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特開2022-54166電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2022054166
(43)【公開日】2022-04-06
(54)【発明の名称】電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュール
(51)【国際特許分類】
   H02K 33/16 20060101AFI20220330BHJP
【FI】
H02K33/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2020161210
(22)【出願日】2020-09-25
(71)【出願人】
【識別番号】000237558
【氏名又は名称】富士通アイソテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】吉田 雅春
(72)【発明者】
【氏名】山木 秀一
(72)【発明者】
【氏名】中島 宏彰
【テーマコード(参考)】
5H633
【Fターム(参考)】
5H633BB08
5H633BB10
5H633GG02
5H633GG04
5H633GG09
5H633HH03
5H633HH07
(57)【要約】
【課題】価格を低廉化すると共に、小型化することができる電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールの提供を図る。
【解決手段】一端に作動ピン6が設けられ、軸方向に直線移動可能な可動鉄心1と、可動鉄心の軸方向における第1位置に設けられた第1ソレノイド21と、第1位置に設けられた第1永久磁石31と、可動鉄心の軸方向において、第1位置と離隔された第2位置に設けられた第2ソレノイド22と、第2位置に設けられた第2永久磁石32と、を備え、第1および第2ソレノイドに電流を流さないとき、可動鉄心は、第1永久磁石に基づく第1磁気回路による第1保持位置または第2永久磁石に基づく第2磁気回路による第2保持位置に保持され、可動鉄心が第1保持位置に保持されているとき、第1ソレノイドに対して、第1永久磁石による磁場を打ち消す極性の電流を流し、可動鉄心を第2保持位置に移動させて保持する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端に作動ピンが設けられ、軸方向に直線移動可能な可動鉄心と、
前記可動鉄心の軸方向における第1位置に設けられた第1ソレノイドと、
前記第1位置に設けられた第1永久磁石と、
前記可動鉄心の軸方向において、前記第1位置と離隔された第2位置に設けられた第2ソレノイドと、
前記第2位置に設けられた第2永久磁石と、を備え、
前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドに電流を流さないとき、前記可動鉄心は、前記第1永久磁石に基づく第1磁気回路による第1保持位置、または、前記第2永久磁石に基づく第2磁気回路による第2保持位置に保持され、
前記可動鉄心が前記第1磁気回路による前記第1保持位置に保持されているとき、前記第1ソレノイドに対して、前記第1永久磁石による磁場を打ち消す極性の電流を流し、前記可動鉄心を前記第2磁気回路による前記第2保持位置に移動させて保持し、或いは、
前記可動鉄心が前記第2磁気回路による前記第2保持位置に保持されているとき、前記第2ソレノイドに対して、前記第2永久磁石による磁場を打ち消す極性の電流を流し、前記可動鉄心を前記第1磁気回路による前記第1保持位置に移動させて保持する、
ことを特徴とする電磁アクチュエータ。
【請求項2】
前記可動鉄心が前記第1保持位置に保持されているとき、前記第1ソレノイドに対して、前記第1永久磁石に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流した後、直ちに前記第1ソレノイドに流す電流を遮断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項3】
前記可動鉄心が前記第1保持位置に保持されているとき、前記第1ソレノイドに対して、前記第1永久磁石に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流すと共に、前記第2ソレノイドに対して、前記第2永久磁石に基づく磁場を増強する極性の電流を流した後、直ちに前記第1ソレノイドに流す電流を遮断すると共に、前記第2ソレノイドに流す電流を遮断する、
ことを特徴とする請求項2に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項4】
前記可動鉄心が前記第2保持位置に保持されているとき、前記第2ソレノイドに対して、前記第2永久磁石に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流した後、直ちに前記第2ソレノイドに流す電流を遮断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項5】
前記可動鉄心が前記第2保持位置に保持されているとき、前記第2ソレノイドに対して、前記第2永久磁石に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流すと共に、前記第1ソレノイドに対して、前記第1永久磁石に基づく磁場を増強する極性の電流を流した後、直ちに前記第2ソレノイドに流す電流を遮断すると共に、前記第1ソレノイドに流す電流を遮断する、
ことを特徴とする請求項4に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項6】
前記可動鉄心の軸方向における、前記第1永久磁石および前記第2永久磁石の両端には、それぞれ前記第1磁気回路および前記第2磁気回路を構成する磁性材料よりなる磁性体部が設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項7】
前記第1永久磁石は、前記第1ソレノイドを覆うように設けられ、
前記第2永久磁石は、前記第2ソレノイドを覆うように設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項8】
前記第1位置および前記第2位置は、前記可動鉄心の軸方向において、互いに離隔された複数の位置における隣接する2つの位置である、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項9】
前記複数の位置は、前記第1位置および前記第2位置の他に第3位置を含み、
前記第3位置には、第3ソレノイドおよび第3永久磁石が設けられ、
前記第1ソレノイド,前記第2ソレノイドおよび前記第3ソレノイドに電流を流さないとき、前記可動鉄心は、前記第1磁気回路による前記第1保持位置、前記第2磁気回路による前記第2保持位置、または、前記第3永久磁石に基づく第3磁気回路による第3保持位置に保持される、
ことを特徴とする請求項8に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項10】
前記可動鉄心の一端に設けられた前記作動ピンは、前記可動鉄心の軸方向における直線移動を、当該電磁アクチュエータの外部に作用させる、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項11】
前記可動鉄心の他端には、前記可動鉄心の軸方向における直線移動を安定させるガイドピンが設けられている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項12】
さらに、
前記可動鉄心の軸方向における直線移動の距離を拡大する拡大機構部を、備える、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項13】
前記拡大機構部は、前記可動鉄心の軸方向における直線移動の距離を、てこの原理を適用して拡大する、
ことを特徴とする請求項12に記載の電磁アクチュエータ。
【請求項14】
請求項1乃至請求項13のいずれか1項に記載の電磁アクチュエータを複数備える、
ことを特徴とする電磁アクチュエータモジュール。
【請求項15】
複数の前記電磁アクチュエータは、多層化するように配置され、それぞれの前記電磁アクチュエータにおける前記可動鉄心は、高密度化して配置される、
ことを特徴とする請求項14に記載の電磁アクチュエータモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールに関し、特に、ソレノイドにより可動鉄心を直線移動させる電磁アクチュエータおよびその電磁アクチュエータを複数設けて構成した電磁アクチュエータモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ソレノイド(コイル)により可動鉄心(プランジャ)を直線移動させる電磁アクチュエータが、様々な分野で幅広く利用されている。このような電磁アクチュエータは、一般的に、ソレノイドに対して電流を流すことにより、可動鉄心を初期位置から動作位置に移動させ、可動鉄心に設けた作動ピンの移動により、所望の機能を実行させている。
【0003】
しかしながら、可動鉄心を動作位置に保持させておくには、ソレノイドに電流を流し続けることになるため消費電力が増大するだけでなく、連続通電に耐えられるソレノイドが必要になるため価格も上昇するといった問題がある。
【0004】
そこで、従来、ソレノイドに電流を流し続けることなく、可動鉄心を動作位置に保持することができる電磁アクチュエータが求められており、様々な提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実全平02-107272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のように、従来、ソレノイドに電流を流し続けることなく、可動鉄心を動作位置に保持することができる電磁アクチュエータが提案されている。しかしながら、従来の電磁アクチュエータは、例えば、可動鉄心を動作位置に保持するための保持機構を設ける必要があるため、構造が複雑になって価格の上昇や大型化を招くといった解決すべき課題がある。
【0007】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたもので、価格を低廉化すると共に、小型化することができる電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る一実施形態によれば、一端に作動ピンが設けられ、軸方向に直線移動可能な可動鉄心と、前記可動鉄心の軸方向における第1位置に設けられた第1ソレノイドと、前記第1位置に設けられた第1永久磁石と、前記可動鉄心の軸方向において、前記第1位置と離隔された第2位置に設けられた第2ソレノイドと、前記第2位置に設けられた第2永久磁石と、を備える電磁アクチュエータが提供される。
【0009】
前記第1ソレノイドおよび前記第2ソレノイドに電流を流さないとき、前記可動鉄心は、前記第1永久磁石に基づく第1磁気回路による第1保持位置、または、前記第2永久磁石に基づく第2磁気回路による第2保持位置に保持される。前記可動鉄心が前記第1磁気回路による前記第1保持位置に保持されているとき、前記第1ソレノイドに対して、前記第1永久磁石による磁場を打ち消す極性の電流を流し、前記可動鉄心を前記第2磁気回路による前記第2保持位置に移動させて保持し、或いは、前記可動鉄心が前記第2磁気回路による前記第2保持位置に保持されているとき、前記第2ソレノイドに対して、前記第2永久磁石による磁場を打ち消す極性の電流を流し、前記可動鉄心を前記第1磁気回路による前記第1保持位置に移動させて保持する。
【発明の効果】
【0010】
本実施形態に係る電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールによれば、価格を低廉化すると共に、小型化することができるという効果を奏する。
【0011】
本発明の目的および効果は、特に請求項において指摘される構成要素および組み合わせを用いることによって認識され且つ得られるであろう。前述の一般的な説明および後述の詳細な説明の両方は、例示的および説明的なものであり、特許請求の範囲に記載されている本発明を制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、従来の電磁アクチュエータの例を示す図である。
図2図2は、本発明に係る電磁アクチュエータの一実施例を示す図である。
図3図3は、図2に示す電磁アクチュエータの構成を説明するための図である。
図4図4は、図2に示す電磁アクチュエータの動作を説明するための図である。
図5図5は、図4を参照して説明した電磁アクチュエータの動作を拡大する機構の一例を模式的に示す図である。
図6図6は、図2を参照して説明した電磁アクチュエータを複数設けて構成した電磁アクチュエータモジュールの例を示す図である。
図7図7は、図2を参照して説明した電磁アクチュエータの変形例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
まず、本発明に係る電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールの実施形態を詳述する前に、従来の電磁アクチュエータおよびその問題点を、図1を参照して説明する。図1は、従来の電磁アクチュエータの例を示す図であり、図1(a)は、ソレノイドに電流を流し続けることで可動鉄心を動作位置に保持する電磁アクチュエータ100を示し、図1(b)は、保持機構を設けることでソレノイドに電流を流し続けることなく可動鉄心を動作位置に保持する電磁アクチュエータ200を示す。
【0014】
図1(a)および図1(b)において、参照符号101,201は可動鉄心(プランジャ)、102,202はソレノイド(コイル)、131~133,231~233はヨーク、104,204はバネ、251は可動体、252は係止部、そして、106,206は作動ピンを示す。
【0015】
図1(a)に示されるように、電磁アクチュエータ100は、一端に作動ピン106が設けられた可動鉄心101、可動鉄心101を覆うように設けられたソレノイド102、バネ104、および、ヨーク131~133を有する。まず、ソレノイド102に電流を流さない初期状態(非動作状態)において、可動鉄心101は、バネ104の反発力により、可動鉄心101の他端(下面)は、ヨーク131の上面に接した初期位置に保持される。
【0016】
次に、ソレノイド102に所定の電圧を印加して電流を流すと、ソレノイド102により磁場(磁束,磁界)が発生し、例えば、ヨーク133→作動ピン106→可動鉄心101→ヨーク131→ヨーク132→ヨーク133に向かう磁気回路が形成される。これにより、可動鉄心101は、バネ104を縮めるように上方向に移動、すなわち、可動鉄心101の上面および下面は、初期位置から図1(a)中の破線位置(動作位置)まで移動(直線移動)する。
【0017】
このように、可動鉄心101が初期位置から動作位置に移動すると、可動鉄心101の一端に設けられた作動ピン106の先端も移動することになり、この作動ピン106の先端の移動に基づいて、例えば、弁の開/閉やスイッチのオン/オフといった様々な機能が実行される。
【0018】
ところで、作動ピン106(可動鉄心101)を動作位置に保持しておきたい場合には、ソレノイド102に対して所定の電圧印加を継続して電流を流し続けることが必要になる。そのため、図1(a)に示す電磁アクチュエータ100は、消費電力の増大を招くだけでなく、連続通電に耐えられる性能を有するソレノイド102も必要になるため価格の上昇を来たすことにもなる。
【0019】
図1(b)に示されるように、電磁アクチュエータ200は、一端に作動ピン206が設けられた可動鉄心201、可動鉄心201を覆うように設けられたソレノイド202、バネ204、ヨーク231~233、および、保持機構(251,252)を有する。ここで、保持機構は、ソレノイド202に電流を流し続けることなく、可動鉄心201を動作位置に保持するためのもので、可動鉄心201に固着されて可動鉄心201と一緒に移動する可動体251、および、可動体251の係止爪を利用して可動鉄心201を動作位置に保持する係止部252を有する。なお、可動体251の係止爪および係止部252は、本発明に直接関係しないので、その構成は省略する。
【0020】
まず、ソレノイド202に電流を流さない初期状態において、可動鉄心201は、ヨーク231の下面と可動体251の上面の間に設けられたとバネ204の反発力により、初期位置に保持される。次に、ソレノイド202に電流を流すと、ソレノイド202により磁場が発生し、例えば、ヨーク233→作動ピン206→可動鉄心201→ヨーク231→ヨーク232→ヨーク233に向かう磁気回路が形成される。これにより、可動鉄心201は、バネ204を縮めるように上方向に移動し、可動鉄心201の上面および作動ピン206の上面は、図1(b)中の破線位置まで移動する。
【0021】
このとき、可動体251は係止部252により固定され、これにより、ソレノイド202に流す電流を遮断しても、可動鉄心201を動作位置に保持することができるようになっている。なお、可動鉄心201を動作位置から初期位置に復帰させるには、例えば、ソレノイド202に対して一時的に電流を流し、係止部252における可動体251の係止爪のロックを解除する。
【0022】
しかしながら、図1(b)に示す電磁アクチュエータ200は、可動体251および係止部252といった保持機構を設けるため構造が複雑になり、大型化および価格上昇を招くことになる。さらに、機械的な保持機構を設けることにより、信頼性や耐久性が低下するといった面でも問題がある。
【0023】
以下、本発明に係る電磁アクチュエータおよび電磁アクチュエータモジュールの実施形態を、添付図面を参照して詳述する。図2は、本発明に係る電磁アクチュエータの一実施例を示す図であり、図2(a)は、可動鉄心が第1保持位置に保持されている状態を示し、図2(b)は、可動鉄心が第2保持位置に保持されている状態を示す。
【0024】
図2(a)および図2(b)において、参照符号1は可動鉄心(プランジャ)、21は第1ソレノイド(下部コイル)、22は第2ソレノイド(上部コイル)、31は第1永久磁石(下部永久磁石)、32は第2永久磁石(上部永久磁石)、4はバイパス部、51は第1ベース(下部ベース)、52は第2ベース(上部ベース)、6は作動ピン、そして、7はガイドピンを示す。なお、バイパス部4,第1ベース51,第2ベース52および可動鉄心1は、例えば、1%ケイ素鋼等の磁性材料で構成することができる。すなわち、バイパス部4,第1ベース51および第2ベース52は、磁性体部を構成する。また、作動ピン6およびガイドピン7の材料や可動鉄心1と第1および第2ベース51,52との間の間隙等は、例えば、可動鉄心1の保持位置による第1および第2永久磁石による磁気回路(MC31,MC31’,MC32,MC32’)の強さ(吸引力)の設定に基づいて最適なものが選択される。
【0025】
可動鉄心1は、その軸方向(上下方向)に直線移動可能とされ、可動鉄心1の一端(上面)には、作動ピン6が設けられ、可動鉄心1の他端(下面)には、ガイドピン7が設けられている。ここで、作動ピン6は、可動鉄心1の軸方向における直線移動を、その電磁アクチュエータの外部に作用させるものであり、また、ガイドピン7は、可動鉄心1の軸方向における直線移動を安定させるためのものである。なお、作動ピン6,可動鉄心1およびガイドピン7に関しては、後に、図3を参照して詳述する。また、図2(a)および図2(b)において、ガイドピン7は、可動鉄心1の他端に接する部分のみが描かれ、ガイドピン7の下方部分(下面等)は省略されている。
【0026】
図2(a)および図2(b)に示されるように、可動鉄心1の軸方向における下方位置(第1位置)には、可動鉄心1を覆うように第1ソレノイド21が設けられ、さらに、第1ソレノイド21を覆うように第1永久磁石31が設けられている。さらに、可動鉄心1の軸方向における上方位置(第2位置)には、可動鉄心1を覆うように第2ソレノイド22が設けられ、さらに、第2ソレノイド22を覆うように第2永久磁石32が設けられている。ここで、第1ソレノイド21および第2ソレノイド22に電流を流さないとき、可動鉄心1は、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31による第1保持位置、または、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32による第2保持位置に保持される。
【0027】
すなわち、図2(a)に示される状態では、第1永久磁石31の磁場(磁束,磁界)により、第1永久磁石31の上面(一端)→バイパス部4→可動鉄心1→第1ベース51→第1永久磁石31の下面(他端)に向かう第1磁気回路MC31が形成され、この第1磁気回路MC31により、可動鉄心1が第1保持位置に保持される。なお、可動鉄心1が第1保持位置に保持されているとき、第2永久磁石32の磁場により、第2永久磁石32の上面→第2ベース52→作動ピン6→可動鉄心1→バイパス部4→第2永久磁石32の下面に向かう第2磁気回路MC32’も形成されているが、この第2磁気回路MC32’は、磁路の中に作動ピン6を含み、或いは、第2ベース52の下面と可動鉄心1の一端との間の間隙を含むため、第1磁気回路MC31よりも弱くなっており、可動鉄心1は、第1磁気回路MC31による第1保持位置に安定して保持されることになる。
【0028】
また、図2(b)に示される状態では、第2永久磁石32の磁場により、第2永久磁石32の上面→第2ベース52→可動鉄心1→バイパス部4→第2永久磁石32の下面に向かう第2磁気回路MC32が形成され、この第2磁気回路MC32により、可動鉄心1が第2保持位置に保持される。なお、可動鉄心1が第2保持位置に保持されているとき、第1永久磁石31の磁場により、第1永久磁石31の上面→バイパス部4→可動鉄心1→ガイドピン7→第1ベース51→第1永久磁石31の下面に向かう第1磁気回路MC31’も形成されているが、この第1磁気回路MC31’は、磁路の中にガイドピン7を含み、或いは、可動鉄心1の他端と第1ベース51の上面との間の間隙を含むため、第2磁気回路MC32よりも弱くなっており、可動鉄心1は、第2磁気回路MC32による第2保持位置に安定して保持されることになる。
【0029】
ここで、図2(a)に示す可動鉄心1が第1磁気回路MC31により第1保持位置に保持されているとき、第2磁気回路MC32は、第2ベース52から作動ピン6を介して可動鉄心1に向かうように描かれているが、例えば、第2ベース52の下面と可動鉄心1の上面(一端)の間隙(ギャップ)が狭い、或いは、可動鉄心1が移動する距離が短い場合には、作動ピン6を経由することなく、第2磁気回路MC32を第2ベース52から直接可動鉄心1に向かうものとして考えることができる。これは、図2(b)に示す可動鉄心1が第2磁気回路MC32により第2保持位置に保持されているときの第1磁気回路MC31も同様であり、ガイドピン7を経由することなく、第1磁気回路MC31を可動鉄心1から直接第1ベース51に向かうものとして考えてもよい。
【0030】
図3は、図2に示す電磁アクチュエータの構成を説明するための図である。ここで、図3(a)は、図2(a)に示す電磁アクチュエータを上方から見た図であり、図3(b)~図3(d)は、作動ピン6,可動鉄心1およびガイドピン7の例を説明するための図である。なお、図3(b)~図3(d)において、図2(a)および図2(b)の説明でも述べたように、ガイドピン7は、可動鉄心1の他端に接する部分のみが描かれ、ガイドピン7の下方部分は省略されている。これは、後述する図4図7でも同様である。
【0031】
図3(a)に示されるように、第1ソレノイド21および第2ソレノイド22は、可動鉄心1を覆うような円筒形状とされ、さらに、第1永久磁石31および第2永久磁石32は、それぞれ対応する第1ソレノイド21および第2ソレノイド22を覆うような円筒形状とされている。なお、バイパス部4,第1ベース51および第2ベース52も円筒形状とされている。ただし、これら第1および第2永久磁石31,32、第1および第2ソレノイド21,22、第1および第2ベース51,52およびバイパス部4は、必ずしも円筒形状にする必要はなく、例えば、多角筒形状等であってもよいのはいうまでもない。
【0032】
図3(b)に示す例において、可動鉄心1は、円柱形状として形成され、可動鉄心1の一端には、金属よりなる作動ピン6がろう付け等により固着して設けられ、また、可動鉄心1の他端には、金属よりなるガイドピン7がろう付け等により固着して設けられている。ここで、作動ピン6およびガイドピン7は、例えば、図2(a)および図2(b)を参照して説明したように、第1磁気回路MC31および第2磁気回路MC32として無視することができる場合には、プラスチック等の合成樹脂や他の様々な材料で形成することができる。なお、作動ピン6およびガイドピン7を合成樹脂で形成する場合、作動ピン6およびガイドピン7は、接着剤等を使用して可動鉄心1に固着して設けられることになる。
【0033】
図3(c)に示す例において、可動鉄心1は、円筒形状として形成され、この円筒形状の可動鉄心1の内側に、作動ピン6およびガイドピン7として機能する1本のピンが挿入されるようになっている。なお、図示していないが、可動鉄心1,作動ピン6およびガイドピン7を1つの部材として形成することも可能である。
【0034】
図3(d)に示す例において、ガイドピン7の下方部分は、第1ベース51に固着されており、円筒形状の可動鉄心1の内部に摺動可能として挿入されている。作動ピン6は、その下面近傍部分が円筒形状の可動鉄心1の内部に挿入して固定され、可動鉄心1と同様に移動するようになっている。すなわち、可動鉄心1が第1保持位置から第2保持位置(破線位置)まで上方向に移動するとき、作動ピン6は、可動鉄心1と一緒に上方向に移動する。このとき、ガイドピン7は、第1ベース51によりそのままの位置に固定され、ガイドピン7の上方部分が可動鉄心1の内部を摺動することで、可動鉄心1の移動を安定させるようになっている。なお、作動ピン6は、可動鉄心1の軸方向における直線移動を、その電磁アクチュエータの外部に作用させるものであり、また、ガイドピン7は、可動鉄心1の軸方向における直線移動を安定させるためのものであるのは、前述した通りである。
【0035】
図4は、図2に示す電磁アクチュエータの動作を説明するための図であり、図4(a)は、第1ソレノイド21および第2ソレノイド22に電流を流さないとき、可動鉄心1が第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31による第1保持位置に保持されている状態を示す。図4(b)は、可動鉄心1が第1保持位置に保持されているとき、第1ソレノイド21に所定の電圧を印加して電流を流し、第1永久磁石31による磁場を打ち消して、可動鉄心1が第1保持位置から第2保持位置に移動した状態を示し、図4(c)は、可動鉄心1が第2保持位置に保持されているとき、第2ソレノイド22に所定の電圧を印加して電流を流し、第2永久磁石32による磁場を打ち消して、可動鉄心1が第2保持位置から第1保持位置に移動した状態を示す。
【0036】
まず、図2(a)および図2(b)を参照して説明したように、第1ソレノイド21および第2ソレノイド22に電流を流さないとき、可動鉄心1は、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31による第1保持位置、または、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32による第2保持位置のいずれかの位置に安定して保持される。なお、図4(a)は、この2つの安定状態のうち、可動鉄心1が第1保持位置に保持されている様子を示している。
【0037】
図4(b)に示されるように、まず、図4(a)のように、可動鉄心1が第1保持位置に保持されているとき、第1ソレノイド21に対して、第1永久磁石31による磁場を打ち消す極性の電流を流す。すなわち、第1ソレノイド21には、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31を打ち消す方向の電圧(第1極性の電圧)が印加されて第1極性の電流が流される。これにより、第1ソレノイド21には磁場が発生し、この第1ソレノイド21の磁場により、第1ベース51→第1永久磁石31→バイパス部4→可動鉄心1に生じる第1ソレノイド磁気回路MC21が形成され、第1永久磁石31による第1磁気回路MC31を打ち消す(弱める)ように機能する。
【0038】
その結果、可動鉄心1は、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31による第1保持位置から解放される。このとき、可動鉄心1は、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32により、上方向(第2永久磁石32側)に吸引され、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32による第2保持位置まで移動(直線移動)して保持される。すなわち、可動鉄心1が第2保持位置に移動した後、第1ソレノイド21に流す電流を遮断しても、可動鉄心1は、そのまま第2保持位置に保持される。
【0039】
これは、図2(b)を参照して説明したように、可動鉄心1が第2保持位置に在るとき、第2永久磁石32の磁場による第2磁気回路MC32は、第1永久磁石31の磁場による第1磁気回路MC31’よりも強いため、可動鉄心1は、第2磁気回路MC32による第2保持位置に安定して保持される。なお、第1ソレノイド21に対して、第1永久磁石31に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流した後、直ちに第1ソレノイド21に流す電流を遮断するのが消費電力低減の面で好ましい。
【0040】
ここで、可動鉄心1が第1保持位置に保持されているとき、第1ソレノイド21に対して、第1永久磁石31に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流すと共に、第2ソレノイド22に対して、第2永久磁石32に基づく磁場を増強する極性(第1極性とは逆の第2極性)の電流を流すのが高速動作の面で好ましい。すなわち、第1保持位置から解放された可動鉄心1に対して、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32だけでなく、第2ソレノイド22の磁場による第2ベース52→可動鉄心1→バイパス部4→第2永久磁石32に向かう第2ソレノイド磁気回路MC22’を形成することにより、可動鉄心1に対して、第2磁気回路MC32および第2ソレノイド磁気回路MC22’の両方を機能させて吸引することで、より高速な動作が可能になる。
【0041】
さらに、図4(c)に示されるように、可動鉄心1が第2保持位置に保持されているとき、第2ソレノイド22に対して、第2永久磁石32による磁場を打ち消す極性(第1極性)の電流を流す。これにより、第2ソレノイド22には磁場が発生し、この第2ソレノイド22の磁場により、第2ベース52→第2永久磁石32→バイパス部4→可動鉄心1に生じる第2ソレノイド磁気回路MC22が形成され、第2永久磁石32による第2磁気回路MC32を打ち消すように機能する。
【0042】
その結果、可動鉄心1は、第2永久磁石32に基づく第2磁気回路MC32による第2保持位置から解放される。このとき、可動鉄心1は、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31により、下方向に吸引され、第1永久磁石31に基づく第1磁気回路MC31による第1保持位置まで移動して保持される。すなわち、可動鉄心1が第1保持位置に移動した後、第2ソレノイド22に流す電流を遮断しても、可動鉄心1は、そのまま第1保持位置に保持される。
【0043】
これは、図2(a)を参照して説明したように、可動鉄心1が第1保持位置に在るとき、第1永久磁石31の磁場による第1磁気回路MC31は、第2永久磁石32の磁場による第2磁気回路MC32’よりも強いため、可動鉄心1は、第1磁気回路MC31による第1保持位置に安定して保持される。なお、第2ソレノイド22に対して、第2永久磁石32に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流した後、直ちに第2ソレノイド22に流す電流を遮断するのが消費電力低減の面で好ましいのは、前述した通りである。
【0044】
ここで、可動鉄心1が第2保持位置に保持されているとき、第2ソレノイド22に対して、第2永久磁石32に基づく磁場を打ち消す極性の電流を流すと共に、第1ソレノイド21に対して、第1永久磁石31に基づく磁場を増強する極性の電流を流すのが高速動作の面で好ましいのも、前述した通りである。
【0045】
図5は、図4を参照して説明した電磁アクチュエータの動作を拡大する機構の一例を模式的に示す図であり、図5(a)は、上述した図4(a)に対応し、図5(b)は、上述した図4(b)に対応する。図5(a)および図5(b)に示されるように、電磁アクチュエータの動作を拡大する機構は、動作拡大ピン81~83により構成され、てこの原理を利用して作動ピン6の先端の移動距離を拡大するようになっている。
【0046】
すなわち、ピン82には、3つの支点8a~8cが設けられ、支点8aには、下面が第2ベース52の上面に固着されたピン81の先端が回転可能に設けられ、支点8bには、作動ピン6の先端が回転可能に設けられ、そして、支点8cには、ピン83の下端が回転可能に設けられている。
【0047】
ここで、支点8aから支点8bまでの距離をLとし、支点8bから支点8cまでの距離をL×2とする。このとき、図5(a)から図5(b)のように、可動鉄心1(作動ピン6の先端)が距離Dだけ上方に移動すると、ピン83の先端は、D×3の距離だけ上方に移動する。このピン83の先端を作動ピン6の先端として適用することにより、電磁アクチュエータによる可動鉄心1の移動距離(作動距離)を3倍に拡大することが可能になる。なお、図5(a)および図5(b)に示す電磁アクチュエータの動作を拡大する機構は、単なる例であり、知られている様々な手法を適用して実現することができるのはいうまでもない。
【0048】
図6は、図2を参照して説明した電磁アクチュエータを集積した例を示す図であり、図6(a)は、複数の電磁アクチュエータを同一平面で集積化した電磁アクチュエータモジュールの例を示し、図6(b)は、複数の電磁アクチュエータを多層化するように配置して集積化した電磁アクチュエータモジュールの例を示す。
【0049】
図6(a)に示す電磁アクチュエータモジュールは、図2(a)を参照して説明した本実施例の電磁アクチュエータを1つのユニット(電磁アクチュエータ)10とし、2個の電磁アクチュエータ10を固定して構成したものである。もちろん固定する電磁アクチュエータ10の数は2個に限定されるものではなく、必要に応じてさらに多数の電磁アクチュエータ10を集積して電磁アクチュエータモジュールを構成することができるのはいうまでもない。
【0050】
図6(b)に示す電磁アクチュエータモジュールは、複数の電磁アクチュエータ10を多層化するように配置して集積化したものである。図6(b)では、二層の構成としているが、さらに多層化して電磁アクチュエータモジュールを構成することも可能である。なお、複数の電磁アクチュエータ10を多層化した場合、例えば、作動ピン6の先端位置を揃えるには、各層の電磁アクチュエータ10における作動ピン6の長さを調整する必要がある。このように、複数の電磁アクチュエータを多層化して集積化した電磁アクチュエータによれば、複数の電磁アクチュエータの作動ピン6を高密度化することが可能になる。
【0051】
図7は、図2を参照して説明した電磁アクチュエータの変形例を示す図であり、ソレノイドおよび永久磁石の組を2つから3つに変更したものに相当する。すなわち、前述した電磁アクチュエータは、第1位置に設けられた第1ソレノイド21および第1永久磁石31、並びに、第2位置に設けられた第2ソレノイド22および第2永久磁石32の2組で構成されているが、図7に示す変形例では、さらに、第3位置に設けられた第3ソレノイド23および第3永久磁石33が追加されている。ここで、図7(a)は、可動鉄心1が、第1永久磁石31の磁場により第1保持位置に保持されている状態を示し、図7(b)は、可動鉄心1が、第3永久磁石33の磁場により第3保持位置に保持されている状態を示し、そして、図7(c)は、可動鉄心1が、第2永久磁石32の磁場により第2保持位置に保持されている状態を示す。
【0052】
図7(a)~図7(c)に示される変形例の電磁アクチュエータにおいては、隣接する2組のソレノイドおよび永久磁石を、例えば、図2(a)および図2(b)における第1ソレノイド21および第1永久磁石31と、第2ソレノイド22および第2永久磁石32に対応させることになる。
【0053】
すなわち、図7(a)を図2(a)に対応させると共に、図7(b)を図2(b)に対応させ、図7(a)および図7(b)における第1ソレノイド21,第1永久磁石31および第3ソレノイド23および第3永久磁石33を、図2(a)および図2(b)における第1ソレノイド21,第1永久磁石31および第2ソレノイド22および第2永久磁石32と見なす。さらに、図7(b)を図2(a)に対応させると共に、図7(c)を図2(b)に対応させ、図7(b)および図7(c)における第3ソレノイド23,第3永久磁石33および第2ソレノイド22および第2永久磁石32を、図2(a)および図2(b)における第1ソレノイド21,第1永久磁石31および第2ソレノイド22および第2永久磁石32と見なす。これにより、図7(a)~図7(c)に示す3組のソレノイド21~23および永久磁石31~33を備える電磁アクチュエータも理解されるであろう。
【0054】
なお、図7(a)~図7(c)に示す3組のソレノイドおよび永久磁石を備える電磁アクチュエータは単なる例であり、より多くの組のソレノイドおよび永久磁石を備えるように構成することもできる。このように、ソレノイドおよび永久磁石の組の数を増加することにより、作動ピン6の先端の位置を細かく制御することが可能になる。
【0055】
上述したように、本実施形態の電磁アクチュエータによれば、簡単な構成により価格の低廉化および小型化を図ることができる。また、係止部やバネを不要とすることにより、信頼性や耐久性を確保することも可能である。さらに、複数の保持位置に対して可動鉄心を保持しているとき、ソレノイドに電流を流し続ける必要がないため、低消費電力化を図ることができる。
【0056】
以上、実施形態を説明したが、ここに記載したすべての例や条件は、発明および技術に適用する発明の概念の理解を助ける目的で記載されたものであり、特に記載された例や条件は発明の範囲を制限することを意図するものではない。また、明細書のそのような記載は、発明の利点および欠点を示すものでもない。発明の実施形態を詳細に記載したが、各種の変更、置き換え、変形が発明の精神および範囲を逸脱することなく行えることが理解されるべきである。
【符号の説明】
【0057】
1,101,201 可動鉄心(プランジャ)
4 バイパス部(磁性体部)
6,106,206 作動ピン
7 ガイドピン
10,100,200 電磁アクチュエータ
21 第1ソレノイド(下部コイル)
22 第2ソレノイド(上部コイル)
23 第3ソレノイド(中間部コイル)
31 第1永久磁石(下部永久磁石)
32 第2永久磁石(上部永久磁石)
33 第3永久磁石(中間部永久磁石)
51 第1ベース(下部ベース,磁性体部)
52 第2ベース(上部ベース,磁性体部)
81~83 動作拡大ピン
102,202 第2ソレノイド(コイル)
131~133,231~233 ヨーク
104,204 バネ
251 可動体
252 係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7