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特開2022-53540吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓
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  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図1
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図2
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図3
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図4
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図5
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図6
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図7
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図8
  • 特開-吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓 図9
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053540
(43)【公開日】2022-04-05
(54)【発明の名称】吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓
(51)【国際特許分類】
   A47K 3/28 20060101AFI20220329BHJP
   E03C 1/042 20060101ALI20220329BHJP
   B05B 1/18 20060101ALI20220329BHJP
   B05B 1/34 20060101ALI20220329BHJP
   B05B 15/52 20180101ALI20220329BHJP
【FI】
A47K3/28
E03C1/042 Z
B05B1/18 101
B05B1/34
B05B15/52
【審査請求】有
【請求項の数】21
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021155689
(22)【出願日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】202011016754.8
(32)【優先日】2020-09-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】518436504
【氏名又は名称】厦門松霖科技股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】陳東海
(72)【発明者】
【氏名】卓志偉
(72)【発明者】
【氏名】林逢徳
【テーマコード(参考)】
2D060
2D132
4D073
4F033
【Fターム(参考)】
2D060BA01
2D060BA03
2D060BA05
2D060BC15
2D060BE01
2D060BE02
2D060BE20
2D132FA03
2D132FA07
2D132FB02
2D132FB03
2D132FC04
2D132FJ01
2D132FJ12
2D132FJ20
4D073CC01
4F033AA11
4F033BA04
4F033DA05
4F033EA01
4F033GA03
4F033GA10
4F033LA03
4F033NA01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド及び水栓を開示する。
【解決手段】吐液装置の汚れ除去機構は、吐液ユニットと、吐液ユニットに対して動作可能な駆動機構を含み、前記吐液ユニットに吐液ノズルが設けられ、前記吐液装置の汚れ除去機構は、前記吐液ノズルは弾性部材を有しており、前記弾性部材は吐液ノズルの吐液口を有しており、前記駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させることができ、弾性部材の弾性変形によって、吐液ノズル内に凝結した付着汚れを落下させられる、即ち、駆動機構は、弾性部材を変形させるだけで汚れ除去を実現可能であり、また、駆動機構と吐液ノズルとの連携精度に対する要求が低く、駆動機構の生産精度に対する要求も低く、且つ、駆動機構によって弾性部材を変形させるため、水流条件に制限されることがなく、汚れ除去効果を向上させることも可能である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吐液ユニットと、吐液ユニットに対して動作可能な駆動機構を含み、前記吐液ユニットに吐液ノズルが設けられている吐液装置の汚れ除去機構であって、
前記吐液ノズルは弾性部材を有し、前記弾性部材は吐液ノズルの吐液口を有し、前記駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させることができ、弾性部材の弾性変形によって、吐液ノズル内に凝結した付着汚れを落下させられることを特徴とする汚れ除去機構。
【請求項2】
前記駆動機構は駆動部材を含み、前記弾性部材は吐液口と連通する周壁を有し、前記駆動部材と前記弾性部材とが連携し、且つ、前記駆動部材は周壁内に挿入可能であり、これにより前記弾性部材を弾性変形させられることを特徴とする請求項1に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項3】
前記駆動機構は駆動部材を含み、前記弾性部材は底壁を有し、前記弾性部材は吐液口を有し、前記吐液口は底壁に設けられており、前記駆動部材は前記底壁と当接して連携することが可能であることを特徴とする請求項1に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項4】
前記弾性部材は更に底壁を有し、前記底壁と周壁は接続されており、前記吐液口は前記底壁又は前記底壁と前記周壁との間に設けられており、前記駆動部材は前記底壁と当接して連携することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項5】
前記周壁には内側へ向かって突設される凸部が設けられており、前記駆動部材は前記凸部と当接して連携することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項6】
前記周壁の下周縁は内側に突出することでフランジをなしており、前記駆動部材は前記フランジと当接して連携することが可能であることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項7】
前記駆動部材と前記弾性部材とが装接されることを特徴とする請求項1に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項8】
更に、弾性体を含み、前記弾性体と駆動機構とが連携し、前記駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、前記弾性体が発生させる弾性力によって非汚れ除去位置に復帰することを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項9】
更に、弾性体を含み、前記弾性体と駆動機構とが連携し、前記駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、前記弾性体が発生させる弾性力によって汚れ除去位置に復帰し、前記駆動機構と、吐液装置を通過する水流とが連携し、水流の水圧によって、前記駆動部材は前記弾性体の弾性力に抗して非汚れ除去位置まで動作することを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項10】
前記周壁の上周縁と吐液ユニットが固定装着されることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項11】
前記吐液ノズルは、吐液ユニットに設けられる装着孔を含み、前記周壁は前記装着孔内にちょうど装設されることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項12】
前記駆動部材は、吐液ユニットに対して摺動可能であることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項13】
前記吐液ユニットには複数の吐液ノズルが設けられており、前記駆動機構は、固定プレートと、前記固定プレートに固定接続される複数の駆動部材を含み、複数の前記駆動部材は、それぞれ複数の前記吐液ノズルの弾性部材の周壁内に挿入されることを特徴とする請求項12に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項14】
前記駆動部材と周壁との間には、水流を通過させるよう隙間が保持されていることを特徴とする請求項2に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項15】
前記駆動機構は、固定プレート、前記固定プレートに固定接続される駆動部材、及び操作部材を含み、前記駆動部材は、弾性部材と連携して弾性部材を弾性変形させることが可能であり、前記操作部材は、前記駆動機構を動作させるよう伝動可能に前記固定プレートに接続されていることを特徴とする請求項1~9のいずれか1項に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項16】
前記駆動機構は、更に、伝動ベースを含み、前記操作部材と前記伝動ベースとが固定装着されており、前記操作部材と前記伝動ベースは固定柱を介して固定装着されることを特徴とする請求項15に記載の吐液装置の汚れ除去機構。
【請求項17】
吐液ユニットと、前記吐液ユニットに対して動作可能な駆動機構を含み、前記吐液ユニットに吐液ノズルが設けられている吐液装置であって、
前記吐液ノズルは弾性部材を有し、前記弾性部材は前記吐液ノズルの吐液口を有し、前記駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、前記駆動機構が動作することで前記弾性部材を弾性変形させることができ、前記弾性部材の弾性変形により前記吐液口を変形させることで、前記吐液ノズルからの水沫を変化させられることを特徴とする吐液装置。
【請求項18】
吐液装置を含むシャワーヘッドであって、
前記吐液装置には、請求項1に記載の吐液装置の汚れ除去機構が設けられていることを特徴とするシャワーヘッド。
【請求項19】
前記吐液装置は本体部材を含み、前記本体部材は本体と固定ベースを含み、前記吐液ユニット、固定ベース及び本体は装接されており、且つ、固定ベースの少なくとも一部が吐液ユニットと本体の間に設置されており、前記駆動機構は、固定プレート、固定プレートに固定接続される駆動部材、操作部材及び固定柱を含み、前記固定プレートは固定ベースと吐液ユニットの間に設けられ、前記駆動部材は弾性部材内に挿入され、前記操作部材は動作可能に本体に接続され、前記固定柱は、摺動可能に固定ベースに挿通されるとともに固定プレートに固定接続され、前記操作部材は伝動可能に固定柱に接続されることを特徴とする請求項18に記載のシャワーヘッド。
【請求項20】
更に、弾性体を含み、前記弾性体は固定ベースと操作部材との間に設けられることを特徴とする請求項19に記載のシャワーヘッド。
【請求項21】
吐液装置を含む水栓であって、
前記吐液装置には、請求項1に記載の吐液装置の汚れ除去機構が設けられていることを特徴とする水栓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、汚れ除去の技術分野に関し、特に、吐液装置の汚れ除去機構、吐液装置、シャワーヘッド、及び、水栓に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の吐液装置の汚れ除去機構には主に2種類が存在する。
【0003】
第1のタイプの汚れ除去機構は、吐液ユニットと針板を含む。前記吐液ユニットには吐液ノズルが設けられており、前記針板にはピンが設置されている。針板が摺動してピンを吐液ノズル内に挿入するよう制御することで、挿入によって吐液ノズル内の付着汚れが押し出される。しかし、この場合には次のような欠点が存在する。即ち、ピンが吐液ノズルの周壁に抱き込まれ、動作し得なくなることで位置復帰不可能とならないよう保証するとともに、付着汚れを押し出す効果を保証し得るよう、ピンの外径と吐液ノズルの孔径との差が厳密に制限される。そのため、ピンと吐液ノズルの間に隙間を保持すべく、ピンの加工精度に対する要求が高くなる。また、上記のように、隙間を保持していることから、付着汚れを完全には除去できず、隙間部分に付着汚れの一部が残ったままとなる。よって、目詰まりは発生しないものの、吐液形態に支障をきたすことがあり、例えば吐出水沫に影響したり、入浴体験に影響を及ぼしたりする。
【0004】
第2のタイプの汚れ除去機構は、吐液ユニットを含む。前記吐液ユニットには吐液ノズルが設けられており、前記吐液ノズルが弾性部材を有している。前記弾性部材は吐液ノズルを構成する吐液口を有しており、吐液ノズルの流体の水圧によって弾性部材を弾性変形させられる。弾性変形した弾性部材は吐液口内の付着汚れを破壊可能であり、続いて、破壊した付着汚れを流体を利用して排出する。しかし、水圧により弾性部材を変形させて汚れ除去を実現する方案は水圧への依存度が高い。そのため、水圧が要求を満たせない場合には変形量が不十分となり、汚れ除去の目的を達成し得ない。従って、次のような欠点が存在する。即ち、水圧が小さすぎる場合には汚れ除去が不可能であり、目詰まりが発生する結果、吐液量が小さくなったり、吐液形態に支障をきたしたりする。また、設計・生産面においては、汚れ除去効果を保証するために、つまり、弾性部材の押圧による変形を可能とするために、吐液ノズルの数を減らす必要があることから、使用体験に影響が及ぶ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術における吐液装置の汚れ除去機構に存在する欠点を解消する吐液装置の汚れ除去機構、シャワーヘッド、及び、水栓を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第1の技術方案は次の通りである。
【0007】
吐液装置の汚れ除去機構は、吐液ユニットと、吐液ユニットに対して動作可能な駆動機構を含み、前記吐液ユニットに吐液ノズルが設けられている。前記吐液ノズルは弾性部材を有しており、前記弾性部材は吐液ノズルの吐液口を有している。前記駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させることができ、弾性部材の弾性変形によって、吐液ノズル内に凝結した付着汚れを落下させられる。
【0008】
一実施例において、前記駆動機構は駆動部材を含み、前記弾性部材は吐液口と連通する周壁を有し、前記駆動部材と弾性部材とが連携し、且つ、駆動部材は周壁内に挿入可能であり、これにより弾性部材を弾性変形させられる。
【0009】
一実施例において、前記駆動機構は駆動部材を含み、前記弾性部材は底壁を有し、前記弾性部材は吐液口を有し、前記吐液口は底壁に設けられており、前記駆動部材は底壁と当接して連携することが可能である。
【0010】
一実施例において、前記弾性部材は更に底壁を有し、前記底壁と周壁は接続されており、前記吐液口は底壁又は底壁と周壁の間に設けられており、前記駆動部材は底壁と当接して連携することが可能である。
【0011】
一実施例において、前記周壁には内側へ向かって突設される凸部が設けられており、前記駆動部材は凸部と当接して連携することが可能である。
【0012】
一実施例において、前記周壁の下周縁は内側に突出することでフランジをなしており、前記駆動部材はフランジと当接して連携することが可能である。
【0013】
一実施例において、前記駆動部材と弾性部材が装接される。
【0014】
一実施例において、更に、弾性体を含み、前記弾性体と駆動機構とが連携する。前記駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、弾性体が発生させる弾性力によって非汚れ除去位置に復帰する。
【0015】
一実施例において、更に、弾性体を含み、前記弾性体と駆動機構とが連携する。前記駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、弾性体が発生させる弾性力によって汚れ除去位置に復帰する。前記駆動機構と、吐液装置を通過する水流とが連携し、水流の水圧によって、駆動部材は弾性体の弾性力に抗して非汚れ除去位置まで動作する。
【0016】
一実施例において、前記周壁の上周縁と吐液ユニットが固定装着される。
【0017】
一実施例において、前記吐液ノズルは、吐液ユニットに設けられる装着孔を含み、前記周壁は装着孔内にちょうど装設される。
【0018】
一実施例において、前記駆動部材は吐液ユニットに対して摺動可能である。
【0019】
一実施例において、前記吐液ユニットには複数の前記吐液ノズルが設けられている。前記駆動機構は、固定プレートと、固定プレートに固定接続される複数の前記駆動部材を含む。複数の駆動部材は、それぞれ複数の吐液ノズルの弾性部材の周壁内に挿入される。
【0020】
一実施例において、前記駆動部材と周壁の間には、水流を通過させるよう隙間が保持されている。
【0021】
一実施例において、前記駆動機構は、固定プレート、固定プレートに固定接続される駆動部材、及び操作部材を含む。前記駆動部材は、弾性部材と連携して弾性部材を弾性変形させることが可能である。前記操作部材は、駆動機構を動作させるよう伝動可能に固定プレートに接続されている。
【0022】
一実施例において、前記駆動機構は、更に、伝動ベースを含み、前記操作部材と伝動ベースが固定装着されており、前記操作部材と伝動ベースは固定柱を介して固定装着される。
【0023】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第2の技術方案は次の通りである。
【0024】
吐液装置は、吐液ユニットと、吐液ユニットに対して動作可能な駆動機構を含み、前記吐液ユニットに吐液ノズルが設けられている。前記吐液ノズルは弾性部材を有しており、前記弾性部材は吐液ノズルの吐液口を有している。前記駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させることができ、弾性部材の弾性変形により吐液口を変形させることで、吐液ノズルからの水沫を変化させられる。
【0025】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第3の技術方案は次の通りである。
【0026】
シャワーヘッドは、吐液装置を含み、前記吐液装置に前記吐液装置の汚れ除去機構が設けられている。
【0027】
一実施例において、前記吐液装置は本体部材を含み、前記本体部材は本体と固定ベースを含む。前記吐液ユニット、固定ベース及び本体は装接されており、且つ、固定ベースの少なくとも一部が吐液ユニットと本体の間に設置されている。前記駆動機構は、固定プレート、固定プレートに固定接続される駆動部材、操作部材及び固定柱を含む。前記固定プレートは固定ベースと吐液ユニットの間に設けられている。前記駆動部材は弾性部材内に挿入される。前記操作部材は動作可能に本体に接続される。前記固定柱は、摺動可能に固定ベースに挿通されるとともに固定プレートに固定接続される。前記操作部材は伝動可能に固定柱に接続される。
【0028】
一実施例において、更に、弾性体を含む。前記弾性体は固定ベースと操作部材の間に設けられる。
【0029】
本発明が技術的課題を解決するために採用する第4の技術方案は次の通りである。
【0030】
水栓は吐液装置を含み、前記吐液装置に前記吐液装置の汚れ除去機構が設けられている。
【発明の効果】
【0031】
本技術方案は、背景技術と比較して以下の利点を有している。
【0032】
駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させる。弾性変形した弾性部材は、吐液口に凝結した付着汚れを落下させられる。前記落下には、直接的な落下、又は破壊後の落下、又は破砕後の落下が含まれる。駆動機構を利用して弾性部材を変形させたあと、弾性部材の変形を利用して汚れの除去を実現することで、以下の技術的効果が発生し得る。即ち、1.駆動機構は、弾性部材を変形させるだけで汚れ除去を実現可能である。また、駆動機構と吐液ノズルとの連携精度に対する要求が低く、駆動機構の生産精度に対する要求も低い。よって、生産コストを低下させられるほか、吐液ノズル、吐液口のレイアウト、形状、大きさに対する制限を減少又は回避することが可能である。且つ、2.駆動機構によって弾性部材を変形させるため、水流条件に制限されることがなく、汚れ除去効果を向上させることも可能である。
【0033】
駆動部材は、弾性部材内に挿入可能であり、これにより弾性部材を弾性変形させられる。従って、第一に、駆動部材は、弾性部材を変形させて汚れ除去を実現するために使用可能である。第二に、駆動部材は、駆動時に自身の動作によっても汚れの除去を実現可能である。つまり、2種類の汚れ除去が組み合わされるため、汚れ除去の効果に一段と優れている。
【0034】
底壁と周壁は接続されており、駆動部材は底壁と当接して連携することが可能である。これにより、底壁又は底壁と周壁の間に設けられる吐液口内の付着汚れを変形によって破砕する効果がいっそう良好となる。
【0035】
駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、弾性体が発生させる弾性力によって非汚れ除去位置に復帰する。よって、手動での汚れ除去を実現可能であり、汚れ除去効果が一段と良好になるほか、汚れを除去しつつ吐液を継続可能なため、付着汚れや異物の洗浄に都合がよい。
【0036】
周壁は上周縁が吐液ユニットに固定装着されている。一端を固定することで、他端に当接した場合の変形効果がいっそう良好となるため、破砕効果に一段と優れる。
【0037】
周壁は装着孔内にちょうど装設されるため、吐液形態がいっそう良好となる。
【0038】
駆動部材は吐液ユニットに対して摺動可能なため、構造がシンプルであり、汚れの除去が容易且つスピーディーとなる。
【0039】
操作部材は、駆動機構を動作させるよう伝動可能に固定プレートに接続されているため、構造がシンプル且つコンパクトである。
【0040】
駆動機構と弾性部材とが連携し、且つ、駆動機構が動作することで弾性部材を弾性変形させられる。弾性部材の弾性変形により吐液口を変形させることで、吐液ノズルからの水沫を変化させられるため、入浴の楽しみが増す。
【0041】
以下に、図面と具体的実施形態を組み合わせて本発明につき更に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0042】
図1図1は、具体的実施形態のシャワーヘッドの斜視図である。
図2図2は、具体的実施形態のシャワーヘッドの平面図である。
図3図3は、具体的実施形態のシャワーヘッドの分解斜視図である。
図4図4は、具体的実施形態の駆動機構の一部の斜視図である。
図5図5は、具体的実施形態の駆動機構の断面図である。
図6図6は、具体的実施形態のシャワーヘッドの第1の断面図であって、駆動部材が非汚れ除去位置に存在している。
図7図7は、具体的実施形態のシャワーヘッドの第2の断面図であって、駆動部材が汚れ除去位置に存在している。
図8図8は、具体的実施形態の弾性部材の第1の斜視図であって、駆動部材が初期状態にある。
図9図9は、具体的実施形態の弾性部材の第2の斜視図であって、駆動部材が変形状態にある。
【発明を実施するための形態】
【0043】
図1図9を参照して、シャワーヘッドは吐液装置Aを含み、前記吐液装置Aが本体部材1と汚れ除去機構2を含む。前記本体部材1は、本体11と固定ベース12を含む。また、前記汚れ除去機構2は、吐液ユニット21と、吐液ユニット21に対して動作可能な駆動機構22を含む。前記吐液ユニット21、固定ベース12及び本体11は固定装接されており、且つ、固定ベース12の少なくとも一部が吐液ユニット21と本体11の間に設置されている。また、必要に応じて、前記固定ベースと本体を固定する一方、吐液ユニット21を固定ベースに対して回動可能としてもよい。
【0044】
前記吐液ユニット21は吐水面カバー211を含み、前記吐水面カバー211に複数の第1吐液ノズル23が設けられている。前記第1吐液ノズル23は、吐水面カバー211を貫通して設けられる装着孔231を含む。また、前記第1吐液ノズル23は弾性部材24を有している。前記弾性部材24は、第1吐液ノズル23を構成する周壁241と底壁242を有しており、前記底壁242と周壁241が接続されている。前記接続は固定接続であり、例えば一体的に構成される。前記底壁242は周壁241内に位置している。且つ、底壁242には複数の吐液口243が設けられている。或いは、底壁242と周壁241の間に複数の吐液口243が設けられている。前記弾性部材24は、弾性材料により一体的に構成される。或いは、一部のみが弾性材料で構成される。即ち、前記弾性部材は、弾性材料からなる弾性部分と硬質材料からなる硬質部分を含む。前記弾性部分は少なくとも底壁を含む。また、前記弾性材料は例えば軟質ゴムである。前記周壁241は装着孔231内にちょうど装設される。且つ、弾性部材24は吐水面カバー211に固定的に支持される。また、周壁242と装着孔231の間には隙間を設けてもよい。更に、前記周壁241の上周縁と吐液ユニット21が固定装着される。前記弾性部材は、上記のように固定接続されているため、底壁が下方に変形する際に周壁を引き伸ばすことが可能である。これにより、周壁の内孔が狭くなり、吐液口が引き伸ばされる結果、吐液口内の付着汚れが破砕される。つまり、引き伸ばすことで付着汚れが破砕される。また、必要に応じて、底壁を上方に引き伸ばすことで吐液口内部の付着汚れを破砕してもよい。上記の固定接続の具体的な構造は次の通りである。即ち、前記周壁241の上端が外側に延伸して固定接続フランジ244をなしている。また、前記装着孔231の上端口は孔が拡大するよう設けられており、前記固定接続フランジ244が孔の拡大部分の上縁にちょうど支持される。必要に応じて、前記複数の弾性部材を一体成型し、固定ベースと吐水面カバーを装接することで、一体成型した前記部材の周縁を固定してもよい。或いは、一体成型部材に覆接孔を設け、吐水面カバーの裏面に突設された突起に前記覆接孔を覆接してもよい。本実施例では、破砕及び落下の場合を例示して説明したが、付着汚れが少ない場合には、破砕しなくても落下し得る。
【0045】
前記駆動機構22は、固定プレート221、固定プレート221の底面に固定接続される駆動部材222、操作部材223、伝動ベース及び固定柱225を含む。前記固定プレート221は固定ベース12と吐液ユニット21の間に設けられている。前記操作部材223は、例えばボタンであって、摺動可能に本体11に接続されている。前記伝動ベースは、本体と固定ベースの間に位置する押圧プレート224を含む。前記押圧プレートと操作部材223は固定接続されている。前記固定柱225は、摺動可能に固定ベースに挿通されるとともに、両端が固定プレートと押圧プレートにそれぞれ固定接続されている。これにより、駆動部材222は、吐液ユニット21に対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で摺動可能となる。前記駆動部材222は、ロッド部材と、ロッド部材の全周に固定接続される複数のスポークを含み、前記ロッド部材の下端がスポークの下端から伸出している。前記駆動機構22の複数の駆動部材222は、それぞれ複数の第1吐液ノズル23の弾性部材の周壁241内に挿入される。前記駆動部材と周壁の間には、水流を通過させるよう隙間が保持されている。つまり、スポークと周壁の間に隙間が保持されるとともに、隣り合うスポークの間にも水流が通過する。前記駆動部材の下端は、非汚れ除去位置にあるときには、底壁と接触するか隙間を保持する。また、汚れ除去位置にあるときには、底壁に当接して下方に動作させることで弾性部材を変形させる。本具体的実施形態では、前記操作部材が摺動可能に本体に接続されている。しかし、必要に応じてその他の方式を採用してもよい。例えば、揺動や回動、伝動機構によって、駆動部材を吐水ユニットに対し摺動させてもよい。また、前記弾性部材には底壁が設けられている。しかし、必要に応じて底壁を設けることなく、周壁に内側へ向かって突設される凸部を設け、前記駆動部材が凸部に当接して連携することで弾性部材の変形を実現可能としてもよい。
【0046】
前記汚れ除去機構2は弾性体25を更に含み、前記弾性体と駆動機構とが連携する。前記駆動部材は、吐液ユニットに対して汚れ除去位置と非汚れ除去位置の間で動作可能であり、弾性体が発生させる弾性力によって非汚れ除去位置に復帰する。具体的構造において、前記弾性体は固定ベース12と押圧プレート224の間に設けられる。これにより、ユーザは、前記操作部材を操作することで汚れを除去するか否かを制御可能となる。駆動部材は、操作部材を押圧すると汚れ除去位置まで摺動し、押圧を解除する非汚れ除去位置に復帰する。
【0047】
初期状態において、駆動機構は弾性体(例えば戻しバネ)の押し上げ作用によって非汚れ除去位置に存在し、駆動部材が弾性部材と接触しない。操作部材を押圧すると、操作部材は駆動部材を吐液ノズルに向かって運動させる。駆動部材は、弾性部材の底壁に当接したあとも引き続き運動し、弾性部材の端面を引き伸ばすことで変形させて外側に突出させる。弾性部材が変形するのと同時に、吐液口も同様に引き伸ばされて変形し、吐液口の面積が拡大することで破壊された水垢が水流により押し流されやすくなる。水垢は結晶状の固体であるため、引き伸ばしても変形することはなく、粉末状に破壊されて水流により押し流される。これにより、汚れ除去効果が達成される。また、操作部材を解除すると、弾性体が駆動機構を吐液ノズルから遠ざかるよう押し上げて、非汚れ除去位置に復帰させる。これにより、汚れ除去動作が完了する。
【0048】
本具体的実施形態において、前記シャワーヘッドは1種類の水沫を吐出してもよいし、例えば2種類の水沫というように複数種類の水沫を吐出してもよい。図中では2種類の水沫を吐出する場合を示しており、前記シャワーヘッドが切替機構を更に含んでいる。前記固定ベース12には2つの分水路121が設けられており、前記切替機構が2つの分水路を切り替える。また、前記切替機構には第2操作部材31が設けられており、第2操作部材31によって切り替えを制御する。前記吐水面カバーには、第2吐液ノズルが更に設けられている。例えば、吐水面カバーにはバブル発生器3が更に設けられており、バブル発生器に上記の第2吐液ノズルが設けられている。前記固定ベース12と吐水面カバー21の間には2つの分水室が形成されており、2つの分水室と2つの分水路がそれぞれ連通する。また、一方の分水室がバブル発生器と連通し、他方の分水室が第1吐液ノズルと連通する。且つ、前記固定プレートには、水流を通過させる通水孔226が設けられている。
【0049】
もう一つの具体的実施形態は、例えば厨房の水栓や洗面所の水栓といった水栓である。水栓は吐液装置を含み、前記吐液装置に前記吐液装置の汚れ除去機構が設けられている。
【0050】
以上の記載は本発明の好ましい実施例にすぎないため、本発明の実施範囲をこれに限定すべきではない。即ち、本発明の権利範囲及び明細書の内容に基づき実施される等価の変形及び補足は、いずれも本発明のカバー範囲に属する。
【符号の説明】
【0051】
A 吐液装置
1 本体部材
2 汚れ除去機構
3 バブル発生器
11 本体
12 固定ベース
121 分水路
21 吐液ユニット
22 駆動機構
23 第1吐液ノズル
24 弾性部材
25 弾性体
211 吐水面カバー
221 固定プレート
222 駆動部材
223 操作部材
224 押圧プレート
225 固定柱
226 通水孔
231 装着孔
241 周壁
242 底壁
243 吐液口
244 固定接続フランジ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】