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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053567
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】付属物取付器具
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/002 20060101AFI20220330BHJP
   A41D 27/28 20060101ALI20220330BHJP
   A41D 27/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D27/28 Z
A41D27/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020160273
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
(72)【発明者】
【氏名】小林 和
【テーマコード(参考)】
3B011
3B035
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B011AC03
3B011AC21
3B035AA01
3B035AB03
3B035AB07
3B035AB09
(57)【要約】
【課題】空調衣服に様々な付属物を取り付けるのを可能にする付属物取付器具を実現する。
【解決手段】空調衣服100の開口部201に取り付けられるファン1とともに空調衣服100に取り付けられる付属物取付器具2であって、ファン1は、開口部201に通される筒状部11と、筒状部11の一端から筒状部11の側面と略垂直な方向に張り出したフランジ部11aとを有するファン本体10と、筒状部11の外側に差し込むことによりフランジ部11aとの間に空調衣服の生地200を挟み込んだ状態でファン本体10に装着される環状部材15とを備えており、開口部201は、筒状部11の外縁の形状と略同じ形状を有しており、当該付属物取付器具2は、筒状部11の外縁の形状と略同じ形状の開口21aを有する薄板状或いは布状の取付部21と、取付部21の外縁側に配設されており付属物を収納する収納部22と、を備えている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空調衣服に設けられるファン取付用の開口部に取り付けられる付属物取付器具であって、
当該付属物取付器具は、ファン取付用の開口を有する取付部と、
前記取付部の外縁側に配設されており、所定の付属物を収納する収納部と、を備えていることを特徴とする付属物取付器具。
【請求項2】
前記取付部は、薄板状あるいは布状の部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の付属物取付器具。
【請求項3】
前記収納部は、メッシュ素材で形成された袋状部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の付属物取付器具。
【請求項4】
当該付属物取付器具を前記空調衣服の一部に係着するための係着手段が、前記取付部と前記収納部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の付属物取付器具。
【請求項5】
前記空調衣服には、前記開口部が2つ設けられており、当該付属物取付器具は、前記空調衣服に対を成して取り付けられるように構成されていることを特徴とする請求項1~4のいずれか一項に記載の付属物取付器具。
【請求項6】
対を成している前記付属物取付器具同士を連結するための連結手段が、前記取付部と前記収納部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする請求項5に記載の付属物取付器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば空調衣服に加湿装置等の付属物を取り付けるための付属物取付器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、身体又は下着の表面と略平行に大量の外気を流通させることにより身体から出た汗を蒸発させて、気化熱を利用して身体を冷却する空調衣服が実用化されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、液体ボトルから供給された液体をノズル先端部の液体噴出口から霧状に噴出して、衣服内に継続的な湿り気を与え、電動ファンによって送風された空気の流れにより、衣服内に与えられた湿り気を蒸発させることによって、衣服内環境から気化熱を奪い、着用者が発汗していないときであっても、継続的に衣服内温度を下げることができるようにした空調衣服が提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
【0003】
上記空調衣服に液体ボトルやパイプなどの付属物を取り付け、水が蒸発する際の気化熱によって体を冷却するようにすれば、空調衣服の着用者の身体をより効率よく冷却することが可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/063065号
【特許文献2】特開2019―39120号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、新たな機能を空調衣服に付与するための付属物を既存の空調衣服に縫着したり接着したりすることは困難であったり、また、その付属物の取り付けに対応できる空調衣服を新たに設計したり縫製したりすることにはコストが掛かるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、空調衣服に様々な付属物を取り付けたり、収納したりすることを可能にする付属物取付器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
空調衣服に設けられるファン取付用の開口部に取り付けられる付属物取付器具であって、
当該付属物取付器具は、ファン取付用の開口を有する取付部と、
前記取付部の外縁側に配設されており、所定の付属物を収納する収納部と、を備えていることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の付属物取付器具において、
前記取付部は、薄板状あるいは布状の部材から構成されていることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の付属物取付器具において、
前記収納部は、メッシュ素材で形成された袋状部材であることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1~3のいずれか一項に記載の付属物取付器具において、
当該付属物取付器具を前記空調衣服の一部に係着するための係着手段が、前記取付部と前記収納部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1~4のいずれか一項に記載の付属物取付器具において、
前記空調衣服には、前記開口部が2つ設けられており、当該付属物取付器具は、前記空調衣服に対を成して取り付けられるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の付属物取付器具において、
対を成している前記付属物取付器具同士を連結するための連結手段が、前記取付部と前記収納部の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、空調衣服に新たな機能を付与するための付属物やファンの予備用バッテリーを収納する等、様々な付属物や収納物を取り付けたり、収納したりすることを可能にする付属物取付器具が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本実施形態の付属物取付器具が取り付けられた空調衣服の前身頃を開いた状態を示す正面図である。
図2】空調衣服に取り付けられた付属物取付器具を示す正面図(a)と、上面図(b)である。
図3】付属物取付器具を示す正面図である。
図4】付属物取付器具の変形例を示し、その付属物取付器具が取り付けられた空調衣服の前身頃を開いた状態を示す正面図である。
図5】付属物取付器具の変形例を示し、その付属物取付器具が取り付けられた空調衣服の前身頃を開いた状態を示す正面図である。
図6】付属物取付器具の変形例を示し、その付属物取付器具が取り付けられた空調衣服の前身頃を開いた状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明に係る付属物取付器具の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
本実施形態の付属物取付器具は、空調衣服に新たな機能を付与するための付属物やファンの予備用バッテリーを収納する等、様々な付属物や収納物を収納するために、その空調衣服に取り付けて使用する器具である。
【0016】
まず、ファン1が取り付けられている空調衣服100について説明する。
なお、以下においては、空調衣服100を着用者が着用した状態を基準として、着用者の前側を前、着用者の後側を後、着用者の上側を上、着用者の下側を下、着用者の右手側を右、着用者の左手側を左と定めて説明する。
【0017】
[空調衣服]
空調衣服100は、例えば、図1に示すように、服本体210と、服本体210内部に空気を導入するファン1,1と、ファン1,1に電力を供給する電源部230と、電源部230とファン1,1とを接続する接続ケーブル240と、を備え、ファン1、1によって服本体210内に取り込まれた空気を、着用者の身体又は下着の表面に沿って流通させることで、身体から出た汗を蒸発させ、蒸発する際の気化熱により身体を冷却するものである。
【0018】
服本体210は、図1に示すように、通気性のない又はファン1,1による空気の導入によって膨らませることができる程度の通気性を有する生地200によって、着用者の胴部及び腕部を覆う形状に形成されている。図1においては、服本体210をブルゾン型の上衣の形状に形成しているが、服本体210の形状はこれに限られず、例えば着用者の胴部のみを覆うベスト型に形成してもよい。
服本体210は、第一開閉手段211と、第二開閉手段212と、空気漏れ防止手段213と、ファン取付部214,214と、襟部空気排出部215と、袖部空気排出部216,216と、電源部保持手段217と、ケーブル保持手段218,218と、を備え、ファン取付部214,214からファン1,1によって取り込まれた外気が、襟部空気排出部215及び袖部空気排出部216,216から排出されるように構成されている。
【0019】
第一開閉手段211及び第二開閉手段212は、服本体210を前開きとし、空調衣服100を着用する際に、服本体210の前部を開閉するためのものであり、図1に示すように、服本体210の前身頃の分割部分において、右側に第一開閉手段211が備えられ、左側に第二開閉手段212が備えられ、これらが着脱自在となるように構成されている。第一開閉手段211及び第二開閉手段212としては、例えば、図1に示すように一般的な線ファスナーが用いられる。
図1においては、線ファスナーの務歯に加えて、スライダー、箱及び箱棒が第二開閉手段212に備えられ、線ファスナーの務歯に加えて、蝶棒が第一開閉手段211に備えられた場合につき図示したが、これに限られず、反対に、線ファスナーの務歯に加えて、スライダー、箱及び箱棒が第一開閉手段211に備えられ、線ファスナーの務歯に加えて、蝶棒が第二開閉手段212に備えられていてもよい。
【0020】
空気漏れ防止手段213は、図1に示すように、服本体210下部に備えられた、服本体210と着用者の身体との間の空間内の空気が服本体210の裾部から外部に漏れることを防止するための手段であり、例えば、服本体210の下部の端部付近に、ゴム紐等の伸縮性のある部材を、着用者の身体を周回するように備えることによって形成される。空調衣服100の着用時においては、空気漏れ防止手段213によって、服本体210の裾部が絞り込まれて着用者の身体に密着し、服本体210下部から空気が外部に漏れることを防止することができる。
なお、服本体210の裾部が絞り込まれた形状に形成され、裾部からの空気の流出量が僅かである場合、必ずしも空気漏れ防止手段213を備えずともよい。
【0021】
ファン取付部214,214は、図1に示すように、服本体210の服地である生地200に設けられた開口部201,201(図2(a)参照)を有している。
開口部201,201は、空調衣服100の着用時において、外部と、服本体210と着用者の身体との間の空間と、を繋ぐこととなる孔部であり、ここにファン1,1が取り付けられる。
2つのファン取付部214,214(開口部201,201)は、図1に示すように、服本体210の後身頃において、着用者の腰の左右に対応する位置であって、上下方向に同一の高さに形成されている。
なお、ファン取付部214,214が形成される位置としては、上記の位置に限られず、服本体210の側面、前面等に形成することも可能である。また、ファン取付部214が形成される個数は、2か所に限られず、これより少数又は多数のファン取付部214を形成し、これに対応した数のファン1を備えてもよい。
【0022】
襟部空気排出部215は、図1に示すように、ファン1、1によってファン取付部214、214から導入された空気を、着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の首と服本体210の襟部の端部との間に形成された開口部である。
【0023】
袖部空気排出部216,216は、図1に示すように、ファン1,1によってファン取付部214,214から導入された空気を、着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するため、着用者の腕と服本体210の袖部の端部との間に形成された開口部である。
【0024】
電源部保持手段217は、図1に示すように、服本体210の内面側に形成されたポケットであり、電源部230が収納される。図1においては、電源部保持手段217が、服本体210の前身頃の左側の下方の位置に備えられた場合について図示したが、これに限られず、服本体210の内面側の任意の位置に備えることが可能である。
なお、電源部保持手段217としては、必ずしもポケットを用いる必要はなく、電源部230を服本体210に着脱自在に装着することが可能であれば、任意の構成を採用することができる。さらに、服本体210に電源部保持手段217を備えず、例えば着用者のズボンのベルト等に電源部230をクリップ等によって取り付けることにより、電源部230が服本体210に装着されないようにすることも可能である。
【0025】
ケーブル保持手段218,218は、接続ケーブル240を、服本体210の内面側に保持するための手段であり、例えば、接続ケーブル240を挿通可能な開口部を有し、当該開口部に接続ケーブル240を挿通させることによって、これを保持することができるように構成されている。
ケーブル保持手段218,218としては、接続ケーブル240を服本体210内面側において所定の位置に保持することができれば、種々の形状及び材料のものを使用可能であり、例えば、一般的なベルト通しのように、縦長の布を上下2カ所において縫い付けることにより形成することができる。また、配置位置も、図1に示すものに限られない。
【0026】
ファン1,1は、ファン取付部214,214に取り付けられ、ファン取付孔である開口部201,201を通して、服本体210と着用者の身体との間の空間に空気を導入するためのものである。
ファン1,1には、電源部230から接続ケーブル240を通じて必要な電力が供給される。
【0027】
次に、空調衣服100のファン取付孔としての開口部201に取り付けられるファン1と、そのファン1とともに空調衣服100に取り付けられる付属物取付器具2について説明する。
【0028】
[ファン]
送風機であるファン1は、例えば、図2(a)(b)に示すように、筒状部11と、筒状部11の一端からその筒状部11の側面と略垂直な方向に張り出したフランジ部11aと、筒状部11の他端側に設けられた前方ガード12と、筒状部11の一端側に設けられた後方ガード13とを有するファン本体10と、筒状部11の他端側からその外側に差し込むことによりフランジ部11aとの間に空調衣服100の生地200を挟み込んだ状態でファン本体10に装着される環状部材15等を備えている。
このファン1の筒状部11の外縁の形状は、空調衣服100の開口部201と略同じ形状を有している。換言すれば、空調衣服100の開口部201は、ファン1の筒状部11の外縁の形状と略同じ形状を有している。
【0029】
このファン1のファン本体10にプロペラPが内蔵されており、ファン1は、後方ガード13側から取り込んだ空気を前方ガード12側から送出し、空調衣服100内に空気を流通させるようになっている。
具体的には、前方ガード12の内側に設けられているモーター固定部12aにモーターMが固定されており、そのモーターMによってプロペラPが回転されて後方ガード13側から空気を取り込むようになっている。
【0030】
[付属物取付器具]
付属物取付器具2は、例えば、図1図3に示すように、ファン1(ファン本体10)の筒状部11の外縁の形状と略同じ形状の開口21aを有している取付部21と、取付部21の外縁側に配設されている収納部22と、を備えている。
なお、取付部21の開口21aは、空調衣服100の開口部201と略同じ形状を有している。
【0031】
取付部21は、開口21aを有する薄板状あるいは布状の部材であり、付属物取付器具2を空調衣服100に取り付ける際に、ファン1のフランジ部11aと環状部材15との間に挟まれる部材である。
この取付部21は、薄い樹脂板を布で被覆して形成した部材であってもよい。
なお、後述する収納部22に収納される付属物が比較的重い物品である場合には、取付部21は剛性を有する材料で形成されたものであることが好ましい。取付部21を剛性を有する材料で形成した場合、開口21aはファン1に対して360度の開口とする必要はなく、少なくとも180度超の開口を有するように構成しても良い。
【0032】
収納部22は、空調衣服100に取り付けることが所望されている所定の付属物を収納するための部材である。
本実施形態では、メッシュ素材で形成された袋状部材を収納部22として用いている。
この袋状の収納部22は、その袋の開口が上側、袋の底が下側に配されるように、空調衣服100に付属物取付器具2が取り付けられるようになっている。
収納部22は、その収納部22に収納する付属物に応じた大きさや形状に形成されている。
また、収納部22の開口にスナップボタンや面ファスナーなどを設けて、袋状の収納部22を開閉自在としてもよい。こうすることで、収納した付属物が収納部22からこぼれ出たり落としたりするのを防ぐことができる。
なお、収納部22をメッシュ素材で形成することに限らず、織物や編物などの布地や他の素材で形成してもよい。
【0033】
本実施形態では、水などの液体を蒸散させる機能を有する付属物、例えば、加湿装置等を収納部22に収納するようにした。
そして、空調衣服100に取り付けられた付属物取付器具2の収納部22に収納されている付属物から水などの液体が蒸散されることで、その液体の気化熱により空調衣服100内を冷却するようにした。
水などの液体を蒸散させる機能を有する付属物としては、タオル地やスポンジ製の吸水性物品、素焼製の吸水性物品などを用いることができる。また、電源を備えた超音波式の加湿器を付属物として用いることができる。
さらに、付属物取付器具2は、新たな機能を空調衣服100に付与するための付属物を収納するだけではなく、ファン1の予備バッテリーのように単なる収納物も収納することができる。
【0034】
なお、収納部22に収納した付属物から蒸散させる液体は水に限らない。
例えば、アルコール(例えば、エタノール)を水で希釈した液を付属物から蒸散させるようにしてもよい。この場合、アルコールの気化熱によって冷却効率が向上したり、アルコールによる衣服内の抗菌防臭効果が得られたりする。
また、ミントなどの香料を添加した水溶液を付属物から蒸散させるようにしてもよい。この場合、香料によるアロマ効果(芳香効果)や、衣服内の防臭効果が得られたりする。
【0035】
[付属物取付器具の空調衣服への取付手順]
ファン1を空調衣服100に取り付ける場合には、ファン1(ファン本体10)の筒状部11を空調衣服100の開口部201に通し、空調衣服100の内面側にて筒状部11に環状部材15を差し込んで、フランジ部11aと環状部材15との間に空調衣服100の生地200を挟むようにして、空調衣服100の開口部201にファン1を取り付けるようにする。
そして、付属物取付器具2を空調衣服100に取り付ける場合は、ファン1(ファン本体10)の筒状部11を空調衣服100の開口部201に通して、その筒状部11に取付部21の開口21aを位置合わせするようにして筒状部11に取付部21を嵌め合わせた後、環状部材15を筒状部11の外側に差し込んで、フランジ部11aと環状部材15との間に空調衣服100の生地200と付属物取付器具2の取付部21とを挟み込んで、空調衣服100の開口部201にファン1を取り付けるとともに、付属物取付器具2を空調衣服100の内側に取り付けるようにする。
なお、既に空調衣服100にファン1が取り付けられている場合には、ファン本体10の筒状部11から環状部材15を一旦外して、その筒状部11に取付部21を嵌め合わせた後、再度環状部材15を筒状部11に差し込むようにすればよい。
このようにして、付属物取付器具2を空調衣服100に取り付けることができる。
【0036】
本実施形態の空調衣服100には、ファン1が取り付けられる開口部201が2つ設けられており、図1に示すように、付属物取付器具2は、空調衣服100に対を成して取り付けられるように構成されている。
ここでは、空調衣服100の後身頃側に、付属物取付器具2の収納部22を配置するように取り付けられており、その収納部22は空調衣服100の着用者の背中に相当する位置に配されるようになっている。
なお、空調衣服100の左右のファン1に対応させて、空調衣服100に2つの付属物取付器具2を取り付けることに限らず、左右のファン1のいずれか一方に対して付属物取付器具2を取り付けるようにしてもよい。
【0037】
このように、空調衣服100の内側に付属物取付器具2を取り付ければ、その付属物取付器具2の収納部22に所望する付属物を収納するようにして、空調衣服100の内側に付属物を取り付けるようにすることができる。
そして、空調衣服100の内側に取り付けた付属物取付器具2の収納部22に水などの液体を蒸散させる機能を有する付属物を収納するようにすれば、その液体の気化熱によって好適に空調衣服100内を冷却することができる。
つまり、着用者の身体から出る汗に加え、付属物から蒸散される液体の気化熱によって効率よく空調衣服100内を冷却することができる。
【0038】
[変形例1]
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図4に示すように、空調衣服100の内側に対を成して取り付けられた付属物取付器具2同士を連結するための連結手段3を備えるようにしてもよい。
連結手段3は、例えば、バックル31aを備えた第1ベルト31と、第1ベルト31のバックル31aに結着される第2ベルト32を有している。
ここでは、図4中、右側に取り付けられている付属物取付器具2に第1ベルト31が設けられ、左側に取り付けられている付属物取付器具2に第2ベルト32が設けられており、第1ベルト31のバックル31aに第2ベルト32を結着することで、左右の付属物取付器具2が連結されるようになっている。
第1ベルト31と第2ベルト32は、付属物取付器具2における取付部21と収納部22の少なくとも一方に着設されている。
本実施形態では、第1ベルト31と第2ベルト32はそれぞれ、付属物取付器具2の取付部21と収納部22に着設されている。
なお、第1ベルト31と第2ベルト32は、付属物取付器具2の取付部21と収納部22のいずれか一方に着設されていてもよい。
【0039】
このように、空調衣服100に対を成して取り付けられた付属物取付器具2同士を連結する連結手段3を備えていれば、例えば、収納部22に収納した付属物の重みなどで付属物取付器具2がファン1を軸心に回ってしまうなど、付属物取付器具2の姿勢の乱れを防ぐことができる。
また、対を成す付属物取付器具2の間隔を連結手段3によって調節することで、左右の付属物取付器具2の間の空気の流路の広狭を調整することができる。
【0040】
[変形例2]
また、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、図5に示すように、空調衣服100の内側に取り付けられた付属物取付器具2を空調衣服10の一部に係着するための係着手段4を備えるようにしてもよい。
係着手段4は、例えば、一端が付属物取付器具2に着設されているベルト部41と、ベルト部41の他端に設けられているクリップ部42を有している。
本実施形態では、付属物取付器具2に一対の係着手段4が設けられている。
【0041】
ベルト部41は、長さ調整可能に構成されており、付属物取付器具2における取付部21と収納部22の少なくとも一方に着設されている。
本実施形態のベルト部41は、付属物取付器具2の取付部21と収納部22に着設されている。
なお、ベルト部41は、付属物取付器具2の取付部21と収納部22のいずれか一方に着設されていてもよい。
【0042】
クリップ部42は、例えば、くわえカンなどと称される金属製あるいは樹脂製の部品であり、布地などを挟持することができる。
本実施形態の係着手段4のクリップ部42は、空調衣服100の前身頃の分割部分近傍の見返し219を挟持するようになっている。
このクリップ部42が空調衣服10の見返し219などを挟持することで、係着手段4を介して付属物取付器具2が空調衣服100に係着される。つまり、ファン1とともに空調衣服100に取り付けられた付属物取付器具2は、係着手段4による係着によってその取付構造が補強されるようになっている。
ここでは、空調衣服100の後身頃と前身頃の間に、付属物取付器具2の収納部22を配置するように取り付けられており、その収納部22は空調衣服100の着用者の脇に相当する位置に配されるようになっている。
なお、係着手段4(クリップ部42)を空調衣服10に係着させる部位は見返し219であることに限らず、空調衣服10の内側にある縫い目のひだやポケットの裏地などに係着させるようにしてもよい。
【0043】
このように、空調衣服100に取り付けられた付属物取付器具2を空調衣服10の見返し219などに係着する係着手段4を備えていれば、例えば、収納部22に収納した付属物の重みなどで付属物取付器具2がファン1を軸心に回ってしまうなど、付属物取付器具2の姿勢の乱れを防ぐことができる。
また、係着手段4のベルト部41の長さを調節することで、空調衣服10の見返し219と付属物取付器具2の間の空気の流路の広狭を調整することができる。
【0044】
なお、係着手段4は、見返し219など空調衣服10の一部に係着することに限らず、例えば、図6に示すように、左右の付属物取付器具2同士を係着するのに利用してもよい。
係着手段4によって左右の付属物取付器具2同士を係着させれば、その係着手段4を前述した連結手段として機能させることができる。
本実施形態では、一方の付属物取付器具2の係着手段4のクリップ部42が、他方の付属物取付器具2の係着手段4のベルト部41を挟持するように連結している。
なお、一方の付属物取付器具2の係着手段4のクリップ部42が、他方の付属物取付器具2の取付部21又は収納部22を挟持するように連結してもよい。
【0045】
以上のように、本実施形態の付属物取付器具2であれば、空調衣服100の内側に付属物取付器具2を取り付けて、その付属物取付器具2の収納部22に所望する付属物を収納するようにして、空調衣服100の内側に様々な付属物を取り付けることができる。
そして、付属物取付器具2の収納部22に収納する付属物に応じて、様々な機能や効果を空調衣服100に付与することができる。
特に、空調衣服100の内側に取り付けた付属物取付器具2の収納部22に水などの液体を蒸散させる機能を有する付属物を収納するようにすれば、その液体の気化熱によって好適に空調衣服100内を冷却することができる。
【0046】
なお、以上の実施の形態においては、水などの液体を蒸散させる機能を有する付属物を収納部22に収納するとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、冷凍して使用する保冷材を付属物として収納部22に収納するようにしてもよい。
付属物に保冷材を用いるようにしても、空調衣服100内を冷却することができる。
【0047】
さらに、付属物取付器具2は、新たな機能を空調衣服100に付与するための付属物を収納するだけではなく、ファン1の予備バッテリーのように単なる収納物であっても収納することができる。
また、空調衣服100に付属物取付器具2を取り付けることに限らず、ファン1を取り付けて使用する空調帽子などに付属物取付器具2を取り付けるようにしてもよい。
【0048】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0049】
1 ファン
10 ファン本体
11 筒状部
11a フランジ部
12 前方ガード
13 後方ガード
15 環状部材
2 付属物取付器具
21 取付部
21a 開口
22 収納部
3 連結手段
31 第1ベルト
31a バックル
32 第2ベルト
4 係着手段
41 ベルト部
42 クリップ部
100 空調衣服
200 生地
201 開口部
210 服本体
219 見返し(空調衣服の一部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6