(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022053638
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】傾斜スイングプレートを備えた仮想ゴルフシステム
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20220330BHJP
A63B 69/00 20060101ALI20220330BHJP
【FI】
A63B69/36 512B
A63B69/36 512Z
A63B69/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020160375
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】520330571
【氏名又は名称】エスジーエム・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SGM Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【弁理士】
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【識別番号】100107319
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【弁理士】
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【弁理士】
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【識別番号】100096769
【弁理士】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】イ,ウィボム
(72)【発明者】
【氏名】キム,ガプス
(72)【発明者】
【氏名】クァク,ジェフン
(57)【要約】 (修正有)
【課題】本発明は、傾斜スイングプレートを備えた仮想ゴルフシステムを提供する。
【解決手段】上記仮想ゴルフシステムは、ゴルフボールが置かれ、傾斜することができるスイングプレートと、仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部とを含む。ユーザーは互いに異なる第1モードと第2モードでプレイすることができ、ユーザーが前記ゴルフボールを打撃する前に、前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールが置かれている位置が傾斜地点であるとき、前記第1モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが所定の角度で傾斜した状態で前記ゴルフボールを打撃することができ、前記第2モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが傾斜しない状態で前記ゴルフボールを打撃することができる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフボールが置かれ、傾斜することができるスイングプレートと、
仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部と、
を含み、
ユーザーは互いに異なる第1モードと第2モードでプレイすることができ、
ユーザーが前記ゴルフボールを打撃する前に、前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールが置かれている位置が傾斜地点であるとき、前記第1モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが所定の角度で傾斜した状態で前記ゴルフボールを打撃することができ、前記第2モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが傾斜しない状態で前記ゴルフボールを打撃することができる
仮想ゴルフシステム。
【請求項2】
前記スイングプレートが所定の傾斜角で傾斜するように調節する傾斜調節手段をさらに含み、
前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールが置かれている位置が傾斜地点であるとき、前記傾斜地点の傾斜に対応するように、前記傾斜調節手段によって前記スイングプレートの傾斜角が調節される、請求項1に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項3】
ユーザーは、前記第1及び第2モードのうちいずれかをプレイ開始前に予め選択することができる、請求項1に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項4】
ユーザーが前記ゴルフボールを打撃すると、前記打撃されたゴルフボールの軌跡を算出する制御部をさらに含み、
前記ゴルフボールの軌跡が算出されると、前記表示部は前記算出された軌跡に沿って動く前記仮想ゴルフボールを表示する、請求項1又は請求項2又は請求項3に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項5】
前記制御部は、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで打撃したユーザーにペナルティーポイントを与える、請求項4に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項6】
前記制御部は、前記第1モードで前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出した後、前記算出された飛距離を所定距離だけ減少させる、請求項4に記載の仮想ゴルフシステム。
【請求項7】
前記制御部は、前記第1モードで前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態を前記仮想ゴルフボールが置かれた傾斜地点の傾斜角を反映して変形した後、前記変形された物理的な状態に基づいて前記軌跡を算出する、請求項4に記載の仮想ゴルフシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想ゴルフシステムに関する。より詳細には、所定の角度で傾斜することができるスイングプレートを備えた仮想ゴルフシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
3次元立体映像とコンピュータシミュレーション技術を用いて、現場に行かずにスポーツ試合を楽しむことができるシミュレーション装置が開発されて、ゴルフや野球などのような仮想の屋内スポーツ試合が広く普及されている。代表的な屋内スポーツであるスクリーンゴルフの場合、スクリーンを通じてゴルフ場の映像が表示されて、まるで屋外で実際のゴルフ試合をしているような感じを与えながらも、屋外のフィールドで試合することに比べて時間と費用がセーブされるので、時間や経済的な理由などでゴルフをプレイするのが難しい現代人に非常に人気が高い。
【0003】
実際ゴルフのゴルフコースには、フェアウェイ、ラフ、バンカー、ウォーターハザードなどのような様々な地形が存在し、また、これらの地形は平地又は傾斜地形であって、これらの地形の属性によりユーザーがゴルフボールを打撃するときの打撃感や打撃難易度に差異が有り得る。例えば、平地で打撃する場合に比べて、傾斜地形で打撃する場合には、打撃感が異なり打撃難易度が増加する。これに比べて、スクリーンゴルフ場でゴルフボールを置いて打撃するスイングプレートは、通常平らな底に設置されていて実際ゴルフにおいて傾斜地点でゴルフボールを打撃することのような打撃感を再現し難いという問題がある。
【0004】
上記のような点を勘案してスイングプレートを傾斜するように形成する場合には、他の問題が有り得る。つまり、一部のユーザーは傾斜地点の打撃感を再現することを好むが、他のユーザーは自分のゴルフの実力が不足して傾斜スイングプレートで打撃することが不便であると思って、これを反対する場合もありえる。したがって、実際のゴルフをプレイしているようなリアリティを与えながら、同時に様々なユーザーのニーズを満たすことができるシステムの開発が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記のような事情を勘案して発明されたものであり、傾斜することができるスイングプレートを備えることにより実際ゴルフのリアリティを与えながら、同時に様々なユーザーのニーズを満たすことができる仮想ゴルフシステムを提供することを目的とする。
【0006】
また、本発明の他の目的は、以下の説明と添付した図面から明確に理解することができる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するのために、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムは、ゴルフボールが置かれ、傾斜することができるスイングプレートと、仮想ゴルフコースと仮想ゴルフボールを表示する表示部とを含む。ユーザーは互いに異なる第1モードと第2モードでプレイすることができ、ユーザーが前記ゴルフボールを打撃する前に、前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールが置かれている位置が傾斜地点であるとき、前記第1モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが所定の角度で傾斜した状態で前記ゴルフボールを打撃することができ、前記第2モードにおいて、ユーザーは前記スイングプレートが傾斜しない状態で前記ゴルフボールを打撃することができる。
【0008】
上記仮想ゴルフシステムは前記スイングプレートが所定の傾斜角で傾斜するように調節する傾斜調節手段をさらに含み、前記仮想ゴルフコースで前記仮想ゴルフボールが置かれている位置が傾斜地点であるとき、前記傾斜地点の傾斜に対応するように、前記傾斜調節手段によって前記スイングプレートの傾斜角が調節される。
【0009】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、ユーザーは、前記第1及び第2モードのうちいずれかをプレイ開始前に予め選択することができる。
【0010】
上記仮想ゴルフシステムは、ユーザーが前記ゴルフボールを打撃すると、前記打撃されたゴルフボールの軌跡を算出する制御部をさらに含み、前記ゴルフボールの軌跡が算出されると、前記表示部は前記算出された軌跡に沿って動く前記仮想ゴルフボールを表示する。
【0011】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記制御部は、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで打撃したユーザーにペナルティーポイントを与える。
【0012】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記制御部は、前記第1モードで前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出した後、前記算出された飛距離を所定距離だけ減少させる。
【0013】
上記仮想ゴルフシステムにおいて、前記制御部は、前記第1モードで前記打撃されたゴルフボールの物理的状態に基づいて前記軌跡を算出し、前記第2モードで、前記打撃されたゴルフボールの物理的状態を前記仮想ゴルフボールが置かれた傾斜地点の傾斜角を反映して変形した後、前記変形された物理的な状態に基づいて前記軌跡を算出する。
【発明の効果】
【0014】
本発明の仮想ゴルフシステムによれば、傾斜することができるスイングプレートを備えることにより、実際ゴルフのリアリティを与えながら、同時に様々なユーザーのニーズを満たすことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構成図である。
【
図2】
図1の仮想ゴルフシステムでスクリーンに表示される画面の一例を示す図である。
【
図3】
図1の仮想ゴルフシステムに使用されるスイングプレートを詳細に示す図である。
【
図4】スイングプレートの傾斜メカニズムの一例を説明するための図である。
【
図5】
図1の仮想ゴルフシステムの動作過程を示すフローチャートである。
【
図6】第1モードでゴルフボールの軌跡を算出する原理を示す図である。
【
図7】第2モードでペナルティーポイントを与える様々な例を示す図である。
【
図8】ペナルティーポイントを用いてユーザーに不利益を与える様々な例を示す図である。
【
図9】ペナルティーポイントを用いてユーザーに不利益を与える様々な例を示す図である。
【
図10】第2モードでゴルフボールの軌跡を算出する原理を示す図である。
【
図11】第2モードでゴルフボールの軌跡を算出する原理を示す図である。
【
図12】本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの表示部で表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の目的、特徴、利点は以下の実施例から容易に理解できるであろう。本発明は、ここで説明される実施例に限定されず、他の形態に具体化されることもできる。ここで紹介される実施例は、開示された内容が徹底的で完全なものとなるように、かつ本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者に本発明の思想が十分に伝達されるようにするために提供されるものである。よって、以下の実施例により本発明が限定されてはならない。
【0017】
本明細書において、第1、第2などの用語が様々な要素(elements)を記述するために使用されたが、前記要素がこのような用語によって限定されてはならない。この用語は、単に前記要素を相互に区別するために使用されただけである。また、とある層(膜)が他の層(膜)または基板上にあると言及されている場合に、それは、他の層(膜)または基板上に直接形成されること、またはそれらの間に第3の層(膜)が介在することもできることを意味する。
【0018】
図面において、要素の大きさ、または要素間の相対的な大きさは、本発明に対するさらに明確な理解のために多少誇張して図示できる。また、図示した要素の形状が製造工程上の変異などによって多少変更できるであろう。したがって、本明細書で開示した実施例は、特別な記載がない限り、図示した形状に限定されてはならず、ある程度の変形を含むものと理解されるべきである。
【0019】
図1は、本発明の実施例による仮想ゴルフシステムの概略的な構成図である。
【0020】
図1を参照すると、仮想ゴルフシステムは、スイングプレート(10)、制御部(20)、感知部(30)、入力部(40)、表示部(50)を含む。
【0021】
スイングプレート(10)は、ゴルフボールが置かれて打撃が行われる打撃ゾーンに該当する。特に、本実施例によるスイングプレート(10)は、所定の角度で傾斜することができる。これは、スイングプレート(10)が所定の傾斜角で傾斜するように調節する傾斜調節手段(
図3の図面符号11を参照)が具備されるからであり、この傾斜調節手段については後述する。
【0022】
制御部(20)は、スクリーンゴルフにおいて各構成要素の全体的な動作を制御する。例えば、制御部(20)は、前記傾斜調節手段を制御してスイングプレート(10)が水平を維持するかまたはどの程度の角度で傾くかについてコントロールすることができる。また、制御部(20)は、ユーザーがスイングプレート(10)に置くゴルフボールを打撃すると、前記打撃されたゴルフボールがどのような軌跡で飛行するかを算出することができる。
【0023】
感知部(30)は、ユーザーが打撃するゴルフボールが置かれているスイングプレート(10)の状態をチェックしたり、またはユーザーが打撃したゴルフボールに関する全般的な状態情報を感知する。感知部(30)によってユーザーが打撃したゴルフボールの状態情報が感知されると、その結果は制御部(20)に伝達され、これは制御部(20)によってユーザーが打撃したゴルフボールがどのような軌跡で飛行するかを算出する際に根拠資料として使用される。感知部(30)としてゴルフボールの動きを撮影することができるカメラやゴルフボールの動きを検出することができる感知センサーなどのような任意の感知手段が使用されることができる。前記カメラや感知センサーなどは単独に使用されたり、又は一緒に使用されることができる。また、一個のみが使用されたり、又は複数個が使用されることもできる
【0024】
入力部(40)は、ユーザーからの各種情報を受けるためのものであり、キーボード/マウスなどを用いることができる。スクリーンゴルフでは、ユーザーがログインをするために、自分のIDやパスワードなどを入力する場合、ユーザーがプレイしようとするゴルフコースや難易度などを選択する場合などのように、ユーザーが情報を入力しなければならない場合があり、このような場合のために入力部(40)が必要である。入力部(40)から入力された情報は、制御部(20)に伝達され、制御部(20)は伝達された情報に基づいてユーザーの要求を処理する。例えば、ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合、そのゴルフコースでプレイすることができるように必要な処理を行う。具体的に、制御部(20)は映像を処理する映像処理手段を備え、ユーザーが特定のゴルフコースを選択した場合に、前記映像処理手段では、選択されたゴルフコースの映像を表示部(50)に伝達して表示されるようにすることができる。また、ユーザーがログインをするためにIDやパスワードなどの個人情報を入力する場合に、制御部(20)は入力された個人情報をチェックして、ログインの承認可否を決定する役割を果たす。一方、スクリーンゴルフのサービスを提供するサービス業は複数のスクリーンゴルフ場を運営することができ、この場合、複数のスクリーンゴルフ場はネットワークで連結された中央サーバーによって管理され、前記ログイン処理は前記中央サーバーによって行われることができる。
【0025】
表示部(50)は、ビームプロジェクター(51)とスクリーン(52)を含む。ビームプロジェクター(51)は、仮想のゴルフコースと仮想のゴルフボールがスクリーン(52)に表示されるように関連映像をスクリーン(51)に投射し、スクリーン(52)は、投射されたゴルフ関連映像をディスプレイしてユーザーに提供する役割をする。本明細書では、スクリーン(52)に表示される対象について「仮想」という用語を付けて表現することができる。これは、現実の世界に存在するものではなく、スクリーン(52)に表示されるものであるという意味である。例えば、「仮想のゴルフコース」とは、スクリーン(52)に表示されるゴルフコースを意味し、「仮想のゴルフボール」とは、スクリーン(52)に表示されるゴルフボールを意味する。
【0026】
図1に図示されていないが、ユーザーにゲームの進行状況を案内しゲームの進行に応じる各種の効果音を再生するための音声処理部が具備されていることができる。
【0027】
図2は
図1の仮想ゴルフシステムでスクリーンに表示される画面の一例を示し、
図3は
図1の仮想ゴルフシステムに使用されるスイングプレートを詳細に示し、
図4はスイングプレートの傾斜メカニズムの一例を説明するための図である。
【0028】
図2を参照すると、スクリーン(52)には仮想のゴルフコースが表示され、仮想のゴルフコースは実際のゴルフコースを反映している。実際のゴルフでは、最初のティーショットをした後、打撃されたゴルフボールが飛行して特定の地点に着地し、着地地点から打撃を継続する。本発明の仮想ゴルフシステムでも、スイングプレート(10)でティーショットをした後、感知部(30)で打撃されたゴルフボールの状態を感知して制御部(20)に伝達し、制御部(20)は感知結果に基づいて、ゴルフボールが感知部(30)によって感知された状態の通り実際のゴルフ場で飛行と仮定したときの飛行軌跡を算出する。算出された結果に基づいて、仮想のゴルフボール(VB; Virtual Ball)が動く映像がスクリーン(52)に表示され、仮想のゴルフボール(VB)は算出結果に基づいて飛行した後、スクリーン(52)のうちの仮想のゴルフコースにおいて特定地点に着地し、ユーザーは仮想のゴルフボール(VB)が着地した地点から打撃を継続する。
【0029】
実際のゴルフでゴルフボールが着地される地点は、フェアウェイ、ラフ、バンカーなどのような様々な属性を持つ地形であり、スクリーン(52)の仮想ゴルフコースにも仮想フェアウェイ、仮想ラフ、仮想バンカーなどのような様々な属性を持つ地形が表示されることができる。また、実際のゴルフでゴルフボールは水平地点または傾斜地点に着地し、スクリーン(52)のうちの仮想ゴルフコースもこのような点を反映している。つまり、仮想ゴルフボール(VB)は、
図2の(a)に図示されたように仮想ゴルフコースの水平位置に位置したり又は
図2(b)のに図示されたように仮想ゴルフコースの傾斜位置に位置したりすることができる。
【0030】
実際のゴルフでは、着地地点が水平地点であればこの着地点で打撃するときにはゴルフボールが水平である状態で打撃し、着地地点が傾斜地点であればこの着地点で打撃するときにはゴルフボールが傾斜した状態で打撃する。ところが、従来のスクリーンゴルフ場では、打撃用ゴルフボールが置かれているスイングプレートが常に水平状態であるため、傾斜地点での打撃感を体験し難いという問題があった。本実施例による仮想ゴルフシステムのスイングプレート(10)は、仮想ゴルフコースにおいて仮想ゴルフボール(VB)が位置する地点の傾斜を反映することができるように構成されている。
図3を参照すると、スイングプレート(10)は、傾斜調節手段(11)によって所定の角度で傾くことができる。したがって、スクリーン(52)の仮想ゴルフボール(VB)が水平地点に着地すると(
図2の(a)を参照)、
図3の(a)に図示されたように、スイングプレート(10)は水平な状態を維持し、スクリーン(52)の仮想ゴルフボール(VB)が傾斜地点に着地すると(
図2の(b)参照)、
図3の(b)に図示されたように、スイングプレート(10)は所定の角度で傾れる。この時に、スイングプレート(10)の傾斜角は、スクリーン(52)のうちの仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点が傾れた程度に対応するように調節されることができる。例えば、仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点の傾斜角がそれぞれ5°、10°、15°である場合に、スイングプレート(10)の傾斜角は前記傾斜地点の傾斜と同様に、それぞれ5°、10°、15°になるように調節されることができる。または、仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点の傾斜角が5°、10°、15°である場合に、スイングプレート(10)の傾斜角は前記傾斜地点の傾斜と一定の割合で比例して2.5°、5°、7.5°になるように調節されたり、10°、20°、30°になるように調節されることができる。または、ここで言及しない他の方法で、仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点の傾斜度とスイングプレート(10)の傾斜角が対応するように構成されることができる。このように、仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点の傾斜度とスイングプレート(10)の傾斜角が対応するように調節することは、制御部(20)による行われることができる。制御部(20)は、打撃されたゴルフボールの軌跡を算出するため、仮想ゴルフボール(VB)の着地位置まで把握することができ、それにより把握された着地位置からその位置での傾斜度を把握することができる。制御部(20)は、前記着地位置の傾斜度を把握した後、前記傾斜度に対応する傾斜角を持つようにスイングプレート(10)に備わる傾斜調節手段(11)を制御する。これにより、仮想ゴルフボール(VB)が着地した地点の傾斜に対応する傾斜角を持つようにスイングプレート(10)が傾れることができる。
【0031】
図4を参照すると、傾斜調節手段(11)は、駆動源(11a)、軸部材(11b)、ギア(11c、11d)を含む。駆動源(11a)には軸部材(11b)が結合され、軸部材(11b)にはギア(11c、11d)が装着される。駆動源(11a)としてモーターが使用され、駆動源(11a)が作動すると駆動源(11a)に結合された軸部材(11b)が回転する。ギア(11c、11d)として回転運動を直線運動に変換することができるピニオンギヤ(11c)とラックギア(11d)が使用され、軸部材(11b)が回転するとギア(11c、11d)の動作で回転運動が直線運動に変換されてラックギア(11d)が上下に動くことができる。ラックギア(11d)の端部はスイングプレート(10)の中間部分の下部面に接触される。ラックギア(11d)が上下に動くに従って、ラックギア(11d)と接触されたスイングプレート(10)の該当部分が上側に上げられたり又は下側に下げられたりする。スイングプレート(10)は、ラックギア(11d)が接触する中間部分を基準にして、それぞれ前方と後方に位置する前方部(10a)と後方部(10b)に区分される。スイングプレート(10)が上側にあげられたときに、前方部(10a)は前方を向けて傾斜するようになって、後方部(10b)は後方を向けて傾斜するようになる。図面に図示されないが、前方部(10a)と後方部(10b)が隣接する部位にヒンジなどのようなヒンジ用部材がさらに具備されていることも可能である。
【0032】
このような構造の傾斜調節手段(11)を利用すれば、ピニオンギア(11c)/ラックギア(11d)によってスイングプレート(10)が上げられる程度を調節することにより、スイングプレート(10)がどの程度の傾斜で傾れるかをコントロールすることができる。
図4に図示れた傾斜調節手段(11)の構造は一つの例を挙げることであり、駆動源(11a)、軸部材(11b)、ギア(11c、11d)等を使用しなくても、スイングプレート(10)を傾れるための他の構成が適用されることができる。また、
図4のような傾斜調節手段(11)を使用する場合にも、これを図面に図示された状態と異なるものに変形させて使用することもできる。例えば、スイングプレート(10)の複数の位置にそれぞれ傾斜調節手段(11)が接触できるように、傾斜調節手段(11)が複数に具備されることが可能であり、この場合にスイングプレート(10)を傾けるとき、複数の傾斜調節手段(11)のうちに一部のみが動作したりまたはすべての傾斜調節手段(11)が動作したりして、スイングプレート(10)が一つの方向にのみ傾斜したり、または複数の方向に傾斜するようにすることができる。
【0033】
スイングプレート(10)が傾れている状態でゴルフボールを置いて打撃することは、容易ではないので、ある程度のレベルのゴルフ実力が必要である。したがって、スイングプレート(10)が傾れた状態でゴルフボールを打撃することを好まないユーザーがありえる。また、実際のゴルフにおいて傾斜地点で打撃することを再現することができるという点を好んで、スイングプレート(10)が傾れた状態でゴルフボールを打撃することを希望ユーザーもありえる。このように、ユーザーごとに選好するものが異なるという点を勘案して、本実施例による仮想ゴルフシステムはユーザが選択することができる第1モードと第2モードを提供し、これに対する具体的な動作過程は次の通りである。
【0034】
図5は、
図1の仮想ゴルフシステムの動作過程を示すフローチャートである。
【0035】
図1及び
図5を参照すると、ユーザーが打撃する前に、制御部(20)は仮想のゴルフコースで仮想のゴルフボールがどのような地点に置かれているかをチェックし、第1モードと第2モードは仮想のゴルフボールが仮想のゴルフコースにおいて傾斜地点に位置する場合の処理方式に違いがある。仮想のゴルフボールが仮想ゴルフコースの平らな場所に置かれているときには、第1モードと第2モードで通常の過程(ユーザーがゴルフボールを打撃すると、制御部(20)がゴルフボールの飛行軌跡を算出し、算出結果に基づいて仮想のゴルフボールが動く映像がスクリーン(52)に表示される過程)が行われる。したがって、第1及び第2モードにおいて互いに異なる動作過程は、仮想のゴルフボールが仮想のゴルフコースにおける傾斜地点に位置するステップ(S1)で発生する。
【0036】
次のステップ(S2)で、現在のユーザーが第1モードのユーザーであるかまたは第2モードのユーザーであるかをチェックする。第1及び第2モードは、ユーザーのレベルにより自動的に設定されることができる。スクリーンゴルフのサービスが提供される前に、ログインが行われた場合、ログイン情報から現在どのようなユーザーがプレイしていることを把握することができ、そのユーザーの過去のプレイ記録を参考してユーザーのゴルフレベルを把握することができる。例えば、スクリーンゴルフのサービスを提供するサービス業者が複数のスクリーンゴルフ場を運営しながら、前記複数のスクリーンゴルフ場をネットワークで連結した中央サーバーを通じて管理する場合、ユーザーに対するログイン処理は前記中央サーバーによって行われ、前記中央サーバにはユーザーごとに個人情報と過去のプレイ記録を貯蔵しているデータベースが具備される。前記データベースが具備される場合、制御部(20)や前記中央サーバーなどで、前記データベースを参照してユーザーのゴルフレベルを把握した後、これに基づいて自動的にユーザーのプレイモードを第1モードまたは第2モードに設定することができる。
【0037】
第1モードは、傾斜地点の打撃において実際のゴルフのリアリティを再現したものであって打撃難易度が高いプレイモードであり、第2モードは、傾斜地点の打撃において実際のゴルフのリアリティが減少して打撃難易度が低いプレイモードである。したがって、ゴルフのレベルが高いユーザーについて第1モードを設定し、ゴルフのレベルが低いユーザーについて第2モードを設定することができる。
【0038】
第1及び第2モードは、ユーザーが自分で選択することもできる。初心者でも実際のゴルフのリアリティを体感するために、第1モードでのプレイを希望する場合がありえ、ゴルフ熟練者ても個人好みにより第2モードでのプレイを希望する場合がありえる。ユーザーがプレイモードを選択する場合、ゴルフプレイを開始する前に、入力部(40)を通じてプレイモードを選択することができる。また、ユーザーが希望するプレイモードを選択しない場合には、自動的にプレイモードが設定されるようにすることができる。
【0039】
第1モードでは、第1モードによるステップ(S11、S12、S13、S14)が行われ、第2モードでは、第2モードによるステップ(S21、S22、S23、S24)が行われる。
【0040】
第1モードによるステップ(S11、S12、S13、S14)において、第1ステップ(S11)では、スイングプレート(10)が仮想ゴルフボールの着地地点の傾斜に対応する傾斜で傾れるように調節される。第2ステップ(S12)で、ユーザーは傾斜スイングプレート(10)に置かれているゴルフボールを打撃する。第3ステップ(S13)で、制御部(20)はゴルフボールの軌跡を算出するなど第1方式の処理を行う。第4ステップ(S14)で、スクリーン(52)に算出された軌跡に沿って動く仮想のゴルフボールが表示される。
【0041】
第2モードによるステップ(S21、S22、S23、S24)において、第1ステップ(S21)では、仮想のゴルフボールの着地地点の傾斜度に関係なくスイングプレート(10)が水平に維持される。第2ステップ(S22)で、ユーザーは水平スイングプレート(10)に置かれているゴルフボールを打撃する。第3ステップ(S23)で、制御部(20)はゴルフボールの軌跡を算出するなど第2方式の処理を行う。第4ステップ(S24)で、スクリーン(52)に算出された軌跡に沿って動く仮想のゴルフボールが表示される。
【0042】
第1モードによるステップ(S11、S12、S13、S14)と第2モードによるステップ(S21、S22、S23、S24)を比較すると、第1ステップ(S11、S21)でスイングプレート(10)の傾斜可否による違いがあり、第3ステップ(S13、S23)でユーザーが打撃したゴルフボールに対して制御部(20)が互いに異なる第1及び第2方式の処理を行うという点で違いがある。以下、図面を参照して前記第1方式(
図6)と第2方式(
図7乃至
図11)に対して 詳細に説明する。
【0043】
図6は、第1モードでゴルフボールの軌跡を算出する原理を示す。
【0044】
図6を参照すると、第1方式において、制御部はユーザーが打撃したゴルフボール(B)の物理的な状態に基づいてゴルフボール(B)がどのような軌跡で飛行するかを算出する。前記ゴルフボール(B)の物理的な状態は感知部によって感知される。具体的に、ゴルフボール(B)の物理的な状態を示す様々な物理的なパラメータ値が把握される。前記物理的なパラメータはその種類が非常に多様であり、打撃された実際のゴルフボール(B)の動きも時時刻刻変動されるため、これらをすべて考慮して軌跡を算出する場合には、その計算過程は非常に複雑になる。したがって、説明の便宜上、ゴルフボール(B)の様々な物理的パラメータのうちに一部(例えば、ゴルフボールの移動速度と移動方向)のみを用いた単純なモデルでゴルフボール(B)の軌跡算出過程を説明する。
【0045】
図6に図示されたように、ユーザがゴルフボール(B)を打撃すると、ゴルフボール(B)は所定の速度(V1)と方向(θ1)を持って飛行する。ここで、速度(V1)はゴルフボール(B)が打撃された直後の初速度であり、方向(θ1)は打撃によって飛行する方向を示す因子として水平面に対して傾いた角度である。制御部はゴルフボール(B)が前記物理的なパラメータ(V1、θ1)を持って運動する際にどのような軌跡(T1)を持つかを算出する。このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出した後、そのパラメータをそのまま利用して軌跡(T1)を算出することが第1方式による処理である。要するに、ユーザーによって打撃された実際のゴルフボール(B)の物理的な状態を変更せずにそのまま利用することである。第1モードは、仮想のゴルフボールが傾斜地点に位置する状況をそのまま再現することができるようにスイングプレートも傾斜した状態で打撃するものであり、「スクリーンで仮想のゴルフボールが置かれる条件(以下、「スクリーンの条件」とする)」と「スイングプレートで実際のゴルフボールが置かれる条件(以下、「プレートの条件」とする)」とが互いに対応し、第1方式は、このように両条件が対応する場合の打撃(以下、「正常打撃」とする)で通常のスクリーンゴルフで利用される方式をそのまま従うものである。
【0046】
これに比べて、第2モードは仮想のゴルフボールが傾斜地点に位置するにも関わらず、スイングプレートは水平状態で打撃(以下、「非正常打撃」とする)するものであり、スクリーンの条件とプレートの条件が互いに対応しないので、このように両条件が対応していない場合には、通常のスクリーンゴルフで利用される方式と異なる方法を適用することが第2方式である。具体的には、第2方式は非正常打撃をするユーザーにペナルティーポイントを与えたりまたは飛距離が減少されたりするなどの所定の不利益を与えることができる。
【0047】
図7は第2モードでペナルティーポイントを与える様々な例を示し、
図8及び
図9はペナルティーポイントを用いてユーザーに不利益を与える様々な例を示し、
図10及び
図11は第2モードでゴルフボールの軌跡を算出する原理を示す。
【0048】
図7を参照すると、第2モードにおいて第2方式により様々な方法でユーザーにペナルティーポイントを与えることができる。
図7に図示されたように、第1方法(A)、第2方法(B)、第3方法(C)などのように、さまざまな方法でペナルティーポイントを与えることができる。
【0049】
ペナルティーポイントを与える第1方法(A)は、非正常打撃の回数とペナルティーポイントを1対1に算定して非正常打撃があるたびに1点ずつペナルティーポイントをあたえることである。
図7の表に図示されているペナルティーポイントは、ペナルティーポイントが発生した時点までの総合を意味する。したがって、第1方法(A)において、非正常打撃1回にペナルティーポイント1点が発生して、現在までのペナルティーポイント総合1点が表に記載され、非正常打撃2回に他のペナルティーポイント1点が発生して、現在までのペナルティーポイント総合2点が表に記載されている。
【0050】
第2方法(B)は、一種の加重値に基づいてペナルティーポイントを与えるものであり、
図7に図示されたように、非正常打撃の回数が増加するに従ってペナルティーポイント点数も高くなるようにするものである。例えば、非正常打撃1回にペナルティーポイント0.2点が発生し(総点 0.2)、非正常打撃2回にペナルティーポイント0.3点が発生し(総点 0.2+0.3=0.5)、非正常打撃3回にペナルティーポイント0.5点が発生する(総点 0.2+0.3+0.5=1)方法であり、非正常打撃の回数が増加するにつれてより高いペナルティーポイントを与える。
【0051】
第3方法(C)は、どのような状況でペナルティーポイントが発生したかをチェックして、各状況により与えられるペナルティーポイントが変わるものである。例えば、第1の非正常打撃と第2の非正常打撃時に、仮想ゴルフボールが位置する地点の傾斜度が低い場合(例えば、所定の傾斜度以下である場合)には、それぞれ0.5点のペナルティーポイントを与え、第3、4、5の非正常打撃時に、仮想ゴルフボールが位置する地点の傾斜度が高い場合(例えば、所定の傾斜度以上である場合)には、それぞれ1点のペナルティーポイントを与える。その結果、
図7に図示されたように、第2の非正常打撃時にペナルティーポイントの総点は1(0.5+0.5)になり、第3の非正常打撃時にペナルティーポイントの総点は2(0.5+0.5+1)になり、第4の非正常打撃時にペナルティーポイントの総点は3(0.5+0.5+1+1)になり、第5の非正常打撃時にペナルティーポイントの総点は4(0.5+0.5+1+1+1)になる。
【0052】
図7はペナルティーポイントを与えるいくつの例を示すだけであり、ペナルティーポイントを与える方法は
図7に図示されている方法に限定されず、非常に多様な他の方法が適用されることができる。
【0053】
上記のようにペナルティーポイントを与えることは、ユーザーに所定の不利益を与えるためのものであるが、単にペナルティーポイントがあるという点だけでは、ユーザーに実質的に不利益を与えたとすることができない。以下では、ペナルティーポイントを利用してユーザーに実質的に不利益を与えることができる様々な方法のうちにいくつの例(下記の(1)-(4)を参照)を見てみる。
【0054】
(1)ペナルティーポイントを利用して、ユーザーに罰打を与えることができる。罰打は、ゴルフにおいて、練習スイングをしながらゴルフボールを触りたり、ゴルフボールが体に当たったりするなどの様々な場合に付与されるものであるが、スクリーンゴルフでもペナルティーポイントを罰打に換算することでユーザーに不利益を与えることができる。ペナルティーポイントを罰打に換算することにも、様々な方式が適用されることができる。例えば、
図8に図示されたように、最も単純にペナルティーポイントと罰打の値を1対1に算定してペナルティーポイントの総点が自然数になるときごとに、1罰打が付与されるようにしたり(
図8の表で「D」の部分を参照)、またはペナルティーポイントと罰打の値を2対1に算定してペナルティーポイントの総点が2の倍数値になるときごとに、1罰打が付与されるようにすることができる(
図8の表で「E」の部分を参照)。
【0055】
(2)ペナルティーポイントを利用して、ユーザーからマリガン(mulligan)の機会を奪うことができる。マリガンとは大きなミスショットが発生するとき、これを取り消して再度ショットをすることができる機会を与えることを意味する。通常スクリーンゴルフのユーザーは、スクリーンゴルフの開始前に、各ユーザーに与えられるマリガンの回数を設定してプレイする。例えば、マリガンを3回と設定した場合、各ユーザーはプレイをする間に3回のワーストショットをキャンセルすることができる。このようなマリガンの機会を奪うことは、ユーザーに不利益になるので、ペナルティーポイントを利用する一つの方法としてマリガンの使用回数を減らすことを思い見ることができる。ペナルティーポイントをどのような方法で換算してマリガンの機会を減少させるかについては、罰打を換算する方式と同一の方式が適用されることができ、または他の方式が適用されることができる。例えば、
図8に図示されたように、ペナルティーポイントの総点が自然数になるときごとに、マリガンの機会を1回ずつ奪ったり(
図8の表で「D」の部分を参照)、またはペナルティーポイントの総点が2の倍数値になるときごとに、マリガンの機会を1回ずつ奪うことができる(
図8の表で「E」の部分を参照)。
【0056】
図8はペナルティーポイントを罰打やマリガン機会の剥奪に換算することができるいくつの例を示すだけであり、ここに図示されていない非常に多様な他の換算方法が適用されることができる。
【0057】
(3)ペナルティーフォーポイントを利用して、コンシード(concede)と認められる距離の範囲が縮小されるようにすることができる。コンシードとは、パッティングしたゴルフボールがホールカップ(hole cup)から一定距離の以内にあれば、ホールイン(hole in)に成功したと認められることを意味する。通常スクリーンゴルフのユーザーは、スクリーンゴルフの開始前に、コンシードの範囲を設定してプレイする。例えば、コンシードを1.5mに設定した場合、ホールカップから半径1.5m以内に位置するゴルフボールはホールインとみなす。もしコンシードの範囲が減ると、ホールインに成功するために、ユーザーはホールカップに最大限近くパッティングをしなければならない。したがって、コンシードとして認められる距離が減ることは、ユーザーに不利益になるので、ペナルティーポイントを利用する一つの方法としてコンシード距離を減らすことを思い見ることができる。具体的には、
図9に図示されたように、コンシードが1.5mに設定された場合、ペナルティーポイントが1点であるときにコンシードが1mになるようにし、ペナルティーポイントが2点であるときにコンシードが0.5mになるようにすることができる。ただし、
図9はペナルティーポイントをコンシード距離の減少に換算する一つの例を示すだけであり、ここに図示されない非常に多様な他の換算方法が適用されることもできる。
【0058】
(4)ペナルティーポイントがある場合に、ユーザーの便宜のために提供される各種情報が提供されないようにすることができる。スクリーンゴルフのにおいて、スクリーンに表示されるゴルフコースは実際のゴルフ場のゴルフコースをそのまま反映して示す場合が多い。例えば、実際のゴルフ場のゴルフコースにあいてホールカップの近傍地域に傾斜があるか又は高低が一定しない場合、スクリーンのゴルフコースでもホールカップの近傍地域に傾斜があるか又は高低が一定しないように構成される。この場合、パッティングをする時に前記傾斜や高低の変化を考慮しなければ、パッティングに成功し難くなる。しかし、ユーザーがスクリーンに表示される映像だけでホールカップの近傍地域の傾斜や高低を把握して適切にパッティングすることは非常に難しいので、スクリーンゴルフでは仮想のキャディーがスクリーンに現れてゴルフボールの位置とホールカップの近傍地域の傾斜や高低を考慮して適切なアドバイス(例えば、「左に約20度の角度でパッティングして下さい」のようにパッティング方向を提示)を提供することができる。このようなアドバイスがなければパッティングに成功し難いので、前記アドバイスを提供しないことは、ユーザーに不利益になる。したがって、ペナルティーポイントを利用する一つの方法として、パッティングやショットなどに必要な各種情報やアドバイスを提供しないことを思い見ることができる。
【0059】
(1)-(4)でペナルティーポイントを利用して非正常打撃のユーザーに不利益を与える方法を説明したが、(1)-(4)は不利益を与えることができる様々な方法のうちにいくつの例であるだけであり、ここに説明されない非常に多様な他の方法が適用されることもできる。
【0060】
また、(1)-(4)の方式は、それぞれ独自に適用されることができ、又は複数の方式が結合されて適用されることもできる。例えば、ペナルティーポイントが小さいときには(2)の方式に基づいてマリガンの機会を奪い、ペナルティーポイントが所定値以上であるかまたはユーザーが既にマリガンの一部や全部を使用してそれ以上奪うマリガンの機会が残っていない場合には、(4)の方式に基づいてユーザーに各種情報やアドバイスを提供しないようにすることができる。
【0061】
また、ペナルティーポイントを有するすべてのユーザーに同一方式で不利益を与えることができるが、ユーザーごとに異なる方式で不利益を与えることもできる。例えば、スクリーンゴルフのプレイを開始する前に、複数のユーザーが第2モードを選択する場合、第2モードを選択した複数のユーザーそれぞれが希望する不利益の方式を自分で予め設定して、あるユーザーには罰打を与え、他のユーザーにはマリガンの機会を奪うようにすることができる。
【0062】
一方、ペナルティーポイントについて、必ず不利益が発生するように処理する必要はない。すなわち、(1)-(4)のようにペナルティーポイントを根拠にして特定の不利益が発生するようにスクリーンゴルフのシステムで決定せず、ユーザーがスクリーンゴルフを完了した後に自分でペナルティーポイントをどのように処理するかを決定することもできる。もしスクリーンゴルフを一緒にプレイするユーザーが、他のユーザーの非正常打撃を許諾すると、他のユーザーにペナルティーポイントがあっても別に不利益が発生しないように合意することも可能である。または、スクリーンゴルフのシステムでペナルティーポイントに対する不利益が発生しなくても、スクリーンゴルフを一緒にプレイしたユーザー同士、ペナルティーポイントが最も高い人がスクリーンゴルフの費用を支払うように約定することにより、ペナルティーポイントに対する経済的な不利益が発生するようにすることができる。
【0063】
上記のように、第2モードで第2方式に基づいて非正常打撃をするユーザーにペナルティーポイントを与えることができる。ペナルティーポイントを与える場合には、既にペナルティーポイントによる不利益を受けたために、飛距離は第1モードと同一の方式で算出されることができる。これに対し、下で説明するように、ペナルティーポイントを与えなくてゴルフボールの軌跡を算出する方法を変えて、所定の不利益が発生するようにすることもできる(又は、ペナルティーポイントを与えながら、同時に下で説明したように飛距離を算出して不利益がより大きくなることもできる。)。
【0064】
具体的には、第2モード下でゴルフボールの飛距離を算出した後、第2方式により前記飛距離を人為的に減少させることができる。
図10を参照すると、まず第1方式の場合と同様にゴルフボールの軌跡を算出する。つまり、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとするとき、制御部はゴルフボール(B)が上記の物理的なパラメータ(V1、θ1)を有して運動する場合にどのような軌跡(T1)を持つかを算出する。このように軌跡(T1)を算出した後に、人為的にゴルフボール(B)の飛距離を所定の距離(d)だけ減少させる。飛距離の減少量は、スクリーンで仮想のゴルフボールが位置する地点の傾斜度に比例するように設定されることができる。一般的に傾斜度が大きければ打撃難易度も高いとすることができ、打撃難易度が増加するにつれて飛距離が減少するとすることができるので、傾斜度に沿って飛距離の減少量が増加するように設定することができる。上記飛距離の減少は、傾斜度に基づいて所定の数値が(例:5m、10m、15mなど)減少するように設定することができ、または傾斜度に基づいて算出された飛距離について特定の割合(例:5%、10%、15%など)の飛距離が減少するように設定することができる。
【0065】
このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出し、そのパラメータをそのまま利用して軌跡(T1)を算出した後、人為的に飛距離を減少させることが第2方式による処理である。
【0066】
または飛距離を減少させる代わりに、他の方法でゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを変更させる方式が適用されることができる。
図11を参照すると、ユーザーが打撃したゴルフボール(B)が所定の速度(V1)と方向(θ1)を有するとするとき、上記物理的なパラメータ(V1、θ1)から第1軌跡(T1)が算出されるとすれば、本方式では、スクリーン(52)の仮想ゴルフボールが置かれている地点の傾斜度を反映して、前記物理的なパラメータの一部を変形した後に軌跡を算出する。例えば、感知されたゴルフボールの物理的状態において水平面と移動するゴルフボールとの間の上下角が「θ1」とし、仮想ゴルフボールが置かれている地点の傾斜度が「α」とすれば、「θ1、α」を利用してゴルフボールの物理的パラメータの方向値を変形して変形値「θ2」を次のように計算する。
θ2 = f(θ1、α)
【0067】
上記のように、最初の方向値(θ1)から変形値「θ2」が計算されると、速度(V1)と変形値(θ2)から軌跡(T2)を算出する。ここで「f(θ1、α)」とは、θ1、αを変数とする関数ないし数式であり、最も単純な形として
f(θ1、α)= θ1 + α
になるようにすることができる。
【0068】
または、傾斜度を反映する程度に所定の加重値(β)を置いて、
f(θ1、α)= θ1 + α×β
になるようにすることができる。
【0069】
または、様々な実験を通して、実際の状況に附合する複雑な数式を作成して適用することができる
【0070】
このようにゴルフボール(B)の物性を示すパラメータを抽出し、そのパラメータの一部パラメータを人為的に変形した後、これに基づいて軌跡(T2)を算出することが第2方式による処理である。
【0071】
上記のように、第2モードではスクリーンの条件とプレートの条件とが一致しない状態での打撃(非正常打撃)について不利益を与えるために、ゴルフボールの軌跡はスクリーンの条件とプレートの条件が一致した状態での打撃(正常打撃)の場合と同様に算出しながらペナルティーポイントを付与したり、またはペナルティーポイントを付与しない代わりに正常打撃の場合と異なる方式で飛距離を調整する方式が適用されることができる。ただし、ここで提示された方法はくつの例であるだけであり、これ以外にも第2モードに適用されることができる様々な方式が有り得る。
【0072】
また、これまで正常打撃に比べて非正常打撃に不利益を与えるための様々な第2モードの処理方式について説明したが、第2モードとして必ずユーザーに不利益を与えるように処理される必要はない。スクリーンゴルフをプレイする目的は個々のユーザーごとに異なり、単にストレスを解消するための娯楽の用途でスクリーンゴルフを楽しむユーザーの立場では、第2モードで非正常打撃をしながらプレイするが、これによる別の不利益が発生しないことを希望する場合が有り得る。したがって、第1モードでは正常打撃のみが有効であり、第2モードでは非正常打撃のみが有効であるが、第1及び第2モードでのゴルフボールの飛距離をすべて同一の方法で算出しながら第2モードのユーザーに不利益を与えないように構成することもできる。
【0073】
図12は、本発明の他の実施例による仮想ゴルフシステムの表示部で表示される画面の一例を示す。
【0074】
本実施例による仮想ゴルフシステムは、以前の実施例とほとんど同一であるため、同一事項に対する詳細説明は省略する。本実施例は、ユーザーが複数であり、一部のユーザーは第1モードでプレイし他のユーザーは第2モードでプレイしている時に、ユーザの便宜のためにユーザーがプレイしているモードの種類をスクリーンに明確に表示する点に特徴がある。
【0075】
図12を参照すると、ユーザーが複数である場合、それぞれのユーザーはプレイの開始前に第1モードと第2モードのいずれかのプレイモードを選択したり、またはユーザーのレベルにより自動的にプレイモードが設定されることができ、スクリーン(52)には仮想のゴルフコースと仮想のゴルフボールに対する映像が表示される画面がディスプレイされ、前記画面に複数のユーザーそれぞれに対するウィンドウ(53、54)を別々に表示する。このウィンドウ(53、54)には、各ユーザーに対する簡単な情報(IDや個人記録など)が表示され、また
図12に図示されたように、各ユーザーが選択したプレイモードが表示されることができる。したがって、各ユーザは自分のウィンドウ(53、54)を参照して、自分がプレイしているモードをいつでも確認しながらプレイすることができる。
【0076】
以上、本発明の具体的な実施例について考察した。本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者は、本発明が本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で変形した形態で具現できることを理解することができるであろう。したがって、開示された実施例は限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されるべきである。本発明の範囲は前述した説明ではなく、特許請求の範囲に示されており、それと同等の範囲内にあるすべての差異点は本発明に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0077】
10:スイングプレート
20:制御部
30:感知部
40:入力部
50:表示部
【外国語明細書】