケート)、ポリ(プロピレン-セバケート)、ポリ(ブチレン-セバケート)、ポリ(ペンチレン-セバケート)、ポリ(ヘキシレン-セバケート)、ポリ(オクチレン-セバケート)、ポリ(デシレン-セバケート)、ポリ(デシレン-デカノエート)、ポリ(エチレン-デカノエート)、ポリ(エチレン-ドデカノエート)、ポリ(ノニレン-セバケート)、ポリ(ノニレン-ドデカノエート)、コポリ(エチレン-フマレート)-コポリ(エチレン-セバケート)、コポリ(エチレン-フマレート)-エオポリ(エチレン-デカノエート)、コポリ(エチレン-フマレート)-コポリ(エチレン-ドデカノエート)、コポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(エチレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(プロピレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ブチレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホイソフタロイル)-コポリ(オクチレン-サクシネート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-シルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(オクチレン-セバケート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(エチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(プロピレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ブチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ペンチレン-アジペート)、アルカリコポリ(5-スルホ-イソフタロイル)-コポリ(ヘキシレン-アジペート)、ポリ(オクチレン-アジペート)であり得、アルカリは、ナトリウム、リチウム又はカリウムなどの金属である。ポリアミドの例としては、ポリ(エチレン-アジパミド)、ポリ(プロピレン-アジパミド)、ポリ(ブチレン-アジパミド)、ポリ(ペンチレン-アジパミド)、ポリ(ヘキシレン-アジパミド)、ポリ(オエチレン-アジパミド)、ポリ(エチレン-スクシンイミド)、及びポリ(プロピレン-セバカミド)が挙げられるが、これらに限定されない。ポリイミドの例としては、ポリ(エチレン-アジピミド)、ポリ(プロピレン-アジピミド)、ポリ(ブチレン-アジフニド)、ポリ(ペンチレン-アジピミド)、ポリ(ヘキシレン-アジピミド)、ポリ(オクチレン-アジピミド)、ポリ(エチレン-スクシンイミド)、ポリ(プロピレン-スクシンイミド)、及びポリ(ブチレンス-クシンイミド)が挙げられる。
【0028】
結晶性樹脂は、例えば、トナー成分の約5~約50重量パーセント、実施形態ではトナー成分の約10~約35重量パーセントの量で存在してもよい。結晶性樹脂は、様々な融点を有することができ、例えば、約30℃~約120℃、実施形態では約50℃~約90℃を有し得る。結晶性樹脂は、ポリスチレン標準を使用するゲル透過クロマトグラフィ(gel permeation chromatography、GPC)によって測定した場合、例えば、約1,000~約50,000、実施形態では約2,000~約25,000の数平均分子量(Mn)、及びGPCによって測定する場合、約2,000~約100,000、実施形態では約3,000~約80,000の重量平均分子量(Mw)を有し得る。結晶性樹脂の分子量分布(Mw/Mn)は、例えば、約2~約6、実施形態では約3~約4であり得る。
【0029】
非晶質ポリエステルの調製に利用されるビニル二酸又はビニルジエステルを含む二酸又はジエステルの例としては、ジカルボン酸又はジエステル、例えば、テレフタル酸、フタフィック酸、イソフタル酸、フマル酸、ジメチルフマレート、ジメチルイタコネート、シス1,4-ジアセトキシ-2-ブテン、ジエチルフマレート、ジエチルマレエート、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、コハク酸、無水コハク酸、ドデシルコハク酸、無水ドデシルコハク酸、グルタル酸、無水グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ジメチルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジエチルイソフタレート、ジメチルフタレート、無水フタル酸、ジエチルフタレート、ジメチルサクシネート、ジメチルフマレート、ジメチルマレエート、ジメチルグルタレート、ジメチルアジペート、ジメチルドデシルサクシネート、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。有機二酸又はジエステルは、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、実施形態では樹脂の約42~約52モルパーセント、実施形態では樹脂の約45~約50モルパーセントの量で存在してもよい。ビスフェノールのアルキレンオキシド付加物の例としては、ポリオキシプロピレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(3.3)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシプロピレン(2.0)-ポリオキシエチレン(2.0)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、及びポリオキシプロピレン(6)-2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパンが挙げられるが、これらに限定されない。これらの化合物は、単独で、又はこれらの2つ以上の組み合わせで使用され得る。
【0030】
非晶質ポリエステルを産生する際に利用され得る追加のジオールの例としては、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、2,2-ジメチルプロパンジオール、2,2,3-トリメチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ドデカンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、キシレンジメタノール、シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレン、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。選択される有機ジオールの量は様々であり得、例えば、樹脂の約40~約60モルパーセント、実施形態では樹脂の約42~約55モルパーセント、実施形態では樹脂の約45~約53モルパーセントの量で存在し得る。
【0031】
結晶質又は非晶質ポリエステルのいずれかを形成するのに利用され得る重縮合触媒としては、テトラアルキルチタネート、ジブチルスズオキシドなどのジアルキルスズオキシド、ジブチルスズジラウレートなどのテトラアルキルスズ、及びブチルスズオキシド水酸化物などのジアルキルスズオキシド水酸化物、アルミニウムアルコキシド、アルキル亜鉛、ジアルキル亜鉛、酸化亜鉛、酸化第一スズ、又はこれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。このような触媒は、例えば、ポリエステル樹脂を生成するために使用される出発二酸又はジエステルに基づいて、約0.01モルパーセント~約5モルパーセントの量で利用されてもよい。
【0032】
実施形態では、好適な非晶質樹脂としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフィン、ポリエチレン、ポリブチレン、ポリイソブチレート、エチレン-プロピレンコポリマー、エチレン-ビニルアセテートコポリマー、ポリプロピレン、又はこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。利用され得る非晶質樹脂の例としては、アルカリスルホン化ポリエステル樹脂、分岐状アルカリスルホン化ポリエステル樹脂、アルカリスルホン化ポリイミド樹脂、又は分岐状アルカリスルホン化ポリイミド樹脂が挙げられるが、これらに限定されない。アルカリスルホン化ポリエステル樹脂は、実施形態において有用であり得、それは、コポリ(エチレン-テレフタレート)-コポリ(エチレン-5-スルホ-イソフタレート)、コポリ(プロピレン-テレフタレート)-コポリ(プロピレン-5-スルホ-イソフタレート)、コポリ(ジエチレン-テレフタレート)-コポリ(ジエチレン-5-スルホ-イソフタレート)、コポリ(プロピレン-ジエチレン-テレフタレート)-コポリ(プロピレン-ジエチレン-5--スルホイソフタレート)、コポリ(プロピレン-ブチレン-テレフタレート)-コポリ(プロピレン-ブチレン-5-スルホイソフタレート)、コポリ(プロポキシル化ビフェノール-A-フマレート)-コポリ(プロポキシル化ビスフェノールA-5-スルホ-イソフタレート)、コポリ(エトキシル化ビスフェノール-A-フマレート)-コポリ(エトキシル化ビスフェノール-A-5-スルホ-イソフタレート)、及びコポリ(エトキシル化ビスフェノール-A-マレエート)-コポリ(エトキシル化ビスフェノール-A-5-スルホ-イソフタレート)の金属又はアルカリ塩などであり、アルカリ金属は、例えば、ナトリウムイオン、リチウムイオン、又はカリウムイオンである。
【0033】
実施形態では、上記のように、不飽和非晶質ポリエステル樹脂をラテックス樹脂として利用してもよい。このような樹脂の例としては、米国特許第6,063,827号に開示されるものが挙げられ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。例示的な不飽和非晶質ポリエステル樹脂としては、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコフマレート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコフマレート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコフマレート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコフマレート)、ポリ(1,2-プロピレンフマレート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコマレエート)、ポリ(1,2-プロピレンマレエート)、ポリ(プロポキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(エトキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(ブチルオキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(コプロポキシル化ビスフェノールコエトキシル化ビスフェノールコイタコネート)、ポリ(1,2-プロピレンイタコネート)、又は任意のこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】
更に、実施形態では、結晶性ポリエステル樹脂は、結合樹脂中に含有され得る。結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分及びアルコール(ジオール)成分から合成され得る。以下では、「酸由来成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前に元々酸成分であった構成成分部分を指し、「アルコール由来成分」は、ポリエステル樹脂の合成前に元々アルコール成分であった構成成分部分を指す。
【0035】
「結晶性ポリエステル樹脂」は、示差走査熱量測定(differential scanning calorimetry、DSC)において、段階的吸熱量の変動を示さないが、明確な吸熱ピークを示すものを指す。しかしながら、結晶性ポリエステル主鎖と少なくとも1つの他の成分とを共重合することによって得られるポリマーは、他の成分の量が50%以下である場合、結晶性ポリエステルとも称され得る。
【0036】
酸由来成分としては、直鎖カルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸が利用され得る。直鎖カルボン酸の例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9-ノナンジカルボン酸、1,10-デカンジカルボン酸、1,1-ウンデカンジカルボン酸、1,12-ドデカンジカルボン酸、1,13-トリデカンジカルボン酸、1,14-テトラデカンジカルボン酸、1,16-ヘキサデカン二カルボン酸、又は1,18-オクタデカンジカルボン酸、並びにこれらの低級アルキルエステル及び酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、好適な結晶融点及び帯電特性を得るために、6~10個の炭素原子を有する酸が望ましい場合がある。結晶化度を向上させるために、直鎖カルボン酸は、酸成分の約95モル%以上の量で存在してもよく、実施形態では、酸成分の約98モルパーセント%超で存在してもよい。他の酸は特に限定されず、それらの例としては、従来既知の二価カルボン酸及び二価アルコールが挙げられる。モノマー成分の具体的な例としては、二価カルボン酸として、二塩基酸、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、ナフタレン-2,7-ジカルボン酸、又はシクロヘキサンジカルボン酸、又はこれらの無水物及び低級アルキルエステル、並びにこれらの任意の組み合わせなどが挙げられる。酸由来成分としては、スルホン酸基を有するジカルボン酸由来成分などの成分も利用され得る。スルホン酸基を有するジカルボン酸は、顔料などの着色剤の優れた分散を得るのに有効であり得る。更に、全樹脂を水中に乳化又は懸濁させてトナー母粒子を調製するとき、スルホン酸基は、界面活性剤を用いずに樹脂を乳化又は懸濁させることができる。スルホン酸基を有するそのようなジカルボン酸としては、例えば、2-スルホテレフタル酸ナトリウム、5-スルホイソフタル酸ナトリウム及びスルホコハク酸ナトリウムが挙げられるが、これらに限定されない。更に、例えば、スルホン酸基を有するそのようなジカルボン酸の低級アルキルエステル及び酸無水物も使用され得る。これらの中でも、コストを考慮して、5-スルホイソフタル酸ナトリウムなどが望ましい場合がある。スルホン酸基を有するジカルボン酸の含有量は、約0.1%~約2モルパーセント%、実施形態では約0.2モル%~約1モルパーセント%であり得る。含有量が約2モルパーセント%を超えると、帯電特性が悪化し得る。ここで、「成分モル%(component mol %)」又は「成分モル%(component mole %)」は、ポリエステル樹脂中の各成分(酸由来成分及びアルコール由来成分)の総量が1単位(モル)であると想定されるときの割合を示す。
【0037】
アルコール成分としては、脂肪族ジオールが使用され得る。それらの例としては、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、6-ヘキサンジオール、1,7ヘプタンジオール、1,8オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、1,11-ドデカンジオール、1,12-ウンデカンジオール、1,13-トリデカンジオール、1,14-テトラデカンジオール、1,18-オクタデカンジオール又は1,20-エイコサジオールが挙げられるが、これらに限定されない。これらの中でも、約6~約10個の炭素原子を有するものを使用して、望ましい結晶融点及び帯電特性を得ることができる。結晶化度を上昇させるために、直鎖ジオールを約95モルパーセント%以上、実施形態では約98モルパーセント%以上の量で使用することは有用であり得る。
【0038】
利用され得る他の二価ジオールの例としては、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及びこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0039】
酸価及びヒドロキシル価を調整するために、一価の酸、例えば、酢酸及び安息香酸;一価アルコール、例えば、シクロヘキサノール及びベンジルアルコール;ベンゼントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、並びにこれらの無水物及び低級アルキルエステル;三価アルコール、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、及びこれらの任意の組み合わせが使用され得る。
【0040】
結晶性ポリエステル樹脂は、従来の方法を使用することによって、上記モノマー成分から選択される成分の組み合わせから合成され得る。例示的な方法としては、エステル交換法及び直接重縮合法が挙げられ、これらは単独で又はこれらの組み合わせで使用され得る。酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)は、反応条件に応じて変化し得る。モル比は、通常は、直接重縮合では約1/1である。エステル交換方法では、真空下で蒸留され得るエチレングリコール、ネオペンチルグリコール又はシクロヘキサンジメタノールなどのモノマーを過剰に使用してもよい。
界面活性剤
【0041】
本開示によるラテックス及びワックス分散液の調製には、任意の好適な界面活性剤を使用し得る。エマルジョン系に応じて、アニオン性又はカチオン性界面活性剤などの任意の所望の非イオン性又はイオン性界面活性剤が企図され得る。
【0042】
好適なアニオン性界面活性剤の例としては、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、ドデシルナフタレン硫酸ナトリウム、ジアルキルベンゼンアルキルサルフェート及びスルホネート、アビチン酸、Kaoから入手可能なNEOGEN R(登録商標)及びNEOGEN SC(登録商標)、Tayca Corp.から入手可能なTayca Power(登録商標)、Dow Chemical Co.から入手可能なDOWFAX(登録商標)など、並びにそれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。アニオン性界面活性剤は、任意の所望の又は有効な量、例えば、ラテックスポリマーを調製するために使用される全モノマーの少なくとも約0.01重量%、ラテックスポリマーを調製するために使用される全モノマーの少なくとも約0.1重量%、ラテックスポリマーを調製するために使用される全モノマーの約10重量%以下、ラテックスポリマーを調製するために使用される全モノマーの約5重量%以下であるが、これらの量もまた、これらの範囲外であり得る。
【0043】
好適なカチオン性界面活性剤の他の例としては、ジアルキルベンゼンアルキルアンモニウムクロリド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルメチルアンモニウムクロリド、アルキルベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ベンザルコニウムクロリド、セチルピリジニウムブロミド、C12、C15及びC17トリメチルアンモニウムブロミド、四級化ポリオキシエチルアルキルアミンのハロゲン塩、ドデシルベンジルトリエチルアンモニウムクロリド、MIRAPOL(登録商標)及びALKAQUAT(登録商標)(Alkaril Chemical Companyから入手可能)、SANIZOL(登録商標)(塩化ベンザルコニウム、Kao Chemicalsから入手可能)など、並びにこれらの任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0044】
好適な非イオン性界面活性剤の例としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、メタロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ジアルキルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール(IGEPAL CA-210(登録商標)、IGEPAL CA-520(登録商標)、IGEPAL CA-720(登録商標)、IGEPAL CO-890(登録商標)、IGEPAL CO-720(登録商標)、IGEPAL CO-290(登録商標)、IGEPAL CA-210(登録商標)、ANTAROX 890(登録商標)、及びANTAROX 897(登録商標)としてRhone-Poulencから入手可能)など、並びにこれらの任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
開始剤
【0045】
任意の好適な開始剤又は開始剤の混合物は、ラテックスプロセス及びトナープロセスにおいて選択され得る。実施形態では、開始剤は、既知のフリーラジカル重合開始剤から選択される。フリーラジカル開始剤は、フリーラジカル重合プロセスを開始することができる任意のフリーラジカル重合開始剤又はこれらの任意の混合物であり得、そのようなフリーラジカル開始剤は、約30℃超まで加熱するとフリーラジカル種を付与することができる。
【0046】
水溶性フリーラジカル開始剤は、エマルジョン重合反応で使用されるが、他のフリーラジカル開始剤も使用され得る。好適なフリーラジカル開始剤の例としては、過酸化物、例えば、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アセチルペルオキシド、クミルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、クロロベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ブロモメチルベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、テトラリンヒドロペルオキシド、1-フェニル-2-メチルプロピル-1-ヒドロペルオキシド及びtert-ブチルヒドロペルオキシド;ペルトリフェニルアセテート、tert-ブチルペルホルメート;tert-ブチルペルアセテート;tert-ブチルペルベンゾエート;tert-ブチルペルフェニルアセテート;tert-ブチルペルメトキシアセテート;tert-ブチル/ペル-N-(3-トルイル)カルバメート;過硫酸ナトリウム;過硫酸カリウム、アゾ化合物、例えば、2,2’-アゾビスプロパン、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスプロパン、1,1’-アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’-アゾビス(2-アミジノプロパン)-ニトレート、2,2’-アゾビスイソブタン、2,2’-アゾビスイソブチルアミド、2,2’-アゾビスイソブチロニトリル、メチル2,2’-アゾビス-2-メチルプロピオネート、2,2’-ジクロロ-2,2’-アゾビスブタン、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル、ジメチル2,2’-アゾビスイソブチレート、1,1’-アゾビス(1-メチルブチロニトリル-3-スルホン酸ナトリウム)、2-(4-メチルフェニルアゾ)-2-メチルマロノジニトリル、4,4’-アゾビス-4-シアノバレリン酸、3,5-ジヒドロキシメチルフェニルアゾ-2-メチルマロノジニトリル、2-(4-ブロモフェニルアゾ)-2-アリルマロノジニトリル、2,2’-アゾビス-2-メチルバレロニトリル、ジメチル4,4’-アゾビス-4-シアノバレレート、2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル、1,1’-アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’-アゾビス-2-プロピルブチロニトリル、1,1’-アゾビス-1-クロロフェニルエタン、1,1’-アゾビス-1-シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’-アゾビス-1-シクロヘプタンニトリル、1,1’-アゾビス-1-フェニルエタン、1,1’-アゾビスクメン、エチル4-ニトロフェニルアゾベンジルシアノアセテート、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4-ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1’-アゾビス-1,2-ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノール-A-4,4’-アゾビス-4-シアノペンタノ-エート)及びポリ(テトラエチレングリコール-2,2’-アゾビスイソブチレート);1,4-ビス(ペンタエチレン)-2-テトラゼン;1,4-ジメトキシカルボニル-1,4-ジフェニ-1-2-テトラゼンなど;又はこれらの任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0047】
より典型的なフリーラジカル開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過酸化水素、アセチルペルオキシド、クミルペルオキシド、tert-ブチルペルオキシド、プロピオニルペルオキシド、ベンゾイルペルオキシド、クロロベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ブロモメチルベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピルなど、又はこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】
モノマーの総重量に基づいて、開始剤は、約0.1%~約5%、約0.4%~約4%、約0.5%~約3%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよい。
連鎖移動剤
【0049】
連鎖移動剤を任意選択で使用して、ラテックスの重合度を制御し、それにより、本開示によるラテックスプロセス及び/又はトナープロセスの生成物ラテックスの分子量及び分子量分布を制御してもよい。理解され得るように、連鎖移動剤は、ラテックスポリマーの一部になり得る。
【0050】
実施形態では、連鎖移動剤は、炭素-硫黄共有結合を有する。炭素-硫黄共有結合は、赤外線吸収スペクトルにおいて500~800cm-1の範囲の波数領域に吸収ピークを有し得る。連鎖移動剤が、ラテックス及びラテックスから作製されたトナーに組み込まれると、吸収ピークは、例えば、400~4,000cm-1の波数領域に変わり得る。
【0051】
例示的な連鎖移動剤としては、n-C3-15アルキルメルカプタン、例えば、n-プロピルメルカプタン、n-ブチルメルカプタン、n-アミルメルカプタン、n-ヘキシルメルカプタン、n-ヘプチルメルカプタン、n-オクチルメルカプタン、n-ノニルメルカプタン、n-デシルメルカプタン及びn-ドデシルメルカプタン;分岐アルキルメルカプタン、例えば、イソプロピルメルカプタン、イソブチルメルカプタン、s-ブチルメルカプタン、tert-ブチルメルカプタン、シクロヘキシルメルカプタン、tert-ヘキサデシルメルカプタン、tert-ラウリルメルカプタン、tert-ノニルメルカプタン、tert-オクチルメルカプタン及びtert-テトラデシルメルカプタン;芳香環含有メルカプタン、例えば、アリルメルカプタン、3-フェニルプロピルメルカプタン、フェニルメルカプタン及びメルカプトトリフェニルメタンなどが挙げられるが、これらに限定されない。メルカプタン及びチオールという用語は、C-SH基を意味するために交換可能に使用することができる。
【0052】
そのような連鎖移動剤の例としては、ドデカンチオール、ブタンチオール、イソオクチル-3-メルカプトプロピオネート、2-メチル-5-t-ブチル-チオフェノール、四塩化炭素、四臭化炭素など、又はこれらの任意の組み合わせも挙げられるが、これらに限定されない。
【0053】
モノマーの総重量に基づいて、連鎖移動剤は、約0.1%~約7%、約0.5%~約6%、約1.0%~約5%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよい。
【0054】
実施形態では、分岐剤は、任意選択で、標的ラテックスの分岐構造を制御するために、第1/第2のモノマー組成物中に含まれ得る。例示的な分岐剤としては、デカンジオールジアクリレート(ADOD)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメリット酸、ピロメリット酸又はこれらの任意の混合物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0055】
モノマーの総重量に基づいて、分岐剤は、約0%~約2%、約0.05%~約1.0%、約0.1%~約0.8%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよい。
【0056】
本開示のラテックスプロセス及びトナープロセスでは、乳化は、高温での混合などの任意の好適なプロセスによって行われ得る。例えば、エマルジョン混合物は、約200~約400rpmに設定されたホモジナイザ中で、約40℃~約80℃の温度で、約1分~約20分の時間、混合され得る。
【0057】
任意の種類の反応器を制限なく使用することができる。反応器は、その中にある組成物を撹拌するための手段、例えば、インペラを含み得る。反応器は、少なくとも1つのインペラを含み得る。ラテックス及び/又はトナーを形成するために、インペラが約10~約1,000rpmの有効混合速度で作動し得るように、プロセス全体をとおして反応器は運転され得る。
【0058】
モノマー添加の完了後、冷却する前に、一定時間、例えば、約10分~約300分間、条件を維持することによって、ラテックスを安定化させることができる。任意選択で、上記のプロセスによって形成されたラテックスは、当該技術分野で知られている標準的な方法によって、例えば、凝固、溶解及び沈殿、濾過、洗浄、乾燥などによって、単離され得る。
【0059】
本開示のラテックスは、既知の方法によってトナー及び現像剤を形成するためのエマルジョン-凝集-合体プロセスのために選択され得る。本開示のラテックスは、様々なトナー配合成分、例えば、ワックス分散液、凝固剤、任意選択のシリカ、任意選択の帯電増強添加剤又は帯電制御剤、任意選択の界面活性剤、任意選択の乳化剤、任意選択の流動添加剤などと溶融ブレンド又は他の方法で混合することができる。任意選択で、ラテックス(例えば、約40重量%の固形分)は、トナー組成物に配合される前に、所望の固体充填量(例えば、約12~約15重量%の固形分)まで希釈され得る。
【0060】
トナーの総重量に基づいて、ラテックスは、約50%~約100%、約60%~約98%、約70%~約95%の量で存在してもよいが、より多い又はより少ない量で存在してもよい。
着色剤
【0061】
染料、顔料、染料の混合物、顔料の混合物、染料と顔料との混合物などの様々な既知の好適な着色剤を、トナーに含ませることができる。着色剤は、例えば、トナーの約0.1~約35重量%、トナーの約1~約15重量%、約3~約10重量%の量でトナーに含まれ得るが、これらの範囲外の量を利用してもよい。
【0062】
好適な着色剤の例としては、カーボンブラック様のREGAL 330(登録商標);マグネタイト、例えば、MobayマグネタイトMO8029(商標)及びMO8060(商標);Columbianマグネタイト;MAPICO BLACKS(商標)、表面処理されたマグネタイト;PfizerマグネタイトCB4799(商標)、CB5300(商標)、CB5600(商標)、及びMCX6369(商標);Bayerマグネタイト、BAYFERROX8600(商標)及び8610(商標);Northern Pigmentsマグネタイト、NP-604(商標)及びNP-608(商標);MagnoxマグネタイトTMB-100(商標)又はTMB-104(商標)などが挙げられ得る。有色顔料としては、シアン、マゼンタ、黄色、赤色、緑色、茶色、青色又はこれらの混合物が選択され得る。一般に、シアン、マゼンタ、又は黄色の顔料若しくは染料、又はこれらの混合物が使用される。顔料又は顔料(複数)は、水系顔料分散液として使用され得る。
【0063】
顔料の具体例としては、
SUN ChemicalsからのSUNSPERSE 6000、FLEXIVERSE及びAQUATONE水性顔料分散液、Paul Uhlich & Company,Inc.から入手可能なHELIOGEN BLUE L6900(商標)、D6840(商標)、D7080(商標)、D7020(商標)、PYLAM OIL BLUE(商標)、PYLAM OIL YELLOW(商標)、PIGMENT BLUE I(商標)、Dominion Color Corporation,Ltd.(Toronto,Ontario)から入手可能なPIGMENT VIOLET 1(商標)、PIGMENT RED 48(商標)、LEMON CHROME YELLOW DCC 1026(商標)、E.D.TOLUIDINE RED(商標)及びBON RED C(商標)、Hoechstから入手可能なNOVAPERM YELLOW FGL(商標)、HOSTAPERM PINKE(商標)、E.I.DuPont de Nemours & Companyから入手可能なCINQUASIA MAGENTA(商標)などが挙げられるが、これらに限定されない。選択され得る着色剤は、黒色、シアン、マゼンタ、黄色及びこれらの混合物である。マゼンタの例としては、カラーインデックスでCI 60710、CI Dispersed Red 15として識別される2,9-ジメチル-置換キナクリドン及びアントラキノン染料、カラーインデックスでCI 26050、CI Solvent Red 19として識別されるジアゾ染料などが挙げられるが、これらに限定されない。シアン類の例示的な例としては、銅テトラ(オクタデシルスルホンアミド)フタロシアニン、カラーインデックスでCI 74160、CI Pigment Blue、Pigment Blue 15:3として記載されているx-銅フタロシアニン顔料、カラーインデックスでCI 69810、Special Blue X-2137として識別されるAnthrathrene Blueなどが挙げられるが、これらに限定されない。黄色の例示的な例としては、ジアリーリド黄色3,3-ジクロロベンジデンアセトアセトアニリド、カラーインデックスでCI 12700、CI Solvent Yellow 16として識別されるモノアゾ顔料、カラーインデックスでForon Yellow SE/GLN、CI Dispersed Yellow 33として識別されるニトロフェニルアミンスルホンアミド、2,5-ジメトキシ-4-スルホンアニリドフェニルアゾ-4’-クロロ-2,5-ジメトキシアセトアセトアニリド、及びPermanent Yellow FGLが挙げられるが、これらに限定されない。MAPICO BLACK(商標)とシアン成分との混合物などの着色されたマグネタイトもまた着色剤として選択され得る。例えば、Levanyl Black A-SF(Miles,Bayer)及びSunsperse Carbon Black LHD 9303(Sun Chemicals)、及び着色染料、例えば、Neopen Blue(BASF)、Sudan Blue OS(BASF)、PV FAST Blue B2G01(American Hoechst)、Sunsperse Blue BHD 6000(Sun Chemicals)、Irgalite Blue BCA(Ciba-Geigy)、Paliogen Blue 6470(BASF)、Sudan III(Matheson,Coleman,Bell)、Sudan II(Matheson,Coleman,Bell)、Sudan IV(Matheson,Coleman,Bell)、Sudan Orange G(Aldrich)、Sudan Orange 220(BASF)、Paliogen Orange 3040(BASF)、Ortho Orange OR 2673(Paul Uhlich)、Paliogen Yellow 152、1560(BASF)、Lithol Fast Yellow 0991K(BASF)、Paliotol Yellow 1840(BASF)、Neopen Yellow(BASF)、Novoperm Yellow FG 1(Hoechst)、Permanent Yellow YE 0305(Paul Uhlich)、Lumogen Yellow D0790(BASF)、Sunsperse Yellow YHD 6001(Sun Chemicals)、Suco Gelb L1250(BASF)、Suco Yellow D1355(BASF)、Hostaperm Pink E(American Hoechst)、Fanal Pink D4830(BASF)、Cinquasia Magenta(DuPont)、Lithol Scarlet D3700(BASF)、Toluidine Red(Aldrich)、Scarlet for Thermoplast NSD PS PA(Ugine Kuhlmann,Canada)、E.D.Toluidine Red(Aldrich)、Lithol Rubine Toner(Paul Uhlich)、Lithol Scarlet 4440(BASF)、Bon Red C(Dominion Color Company)、Royal Brilliant Red RD-8192(Paul Uhlich)、Oracet Pink RF(Ciba-Geigy)、Paliogen Red 3871K(BASF)、Paliogen Red 3340(BASF)、Lithol Fast Scarlet L4300(BASF)、及び前述したものの任意の組み合わせなどの他の既知の着色剤が使用され得る。
ワックス
【0064】
ポリマー樹脂に加えて、本開示のトナーはまた、ワックスも含有してもよく、これは、単一の種類のワックス又は2つ以上の異なるワックスの混合物のいずれかであり得る。例えば、トナー粒子の形状、トナー粒子表面上のワックスの存在及び量、帯電及び/又は融着特性、光沢、ストリッピング、オフセット特性等の特定のトナー特性を改善するために、単一のワックスをトナー組成物に添加してもよい。代替的に、ワックスの組み合わせを添加して、多数の特性をトナー組成物に提供し得る。
【0065】
ワックスが含まれる場合、ワックスは、例えば、トナー粒子の約1重量%~約25重量%、実施形態ではトナー粒子の約5重量%~約20重量%の量で存在してもよい。
【0066】
選択され得るワックスとしては、例えば、約500~約20,000、実施形態では約1,000~約10,000の重量平均分子量を有するワックスが挙げられる。使用され得るワックスとしては、例えば、Allied Chemical and Petrolite Corporationから市販されているようなポリエチレン、ポリプロピレン、及びポリブテンワックスなどのポリオレフィン、例えば、BAKER Petrolite製のPOLYWAX(商標)ポリエチレンワックス、Michaelman,Inc.及びDaniels Products Companyから入手可能なワックスエマルジョン、Eastman Chemical Products,Inc.から市販されているEPOLENE N-15(商標)、並びにSanyo Kasei K.K.から入手可能な低重量平均分子量ポリプロピレンであるVISCOL 550-P(商標);カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ウルシワックス、及びホホバオイルなどの植物系ワックス;蜜蝋などの動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレジン、パラフィンワックス、微結晶ワックス、及びFischer-Tropschワックスなどの鉱物系ワックス及び石油系ワックス;ステアリルステアレート及びベヘニルベヘネートなどの高級脂肪酸及び高級アルコールから得られるエステルワックス;ステアリン酸ブチル、オレイン酸プロピル、グリセリドモノステアレート、グリセリドジステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネートなどの高級脂肪酸及び一価又は多価低級アルコールから得られるエステルワックス;ジエチレングリコールモノステアレート、ジプロピレングリコールジステアレート、ジグリセリルジステアレート、及びトリグリセリルテトラステアレートなどの高級脂肪酸及び多価アルコールマルチマーから得られるエステルワックス;ソルビタンモノステアレートなどのソルビタン高級脂肪酸エステルワックス、並びにコレステリルステアレートなどのコレステロール高級脂肪酸エステルワックスが挙げられる。使用され得る官能化ワックスの例としては、例えば、アミン、アミド、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なAQUA SUPERSLIP 6550(商標)、SUPERSLIP 6530(商標)、フッ素化ワックス、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なPOLYFLUO 190(商標)、POLYFLUO 200(商標)、POLYSILK 19(商標)、POLYSILK 14(商標)、混合フッ素化アミドワックス、例えば、Micro Powder Inc.から入手可能なMICROSPERSION 19(商標)、イミド、エステル、第四級アミン、カルボン酸、又はアクリルポリマーエマルジョン、例えば、全てSC Johnson Waxから入手可能なJONCRYL 74(商標)、89(商標)、130(商標)、537(商標)、及び538(商標)、並びにAllied Chemical、Petrolite Corporation、及びSC Johnson waxから入手可能な塩素化ポリプロピレン及びポリエチレンが挙げられ、前述のワックスの混合物及び組み合わせもまた、実施形態において使用され得る。ワックスは、例えば、定着機ロール剥離剤として含まれてもよい。
帯電制御剤(charge control agent、CCA)
【0067】
帯電制御剤は、表面添加剤に組み込まれ得る。実施形態では、帯電制御剤は、亜鉛、アルミニウム、カルシウム、クロム及び鉄などの金属を有する金属帯電制御剤である。実施形態では、帯電制御剤は、3,5ジ-tert-ブチルサリチル酸亜鉛塩である。好適な亜鉛帯電制御剤としては、BONTRON E-84(商標)、BONTRON E-84S(商標)又はBONTRON E-304(商標)(Hodogaya Chemical)及び同様の亜鉛塩が挙げられる。実施形態では、帯電制御剤アルミニウム塩、例えば、BONTRON E-108(商標)又はBONTRON E-108W(商標)(Hodogaya Chemical)が好適である。実施形態では、帯電制御剤又は鉄錯体、例えば、BONTRON X-11(商標)(Hodogaya Chemical)が好適である。帯電制御剤は、上記列挙したものの組み合わせを含むことができる。実施形態では、帯電制御剤又はクロム錯体、例えば、BONTRON E-81(商標)又はBONTRON S-34(商標)(Hodogaya Chemical)が好適である。帯電制御剤は、上記列挙したものの組み合わせを含むことができる。帯電制御剤の粒径は、実施形態では、約50~約500、又は約150~約300、又は約175~約275nmの粒径に調整することができる。実施形態では、CCA及びシリコーン油は、求核性及び求電子性の容量が逆転する場合がある。例えば、シリコーン油を修飾して求核性アミノ基を提示することができ、続いてこのアミノ基をアルキル化して第四級アンモニウム塩を生成することができる。
【0068】
帯電制御剤は、粒子のコア、粒子のシェル、又はその両方の組み合わせに組み込むことができる。コア中に配置する場合、CCAは、均質化中に添加されるが、凝固剤の添加直前に添加される。次いで、その混合物を手順に従って均質化し、次いで、そのバッチを加熱、凝集、及び合体させる。シェル、又はコア及びシェルの両方に添加する場合、シェルに添加する前に、最初にCCAをシェルラテックスに最初に添加するべきである。シェル混合物は、完了するまでポンプによって添加する。次いで、このプロセスは、対照試料と同様に進行する。帯電制御剤は、トナー中に、総固形分の約0.1~約3、又は約0.3~2、又は約0.3~1重量パーセントの量で存在する。
【0069】
四塩化ケイ素(SiCl4)を用いたトナーへのCCAの組み込みは、トナー添加剤及びトナー配合物として使用され得る。
トナーの調製
【0070】
トナー粒子は、当業者の意図の範囲内の任意の方法によって調製され得る。トナー粒子の製造に関する実施形態は、エマルジョン-凝集プロセスに関して以下に記載しているが、米国特許第5,290,654号及び同第5,302,486号(それらの各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に開示されている懸濁法及びカプセル化法などの化学プロセスを含む、任意の好適なトナー粒子の調製方法を使用してもよい。実施形態では、トナー組成物及びトナー粒子は、凝集及び合体プロセスによって調製されてもよく、このプロセスでは、小粒径の樹脂粒子が適切なトナー粒径に凝集され、次いで、最終的なトナー粒子の形状及び形態を達成するために合体される。
【0071】
実施形態では、トナー組成物は、任意選択のワックス及び任意の他の所望の又は必要な添加剤の混合物と、上記の樹脂を含むエマルジョンとを、任意選択で、上記したように、界面活性剤と凝集させることと、次いで、その凝集混合物を合体させることと、を含むプロセスなどのエマルジョン-凝集プロセスによって、調製され得る。混合物は、任意選択的なワックス又は他の材料(任意選択的に界面活性剤を含む分散液中にも存在し得る)を、エマルジョン(樹脂を含有する2つ以上のエマルジョンの混合物であり得る)に添加することによって調製され得る。得られた混合物のpHは、例えば、酢酸、硝酸などの酸(すなわち、pH調整剤)によって調整され得る。実施形態では、混合物のpHは、約2~約4.5に調整され得る。加えて、実施形態では、混合物は均質化されてもよい。混合物が均質化される場合、均質化は、毎分約600~約4,000回転(revolutions per minute、rpm)で混合することによって、達成され得る。均質化は、例えば、IKA ULTRA TURRAX T50プローブホモジナイザを含む任意の好適な手段によって達成され得る。
【0072】
上記混合物の調製に続いて、凝集剤を混合物に添加してもよい。好適な凝集剤としては、例えば、二価カチオン又は多価カチオン材料の水溶液が挙げられる。凝集剤としては、例えば、ポリ塩化アルミニウム(polyaluminum chloride、PAC)などのポリアルミニウムハロゲン化物、又は対応する臭化物、フッ化物、若しくはヨウ化物、ポリアルミニウムスルホシリケート(polyaluminum sulfosilicate、PASS)などのポリケイ酸アルミニウム、及び塩化アルミニウム、亜硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化カルシウム、亜硝酸カルシウム、オキシ酸カルシウム、硫酸カルシウム、酢酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、酢酸亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、臭化亜鉛、臭化マグネシウム、塩化銅、硫酸銅、を含む水溶性金属塩、又はこれらの任意の組み合わせを挙げることができるが、これらに限定されない。実施形態では、凝集剤は、樹脂のガラス転移温度(transition temperature、Tg)未満の温度で混合物に添加され得る。
【0073】
凝集剤は、例えば、約0.1百分率(pph)~約1pph、実施形態では約0.25pph~約0.75pphの量で混合物に添加されて、トナーを形成し得る。
【0074】
トナーの光沢は、トナー粒子中のAl3+などの保持された金属イオンの量によって影響され得る。保持された金属イオンの量は、エチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid、EDTA)の添加によって、更に調整され得る。実施形態では、本開示のトナー粒子中の保持された金属イオン、例えば、Al3+の量は、約0.1pph~約1pph、実施形態では約0.25pph~約0.8pphであり得る。
【0075】
本開示はまた、例えば、低い固定温度及び/又は高いオフセット温度を有し、最小化された、又は実質的にビニルオフセットを示さない場合があるトナー組成物のための低コストで安全な架橋熱可塑性バインダー樹脂を製造するための溶融混合プロセスも提供する。このプロセスでは、不飽和系ポリエステル、樹脂又はポリマーは、溶融ブレンドされ、すなわち、高剪断条件下、溶融状態で実質的に均一に分散されたトナー構成成分を生成し、プロセスは、最適化された光沢特性を有する樹脂ブレンド及びトナー生成物を提供する(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第5,556,732号を参照されたい)。「高度に架橋された」とは、関与するポリマーが実質的に架橋されている、すなわち、ゲル化点以上であることを意味する。本明細書で使用される場合、「ゲル化点」とは、ポリマーがもはや溶液に溶解しない点を意味する(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる米国特許第4,457,998号を参照されたい)。
【0076】
粒子の凝集及び合体を制御するために、実施形態では、凝集剤は、経時的に混合物中に計量して投入され得る。例えば、薬剤は、約5分~約240分、実施形態では約30分~約200分の時間にわたって、混合物中に計量投入され得る。薬剤の添加はまた、混合物を、撹拌条件下に維持しながら、実施形態では約50rpm~約1,000rpm、実施形態では約100rpm~約500rpm、及び樹脂のTg未満の温度に維持しながら、行うことができる。
【0077】
その粒子を、所定の所望の粒径が得られるまで凝集してもよい。所定の所望のサイズとは、形成前に決定された所望の粒径を指し、そのような粒径が達成されるまで、当該技術分野で既知の成長プロセス中に粒子サイズはモニターされる。試料は、成長プロセス中に採取され、平均粒径について、例えば、Coulter Counterで分析してもよい。したがって、凝集は、高温を維持すること、又は温度を、例えば、温度を約40℃~約100℃までゆっくり上昇させ、この温度で約0.5時間~約6時間、実施形態では約1~約5時間の時間にわたって混合物を保持し、撹拌を続けつつ、凝集粒子を提供することによって進行させることができる。所定の所望の粒径が得られたら、成長プロセスは停止される。実施形態では、所定の所望の粒径は、上記のトナー粒径範囲内である。実施形態では、粒径は、約5.0~約6.0μm、約6.0~約6.5μm、約6.5~約7.0μm、約7.0~約7.5μmであり得る。
【0078】
凝集剤の添加後の粒子の成長及び成形は、任意の好適な条件下で達成され得る。例えば、成長及び成形は、凝集が合体とは別に生じる条件下で行われてもよい。個別の凝集及び合体段階について、凝集プロセスは、高温、例えば、樹脂のTg未満であり得る、約40℃~90℃、実施形態では約45℃~約80℃において、剪断条件下で実施され得る。
【0079】
トナーは、極端なRH条件にさらされると、良好な帯電特性を有し得る。低湿度ゾーン(Cゾーン)は、約12℃/15%RHであり得る、高湿度ゾーン(Aゾーン)は、約28℃/85%RHであり得る。本開示のトナーは、約-5μC/g~約-80μC/gの質量比(Q/M)当たりの親トナー帯電、実施形態では約-10μC/g~約-70μC/g、-15μC/g~約-60μC/gの表面添加剤ブレンド後の最終的なトナー帯電、実施形態では-20μC/g~約-55μC/gを有し得る。
シェル樹脂
【0080】
実施形態では、シェルは、形成された凝集トナー粒子に適用され得る。コア樹脂に好適な上記の任意の樹脂は、シェル樹脂として利用され得る。シェル樹脂は、当業者の意図の範囲内の任意のプロセスによって凝集粒子に適用され得る。実施形態では、シェル樹脂は、本明細書に記載の任意の界面活性剤を含むエマルジョン中に存在してもよい。上記凝集粒子は、樹脂が形成された凝集体の上にシェルを形成するように、上記の凝集粒子を当該エマルジョンと組み合わせ得る。実施形態では、非晶質ポリエステルを利用して、凝集体上にシェルを形成して、コアシェル構成を有するトナー粒子が形成され得る。
【0081】
トナー粒子は、約4~約8μmの直径サイズを有し得、実施形態では約5μm~約7μmを有し得、最適なシェル成分は、トナー粒子の約26重量%~約30重量%であり得る。
【0082】
あるいは、トナー粒子の表面積がより大きいため、望ましい帯電特性を提供するために、より厚いシェルが望ましい場合がある。したがって、シェル樹脂は、トナー粒子の約30重量%~約40重量%、実施形態ではトナー粒子の約32重量%~約38重量%、実施形態ではトナー粒子の約34重量%~約36重量%の量で存在し得る。
【0083】
実施形態では、光開始剤がシェルに含まれ得る。したがって、光開始剤は、コア、シェル、又はその両方に存在し得る。光開始剤は、トナー粒子の約1重量%~約5重量%、実施形態ではトナー粒子の約2重量%~約4重量%の量で存在し得る。
【0084】
エマルジョンは、約5固体重量%~約20固体重量%、実施形態では約12固体重量%~約17固体重量%の固体充填量を有し得る。
【0085】
トナー粒子の所望の最終サイズが達成されたら、混合物のpHは、塩基(すなわち、pH調製剤)を用いて、約6~約10の値に、実施形態では約6.2~約7の値に調整され得る。pHの調整は、トナー成長を停止させる凍結に利用されてもよい。トナー成長を停止するために利用される塩基としては、任意の好適な塩基、例えば、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、又はこれらの任意の組み合わせなどを挙げることができる。実施形態では、上記の所望の値にpHを調整するのを助けるためにEDTAを添加してもよい。塩基は、混合物の約2~約25重量%、実施形態では混合物の約4~約10重量%の量で添加され得る。実施形態では、シェルは、凝集したトナー粒子よりも高いTgを有する。
合体
【0086】
所望の粒径への凝集に続いて、上記のようなシェルの任意選択的な形成により、粒子は所望の最終形状に合体され得る。合体は、例えば、混合物を約55℃~約100℃の温度、実施形態では約65℃~約75℃の温度まで加熱することによって達成され得、これらの温度は、可塑化を防止するために結晶性樹脂の融点未満であり得る。より高い温度又はより低い温度を使用してもよく、温度は、使用する樹脂の関数であることが理解される。
【0087】
合体は、約0.1時間~約9時間、実施形態では約0.5~約4時間にわたって、進行し得る。
【0088】
合体後、混合物は、約20℃~約25℃などの室温まで冷却され得る。冷却は、所望に応じて急速であっても遅くてもよい。好適な冷却法は、反応器の周囲のジャケットに冷水を導入することを含み得る。冷却後、任意に、水でトナー粒子を洗浄し、次いで乾燥させ得る。乾燥は、任意の好適な方法、例えば、凍結乾燥によって達成され得る。
キャリア
【0089】
様々な好適な固体のコア又は粒子材料は、本開示のキャリア及び現像剤のために利用され得る。特徴的な粒子特性としては、実施形態では、トナー粒子が正電荷又は負電荷を獲得することを可能にする特性と、電子写真画像装置中に存在する現像剤リザーバにおいて望ましい流動特性を提供するキャリアコアと、が挙げられる。コアの他の望ましい特性としては、例えば、磁気ブラシ開発プロセスにおける磁気ブラシ形成を可能にする好適な磁気特性、望ましい機械的エージング特性、及びキャリア及び好適なトナーを含む任意の現像剤の高い電気伝導性を可能にするための望ましい表面形態が挙げられる。
【0090】
利用され得るキャリア粒子又はコアの例としては、鉄及び/又は鋼、例えば、Hoeganaes Corporation又はPomaton S.p.A(Italy)から入手可能な噴霧化鉄又は鋼粉末;例えば、約11%の酸化銅、約19%の酸化亜鉛、及び約70%の酸化鉄を含有するCu/Zn-フェライトなどのフェライト、例えば、D.M.Steward Corporation又はPowdertech Corporationから市販されているもの、Powdertech Corporationから入手可能なNi/Zn-フェライト、Powdertech Corporationから市販されている、約14%の酸化ストロンチウム及び約86%の酸化鉄を含有するSr(ストロンチウム)-フェライト、及びBa-フェライト;例えば、Hoeganaes Corporation(Sweden)から市販されているものを含むマグネタイト;ニッケル;及びこれらの組み合わせなどが挙げられるが、これらに限定されない。実施形態では、得られたポリマー粒子を使用して、様々な既知の方法によって任意の既知の種類のキャリアコアをコーティングしてもよく、次いで、それらのキャリアを、既知のトナーと一緒に組み込んで、電子写真印刷のための現像剤を形成する。他の好適なキャリアは、例えば、米国特許第4,937,166号、同第4,935,326号及び同第7,014,971号に示されており、その各々の開示は参照によりその全体が本明細書に組み込まれ、顆粒状ジルコン、粒状ケイ素、ガラス、二酸化ケイ素、これらの組み合わせなどを含み得る。実施形態では、好適なキャリアコアは、例えば、直径約20μm~約400μm、実施形態では直径約40μm~約200μmの平均粒径を有し得る。
【0091】
実施形態において、フェライトは、コアとして利用してもよく、金属、例えば、鉄、及び少なくとも1つの追加の金属、例えば、銅、亜鉛、ニッケル、マンガン、マグネシウム、カルシウム、リチウム、ストロンチウム、ジルコニウム、チタン、タンタル、ビスマス、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、ストロンチウム、バリウム、イットリウム、ランタン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、アルミニウム、ガリウム、ケイ素、ゲルマニウム、アンチモン、又はこれらの任意の組み合わせなどを含む。
【0092】
実施形態では、樹脂コーティングされたキャリア、及びトナーを含む現像剤を開示し、トナーは、ラテックス樹脂、ワックス及び/又はポリマーシェルを含有するがこれらに限定されないエマルジョン凝集トナーであり得る。
導電性成分
【0093】
いくつかの実施形態では、キャリアコーティングは、導電性成分を含み得る。好適な導電性成分としては、例えば、カーボンブラックが挙げられる。
【0094】
キャリアには、いくつもの添加剤を、例えば、帯電増強添加剤、例えば、ある特定の粒子状アミン樹脂、例えば、メラミン、及びある特定のフルオロポリマー粉末、例えば、アルキルアミノアクリレート及びメタクリレート、ポリアミド、並びにフッ素化ポリマー、例えば、ポリビニリデンフルオリド及びポリ(テトラフルオロエチレン)、並びにフルオロアルキルメタクリレート、例えば、2,2,2-トリフルオロエチルメタクリレートを添加してもよい。利用され得る他の帯電増強添加剤としては、第四級アンモニウム塩、例えば、ジステアリルジメチルアンモニウムメチルサルフェート(distearyl dimethyl ammonium methyl sulfate、DDAMS)、ビス[1-[(3,5-二置換-2-ヒドロキシフェニパゾ]-3-(一置換)-2-ナフタレノラート(2-)]クロメート(1-)、アンモニウムナトリウム及び水素(TRH)、塩化セチルピリジニウム(cetyl pyridinium chloride、CPC)、FANALPINK(登録商標)D4830、若しくはこれらの任意の組み合わせなど、及び/又は他の効果的な既知の帯電剤若しくは添加剤が挙げられる。帯電添加剤成分は、例えば、ポリマー/コポリマー、導電性成分、及び他の帯電添加剤成分の重量の合計に基づいて、約0.5重量%~約20重量%、約1重量%~約3重量%などの様々な有効量で選択され得る。導電性成分の添加は、キャリアに付与される負の摩擦電気帯電を更に増加させるように作用することができ、したがって、例えば、電子写真現像サブシステムにおいてトナーに付与される負の摩擦電気帯電を更に増加させるように作用することができる。その成分は、例えば、米国特許第6,042,981号(その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる)に記載されているように、ロール混合、タンブリング、ミリング、振盪、静電粉末雲噴霧(electrostatic powder cloud spraying)、流動床、静電ディスク処理、及び静電カーテンによって、含ませることができ、キャリアコーティングは、回転窯の中で、又は加熱された押出機装置を通過することによって、キャリアコアに融着される。
【0095】
導電性は、他の方法では弱く現像される場合があるベタ領域の良好な現像を可能にする半導電性磁気ブラシ現像のために重要であり得る。本開示のポリマーコーティングを、任意選択的にカーボンブラックなどの導電性成分と共に添加すると、約20%~約90%、実施形態では約40%~約80%の相対湿度の変化と共に現像剤の摩擦電気応答が低下するキャリアを得ることができ、相対湿度が変化するときに、電荷はより安定である。したがって、プリント上のバックグラウンドトナーを減少させる高い相対湿度での帯電の減少が少なく、また低い相対湿度において、帯電の増加が少なく、続いて、現像の損失が少ないため、結果として、改善された光学濃度により、そのような改善された画質性能がもたらされる。
【0096】
上記のように、実施形態では、ポリマーコーティングは乾燥され得、その後、それは乾燥粉末としてコアキャリアに適用され得る。粉末コーティングプロセスは、従来の溶液コーティングプロセスとは異なる。溶液コーティングは、その組成及び分子量特性が、コーティングプロセス中の溶媒に樹脂が可溶性であることを可能にするコーティングポリマーを必要とする。溶液コーティングは、粉末コーティングと比較して、比較的低いMw成分を必要とする。粉末コーティングプロセスは、溶媒溶解性を必要としないが、約10nm~約2μm、実施形態では約30nm~約1μm、実施形態では約50nm~約500nmの粒径を有する微粒子としてコーティングされる樹脂を必要とする。
【0097】
粉末コーティングを適用するために利用され得るプロセスの例としては、例えば、カスケードロール混合、タンブリング、ミリング、振盪、静電粉末雲噴霧、流動床、静電ディスク処理、静電カーテン、これらの組み合わせなどによるキャリアコア材料と樹脂コーティングとを組み合わせることが挙げられる。樹脂コーティングされたキャリア粒子が粉末コーティングプロセスによって調製されるとき、コーティング材料の大部分は、キャリア表面に融着され得、それによって、キャリア上のトナー固着部位(toner impaction site)の数が減少する。ポリマーコーティングの融着は、機械的固着、静電引力、又はこれらの組み合わせなどによって生じ得る。
【0098】
樹脂をコアに適用した後、加熱を開始して、コーティング材料をキャリアコアの表面上に流すことができる。コーティング材料の濃度、実施形態では、粉末粒子、及び加熱のパラメータは、キャリアコアの表面上にコーティングポリマーの連続フィルムの形成を可能にするように、又はコーティングされるべきキャリアコアの選択された領域のみを可能にするように、選択され得る。実施形態では、ポリマー粉末コーティングを有するキャリアを、約170℃~約280℃、実施形態では190℃~240℃の温度まで、一定時間、例えば、約10分~約180分、実施形態では約15分~約60分、加熱して、ポリマーコーティングを溶融させ、キャリアコア粒子に融着させ得る。キャリアの表面上に粉末を組み込んだ後、加熱を開始して、キャリアコアの表面上をコーティング材料が流れるようにすることができる。実施形態では、粉末は、回転窯の中で、又は加熱された押出機装置を通過することによって、キャリアコアに融着され得、それは、例えば、米国特許第6,355,391号に記載されており、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0099】
実施形態では、コーティング被覆率は、約10%~約100%のキャリアコアを包含する。金属キャリアコアの選択された領域がコーティングされていない又は露出されたままであるとき、キャリア粒子は、コア材料が金属であるとき、導電性特性を有し得る。
【0100】
次いで、コーティングされたキャリア粒子は、実施形態では室温まで冷却し、現像剤を形成する際に使用するために回収され得る。
【0101】
実施形態では、本開示のキャリアは、コアを、実施形態では、約20μm~約100μm、実施形態では約30μm~約75μmのサイズを有し、約0.5重量%~約10重量%、実施形態では、任意選択でカーボンブラックを含む本開示の約0.7重量%~約5重量%のポリマーコーティングでコーティングされたフェライトコアを含み得る。
【0102】
したがって、本開示のキャリア組成物及びプロセスにより、いくつもの異なる組み合わせを利用して、選択した高い摩擦帯電特性及び/又は導電率値を有する現像剤が配合され得る。
現像剤
【0103】
このように形成されたトナー粒子は、現像剤組成物に配合され得る。トナー粒子をキャリア粒子と混合して、2成分現像剤組成物を得ることができる。現像剤中のトナー濃度は、現像剤の総重量の約1重量%~約25重量%、実施形態では、現像剤の総重量の約2重量%~約15重量%であってもよい。
撮像
【0104】
トナーは、電子写真プロセスに利用することができ、米国特許第4,295,990号に開示されるトナーが挙げられ、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。実施形態では、任意の既知の種類の現像システムが、例えば、磁気ブラシ現像、ハイブリッドスカベンジレス現像(hybrid scavengeless development、HSD)などを含む、画像現像デバイスにおいて使用され得る。これらの及び類似の開発システムは、当業者の意図の範囲内である。
【0105】
本開示のトナーは、キセログラフィック用途以外の用途を含む、トナーで画像を形成するための任意の好適な手順で使用され得ることが想定される。
【0106】
本開示のトナーを利用すると、画像は、可撓性基材を含む基材上に形成され得、約1μm~約6μm、実施形態では約2μm~約4.5μm、実施形態では約2.5μm~約4.2μmのトナーパイル高さを有する。
【0107】
実施形態では、本開示のトナーは、特に商業的な印刷用途において、熱及び光安定性、並びにスミア耐性を含むがこれらに限定されないオーバープリントコーティング特性を提供する、ゼログラフィック印刷保護組成物のために使用され得る。より具体的には、想定されるようなそのようなオーバープリントコーティングは、上書きを可能にし、熱分解を低減又は防止し、融着を改善し、文書オフセットを低減又は防止し、印刷性能を改善し、そして太陽、熱などから画像を保護する能力を有する。実施形態では、オーバープリント組成物を使用して、ゼログラフィック基材及びトナーの粗さを埋める組成物の能力により、ゼログラフィック印刷の全体的な外観を改善し、それによって平坦なフィルムを形成し、光沢を高めることができる。
【0108】
以下に記載の実施例は、本開示の実施形態を例示するために提出される。これらの実施例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、別途記載のない限り、割合及び百分率は重量による。比較例及びデータも提供される。
【実施例0109】
以下の実施例は、本開示の様々な種類を更に定義するために提示される。これらの実施例は、例示のみを意図しており、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。また、別途記載のない限り、割合及び百分率は重量による。
【0110】
5グラムのシリカゲル粉末(SiO2;Sigma Aldrich 236772)を、塩化メチレン溶媒中3mLの四塩化ケイ素(SiCl4)と混合して、分散液を形成した。この分散液に、テトラヒドロフラン中2グラムのZnCCA(BONTRON E-108(商標)フェノール亜鉛有機金属)溶液を添加し、その混合物を室温で数時間撹拌した。濾過し、乾燥させた粉末4.5gを、45gのSrTiO3と物理的に混合し、乳鉢及び乳棒によって完全に粉砕した。
【0111】
実施例1に記載のSiO2/SiCl4/Zn CCA処理SrTiO3を、0.2pph及び0.4pphでブレンドし、チタニア、小/中シリカ、大コロイドシリカ、及びステアリン酸亜鉛を含む標準トナー添加剤パッケージと共に、10リットルのブレンダーにおいて、3000rpmで10分間、シアントナー粒子とブレンドした。
【0112】
摩擦電気性能に関する基準:ほとんどの乾燥環境で大きな効果が見られ、湿潤状態では見られないことが望ましい。
【0113】
Zn帯電制御剤に結合しているSiCl4を有する0.2pph及び0.4pphのSrTiO3を、チタニア、小/中シリカ、大コロイドシリカ、及びステアリン酸亜鉛を含む標準添加剤パッケージと共に、10リットルのブレンダーにおいて、3000rpmで10分間、シアントナー粒子とブレンドした。
【0114】
得られたトナーブレンドの摩擦電気特性は、様々な湿度条件:公称(70°F(21℃)/50%RH)、乾燥(70°F(21℃)/10%RH)、及び湿潤(80°F(27℃)/80%RH)で測定し、
図1に示してある。SiO
2/SiCl
4/Zn CCA処理SrTiO
3剤で作製されたトナーは、湿潤環境と公称環境との間の挙動にほとんど差がないことを示した。これらの環境では、SiO
2/SiCl
4/Zn CCA処理SrTiO
3は、対照試料と同等であった。湿潤環境効果は予想よりも大きかった。乾燥/公称結果に基づいて、Zn帯電制御剤に結合しているSiCl
4を有するSrTiO
3を、より高い濃度において再検討した。乾燥環境では、0.4pph充填量のSiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3は、わずかに低い帯電を示し、SiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3の濃度を変えることによって、帯電を調整することができたことを示唆している。
【0115】
典型的なチタニア充填量の50%及び典型的なチタニア充填量の100%のSiO
2/SiCl
4/Zn CCA処理SrTiO
3を、小型/中型シリカ、大コロイドシリカ、及びステアリン酸亜鉛を含む標準添加剤パッケージと共に、シアントナー粒子とブレンドした(条件)。これらのブレンド中にはチタニアは含まれていなかった。
図2に示したように、湿潤環境では、50%及び100%のチタニア充填量のSiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3は、チタニア含有対照よりも帯電はより低かった。公称環境では、50%及び100%のチタニア充填量のSiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3は、チタン含有対照よりも帯電はわずかにより高かった。乾燥環境では、SiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3は、チタニア含有SrTiO3対照よりも帯電はより低かった。
図3Aは、対照の帯電スペクトルの結果を示している。
【0116】
図3B及び3Cは、0.65及び1.1pphにおけるSiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3トナーブレンドに関する帯電スペクトルの結果を示している。帯電スペクトルは、0、15秒、30秒、及び1分のトナー添加において得られた。「ベルカーブ」は、摩擦帯電の分布を示す。「ベルカーブ」は、様々な時間でのトナーの添加によって可能な限り変化がほとんどないことが望ましい。新しいトナーブレンド添加剤を評価する際には、トナー添加によるその帯電特性が、対照材料のそれに可能な限り類似していることが更に望ましい。SiO
2/SiCl
4/ZnCCA処理SrTiO
3トナーを有するトナーの帯電スペクトル挙動は、対照材料のそれに極めて似ている。
【0117】
様々な上記開示された及び他の特徴及び機能、又はこれらの代替物に関する様々な実施形態は、多くの他の異なるシステム又は用途に望ましく組み合わされ得ることが理解されるであろう。また、様々な現在予期されない、又は先行例のない代替物、修正、変形、又は改善が、当業者によって行われてもよく、これらはまた、以下の「特許請求の範囲」によって包含されることが意図されている。特許請求の範囲に具体的に列挙されない限り、特許請求の範囲の工程又は構成要素は、本明細書又は任意の他の特許請求の範囲から、いかなる特定の順序、数、位置、サイズ、形状、角度、色、又は材料に関して、暗示又は意味されるべきではない。